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〈論説〉中世マグデブルク法におけるWeichbildrechtとWillkur

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Academic year: 2021

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(1)中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. 稲. 中 世 マグ デ ブ ル ク 法 に お け る 芝 Φ8げげま お o葺 と 芝 筥 閑貯. はじ め に. 格. 筆 者 は、 これ ま で二 つの小 稿 にお い て、 中 世 都 市 マグ デブ ルク の参 審 人 裁 判 所 に つい て、 マグ デ ブ ルク市 参 事 会 と. の関 係 と い う観 点 か ら、 論 じ てき た。 そ こ で の結 論 は、 都 市 君 主 であ る大 司 教 の下 で、本 来 的 に、 市 民 の自 治 的 な活. 動 を 担 ってい た のは参 審 人 層 であ ったが 、 十 三 世 紀 半 ば か ら 、 市 参 事 会 を 頂 点 と す る 、 いわ ゆ る市 民自 治 が勃 興 し、. や が て同 世 紀 末 か ら は、 商 人 門 閥 と 手 工業 組 合 の代 表 か ら な る市 参 事 会 の支 配 体 制 が 確 立 し 、 これ と と も に 参審 人 層. の役 割 は参 審 人 裁 判 所 で の判 決 活 動 に限 定 され て い った こと 、 そし て、 市 参 事 会 は 、 そ れ と と も に、 参審 人 裁 判 所 の. 持 つ司法 機 能 を も獲 得 す る意 図 を 持 ってい た よう であ るが 、 市 参 事 会 は 、 大 司 教 と 彼 ら 参 審 人 層 と の関 係、 後者 の法. 専 門 家 と し て の法 知 識 、 彼 らも 本 来 的 に市 民 であ る こと 、 を 考 慮 し て、 自 ら の独 自 の裁 判 機 能 を 保 持 し つ つも、 そ れ. と は 別 に、 そ し て本 来 的 な裁 判 所 と し て の機 能 は、 参 審 人 裁 判 所 に委 ね 続 け た こと 、 であ った 。 筆 者 は 、 こ のよ う な 市 参事 会 と参 審 人 裁 判 所 の関 係 を 、 ﹁分 離 型 ﹂ 的 な併 存 と 名 づ け てお い た。. 一209一. 兀.

(2) 以 上 の よう な 結 論 は、 基 本 的 に、 これ ま で の先 行 す る 諸 研 究i そ の数 は、 残 念 な が ら、 そ れ ほ ど多 く は な いー に依. 拠 し つ つ、 筆 者 の推 論 を 加 え た も の であ った 。 こ のよ う な 結 論 が 概 ね 妥当 な も の であ る と し て、 さ ら に次 の研 究 段 階. へ歩 を 進 め ると す れ ば 、 より 法 的 な 問 題 に手 を 染 あ ね ば な ら な い。 そ の対 象 と な る のは、 法 源 と し て の マグ デ ブ ルク 都 市 法 あ る い は マグ デブ ル ク の参 審 人 裁 判 所 の法 判 告 や 法 教 示 であ る 。. これ ま で の ド イ ッにお け る マグ デブ ル ク法 史 研 究 は 、 筆 者 の管 見 す る 限 り、 特 に 一九世 紀 か ら第 二次 世 界 大 戦 前 ま. での研 究 は、 後 者 の、 参 審 人 裁 判 所 の法 史 料 の編 纂 作 業 に費 や さ れ てき た 。 た だ し、 そ れ ら の法 史 料 の内 容 の分析 的. が、 法 史 料 の編 纂 作 業 と平 行 し て、 こ の問 題 にも 積 極 的 に取 り 組 ん でき て いる のが現 状 であ る。. な 作 業 に ま で着 手 し た 研 究 は 多 く は な か った。 一九 七 〇 年 代 以 降 、 漸 く プ リ 1 ド リ ッヒ ・エ ー ベ ル (寄 δ曾 8ゴ 国げ9. 彼 の最 近 の研 究 に従 って、 直 ち に、 こ の マグ デブ ル ク の参 審 人 裁 判 所 の法 判 告 や 法 教 示 の分 析 に着 手 す る こと も、. 必 要 な こと では あ ろ う。 し か し、 この よう な 分 析 作 業 に は、 ま ず 法 源 と し て の マグ デ ブ ルク 法 に つい て の 一定 の知識. が前 提 と さ れ ねば な ら な い の では な か ろ うか 。 さも な く ば 、 お そら く 、 そ の膨 大 な 、 し か も 難 解 な 史 料 の海 に、 目 に. 見 え る よ う な成 果 も な し に没 し てし ま う よ う な気 がす る。 筆 者 は、 ま ず 、 参 審 人 ら も 実 際 には 判 断 基 準 と し て利 用 し. た と 思 わ れ る、 法 源 と し て の マグ デ ブ ルク都 市 法 に つい て の概 観 を 、 参 審 人 裁 判 所 の法 判 告 や 法 教 示 の分 析 の前 に、 行 いた い。. さ て、 前者 の、 法 源 と し て の マグ デ ブ ルク都 市 法 に つい て の研 究 も 、 そ の知 名 度 と は 裏 腹 に、 実 際 には 、 そ れ ほ ど. 多 く は な い。 な ぜ な ら 、 都 市法 に つい ては、 マグ デブ ルク市 は他 の中 世 都 市 と は幾 分 異 な った 様 相 を 呈 し て いた か ら. であ る。 す な わ ち 、 マグ デブ ル ク自 体 では都 市 法 典 が編 纂 され ず 、 し か も 、 一七 世 紀 の三 〇 年 戦 争 等 の戦 乱 によ って、. 一210一. 第49巻 第2・3号 近畿大学 法学.

(3) 、. 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. か な り の法 史 料 自 体 が 消 失 し てし ま った か ら であ る。 さ ら に、 そ も そ も マグ デ ブ ルク参 審 人 裁 判 所 の判 決 や法 の教 示. が、 し ば し ば 、 そ の法 源 に言 及 す る こと な く 、 ま た は 、 そ の言 及 を 意 図 的 に拒 否 す る こと に よ って、 下 さ れ て い た か ら、 マグ デブ ル ク都 市 法 に対 す る学 問 的 な 関 心 自 体 が 高 く な か った のか も し れ な い。. し か し 、 法 源 と し て の マグ デブ ル ク都 市 法 は、 マグ デブ ルク 自 体 では な く 、 そ の他 の マグ デ ブ ルク法 都 市 に お い て、. しば し ば 編 纂 され 、 残 され て はき た。 後 者 の法 史 料 に つい て の言 及 は 存 在 す る が、 そ れ ら の論 究 は、 筆 者 が管 見 す る. ②. 限 り、 そ の個 々 の条 文 に ま で立 ち 入 って分 析 す ると いう よ り も 、 そ れ ら の法 史料 の全 体 的 な特 徴 を述 べる に止 ま って. き た よ う に見 え る。 例 えば 、 ザ ク セ ン シ ュピ ーゲ ルと 、 ど の程 度 の親 近 性 を 有 す る のか、 等 であ る。 な に ゆ え、 個 別. 的 で、 実 証 的 な 研 究 が存 在 しな い の か、 筆 者 に は分 か ら な い。 あ る いは 、 詳 細 に研究 史 を た ど る の であ れば 、 そ の よ. うな 研 究 に遭 遇 す る の かも し れ な い。 いず れ にせ よ、 我 々は 、 前 述 のよ う な 判 告 活 動 へと 研究 を拡 げ る前 段 階 と し て、. まず 既 存 の都 市 法 史 料 の内 容 を 検 討 す る必 要 が あ る。 特 に、 筆 者 のよ う に、 市 参 事 会 と の関係 か ら参 審 人 裁 判 所 の分. 析 に入 った者 に は、 む し ろ市 政 構 造 や裁 判 所 の管 轄 等 の判 決 活 動 一般 に つい て規 定 し た 都市 法 等 の、 言 わ ば周 辺部 分. か ら、 参 審 人 裁 判 所 の法 判 告 等 も 含 め た マグ デブ ル ク法 の核 心 へと 、 進 む こと が 方 法 論 的 に も 順当 であ ろ う。. と ころ で、 前 述 のよ う に、 我 々 が マグ デブ ルク法 と し て認 識 でき るも のは 、 マグ デ ブ ルク に残 さ れ た き た、 言 わ ば. 狭 い意 味 で の マグ デブ ルク法 では な い か ら、 そ の研 究 の際 に は、 常 に、 当 該 史 料 が 編 纂 さ れ た都 市 は ど のよ う な都 市. であ った のかを 考 慮 に入 れ る必 要 はあ る。 ただ 、 幸 いな こと に、 マグ デブ ル ク法 都 市 と マグ デ ブ ルク の参審 人 裁 判 所. と は密 接 な関 係 が保 た れ、 後 者 が、 同 法 に つい て、 前 述 の よう な 法 判 告 や 法 教 示 を 通 し て、 いず こ でも 、 同法 の内 容. を、 総 体 的 に、 統 一的 に維 持 し てい た と さ れ るか ら、 それ ぞ れ の マグ デブ ル ク法 都 市 の政 治 ・経 済 的 な 特 色 に注 意 を. 一211一.

