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種々のダイヤグラムによる火山岩類の 化学的性質の比較検討(1)一一

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(1)

39

種々のダイヤグラムによる火山岩類の

化学的性質の比較検討(1)一一

とくに熊本南部・鬼岳火山岩類と矢筈岳火山岩類の比較

山   本     敬

Comparisons of Chemical Properties of Volcanic Rocks by       rncans of Various Diagrams l.一一一

with sepecial refξrence to the differenccs between the  rocks f士om Ondakc and Yahazu−dake Volcanoes,

       South part of Kumamoto. Japan.

T.YAMAMOTO

Abstract:

 In this paper, are dealt with the difrerences of the chemical properties, by means of various diagrams, bet.

ween the rocks from Ondake volcano and those of Yahazu−dake one in the Hisatsu volcanic areas belong輌ng to the Paleo−Ryukyu Volcanic Zone. Among the various diagrams of these cases, the follow輌ng ones of the K20/Na20−SiO2, norm. An−Ab−Or, and M−F, show the distinct di胱rences betwen them. And also the diagrams of MgO−(FeO十Fe203)一(Na20十K20), norm. q−Fo−Fa, norm. wo−Fo−Q, and M−F,

show the chemical peculiarity of the province including them・ These facts are considered to be attributed to the degree of contamination of magma wth sediments.

         目    次

1. はしがき

H.鬼岳火山岩類

皿.矢筈岳火山岩類

IV.鬼岳火山岩類と矢筈岳火山岩類の化学成分と各種関係図 V. 同・ノルム鉱物成分と各種関係図

VI.岩漿分化を示すその他のダイヤ・グラム V皿.結  び

 1. はしがき     ヒ       山岩類は鬼岳火山岩類に比しやや塩基性を帯びる  古期琉球火山帯*に属する重要な地域の一を占  ものが多い・

め,熊本・鹿児島両県境附近にまたがる筆者のい   しかし・著しい相違は次の点である・すなわち わゆる「肥薩火山区」(仮称)の西端部附近に位置  後者に属する熔岩の一部は屡々多量の堆積岩源の する,鬼岳火山および矢筈岳火山を構成する岩石  捕獲岩および捕獲結晶にとむが前者・すなわち矢 は,何れも殆んどその大部分が輝石安山岩類およ  筈岳火山岩類ではこれらは甚だ稀である・

びその集塊岩等よりなる。      両火山岩類を通じて岩石類は・そのごく…部を  肉眼および顕微鏡下の性質では,上記両火山岩  除いてはpropylite化・その他の変質作用を蒙ら 類は互に可成り類似するが,全体として矢筈岳火  ないできわめて新鮮である。

*T.Matsumoto(1947)による

(2)

40         、,     。一一山   本     敬一       ・

 本論文では,火山岩類の化学的性質をあらわす  を捕獲含有している。捕獲岩は岩漿による変質作 種々のダイヤグラムを用いて,互に相似た性質を  用を著しく受けているために源岩の判定が困難な

もつ鬼岳および矢筈岳両火山岩類の化学的性質を  場合が多いが,本来の岩質は,まれには頁岩質の 詳細に比較検討した。本稿を草するに当り種々御  ものも含むとは云え大部分はアルコーズ砂岩ない 教示頂いた東北大学・河野義礼教授および九州工  し砂岩起源と認められるものが主である。又捕獲 大・自在丸新十郎教授ならびに九州大学・冨田達  結晶としては石英および長石が屡々認められる。

教授に対し厚く御礼申上げる。       なお本問題に関連して岩漿の混成作用については

 江 鬼岳火山岩類       筆者がすでに報告したところである(山本1958)・

      III.矢筈岳火山岩類

 鬼岳火山は鬼岳(734.9m)を主峯としその基盤

      矢筈岳火山は鬼岳の南西約5kmに位置する矢筈 に横たわるアルコーズ砂岩,砂岩,頁岩および粘

鶏蓑鴎灘鑓鑑‡藁:三㌫㌶灘::灘灘高箸

       中新世末ないし鮮新世初期**にはじまり鮮新世末

糊ま了引続いて数回以上におよ緬動によって期まで及んだものと思われる話動は少くとも前

㌶㌶麺蹴および砕屑火山岩類よ後四期に分けられ・多量の輝石安山岩質熔岩およ

岩石は比較的に基性をおび鵠麟石.普通輝 び火山砕屑岩類を噴出した・

麟㌫罐罐罐㌶苧魏通嫌竃ぽ瓢鷺鷲ξ纏

       輝石としては普通輝石および紫蘇輝石をともに含 蘇輝石破璃質安山岩ないし球頼岩等の範囲にわた

すなわち,顕微鏡下には,斑晶として斜長石の 附近に酬する・安山岩質鑓岩等の齢岩類お ほかに,紫蘇輝石および普通輝石を殆んど例外な よび繍輝石 普通輝石゜石鞍tLI岩質岩糖ま

