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内か らの学校改革 と教育実践

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Academic year: 2021

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(1)

‑ 特集 学 校 カ リ キ ュ ラ ム の 未 来 像 一 学 校 の 自 律 性 と 教 師 の 創 造

性く6)

内か らの学校改革 と教育実践

‑ 富 山大学人間発達科学部附属小学校の事例か ら

上越教育大学 瀬 戸

はじめに

今次教育改革の最大の特色の一つは,教育課程基準 (学習指導要領)の 大綱化 ・弾力化 と学校の自主性 ・自立性 とがワンセ ッ トになったことだ」 と の 「仮定」において,1998年の基準改訂は 「エポ ックメイキ ングをなす もの

だと中留はい う(1)。 このような規制媛和 とともに,教育特 区や学校選択制が 導入 され,地域 間競争,学校 間競争が現実の ものにな りつつある。

従来,国立大学の附属学校 は,研究開発枚,モデル校,教育実習枚 として 地域で独 自の地位 を保 って きた。 しか し近年,富山市のような地方都市にお いて も,私立中高一貴校が設立 されるとともに市教育委貞会が公立小中一貫 校 を設置 し, さらに中学校 に学校選択制 を導入するなど競争的な環境が生 ま れつつある。附属学校 も入学者の獲得 を巡って,それ らの学校 と競争せ ざる をえない状況になった と言える さらに富山大学には固有の課題 もあった。

独立行政法人化 に続 き,富山大学,富山医科薬科大学,高岡短期大学の三大 学統合 と,教育学部の人間発達科学部への改組が待 っていた。 ここで も,附 属学校 は存続 をかけて実績 を残す ことが求め られた。そのようななかで,筆 者は平成15年か ら4年間,富山大学教育学部附属小学校 (現,人間発達科学 部附属小学校 以下,本校 とい う)の副校長を務めた。

学校改革は,報告者の立場 によって見える地平が変化する 学級担任であ れば教育実践の変化が,管理職であれば学校経営改革が,研究者であればよ

(2)

り鳥轍的な視野か ら学校のダイナ ミズムが見 えるであろう。本稿 は,附属小 学校 に勤務 した‑管理職が どのように学校改革を行い,そこにはどのような 教育実践上の問題があったのか,管理職の立場か らの事例報告である。

1. グラン ドデザイ ンの策定 と教育内容

(1)グラン ドデザインをつ くる

まず手掛 けたのは,新 たな学校研究 テーマの設定である追究 を楽 しむ 授業の創造」には平成元年か ら取 り組み,すでに15年 を経過 してほぼ研究 し つ くした状態 になっていた。そこで,新たなテーマの設定にあたっては,ぜ ひ 「対話」 とい うキーワー ドを入れたい と考 えた。 もちろん,「対話」 には, 多田が言 うように 21世紀の多文化共生社会の現実化 を直視 し,そ うした社 会で,生 きて働 く,役 に立つ対話力 を」子 どもたちに「育成する必要がある」

とい う高い理想がある(2)。 さらに,′経営の観点か ら考 えた とき,「対話」 を 選ばせ る二つの要素があった。

一つは,本校校長 雨宮洋司が企画 した 「環 日本海域小学校授業交流 競争的経費が付いたことである。 もう一つは,本校 は35年前か ら約15年間,

対話的思考による学習」の研究を推進 し,3冊の学校研究を上梓するなど, 歴史的にみて も 「対話」は本校研究を象徴する言葉であったことである た,学校 に不適応 を起 こす児童の存在 も気 になった。学校研 究 も含めて, 様々な課題 を包含する統一的なテーマはないか と考え,思いついたのが 「 だったのである。

全教月に新たな学校研究 としての 「対話」 を提案 し,了泉 を得 るとともに, 詳細 な研究計画は研究部に任せた。研究部か ら提示 されたテーマは,「対話 する子供 を目指 して」であった。

そこで,このテーマを中心 として平成158月までに学校のグラン ドデザ イン (1)の骨格 を作 り上げ,まず教職員 に,次いでPTAへの説明 も行 い協力 を求めた。

74

(3)