(4) 払 い つ つ、 そ れ ぞ れ の法 典 の内 容 を検 討 す れば 、 本 来 の マグ デブ ル ク法 に接 近 す る こと も 不 可 能 で はな い であ ろう 。. 法 源 と し て の マグ デブ ル ク法 史 料 ﹂ にお. ﹁裁 判 制度 の法 書 ﹂﹂ にお い て、 = 二世 紀 後 半 の法 書 の内 容 を 具 体. 最 後 に、 本 稿 にお け る 論 述 の方 法 に つい て述 べ てお き た い。 次 節 の ﹁二 い て、 現 在 でも 管 見 可能 な 法史 料 を紹 介 し 、 ﹁三. 的 に概 観 す る。 た だ し、 ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の個 々 の条 文 の意 義 に ま で分析 を加 え る こ と は しな い。 こ の作 業 は、 む. し ろ、 他 の マグ デブ ルク 法 の史料 の個 別的 な検 討 の後 に、 開 始 す る方 が よ り生 産 的 であ ろう 。 そ こ で、 本 稿 で は、 参. 都. ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ に お け る 芝 巴9 げμ 冠冨 O窪 と 妻 =涛 母 ﹂ に. 審 人 裁 判 所 が そ の法 的 な 争 いを 管轄 し た 毫 色oげげま 冨 o窪 と 、 市 参 事 会 立 法 と し ての 類 注 評母 に注 目 し、 ﹁四 市 法 と し て の 輔 巴9 巨 脅 ΦO算 と 白 已 評貯 ﹂、 ﹁五. お い て、 それ ら の法 用 語 が マグ デ ブ ルク 法 にお い てど のよ う に使 用 さ れ てい る かを 、 確 認 す る に止 あ る。 そ の際 、 多. 少 、 学 説 的 な 検 討 と 、 中 世 都 市 と し ては 全 く 異 質 な ハンザ都 市 リ ュー ベ ック の都 市 法 と の比 較 も 試 み る。 最 後 の ﹁六. ﹁中 世 マグ デ ブ ル ク の 参 審 人 裁 判 所 ﹂、 ﹃近 畿 大 学 法 学 ﹄、 第 四 五 巻 第 三 ・四 号 、 一九 九 八 年 、 同. ﹁ヴ ィ ル ヘ ル ム ・ エ ー ベ ル. 幻Φ09. N乏 鉱 輿 ヨ 葺 Φ¥. 一. ﹁中 世 マグ デ ブ ル ク に お. 国霞 8 鐵ωoゴΦ U巨 磐 ω帥 § 魯. ﹃バ ル ト 海 地 域 に お け る リ ュー ベ ック 法 ﹄﹂、 ﹃近 畿 大 学 法 学 ﹄、 第 四 八 巻 第 一号 、. 九 九 頁 。 最 近 で は 、 出 Φヨ 興 い口。賃 ω鋤9 ωΦづ磐 同①o q2 呂 ユ 竃 oo qαΦげ霞 σ q2. 例 えば 、 拙 訳. け る 市 参 事 会 と 参 審 人 団 に つ い て ﹂、 ﹃阪 大 法 学 ﹄、 第 四 九 巻 第 三 ・四 号 、 平 成 一 一年 。. 拙稿. ︿註 ﹀. 結 び にか え て﹂ にお い て、 これ ら の法 用 語 の マグ デ ブ ルク法 で の登 場 の仕 方 に つい て、 理 論 的 な 考 察 を 加 え る。. ω. ②. αΦ三 ωOご輿 幻ΦOゴ房 ρ¢Φ=Φ戸 出 ①ヨ げロ村σq 這 Oc◎°. 一212一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

(5) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. 現 在 で も 容 易 に 管 見 す る こ と の で き る 、 都 市 法 と し て の マグ デ ブ ル ク 法 史 料 は 、 パ ウ ル ・ ラ ー バ ン ト. ﹃マグ. ( 勺印巳. 二 法 源 とし て の マグ デブ ルク法史 料. 一 つは 一八 六 三 年 に ベ ル リ ン で出 版 さ れ た. (国α昌随 o qωσΦ円σ q) で 出 版 さ れ た. ﹃マグ デ ブ ル ク の 法 源. (寓 Φo qαΦσ霞 oq興 知8 窪 ω・. ( U興 ζ 90 qOΦ9 村oqΦ7 貯 Φω冨二Φ同 ω誘 8 日 巴 ω9 Φ ω。ま h h 8 お o耳 )﹄、 も う 一. い四σ鋤コα二 c。。。。。山 曽 。。) が 編 纂 し た 、 二 つ の 法 史 料 集 の み で あ る 。 デ ブ ル ク ーー ブ レ ス ラ ウ の 体 系 参 審 人 法 つは 一八 六 九 年 に ケ ー ニ ッ ヒ ス ベ ル ク ㈹ ρ`①=①づ)﹄ で あ る 。. ㈹. 前 者 の 史 料 集 に は 、 一四 世 紀 半 ば に、 ブ レ ス ラ ウ に お い て編 纂 さ れ た と さ れ る ﹁体 系 参 審 人 法 ﹂ 1 た だ し 、 様 々 な 写 本 か ら の 復 元 に よ るー が 収 録 さ れ て い る 。. 後 者 の ﹃マグ デ ブ ル ク の 法 源 ﹄ に は 、 一二 世 紀 か ら 一四 世 紀 後 半 ま で の、 全 部 で 一〇 の 、 マグ デ ブ ル ク に 由 来 す る. 法 史 料 が 収 あ ら れ 、 そ れ ぞ れ の 史 料 の 写 本 の 存 在 状 況 と 、 そ れ ら の 写 本 の 間 で の異 同 関 係 に つ い ても 言 及 さ れ て い る 。. ω。包 Φωδ ⇔)﹄ (四ー 六 頁 )、 ﹃ノ イ マ ル ク ト の た め の ハ レ. 八 八 年 の マグ デ ブ ル ク 法 ﹄ ( 同 書 、 一- 三 頁 )、 ﹃シ ュレ ジ ェ ン 公 ハイ ン リ ッ ヒ 一世 へ の マグ デ ブ ル ク の 法 証 書. こ の 一〇 の 法 史 料 は 、 具 体 的 に は 、 次 の よ う な 内 容 で あ る 。 ﹃二. 出Φ嵩 oσq 団Φぎ 旨 げ 目 ゜く8. ( U霧. 幻8 窪 ωげ琴 げ く8. (} 山m F コ①のOゴ①ω 沁ΦOゴ什 h 口目 ワ臼 Φd只口O村評↓ )﹄ ( 七 1 = 二頁 )、 ﹃ 一二 六 一年 の マグ デ ブ ル ク ーー ブ レ ス ラ ウ 法 ﹄ (一四 - 二. (ζ 鋤゜qα①げ霞 σq2 幻8 耳 ωσユΦ= 母 法. 六 頁 )、 ﹃一二 九 五 年 の マグ デ ブ ル ク ーー ブ レ ス ラ ウ 法 ﹄ (二 七 - 三 一頁 )、 ﹃裁 判 制 度 の 法 書. 一213一.

(6) αΦ﹃ O①ユ0窪 ω<Φほ霧 ωβ⇔σq)﹄ ( 三 ニ ー 六 九 頁 )、 ﹃マ グ デ ブ ル ク の 参 審 人 法. ( ζ 四〇qαΦげ毎 α q輿 白 Φ同 ω夢 賃ヨ 賄 貯. (U器. O巳 ヨ. ζ Oσ qαΦσ二謎 輿 ω9 αh δ 導 ①O葺 )﹄. ( 七 〇 1 = 二八 頁 )、 ﹃ = 三 二八 年 の ク ル ム の た め の マ グ デ ブ ル ク の 法 判 告. (ζ 9σqα?. 一ω①ω)﹄ (一四 ニ ー 一四 三 頁 )、 そ し て ﹃ = 二六 四 年 の ハ レ の た め の マグ. <oづ お ω゜。)﹄ (= 二九 - 一四 一頁 )、 ﹃ = 二六 三 年 の シ ュヴ ァ イ ド ニ ッ ツ の た め の マグ デ ブ ル ク の 法 判 決 ω2 ≦ Φ乙 巳 訂 く8. (ζ ⑳σqαΦげ¢嶺 興 箋 皿ω昏 `∋ h口村 出巴 冨 くoづ 一ω罐 )﹄ (一四 四 - 一四 八 頁 ) で あ る 。. σ霞 σq輿 輔 ①同 ω跨 ニヨ h貯 デブ ル ク の法 判 告. た だ し 、 こ れ ら の 一〇 史 料 が ど の よ う に し て 本 書 に 収 め ら れ る こ と に な った の か 、 そ も そ も 、 こ れ ら の 法 史 料 の 間. で の 相 互 関 係 は ど の よ う な も の で あ る の か 、 に つ い て ラ ー バ ン ト は 記 述 し て い な い。 さ ら に 言 え ば 、 誰 が 、 本 来 の 原. 本 を 、 ど の よ う に し て 、 い つ頃 、 ど こ で 作 成 し た の か 、 に つ い て の言 及 も な い。 そ れ ゆ え 、 か な り 使 い 勝 手 の悪 い 法 史 料 集 ではあ る。. そ れ よ り も 、 我 々 が 、 幾 分 不 安 に 感 じ る の は 、 こ の 二 つ の 法 史 料 集 の 学 問 的 な 価 値 に1 発 刊 後 一〇 〇 年 を 既 に経 過. ω. し た 現 在 で も な お 1 変 化 は な い の か 、 と い う こ と で あ る 。 と り わ け 、 個 々 の 法 史 料 に付 け ら れ た 作 成 年 代 が 、 少 な く. と も 現 在 の研究 水 準 か ら 見 て、 正 当 と 見 な さ れ て い る のか ど う か 、 は気 にか か る。 結 論 か ら 言 え ば、 残 念 な が ら、 こ. のよ う な 疑 問 に答 え てく れ る よ う な 専 門書 を見 出 す こ と は でき な か った 。 無 論 、 マグ デブ ル ク法 関 係 の研 究 は な い訳. では な いが 、 そ こ では 、 大 抵 の場 合、 マグ デ プ ルク の参 審 人 の判 決 活 動 を 中 心 に説 明 を 加 え て い る にす ぎ ず 、 都 市 法. と し て の マグ デブ ル ク法 は ほ と ん ど 言 及 さ れ ても い な か った。 こ れ ま で の、 マグ デブ ル ク法 史 研 究 の傾 向 か ら す れ ば 、. 致 し 方 のな い こと な の であ ろう 。 F ・エー ベ ル の研究 に お い ても 、 同 様 に、 それ は言 及 され て いな い。 これ ら の法 史. 料 に つい て筆 者 が 見 出 し え た 解 説 記 事 は 、 一九 五 八 年 に出 版 さ れ た ﹃ド イ ッ歴 史 辞 典 ﹄ の中 の ﹁マグ デブ ル ク の法 書. 一214一. 第49巻 第2・3号 近 畿 大 学 法学.

