平 成 1 8 年 3 月
豊
島
区
行
財
政
改
革
プ
ラ
ン
2
0
0
5
●
基
本
計画
実
施
≪行財政改革プラン 2 0 0 5 目次≫
第1章 改革プランの目的と位置づけ
1 改革プランの位置づけ
...
3
2 改革プランの計画期間
...
3
3 改革プランの構成
...
4
第2章 構造改革を必要とする現状
1 人口・世帯と少子高齢化の状況
...
7
2 財政の現状
...
11
第3章 構造改革の目標
1 構造改革の4つの目標
...
23
2 目標① スリムで変化に強い行政経営の確立
...
24
3 目標② 持続可能な財政構造の構築
...
27
4 目標③ 多様な主体との協働による新たな公共の構築
...
29
5 目標④ 未来をひらく魅力と価値の創造
...
31
第4章 行財政システムの改革
第5章 事務事業の再構築
1 事務事業の休廃止
...
63
2 事務事業の見直し
...
65
3 受益者負担の適正化
...
75
4 施設・業務の委託化、民営化等
...
77
5 外郭団体の見直し
...
83
第6章 公共施設の再構築・活用
1 施設の再構築・区有財産の活用
...
87
第7章 新たな事業の展開
1 平成 18 年度重点事業
...
95
2 公共施設等整備計画
...
133
第8章 改革による財政効果と今後の財政収支見通し
1 改革による財政効果
...
147
2 平成 19 年度以降の財政収支見通し
...
149
≪参考資料≫
としま未来への経営戦略(行財政改革プラン2004)
....
151
1 改革プランの位置づけ
2 改革プランの計画期間
1
改革プランの位置づけ
このプランは、豊島区基本計画(平成
18
年
3
月策定予定)が掲げる「新たな地域経営の方
針」及び「分野別計画」の具体化を図るものであり、基本計画の実施計画としての性格を持
つものです。
基本計画が定める方針に基づき、区政の構造改革を具体的に推し進めることにより、変化
が激しい時代に対応した行政経営システムを確立するとともに、直面する財政危機を克服し
つつ、新たな課題やニーズにチャレンジする体力を回復し、将来に向け豊島区の魅力と活力
を創造する政策を総合的に推進していくことを目的としています。
プランの策定と実施の過程をつうじて、総人件費をはじめとした行政経営の効率化、施策
の重点化に基づく事務事業見直し、公共施設の再構築、そして民間との協動の推進等を図る
ことで、新たなニーズに対応するための財源を生み出し、都市としての魅力と価値を高める
新たな施策を展開していきます。
このプランは、平成
16
年度に策定した「行財政改革プラン
2004
」を継承し、発展させた
ものでもあり、
限られた財源を効果的・効率的に活用するため、
“
選択と集中” 、
“
スクラップ・
アンド・ビルド”
の考え方を基本としつつ、プランの構成も、
“
見直す部分”
と“
新たな部分”
の両面を併せ持つ内容となっています。
2
改革プランの計画期間
プランの計画期間は、新たな基本計画の計画期間が平成 18∼27 年度の 10 か年であること
から、平成 18∼21 年度の 4 か年とします。
また、新たな改革内容を加えつつ、毎年度ローリング(改定)し、基本計画の具体化を図
りつつ、その内容を更新していくものとします。
年 度 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29
基本計画
行財政改革プラン (実施計画)
●
新たな基本計画〔1 0 年〕
行財政改革プラン 2 0 0 4
基本
構想
前期5年 後期5年
計画事業〔前期=計画〕
改革プラン 2 0 0 5
計画事業〔後期=方針〕
2 0 0 6
2 0 0 7
行財政改革プラン 毎年度ローリング 5 年 を 目 途
に見直し
2 0 0 8
3
改革プランの構成
第1章
改革プランの目的と位置づけ
第2章
構造改革を必要とする現状
第
3
章
構
造
改
革
の
目
標
目標①
スリムで
変化に強い
行政経営の確立
目標②
持続可能な
構造改革の構築
目標③
多様な主体との
協働による
新たな公共の構築
目標④
未来をひらく
魅力と価値の創造
第4章
行財政システムの改革
1 トップマネジメントによる施策の重点化 2 組織機構の改革
3 人件費の抑制 4 人事・給与制度の改革 5 予算編成システムの改革 6 行政評価制度の改革 7 説明責任と透明性の向上 8 参加と協働の拡大
9 I T の推進等による区民サービスの向上 10 内部管理コストの節減
11 歳入の確保
第
8
章
改
革
に
よ
る
財
政
効
果
と
今
後
の
財
政
収
支
見
通
し
第6章
公共施設の再構築・活用
1 施設の再構築・区有財産の活用
第5章
事務事業の再構築
1 事務事業の休廃止 2 事務事業の見直し 3 受益者負担の適正化
4 施設・業務の委託化、民営化等 5 外郭団体の見直し
としま未来への戦略プラン
当面、新たな基本計画における「新たな地域経営の方針」及び『行 財政改革プラン2004』(平成 17 年 2 月策定)における「としま未 来への経営戦略」をもって取り組みの指針とし、『行財政改革プラン 2006』(平成 19 年 2 月策定予定)において、新たなプランを策定 する。
第7章
新たな事業の展開
1 人口・世帯と少子高齢化の状況
(1)人口の推移
(2)将来的に減少に向かう人口
(3)単独世帯の増加とファミリー世帯の減少
(4)少子高齢化の進展
2 財政の現状
(1)歳出総額と歳入一般財源のギャップ
(2)厳しい税収の展望
(3)新たな歳入確保に向けた取り組みの必要性
(4)義務的経費の増大と歳出構造の硬直化
(5)人件費と職員定数の減少
(6)新たな積立が必要な基金
(7)施設関連経費の状況
1
人口・世帯と少子高齢化の状況
(1)人口の推移
平成 9 年を底に平成 14 年まで増加傾向が続いていた区の人口は、平成 15 年、16 年の 2 年
間一時的に減少しましたが、平成 17 年には再度増加に転じています。平成 15 年、16 年の減
少は、社宅の廃止が集中したことや都市計画道路の整備に伴う建物の除却などが主な要因で
あると考えられます。
区内では、マンションの旺盛な供給が続いており、平成 21 年度までに約 8, 000 戸の供給が
計画されています。こうしたことから、今後も区の人口は増加傾向で推移することが予想さ
れます。
しかし、人口の都心回帰現象この傾向は都心区ほど強く、他区と比較すると豊島区におけ
る人口回帰が力強いものではないことがわかります。
65 70 75 80 85 90 95 100 105 110 115
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 港区 目黒区
渋谷区 23区
平均 ( 指数)
各年1月1日現在:住民基本台帳
(昭和60年を100とした場合の指数)
板橋区
江東区
千代田区 新宿区 文京区
豊島区
中央区
地価
高騰期 251,963