3 心の健康

○心 身 ともに活力 にあふれた子供 の育成 基本的生活習慣 の形成

他者へ の以来, 自己への 自膚 学級 での居場所

コ ンサルテー シ ョン

1 対 話 す る 子 供 を 目 指 し て 2 国 際 交 液

の 推 進

○異文化 との対箭 t留学生 に よる授業

・英語活動

○環 日本海の授業拠点 校づ くり

・授業交流

◆韓国産照大学 併設産熱初等学校

◆ 中国大連海事 大学付属学校

◆ ロシアネヴェル スキー海洋大学 付属小学校

○対話 による学習の過程づ くり

・授業研究

・研 究計画作成

・わ くわ くす る授業

・言いた くて仕方が ない授業

○学校 で学ぶ意味

5 安全対策の充実

地域 別保護者会 ・防犯訓練 ・防犯教室 警備員,防犯 カメラ, 防犯笛,防犯 ブザー 低学年 によるGPSの導入

1 本校のグランドデザイン

4 IT活用の 推進

○産学連携 による ネ ッ ト整備

・新 しいOSの導入

○ メール, テ レビ介護 システムの構築

・日常 的な対話の ツールへ

○図書館 とITの一体 活用 による調べ活動

(2) グラン ドデザインによるカ リキュラムへの影響

新たなグラン ドデザインの特徴 は,授業 を 「対話する子供が育つ大切 な時 間」 ととらえ,それを学校経営の中核 に据 えるとともに,授業 を支えるサブ システムを新たに意識化 し,意図的に整備 したことである これにより,撹 業はさらに効果的になると考えた。

しか し,このサブシステムには, もう一つのね らいがあった。附属学校 は, 伝統的に研究開発校であ り,授業 さえしていればよいという雰囲気が校内に はある。 しか し,学校間の競争的環境が生 まれている現在では,それだけで は優位 を保つ ことはで きない。最新の教育情報 を踏まえて新たな教育実践に 果敢 に挑戟 してい くための意識改革を,このサブシステムに期待 したのであ る。三つのサブシステムの内容 とそれによるカリキュラムへの影響 は,次の ようである。

(D心の健康

(4)

平成10年 ごろには見あた らなかった学校不適応の子 どもが,5年 を経た平 成15年には明 らかに見えるようになっていた。子 どもの急激な変化である

養護教諭は,それ らの子 どもたちに積極的にかかわるだけでな く,OKグラ ムやQUテス トの導入 を積極的に求めていた。

学校研究のなかには,「子 ども自らが 『対話』をひ らくには,なによ りも 健康 な心 をもっていることが大切である学校や家庭 に気 になることがあ ると,子 どもは他者 と言葉 を交わす ような気分ではな くなって しまう」 とし て対話の前提 として 「心の健康を位置づけ,これ らQUテス ト等の調査 を 学期 に一度ずつ実施するようにした。 また,その実施に合わせて外部か ら指 導者 を招碑 しコンサルテーシ ョンも行 った。教員たちは子 どもに対する感覚 が鋭 く,「あの子 は,何 か変だぞ」 とよく言 う しか し,何が原因なのか, どうしてそ うなっているのかが分か らないので,手 を披いていることも少 な くない。 コンサルテーシ ョンでは指導のガイ ドラインが示 されるので,教員 たちは安心 して子 どもに立ち向か うことがで きるようになる だか ら,コン サルテーシ ョンは教員たちに好感 をもって迎 えられた。 このことによって, 養護教諭が子 どもたちに対 して もつ危機感が,教職員間の共通の認識になる 契機 となったと考えている

その後,養護教諭が中心 とな り生徒指導部が協力 して行 った調査 により, 基本的生活習慣が身に付いている子 どもは心の健康度が高いこと,早寝 ・早 起 きする子は,基本的生活習慣 も身に付いていることが多 く,学業成績 も高 いなどが明 らかにされてい くことになる。

カリキュラムへの明確 な影響 は,授業の中に定期的に調査が組み込 まれた 程度である。 しか し, コンサルテーシ ョンでの情報は,担任等に子 どもにか かわるときの留意点や方向性 を与 えたのであ り,学級内での教員 と子 どもの 関係 は変化 したであろう だが,それ らはまった く一人ひとりの教員の内面 深 くにしまわれていることである。同様 に,基本的生活習慣 と子 どもの心の 健康 との関連 をみた調査の結果 も,保健委貞会主催の児童集会や 日常活動の なかに生かされるのが主で,カリキュラムへの明確 な影響はほとんどない。

もしあるとすれば,それを指導する教貞が以前は持ち得 なかった 「基本的生 76

(5)