く・しかも略々職有し・又かんらん石力・斑晶れl石には殆んどすべて紫蘇輝硫び普通

まし1:叢簾織灘‡欺諜巖㌫撫欝ξ

熱て現出するものであって・いわゆる残・晶系***礪するものである.なお本火且1岩類に醜

(rellct mine「al)と思われる・    岳火山岩類の如く,他源のx。n。li,hおよび。,n㏄

の雛藍蕊㌶纏顯㌶慧呼はまれにしか認められ軌

従って本火山岩類は久野分類の紫蘇輝石質岩系に   IV 鬼岳火山岩類と矢筈岳火山岩類の

属する。      化学成分と各種関係図

 本火山岩類に属する熔岩中(とくに鬼岳熔岩)   鬼岳火山岩類および矢筈岳火山岩類の総化学成 には同火山の基盤岩である古生層から導かれたも  分およびノルム鉱物成分をそれぞれ第1表および

のと考えられる多景のxenolithおよびxenocryst 第2表に示した。

 *まれには普通輝石を全く含まないで・紫蘇輝石だけからなるものがあり,叉紫蘇輝石・普通輝石のほかにきわあて  まれにピジオン輝石を含むものも認められる。

**矢筈岳火山の噴出開始および主活動期はやや鬼岳火山におくれるものと考えられるが,全体としての時期は共に略  同年代に属するものと思われる。

***矢筈岳複合岩類では石基輝岩にピジオン輝石を含有するものがある。なおこの岩石類については別稿で詳細に報告

 する。

(3)

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一       41

Table l Chemical compositions and norlns of r㏄ks from the Ondake        VOIcano, South Kumamotα

      (Analyst, T. Sakaki)

No.

Sio2

Al 203

Fe203 FeO

MgO

CaO

Na 20

K20

H20十 H20−

Tio 2

P205

MnO

Total

3*

  wt.

58.22

  %

18.39

2.54 3.56 2.66       7.34 1

3.30 1.94 0.58 0.36

4

59.05 15.78 2.93 4.31 4.51 7.49 2.70 2.02 0.29 0.17 α83   1  0.84r

     0.12  !  0.18

     0.08  i  O.13

   1』

l  l

99.92    100.33 5

58.09 16.19 2.29 4.81 4.38 7.65 2.43 2.14 0.87 0.28 0.84 0.15 0.14 100.22

6

59.99 16.06 2.49 4.01 4.11 6.41 2.81 1.90 0.44 0.51 0.80 0.08 0.08 99.72

7}8

60.32     60.24 16.43    16.49 2.21     3°60    1 3.91 3.45 6.18 2.92 2.32 0.83 0.28 0.76 0.08 0.07 99.76

2.93 3.82 5.85 2.97 2,22 0.62 0.23 0.78 0.20 0.12 100.07

9

61.50 18.06 3.25 2.24 1.65 5.74 3.94 0.83 0.74 0.73 0.64 0.26 0.09 99.67

10

65.35 16.04 2.59 2.01 1.06 3.30 3.71 3.00 0.67 0.75 0.83 0.ll O.04

1鰍妬

Norms      q

     C      Or      Ab

、      An

     Wo

     En

     Fs

     Mt

     Il

     Ap

12.30

11.12 27.77 29.75 2.44 6.70 3.30 3.71 1.52 0.34

13.62

11.68 23.06 25.02 4.76 11.30 4.36 4・18 1.67 0.34

12.66

12.79 20.44 26.97 4.29 11.00 5.81 3.25 1.67 0.34

16.83

11.12 23.58 25.58 2.20 10.30 4.09 3.71 1.52 0.34

15.60

13.90 24.63 24.74 2.09 8.60 4.09 3.25 1.52 0.34

16.50 0.31 13.34 25.15 25.02 1.28 2.60 1.32 5.34 1.52 0.34

20.88 0.71 4.88 33.54 26.97

4.10 0.53 4.64 1.22 0.67

23.70 0.92 17.79 31.44 15.57

2.70 0.40 3.71 1.52 0.34

No.3, Hypersthene−augite andesite,大滝熔岩,水俣市場出,大滝

  4,01ivine bg. hypersthene augite andesite,五女木前期熔岩,大口市山野,五女木   5,Hypersthene−augite glassy andesite,五女木後期熔岩,大口市山野・五女木   6,01ivine bg.augite−hypersthene andesite,桜野上場熔岩,水俣市桜野上場   7,Hypersthene−augite andesite,鬼齢峠熔岩,水俣市,鬼齢峠

