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拍動流体外循環の有用性の実験的研究

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Academic year: 2022

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拍動流体外循環の有用性の実験的研究

著者 辻口 大

著者別表示 Tsujiguchi Hajime

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成2年7月

ページ 75

発行年 1990‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/14826

(2)

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目

医博乙第1072号 平成元年11月15日 辻ロ大

拍動流体外循環の有用性の実験的検討

論文審査委員主査 副査

喬夫夫

岩永宮 鉄逸坂崎

内容の要旨および審査の結果の要旨

体外循環における拍動流の意義について雑種成犬(12-20kg)24頭に拍動流、定常流麗流の切り換えの 容易なローラーポンプ型拍動流ポンプを用いて実験を行った。全身麻酔下に右大腿動脈、静脈よりそれぞ れカテーテルを挿入し、先端を宵動脈レベルの腹部大動脈と下大動脈におき、動脈圧測定と中心静脈圧測 定に用いた。左大腿動脈からは、採血用として右腎静脈にカテーテルを挿入した。右腎動脈には、電磁血 流計プロープを装着した。右開胸で上、下大静脈脱血、上行大動脈送血で、希釈率30%の希釈体外循環を 行った。濯流量は80,1/kg/mmとし、濯流条件を一定にした。心、肝、腎の組織血流量の測定には、電 解式水素クリアランス法組織血流計、熱勾配式組織血流計を用いた。濯流時間に対する2群間平均値の差 の検定には2元配置分散分析法の後Scheffeの多重比較法、Student'sttestを用いてP<0.05を有意と 判定した。

結果:1)定常流より拍動流へ切り換えることにより宵組織血流量の増加が認められ、拍動流より定常流 への切り換えで腎組織血流璽は低下した。拍動流群は、定常流群に比べ、心筋で9.6%肝臓で15.5%、腎 臓で11.4%の組織血流量の増加を認めた。各臓器組織血流量の経時的変化は拍動流群では180分間安定し た値を示した。定常流群では、60分以降時間の経過と共に低下し、180分で当初の光にまで低下した。各 臓器組織血流量はそれぞれの時間で両群間に有意差を認めた。2)平均濯流圧は60分以降定常流群で降下 傾向を示し、90分後より両群間に有意差を認めた。動脈脈圧は、拍動流群では35-40mHgの脈圧を維持 し下降傾向はみられず、両群間の脈圧差は30分後から終了時までは15-25mmHgであり、有意差を認めた。

3)全末梢血管抵抗は定常流群で60分後より下降し、90分より有意差を認めた。4)腎血流量は定常流開 始10分で52.1±7.1%に減少し、漸次下降した。拍動流群は終了まで70%以上の値を維持し得た。5)胃 血管抵抗は定常流群で180分後開始前の200%以上に上昇したが、拍動流群では109.4±9.4%と増加傾向は みられなかった。6)全身酸素消費量は、有意差を認めなかったが、腎酸素消費量は60分以降拍動流群が 有意に高値を示した。7)混合静脈血酸素分圧は、定常流群で30分以降で有意に低値であった。8)尿量 は、有意ではないが、拍動流群で高値を呈した。以上、長時間の体外循環で拍動流はより正常な末梢循環 を保持し、その有用性を確認し得た。

以上本論文は、体外循環における拍動流、定常流の血行動態の比較を、種々新たに実験方法を考案して 確認したもので、心臓外科学に有意義な労作と評価された。

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