250,967 248,483 282,850
273,769
266,126
251,353
246,505
236,657
235,357 279,094
268,042
251,969
236,009 234,638
232,763
220,000 230,000 240,000 250,000 260,000 270,000 280,000 290,000
S55 S60 H2 H7 H12 H17
人口( 含む外国人) 住民基本台帳のみ (人)
平成
9年 平成
1 8 年
豊島区の人口推移
(2)将来的に減少に向かう人口
日本の人口は、予測より
1
年早く、平成
17 年から減少に転じました。東京都の人口
に つ い て も 、 約
10
年 遅 れ て 平 成
27
年 に
1, 263
万
5
千人でピークを迎えた後に減少
していくことが推計されており、日本の都
市は、今後、歴史的な転換点を迎え、人口
減少社会が到来することになります。
豊島区についても、平成 27 年までは人口
の増加傾向が続くことが予想されますが、
東京をはじめ日本全体が人口減少社会へ移
行するなかで、平成 28 年以降は、減少に向
かうことが予想されます。
(3)単独世帯の増加とファミリー世帯の減少
区の世帯数は、平成
7
年
から平成 12 年までの間に約
1 万世帯増加し、
133, 884 世
帯となりました。
世帯類型別にみると、
「単
独世帯」
「夫婦のみの世帯」
が増加する一方、
「夫婦と子
の世帯」は一貫して減少を
続けています。
特に「単独世帯」の増加
が著しく、全世帯に占める
割合は、
平成 12 年で 56%ま
で 増 加 し て い ま す 。 一 方 、
「夫婦と子の世帯」は 18%
まで低下しています。
23 区の中で比較すると、
「単独世帯」の割合は最も
高く、ファミリー世帯の割
合は新宿区・渋谷区に次い
で低くなっています。
236,657 232,763 238,200 246,505 261,000 251,963 220,000 225,000 230,000 235,000 240,000 245,000 250,000 255,000 260,000 265,000 270,000 H7 (95) H12 (2000) H17 (05) H22 (10) H27 (15)
住民基本台帳のみ 人口
(外国人登録含む)
推 計 1 8 年
132,955 125,451 134,170 133,884 123,177 122,654 126,532 127,777 36,220
59,351 60,068 60,402 60,994
64,462 75,197 50,270 16,128 17,415 18,190 17,016 16,268 15,840 14,551 15,433 40,838 41,085 24,213 37,490 33,590 30,874 27,999 25,237 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 80,000 90,000 100,000 110,000 120,000 130,000 140,000 150,000
昭40
(1965)
昭45
(1970)
昭50
(1975)
昭55
(1980)
昭60
(1985)
平2
(1990)
平7
(1995)
平12
(2000)
一般世帯数
単独世帯数
夫婦のみの世帯
夫婦と子の世帯
豊島区の人口推計
豊島区の世帯類型別推移
(国勢調査)
(人)
(4)少子高齢化の進展
年齢構成別に人口の推移をみると、減少面では、0∼14 歳の子どもと 40∼64 歳について次第に
下げ止まりの傾向がみられますが、
15∼24 歳の若者については、
依然として減少が続いています。
また、増加面では、25∼39 歳と 65 歳以上について増加が続いています。
この結果、平成 18 年 1 月時点では、0∼14 歳の子どもの割合は 8. 3%まで低下し、65 歳以上の
高齢者の割合は 19. 8%まで上昇する結果となっています。
31% 28% 26% 24% 23% 20% 18% 5% 5% 5% 4% 3% 2% 12% 12% 11% 13% 13% 14% 14% 5% 6% 6% 6% 6% 6% 8% 6% 5% 5% 5% 4% 4% 38% 44% 47% 48% 50% 52% 56% 6% 6%
0% 20% 40% 60% 80% 100%
昭45
(1970)
昭50
(1975)
昭55
(1980)
昭60
(1985)
平2
(1990)
平7
(1995)
平12
(2000)
夫婦と子 三世代
世帯
夫婦のみ ひとり
親と子
その他 単独世帯
30% 35% 40% 45% 50% 55% 60%
15% 20% 25% 30% 35% 40%
中央
千代田
区部平均
台東
北
板橋
大田 目黒
港
品川 世田谷 新宿
中野
杉並 渋谷
豊島
文京
葛飾
足立 練馬
江戸川 荒川
墨田
江東 豊島区
ファミリー世帯 2 0 .0 %
単独世帯 5 6 .2 %
︵
単
独
世
帯
の
割
合
︶
(ファミリー世帯の割合)
豊島区の世帯類型別構成比
単独世帯とファミリー世帯の割合
豊島区の年齢構成別人口の推移と推計
人 数
割 合
(国勢調査)
(国勢調査)
(住民基本台帳)
8.3% 11.2% 27.8% 32.8% 19.8% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40%
4 0 ∼6 4 歳
0 ∼1 4 歳 2 5 ∼3 9 歳
1 5 ∼2 4 歳
6 5 歳以上
また、
23 区との比較のなかで、
区の少子高齢化の状況をみると、
高齢化(65 歳以上の割合)につ
いては、
台東区、
北区、
荒川区、
千代田区、墨田区に次いで 6 番
目、少子化(0∼14 歳の割合)
については、渋谷区に次いで 2
番目となっています。
12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
8 9 10 11 12 13 14 15
0∼14歳の年少者(%) 6
5 歳 以 上 の 高 齢 者
︵
%
︶
中央
葛飾
足立
練馬
江戸川 千代田
荒川
墨田 区部 平均 台東
北
板橋 大田
江東 目黒
港 品川
世田谷 新宿
中野
杉並 渋谷
豊島
文京
平成16年の豊島区
・年少者 8.5%
・高齢者19.4%
高齢者と年少者の割合の比較
2
財政の現状
(1)歳出総額と歳入一般財源のギャップ
バブル経済崩壊以降の低成長下においても、
多様化する区民ニーズに応えるかたちで、
様々
な財源対策を行いながら
900 億円前後の財政規模を維持してきました。しかし、景気低迷の
長期化による所得の減少や政策的な減税、高齢化の進展などにより、区の歳入の根幹である
特別区税( 特別区民税、軽自動車税、特別区たばこ税) は、平成 4 年度の 309 億円から平成 15