(7) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. ( ζ 鋤隔 四αΦぴ=↓σqΦ﹃ 幻①Oげ↓ωσ凶 μOげΦ﹃)﹂ と ﹁体 系 参審 人 法. ⑤. (ω同ω↓Φ日 鋤鉱ω9 Φω ωoゴ9h ①導 8 耳 )﹂ の 二項 目 の み であ った。. そ の内 容 は、 基 本 的 に、 前 掲 書 の ラ ー バ ント の解 説 の繰 り 返 し であ る 。 こ の記事 のみ か ら結 論 を 導 き 出 す こ と は、 か. な り早 計 で不 安 でも あ る こと は承 知 し て い るが 、 し か し 、 と り あ え ず 、彼 の法 史 料 集 は、 今 日 でも 、 な お客 観 的 な 史 料 集 と し て肯 定 的 に評 価 され て い ると 仮 定 し て、 我 々 の研 究 を 進 あ てゆ か ざ る を え な い。. さ て、 次 に、 これ ら の マグ デブ ル ク法 史 料 の 一体 ど れ か ら 着 手 す べき な のか、 が問 題 と な る。 筆 者 は、 前 述 の よ う. に、 本 来 的 に参 審 人 裁 判 所 と 市 参 事 会 の相 互 関 係 か ら 、 マグ デ ブ ルク 法 に接 近 し てき た の であ る か ら、 マグ デブ ルク. 市 参 事 会 が 既 に成 立 し 、 次 第 に そ の権 力 を 強 化 さ せ つ つあ った 一二 六 〇 年 前 後 の法 史 料 か ら着 手 し た い。. こ の点 か ら す れ ば 、 ま ず 、 一八 六 三 年 の法 史 料 集 であ る ﹃マグ デ ブ ルク ーー ブ レ ス ラウ の体 系 参 審 人 法 ﹂ は、 ブ レ ス. ラ ウと いう 作 成 場 所 、 一四世 紀 半 ば と いう 作 成 年 代 や 、 そ の第 二 編 以 下 にお い ては、 主 に参 審 人 裁 判 所 での訴 訟 手 続. ㈲. き や刑 事 ・民 事 法 令 が 詳 細 に規 定 され てい る こと 、 を 考 慮 す る の であ れ ば 、 最 初 に取 り組 む べき法 史 料 と し ては相 応. し く はな い。 それ ゆ え、 一八 六 九 年 の ﹃マグ デブ ル ク の法 源 ﹄ に収 録 さ れ た 一〇 の法史 料 の中 の何 れ か、 と な る。 こ. れ ら の 一〇 の法 史 料 に客 観 的 な 優 先 順 位 は存 在 し な いが 、 量 的 に見 ても 、 第 六 番 目 の ﹁裁 判制 度 の法 書 ﹂ と第 七 番 目. の ﹁マグ デブ ルク の参 審 人 法 ﹂ が、 この史 料 集 の中 心 的 な 位 置 を 占 め て いる こと は ま ち が いな い。. では、 こ の二 つの法 史 料 の内 、 いず れ が最 適 であ る のか 。 前 者 の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ は、 別 名 ﹁ザ ク セ ン の都 市 法. m. (ω930げω一 ωOプΦω ノ ン N Φ{ Oごσ二匹村ΦOげけ )﹂ と 呼 ば れ 、 こ の都 市 法 書 は、 一二 五七 年 か ら 一二六 一年 の間 に、 マグ デ ブ ルク ま. た は ハ レ (国巴一 ①) にお い て私 人 によ って作 成 さ れ た と さ れ る 。 作 成 場 所 が マグ デ ブ ルク に最 も近 く、 内 容 的 に も、. 当 時 の様 々 な法 分 野 の慣 習 法 を 収 録 し てい る よう であ り 、 これ は格 好 の法 史 料 であ る 。 も う 一つの、 第 七 番 目 の ﹁マ. 一215一.

(8) ㈲. グ デ ブ ルク の参審 人 法 ﹂ も、 前 述 の歴 史 辞 典 に よ れば 、 一二七 〇 年 頃 に作 成 さ れ てお り 、 作 成 場 所 と作 成 年 代 だ け か. ら す れ ば、 む し ろ ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ よ りも 、 好 都 合 な法 史 料 で はあ る。 ただ し 、 こ の史 料 は 、 一見 す る 限 り、 参審. ㈲. 人 裁 判 所 にお け る 訴 訟 手続 き のみ を規 定 し てお り、 そ れ 以外 の、 法 律 事 項 に つい て の規 定 は な い。 ま さ に ﹁参審 人 裁. 判 所 ﹂ の法 な の であ る 。 これ では、 当 時 の都 市 法 の全 体 的 な概 観 に は役 立 たな い の であ る。. 教 育 を 受 け た 。 彼 の主 た る学 問 的 な関 心 は、 当 初 、 商法 に あ った よ う で あ る。 そ の後 、 ベ ルリ ン、 ハイ デ ル ベ ルク へと 移 り 、. ラ ー バ ン トは 、 周 知 のご と く 、 国 法 学 者 とし て名 高 い法 学 者 であ る。 彼 はブ レ スラ ウ ( ︼ W弓 8一 四二) 市 で生 ま れ 、 そ こ で法 学. ︿ 註﹀. それ ゆ え 、 筆 者 が 最初 に と り あ げ る べき法 史 料 は、 前 者 の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ と いう こと にな る。. ω. 一八 六 三 年 に ﹃マグ デ ブ ルクーー ブ レ スラ ウ の体 系 参 審 人 法. ( U窪 竃 oo qαΦげξ o q輿-卑 Φ巴oロ霧 ω岩 8ヨ魯 一 ω9 ① ω9 α律①霞 ①。窪 )﹄. シ ュヴ ァー ベ ン シ ュピ ーゲ ル に関 す る 論 文 によ って法学 博士 号を 取得 し た。 こ れを 機 会 に、 彼 は法 史 学 的 な 研 究 に関 心 を 移 し 、. て招 聰 さ れ 、 そ し て六 六 年 に正 教 授 に就 任 し た 。 こ の ケ ー ニ ッヒ スベ ル ク時 代 に、 法 史 学 と商 法 に関 す る研 究 を 多 数 発 表 し 、. を 編 纂 出 版 し た 。 こ の時 、 彼 は ハイ デ ルベ ル ク大 学 の私 講 師 であ った。 一八 六 四年 に ケ ー ニ ッヒ スベ ル ク大 学 に員 外 教 授 と し. 一八 六 九 年 頃 か ら は、 国 法 学 的 な 研 究 を 発 表 し始 め 、 七 二年 に、 新 設 さ れ た スト ラ スブ ルク 大 学 に移 った 。 そ の後 の、 彼 の国. そ の中 に は、 本 論 文 で主 に 言 及 す る、 彼 の 二番 目 の史 料 集 ﹃マグ デ ブ ルク の法 源 ( と ooqα①げ霞 oq興 知Φ9 房ρ⊆Φ=Φコ)﹄ が あ る。. 法 学 に関 す る研 究 に つい て は、 我 が 国 でも よ く 知 ら れ てお り 、 特 に言 及 す る 必要 は な い であ ろ う。 なお 、 な ぜ 彼 が 六 〇 年 代 に bづ碧 α"ωP. おト 。。。 山 ωωρ. 小 林 孝 輔 監 訳 ﹃ド イ ッ法 学 者 事 典 ﹄、 学. 法 史 学 的 な 研 究 に 取 り 組 ん だ の か に つ い て論 じ た 論 稿 を 見 出 す こ と は で き な か った 。 竃゜=Φ吾 興o qΦが 勺o巳 冨 げ9づ鼻 ヨ =Oコα≦α﹃け 霞 σ目。げ N霞 UΦロお9 Φづ 切①9 ↓ ωαqΦ ωOぼ 。葺 ρ 戸. 即 ピoげ§ P α興 蜜 品 αΦσ霞 oq興山 お 巴窪 巽 ω矯ω8ヨ碧 団 ω。ゴΦ ω。 ゴ9h Φ自 89. ¢ 鋼魏捌H 目. な お 、 同法 の 写本 の存 在 状 況 と異. リ ュー ベ ック法 ( ︼ )Oω 〇一 一 ①] [口げ凶 ωOゴΦ カ①O ゴ一 )﹄ と よ く 似 た 体裁 と な ってお り、 後 者 と の方 法 論 的 な 共 通 性 も 感 じ る 。. 前 者 の法 史 料 集 の内 容 は、 我 々 リ ュー ベ ック法 研 究 者 か ら見 ると 、 一八 三九 年 の バ ッ ハ ( 匂Oげ四昌昌 H ッ ﹃帥 ①α﹃帥 Oゴ 出OOげ) の ﹃古. 陽 書 房 、 昭 和 五 八 年 、 一六 三 - 一六 六 頁 。 ② ㈹. 一216一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学. 凶.

(9) 中 世 マ グ デ ブ ル ク法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. ω. ㈲. ㈲. m. ⑧ 働. 同 関 係 に つ い て も 詳 細 に 記 述 さ れ て お り 、 ま た 、 そ れ ら の 写 本 問 の整 合 表 も 収 め ら れ て い る 。. (♂く旨ゴ①一 口] 国げΦ一) ﹃リ ュー ベ ッ ク 法. (い口げ厨 。げΦω 知Φo澤 ) 1 ﹄ (一九 七 一年 ) が あ る 。 筆 者 は 、. 例 え ば 、 リ ュー ベ ッ ク 法 に 関 し て 言 え ば 、 中 世 末 期 以 来 の法 史 料 の学 問 的 な 価 値 に つ い て詳 細 に 論 じ た 体 系 的 な 概 説 書 と し て、 ヴ ィ ル ヘル ム ・エーベ ル. =Φ一ヨ 三. U①葺 ω9 g. Ω①ω9 凶o窪 ρ ω゜①OP. N霞. UΦ9 ω9 自. Ω①ω〇三 9 けρ 竃 口口9 ①昌 一㊤㎝゜。"ω゜OOω `づ匹 ω゜. (皿 l X L H 頁 )。 特 に 、 そ の 全 体. 切Φ9 件 き α 切①o葺 ωαq碧 o q︾ωε a 2. (臼 巳 ①津ロ昌αq) に 、 詳 細 な 解 説 が 付 け ら れ て い る. 幻o 、ωω一Φ﹃ 賃目O Ωロヨ 冨 目 年 き N" ω09 ≦ α# Φ吾 ⊆9. こ れ に よ っ て 、 一九 世 紀 以 前 の リ ュ ー ベ ック 法 史 料 を 、 的 確 に探 し 、 そ し て 利 用 す る こ と が で き た 。. 一bo窃◎o°. こ の法 史 料 の内 容 に つい て は、 同 書 の序. 的 な 概 観 は X X X V l X X X 皿 頁 に あ る 。 ブ レ ス ラ ウ 都 市 法 に つ い て は 、 冨 昌 Nδ評o牽. N霞. 一二 六 九 年 よ り も 前 の 時 期 と 述 べ る に 止. ω9 α層層Φごω凛 口筈 Φコ 9 ω 一㎝゜冨 げヨ ニコα①ユω゜一㊤o。①゜. こ の 作 成 時 期 に つ い て は 、 ラ ー バ ン ト 自 体 は 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル の 成 立 後 の 、. Nβ 勺円oσ︼Φヨ Φコ ∋ 詳け2巴 け①≡ 昌 Φづ 幻Φ9 富 oコげoコ自 くoづ ] ≦oσ qO①げξ σ q興. ωΩ D9 ミ αコ ①吾 `9. め て い る 。 勺゜ピ鋤げo口O噂o° PO` ω゜心゜。°. ﹁裁 判 制 度 の 法 書 ﹂ の 内 容 に つい て も 、 な お 理 解 困 難 な 個 所 が 少 な か ら ず 存 在 す る 。 そ れ ら は 、 他 の 史 料 を 精 査 す. 筆 者 は 、 未 だ 、 残 り の 八 つ の 法 史 料 と 、 ﹃マグ デ ブ ル ク ーー ブ レ ス ラ ウ の 体 系 参 審 人 法 ﹄ の す べ て に 目 を 通 し て い る 訳 で は な い 。 し た が って. る こ と に よ っ て 解 消 す る 可 能 性 も あ る よ う で あ る 。 こ の よ う な 理 由 か ら 、 こ の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の条 文 の 邦 訳 は 、 本 稿 で は 、 基 本 的 に断 念 し た。. 概観. ﹁裁判 制度 の法書 ﹂. ω. 三 層構 造 の条 文 番 号. 三. ①. こ の法 史料 は全 部 で二七 条 か ら な る。 条 文 は ロー マ数 字 で示 さ れ て い る ( 第 -条 - 第 X X 孤条 )。 各 条 文 は、 大 抵. 一217一.