活習慣の指導が,心の健康 を高めるという確信 を,今 は全教職員が もって いるということである

②汀活用の推進

赴任時,校内のIT環境 は,最悪であった。児童用PCは老朽化 し,立 ち 上げるのにかな りの時間を要 していた し,学校全体のネッ トワークもファイ ヤー ・ウォールが完壁でな く,侵入するウイルスに悩 まされていた。校費を 投入 して新たな機材 を購入するだけでな く,産学連携 を通 して企業か ら新た な管理ソフ トの提供 を受け, ファイヤー ・ウォールを二重にして校内のシス テムを作 り上げた。 コンピュータ室 に20台の児童用PCを,他の20台 を教室 前の多 目的スペースに分散配置 し,それ らも職員室の教員用PCで一括管理 できるようにした。

学校研究のなかには,「対話のツール」 として位置づけた。

心の健康と同様 に,このサブシステムもカリキュラムへの明確 な影響 は小 さい。PCの使い方や情報モ ラルについての学習 を,3年生 を対象 に3 時間程度,総合的な学習の時間に組み入れた程度である。 しか しIT環境が 整うにつれて,教員たちは授業 にPCを取 り入れるようになって きた。た と えば,図画工作科では,子 どもが気 に入った風景 をデジタルカメラを用いて PC内に取 り込み,それを材料 に新 たなコラージュをつ くるといった学習活 動 もみ られるようになったのである。 もちろん,これ も各教員の レベルで留 まり,学校全体のカリキュラムに組み入れ られることはない。あるのは,各 教員が 「これ使 える」とい うPCへの信頼であ り,それが授業でのPC利用 回数を増や したことであろうか。

その後,平成18年に至 って,この ようなIT環境 を背景 に文部科学省委託 事業 「地上デジタル放送の教育活用促進事業」の指定を受けることがで きた。

この企画か らも新 しい試みが生 まれ,斬新な実践が誕生 していった。

③国際交流の推進

カリキュラムに最 も明確 に影響 を与 えたのが,「国際交流の推進であっ た。先 にもふれた ように,雨宮が獲得 した競争的経費の企画は,環 日本海 域小学校授業交流」である。互いの国の教員がそれぞれ教材 をもって 日本海

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を渡 り,まった く知 らない,言葉 も通 じない子 どもたちを借 りて,いわゆる

飛び込み授業」 をする。相手校 として大韓民国の慶鷹大学併設慶鷹初等学 校,中華人民共和国の大連海事大学附属小中学校,ロシア,ウラジオス トク のネヴェルスキー海洋大学附属小学校 を選んだ。

この活動は,一方で教月の資質向上プログラムとしての性格 をもつが,他 方,飛び込み授業の対象 となる子 どもたちにもよい異文化学習の機会 となる。

そこで,単に授業 を交流するだけでな く,い くつかの基盤 としてのカリキュ ラムを整備することとした。

一つは,「英語活動の導入である 本校 は平成14年度 まで まった く英語 活動 を実施 していなかった。平成159月 までに,非常勤のALTと日本人 の指導助手 を獲得 し, 3年生以上の全学級 に年間27時間を行 うようにした。

さらに,「環 日本海域小学校授業交流」 と連動 して,大学の留学生 を活用 し た 「ハ ングル活動「中国語活動「ロシア語活動」 も3年生以上の各学級 に 年間各1時間,年3時間を入れる・Lととした。

雨宮は,欧米に偏 った国際理解教育だけでな く,東アジアの一員 としての 国際理解教育があるべ きであるという。だか ら,この留学生 を活用 したプロ グラムの構築には積極的であった。 また,教員 を対象 に した 「環 日本海域小 学校授業交流」 も,国を超 えて彼の国の教月 と我が国の子 どもが,我が国の 教月 と彼の国の子 どもたちが師弟関係 を結ぶ,貴重な機会だとも言 う。重層 的なカリキュラムをつ くることがで きた といえる

④学校改革の手法とタ帽6人材

本校が平成15年度に行 った学校改革は, きわめて急進的であった といえる。

短期 間に 「学校研究テーマ」 を変 え,「グラン ドデザイン」 をつ くり,さら に新たな教育内容 をもちこんだのである これ らを可能にした要因として, 二つをあげることがで きる一つは,大学 とい う多様 な知識集団を活用で き たことである た とえば,「心 の健康」 には稲垣応顕,

