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天然物を由来とする新規がん治療薬シーズの探索研究

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Academic year: 2021

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いぐち ともき 氏名(本籍) 井口 巴樹(東京都) 学位の種類 博士(薬学) 学位記番号 博第290 号 学位授与の日付 平成31 年 3 月 18 日 学位授与の要件 学位規則第4 条第 1 項該当 学位論文題目 天然物を由来とする新規がん治療薬シーズの探索研究 論文審査委員 (主査)教授 三巻 祥浩 教授 袴田 秀樹 教授 一栁 幸生

論文内容の要旨

申 請 者 は , 臨 床 に お け る が ん 薬 物 療 法 の 発 展 に 資 す る 新 規 が ん 治 療 薬 シ ー ズ の 探 索 を 目 的 に ,3 種 の 園 芸 植 物 ,キ ン ポ ウ ゲ 科 Helleborus foetidus 全 草 ,H. lividus 全 草 ,ユ リ 科 Ornithogalum saundersiae 鱗 茎 の 成 分 探 索 を 行 っ た .そ の 結 果 ,新 規 36 種 を 含 む 計 64 種 の steroid 系 化 合 物 を 単 離 し た .単 離 さ れ た 化 合 物 と そ れ ら の 一 部 誘 導 体 に つ い て ,腫 瘍 細 胞( HL-60 ヒ ト 急 性 前 骨 髄 性 白 血 病 細 胞 ,A549 ヒ ト 肺 腺 が ん 細 胞 ) お よ び 正 常 細 胞 ( TIG-3 ヒ ト 胎 児 肺 由 来 線 維 芽 細 胞 ) に 対 す る 細 胞 毒 性 を 評 価 し た .さ ら に ,強 力 な 腫 瘍 細 胞 毒 性 を 示 し た 3 種 の 化 合 物 に つ い て は , HL-60 細 胞 に 対 す る ア ポ ト ー シ ス 誘 導 活 性 と 誘 導 メ カ ニ ズ ム を 検 討 し た . 【 第 1 章 】 キ ン ポ ウ ゲ 科 Helleborus foetidus 全 草 の 化 学 成 分

H. foetidus 全 草 の MeOH 抽 出 エ キ ス を Diaion HP-20 カ ラ ム ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー ( CC) に 付 し , 30 % MeOH, 50 % MeOH, MeOH, EtOH, EtOAc に て 溶 出 さ せ た . こ れ ら の う ち , HL-60 細 胞 な ら び に A549 細 胞 に 対 し て 強 い 細 胞 毒 性 を 示 し た 50 % MeOH 溶 出 画 分 と MeOH 溶 出 画 分 に つ い て ,腫 瘍 細 胞 毒 性 を 指 標 に そ れ ぞ れ 成 分 探 索 を 行 い , 新 規 8 種 ( 1- 4, 8- 11) を 含 む 11 種 の bufadienolide 誘 導 体 ( 1- 11) を 単 離 し た ( Figure 1).

【 第 2 章 】 キ ン ポ ウ ゲ 科 Helleborus lividus 全 草 の 化 学 成 分

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の ecdysteroid 誘 導 体 ( 22- 24) を 単 離 し た ( Figure 1). 【 第 3 章 】 ユ リ 科 Ornithogalum saundersiae 鱗 茎 の 化 学 成 分

O. saundersiae 鱗 茎 の MeOH 抽 出 エ キ ス を Diaion HP-20 CC に よ り , 20 % MeOH, EtOH, EtOAc 溶 出 画 分 に 分 画 し た . こ れ ら の う ち , HL-60 細 胞 な ら び に A549 細 胞 に 対 し て 強 い 細 胞 毒 性 を 示 し た EtOH 溶 出 画 分 と EtOAc 溶 出 画 分 に つ い て , そ れ ぞ れ 成 分 探 索 を 行 い , 新 規 21 種 ( 31- 42, 44, 47, 50, 54, 55,

60, 61, 63, 64) を 含 む 40 種 の cholestane 型 steroid 配 糖 体 ( 25- 64) を 単 離

(3)

