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いわゆる〃袈裟堂層〃から産出したアンモナイト

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熊 本 地 学 会 誌

JournaloftheKumamoloGeoscienceAssociation,No.159,1‑2(2012)

「速報」

いわゆる〃袈裟堂層〃から産出したアンモナイト

村 上 浩 二 鵠

八代地方球磨川東方下深水北(日奈久帯)には 田代・池田(1987)により提唱された,いわゆ る 袈裟堂層 が分布している.この 袈裟堂層 は川代・池Il1(1987)によれば,松本・勘米良 (196/1)によって八代屑とされたもののうち,下 深水北方に分布し,南方系の二枚貝化石やサンニ 化石などを特徴的に含む部分を分離し,新称を与 えたものである.今回,いわゆる 袈裟堂層 か ら比較的保存状態のよいアンモナイトを採集した ので報告する.

アンモナイト化石の産出地点は,袈裟堂から │く 深水に通じる林道わきの連続して地層の重なりが 観察できるところである(図1).化石を含む岩 石は,比較的団塊状になる緑がかった層厚10n

前後の砂質頁岩である.この上位には白っぽい塊

状の砂岩,さらには砂岩と砂質頁岩の互屑が重な る.この互層部分には,大型の三角貝とウミユ夢 化石の密集層を挟在する.地層は緩く西側に傾、‐

ていて,露頭東側の谷を隔てて急傾斜した下位α 地層とは断層で接する.このアンモナイトを含む 地層は日奈久帯に分布する日奈久層の向斜構造簿:

'Pill部に近いことから緩傾斜を示すと考えられる.

アンモナイト化石を含む地層からは,ウニや合 弁の小型の二枚貝化石がまれに産出する.今回産 出したアンモナイトを図2に示す.

アンモナイト化石の保存状態はよく,径が4三 mmあり,この時代のものにしては比較的大き、・

部類に入る.圧密による変形もすぐなく,断面壷 形状も認識できる.このアンモナイト化石は螺環 全体の形状や装飾の特徴から蹄e"伽ルaplocerasで

図1"袈裟堂隅 のアンモナイト化石確地(●旧ID.国土地理院発行1:25000地形図「坂本」の一部を使用

2011年¥2月27日受付,2012年lノーI10H受理 簿熊本市立錦ケ丘'↑I学校

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図2 袈裟堂屑 の蹄e" んルaplocerassp.1a.外形雄型側面観:lb.シリコンゴム外形雄型側而観.スケールバーは1cm.

ある.この属はバレミアンからアプチアンの化石

として知られている(Wrighteta1.,1996).

尉鋤 〃叩/o ノ' は日奈久層の中では,球 磨川沿いの採石場やII奈久東方の大坪川でも

、噸℃"oyia,Desルの'錨" などとともに産出してし る.この化石群は日奈久層の下部を特徴付けるも

のである.

この地域のいわゆる 袈裟堂層 と呼ばれる地 層は,二枚貝とウミユリの化石を掃き寄せ状に含 む砂岩と頁岩の互層から成る,この地層は村上 (2011)が報告した,日奈日奈久層下部のアプチ アンを特徴づけるアンモナイトを含む層準の上位 に整合で重なっている.従って,この層準は日奈 久層の中部層に相当すると考えられる.

このアンモナイト包含層の̲上位の大型の三角貝 (おそらくPicノ℃"・堰o"ノα)を含むウミユリ化石の 密集層がこの林道にも露出しているが,この化石 産地は,田代・池田(1987)の下深水北方のし わゆる 袈裟堂層 の化石産地Loc.10に相当す

ると考えられる.

日奈久帯の下部白亜系は日奈久から今泉,下欝 水,九折,小原と東ほど古い時代の堆積物が分灸 する椛造を示しており,袈裟堂から下深水にか毎 ては'三│奈久層の中部層が向斜構造を呈していると 解釈できる.以上のことから,田代・池田(1987;

が提唱したいわゆる 袈裟堂層 は日奈久層の−

部と解釈することが妥当である.

文 献

松本達郎・勘米良亀齢,1964:日奈久.5万分の1地 質図1幅説明書,147pp.+27pp.地質調査所.

村上浩二,2011:八代(日奈久帯)川口・下深水北の 下部白亜系屑序.熊本地学会誌,pp・ 2‑13.

田代正之・池田昌久,1987:熊本県八代山地の下部白

亜系、高知大学研報,no.36,pp.71‑91

Wright,C.W.,Calloman,J・I1.,andHowarth,

M、K.,1996:TreatiseonInvertebrate Paleontology,PartLrevised,Mollusca4, CretaceousAmmonoidoa:Boulder,Colorado, andLawrence,Kansas,TheGeologicalSociet, ofAmericaInc.andTheUniversityofKansas Press,362pp.

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