「 I T

活用 の推進」 に

は高橋純,「英語活動には新里鼻男,「留学生の活用には林夏生,呉人恵 らの大学数貞が関わ り,最 も効率的な手順で進むことがで きた. もう一つは, 経済的な裏付 けである。競争的経費の獲得のほか,附属学園の事務担 当が 78

(7)

様々な方策を駆使 して予算獲得 に奔走 して くれた。

実は,筆者は急進的な学校改革にはあまり賛成 しない。各学校 には,長い 年月をかけて醸成 して きた学校文化があ り,それは毎年の教育活動 という吟 味を加 えられなが らも,なお生 き残 って きた ものだか らである。 したがって, 学校改革の基本は,細やかな 「修正」 を何度 も繰 り返す といった,柔軟でゆ っくりとした ものが よい と考 える

しか し,学校間競争 を視野に入れた とき, とくに常に優位 を保つ ことを求 められる附属学校では,誰 よりも早 く教職員の意識改革を行い,新機軸の企 画をアピール して成果 を出 していかねばならないという宿命がある。附属学 校がな くて も子 どもたちには地域の公立学校 に就学することがで きる だか ら,附属学校 は一面で 「な くて もよい学校」なのである。そのな くてもよい 学校 を,「あってほ しい学校」 にす るには,それだけの努力がいる急進的 な学校改革 とい う手法は,まさに教職員の意識改革をね らった ものだった と 言ってよい。

2.学校研究テーマによる授業の変化

(1)新たなテーマの設定

平成元年か ら取 り組んだ学校研究 「追究を楽 しむ授業の創造」は,子 ども が教材 (以下, もの という)や他者 (以下,人 とい う)にかかわ りを求める 姿を 「追究を楽 しむ姿」 として とらえ,実践研究を重ねて きた。新たに 「 話する子供 を目指 して」 を掲げるにあた り,次の二つを期待 した。

一つは,かかわ り」 をよ り厳密 に とらえることである。た とえば,ある 子が 「教 えてと言って他者 にかかわ りを求めた とす る。 この場合,情報は 教える側か ら教 えられる側 に一方向で流れ,双方向のや りとりにな りに くい。

対話は互いが交互に言葉 を発 し,対等な立場でなされる。かかわ りが双方向 となる。対話 を取 り上げることで,かかわ りを求め合 う姿 を言語 を介 して厳 密にとらえ,それをもとに授業を改善 して学び合 う子 どもを育てようと考 え たのである

(8)

もう一つは,共生の観点 を加 えることである追究 を楽 しむでは,千 どもが 「もの」や 「にかかわ りを求める姿 に注 目した。つ ま り,一人ひ とりが,学びたい,知 りたい,やってみたい という内的な力 を高め,対象か らの反応 を期待 して働 きかけてい くという,その子の 自立的な姿勢 を重視 し た。「対話」研究では,他者 に言語 を介 してかかわ り,一人ひとりの内につ くり上げた 「意味あるもの」 を出 し合い,理解 し合 って互いにとって 「価値 あるもの」にするという,歩み寄 り,分か り合お うとするという共生的な視 点をも加 えようとしたのである この二つによって,実践研究は格段 に難 し

くなったと言える。

(2)新たな学習過程の想定 と授業の変化

①新 たな学習過程の想定

新たな研究テーマ設定か ら10カ月を経過 した平成162月,研究部はこれ までの研究の まとめ として新たな学習過程モデルを提案す る。 (2)本校 対話モデルの特徴 は,対話が開かれる前 に,必ず子 どもたちはものにかかわ りを求め,一人ひとりの内にその子 にとって 「意味あるもの」 をつ くり上げ ていると考 えているところにある もの とのかかわ りによる発見や気付 きは, 子 どもたちを 「話 した くて話 した くてならない」状態 にするのである0

このような学習過程の想定は,対話のスキル学習 を重ねて,そこか ら対話 する子 どもを創 り出そうとするや り方の対極 をなす。私たちは,あ くまで も 子 どもの内なる力 によって対話 を開 くようにしたい と考 えたのである0

②授業の変化

しか し,平成165月に行われた本校教育研究発表会では,好対照をなす 2種類の実践が見 られることとなる その変化が よ り明確 にとらえられるよ う平成15年度教育研究発表会の指導案 と比較 しなが ら説明する。

・A教諭の実践

A教諭 は,「追究 を楽 しむ授業の創造」の最後の研究会である平成155 月の指導案には,次のように教材観 を書いている。単元は,2年生算数の「 さの単位」である。