O O OR1 R4 OH H H R2 R1 H H H Glc Glc H Glc H Glc R2 OH H H H OH OH H H H R3 OH OH OH -O-CHO H H OH OH OH R4 CHO OH -COO-Glc OH CHO CHO CHO CHO OH 1* 2* 3* 4* 5 5a 6 6a 7 O O R3 OH H H R1 HO R1 OH OH H R2 OH H OH R3 CHO CHO OH 8* 9* 10* 3 4 5 11 14 16 H H OH HO HO H HO H OH H R O 22 23 24 R H OH OAc O O R5 H OH R2O R3 H H R1 R1 OH H H H H H H H OH H H R2 Ac Glc Glc Glc-4 Glc-H Glc Rha H H Rha Glc-4 Rha-R3 β-OH a-H a-H a-H β-OH β-OH β-OH β-OH β-OH β-OH β-H R4 OH OH OAc OH OH OH H OH OH OH OH R5 CH3 CHO CHO CHO CHO CHO CHO CH2OH CH3 CH3 CH3 11* 12* 13* 14* 15 16 17 18* 19* 20* 21* 10 2 3 7 8 22 R3 R2 R4 H H H 55* 56 H Glc-2 Glc-Rha-2Glc-2 Glc-R H H R3O H H R1 H H R2 OH 57 58 59 60* 61* CHO CHO CH2OH CH2OH CH2OH H H H OH OH PHBz-4Rha-2 Glc-PMBz-4Rha-2 Glc-PHBz-4Rha-2 Glc-PHBz-4Rha-2 Glc-PMBz-4Rha-2 Glc-R1 R2 R3 H O R1 H H H H H OH H PMBz-4Rha-2 Glc-PHBz-4Rha-2 Glc-Rha-2Glc-2 Glc-62 63* 64* R1 R2 H O H * New compounds

Ac: acetyl, Glc: β-D-glucopyranosyl, Rha: a-L-rhamnopyranosyl, Xyl: β-D-xylopyranosyl; PHBz: p-hydroxybenzoyl,

PMBz: p-methoxybenzoyl, DMBz: 3,4-dimethoxybenzoyl, TMBz: 3,4,5-trimethoxybenzoyl, CM: (E)-cinnamoyl 25 26 27 28 29 30 31* 31a 32* 33* 34* 35* 36* 36a 37* 38* 39* 40* 41* 42* D24 D24 D24 D24 D24 D24 D24 D24 D24 D24 R1 OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH OH H H H R2 H H H H H H Glc Glc Glc Glc Glc H Glc Glc Glc Glc Rha-2 Glc-Glc H Glc R3 H Ac Ac Ac H Ac Ac H Ac Ac Ac Ac Ac H Ac Ac Ac Ac H Ac R4 H Ac PMBz TMBz H Ac H H Ac PMBz TMBz H Ac H PMBz TMBz Ac Ac H Ac HO H H H OR2 R1O O R1 R2 52 53 54* Glc Glc Glc-6 Glc-H CH3 H H R1O O OH H H H OR2O O R3O OH 43 44* 45 46 47* 48 49 50* 51 Xyl PHBz-2 Xyl-PMBz-2 Xyl-DMBz-2 Xyl-TMBz-2 Xyl-CM-2 Xyl-Xyl PHBz-2 Xyl-H H H H H H H Glc Glc Glc R3 R1 H H H R2O H OH O R1 O HO R4O OR 3 24 16 11 3 O OH HO O R2 Ac Ac Ac Ac Ac Ac Ac Ac H RO R2O OH 3 16 1 16 25 3 23 H 3 20 23 24 23 18 TMBz 22 3 3 O O

Figure 1. Structures of 1- 5, 5a, 6, 6a, 7- 31, 31a, 32- 36, 36a, and 37- 64

【 第 4 章 】 腫 瘍 細 胞 毒 性

(4)

