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博士論文審査報告書

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Academic year: 2022

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(1)早稲田大学大学院 先進理工学研究科. 博士論文審査報告書. 論. 文. 題. 目. 新規海洋天然化合物の探索と起源 に関する研究 Studies on New Marine Natural Products and Their Origins. 申. 請. 者. 町田. 光史. Koshi. MACHIDA. 化学・生命化学専攻. ケミカルバイオロジー研究. 2018 年 7 月.

(2) 本報告書は、申請者(町田光史)の博士論文を審査した結果をまとめたも のである。 申請者の指導教授(中尾洋一)は申請者の博士学位請求の申し出を受け、 化学・生命化学専攻生命化学部門の教員(小出隆規、寺田泰比古)および応 用 化 学 専 攻 教 員( 細 川 誠 二 郎 )、広 島 大 学 大 学 院 先 端 物 質 科 学 研 究 科 教 員( 青 井 議 輝 )と 2 0 1 8 年 5 月 8 日 に 博 士 学 位 論 文 予 備 審 査 会 を 開 催 し 、申 請 者 の 提 出した博士論文概要書(以下、概要書)をもとに博士論文受理申請の可否を 協議した。その結果、申請者の博士論文は博士(理学)の学位を申請するに 十 分 な 内 容 を 含 む と 判 断 さ れ た 。こ れ を 受 け 、2 0 1 8 年 5 月 1 0 日 開 催 の 化 学 ・ 生命化学専攻教室会議において概要書をもとに指導教授から申請者の博士論 文の内容について説明が行われ、申請者の博士学位論文受理申請が承認され た。同時に申請者の博士論文審査員(主査:中尾洋一、副査:小出隆規、寺 田 泰 比 古 、 細 川 誠 二 郎 、 青 井 議 輝 )( 以 下 、 審 査 員 ) が 選 出 さ れ た 。 そ の 後 、 2018 年 5 月 24 日 開 催 の 先 進 理 工 学 研 究 科 運 営 委 員 会 に お い て 、 申 請 者 の 博 士学位論文受理、上記博士論文審査委員が承認された。 申 請 者 の 博 士 論 文 の 原 稿 は 2018 年 6 月 5 日 に 申 請 者 か ら 審 査 委 員 に 提 出 さ れ 、査 読 さ れ た 。2018 年 7 月 3 日 に 開 か れ た 公 聴 会 で は 、申 請 者 の 博 士 論 文 に 関 す る 発 表 が 約 40 分 、 審 査 員 と の 質 疑 応 答 が 約 40 分 行 わ れ た 。 申 請 者 は 審査員の質問に対して的確に回答し、博士論文の研究内容に対する理解が十 分であることが示された。公聴会終了後に申請者の学位申請に関する協議が 審査員により行われ、申請者は博士(理学)の学位を授与されるに十分な学 識、研究経験を有すると判断された。博士論文においては、審査員から訂正 と 実 験 デ ー タ の 補 足 が 申 請 者 に 指 示 さ れ た 。博 士 論 文 は 2 0 1 8 年 7 月 4 日 に 化 学・生命化学専攻連絡事務室に提出された。 本論文は全 7 章から構成されている。 第 1 章は序論であり、本研究の目的や背景を記している。 第 2 章 で は 、 新 規 天 然 化 合 物 cinanthrenol A に つ い て 記 し て い る 。 本 化 合 物は、海洋天然化合物では初めての報告例となるフェナントレン骨格を有し ている。申請者は、これまで廃棄されてきた分類不能な深海生物サンプル群 から本化合物を単離・構造決定することに成功し、その起源生物を同定する ことにも成功している。本探索手法の特徴は、化合物を単離・構造決定した 後に起源生物を同定する前例のない探索手法であること、従来の探索手法で は廃棄されてきた大量の小サンプル混合物をも有機化合物の探索源となしう ることである。特にドレッヂ採集を行い、大量の破砕小片サンプルが生じる 深海生物を対象とした研究に有用であるため、海洋生物資源の有効利用の点 においても有用性が高いものと評価できる。 第 3 章 で は 、 dolabellol A に つ い て 記 し て い る 。 大 型 軟 体 動 物 Dolabella auricuraria か ら 新 規 ハ ロ ゲ ン 化 ジ テ ル ペ ン dolabellol A が 単 離 さ れ て い る 。 1.