  8,Augite−Hypersthene dacito−andesite,湯出熔岩,水俣市湯出の南東約1・5k類1・

  9,Aphyric andesite,鬼岳熔岩,水俣市,鬼岳頂上・      、  10,Augite−hypersthene glassy andesite,構熔岩,水俣市石坂川・構の南約1km・

*図表中の岩石番号は以下全部にわたって,別稿で発表予定申である,矢筈岳・鬼岳・その他近隣諸火山岩類を含む 筆者の「肥薩火山区」に用いるものと同一番号を附し,将来比較のさいの便宜をはかった。しかし本論文では矢筈 岳・鬼岳両火山類以外についてはふれない。

o

(4)

42         1  ・  一山   本     敬←一一

Table 2 Chelnical compositions and horms of rocks ffom the Ondake   ・∵      Volcano, South Kumamoto.

      (Analyst, T. Sakaki)

No.

Sio2

AI 200

Fe203

FeO

MgO,

CaO

Na 20

K20

H20十 H20−

Tio2 P205

MnO

Total 13 58.03,

17.18 2.63 4.31 4.67 7.04 2.99 0.78 0.79 0.41 0.79 0.10 0.11

lg乱83

14115.ll6

56.91 18.01 3.18 4.43 3.62 8、04 3.35 0.82 0.56 0.23 0.95 0.17 0.13

60.19 17.51 2.59 3.77 3.32 6.46 3.10 0.70 1.02 0.41 0.75 0.15 0.11

10α40110α08

55.88 16.88 2.67 4.85 5.82 7.62 2.89 0.86 0.77 0.55 0.83 0.05 0.09

17118

57.55 16.65 3.09 4.60 4.79 7.94 3.09 0.77 0.48 0.20 0.84 0.16 0.14

55.18 17.56、

2.77 5.68 4.76 8.23 3.08 0.83 0.42 0.23 1.12 0.19 0.17

11gl2・121

|晃・13  17.45  3.49  5.52  5.37  8.73  3.09  0.66  0.26  0.14  1.08  0.25  0.17

997611㎝如ll皿22い皿路

53.14 12.31 3.61 5.56 5.91 9.29 2.98 0.64 0.14 0.13 1.12 0.05 0.11

60.36 17.59 3.11 3.30 2.99 6.48 3.36 1.04 0.61 0.31 0.76 0.21 0.15

t22123

58.66 18.16 1.59 4.47 3.07 7.35 3.20

L16

0.89 0.23 0.84 0.25 0.12

[63.26  16.97  2.14  3.16  2.57  5.89  3.56  1.09  0.24  0.15  0.80  0.24  0.11

999911㎝271999911伽8

・       Norms

q C

Or Ab An

Wo

En

Fs

Mt

Il

Ap

14.52

4,42 25.15 31,41 1.16 11.70 4.75 3.71 1.52 0.34

11.58

5.09 24.30 31.69 3.13 9.10 4.22 4.64 1.82 0.34

1

19.50 0.31 3.89 26.20 31.14

8.30 3.83 3.71 1.37 0.34

9.96

5.OO 24.63 30.30 2.78 14.60 5.41 3.94 1.52 0.34

12.66

4.45 26.20 29.19 3.94 12.00 4.75 4、41 1.67 0.34

8.40

5.00 26.20 31.41 3.60 11.90 6.60 3.94 2.13 0.34

7.14

3.89 26.20 31.69 4.18 13.40 5.68 5.10 2.13 0.67

5.28

3.89 25.15 31.97 5.57 14.80 5.81 5.34 2.13 0.34

18.12

6.12 28.30 29.75 0.70 7.50 2.51 4.41 1.52 0.34

14.10

6.67 27.25 31.69 1.28 7.70 5.68 2.32 1.67 0.67

2α8『

6.67 29.87 26.97 0.23 6.40 4.22 3.02 0.15 0.67

13,Hypersthene−augite andesite,野川熔岩,水俣市野川

14・Pigeonite bg・augite−hypersthene andesite,境川凝灰角礫岩中の礫,水俣市,袋駅南東約Ikm.

15,Hypersthene−augite andesite,櫓木熔岩,出水市米ノ津,櫓木の東約3km.