(10) 禰. 鞭. 皿. の場 合 、 さ ら に§ の ついた ア ラ ビ ア数 字 を 伴 う 項 に細分 さ れ てい る。 た だ し、 こ の よ う な表 示 は、 第 X 凪条 か ら 最 後. の第 X X 珊条 ま で であ る。 第 - 条 か ら 第 V条 ま で の部 分 と、 第 珊条 i 第 X 田条 の部 分 の条 文 で は、 こ の よ うな ロー マ. 数 字 の条 文 番 号 は括 弧 内 に記 載 さ れ て い るだ け であ る 。 さ ら に、 前 者 の第 -条 - 第 V条 の部 分 の条 文 に は、 §記 号 付. き の アラ ビ ア数 字 に よ る通 し 番 号 が 付 け ら れ て いる (§ 一1 § 二 三)。 例 え ば 、 第 - 条 の§ 一は 、 § 一と な り、 最 後 の第 W条 § 四 は § 二三 と な って い る。. な ぜ 第 V条 1 ただ し 、 こ の条 文 自 体 は§ = 二と § 一四 にあ る がー ま でに、 こ のよ う な表 示 番 号 (§ 一1 § 二 三) が. 付 け ら れ た のか、 編 者 は説 明 を 加 え ては いな い。 た だ 、 それ ら の条 文 には 、 芝 皿9 σま く巳o q固富 か ら引 用 さ れ た こと. が示 さ れ てい るだ け であ る。 後 者 の 妻 ①8げσま く巳゜ q⇔富 と は、 ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ と、 一二七 〇年 頃 の参 審 人 法 - 上. 述 の体 系 参 審 人 法 ?1 、 それ か ら、 後 の追 加 法 文 か ら 作 成 さ れ た 、 = 二六 条 か ら な る法 令 集 であ る。 そ の作 成 時 期 は. 働. 不明 であ る が、 一四世 紀 に は、 そ の注 釈 書 が つく ら れ 、 そ の最 も 古 い写 本 は = 二八 七 年 に由 来 す る と言 わ れ る か ら、. こ の 毫 Φざゴげ旨 く巳σ q餌富 の作 成時 期 は = 二世 紀 末 か ら 一四世 紀 初 頭 と いう こと にな る。 た だ し、 ラ ー バ ント は、 第. V条 にも見 ら れ る よ う に、 毫 皿oげσま く巳σqo富 の条 文 配 列 を そ のま ま 踏 襲 し て いる 訳 では な く 、 多 少 の変 更 を 加 え て いる。 これ は、 本 来 の法 文 順 序 に戻 し た と い う こと であ ろう か 。. 第 V条 の後 の第 W条 - 第 X 田条 の条 文 も 、 同 様 に、 ロー マ数 字 によ る条 文 表 記 は 括 弧 の中 に入 れ ら れ 、 そ れ ぞ れ の. 条 文 の前 に、 何 の修 飾 記号 も伴 わ な い 一か ら = 二と いう 通 し 番 号 が 付 け ら れ て い る (一1 = 二)。. 第 - 条- 第 V条 (§ 一ー § 二 三)、 第 班条 - 第 X 田条 (一1 = 二) と、 第 X 皿条 - 第 X X 珊条 と いう 、 言 わ ば 三 層. 構 造 の条 文 番 号 の表 記 は 、 お そら く、 ラー バ ント が、 こ の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の本 来 の条 文 を 復 元 す る た め に利 用 し. 一218一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

(11) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. た約 一〇 の1 例 え ば ミ 90び9 α<巳 σqo$ のよ う に、 こ の法 史 料 が、 一部 であ れ、 収 録 され て い る1 写 本 か ら の引 用. ㈹. 方 法 と 関 係 し て い る の であ ろ う。 し か し、 彼 は、 そ れ ら の法 史 料 の間 の法 文 の異 同 関 係 に つい て詳 細 に論 じ て は い る. 他 の法 源 と の類 似 性. も の の、 そ のよ う な 表 記 の理由 等 に つい ては言 及 し ては い な い。 ②. ま ず 、 これ ま でも し ば し ば 指 摘 さ れ てき て いる よ う に、 こ の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ と ザ ク セ ンシ ュピ ーゲ ル ・ラ ント. ( 全. 一五 法 文 に ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の 条 文 が 挙 げ ら れ て い る 。 第 W 条 か ら 第 X 顧 条. ω. 法 と の関 連 性 は 極 め て高 い。 ラ ー バ ント は、 か な り の条 文 に後 者 の関 連 条 文 の番 号 を 付 け て い る。 第 V条 ま で の法 文 (§ 一1 § 二 三 ) の 内 、. ⑤. (一1 = 二) で は、 こ こ で は幾 分 少 な く 、 四か 条 に関 連 条 文 が挙 げ ら れ て いる。 最 後 の第 X 皿条 か ら第 X X 孤条. ㈹. 部 で九 条 ) は、 理 由 は不 明 であ るが 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ント法 と の関 連 性 が 高 い条 文 ( 五か条)が存在す る. ㎝. にも か か わ ら ず 、 後 者 の関 連 条 文 は 挙 げ ら れ て いな い。 以上 の関 連 条 文 は、 法 文 自 体 も 類 似 し て い る条 文 であ る。 内. 容 的 に 子 細 に 比 較 す る な ら ば 、 少 な か ら ず 類 似 性 を 有 し て い る 条 文 も 他 に も あ り そ う で あ る 。 し た が っ て 、 こ の マグ. デ ブ ル ク 法 は ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 と 極 あ て 近 い関 係 に あ った と 言 う こと が で き る 。 お そ ら く 、 後 者 が 前. 者 の 法 の 編 纂 の 際 に 参 照 さ れ た こ と は ま ち が い な い が 、 し か し 、 第 - 条 - 第 V 条 の 中 の 、 § 一六 と § 一七 の 関 連 条 文. ㈹. と さ れ る ラ ン ト 法 皿 ・七 三 ・§ 二 は 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル が マグ デ ブ ル ク 法 を 利 用 し た こ と を 明 記 し て い る の で あ. る か ら 、 マグ デ ブ ル ク 法 が 逆 に ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル に 影 響 を 与 え た と い う 、 可 能 性 も な い 訳 で は な い 。. 働. も う 一 つ、 他 の 法 源 か ら 援 用 さ れ た こ と が 証 明 さ れ て い る の が 第 X 双 条 で あ る 。 こ れ は 、 一二 六 一年 の マグ デ ブ ル. クーー ブ レ スラ ウ法 と いう 都 市 法 か ら の引 用 であ る。 この援 用 自 体 が 、 ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ 自 体 の作 成 年 代 を 確 定 す る. 一219一.

(12) 最古 層 と し て の第 W条 - 第 X 田条 (一1 =二). 根 拠 の 一つと も な ってい る。 ③. こ の法 史 料 の条 文 構 成 は、 芝 色。げげま く巳 oq象 鋤 か ら の引 用 の第 V 条 ま でと 、 第 W条 か ら 第 X 皿条 ま で の部 分 、 マグ. デブ ルクーー ブ レ ス ラウ法 か ら の引 用 の第 X 皿条 、 それ か ら 、 最 後 の第 X X 条 か ら 第 X X 珊条 ま で のそ れ ぞ れ の四 つの. 部 分 か ら な る。 ラー バ ント に よれ ば 、 こ の内 第 W条 か ら 第 X 田条 (一か ら = 二の通 し 番 号 も 付 け ら れ て いる) ま でが. ㎝. ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の最 古 の、 本来 的 な 条文 であ る と さ れ る。 そ の主 た る根 拠 は、 古 い写 本 に は、 こ の部 分 のみ が収. 内容. 録 さ れ て いる こと であ る。 つま り、 他 の条 文 は後 に追 加 され た条 文 と いう こと であ る。. ②. oo. こ の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の内 容 に つい て、 大 まか に紹 介 し よう 。 ①第 -条- 第 V条 (§ 一1 § 二 三). こ こ では、中 世 法 の種 類 、そ の由 来 と 特 徴 に つい て の指 摘 か ら始 ま る 。§ 一によ れ ば 、法 は、神 の法 、市 場 法 ( ζ 鋤学. 閃Φ樗8 霧 )、 ラ ント法 、 レー ン法 の 四種 類 に分 類 され る。 神 の法 に つい て は §三 にお い て、 市 場 法 に つい ては § 四 に. お い て定 義 さ れ、 § 五 か ら は ラ ント法 の説 明 が始 ま る。 §七 では、 有 名 な 、 体 僕 制 は カイ ンの 一族 に由 来 す る と い う. 風 説 が 言 及 さ れ 、 § 一二 にお い て、 そ の風 説 の不 当 性 が結 論 づ け られ る。 § = 二と § 一四 で は、 破 門 と 追放 刑 が論 じ ら れ 、 § 一五 か ら は 再 び体 僕制 に戻 り、 体 僕 の子 供 の身 分 関 係 が § 一八 ま で続 く 。. § 一九 は、 極 め て都 市 法 的 な、 いわ ゆ る ﹁都 市 の空 気 は自 由 にす る﹂ 原 則 を 謳 って い る。 ﹁いか な る者 であ れ 、 市. 一220一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