64 は , い ず れ の 腫 瘍 細 胞 に 対 し て も 陽 性 対 照 で あ る etoposide , cisplatin , doxorubicin と 同 程 度 , 多 く は そ れ ら 以 上 の 強 い 細 胞 毒 性 を 示 し た ( Table 1 ). Cholestane 型 steroid 配 糖 体 は ,腫 瘍 細 胞 選 択 的 な 細 胞 毒 性 を 示 す 傾 向 が 認 め ら れ , 特 に 40, 42, 50, 59- 61 は HL-60 細 胞 に 対 し て 約 25 倍 か ら 50 倍 以 上 の 選 択 性 を 示 し た . 一 方 , cisplatin は 腫 瘍 細 胞 選 択 性 を 示 さ な か っ た . 比 較 的 収 量 が 多 く ,強 力 な 腫 瘍 細 胞 毒 性 を 示 し た 1,22,41 に つ い て ,HL-60 細 胞 に 対 す る ア ポ ト ー シ ス 誘 導 活 性 の 検 討 を 行 っ た . 化 合 物 1, 22, 41 で そ れ ぞ れ 処 理 し た HL-60 細 胞 に お い て , 核 ク ロ マ チ ン の 凝 集 , ヌ ク レ オ ソ ー ム 単 位 で の DNA 断 片 化 , sub-G1 ピ ー ク の 上 昇 , caspase-3 活 性 化 が 認 め ら れ た . こ れ ら の こ と か ら ,1,22,41 は HL-60 細 胞 に 対 し て ア ポ ト ー シ ス を 誘 導 す る こ と が 明 ら か に な っ た .化 合 物 1,22,41 は い ず れ も G2/M 期 で 細 胞 周 期 を 停 止 さ せ た が ,特 に 22,41 は 顕 著 で あ っ た( Figure 2).さ ら に ,1 あ る い は 22 で 処 理 し た HL-60 細 胞 で は , ミ ト コ ン ド リ ア 膜 電 位 の 消 失 お よ び cytochrome c の 細 胞 質 へ の 放 出 が 認 め ら れ た が , 41 で 処 理 し た HL-60 細 胞 で は こ れ ら の 現 象 は 認 め ら れ な か っ た ( Figure 3). し た が っ て , 1 お よ び 22 は ミ ト コ ン ド リ ア 経 路 を 経 由 し て , 41 は 非 ミ ト コ ン ド リ ア 経 路 を 経 由 し て , ア ポ ト ー シ ス を 誘 導 す る こ と が 示 唆 さ れ た . ま た ,1,22,41 で そ れ ぞ れ 処 理 し た HL-60 細 胞 に つ い て ,経 時 的 な 細 胞 の 形 態 観 察 を 行 っ た と こ ろ , ア ポ ト ー シ ス 誘 導 は , 1, 22, 41 の 順 で 早 く , 1 は 6- 12 時 間 程 度 と い う 短 い 時 間 で ア ポ ト ー シ ス の 誘 導 が 始 ま っ た . 既 存 の 抗 が ん 剤 ( etoposide,cisplatin,doxorubicin,fluorouracil,paclitaxel,vincristine,vinblastine) は い ず れ も 1 と 同 様 に , ミ ト コ ン ド リ ア 経 路 を 経 由 し , 比 較 的 早 い 時 間 で ア ポ ト