16,Hypersthene・augite andesite,出水熔岩,出水市芭蕉東方約1.5km,

17,Augite・hypersthene andesite,矢筈岳凝灰角礫岩,出水市芭蕉北々西約1.5km.

18,Hypersthene・augite dolerite,粗粒玄武岩,矢筈岳頂上 19,Aphyric andesitic basalt,無斑晶質岩,矢筈岳頂上

20,Hypersthene−augite・olivine andesitic basalt,斑状岩,矢筈岳頂上矢筈岳複合岩の一部 21,Augite・hypersthene andesite,愛宕山熔岩,出水市愛宕山

22,Angite bg・hypersthene andesite,芭蕉安山岩質岩脈,出水市芭蕉北方約1km,

23,Homblende bg. augite・hypersthene−quartz dacito−andesite,矢筈岳岩脈,矢筈岳北西約500m.

(5)

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一      43

 第1表および第2表に示されている両火山岩類  鬼岳火山岩類はSio2,58〜65%の範囲を占め前

の化学的性質を,岩崎岩次(1948)の日本カルク・ 者は後者に比較してやや塩基性の岩石を含む.

アルカリ火山岩平均値およびDaly(1914)の世界   Al203 カルク・アルカリ火山岩平均値その他と互に比較

し,詳細に比較検討してゆきたい。         矢筈岳火山岩類のAl203の値は比較的基性岩で       は日本火山岩平均値*よりも低く,中性岩ではや

IV I・成分変化図(Va・iati・n diag…) や高い.全体としては大体においてD。1yの世界  第1図ないし第3図には最も普通に用いられる  火山岩平均値*に近い。これに対し鬼岳火山岩類

成分変化図を示した。以下図によって各主要成分  では,その一部には日本および世界火山岩各平均

について述べよう。      値よりも高いものがあるが大部分の岩石はそれら

SiO,        の何れよりも低い・勿論矢筈岳紬岩類砒して

      可成り低い。

 矢筈岳火山岩類はSio2,53〜64%台であり,

       MgO

矢筈岳火山岩類は日本火山岩平均

5・   55   6。   6   ワ・   ・5    値および世界火山岩平均値の何れよ

ε9

88

」?

1

15

4

3

5

6 5 4 3 2

0

       りもMgO値は大である。一方,鬼

         ピ      岳火山岩類はそのうちの一部,とく

       ゆ

        2328     ,_一日紅峠テめ↓壷(岩蜘 に酸性岩ではヒ記の何れよりも小で

:膏皇熟三二蹄 …㍗㌶:≡露:鍵麟

べご\  りも更に大である・

}         \、\      Fe、0、

       、、 \

      \、、       矢筈岳火山岩類では,基性岩から

      嘩、  酸性岩に向ってゆるやかな曲線を描

       いてFe203はその値を減ずる。日本        火山岩平均値よりも小であるが(時

。   55   60   65   殉   7∫   にはi著しく小さいものがある)全体

      的には略々それに近似する。鬼岳火

    霧                山岩類の一部には日本火山岩平均値

B耐。。 HgO     はもとより,これよりも大きい世界

  心\?篭       火山岩平均値より硬に大きいもの

    \畢ミ●搾「3°       があるが,しかし大部分の岩石は日

      ・ご⇔黛呈      本火山岩平均値よりも小である.

        228△   \ ・、、

        。99㌔\ミミミ…一.    Fe・

        ハ      ゆ      リベひ

      \: ㌔  6    FeOの値は矢筈岳火山岩類では基 第 蓋 図      性岩から酸性岩に向って急速にその       値を減ずるが,世界火山岩平均値よ

*日本火山岩とはP本カルク・アルカリ火山岩の略,

世界火山岩とは世界カルク・アルカリ火山岩の略として用いる。以下同じ。

(6)

44       一山   本     敬一

りも大で,日本火山岩平均値よりも小である。鬼  火山岩平均値に近い。鬼岳火山岩類ではその一部 岳火山岩類では,その一部には,著しく小で世界  はこれらに比し著しく小であるが残りの大部分は 火山岩平均値よりも低い値を示すものと逆に矢筈  矢筈岳火山岩類に近く,つまり世界火山岩平均値 岳火山岩類のそれよりもやや高いものとが存在す  に略々一致する。

る。      Tio2

 Total FeO+Fe203*       Tio2の値は矢筈岳火山岩類全体を通じて,日

 矢筈岳火山岩類はその基性岩では日本および世  本火山岩平均値および世界火山岩平均値の何れよ 界火山岩各平均値の間にあるが大体において世界  りも大であるが鬼岳火山岩類とは略々一一致する。