年度の 236 億円へと 10 年間で約 23%減少しています。
こうしたことから、特別区税と都区財政調整交付金等からなる歳入の一般財源と歳出総額
との間には大きなギャップが生じています。そのギャップについては、国・都の補助金や起
債、基金の取り崩し等でまかなってきました。
バブル経済期以降の歳出の山は主に投資的経費によるものです。そこで、歳出総額から施
設建設事業経費を除いてグラフを描いてみると、ギャップの推移をより明確に見ることがで
きます。( 右側のグラフ)
歳入一般財源が大きく落ち込んだ平成
6 年度以降も、歳出( 投資的経費を除く) は増加を続
け、ギャップが広がったままとなっています。一方、歳出のうち義務的経費(繰出金を含む)
は、高齢化の進展に伴う社会保障費や医療費の増加により、ほぼ歳入一般財源と同水準まで
増加し、財政の硬直化が進んでいます。
このように基本的な収入の増加がないにもかかわらず、拡大した行政サービスを維持して
きたこと、つまり身の丈を超えた財政運営を続けてきたことが今日の財政危機の基本的な要
因となっています。
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
歳入:一般財源
歳出総額
うち特別区税
397億円
412億円
287億円
165億円
138億円
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 1100
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
歳入
(一般財源) 投資的経費
歳出のうち
義務的経費
(繰出金を含む)
歳出
(投資的経費を除く) 歳出総額
歳入のうち
特別区税
歳入(一般財源)の推移と歳出(投資的経費を除く) 歳入(一般財源)と歳出総額の推移
(億円)
(億円)
( 年度)
昭和 平成
( 年度)
昭和 平成
こうした身の丈を超えた財政運営を続けてきた結果として、区の財政収支は外見上は毎年
度黒字( 実質収支) となっていますが、財政調整基金の積み立て・取り崩しによる増減を加え
た収支( 実質単年度収支) では、平成 2 年度以降、赤字基調が続いています。
この間の財源不足を財政調整基金の取り崩しや庁舎建設基金の運用等により穴埋めすると
いう構図が続いてきました。
しかし、その結果として平成
16
年度末現在の財政調整基金は約
7
億円、平成5年度には
190 億 28 百万円あった庁舎建設基金も実質的には 31 万円となっています。
(2)厳しい税収の展望
特 別 区 税 の 中 心 で あ る 特 別 区 民 税
は、減税や景気低迷による所得の低下、
そして政策減税等により、平成 4 年度
の 279 億円をピークに減少が続き、平
成
11 年度以降は、約
200 億円前後で
推移しています。ピークの平成 4 年度
と平成
16
年度で比較すると約3割の
減少となっています。
今後、定率減税の廃止や三位一体の
改 革 に 基 づ く 税 源 移 譲 に よ る 影 響 も
ありますが、少子高齢・低成長社会で
は、大きな税収の増加を見込むことは
困難であり、従来の右肩上がりの経済
成長を前提とした行財政運営のシステ
170183 207226
242260 275 279
259
220 222 215230217
202 195 201 203 203 199
37
16
27 28 29 28 28 10 10 27 0 40 80 120 160 200 240 280 320
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
億円
政策減税影響額(課税額)
特別区民税(収入額)
ピーク時と比較して80億円の減 21
31 44
36 36 37 35 34 31
10 10 10 13 14 19 10 28 9 10 28 8 29 52 6 ▲2 ▲12 ▲36 ▲30 ▲44
▲45▲45▲46
▲23▲21 ▲15 37 ▲ 36 ▲ 6 20 ▲32 -60 -40 -20 0 20 40 60 80
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
実質収支
実質単年度収支
(基金運用金を含む)
特別区民税の推移
豊島区の財政収支の推移
( 年度)
昭和 平成
(億円) (
普通会計決算ベース)
(決算ベース)
( 年度)
昭和 平成
※収 支 に 含 む 基 金運用金は平成 6 年 度 以 降 の 庁 舎 建設基金、7 年度、 10年 度 の 旧 高 齢 者 福 祉 施 設 整 備 基金です。
(3)新たな歳入確保に向けた取り組みの必要性
豊島区の特別区民税
(所得割)
の税収構造を見
ると、
課税標準で 700 万円を超える 7. 3%の納税
義務者が、54. 7%の税を負担する状況となって
います。こうした担税力のある世帯が1%増加
することで、特別区民税は約1億円増加するこ
とになります。
今後の少子高齢社会において、区民のニーズ
に応えて区民福祉を向上させ、地域を持続的に
発展させていくためには、現在の人口や税収を
前提として考えるだけでは限界があります。
長期的な視点から安定した歳入の確保を図る
という視点から、居住の場、そして経済活動の
場としての魅力を高め、そこに住み、学び、働
き、訪れる人を増やし、税収等を確保するめの取り組みが重要です。
41.8 41.9 45.7 46.8 46.2 48.2 49.6 50.5 52.3
54.8 55.8 55.7 54.9 57.8 52.6 55.0 56.5 57.8 60.3 61.3 59.1 59.0 63.7 61.4 39.4 39.9 39.1 40.0
42.0 40.0 39.4 39.4
38.7 37.8 36.9 37.3 38.2 35.3 40.6 38.6 38.5 37.4
35.4 34.4 36.6 36.9 32.9 35.2
18.8 18.2 15.2 13.2 11.8 11.7 11.0 10.1
9.0 7.4 7.3 7.0 6.9 6.9 6.7 6.3 5.0 4.7 4.4 4.3 4.3 4.1 3.5 3.4
0% 20% 40% 60% 80% 100%
港 千
代
田
渋
谷
文
京
中
央
目
黒
世
田
谷
新
宿
杉
並
●
平
均
豊
島
中
野
練
馬
台
東
品
川
大
田
江
東
板
橋
墨
田
荒
川
北 江
戸
川
足
立
葛
飾
700万超(A)
200万超 ∼700万 200万以下 55.8 9.4 36.9 35.9 7.3 54.7 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
納税義務者
の割合
課税額
の割合
700万超
税率10%
200万超∼
700万以下
税率5%
200万以下
税率3% 課税標準
課税標準
特別区民税の税収構造(16 年)
納税義務者の割合
