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を用いた被験者走行実験を行ったので,その内容と分析

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Academic year: 2022

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(1)ラウンドアバウト実道社会実験における 走行実験の事前事後比較 滝川遼1・大口敬2・小根山裕之3・鹿田成則4 1学生員. 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科都市基盤環境学域 博士前期課程 東京大学 生産技術研究所 先進モビリティ研究センター. 2正会員. (153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1,TEL: 03-5452-6387,FAX: 03-5452-6420) 3正会員. 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 都市基盤環境学域 (〒192-0397 東京都八王子市南大沢1 丁目1,TEL:042-677-2781,FAX:042-677-2772) 4正会員 首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 都市基盤環境学域. 長野県飯田市には,吾妻町ロータリーの通称で親しまれているラウンドアバウト方式交通制御の円形交 差点がある.しかし環道幅員が広い,2車線の流入部がある,直進走行のまま通過できる流入出方向があ る,など交通運用上好ましくない特性も有していた.そこで, 2010年11月からマーキングや簡易的な構 造物を配することによって,近年欧米で導入が進められているモダンなラウンドアバウトの形状を模した 社会実験が行われ,こうした交通運用上の工夫の効果の実地評価を行った.ここでは,この実験の事前と 事後で実験車両を用いた被験者走行実験を行ったので,その内容と分析結果を報告する.. Key Words : Roundabout, Experimental car survey, Before-after study, Field operation test. 1.. はじめに. 近年欧米では,交通量の比較的尐ない交差点の新たな. を用いた被験者走行実験を行ったので,その内容と分析. 制御方式としてラウンドアバウトの導入が盛んである.. 結果を報告する.. ラウンドアバウト(Roundabout)(図-1)の定義は, 『環道交通流に優先権があり,かつ環道交通流は信号機 や一時停止などにより中断されない,円形の平面交差部 の一方通行制御方式』1)である.これは通常の無信号 交差点と比べ,重大事故が発生しにくい,低交通需要時 の遅れの低減,環境負荷の低減,分岐の数に影響されに くい等が長所とされる.日本でもその導入に必要な技術 的検討1)が進められている. 長野県飯田市には,吾妻町ロータリーの通称で親しま れているラウンドアバウト方式交通制御の円形交差点 (図-1)がある.しかし環道幅員が広い,2 車線の流 入部がある,直進走行のまま通過できる流入出方向があ る,など交通運用上好ましくない特性も有していた. そこで, 2010 年 11 月からマーキングや簡易的な構造 物を配することによって,近年欧米で導入が進められて いるモダンなラウンドアバウトの形状を模した社会実験 が行われ,こうした交通運用上の工夫の効果の実地評価 を行った.ここでは,この実験の事前と事後で実験車両. 図-1 吾妻町ロータリー(左下:実験前,右下:実験後) 1.

(2) 2.走行実験調査内容 吾妻町ロータリーを社会実験前に 1 回(事前)と社会 実験後に 2 回(事後),それぞれ走行実験調査を行った. (1) 調査概要 ①調査日時 ・交通実態事前調査(9/28,29) ~社会実験(11/1~12/12)~ ・第一回交通実態事後調査(11/10,11) ・第二回交通実態事後調査(12/1,2) ②調査場所 ・長野県飯田市鈴加町 2 丁目 (通称:吾妻町ロータリー) ③被験者・実験車両 ・被験者:首都大・名大・名工大の学生・教員(地元 ではない)計 9 人 ・実験車両:カローラ(トヨタ) 図-3 走行パターン(01~20)と走行回数 (2) 走行実験調査方法 計測機器(GPS ロガー)を搭載した車両で走行し,交. て走行位置に違いが生じるため,各パターン(01~20). 差点各流入・流出部,環道での位置・速度・燃費を記録. の同一走行では,同じ仮想の線上を走行したとして,位. する.また,車載のビデオカメラにより,走行中の前方. 置を補正し走行距離を同じにしている.そうすることで,. 状況を記録している.(図‐3). 事前,事後における速度の違いを検討する.. 3.分析・考察 (1) 南流出の速度変化 社会実験の効果が速度変化に顕著に表われた南流出部 に着目し考察する.南流出には,走行パターン 02,06, 15,19 があり,これらの走行速度と位置の関係をそれ ぞれ,図―4,5,6,7に示す.なお,事前・事後とも に自由走行のみを対象としている. 南流出部は,社会実験前は車両が南北に直線的に交差. 図-2 走行実験調査の様子. 点内を通過できるため,交差点内での車両の速度が高く なりやすい点や,流出時に交錯の危険性といった点が問. (3) 走行方法 このラウンドアバウトは 5 流入路あり,走行方法の組. 題であった.(図‐8)そのため,社会実験では,流出. み合わせは 20 通り(5 流入部×4 流出部=20 パター. 部にかけて,二車線を一車線化し,また流出部に角度を. ン)ある.この 20 通りの走行を,10 通りずつタイプ. 付けたことにより,事後では南流出への速度低下が期待. A・タイプ B に分けて,各 4~6 回走行を行った.事前調. されていた.. 査(9/28)では,タイプ A は 5 回,タイプ B は 4 回走行. 走行パターン 02,15,19(図―4,6,7)では,事前. を行い,事後調査(11/10, 12/1, 12/2)では,タイプ. に対して,事後での流出時の速度低下が見られる.特に,. A=6 回,タイプ B=5 回走行を行った.なお,20 通りの. 直線的に交差点内を走行することができた走行パターン. 走行パターンと,事前・事後での走行回数と自由走行. 02(図‐5)においては,平均流出速度が 36.4km/h から. (ラウンドアバウトに流入してから,流出するまで,他. 23.8 km/h と減速の様子が顕著に見られる.また,走行. 車または歩行者・自転車の影響がなく自由に走行するこ. パターン 15(図‐6)においても平均流出速度 が 28.8. とが出来た走行)回数は図-4 の通りである.. km/h から 19.8 km/h,走行パターン 19(図‐7)におい ても平均流出速度が 32.3 km/h から 25.0 km/h と減速効 果が確認できた.走行パターン 06(図‐5)においては,. (4) 集計方法. 走行距離が短いため,流出速度に変化は見られなかった.. 走行した一秒ごとの位置と速度データが GPS ロガーに より得られるが,事前と事後で,また,各被験者によっ 2.