HL-60 A549 TIG-3 HL-60 A549 TIG-3 HL-60 A549 TIG-3

1 0.035 0.029 0.014 23 4.4 4.4 1.4 46 0.00019 0.0017 0.00056 2 3.6 1.2 1.5 24 0.88 1.4 0.31 47 0.00055 0.0062 0.0021 3 0.27 0.20 0.035 25 > 10 > 10 > 10 48 0.000077 0.00068 0.00016 4 0.087 0.098 0.15 26 7.1 > 10 > 10 49 0.0040 0.14 0.023 5 0.0076 0.0029 0.0039 27 0.057 0.37 0.35 50 0.00018 0.060 0.0085 5a 0.011 0.0040 0.0044 28 0.048 0.27 0.23 51 0.0074 0.20 0.033 6 0.025 0.012 0.015 29 > 10 > 10 > 10 52 > 10 > 10 > 10 6a 0.034 0.015 0.016 30 2.7 > 10 9.2 53 1.5 > 10 6.4 7 2.7 1.2 1.6 31 > 10 > 10 > 10 54 > 10 > 10 > 10 8 3.0 0.96 1.5 32 > 10 > 10 > 10 55 0.79 6.0 3.0 9 0.044 0.019 0.020 33 1.6 > 10 > 10 56 > 10 > 10 > 10 10 0.30 0.12 0.16 34 > 10 > 10 > 10 57 0.019 1.0 0.28 11 1.0 0.69 0.36 35 > 10 > 10 > 10 58 0.018 0.26 0.20 12 0.085 0.026 0.015 36 > 10 > 10 > 10 59 0.070 4.9 2.2 13 0.015 0.0086 0.0051 36a > 10 n.d.2) n.d.2) 60 0.037 1.0 1.9 14 0.065 0.034 0.014 37 7.7 > 10 > 10 61 0.090 0.50 2.3 15 0.040 0.012 0.0055 38 5.3 > 10 > 10 62 0.17 5.5 0.66 16 0.0094 0.0096 0.0036 39 5.9 > 10 > 10 63 0.066 0.85 1.1 17 0.0023 0.0022 0.00093 40 0.094 2.4 2.3 64 0.058 0.90 0.30 18 0.11 0.13 0.013 41 0.16 1.8 0.86 19 0.77 0.42 0.19 42 0.081 0.98 2.1 Etoposide 0.18 - - 20 0.025 0.023 0.012 43 0.0034 0.098 0.013 Cisplatin 1.1 2.3 1.7 21 0.021 0.018 0.0096 44 0.00020 0.0036 0.00087 Doxorubicin - 0.17 0.60 22 0.32 0.19 0.36 45 0.000061 0.00065 0.00016

Table 1. Cytotoxic activity of 1-5, 5a, 6, 6a, 7-36, 36a, 37-64, etoposide, cisplatin, and doxorubicin against HL-60, A549, and TIG-3 cells1)

IC50 (µM) IC50 (µM) IC50 (µM)

1) Data are presented as the mean value of three experiments performed in triplicate. 2) Not determined.

(5)

ー シ ス を 誘 導 し た . 以 上 の こ と か ら 41 の 腫 瘍 細 胞 毒 性 の 作 用 機 序 は , 既 存 の 抗 が ん 剤 と は 顕 著 に 異 な っ て い る こ と が 示 唆 さ れ た .

Bufadienolide 誘 導 体( 1- 10,12- 21)に つ い て ,Na+/K+-ATPase 阻 害 活 性 を 評 価 し た ( Table 2). さ ら に , HL-60 細 胞 に 対 す る 細 胞 毒 性 と Na+ /K+-ATPase 阻 害 活 性 の 相 関 関 係 を 検 討 し た 結 果 ,17 で は 10 倍 程 度 ,20 で は 20 倍 以 上 の 差 が 認 め ら れ た . こ の こ と か ら , 17 と 20 は 強 心 活 性 を 示 す 濃 度 よ り 十 分 低 い 濃 度 で 腫 瘍 細 胞 毒 性 を 示 す こ と が 示 唆 さ れ た . 【 総 括 】 が ん 薬 物 療 法 の 発 展 に 資 す る 新 規 が ん 治 療 薬 シ ー ズ の 探 索 を 目 的 に , 3 種 の 園 芸 植 物 に つ い て 腫 瘍 細 胞 毒 性 を 指 標 に 成 分 研 究 を 行 い , 新 規 36 種 を 含 む 計 64 種 の steroid 系 化 合 物 を 単 離 し た .単 離 さ れ た 化 合 物 の 腫 瘍 細 胞 毒 性 ,ア ポ ト ー シ ス 誘 導 活 性 , Na+ /K+-ATPase 阻 害 活 性 を 評 価 し た 結 果 , bufadienolide 誘 導 体 17, 20,cholestane 型 steroid 配 糖 体 41 な ど が 新 規 が ん 治 療 薬 シ ー ズ と し て 期 待 で き る 天 然 物 と 考 え ら れ る . 【 研 究 結 果 の 掲 載 誌 】

1) Molecules, 22, e1243 (2017); 2) Phytochem. Lett., 23, 94-99 (2018); 3) J. Nat. Med.,

Compounds IC50 (µM) Compounds IC50 (µM) Compounds IC50 (µM)

1 0.10 8 1.7 16 0.061 2 0.70 9 0.061 17 0.023 3 1.3 10 0.30 18 0.086 4 0.11 12 0.14 19 0.45 5 0.046 13 0.10 20 0.54 6 0.051 14 0.087 21 0.037 7 0.57 15 0.049 Ouabain 0.11 2) Not determined.