特別区民税(所得割)の課税標準額別(16 年)3.4 4.8 4.2 6.0 5.6 6.1 6.9 7.0 8.5 9.1 9.4 10.3 10.2 10.4 9.2 10.1 12.1 12.5 13.6 14.2 13.2 13.6 16.1 15.0 14.9 17.7 19.7
28.2 28.9 28.1 30.5 30.8
34.0 35.4 35.9 38.1 40.4 37.0 40.0 39.9
48.9 46.1 45.9 46.4 48.1 47.7 46.5 49.5
81.7 77.5 76.1
65.8 65.4 65.8 62.6 62.1
57.5 55.5 54.7 51.6 49.3 52.6 50.7 50.0
39.0 41.4 40.5 39.5 38.8 38.7 37.4 35.4
0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
700万超(B)
200万超 ∼700万 200万以下
課税額の割合
特別区民税(所得割)の課税標準額別(16 年)(4)義務的経費の増大と歳出構造の硬直化
区の歳出は、一般的に、
扶助費、公債費、人件費などの
義務的経費、公共施設を整備する投
資的経費、そして様々な区民サービスに充てる一般行政経費の3つに分けられます。
実態を分かりやすく示すため、
義務的性質が強い特別会計(国民健康保険、老人医療保健、介
護保険事業)への繰出金を
一般行政経費から
差し引いて義務的経費に加えるとともに、基金への
積 立 金 に つ い て も 一 般 行 政 経 費 か ら 切
り離して示したのが右のグラフです。
これまでの推移を見ると、義務的経費
(繰出金を含む)が一貫して増加する一
方 、 投 資 的 経 費 や 一 般 行 政 経 費 ( 繰 出
金・積立金を除く)は、減少し続けてい
ます。
税 収 等 が 減 少 し て い る に も か か わ ら
ず、経常的・固定的な義務的経費が大き
く増加し、ニーズの変化に対応して新た
な施策を展開するための、政策的経費が
確保できない状態になっています。
区 民 サ ー ビ ス に 充 て る 一 般 行 政 経 費
(繰出金、積立金を除く)については、
行 財 政 改 革 に お け る 事 務 事 業 の 見 直 し
等の取り組みにより、平成 7 年度をピー
クとして減少傾向にあり、平成
16
年度
では、ほぼ平成 2 年度の水準となってい
ます。
また、義務的経費(繰出金を含む)
について、内訳の推移をみると、介護
保険事業会計の設置もあり、
特別会計
へ の 繰 出 金 の 増 加 と 扶 助 費 の 増 加 が
顕著となっています。
職員の人件費(職員給)は、平成 7
年度の
203
億円をピークに、平成
16
年度では 175 億円まで減少してきてい
ます。
景 気 低 迷 に よ る 生 活 保 護 を は じ め
とした福祉需要の増加、
高齢化の進展
による、
国民健康保険、
老人保健医療、
介護保険事業の拡大等により、
扶助費
175 203 82 67 58 46 147 125 491 99 561 49 100 200 300 400 500 600
特別会計への繰出金
人件費(職員給)
公債費 扶助費
その他人件費
301 327 359 402 445 491 521 543
572 570 561
82 183 268 180 0 100 200 300 400 500 600
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
義務的経費(含:繰出金)
一般行政経費
(除:繰出金、積立金)
投資的経費
積立金
歳出(性質別)の推移
(億円)
義務的経費の推移
(普通会計決算ベース)
(普通会計決算ベース)
(億円)
( 年度)
生活保護受給者の推移をみると、
平成
4 年までは、減少していました
が、その後は大きく増加しており、
平成
16
年度における被保護者数は
平成 4 年の 1. 86 倍にあたる 3, 941 人、
であり、
生活保護費は約 92 億円とな
っています。
平成 17 年 3 月時点での人口に対す
る生活保護人員の割合は 1. 59%であ
り、
23 区平均の 1. 68%とほぼ同程度
となっています。
(5)人件費と職員定数の減少
義務的経費のうち、人件費(普通会
計ベース)についてみると、平成
12
年 度 の 清 掃 事 業 移 管 に よ り 一 時 増 加
していますが、平成
13
年度以降は減
少傾向にあります。
人件費のうち、
職員給のみについて
みると、
平成 7 年度をピークに減少傾
向にあり、平成
12
年度以降の清掃環
境職員分を除いた場合には、
平成 7 年
度からの 9 年間で 43 億円、約 21%の
減となっています。
なお、
人件費は、
職員給、
退職手当、
共済組合負担金、特別職給与、委員報
酬、
議員報酬手当等から構成され
ています。
また、
職員数の推移についてみ
ると、平成
12 年度の清掃事業移
管 に よ り 一 時 的 に 増 加 し ま し た
が、
平成 5 年度の 3, 104 人をピー
クとして減少を続け、平成
17 年
度には 2, 491 人となっています。
清 掃 事 業 に 関 す る 職 員 数 の 増
加を除いて推移をみると、
ピーク
の平成 5 年度から 754 人、
約 24%
2400 2491 2939 2976 3003 3005 3010 3052
3071 3104 3088 3062 2988 2906 2836 2779 2908 2838 2771 2671 2599 3047 2260 2350 2717 2660 2597 2451 2510 2100 2200 2300 2400 2500 2600 2700 2800 2900 3000 3100 3200
都派遣清掃職員の増加 を除くと、ピーク時の 平成5年度から844人、 27%の削減
清掃環境職員分 を除いた場合
清掃事業の移管
211 222 257 267 276 273 282 263 269 271 271 270 263 256 250 240 209 198 186 183 180 175 182 151 145 193 194 198 191 195 197 200 199 196 189 181 171 158 203 160 180 177 176
167 202 212 221 217 225 216 217 217 215 211 208 204 197 182 172 165 155 120 140 160 180 200 220 240 260 280 300 320
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
人件費総額
職員給のみ 清掃環境職員分
を除いた場合 清掃事業の移管による増
職員給+退職手当 92 3,941 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 4,500 5,000