駒    55    60    65    ,0    75   但し鬼岳火山岩類の酸性岩では前述

9

8 7

5 4

2

0 4

3 2

1

      コ

   \、      した何れよりも大である。

     へ

\、

@浩・       CaO

  \\5,錬・Ca。     C・°の値は矢筈岳火山岩類は・

〜、、  \、8       その基性岩では世界火山岩平均値よ

\⑭\\繋}\費    り大で日本火山岩平均値よりもやや

\\㌔義,ll\べ \\   ぽ㌫こ鵬:鷲昊蕊

   F,0\ 溺Φ \・\、\、  類ではSi・,,58−6・%の帷岩で{ま        ・Φ耀・ば 磯心、\、 日本火山岩平均値に噸し,それよ          ぼ\\、心\\、りも酸性に向うに従つて急激に減少、

            \、、    する。      ,

       、一、_一  ぐ\

       込   Na・0

二主\叫     日麗㌶蕊當8ご鍵

    ぽ灘濠≧ 濃山岩 り 

 、、     .易      \≒、、、      曲線は基性から酸性岩に向いゆる

\ 、       、ミ    やかな勾配を示して上昇する。鬼岳

7   泌 18      火山岩類では,その一・部の岩石は日

・   滅・、T・t・llF・0・1砿)   本火山岩平均値より大きいものがあ

      ,〜δ、\、       るが,大部分はそれよりも著しく小

        穐墓 , ご\、      であって勿論矢筈岳火山岩類よりも

4   壌患\、、   鄭小である・

3       \旦 \、    K、0

      へ

2       \、  \       K20の値には,矢筈岳火山岩類

      ヘ      ヘ       ベヘロト   へ

      ∨こ・・   と鬼岳火山岩類との間において著し

ハ      へ

      26  い差異が認められる。すなわち矢筈 050   55   60   65   70   75   岳火山岩類ではK20はぴ78〜1・16        S己0・    %の範囲をしめ,基性岩では日本火       第 2 図

*Fe203はFeO2に換算したもの,以下同じ。

(7)

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一       45

山岩平均値よりも小であり,中性 岩では大体それに近いか又は僅か

にそれよりも小である。これに対し       !   %

鬼岳火山岩類はK20は大体1.94〜 ワ      ///  ,、/

      ロノ      ノ

3.00%で矢筈岳火山岩類に比し著し 6       ._ 乙/    ,//

      ノ ダ      プ  ノ

㌶:ご瓢麟藷難:一一… 難許一㎞臨・

学成分にかんして最鰭しい相違で ,,。 ・。博⌒

あり注目すべき重要な事実である。 3 

 Total(Na20十K20)      4

 矢筈岳火山岩類ではこの値は,基 3 性岩では日本火山岩平均値に近いが        2 中性岩では一部を除いてそれよりも 著しく小である。これに対し鬼岳火 ∫

山岩類では矢筈岳火山岩類に比較し てこれよりも大であり,日本火山岩 5 平均値と略々一致するか,もしくは 4 これよりもやや大であるが世界火山 3 岩平均値よりも小さい。しかしその

酸性岩ではこれよりもなお大であ

る。      

_,一,,,涛㎡箒苛亮;;≡:こ・こ\

,一一・。禦一2 ち〜タ32       −

       9会・  N・・o   .

    IV・2・主化学成分比一珪酸1  °50    ∬    6。    邸    ,。    ㌻一

4     関係図      SiO,

 さきに述べたように岩石の主化学 成分を成分変化図だけで見る場合に 埠 はその特性が看過されることがあり  2

うる。又たとえ認められても,それ ,ρ

よりも他の主成分との関係比の方が 更に明瞭に特徴を示すことがある。 08 そこで次のような主化学成分比一珪 06 酸ダイヤグラムによって,矢筈岳, 礁

鬼岳両火山岩類を比較した。

       02

 Al203/{】aO

       O

第4図よ朔らかなように矢酷5° 55  °  Siα7° 75

鬼岳両火山岩類ともに基性岩から酸

      第 3 図

性岩に向ってこの比は漸次増加す

る・そのうち矢筈岳火噸では日  舗量炎;欝2撒麟

本火山岩平均値よりやや小であるが        ●矢筈火山岩類  ⑧山野流紋岩

中性岩では殆んどそれに一致する。

一方鬼岳火山岩類ではその一部は日

(8)

46      −一山  本    敬一 本火山岩平均値より小であるが大部

分はそれよりも大で世界火山岩平均

      0    55    60 値に一一致し,一部はさらにそれより

       ノ もなお大である。         ・7       /  ,

 Tota1(FeO十Fe203*)/M90   ・6→      /  /  これは鬼岳火山岩類に属する比較 ・5−     ⊇》        / /

的酸性の岩石を除いては矢筈岳・鬼4  Ca° △/ヅ ..