80

(9)

びっ くりビョー ン』は,名前の通 り,挑ばないのか と思った ら急 に ビョー ンと跳ぶ面白いお もちゃである○子供たちは『びっ くりビョー ン』

で遊ぶことが大好 きであるo この遊びに夢中になれば, 自然に跳んだ長

ここで注 目しておかねばな らないのは,びっ くりビョー ンとい う子 ど もが楽 しんで活動で きる教材 を選んでいることである。図工の時間に作 り, 自分で工夫 してより大 きく跳ぶ ようにする。そ して,友だちと心ゆ くまで遊 ぶことを,この単元の導入 としているのであるつ まり,単元の導入 に細心 の注意を払っていると言える

ところが 1年後,「対話する子供 を目指 して」 を掲 げての最初の教育研 究 発表会では,A教諭の指導案 は大 きく変化す る 単元 は,4年算数 「わ り 算の しかたを考 えよう」である。 まず,指導案の作成 にあたっては,「数 と 計算」領域の系統性か ら,次の5点を大切 にしたい と述べ る。

ア,筆算することへの疑問 ィ,数の多面的な見方 ク,算数的活動 と筆算の併用 エ,筆算することのよさ オ, 自力解決で きた満足感

そ して,全体計画では,第2次の 「2位数,3位数 を1位数でわる除法 最 も力 を注 ぎ次のように言 う

筆算の意味や よさに気付 くことがで きるように,す ぐに筆算 に導入せ ず,半具体物 を使 って除法の仕方 を考 えるという算数的活動の場 に時間 をかけるoその過程で子供たちは,より簡略化 された方法の必要性 を感 じ始めるであろう子供たちが試行錯誤 しなが ら,筆算に近い方法 を考

A教諭 は,「対話す る子供 を 目指 して」 を授業で考 えた とき,「活動 の面 白さ」 よりは,「教科 の面 白さ」 を大切 にしたのである。半具体物 を使 って

(10)

1 B教諭の全体計画の比較

追究 を楽 しむ授業の創造 対話す る子供 を 目指 して

さ ぐろ う,考 え よう,つ くろ う,ぼ く えが こう,未来のふ る さと富 山 ‑墨が

わた しの富 山 ‑フ ァミリーパ ー クが 目指 お りなす 「わ」 の世界 一 (5年)

す もの ‑ (6年)

る もの を実感で きる共通体験 を行 うo そ子供が フ ァミリーパ ー クの旦虚 血 る価値 ある体験活動 を設定す る○ (水墨画の よさやす ぼ らしさを実感で き中略) して,活動後 に感 じた こ と,考 えた こ と 体験活動後 に話 し合 う場 を設定す ること 旦̲坦上皇 上土深 めあ う場 を大切 にす る.( に よ り,願 い を強 くしなが ら体験 に裏打

両「膏育 扉 本 当 に伝 えたい ことが明確 に ちされた 自分 の 「水墨画」観 を語 り出す

なるようにす るo と考 えるo

広 げたい考 え,内容.方法 につ いて, 伝 えたい水 墨 画 の面 白 さ.す ば ら し みんなで話 し合 う.話 し合 いで は,そ並 呈⊥が明確 になることが,活動 の意味」の ぞれの考 えや活動が クラス全体 の中亨で 自覚 につ なが り,友達や専 門家,地域 の 三に塵置 蛙 き,「目指 している もの をた く 方へ 心 を開 い て か か わ って い く姿 を生 百 万万二后 三理解 して もらう」 とい う願 い む. そ こで, クラス全体 で一人一人の追 に向けて 宣左 を盈製 を担 ってい るか を明 究 を位置づ けた り,広 げたい内容 と方法 確 にす る㌻ です =再 訂 のつ なが りを吟味す る場面 を設 けた りするo

それぞれの活動状況が分か る過丞皇道 「で きた 自分や り遂 げた 自分」 を実 動報告会 どを行 い, クラスの中での 自分 感す る といった, 自分 の よさや高 ま りの たちの活動 を意識で きるようにす るo ま 気付 きが,願 い をよ り強固に してい くo

た, フ ァミリーパ ー クの職 員や 「い きも そ こで,中間発表会 で友達 の評価 を行 つ のメイ ト」 の方か ら評価 をいただ くな ど た り,専 門家 に よる外部評価 を受 けた り