(3) 図-7 走行パターン 19 の走行速度 図-4 走行パターン 02 の走行速度. 図-8 南流出部(左:事前,右:事後) (2) 流入部・環道部の速度変化 走行パターン 02,06,15,19(図―4,5,6,7)では, 流入部における速度変化は見られなかった.流入部にお いても,交差点への流入を二車線から一車線にし流入部 図-5 走行パターン 06 の走行速度. に角度を付け,速度を抑制する構造に改良をしている. しかし,今回の走行実験では,被験者が停止線において, きちんと止まっていたため,速度変化は見られなかった と考えられる. 環道内の旅行速度に関しても,事前,事後で速度変化 は見られない.環道幅員を狭くし,走行ルートを限定し たにも関わらず,速度に変化は見られなかった.また, 環道にゼブラ舗装を施し,走行ルートを明確にしたが速 度変化は現れなかった. (3)各走行パターン別,旅行速度と環道出口速度 各走行パターン別の旅行速度(流入ドット線から流出 ドット線までの,環道内の旅行速度)と環道出口速度を 図‐9 に示す.いづれの走行パターンも 20km/h 程度で ある.南流出において,環道出口速度の低下が見られ, 走行速度が速い走行は速度が抑制されていることが分か. 図-6 走行パターン 15 の走行速度. る.. 3.

(4) H吉村. 環道出口 速度 (km/h) ・ 事前 ・ 事後 旅行速度 (km/h) ・ 事前 ・ 事後. 15.5 19.1. 34.8 23.2 15.514.4. 05 20.5. 03 25.623.4 29.4 19.7. 21.8. 21.123.2. 14.9 15.2 23.0. 10. 13 25.1 23.0. 17 17.220.6 19.5. 21.2. 23.1 20.8. 19.9. 20.8. 17.8. 18.419.6. 12 16.317.8. 23.121.1. 14.916.2. 16 19.9 18.6. 23.423.7. 17.917.8. 30.0 24.4. 20.8 20.8. 21.3. 26.5. 23.1. 4.結論 走行実験を行い,社会実験の前後での走行状況、走行 速度を確認した.南流出部において,社会実験での速度 抑制効果が確認できた. 謝辞:本研究は,(財)国際交通安全学会平成 22 年度「安 全でエコなラウンドアバウトの実用展開に関する研究」の 一環として行われたものである.また飯田市および関係各 位には多大なる協力を頂いた.ここに深謝の意を表する.. 参考文献 中村秀樹,大口敬,馬渕太樹,吉岡慶祐;“日本におけ るラウンドアバウトの計画・設計ガイドの検討”,交通 工学 Vol.44,No.3,2009. 5. 4. 14.0 14.7. 14.116.5. 19.9. 19.7. 20. 19. 23.5. 18.521.0. 22.4. 図-9 各走行パターンの旅行速度と環道出口速度. 1). 20.1. 26.720.4. 18 16.5 17.8. 17.0. 15 19.4 21.8. 21.6. 08. 18.918.9. 14 23.2 16.0 19.1 21.0. 26.323.1. 11 20.8 19.9. 17.217.3 20.022.0. 04. 07. 06. 09 18.2 18.7. 平均環道 出口速度 (km/h) 事前/事後. 02. 01.

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参照

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