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ICT 教育について思うこと

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Academic year: 2021

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宮城教育大学機関リポジトリ

ICT教育について思うこと

著者 見上 一幸

雑誌名 宮城教育大学情報処理センター研究紀要:COMMUE

号 24

ページ 1

発行年 2017‑03‑31

URL http://id.nii.ac.jp/1138/00000731/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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ICT 教育について思うこと

国立大学法人宮城教育大学長 見上 一幸

 ICTの進展が今、予測を越える速さで社会を変えつつあるように感じられる。社会では子どもたちは言うに及 ばず、80歳台の人までがウェブ検索に頼っている。そして、今すでに将棋や碁で人知を越えるAIの進化やビッグ データの活用などがはじまり、IoT社会の到来は我々の生活環境を急速に変え、子どもたちが大人になる頃には 職業も大きく変化するともいわれる。このような時代的背景は次期学習指導要領にも反映されているようである。

 本学でもICT教育の重要性を考えて、数年前に附属学校園のICT教育環境を整備し、ICTを活用した教育 研究を進めた。その成果の一つとして附属中学校は、平成26年度から「技術・情報協働創成科」の創設に係る 研究開発学校の指定を国から受け、新しい教育課程の編成を研究開発し、ICT機器の効果的な活用について 検証を行っている。そして大学では今年の新入生からPC必携化を実施することにしている。次期学習指導要領 の論議の中でも教科の枠を越えて重視すべき学習活動として、言語活動やICTを活用した学習活動がいわれてい る。そのためには、指導する教師自身の能力の向上が求められ、教員養成の段階でのICT教育の質の向上がこ れまで以上に求められる。

 進みつつあるICT社会には負の課題もある。現代人は毎日かなりの時間をメールチェックやウェブ検索、情報 発信に使っている。日々の生活の中でITへの依存度が高く、利便性を享受する一方で依存症になる人、過度の ストレスを感じる人も増えているようであり、デジタルダイエットという言葉さえ生まれている。子どもたちの間の ネットいじめも課題の一つである。また、子どもたちが教科書の文章を読み解けないとう指摘もあり、その一端を ネットの責任にする向きもある。昨年の年末には医療系のまとめサイトで、不正確な記事や著作権を無視した転用 など、高度情報化時代の問題が話題になったばかりである。そこで大切なのは、著作権や肖像権などにも留意し ながら情報の獲得や発信をうまく使いこなすことである。

 特にネット検索では、常に偽り情報があるかもしれないことへの注意深さが必要で、“本当かな”という批判的 な見方(クリティカル・シンキング、critical thinking)が重要である。このクリティカル・シンキングは、批判 的思考法とも言われる。ここでいう“クリティカル”とは、日本語の批判的とも微妙に異なるようであるが、人の 意見や考えを常に批判的にみるという習慣は日本人にはなかなか馴染まないようである。いずれにしても得られ た情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討して理解すべきである。新学習指導要領では、

アクティブラーニングが重視されているが、ここでも問題の議論を深めるために、得られた情報に“本当かな”と 思うクリティカル・シンキングが重要であろう。

 以上、情報の専門家ではないので、ICT教育について間違った理解、認識があるかも知れないが、学校教育 においては教科の壁を越えた共通の能力として、ICT活用がますます重要になってきている。教員養成の段階 で、正しい倫理観の下でデジタル情報を扱う能力、間違った情報に振り回されない知恵が大切である。本学として も情報の専門家教員のご意見をうかがいながら、教員養成大学としてよりしっかりしたICT教育体制ができたらと 思う。

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