して,満足感や充実感 を味わえるように 土星且 (以下略)

※ア ンダー ライ ンは,比較 のため に筆者がつ けた。

様 々に試行錯誤 させ,一人ひとりがた くさんの気付 きを手に入れ られるよう にする。そうすると子 どもたちは,その気付 きを 「言いた くて言いた くてた まらない」状態 になるであろうそのような内なる力 を高めることによって

対話」 を創 り出そ うとしたのである。それは,『びっ くりビョー ン』での

跳んだ

跳 ばない」の水準 を超 えて,教科本来の 「学ぶ楽 しみ」 を対話 の入口にしたと言 えるのではないか。

・B教諭の実践

これに対 して,B教諭の総合的な学習の実践 は表1に示す ようにあ ま り変 化 していない。教材 は,15年が動物 ファミリーパーク,16年は水墨画である

この二つの実践は,非常 によく似て しか し同 じ弱 きをもっている 二つの 82

(11)

点か ら述べ る。

一つは,これ らの実践が子 どものこだわ りか ら発 しているように見えて, 実はそのようになっていないことである 体験的な活動 を通 しての動物園フ ァミリーパークの理念 を理解すること,水墨画のすぼらしさを理解すること からの出発 は,ファミリーパークや水墨画に違和感 を感 じる子 ども,好 きに なれない子 どもの存在 を許 さない。子 どもは,ファミリーパークを支持する 人々,水墨画を愛好する人々の側 に組み込 まれ,その代弁者 になっていかざ

るをえない仕組みになっている。

もう一つは,学習成果が,常に発信 されるように出口が設定 されているこ とである 子 どもたちが発信 したいか した くないかにかかわ らず,発信 しな ければな らな くなっている これをA教諭の実践 と比べ る と,子 どもが言 いた くて言いた くてたまらない という状態 をつ くることよりは,学級 として いかに発信 してい くかに実践の重点があるように見える だか ら,一人ひと りが 「クラスの中で どこに位置付 くか」が大切 になる。多様性 を確保 し,一 人ひとりが活躍で きるよう重複 を避けたいか らである

(3)誤謬 を乗 り越 える対話

なぜ,B教諭の実践は変わ らなかったのであろうか。 これは推測であるが, おそ らく,「発信対話」 と置 き,混同 したのではないか。友だちや大 勢の人の前で発表 し,その反応 を得る。その ような応答的な環境があれば, それは 「対話」だ と言 えると意味づけたのであろう

しか し,ここには根本的な誤謬がある。確かに子 どもは他者 と話 している。

その現象 においては対話の ように見 える しか し,「話 した くてかかわ りを 求めている」 ことと,「話 さねばな らな くてかかわ りを求めている」 ことと の間には大 きな差がある 子 どもたちは賢いので,教師が 「話 しなさい」 いえば,「はい,はい」 と手 を挙 げ,教師の喜びそ うなことを言 う。教 師は

そうですね」 と受けて授業 を進める しか し,ここにはまるで儀式のよう な時間が流れているだけで,子 どもが これまで重ねて きた学習の感動 も,他 者に対する畏敬 もない。対話の対極 にある授業だ と言 える。

(12)

以上みて きたように,新 たな取 り組みの開始が,学校改革の開始ではない。

新 たなテーマを十分理解 し,実践で きるようになっては じめて学校改革が始 まると言える もちろん,それ までには,数多 くの誤謬が生 まれる 学校改 革を推進す るには,教員間生ずる小 さな敵齢 を一つ一つ埋 めてい く,その よ うな対話が実は最 も大切 なのだ と考 えている

おわ りに

管理職が主導 し急進的な学校改革 を行 って も,それがす ぐに紙面上 に表現 されるようなカリキュラムに反映 されるわけではない。本稿で取 り上げた学 習過程モデル (2)も実践 で きる者が少 ない とい う意味で絵 に措いた餅 に 近い。 また,グラン ドデザイ ンによって,確かに学習内容の追加や変更は加 え られるが,それが学校の出力 を急激 に上昇 させた とい う実感は少 ない。そ うではな く,学校改革は実は,一人 ひとりの教員の内部でゆっ くりと進む。