(13) 中 世 マ グ デ プ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. 内 に. ( σ団 昌昌Φ昌 ≦ 幽 Oげ=自Φ) 異 議 を 受 け る こ と な く 一年 と 一日 定 住 し た の で あ れ ば 、 彼 は 彼 の 自 由 を 、 彼 の 最 近 親 相 続. (げΦゴ寧. (同ΦOゴけ) を 得 る か ら で あ る 。 い. ( 同口二N①) こ と 、 に 優 先 す る 。 (そ の 最 近 親 相 続 人 と は ) 父 系 の 三 人 と 母 系 の 三 人 で あ る 。 な ぜ な ら 、 い か. 人 と と も に 、 彼 を 含 あ て七 人 に よ っ て確 保 す る こと が でき 、 そ れ は 、 誰 か が 、 彼 を 彼 の隷 属 民 と し て捕 ら え α窪 ) う る. な る 子 供 であ れ 、 彼 が 自 由 に し て嫡 出 と し て 生 ま れ る の で あ れ ば 、 彼 は 彼 の 父 の 法. ( <Φ同♂ くΦ﹃哺Φづ) こ と は で き な い﹂。. か な る 者 であ れ 、 彼 が 、 市 内 に お い て、 彼 の 法 に つ い て 非 難 さ れ る こ と な く 一年 と 一日 定 住 し て い る の で あ れ ば 、 誰 も 彼 の法 に つい て訴 え る. こ の 一年 と 一日 の原 則 は 、 筆 者 が こ れ ま で 詳 細 に 論 じ て き た 北 ド イ ッ の ハ ンザ 都 市 、 リ ュー ベ ック や ハ ン ブ ル ク の. 都 市 法 と 全 く 同 じ であ り 、 ま さ に中 世 都 市 に相 応 し い法 原 則 と 言 え る。 た だ し、 問 題 が な い訳 では な い。 そ れ は 、. ﹁平 穏 な 一年 と 一日 の 定 住 ﹂ の 証 明 方 法 に 関 係 す る 。 マグ デ ブ ル ク 法 は 、 こ の 証 明 方 法 に つ い て、 ラ ン ト 法 的 な 枠 組. ㈱. か ら 抜 け 出 て は い な い 。 最 近 親 相 続 人 の六 人 と と も に 、 そ の 一年 と 一日 を 証 明 せ よ 、 と い う の で あ る 。 こ れ に 対 し て 、. 例 えば 、 一二七 〇 年 の ハンブ ルク都 市 法 では、 それ は 二人 の市 参 事 会 員 の証 明 でよ い、 と さ れ る。 前 述 のよ う に、 こ. の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ の最 古 の部 分 ( 第 W条 - 第 X 珊条 ) が 一二五 〇 1 六 〇 年 頃 作 成 に作 成 さ れ 、 こ の§ 一九 は 後 に. 追 加 さ れ た とす る と、 後 者 の時 期 は、 市 参 事 会 が同 市 にお い て権 力 を 確 立 し た 頃 か 、 それ 以 後 と な るか ら 、 こ の法 文. は、 ま す ま す、 ハンザ都 市 の法 に比 べ て、 市 民 の特 権 的 な 身 分 に対 す る配 慮 を 欠 い て い ると いう 印 象 を 与 え る 。 ラ ー. バ ン トも 、 こ の法 文 の関 連 条 文 と し て、 主 に身 内 によ る立 証 を 規 定 し た ザ ク セ ン シ ュピ ーゲ ル ・ラ ン ト法 の皿 ・三. 二 ・§ 五 (1 ・ 一六 ・§ 二) のみを 挙 げ てい る にす ぎ な い。 彼 も 、 後 者 の法 史 料 にお い て は、 一年 と 一日 の原 則 に つ い て の関連 条 文 を 見出 し え な か った の であ ろ う。. 一221一.

(14) 、'、遇. (一1 = 二). § 二 〇 か ら § 二 三 ま で も 、 § 一八 ま で と 同 様 に 、 子 供 の 身 分 関 係 と 彼 ら の 相 続 権 が 規 定 さ れ て い る 。 ② 第 珊条- 第 X 田 条 こ こ で は 国 家 や 裁 判 と い った 公 法 的 な 規 定 が 中 心 と な って い る 。. ま ず 、 第 W 条 - 第 巫 条 は 、 ザ ク セ ン公 領 の 歴 史 的 な 成 り 立 ち と 、 全 体 的 な 支 配 者 と し て の ド イ ッ国 王 に つ い て 語 る 。. (囚鋤巳Φ口) 大 帝 に 服 属 し 、 侯 領. ( U舘 ピ ヨ ) か ら マ ケ ド ニ ア 国 王 ア レ ク サ ン. (08 ω↓磐 亭. (ゴΦ罠 oα q9 ⊆ヨ ) と 呼 ば れ る よ う に な った こ と が 述 べ ら れ る 。 第 皿. (㎏ 〆一 一 ①×Φ] Pα①目) そ し て ロ ー マ教 皇 庁 へと 歴 史 的 な 記 述 が 続 き 、 ザ ク セ ン の 地 が コ ン ス タ ン チ ヌ ス. (切四げ覧 o巳 ⇔) 王 国 の 話 が 来 る 。 第 珊 条 で は 、 ペ ル シ ャ国 王 ダ リ ウ ス. 第 班 条 § 二 に は 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の 皿 ・四 四 ・§ 一と 全 く 同 様 に 、 歴 史 の 出 発 点 と し て の バ ビ ロ ニ ァ ダ ー ⇔Φ⇔) 帝 と カ ー ル. ( 冨 o=窪 oNo q同Φ楠Φ)、 ブ ル ク グ ラ ー フ ( Ud瑳 σ q-. 条 か ら 、 ド イ ッ国 王 と ロ ー マ教 皇 庁 と の 関 係 、 そ し て前 者 の 権 限 - 特 に 裁 判 権 1 と 義 務 が 、 第 皿 条 で は 、 国 王 に 対 す る 裁 判 権 と の 関 係 か ら 、 本 来 的 に は 国 王 の 役 人 と し て の プ フ ァ ル ツ伯. 続 い て 、 第 X 条 か ら は マグ デ ブ ル ク と 、 特 に そ の定 期 裁 判 集 会 の 優 越 的 な 地 位 が 言 及 さ れ る 。 同 条 は 、 マグ デ ブ ル. oqお h ①)、 シ ュル ト ハ イ ス ( ωOげご員けゴ①団 ω①) が 紹 介 さ れ る 。. =. 人 の参 審 人. ( ω9 Φ署 Φ目). (O菖Φ⇔) 大 帝 に よ っ て 認 め ら れ 、 そ (Φ。算 Φ 9 ⇔σq) が ブ ル ク グ ラ ー フ に よ っ て 開 催 さ れ 、. ク が 、 オ ー ベ ル ホ ー フ と し て の地 位 を 、 前 述 の ド イ ッ国 王 、 す な わ ち オ ッ ト ー の機 能 を 行 使 す る定 期 裁 判 集 会. と 一人 の シ ュル ト ハ イ スが 判 決 発 見 に 携 わ る こ と 、 を 定 め て い る 。 第 X I 条 で は 、 ポ ー ラ ン ド 、 べ ー メ ン等 の オ ー ベ. ル ホ ー フ で あ る ハ レ市 も ま た 、 マグ デ ブ ル ク か ら 法 の教 示 を 受 け る べ き こ と が 規 定 さ れ る 。 第 X 皿 条 か ら は 、 マグ デ. ブ ル ク で の 判 決 非 難 の 方 法 が 規 定 さ れ る 。 た だ し 、 同 条 と 次 の第 X 皿 条 の法 文 の 多 く は 、 内 容 的 に 見 れ ば 、 非 難 方 法. 一222一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

(15) }. 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. と いう よ りも 、 判 決 非 難 が そ の面 前 でな さ れ る べき プ フ ァル ツ伯 の、 彼 の権 限 の正 当 性 が論 じ ら れ て い る。 第 X W条. ㈲. か ら は実 際 の手 続 き に携 わ るブ ル クグ ラ ー フと シ ュル ト ハイ ス の役 割 が、 第 X V条 では、 召 喚 方 法 と出 頭 拒 否 の場 合 の刑 罰 が、 規 定 され てい る。. 第 X 珊条 か ら は、 審 理 の方 法 と 、 そ の際 遵 守 さ れ る べき 事 柄 が 規 定 さ れ てい る。 こ の裁 判 に関 与 す る の は、 第 X条. で の場 合 と同 様 に、 = 人 の参 審 人 と 一人 の シ ュル ト ハイ スでは あ る が、 こ の裁 判 は、 ブ ルク グ ラー フの開 催 す る定. 期 裁 判 集 会 では な い よ う であ る。 法 文 は 、 ただ 、 こ の裁 判 が市 内 (N二 α①ヨΦ 乱 σqげま ①) で開 催 さ れ る も の であ り、. 裁 判 権 者 が フ ォ ーク ト であ る、 と い う こと を 定 め て い る にす ぎ な い。 そ の裁 判 手続 き は 以下 のよ う に進 行 す る。 まず 、. フ ォ ーク ト が シ ュルト ハイ ス に、 当 該 日 が裁 判 日 であ るか を 問 う こと か ら 審 理 は 開 始 し、 そ の質 問 が肯 定 さ れ る と、. 平 穏 な 審 理 を 進 め る上 で遵 守 さ れ る べき 事 項 が 質 問 さ れ る。 こ の よ う な 質 問 と 回 答 が終 わ る と、 裁 判 人 ( 凱Oげけ 雪). ー フ ォ ーク トと 同 一人物 か は 不 明1 は、 訴 え よ う と す る者 に代 言 人 ( <o笏鷺 8ゴΦ⇔) の利 用 を 勧 告 す る。 無 論 、 ザ ク. セ ン シ ュピ :ゲ ル ・ラ ン ト法 の ー ・六 〇 ・§ 一に規 定 され て い るよ う に、 当 事 者 が 、 代 言 人 を 利 用 せ ず 自 ら 訴 え、 応 答 す る こと も でき る (§ 四 )。. 第 X 珊条 は、 シ ュル ト ハイ スが 、 そ の義 務 を遵 守 せず 、 審 理 を 妨 げ た と し て訴 え ら れ た 場 合 の、 訴 訟 手 続 き と そ の. ( げ彗 σ q①雫. 刑 罰 に つい て、 第 X 珊条 は、 シ ュル ト ハイ スが 裁 判 人 と な って裁 判 を 開 催 す る場 合 の、 フ ォー ク ト (8一 けΦ) の審 理 妨 害 に つい て、 規 定 し て い る。 ③ 第 X 皿条. 同 条 は、 前 述 の よう に、 一二六 一年 の マグ デブ ル クーー ブ レ ス ラウ法 か ら の引 用 であ り、 そ の内 容 は市 長. 一223一.