岳両火山岩類を通じて日本および世 .3      , 丘qg弓。.//

界火山岩各平均値よりも小である・2,,,一祥麟?鮮

しかし両岩類の間には顕著な差異は .1.     2°

認められない・         0  CaO/(Na20十K20)

 矢筈岳・鬼岳両火山岩類ともに,

基性ないし中性岩では日本火山岩平 均値よりも小,世界火山岩平均値よ

.7

6 5一

類砒劇て全体としてこの値が小1  …照曝・

である。      O  A1203/(Na20+K20)    7

 矢筈岳・鬼岳両岩類ともに世界火 6

山岩平均値よりも大,日本火山岩平 5

均値よりも小である。矢筈岳火山岩 4       」』_

類では,基性岩から中性岩に向って 3  .._、.、   枇0令礼0

雛㌶驚㌫:竺㍉一一・三ぜ剛3・・』一一、

       ぬめハロ フ       ベゴ

少する・鬼岳火山岩類では矢筈岳火 0       勺 診 。・二ご・一一\、〜痴 山岩類よりも小で,世界火山岩平均

      7

値に略々近い。

      6      Al208  K20/Na20      ,一一._.− Na 30◆K20       5        ㍉\、

に:箕瓢瓢驚L−1:璽撫一、

の量に,著しい差異の認められるこ       ・、,・一・ :こ二\

とはすでに述べたが,第5図に示し 2      ゆ 、☆美.<.

たK20/Na20−SiO2ダイヤグラム  1       湖

によって上述の特徴はさらに明瞭で 0

ある.すなわち,矢筈岳火山岩類は 5° 55 6° 65 7° 75

      S}02 世界火山岩平均値および日本火山岩

      第 4 図      .

手均値よりもこの値は著しく小であ

*Fe203はFeOに換算したもの。

(9)

t2

1.0

.8

自 芸⑮ 主

 4

.2

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一      47        烏

       w−・−wDaly.世界カルク・アルカリ火山平均値

       j・一………j 岩崎・日本カルク・アルカリ火山平均値          ユハ

       む  ゆ    ム

       竃∵

     _,,_.把_,一_,一つプ/        るが,鬼岳火山岩類では1例を

W− … 一 @   //        除いてこれらよりも著しく大      ./偏      で,矢筈岳火山岩類との間には

   いば2ぷ,°23   劃然とした区別が認められ・こ

    茜  17      のことは当地域の岩漿の性質を

       考察する上に注意される可き重

45  50  55  60  65  70  75 要なことである。

  SiO2

第 5図       V.ノルム鉱物成分と各

   35      0         5         20         5         80         5

      種関係図

      V.1.ノルム鉱物成分

      −S.1.図

80

      ,,、   4       第1表および第2表には鬼岳

      、6、 のノルム長石成分,ノルム石英,

50

       ノルム輝石成分およびノルム鉄       .//  鉱物成分の値をとり,横軸には,

      ド グ     コぢ

30    Q        ,〔,…/ 二//! 久野のSolidi6cation index*

・・ 。ぷ・i_㌶/二 ・・一  ・  (醐をとった変化図を示した・

粥.署㍗,ダー 窮且    ノルム長石成分

0 2° /,; /      (Or十Abl十An)−S. L図

10   〔撫上さ・こ1£ 令,      れに対し鬼岳火山岩類では,

    揚●    \、 \、

ぷ懸ミ竃誌三  ㌦竺吉鵠罐蕊

      鳥  ・。、 一ユ_、   MgO+F・・0・→F・0+N・・O+K・O       ∨〜〜・<  を用い,これをS.Lと略称した。

       1         本岩類のごとくSio2の値にあまり 0  部   30  25   20   15   10   5   大きい開きがなく,早期から晩期に

     {鞠0・100)/(M30・r・、0、・F60・眠0・K・0)        向って略々一定の割合でSiO2が増

       第 6 図       加する場合には適当と思われる。

(10)

48    一山本 敬一

基性岩ではそれらよりも小さい。又世界火山岩平  に減少する。

均値よりも更に小である。しかし酸性岩では日本

      ノルム鉄鉱物成分(Mt+Hm+11)