生活保護費(左目盛)
被保護者数(右目盛)
生活保護受給者の推移
(億円)
( 年度)
昭和 平成
職員数の推移
(億円)
(人)
人件費の推移
( 年度)
昭和 平成
(6)新たな積立が必要な基金
区の貯金である基金の平成
16
年度末の実質残高は、財政調整基金が
7
億円、減債基金が
9
億円、減債基金を除く特定目的基金が
45
億円、合計で
61
億円となっています。
平成
2
年度末には
354
億円あった基金は、その後、財源対策として取り崩し(庁舎等建設
基金からの運用を含む)を行ってきたことにより、減少してきました。
基金のうち、増収があった場合などに積立てておき、経済状況の変動や不測の事態等によ
って財源が不足する場合に取り崩すことで、
財政の安定を確保する財政調整基金については、
平成
16
年度末では
7
億円まで減少しており、
その機能を果たすことができなくなっています。
財政調整基金の残高の推移をみると、平成
3
年度末から取り崩しにより残高が大きく減少
しはじめ、平成
5
年度末に
6
億円まで減少した以降は、ほぼ底を突いた状態で推移していま
す。また、平成
6
年度以降は、さらに庁舎等建設基金や高齢者福祉施設整備基金を事実上の
取り崩しをしながら、財政を維持してきたことがわかります。
23 15 63 30 40 10 11 43 10 27 39 27 20 18 19
2 4 4 2
9 8
7 4 8 0 7 8
6 7
3 2
2 3 2 2
30
11
2 2 4
9 6
1 9 1 3
7 12
10 8
3 3
17 18 19
4 17 19 20 9 50 2 -40 -20 0 20 40 60 80 100 120 140 160
財政調整基金 積立額
財政調整基金 残高
6 6 3
6 6
6
24 42
98
74 80 78 67
32
6 6 6 23 3 22 19 13
20 17 40 168 242 276 228 217 250 228 174 104 74 26 45 28 28 15 13 45 30 30 21
6 6 7
9 2 2 2 1 3 296 354 50 61 53 48 77 127 180 234 255 250 322 242 44 59 138 0 50 100 150 200 250 300 350 400
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 特定目的基金残高
減債基金
財政調整基金
基金残高の推移
( 年度)
昭和 平成
(億円)
※介 護 保 険 特 別 会 計 の 介 護 給 付 費 準 備 基 金 は 含んでいません。
財政調整基金残高の推移
(7)施設関連経費の状況
庁舎、公会堂、区民センター、区民集会室、保育所、児童館、高齢者在宅サービスセンタ
ー、特別養護老人ホーム、区民住宅、自転車駐車場、公園、区立学校、社会教育会館、体育
施設など、これまで数多くの公共施設を整備してきた結果として、これら施設を維持管理し
ていくための経費も増加してきました。
光熱水費、修繕費、施設維持のための設備点検・警備等の委託経費など、経常的にかかる
経費に補修工事費等を加えた公共施設の維持管理経費は、
平成
12
年度以降
120
∼
130
億円前
後で推移しており、減少していません。また、財政的な制約から、最近では補修工事費等は
10 億円前後に止まっているのが現状です。
また、公共施設の維持管理経費に施設建設費、施設関係の人件費を加えた、トータル的な
平成
16
年度決算における施設関連経費は
351
億円であり、一般会計決算歳出総額
951
億円
の
36.9
%を占めています。また、平成
11
年度と比較すると約
6.8
ポイント減少しています。
施 設 関 連 経 費
11 年度 ( 百万円)
15 年度 ( 百万円)
16 年度 ( 百万円)
11→16 年度 増減率
①施設建設費 3,858 3,312 4,743 22.9%
②用地取得費 3,144 494 567 ▲ 82.0%
③耐震対策工事 1,162 431 509 ▲ 56.2%
④補修工事費等 1,353 943 655 ▲ 51.6%
⑤経常的な施設維持管理経費 12,460 11,205 11,154 ▲ 10.5%
⑥施設関連人件費 14,737 13,022 12,847 ▲ 12.8%
⑦施設建設に係る公債費 6,525 4,344 4,614 ▲ 29.3%
合 計 43,239 33,751 35,089 ▲ 18.8%
一般会計決算歳出総額(百万円) 98,860 86,066 95,075
43.7% 39.2% 36.9% 6.8%
62 69 76
88 95
108 116 113 116 116 125 117 113 114 112 112
43 53
64 71
38 19 21
15 13 15 14
11 12 16
9 7
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
140 159
133 128 137 128 13
138
129 125 131 121 119
105 123
130
経常的な施設運営経費 補修工事費等
(億円)
( 年度)
(8)バランスシートから見た資産の状況
バランスシート(貸借対照表)から、ストックの面からの区の財政状況をみると、資産が
2,629
億円、負債が
908
億円、正味資産が
1,721
億円となっています。
バランスシートにおいて“
資産”
とは、将来にわたり公共サービスを提供することができ
る能力及び経済的便益を表しています。これは、いわば次世代が受け取ることができるサー
ビスといえます。また、
“
負債”
とは、過去の取引から生じた現在の債務であり、これを履行
するために経済資源の流出をもたらすものです。これは、いわば次世代が負担する借金など
といえます。そして、
“
正味資産”
とは、資産と負債の差額であり、現在までの世代がすでに
負担し、次の世代に引き継ぐ価値といえます。
バランスシートにより、現在の“
資産”
のうち、これまでの世代の負担により形成された
部分と、次世代に負担を先送りしている部分を見ることができます。
“
資産”
のうち、
“
正味資産”
により、つまりこれまでの世代の負担により形成された部分が大
きいほど、財政状況は良いといえます。
平成
16
年度では、
2,629
億円の“
資産”
のうち、その
65.5
%にあたる
1,721
億円が、これまで
の世代の負担によって形成された“
正味資産”
であり、残りの
34.5%
は、現在の“
資産”
の負担
を次世代に先送りしていることになります。
バランスシート(平成 1 6 年度)
負債
次世代の負担 908 億円
資産
将来にわたり公共 サービスを提供す る能力
2, 629 億円
正味資産
これまでの世代負担
1, 721 億円
借 方 貸 方
【資産の部】 【負債の部】