(16) ヨ Φ幽 馨興) の刑 罰 権 に関 す るも の であ る。 こ の裁 判 ( 所 ) は、 第 X 田条 ま で に言 及 さ れ て いる 都市 君主 の裁 判 と は明. ら か に異 な る。 これ は、 市 参 事 会 の市 場 警 察 権 に由 来 す るも の であ り 、 そ の裁 判 管 轄 も 異 な る 。 す な わ ち、 一年 の任. 期 でー お そ ら く市 参 事 会 員 の相 互 補 選 に よ ってー 選 ば れ た市 長 が 、 市 場 にお い て商 人 等 が 不 正 を 働 か な い よ う に監 督. し、 も し違 反 行 為 が発 見 さ れ る の であ れば 、 彼 は、 そ の違 反 者 に皮 髪 刑 ま た は 罰 金 を 科 す こと が でき る、 と い う の で. あ る。 興味 深 い のは、 不正 な度 量 衡 を 利 用す る こと や、 量 目 不 足 の パ ンを 売 却 す る こと と い った 不 正行 為 のみ な ら ず、. 露 天商 が市 場 に物 置 ( ω。げo暮 ) を 設 置 す る こと も 、 違 反 行 為 と さ れ 、 罰 則 の対 象 と な る こと であ る (§ 二 )。 こ のよ. う な違 反行 為 に科 せ ら れ た 罰金 は市 参 事 会 の収 入 とな り、 そ の取 り 分 は市 参 事 会 員 が 決 定 す る (§ 三 )。 ④第 X X 条- 第 X X 班条. 第 X X 条 か ら は、 再 び 都市 君主 の定 期 裁 判 集 会 に お け る訴 訟 手 続 き に戻 る。 同 条 は 、 市 内 で の不 動 産 (90 q①コ) の. 譲 渡 と 、 そ の占 有指 定 に つい て規 定 す る。 こ こ でも 、 ザ ク セ ンシ ュピ ーゲ ル に見 ら れ るよ う な 方 法 が 利 用 さ れ て いる。. す な わ ち、 不 動産 に つい ては、 世 襲 財 産 と獲 得 財 産 が区 別 され 、 前 者 の譲 渡 に は最 近 親 相 続 人 の同 意 が 必要 と さ れ る。. 不 動 産 の占有 指 定 では、 シ ュル ト ハイ スま た は フ ォー ク ト が それ を 行 う 場 合 、 参 審 人 が 同 行 し 、 彼 は 、 そ の占 有 指 定. が 手 順 通 り にな さ れ た こと の証 人 と な る 。 す べ て の行 為 が、 目 と 耳 に よ る確 認 を 伴 ってお り 、 そ れ に つい て文 書 が作. ( σ qΦ≦①村①昌) す べき こと 、 が規 定 さ れ てい る。 彼 が 市 内 に定 住 し て いる の で. 成 さ れ た り 、 登 記 さ れ た り す る こと は、 念 頭 にお か れ ては いな い。 第 X X I条 で は、 そ の占 有 指 定 の後 、 一年 と 一日 の間 、 譲渡 人 が そ の譲渡 に つい て保 証. あ れ 、 そ の期 間 は 一生 涯 に及 ぶ 。 訴 訟 関連 の条 文 は こ の第 X X I条 で終 わ り であ る。. 第 X X H条 か ら は相 続 法 に関 係 す る条 文 が始 ま る。 同 条 は、 遺 産 か ら の寡 婦 の先 取 り 分 に つい て、 例 え ば 、 ゲ ラー. 一224一. 第49巻 第2・3号 近 畿 大 学 法学.

(17) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. デ. ( 冨 亀Φ) に つ い て、 そ し て第 X X 皿 条 は 、 ゲ ラ ー デ と は 何 か に つ い て 、 そ れ ぞ れ 具 体 的 に 規 定 し て い る 。. o q鋤げ①) に 関 す る も の で あ る 。 § 二 に よ れ ば 、 市 内 で は モ ル ゲ ン. (α蝉ω ♂ く凶 〇一 )出α① 村①Oゴ一 ) の相 違 が規 定 され てお り、 これ は興 味 深 い内. (ヨ o円σ q窪. 前 者 の第 X X 皿条 では 、 ラ ン ト法 と 都 市 法 容 と な って いる 。 それ は モ ルゲ ンガ ー べ. ガ ー ベ を 新 婦 に 与 え る こ と は 一般 的 で は な い 。 モ ル ゲ ンガ ー ベ に 属 す る の は 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の (oq①N亘コΦ) と 建 物. ( <Φ澤σq自 σ qΦ <ぎ ①) で あ. ー ・二 〇 ・§ 一に 規 定 さ れ て い る よ う に 、 垣 根. (H 口帥 ↓ ω梓 Φ団 づΦ昌 N二 げ=≦ Φ昌Φ) が 常 で あ る か ら 、 そ れ ら は 一 つ の 法. ( 9目 ヨ 輿 ) と 牧 養 家 畜. る。 し か し § 三 に よ れ ば 、 市 内 で は 石 造 建 築. ( お Oゴ一Φ) に お い て 把 握 さ れ 、 そ れ ゆ え 、 寡 婦 は ー こ こ の 部 分 は 必 ず し も 明 白 で は な い が ー こ れ ら を ゲ ラ ー デ と し て. (§ 二 ) と 、 あ る い は 醸 造 業 者 で あ る. 取 得 す る 、 と い う の で あ る 。 同 様 に 、 次 の 第 X X 皿 条 で も 、 § 一は ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の ー ・二 四 ・§. (§ 三 - 四 ) の 、 寡 婦 が 取 得 す る ゲ ラ ー デ の 特 殊 性 が 述 べ ら れ て い る 。. 三 が ほと んど 繰 り返 され 、 § 二以 下 で は、 被 相 続 人 であ る 夫 が 商 人 であ る 場 合 場合. αの. 第 X X W 条 は 、 屋 敷 内 に 残 さ れ た 食 量 に 対 す る 寡 婦 の 一期 分 に つ い て、 第 X X V 条 は 、 男 系 の 相 続 人 の へ ー ル ゲ. (興 σΦ) を 個 別 ・具 体 的 に 規 定 し て い る 。 た だ し 、. ヴ ェー テ ( ゴΦ円 四Φ名 ①膏 Φ) に つ い て 規 定 し て い る 。 両 者 と も 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 と 極 あ て 類 似 し て い る 。 第 X X 珊 条 は 、 特 に § 二 に お い て、 相 続 人 に 帰 属 す べ き 世 襲 財 産. ( げΦωけ9 Φσ qき o q①) に つい て 規 定 し て い る 。 し か し 、. こ の条 文 の関 連 条 文 であ る ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の ー ・二 四 ・§ 二 と 比 較 す る と 、 こ の 条 文 の 詳 細 さ と 具 体 性 は 、 一目 瞭 然 で あ る 。 ⑤ 第 X X 珊条 最 後 の第 X X 顎条 は 、 裁 判 へ の 出 頭 義 務 を 命 じ ら れ た 者 の 拘 束. 一225一.

(18) 基 本 的 な 内 容 は、 不 動 産 を 有 す る定 住 市 民 と 、 僅 か の不 動 産 を 有 し て い る にす ぎ な い者 、 ま た は それ を 有 さ な い者 と. の裁 判 上 で の取 り扱 い の相 違 、 であ るか ら 、 これ は裁 判 に関 す る規 定 と いう よ り も 、 市 民 の特 権 的 な 地 位 に関 す る規. 定 と言 う べき であ る。 定 住 民 (げ①ω①N①づ) 1 市 内 に不 動 産 (巴α q魯 ) に有 し て いる 者i が 被 告 と な っても 、 彼 は拘 束. さ れ る こ と は な く、 彼 の不 動 産 が、 彼 の債 務 や責 任 等 に つい て保 証 す る。 彼 が 非 定 住 民- 不 動 産 を 有 し て いな い者1. であ れば 、 彼 は保 証 人 を た てな け れ ば な ら な い (§ 二)。 な お、 被 告 の有 す るー つま り 、 市 民 のー 不 動 産 が 債 務 額 に. 値 す る だ け の価 値 が な い の であ れば 、 不 足 額 に つい て は彼 も 保 証 人 を た て る必 要 が あ る。 不 動 産 のな い者 は、 債 権 者. の支 配 下 に お か れ る。 いわ ゆ る債 務 拘 束 であ る (§三 )。 こ の条 文 に はザ ク セ ンシ ュピ ーゲ ル の関 連 条 文 は付 け ら れ て いな い。. ( o qΦδ. に つい て訴 え 、 彼 に (これ に. こ の法 文 は 、 ① 第 - 条- 第 V条 の部 分 の§ 一九 ( 都 市 の空 気 は自 由 にす る) にお い ても 言 及 し た、 一二七 〇 年 の ハ ンブ ルク 都 市 法 の規 定 (皿 の 一二) を思 い出 さ せ る。 ﹁あ る者 が 他 の者 を 債務. つい て) 保 証 人 を 要 求 し ても 、 後 者 ( α①鋤] Pα①目Φ) が 、 市 内 に、 そ の債 務 と同 じだ け の不 動 産 (①歪 Φω) を 有 し て い る. の であ れ ば 、 彼 は 保 証 人 を た てる 必 要 は な い。 し か し て誰 か が彼 に、 これ に つい て ( 保 証 人 を 立 て る こ とを ) 強 制 す. ㈲. る の であ れ ば 、 それ を 彼 (11 前 者 ) は 三 ポ ン ド で償 う べき であ る。 た だ し、 彼 が前 以 って、 彼 の不 動 産 が質 入 れ さ れ. た り 、 売 却 さ れ な い よ う に保 証人 を要 求 し てい た場 合 を 除 く ﹂。 ハ ンブ ル ク法 の特 徴 は 、 保 証人 を強 要 す る者 に対 し. て三 ポ ンド の罰 金 が 課 せ ら れ る こと であ る。 こ の限 り で、 § 一九 でも指 摘 し た よ う に、 マグ デブ ルク法 の方 が、 市 民 の特 権 的 な 地 位 に対 す る配 慮 が 薄 いと いう 印 象 を 与 え る 。. と は い え、 こ の第 X X 珊条 が 、 第 X X ∬条- 第 X X 珊条 と 同 様 に、 新 し い法 文 であ る こと は 問違 い な い。 そ の根 拠. 一226一. 第49巻 第2・3号 近 畿 大学 法学.

(19) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. と な り そう な のが 、 同 条 § 一に登 場 す る、 受 訴 裁 判 所 は参 審 人 裁 判 所 ( αΦ口 ω↓=ゴ一 ) であ る と いう 記 述 であ る。 第 X. ㈲. 条- 第 X 皿条 や 第 X X条 - 第 X X I 条 に お け る裁 判 所 は、 ブ ルクグ ラ ー フの開 催 す る定 期 裁 判 集 会 、 少 な くと も 同 様. に都 市 君 主 の裁 判 所 であ った 。 そ れ ら の条 文 では、 参 審 人 裁 判 所 と い う表 現 は使 用 さ れ て は いな か った。 無 論 、 参 審. 人 裁 判 所 が 定期 裁 判集 会 の別名 であ った 可能 性 も な い訳 では な い。 し か し ﹁参 審 人 裁 判 所 ﹂ と い う表 記 は、 我 々 に は、. F ・エー ベ ルも指 摘 し た よ う に、 ブ ルク グ ラー フ職 の有 名 無 実 化 、 す な わち 、 一二九 四年 に市 参 事 会 が大 司 教 か ら ブ. ルク グ ラー フ職 と シ ュルト ハイ ス職 を買 い取 った こと や、 さ ら に は、 定 期 裁 判 集 会 が、 稀 に大 司 教 の司 会 の下 に開 催. ㈲. さ れ る こと も あ った が、 実 際 的 に は、 参審 人 ら の仲 間 団 体 的 な裁 判 機 関 1 これ が参 審 人 裁 判 所 であ ろう かー へと 転 化. し て い った こ と 、 を 思 い 出 さ せ る の で あ る 。 こ の よ う な 制 度 的 な 変 遷 が 、 名 称 の 変 化 と な って い る の で は な か ろ う か 。. 以上 の概 観 か ら分 か る よ う に、 こ の ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ は、 まず 法 一般 か ら 始 ま り、 ラ ント法 、 そし て都 市 法 へと. 進 む。 こ こ では人 の身 分 関係 が中 心 であ る。 § 一九 を 除 い て、 ほと んど 法 文 が ザ ク セ ンシ ュピ ーゲ ル ・ラ ント法 と 類. 似 し てい る ( ① 第 -条 -第 V条 )。 そ の次 に来 る のは 、 公法 的 な規 定 であ る。 裁 判 権 の問 題 の歴 史 的 な 記 述 か ら、 都. ( ③第 X. 市 君主 の裁 判 所 で の訴 訟 手 続 き へと 及 ん でい く。 この辺 りも ザ ク セ ンシ ュピ ー ゲ ル ・ラ ント法 と 類 似 し て い る (② 第. W条 ー 第 X 皿条 )。 こ の後 に、 一か 条 だ け であ る が 、 都 市 君主 の裁 判 所 と は全 く異 な る、 市 参 事 会 の裁 判 所. 凪条 ) が来 る。 そ の次 の第 X X条 は再 び定 期 裁 判 集 会 で の占 有 指 定 の手 続 き を 規 定 し て い るか ら 、 前 者 の第 X 皿条 は、. 何 ら か 理由 で、 後 か ら挿 入 さ れ た と見 る べき であ る。 そ の後 は相 続 法 関 係 の条 文 が 並 ぶ ( ④ 第 X X条 - 第 X X 珊条 )。. 第 X X I条 以下 の条 文 は、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ント法 と基 本 的 に は類 似 す るが 、 こ こ で は、 後 者 の内 容 が よ り. 一227一.