および世界火山岩各平均値よりも可成り大であ

      ノルム鉄鉱物成分は矢筈岳火山岩類では世界お

る。

      よび日本火山岩各平均値よりも小であるが,しか

 ノルム石英      し上下にかなりのばらつきがあって散点的に分布

 ノルム石英は矢筈岳火山岩類では世界および日  する。鬼岳火山岩類もそれより可成り小でしかも

本火山岩各平均値よりも著しく大である。又鬼岳  散点的であり,この図では両火山岩類の間には明 火山岩類も基性岩では矢筈岳火山岩類と大体同じ  瞭な差異は殆んど認められない。

値を示し・世界および日本火山岩各平均値よりも v.乳ノルムQ一笹F三角図 大であるが,酸性岩では世界火山岩平均値に略々

近い値を示している。ノルム石英の値は両岩類を   第7図にはノルム石英・ノルム鉄苦土鉱物およ 通じて基性から中性岩の間ではとくにゆるやかな  びノルム長石の三成分関係図を示した。

勾配を示して増加する。       図から明らかなように矢筈岳火山岩類の過半数

および世界火山岩各平均値よりも,この値は小で

あるが酸性岩では略々日本火山岩平均値に等し  V・3・ノルムAn−Ab−Or三角図 い・しかし矢筈岳・鬼岳両火山岩類相互の間にお  第8図にはノルム長石成分中のノルム灰長石,

ける差異は認められない。全体としてノルム輝石  ノルム曹長石およびノルム正長石の三成分の関係

成分は基性岩から申性を経て酸性岩に向って徐々  を示すノルムAn−Ab−Or三角図を示した。岩

      漿中における長石成分の進化を       Q       考察する上に常に用いられる図       であるが,この図から我々は矢       筈岳・鬼岳両火山岩類が他の地       域の火山岩類に比して著しい相       違のあることに気付く(第9図       を比較参照せよ)。しかしそれは       又改めて詳しく論ずることにし       てここではふれないでおく。さ       て図から明らかなように,矢筈       岳火山岩類と鬼岳火山岩類との       間には顕著な差異が認められ       Φ        る。すなわち矢筈岳火山岩類で        ・        は,鬼岳火山岩類に比較してや

       ,。       やAn分子にとむがOr分子に

      霧   葦≧㌶霊:

       ス3      にとむ。 しかも各変化曲線が

       第7図Q−M−F図      いることは注目されなければな

      らない。

(11)

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一       4g

An

⑧ 山野流紋岩

○ 鬼岳火山岩類

① 中尾火山岩類

● 矢筈岳火山岩類 口 上場火山岩類

△ 大関火山岩類

嬉璽

Or       も      Ab        第8図An−Ab−Or図

An         2

       一一一一Hが伊豆・箱根(紫蘇輝石質岩系)

      (久野久十        一一一H4: 〃 (ピジォン輝石質岩系)

       一一一・S:スケルガード貫入岩体

      (Wager&Deer)

      J:日本火山岩平均値(岩崎岩次)

   \ …−W・世界火山岩鞠値(Dal・)

跡罐火山欧山岩類(山本)

       ㌧/  

      ./\  

       w!  ノ ㍉7

0r      5 .      Ab

第9図An−Ab−Or図,        .

(12)

50      ,    一山   本     敬一

舎」へ.      、亀

N帥m O

   第 10 図

 V・4・ノルム畏石中のA血分子比        と世界火山岩平均値の略々中間に位置するがその      一ノルム石英 図       うち,矢筈岳火山岩類は前者に近く,鬼岳火山岩  第10図には横軸にノルム石英を,縦軸にばノル  類はやや後者に近い。

ム長石中のノルムAn分子比をとった・この図に   V.5.ノルム輝石成分Wo_En_F8 三角図

よれば矢筈岳火山岩類はその大部分が鬼岳火山岩

類に比しノルム石英の値が小さくAn分子が大き   第ll図にノルム輝石成分wo−En−Fs三角図を

いものからAn分子は殆んど_定でノルム石英が  示した・鬼岳火山岩類は矢筈岳火山岩類に比較し

比較猷きいものまで分布し曲線は基性岩から中 てEn肝に乏しいものから逆にこれに著しくと

性岩を経て酸性岩まできわめて僅かの勾配をもっ  むもの・又Wo分子に乏しいものから可成りとむ て下降する。一方鬼岳火山岩類ではノルム石英の  ものまで散点的な分布を示すのに対して矢筈岳火 値は前者に比し狭い範囲におち,しかもこれに対  山岩類はそれらの略々中央部附近にある程度まと するノルムAn分子比は前者よりも小である。全  まって分布する・しかし本図では両岩類の間にお 体として矢筈岳.鬼岳両岩類は日本火山岩平均値  ける明瞭な差異は認められない・