(3) 本 化 合 物 に 関 し て は MS お よ び NMR ス ペ ク ト ル の 分 析 の み で は 構 造 決 定 は 不 可能であったため、重水素置換実験とエポキシ化反応を組み合わせることで 平 面 構 造 を 明 ら か に し て い る 。ま た 、最 終 的 に は X 線 結 晶 構 造 解 析 を 行 う こ とで絶対配置を含めた正確な構造決定が達成されており、ハロゲン化された 構造を持つものが多い、海洋天然化合物の構造決定における重要な知見とし て評価できる。 第 4 章 で は 、新 規 環 状 デ プ シ ペ プ チ ド s a m e u r a m i d e A に つ い て 記 し て い る 。 E S 細 胞 の 特 徴 と し て 幹 細 胞 性( 未 分 化 状 態 維 持 と 分 化 多 能 性 )が 知 ら れ て い るが、その形態的特徴であるコロニー形成の意義については未だよくわかっ て い な い 。 本 化 合 物 は マ ウ ス ES 細 胞 の コ ロ ニ ー を 維 持 す る 活 性 を 指 標 に 単 離 さ れ 、平 面 構 造 が M S お よ び N M R ス ペ ク ト ル 分 析 に よ り 決 定 さ れ た 。ま た 、 絶 対 配 置 は 改 良 Marfey 法 お よ び キ ラ ル カ ラ ム 分 析 に よ っ て 決 定 さ れ て い る 。 本 化 合 物 の 生 物 活 性 は マ ウ ス ES 細 胞 の コ ロ ニ ー を 維 持 し 、 胚 様 体 に お け る 分化能のポテンシャルを向上させるものであるが、未分化状態維持には影響 しないことを明らかにしている。このようなユニークな新規生物活性物質は 幹細胞性という興味深い生命現象を解明するための貴重な化学ツールとなり 得るため、その発見は天然物化学の観点からも高く評価できる。 第 5 章では、海綿内共生微生物培養法の確立について記している。本培養 法を用いることで、新規性の高い微生物群を獲得することに成功している。 また、その分離株に含まれる化合物プロファイルは、従来の培養法で得られ る微生物のものとは大きく異なっていたことから、新規天然化合物の新たな 探索源としての難培養性微生物の培養法確立に向けた重要な知見となるため、 微生物学および天然物化学の両分野において高く評価できる。 第 6 章 で は 、本 論 文 を 総 括 し 、当 研 究 で 明 ら か に し た 結 果 を ま と め て い る 。 第 7 章では、実験材料と方法を記載している。 以上のように、本論文は天然物化学・幹細胞生物学・微生物学という研究 分野の発展に貢献する有用な研究成果をまとめたものであり、学術的に高く 評価できる。 したがって、本論文は博士(理学)の学位論文として価値があるものと認 める。. 2.

(4) 2018 年 7 月 審査員 主査. 早稲田大学教授. 博 士 ( 農 学 )( 東 京 大 学 ). 中尾洋一. (直 筆 の 署 名 ). 副査. 早稲田大学教授. 博 士 ( 薬 学 )( 京 都 大 学 ). 小出隆規. (直 筆 の 署 名 ). 副査. 早稲田大学教授. 医学博士(自治医科大学)寺田泰比古 (直 筆 の 署 名 ). 副査. 早稲田大学准教授. 博 士 ( 農 学 )( 名 古 屋 大 学 ) 細 川 誠 二 郎 (直 筆 の 署 名 ). 副査. 広島大学准教授. 博 士 ( 工 学 )( 早 稲 田 大 学 ) 青 井 議 輝 (直 筆 の 署 名 ).

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