(20) 都 市 的 な 活 動 に相 応 し い よう に改 変 さ れ て い る印 象 を 受 け る 。 最 後 の⑤ 第 X X 皿条 も都 市 法 的 な規 定 であ る。. 前 述 の よう に、 ラ ー バ ント は、 古 い写 本 に は② 第 辺条- 第 X 皿条 のみ が規 定 さ れ て いる こと か ら、 こ の部 分 が ﹁裁. 判 制 度 の法 書 ﹂ の最 古 の部 分 であ る、 と し た 。 確 か に、 内 容 的 に見 ても、 ラ ン ト法 と人 の身 分 関 係 に つい て規 定 す る. ① 第 -条 - 第 V条 と 、 定 期 裁 判 集 会 等 の都 市 君 主 の裁 判 に つい て規 定 す る② 第 珊条 - 第 X 皿条 の間 に は、 異 質 性 が感. じ られ る。 前 者 の① 第 -条 - 第 V条 (§ 一1 § 二三 ) の内 容 も 、 § 一九 を 除 け ば、 歴史 的 に新 し いも のと は言 え な い. が、 こ の § 一九 の登 場 に よ って、 これ ら の法 文 が 後 か ら 追 加 さ れ た こと を 推 測 さ せ る よ う にも思 わ れ る。 ③ 第 X 皿条. 以降 の条 文 は、 第 X X条 を 除 い て、 自 治 制 定 法 と し て の都 市 法 の発 展 も 考 慮 し た、 新 し い条文 であ る か ら、 これ ら が. 後 か ら の追 加 であ る こ と は、 まず 間 違 いな い。 ただ し 、 そ の内 容 は、 前 述 の§ 一九 にお い ても言 及 し てお いた よ う に、. リ ュー ベ ック法 や ハンブ ルク法 に比 べ る と、 市 民 の特 権 的 な 地 位 に つい て十 分 配 慮 し て いる と は言 いが た いか ら、 こ. れ ら の追 加 条 文 も 、 市 参 事 会 の影 響 力 の少 な い所 で、 お そら く 参 審 人 に よ って作 成 さ れ た の では な か ろ う か。 そ の追. 加 時 期 は、 な お詳 細 に検 討 す る必 要 があ る が、 = 二世 紀 後 半 か ら 、 それ ほど 隔 た った 時 期 では な い印 象 を 受 け る 。. ︿註 ﹀. ≦ Φ貯ゴげま "1お 9 8 ぢ ピΦ×辞 o口 αΦω 竃 幽 # 巴巴 8 村ω層葦. 国 冨 9 つP カ8 導 ωρ⊆2一Φ戸 ω6 δ 。。h. 竃 口づ9 ①P 一8 8 ωや ト。OOω幽 8 9. た だ し 、 筆 者 は、 こ の 法 史 料 を. こ れ は ラ テ ン語 、 ポ ー ラ ン ド 語 、 チ ェ コ語 に 翻 訳 さ れ 、 東 欧 に お い て 広 く 普 及 し た 。. ω. 未 だ管 見 し て は い な い 。. 働. 即 ピ9 き P 鐸ρO` ω゜°。G。1ω刈゜. (同 )、 § 九. ㈹. (1 二 二一二 ・. (皿 ・四 二 ・§ 三 等 )、 § 一三. (皿 ・六 三 ・§ 二 )、 § 一四. §七. (同 )、 § 一 一 (皿 ・四 二 ・§ 六 と § 五 と § 一)、 § 一二. (皿 ・四 二 ・§ 三 ) 1 括 弧 内 の 番 号 は ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 の 条 文 番 号 。 以 下 も 同 様 1 、 § 八. ㈲. 一228一. 第49巻 第2・3号 近畿 大 学 法 学. 回幽■■ ●T.AI閲.

(21) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. ⑤. ㈲. ㎝. ㈹. 六 ・§ 二 )、 § 二 〇. 六 ・§ 一)、 § 一六. (同 )、 § 一九. ((皿 ・三 二 ・§ 五 ). ・§. (1 ・六 〇 ・§ 一)。. (皿 ・五 七. (1 ・三 六 )、 § 二 一二 (1 ・五 一 ・§ 三 )。. (皿 ・七 三 ・§ 二 )、 § 一七 § 一)、 § 二 二. (1 ・二 二 ・§ 五 )。. (1 ・二 二 ・§ 三 )、 第 X X V 条 §. (1 ・五 三 ・§ 一)、 § 四. (皿 ・五 三 ・§ 一)、 第 皿 条 § 一 (皿 ・六 〇 ・§ 二 )、 § 二. § 二 )、 § 二 一 (1 ・五 丁. (1 二. (1 ・五 丁. § 二 と 皿 ・六 三 ・§ 三 )、 § 一五 1 ⊥ 第 珊 条 § 一 (皿 ・四 四 ・§ 一と ー ・§ 一)、 § 五. (1 ・二 四 ・§ 二 )、 同 条 § 三. (1 ・二 〇 ・§ 一)、 第 X X 皿 条 § 一 (1 ・二 四 ・§ 三 )、 第 X X W 条 § 二. (1 ・二 二 ・§ 四 )、 第 X X W 条 § 二. 第 X X H条 § 二. 一)、 第 皿 条 § 一 (皿 ・五 二 ・§ 三 )、 第 X 珊 条 § 一 (1 ・五 九 ・§ 二 )、 § 三. 二. (皿 ・三 九 ・§ 一) 等 を 挙 げ て い る 。 た だ し 、. ラ ー バ ン ト 自 身 も 、 こ の よ う な 条 文 と し て 1 註 ㈲ の 関 連 条 文 と も 重 複 す る が - 第 X X I 条 § 一 (皿 ・八 三 ・§ 二 )、 第 X X H 条 § 一 (1 ・二 一 ・§ 一)、 第 X X W 条 § 一 (1 ・二 一 ・§ 一)、 第 X X 孤 条 § 二. ω゜癖卜。° 他 に も 、 第 - 条 - 第 V 条 の 中 の § 一〇. (皿 ・四 二 ・§ 四 )、. 第 X X I 条 § 一 (皿 ・八 三 ・§ 二 ) の よ う に 、 同 じ 用 語 が 登 場 す る と い う だ け で 関 連 条 文 と さ れ て い る 場 合 も あ り 、 こ れ ら す. (皿 ・四 四 ・§ 一)、 第 X 皿 条 § 一 (皿 ・五 七 ・§ 一) も 、 ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 に 関 連 性 の 高 い 条 文 を. べ て の条 文 が 関 連 性 の 高 い 訳 で は な い 。 国 い鋤9 コρ ρo° ρ. 見出す。. 第 珊条 § 二. ﹃ザ ク セ ン シ ュピ ー ゲ ル ・ラ ン ト 法 ﹄、 創 文 社 、 三 二 六 頁 )。 ア イ ケ ・ フ ォ ン ・レ. ﹁同 様 の (皿 子 供 は 母 親 で は な く 、 父 親 の身 分 を 相 続 す る と い う 1 筆 者 ) 法 を 家 人 た ち も 、 マグ デ ブ ル ク の 司 教 ヴ ィ ヒ マ ン に い た る ま で 有 し て い た 。 ⋮ ⋮ ﹂ (久 保 正 幡 他 訳. プ ゴ ウ は 、 こ こ で は 、 明 ら か に マグ デ ブ ル ク 法 を 利 用 し て い る の で あ り 、 彼 が 、 そ の 作 成 の 際 に 、 近 隣 の 法 慣 行 に よ く 通 じ て. 即 ピ鋤9 口P p即O` ω゜ 一㎝゜. いた こと も 判 明 す る 。. 勺゜い鋤げ§ P ①゜ ρ○° 魍ω゜ω鳶. 働. 本 稿 で は 、 第 - 条 か ら 第 V 条 ま で は 、 § 一か ら § 二 一二の 通 し 番 号 に よ っ て 、 そ の 条 文 を 示 す 。 な お 、 次 の 第 珊 条 か ら 第 X 皿. (市 に ). ⑩. (≦ O昌Oh↓一〇げ)、 そ し て 誰 か が. 一三 と い う 通 し 番 号 を 持 っ て い る が 、 こ ち ら の 場 合 に は 、 前 者 の ロ ー マ数 字 の 条 文 番 号 を 利 用 す る 。. (プ自ωヨ Φ口) の 証 人 と と も に 訴 え て も 、 訴 え. あ る 者 が こ の 市 内 で 市 民 と な り 、 そ し て 彼 が こ こ に 一年 と 一日 居 住 し. や って来 て、 彼 は彼 の隷 属 民 であ ると し て彼 を 訴 え よう と し て、 彼 を 彼 の隷 属 民. ﹁靱 の 第 一七 条. 条 も 同 様 に 一-. ω. 働. ら れ た 者 は 、 二 人 の 市 参 事 会 員 と と も に 、 彼 が こ こ で 一年 と 一日 の 聞 市 民 で あ り 、 何 ら の 異 議 も 受 け る こ と な く 居 住 し て い た. (ワ臼①d= μ同d[ O評 一〇①①) ¢鋤ヨ げ母 σq"ω゜窃. リ ュー ベ ック 市 の 場 合 も 、 同 様 の 証 明 方 法. こ と を 証 明 し う る の で あ れ ば 、 彼 は 彼 に 対 す る 訴 え に 煩 わ さ れ る べ き で は な い ﹂。 H 竃 ゜い碧 O①コげ輿 σ q"Uδ 巴 け①ωけΦコ ω富 α計 ω。三 h ㍗ 彗 α Uoコαお 。窪 Φ 出9ヨ び霞 oqρ 一c。畠. 一229一.