(1)固定負債 ①特別区債
②債務負担行為
③退職給与引当金
(2)流動負債 ①翌年度償還予定額
②その他
負債合計 ( 1) +( 2)
8 5 5 億円
410億円
177億円
268億円
5 3 億円
52億円
1億円
9 0 8 億円 【正味資産の部】
(1)有形固定資産 ①建物
②土地
(2)投資等 ①投資及び出資金
②貸付金
③特定目的基金
(3)流動資産 ①財政調整基金
②減債基金
③歳計現金
④未収金
2 ,4 5 0 億円
1,026億円
1,424億円
1 1 2 億円
59億円
8億円
45億円
6 7 億円
7億円
9億円
29億円
22億円
(1)正味資産 ①国庫支出金
②都支出金
③一般財源等
1 ,7 2 1 億円
128億円
101億円
1,492億円
現在の“
資産”
のうち、これまでの世代が負担して形成した部分の割合を「正味資産比率」と
いいます。
これまでのこの指標の推移をみると、
平成
11
年度には約
60
%であったもの
が、次第に改善しつつありますが、平
成
16
年度においても“
資産”
形成の
35
%を次世代の負担として先送りして
いる状況となっています。
また、この 「正味資産 比率」を他 区
との比較でみても、豊島区の数値は相
対的に低く、次世代に負担を先送りし
つつ、身の丈を越えて資産形成を図っ
てきた状況がみてとれます。
今後は、こうしたバランスシートによるストック面からみた財政状況の健全化を図る視点から
も、公共施設の再構築・活用に取り組むことが必要です。
ストック面からみた財政状況の推移
区民一人あたり( 万円) 年度
資産
( A ) 億円
負債
( B ) 億円
正味資産
( C ) 億円
正味資産比率
( C / A ) 資産 負債 正味資産
11 年度 2, 581 1, 014 1, 567 60. 7% 104 41 63
12 年度 2, 565 1, 008 1, 557 60. 7% 102 40 62
13 年度 2, 613 985 1, 627 62. 3% 104 39 65 14 年度 2, 571 953 1, 618 62. 9% 102 38 64
15 年度 2, 565 936 1, 629 63. 5% 102 37 65
16 年度 2, 629 908 1, 721 65. 5% 105 36 69
91% 87%
86% 85% 84%
83% 82% 82% 82% 81% 79%
78%
77% 76% 75%
69% 65% 50% 60% 70% 80% 90% 100%
千
代
港 板
橋
江
戸
中
央
品
川
江
東
杉
並
台
東
新
宿
世
田
澁
谷
荒
川
墨
田
練
馬
中
野
豊
島
1,567 1,557 1,627 1,618 1,629 1,721
1,014 1,008 985 953 936 908
正味 資産 負債
2629 2565 2571 2613 2565 2581 65.5% 63.5% 62.9% 62.3% 60.7% 60.7% 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000
凡例 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
-10% 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%
資産
正味資産比率
(億円)
正味資産比率の推移
1 構造改革の4つの目標
2 目標① スリムで変化に強い行政経営の確立
(①- 1)行政内部の効率化とコスト削減
(①- 2)総人件費の抑制
(①- 3)施策の重点化
(①- 4)民間活力との協働
(①- 5)公共施設の再構築・活用
3 目標② 持続可能な財政構造の構築
(②- 1)経常収支比率の目標
(②- 2)人件費比率の目標
(②- 3)公債費比率の目標
(②- 4)財政調整基金積立の目標
4 目標③ 多様な主体との協働による新たな公共の構築
(③- 1)区民参加の推進
(③- 2)協働の推進
(③- 3)
“
地域の力”
の回復
5 目標④ 未来をひらく魅力と価値の創造
(④- 1)価値あるまちづくりの推進
(④- 2)地域ブランドの創出
1
構造改革の4つの目標
急速に進む高齢化、出生率の低下、グローバリゼーション、人口減少社会への移行など、
わが国の社会経済環境には構造的な変化がみられ、
「成長」から「成熟」へと大きく転換しつ
つあります。
こうしたなかで、都市間競争が激しさを増し、地域経営の主体としての自治体の役割がク
ローズアップされています。文化政策や都市再生、教育力の向上、そして安全・安心のまち
づくりなど、明確な将来ビジョンと政策を掲げて地域がもてる力を引き出し、様々な主体と
協力しながら地域経営を進めていくことが重要です。
今後の少子高齢・低成長社会においても、地域社会が必要とする公共サービスのニーズは
さらに多様化し、増えていくことが予想されます。しかし、右肩上がりの時代とは異なり、
行政主体のサービスによる対応には財政的な限界があります。行政のみが公共サービスの供
給主体となるのではなく、限られた財源の中で最も効率的で効果的な公共サービスの仕組み
を、区民等との協働により地域の中に築いていくことが必要です。
少子高齢・低成長の時代に対応した、新たな地域経営システムを構築していくため、次の
4つを構造改革の目標として掲げ、具体的な取り組みを進めていきます。
4
つ
の
目
標
1 スリムで変化に強い行政経営の確立
2 持続可能な財政構造の構築
3 多様な主体との協働による新たな公共の構築
4 未来をひらく魅力と価値の創造
■
新たな地域経営システムの構築に向けた構造改革の推進
右肩上がりの時代の行財政システム
○
経済の拡大を前提とした財源配分
(増分主義)
○
網羅的・総花的な事業展開
○
行政サービスの肥大化
○
経常的・固定的経費の増大
◆
財政の硬直化、新たなニーズ
への対応が困難
新たな地域経営システムの構築
○
増分と減分を前提とした経営
(スクラップ・アンド・ビルド)
○
持続可能性の重視
○
重点の“
選択”
と行政資源の“
集中”
○
民との協働(アウトソーシング)
○
地域の力の回復
(コミュニティ、区民活動、協働)
◆
新たな政策を力強く展開するための
力を回復
構造
2
目標① スリムで変化に強い行政経営の確立
現在の区財政は、右肩上がりの時代に拡大してきたサービスや施設に関する、固定的・経
常的な経費が歳入の身の丈以上に大きくなり、激しく変化する社会状況に機敏かつ柔軟に対
応する力、新たな政策を力強く展開するための力を失いかけています。
新たな基本計画が掲げる「新たな行財政改革に関する方針」を踏まえ、刻々と変化する社
会環境に機敏に対応しつつ、新たなニーズや社会の変化を先取りした施策展開を図る「スリ
ムで変化に強い行政経営」を確立します。
(①- 1)行政内部の効率化とコスト削減
区民からの税金等を最大限効果的に活用していくため、縦割りの弊害を取り除き、組織を