コンサルテーシ ョンを通 して支援が必要な子 どもを知 っている,環 日本海域 小学校授業交流 を通 して,各国で も様 々な方法で新 たな教育の模索が続いて いることを知 っている,PCが信頼で きる教育機器であることを知 っている ことが,徐 々に教貞たちの教育活動 に変化 をもた らし,新 たな質の高い教育 活動 を創 り出 してい くことになる その細かなゆっ くりとした変化 こそが学 校改革の真 の姿 なのだ と思 う 実践の共有化のために本校 では,加除式の実 践事例集 を全教員が持つ。年度末 ごとに新 たな授業実践 をカー ドに し,それ

えてい くことに している。

平成205月,本校 は 『対話が授業 を変 える ‑子供の心が揺 さぶ られる瞬 間 (とき) ‑』 を公刊 した。そこには,対話が開かれてか ら互いが互いの よ さを理解 し合い,さらに次の学習へ歩み出 してい く過程が,明確 なモデル と して示 されている。 この小 さなモデルを世 に問 うまでに,5年 もの歳月を要 した。その間に教員の半数が入れ替わった。 このことは,常 に学校研究の学 び直 しが必要 になることを意味す る。実践の水準 を維持すること,実践研究 を推進 して学校独 自のカリキュラムを創 り出す ことは容易 なことではない。

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(13)

対肺を繰 り返すことで、自借 と見通 しは さらに強 くなる。そ して、教科の本質に触 れながら、日横‑と向かっていく。

自分は、こう考える。でも、

経かと話せば、もっとよい 考えができるかもしれない。

Aさんの言 うことはよく分 かる。さすがAさんだ。でも、

自分は別の考えをする。

対 話す る 子 供 の 内 面

よし、分かったぞ !維かに 教えてあげたいな。

ここまでは分かったけれ ど、

ここからは分か らない。維か に聞いてみたいな。

2 新たな学習過程モデル

最後 に,研究者委員会 にふれてお く新たな学校研究を進めるにあた り, 理論的バ ックボー ンを得 るため研究者委員会 を設置 し,水原克敏 (東北大), 富士原紀絵 (お茶の水女子大),多 田孝志 (目自大),宗孝文 (仁愛大),山 西潤一 (富山大) らを委員に委嘱 した。本校の特徴 は, これ らの研究者 を全 員同時に学校 に招 き入れることである 座席 も教員の間に散 らしてお き,本 校教員の一人の ように自由に討論に参加する。時には,研究者委員の間で議 論が白熱することもある このようにしたのは,教員たちの 「大学の先生に 教 えて もらう」 という 「承 り体質」 を払拭 したい と考えたか らである0

研究者 と実践者が対等の立場で意見 を交わす。「対話」研究は,それを実

(14)

践 す る実践 者 の対 話 的 な姿 勢 の形 成 か ら始 め た い と管 理 職 が考 えて い た こ と を, 同僚 た ち は気 付 い たで あ ろ うか。

[キーワー ド]

学校改革,学校研究,学校 のグラン ドデザ イ ン,対話,かかわ り

(引用文献)

(1)中留 武昭編著 『カリキュラムマネー ジメ ン トの定着 過程 ‑教 育課程行政 の裁 量 とかかわって ‑』教育開発研究所,2005

(2)多 田孝志著 『対話力 を育てる ‑共創型対話が拓 く地球 時代 の コ ミュニケー シ ョンー』教育出版,2006

(参考文献)

○富 山大学教育学部附属小学校著 『平成16年度 研究計画 NQ28』2004 0富 山大学教育学部附属小学校著 『対話的思考 による学習』明治図書,1979 0富山大学教育学部附属小学校著 『追究 を楽 しむ授業』協 同出版,1994

0富 山大学人間発達科学部附属小学校編著 『対話が授業 を変 える ‑子供 の心 が揺 さぶ られる瞬間 (とき)』富 山大学 出版会,2008

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表 1 B教諭の全体計画の比較 追究 を楽 しむ授業の創造 対話す る子供 を 目指 して 単 さ ぐろ う,考 え よう,つ くろ う,ぼ く えが こう,未来のふ る さと富 山 ‑墨が 元 わた しの富 山 ‑フ ァミリーパ ー クが 目指 お りなす 「わ」 の世界 一 ( 5 年) 名 す もの ‑ ( 6 年) 第 る もの を実感で きる共通体験 を行 うo そ子供が フ ァミリーパ ー クの旦虚 血 る価値 ある体験活動 を設定す る○ ( 水墨画の よさやす ぼ らしさを実感で き 中略)

参照

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