(22) が 妥 当 し た と 思 わ れ る が 、 具 体 的 な 規 定 を 発 見 す る こと は でき な か った 。 例 えば 、 一 一八八 年 の皇 帝 フー ド リ ッヒ 一世 の特 許. 状 は 次 のよ う に規 定 す る だ け で、 一年 と 一日 の証 明方 法 に は言 及 し ては い な い。 ﹁ 同 市 の誰 か が、 何 処 であれ 、 彼 の自 由 に つい. ( OOつく団 昌OΦ昌α=ヨ). て訴 え ら れ た な ら ば 、 訴 え ら れ た 所 が ど こ であ れ 、 彼 は そ こ で単 独 の誓 約 に よ って彼 の自 由 を 獲 得 す べし 。 も し 市 外 民 が や っ. ( 11 彼 の自 由 ) を単 独 の誓 約 に よ って獲 得 す る。 し か し て、 同 じ ラ ント の誰 か を誰 か が そ の自 由. て来 て市 民 の誰 か を 彼 の自 由 に つい て訴 え る こと が あ っても 、 市 民 は 、 市 外 民 が 彼 の自 由 を 否 定 す る こと より も 、 よ り 優 先 し て、 それ. に つい て訴 え、 そ の訴 えら れ た者 が、 一年 と 一日 の聞 市 内 に訴 えら れ た こと な く 留 ま って い た ( ω信げω 葺 ①葺 ) こと を 証 明 し う. る の であ れ ば 、 彼 は そ の訴 え を 免 れ る べし し。 貯 d美 露目αΦ ロげロ9 0興 ω♂ Oけい口げΦo 貫 甲 2興 日げΦ戸 一 。。心ω ( Z窪 費 昼鼻 一 雪 ①Y. た だ し、 そ の事 例 と し て挙 げ ら れ て い る のは 、 ブ ルク グ ラ ー フ ( § 一) や 諸 侯 ( h ξ ωけ Φコ) ( § 二 ) が 被 告 であ る 場 合 であ る 。. ω゜ =°. 前 者 の § 二 は ー ・二 二 ・§三 と 、 後 者 の§ 二 は ー ・二 二 ・§ 四 と よ く 似 て いる 。. ㈲ 9 ζ゜U碧 づ①昌げ輿 σq"騨騨ρ ω嗣㎝ω占 ↑. リ ューベ ック 市 のキ ー ル法 典 は、 § 七 六 にお い て、 債 務 拘 束 を 規 定 し てい る だ け であ. qの. 定 期 裁 判 集 会 と参 審 人 裁 判 所 の関 係 は不 明 であ る。 拙 稿 ﹁中 世 マク デブ ル ク の参 審 人 裁 判 所 ﹂、 七 六 頁 。. る。 拙 訳 、 三 三 一頁 。. ㈲ ㈲. 都 市 法 と し て の 宅 20喜 出脅 o。巨 と 嵩 筥 屏骨. ぢ NΦ坤ωoヨ 葺 賄 貯 三20ほω09 国oお9 β⇔o qり切αb ( 一りQ。卜。)"ω゜鰹 ゜. ㈱  団゜国げ♀ . . 出諺ピd国 切○幻U ω0幻豪 国国↓ ZHO出↓" . "切Φ日Φ艮 `コoq2 碧 U口ごΦσβ村oq輿 幻Φ9 け のき 坤Oσ qΦ o話 α①ヨ 冨 訂 ① 一 凸ρ. 四. ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ には 、 参 審 人 裁 判 所 が そ の法 的 な 争 いを 管 轄 す る 毛 ①甘ゴげま 冨o耳 と、 第 X 皿条 に の み登 場 す. る市 参 事 会 立 法 であ る 評o誘、 す な わ ち 芝 白閃母 と いう 、 基 本 的 に、 法 的 性 格 を 異 にす る二 つの法 用 語 が 登 場 す る 。. これ は 何 を 意 味 す る の であ ろ う か 。 以 下 にお い て、 こ の二 用語 が ﹁裁 判 制 度 の法 書 ﹂ に お い て、 ど の よ う に使 用 され. て い るか 検 討 す る。 そ の前 に、 ミ 色oげσま 冨 。葺 と 芝 筥 評貯 と いう 法 用 語 が 、 これ ま で の ド イ ッ法 史 にお い て、 ど. 一230一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

(23) 中 世 マ グ デ ブ ル ク 法 に お け るWeichbildrechtとWillkiir. ミ Φ同 9 びま ﹃Φ9 ↓. のよ う に論 じ ら れ てき た か 、 にも 言 及 し てお き た い。 ①. 第 二次 世 界 大 戦 後 、 こ の法 用 語 の語 源 と 法 的 な 性 格 に つい て、 通 説 的 な 地 位 を占 め た の は H ・プ ラ ー ニ ッツ説 で. (目8 げ↓) は、 都 市 法 を 意 味 す る よ う にな ったと す る。 これ に. と呼 ば れ、 後 に商. 人 の指 導 の下 に都 市 共 同 体 が 成 立 す ると 、 ≦ 色oげげま. と 商 人 法 と の結 び つき を 否 定 し て、 プ ラ ー ニ ッ ツ説 に批 判. あ った 。 彼 は、 芝 虫9 と は本 来 、 商 人 定 住 地 を意 味 し、 そし て、 そ こ で の商 人 法 が 毛 Φ8げげま. 対 し て、 妻 鉱魯 げま 誘o窪 の語 源 に お け る、 輔 Φ8げσま. の矛 先 を 向 け た の はK ・ク レー シ ェル であ った 。 彼 に よれ ば 、 毛 ①8ゴげま と は、 本 来 、 都 市 法 と は無 関 係 な 、 定 住. の際 の 世 襲 借 地 を 意 味 し 、 リ ュー ベ ック や マグ デ ブ ル ク のよ う な 植 民 地 域 で は 、 建 設 さ れ た 都 市 も 毫 巴。ゴσま. (﹃Φ魯 け) を 取 得 し た か ら 、 後 者 も 都 市 法 の意 味 を 持 つよ う にな った と す る。 こ の両 説 の何 れ が当 を得 たも の であ るか. は論 じな い。 ただ し 、 筆 者 の よう な 実 証 性 を 重 視 す る者 か ら す れ ば 、 こ のよ う な 語源 的 な問 題 に お い ては、 い かな る. 都 市 の法 史 料 を そ の論 拠 と す る か に よ って、 少 な か ら ず 異 な る結 論 が 出 てく る の では な いか、 と いう気 はす る。 こ こ. で は、 と り あ え ず、 毫 皿oゴげ=脅 Φo窪 が 、 いず れ の説 に よ るせ よ、 都 市 的 な 1 市 民 自 治 のー 発 展 の過 程 で、 お そ ら く、. 様 々 な法 慣 行 を 土 台 と し つ つ、 都 市 法 へと転 化 し て い った 法 であ る、 と いう こと を確 認 す る に止 め てお く。 な お、 両 説 に つい て、 我 が国 でも 、 既 に林 毅 教 授 が詳 細 に論 じ て い るか ら 、 それ を 参 照 さ れ た い。 ② 芝 注百 ﹃. 毫 注評ξ も 、 毫 Φ8げげ=α﹃Φ。葺 と同 様 に、 ド イ ッ法 史 学 上 、 様 々な 議 論 の対 象 にな ってき た が、 特 に中 世 都 市 法 と. し て の 薫 已 評貯 を、 詳 細 に論 じ た の は W ・エー ベ ル であ った。 こ の エー ベ ル説 に つい ても 、 林 毅 教 授 は 早 く か ら注. 一231一.

(24) ω. 目 し 、 詳 細 に論 じ てき た。 林 教 授 は 、 類 注評貯 に つい て の エー ベ ル説 を 次 のよ う にま と め て いる。 ﹁こ の ( 11 市 民 に. よ る- 筆 者 ) 宣 誓 共 同 体 的 法 秩 序 を エー ベ ルは、 狭 義 の都 市 法 と呼 び 、 そ の特 質 を 自 治 的 に作 ら れ た 法 o q①≦μ 一 涛 口学. ㈹. 8ω幻Φo巨 、 自 治 定 立 法 毫 注 評母 りω象自 づ゜q、 或 いは 、 そ の始 原 的 観 念 に よ れば 法 律 行 為 的 性 格 のも の、 更 には ま た 、. 自 ら そ の自 治 的 定 立 に参 与 し た 者 のみ を 拘 束 す る 条 件 付 の自 己 判決 、 と規 定 す る﹂ と 。 芝 注 屏貯 と は、 一言 で言 え. ば 、 市 参 事 会 と 市 民 によ って定 め ら れ た 都 市 法 であ る。 無 論、 こ のよ うな 芝 置涛旨 を制 定 す る特 権 を 市 民 は都 市 君. 主 か ら の特 許 状 に よ って取 得 す る こと も あ った が 、 そ の法 内 容 と 制 定 に つい ては、 市 民 と市 参 事 会 に委 ね ら れ て い た ω の であ る。. ㈲. し たが って、 輔 旨評貯 と 芝 ①♂ゴげま 冨 。葺 は 、 同 じ 都 市 内 で妥当 し た法 では あ れ、 それ ぞれ 1 特 に、 形 成 過 程 に. お け る1 異 な る特 質 を 内 在 さ せ て い る こと が 、 これ ま で の研 究 によ って、 明 ら か にさ れ てき てい る の であ る。 た だ し、. 両 者 を 対 比 的 に論 じ 、 そ の境 界 を 確 定 し た り、 それ ら の内 容 を 、 具 体 的 な 法 史 料 に沿 って論 じ る こと は な か った よ う. ㈲. に つ い て 言 及 し な か った の は 、. であ る。 例 えば 、 エー ベ ルも 、 都 市 法 に つい て詳 細 で実 証 的 な 研 究 を 残 し て い る の であ る が、 彼 の主 た る対 象 は、 当 であ り、 類 皿。ゴσま 冨。窪 は そ の対 象 と さ れ ては いな い。. ( 冨 Oゴ什) と 名 芭 屏母 の み を と り あ げ 、 ほ と ん ど 芝 巴oげぼ 冠 お o巨. リ ュー ベ ッ ク 法 に お け る 宅 oぱ崔甑 置. 然 の ことな が ら 輔 已 財貯. ω. 工 ー ベ ル が 、 都 市 法 と し て は 暑 已 評貯. 彼 が 中 世 都 市 法 と し て 具 体 的 に論 じ た の が 主 に リ ュー ベ ック 法 であ った か ら 、 か も し れ な い 。 な ぜ な ら 、 リ ュ ー ベ ッ. 、. 一232一. 第49巻 第2・3号 近畿大学法学.

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