Table 2. Na+/K+-ATPase inhibitory activity of 1-10, 12-21, and ouabain1)

(6)
(7)

論文審査の結果の要旨

本論文は,臨床におけるがん薬物療法の発展に資する新規がん治療薬シーズの探索を目的 に,キンポウゲ科 Helleborus foetidus 全草,H. lividus 全草,ユリ科 Ornithogalum saundersiae 鱗茎の成分探索を行い,単離されたステロイド系化合物の化学構造とそれらの腫瘍細胞毒性 について述べたものである。本論文は,以下の 4 章から構成されている。 第 1 章では,H. foetidus 全草より単離された新規 8 種(1-4,8-11)を含む 11 種(1-11) の bufadienolide 誘導体の構造について述べた。化合物 3 は,アグリコンの C-19 位がカルボキ シ基まで酸化され,それに β-D-glucopyranosyl 基が結合した新規性の高い bufadienolide 配糖体 である。化合物 4 は,アグリコンの C-16 位にホルミル基が結合した bufadienolide 配糖体であ る。動物生薬センソからホルミル基が結合した bufadienolide 誘導体が単離されているが,植 物由来の bufadienolide 誘導体としては,4 が初めての例である。 第 2 章では,H. lividus 全草より単離された新規 7 種(12-14,18-21)を含む 10 種の bufadienolide 誘導体(12-21)および 3 種の ecdysteroid 誘導体(22-24)の構造について述 べた。化合物 12-14 は,steroid 骨格の A/B 環の結合様式が trans(5α)体の bufadienolide 誘 導体である.Bufadienolide 誘導体の多くは A/B cis(5β)体であり,これまでに約 750 件の報 告があるのに対し,A/B trans(5α)体は約 40 件あるに過ぎない。また,ecdysteroid 誘導体 22 および 24 の Helleborus 属植物からの単離は,今回が初めてである。

第 3 章では,O. saundersiae 鱗茎より単離された新規 21 種(31-42,44,47,50,54,55,

60,61,63,64)を含む 40 種の cholestane 型 steroid 配糖体(25-64)の構造について述べた。

O. saundersiae 鱗茎より数多くの多様な cholestane 型 steroid 配糖体が単離されたが,spirostan 型もしくは furostan 型 steroid 配糖体は検出されず,cholestane 型 steroid 配糖体のみに限定され ていたことは興味深い。

(8)

ーシスの誘導が始まることが明らかとなった。化合物 1,22,41 はいずれも steroid 系化合物 であるが,それぞれ作用機序が異なることが示唆され,特に cholestane 型 steroid 配糖体 41 は 既存の抗がん剤とは顕著に異なっていた。 Bufadienolide 誘導体(1-10,12-21)について,腫瘍細胞毒性と Na+ /K+-ATPase 阻害活性 の相関関係を検討した結果,17 では 10 倍程度,20 では 20 倍以上の差が認められた。 上記のことから,bufadienolide 誘導体の 17 と 20,また 41 をはじめとする cholestane 型 steroid 配糖体などが,新規抗がん剤シーズとして期待できる天然物と考えられる。

Figure  1. Structures of 1 - 5 , 5a , 6 , 6a , 7 - 31,  31a,  32 - 36,  36a,  and 37 - 64
Table 1. Cytotoxic activity of 1-5, 5a, 6, 6a, 7-36, 36a, 37-64, etoposide, cisplatin, and doxorubicin against HL-60, A549, and TIG-3 cells 1)
Table 2. Na + /K + -ATPase inhibitory activity of 1-10, 12-21, and ouabain 1)

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