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巻頭言 20世紀から21世紀へ:水素エネルギー協会会長/太田健一郎

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Academic year: 2021

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水素エネルギーシステム Vo1.25,No2 (2000)

巻頭言[~

20

世紀から

21

世紀へ

水素エネルギー協会会長 太 田 健 一 郎 2 0世紀はまさに終わろうとしているO 前世紀の産業革命に始まる科学技術の進歩は、二つの世界 大戦を挟んで、大きく進歩た。科学技術は必ずしも我々を真の意味で豊かにしているとは言えないと考 える人も多いだろう。放射線の発見は、原子力発電の実現で、人類に新たなエネルギー源を与えたこ とになるが、一方では原子爆弾、水素爆弾を生み出し、人類を核の恐怖のもとに落とし入れている。 産業革命を支えたエネルギーは石炭で、あるが、今日では石油、天然ガスといった、より軽い化石エネ ルギ,-~こ頼るところが大きいが、その消費がわびるに従い、炭酸ガスによる地球温暖化問題、地球環 境破壊が進むとの心配もある。ものには常に両面があるが、総じて言えば、今世紀の科学技術の進歩 は、一部に問題があるものの、とれまでの我々の生活を豊かにするためにおおいに貢献したと言える。 科学技術を支える基礎学問の展開を振り返って見るとどうであろうか。量子力学の確立は単なる理 論の展開だけではなく、計算機技術の進歩と相候って実用的技術に関しでも応用できるようになって きた。固体物理の展開は今日の情報科学の進歩に結び付き、 T革命を引き起こすまでになっているO 材料科学は、原子力開発、宇宙開発といった巨大開発を支え、人類を月に送り込むまでになっているO 生命科学の進歩は、遺伝子の謎を解き明かし、生命を神秘なものから開放しつつある。 : 2 1世紀に向けて、科学技術は現状のままでの展開を期待されているものではない。人類は人口爆 発、環境破壊、資源問題、これら解決の糸口の見つけられない困難な課題を就きつけられている。エ ネルギー問題はこれらし吋とれにも深く関係しており、そう簡単には解決できそうもない。炭酸ガス問 題は、真に地球温暖化に結び付くかははっきりしないが、化石エネルギーの大量消費に対する警告で あることには間違いない。石炭、石油、天然ガスは太陽が地球に数十億年もの年月をかけて恵んでく れた貴重な資源で、あるO これを高々 200年程度の期間に使いきって良いはずがない。原子ー力エネル ギーに関して核融合は21世紀中には実用化しそうもない。核分裂を利用する原子力発電も廃棄物処 理までを考えると、どんどん進めて良いとは言えないであろう。太陽光、風力、水力といった再生可 能ここえノレギーは理想に近いが、食欲な人類の欲望を満たすまでに技術は進歩していないのである。 水素エネルギーは20 世紀後半に、電力に代わるクリーンな二ー次エ.ネルギーとして生まれた概念で ある。当初は自然エネルギーあるいは原子力エネノレギーを A次エネルギーとしたシステムを考えてい たが、咋今は化石エネルギーの有効利用へと概念は広がっている。水素エネノレギーそのもので、はエネ ノレギ」一問題、特にエネルギー資源問題を砂解決できるものではない。 しかし、環境に配慮した、真の意 味での豊かな社会を実現するには必ず必要になると信じている。

21

世紀に相応しい科学技術の発展 に期不干したいところである。 1

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