越えた横断的・効率的な事業展開を図るとともに、民間企業に負けないコスト管理の徹底を
図ります。
(①- 2)総人件費の抑制
意思決定の迅速化、権限と責任の明確化などを柱とした組織機構の簡素・効率化を進め、
適正規模の職員による行政運営の実現を図るとともに、計画的な職員定数の削減等により非
常勤職員を含めた総人件費を抑制していきます。
(①- 3)施策の重点化
新たな基本計画が定める「重点施策」を基本として、優先度を明らかにしつつ、施策や事
務事業の重点化を進めることで、真に区行政が担うべき事業を“
選択”
し、限られた行政資
源(財源や人員等)をそれらに「集中」していきます。
(①- 4)民間活力との協働
民間が担うことができるサービスについては、思い切って民間に委ね、区民や事業者、N
POなど、
「民との協働」を広げながら、地域社会が必要とする多様な公共サービスの提供を
行う行政経営へと転換を図っていきます。
(①- 5)公共施設の再構築・活用
目標①
スリムで
変化に強い
行政経営の確立
(①- 1)
行政内部の効率化とコスト削減
(①- 2)総人件費の抑制
また、区有財産の活用については、特別な財源対策としてではなく、持続可能な財政構造
の構築に向けた、ストックとしての“
資産”
と“
負債”
の適正管理政策としてとらえ、
「所有
から活用」へと発想を転換しつつ、地域の活性化と区民サービスに向けて、一層効果的な活
用を図ります。
基本計画の分野別計画における重点施策
政策 施 策 政策 施 策
1- 1 地域福祉の推進 3- 1 心ふれあうコミュニティ
①福祉コミュニティの形成 ①地域活動への参加促進
重点 ②地域ケアシステムの構築 重点 ②地域住民相互の交流の促進 ③福祉サービスの利用支援と質の向上 ③地域活動の活性化と連携の促進 ④地域福祉と関係制度との連携 ④協動の仕組みづくり
1- 2 高齢者・障害者の自立支援 ⑤外国人との共生
①自立支援体制の整備 3- 2 平和と人権の尊重(※ 注)
重点 ②介護予防の推進 ①平和と人権の尊重
③社会参加の促進 3 - 3 男女共同参画社会の実現(※ 注)
④福祉サービス等の基盤整備 ①男女共同参画社会の条件整備
1- 3 健 康 4- 1 みどりの創造と保全
重点 ①健康づくりの推進 重点 ①みどりの拠点拡大
②多様化する保健課題への対応 ②みどりのネットワーク
③健康危機管理 4- 2 環境の保全
④地域医療の充実 ①都市公害の防止
②都市環境の保全
2- 1 子どもの権利保障 重点 ③地域美化の推進
①子どもの権利の確立 4- 3 リサイクル・清掃事業の推進
②安全な生活の保障 重点 ①ごみ減量・リサイクルの推進
重点 ③遊びと交流の保障 ②資源循環型清掃事業の推進
2- 2 子育て環境の充実 5- 1 魅力あるまちづくりの推進
重点 ①総合相談体制の推進 ①秩序ある市街地更新
②多様な保育ニーズへの対応 ②個性ある快適なまちづくり
③サービス提供システムの整備 重点 ③池袋副都心の再生
2- 3 幼児教育(※ 注) ④活力ある地域拠点の整備
①幼児教育の振興 5- 2 魅力ある都心居住の場づくり
2- 4 学校における教育 ①安心居住の仕組みづくり
重点 ①生きる力を育む教育の推進 重点 ②良質な住宅の供給誘導
②魅力ある学校づくり 5- 3 交通体系の整備
③教育環境の整備 ①道路・橋梁の整備と維持保全
④学校に関わる安全対策 重点 ②自転車・自動車対策の推進
2- 5 地域における教育 ③公共交通の整備
重点 ①家庭・地域の教育活動の推進 ※ 注:「幼児教育」、「平和と人権の尊重」、「男女共同参画社会
政策 施 策
5- 4 災害に強いまちづくりの推進 ①防災行動力の向上と連携
②応急・復興を円滑に行う体制の整備
重点 ③災害に強い都市空間の形成 ④総合治水対策の推進 5- 5 身近な安心と安全の確保
重点 ①治安対策 ②交通安全対策
6- 1 都市の魅力による集客力の向上
重点 ①にぎわい魅力商工都市の形成 ②観光まちづくりの推進 ③都市交流の推進 6- 2 産業振興による都市活力創出 ①新たなビジネス展開の支援
重点 ②地域産業の活性化 ③消費者権利の実現支援 7- 1 文化によるまちづくりの推進
重点 ①文化によるまちの活性化 ②新たな芸術・文化の創出 ③伝統文化の継承
7- 2 芸術・文化の振興
①芸術・文化鑑賞機会の充実
重点 ②芸術・文化活動機会の充実 7- 3 生涯学習・生涯スポーツの推進 ①生涯学習の環境整備
②個の学びから社会的な学習活動への転換
3
目標② 持続可能な財政構造の構築
本区の財政規模は、昭和
63
年度以降バブル経済の進行とともに急激に伸び、バブル経済
崩壊後も経常的歳入の減少にもかかわらず、高い水準を維持し、その財源不足に対応するた
め財政調整基金の取り崩しや、特定の目的のために積立てた基金の運用(借用)
、用地処分な
どを行い、可能な限り多種多様な行政需要に応えてきました。
その結果、
基金は枯渇し、
平成
16
年度予算では用地処分で実質
35
億円の財源対策を行い、
平成
17
年度予算では職員給与カットを含む財源対策を講じました。平成
18
年度予算は、景
気の一部回復もあり、このような対策無しで編成できたものの、依然として来年度以降も財
源不足が見込まれ、
景気変動に伴う大幅な増減に十分耐えられる調整能力も不足しています。
経常収支比率をはじめ、財政健全化に向けた明確な財政指標等の目標を設定し、一刻も早
く、
「身の丈」に合った財政規模を確立し、区民の様々な行政需要に的確に対応できる、持続
可能な財政構造を構築していきます。
(②- 1)経常収支比率の目標
経常収支比率は、財政構造の弾力性を
示す指標であり、
一般に
70
∼
80
%が適正
水準といわれています。
平 成
16
年 度 の 本 区 の 経 常 収 支 比 率 は
85.7
%で、
23
区平均の
82.0
%より
3.7
ポイント上回っています。
今後は
23
区平均まで引き下げるとと
もに、
70
%台を目標として義務的経費等
の抑制を図ります。
(②- 2 )人件費比率の目標
人件費の縮減は経常収支比率の改善に
も寄与します。本区の平成
16
年度にお
ける人件費比率は、
29.8
%で、
23
区平均
の
26.1
%を
3.7
ポイント上回っています。
今後は
23
区平均まで引き下げること
を目標とします。
85.7 83.2 87.2 98.5 88.8 91.4 84.4 74.7 78.8 56.4 68.1 81.8 83.0 82.0 85.2 81.7 91.0 85.8 80.4 75.4 65.5 61.3 66.4 77.8 50 60 70 80 90 100
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 23区平均
豊島区
29.8 32.0 27.8 32.6 31.5 30.1 25.2 25.1 30.1 36.3 27.1 26.1 28.5 25.8 27.8 26.0 23.9 27.1 31.3 25 30 35 40
