• 検索結果がありません。

論文の要旨 申請者

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "論文の要旨 申請者"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

論文の要旨

申請者 内田 貴大

研究論文題目

急性腎障害およびループス腎炎の病態におけるNKT細胞の関与に関する研究

背景ならびに目的

マウスNatural Killer T (NKT) 細胞はNK細胞抗原とT細胞受容体両者を保有し、肝臓に多数存在 する自然免疫細胞である。α-galactosylceramide (α-GalCer) は、NKT細胞を特異的に活性化させ、引き 続きNK細胞やCD8陽性 (CD8+) T細胞による強力な抗腫瘍効果を誘導する。その反面、特に加齢マウ スにおいては、活性化されたNKT細胞が強い肝障害、肺障害や急性腎障害を含む多臓器不全を惹起す る。腎障害の病態においては急性尿細管壊死を呈することが既に報告されているが、病態の全体像の 詳細は明らかにされていない。 [研究1] では、この急性腎障害の病態機序の解明を試みた。さらに、

ヒトにおいても、マウスNKT細胞に相当するCD56+ T細胞が、腎固有細胞に対する細胞傷害活性を発 揮するか否か検討した。 [研究2] として、自己免疫疾患による腎炎におけるNKT細胞の役割を明ら かにするため、全身性エリテマトーデス (SLE) モデルマウスにα-GalCerを複数回投与し、ループス腎 炎の病態におけるNKT細胞の機能と役割について検討した。

方法

〔研究1〕C57BL/6 (B6) マウスにα-GalCer投与を投与し、尿所見、腎機能、腎組織所見および 腎リンパ球を観察した。腎から採取された血管内皮細胞株や尿細管上皮細胞株に対するNKT細胞の細 胞傷害活性をin vitroで評価した。ヒト末梢血中の単核球からセルソーターを用いてCD56+ T細胞を分

離し、IL-2IL-12およびIL-15を加えて細胞を刺激した後に、培養糸球体内皮細胞や尿細管上皮細胞

に対する細胞傷害活性を解析した。

〔研究2SLEモデルであるNZBW/F1 (BWF1) マウスにα-GalCerの反復投与を行い、腎障害を

vehicle群と比較した。また、単核球のサイトカイン産生やB細胞からの免疫グロブリン産生を検討し

た。

結果

〔研究1〕B6マウスにα-GalCerを投与すると、血尿を伴う急性腎障害を発症し、これらは

25 週齢の中間齢 (中齢) マウスで増悪した。活性化 NKT細胞は、in vitroにおいて腎の血管内皮 細胞や尿細管上皮細胞に対して細胞傷害活性を発揮した。炎症性サイトカインであるTNF-αおよ

IFN-γに対する抗体を前投与することで血尿は消失し、血管内皮細胞傷害は有意に軽減したが、

コンカナマイシン Aによる perforin抑制によっても血管内皮細胞傷害は有意に軽減した。抗TNF-α 抗体または抗 fas-ligand (FasL) 抗体の投与は、腎機能の悪化を有意に抑制するとともに尿細管上 皮細胞傷害を有意に軽減した。6-10週齢の若齢マウスにおいても、NK細胞除去および IL-12 前投与により、α-GalCerは重症な腎障害を惹起した。NK 細胞除去により活性化マーカーであ CD69発現がNKT細胞において有意に亢進し、さらに IL-12を投与することで腎NKT 細胞比

(2)

(内田 貴大)

2

率が有意に上昇した。活性化させたヒトCD56+ T細胞もヒト糸球体内皮細胞や尿細管上皮細胞に対 する直接の細胞傷害活性を示し、マウスと同様にperforin阻害により糸球体内皮細胞傷害は有意に軽 減した。

〔研究2〕BWF1マウスのα-GalCer反復投与群ではvehicle群に比して蛋白尿が有意に抑制され、

血清アルブミン、BUN値、および糸球体の免疫複合体沈着を含む腎組織所見が改善し、生存率も改善 傾向を示した。α-GalCer反復投与群では各臓器におけるNKT細胞比率が減少し、α-GalCerに対しての 免疫不応答 (アナジー) が誘導された。肝単核球のIL-4産生と脾単核球のIgM産生は、α-GalCer反復 投与群で有意に低下した。

考察

活性化NKT細胞は、血管内皮細胞についてはperforin系を、尿細管上皮細胞についてはFasL を介して傷害し、血尿を伴う急性腎障害を発症させると考えられた。ヒトCD56+ T細胞にも同様 に、腎固有細胞を傷害する機能が存在することが示唆された。その一方で α-GalCerを反復して投与 するとNKT 細胞数は減少し、IL-4を介するTh2応答が抑制され、B細胞の機能低下を誘導した。

その結果、BWF1マウスの糸球体免疫複合体沈着が軽減して蛋白尿の発症が遅延し、腎炎の重症 化が抑制されたと考えられた。

結論

NKT細胞は腎固有細胞を傷害する機能をもち、急性腎障害の主要なエフェクターとなる可能性が 示された。また、B細胞と協調することでループス腎炎の病態にも大きな役割を果たすことが示唆さ れた。様々な病態においてNKT細胞は多彩かつ重要な役割を果たしていると考えられる。

参照

関連したドキュメント

 従来,輸血を必要としない軽症例では経過観 察されることが多かった.一方,重症例に対し ては,抗胸腺細胞グロブリン(anti-thymocyte

To identify the mechanisms for B cell depletion in vivo, a new mouse model for anti CD20 immunotherapy was developed using a panel of twelve mouse anti-mouse CD20

このうち糸球体上皮細胞は高度に分化した終末 分化細胞であり,糸球体基底膜を外側から覆い かぶさるように存在する.

Electron micrograph of the middle cerebral artery, show ing dissolution of perinuclear myofilaments M in the degenerating smooth-muscle cell... Electron micrograph of the

第四章では、APNP による OATP2B1 発現抑制における、高分子の関与を示す事を目 的とした。APNP による OATP2B1 発現抑制は OATP2B1 遺伝子の 3’UTR

 この論文の構成は次のようになっている。第2章では銅酸化物超伝導体に対する今までの研

therapy後のような抵抗力が減弱したいわゆる lmuno‑compromisedhostに対しても胸部外科手術を

The period from January to December 2015 before the guidelines were revised (“before Revision”) and the period from January to December 2017 after the guidelines were revised