23区平均 豊島区
目標②
持続可能な
財政構造の構築
(②- 1)経常収支比率の目標
(②- 2)人件費比率の目標
(②- 3)公債費比率の目標
(②- 4)財政調整基金積立の目標
経常収支比率の推移
( 年度)
昭和 平成
(%)
人件費比率の推移
(②- 3)公債費比率の目標
公債費比率は、
公債費に充当された一般
財 源 の 標 準 財 政 規 模 に 対 す る 割 合 の こ と
で、
公債費による財政負担の度合いを判断
する指標の一つです。この比率が
15
%を
超えると警戒ラインと言われ、
過去
3
年間
の平均が
20
%を超えると起債制限を受け、
施設建設などが事実上できなくなります。
本 区 の 平 成
16
年 度 の 公 債 費 比 率 は 、
9.0
%で
23
区平均の
8.6
%を
0.4
ポイント
上回っています。
今後は、
23
区平均の比率を目指すとと
もに、地方債の協議制移行に伴う「実質公
債費比率(
「公債費」に準ずる実質的な負債の償還を反映させたもので、
18%
以上は許可団
体となる)
」の制限を重視しながら、毎年
10
億を超える土地開発公社への償還金などの実質
的負債の償還を含めて
15
%を超えることのないよう管理をしていきます。
(②- 4)財政調整基金積立の目標
財政調整基金の目的は、大幅な税収増
や剰余金があった場合に積立て、景気変
動等による著しい財源不足の場合に取崩
し、財政の健全な運営を図ることです。
しかし、平成
16
年度末現在の豊島区
の残高は約
7
億円であり、標準財政規模
に対する基金残高の比率は、
23
区平均の
11.1
%に対し、わずか
1.3
%です。
今後は、年度間の景気変動等に対応で
きる基礎的な財源調整機能の強化に向け、
標準財政規模に対する基金残高比率を
23
区平均まで引上げることを目標とし、当面は
10
%
程度までの引き上げを目標に積立をしていきます。
「身の丈」の考え方について
「身の丈にあった」とは、サラリーマン家庭に例えれば、日常的な生活については貯金
や借金に依存せず給料に見合った生活をするということです。区財政で言えば、当該年度
の「歳入」で「歳出」を賄うことが基本ということです。
財政上の「身の丈」を表す尺度として「標準財政規模」があります。これは、収入のう
ち、使途が特定されず、経常的に入ってくる一般財源(地方税、普通交付金、地方譲与税
等)を計算したものです。これまで豊島区の「標準財政規模」は
580
億円前後です。
6.9 15.9 12.0 4.2 1.1 3.9 0.1 1.0 3.2 1.3 7.7 7.9 9.9 9.3 7.9 7.8 6.1 8.8 11.1 10.5 0 5 10 15 20
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 23区平均
豊島区 5.2 4.2 3.5 4.6 6.0 8.1 11.7 14.0 10.8 10.3 8.5 9.0 6.3
5.4 5.2 5.0
5.7 6.7 9.3 11.6 10.2 9.5 8.6 2 4 6 8 10 12 14 16
60 61 62 63 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 23区平均
豊島区
公債費比率=公債費充当一般財源÷標準財政規模×100 ※ 平成13年度以降の公債費比率=
公債費充当一般財源÷
(標準財政規模+臨時財政対策債発行可能額)×100
公債費比率の推移
( 年度)
昭和 平成
(%)
( 年度)
昭和 平成
標準財政規模に対する基金残高の推移
4
目標③ 多様な主体との協働による新たな公共の構築
今後の超高齢社会において、地域のニ
ーズは益々多様化し、増大していくこと
が予想されます。加えて、危機管理や治
安対策、文化、都市再生など、新たな課
題への対応も必要となっています。
その一方で、区行政の財政的資源につ
いては、今後、大きな増加を見込むこと
は困難な状況です。右肩上がりの時代の
ように、行政主導だけで地域の公共サー
ビスを支えることは、困難になってきて
います。
今後、将来にわたって持続可能な地域経営を続けていくためには、区民、地域団体、ボラ
ンティア、
N
PO
、
民間企業など、
多様な主体が公共サービスを担い合っていくことが必要です。
新たな基本計画が掲げる「参加と協働のまちづくりに関する方針」に基づき、多様な主体
が公共サービスを担い合う、きめ細かなサービスが提供されている社会、いわば「新しい公
共の創造」に向けた構造改革を進めていきます。
(③- 1)区民参加の推進
区政への区民参加や協動のまちづくりを促進するため、地域の課題や区政に関する情報の
提供、共有に努めるねとともに、説明責任・応答責任を果たす仕組みを強化します。
また、政策形成過程への区民参加を促進するため、政策提案の公募や区民参加の検討会議
の設置など、多様な参加の機会を確保するとともに、パブリック・コメント制度の充実を図
ります。
(③- 2)協働の推進
多様な主体の担い合いによりきめ細かな公共的サービスを実現する「新しい公共」の創造
に向け、協動の仕組みづくりを推進します。
協働の原則、
協働事業の進め方、
支援メニュー、
具体的な協働事業の事例等を示す
「
(仮称)
協動推進ガイドライン」を策定し、全庁的な協働事業の展開を図ります。
事業者
参加と協働
区民
NPO
ボランティア
行
政
地域活動団体
新しい公共
目標③
多様な主体との
協働による
新たな公共の構築
(③- 1)区民参加の推進
(③- 2)協働の推進制
(③- 3)
“
地域の力”
の回復
(区民活動の推進とコミュニティの形成)
(③- 3)
“
地域の力”
の回復(区民活動の推進とコミュニティの形成)
“
地域の力”
は、生活者一人ひとりの地域社会への想い、参加、交流の活動から生まれま
す。区民、NPO、企業、町会をはじめとする地域活動団体が、コミュニケーションを続け
ながら、地域の課題解決やまちづくりにかかわる中で、アイデアとエネルギーを生み出し、
活動を広げる仕組みを備えていることは、今後の地域社会の大きな魅力です。
高度成長期から今日まで、次第に小さくなってしまった“
地域の力”
を回復し、育ててい
くため、区民の自主的な活動やコミュニティづくりを側面から支援する仕組みを強化してい
きます。
超高齢社会 ニーズの拡大
≪税収増≫
行政
(拡大)
家庭、地域の
コ ミ ュ ニ テ ィ(縮小)
拡大できない
行政資源
不足
これまで 現在 これから
地域経営破綻のシナリオ
地
域
の
公
共
サ
ー
ビ
ス
の
担
い
方
行
政
主
導
の
限
界
≪税収増≫
行政
(拡大)
家庭、地域の
コ ミ ュ ニ テ ィ(縮小)
行政
施 策 を 再 構 築 し つ つ 新 た な 課題に対応
これまで 現在 これから
持続可能な地域経営
地
域
の
公
共
サ
ー
ビ
ス
の
担
い
方
多
様
な
主
体
に
よ
る
支
え
合
い
NPO 民間法人等