Wo

第11図 Wo−一五n−Fs図

(13)

一一 增Xのダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一      51

Q

Fo       」                .Fa

第12図Q−Fo−Fa図

 V.6.ノルムQ−Fo−Fa 三角図       む全体としての変化曲線はWo分子に乏しく,Fσ  第12図には冨田達博士提案のノルムQ−Fo−  −Q辺よりの径路をとり・日本火山岩平均値や世

Fa三角図を示した。図によって明らかなように矢  界火山岩平均値と殆んど同じ線ヒに重なる・これ

繁㌘欝ぽ㍑=葦跳㌻㌶㌶藷=舞豆;

結んだ変化曲線は全体として冨田博士のいわゆる アイト型の分化曲線と比較して著い)相違であ

角閃石型分化曲線を示し,同じく角閃石型分化曲  る・しかし矢筈岳゜鬼岳両岩類の間だけにかんし       ては本図からは著しい差異は認め難い。

線を亭する日本火山岩平均値と世界火山岩平均値

の略中間に位置するが鬼岳火山岩類はなお〇−  VI.岩漿分化を示すその他のダイヤグラム

Fo辺よりに,矢筈岳火山岩類はそれよりやや遠『

ざかる方向に,つま帽田の輝石型進イヒ曲線に接 VLLMg°一(Fe°×Fe・°・)

近する傾向が認められるのは注恥れ鮒ればな  ∵二(Na・+K・0)三角図

らない。       第14図には久野久博士提案のMgO−(FeO+

      Fe203)一(Na20+K20)三角図をかかげ比較の V・7・ノルムWo−Fo−Q三角図      ため日本および世界火山岩各平均値のほかに,彼

 第13図も最近冨田博士が提案されたノルムWo  の伊豆,箱根地方火山岩類の分化曲線を示した。

−Fo−q三角図である。本図は各種母岩漿の分   矢筈岳・鬼岳両火山岩類はともに伊豆,箱根地

化径路,或は混成岩漿の進化径路を,合成実験結  方火山岩類はもとより,日本火山岩平均値よりも

果と照らし合せて比較研究する上に適当とされて  更に(FeO+Fe203)分に乏しく,MgO分にやや

いるすぐれた図である。       とむ。従ってそれらを結ぷ変化曲線は(Na20+

 この図によれば,矢筈岳・鬼岳両火山岩類を含  K20)−MgO辺よりにくる。又世界火山岩平均値

(14)

52       .≡山    本       敬一

  Wo          × 日本カルク・アルカリ火山岩平均値       (岩崎)

.       @ 世界カルケ・アルカリ火山岩平均値       (Daly)

         ▲ スケールガード貫入岩体

       (Wager&Deer)

Fo      ・     夕     ,q

      En      

      第13図 Wo−Fo−q図

       Feo+Fe203

   H:肥薩火山区

     (主として矢筈火山岩類を含む)

一一一一一 gp:伊豆・箱根・ピジオン輝石質岩系       (久野久)

一一一 gh: 〃   紫蘇輝石質岩系

………… i:日本火山岩平均値(岩崎)

一一一 v:世界火山岩平均値(Daly)

Na20十K20       MgO

第14図(FeO+Fe203)一(Na 20+K20)−MgO図

*Fe203はFeOに換算

(15)

一種々のダイヤグラムによる火IJI岩類の化学的性質の比較検討一      53

と比較しても,一部を除いては,これよりも更に  殆んど差異はない。すなわち矢筈岳・鬼岳両火山

下位,つまり(Na20十K20)−MgO辺よりであ  岩類の特徴およびそれら相互間の差異については

る。矢筈岳火山岩類と鬼岳火山岩類との間におい  前項で述べた場合と同様である・

ては前者が後者よりも多少(FeO+Fe203)分にと   同図によって矢筈岳・鬼岳両火山岩類と山崎の みMgO分に乏しいために,変化曲線はや\(FeO  女峯・赤薙および男体の諸火山岩類と比較すれば・

+Fe203)頂点に向って凸面をむけ,鬼岳火山岩  矢筈岳・鬼岳は・山崎の・紫蘇輝石質岩系とピジ 類はその凹面内に集まる。これは混成作用の著例  オン輝石質岩系との境界曲線であるa−a 曲線よ

とされる大室火山岩(久野,1954)の場合と一致す   りも下側,つまり紫蘇輝石質岩系め領域内に,矢

る重要な事実である。       筈岳,鬼岳の殆んど大部分の岩石がおちる。

      但し筆者の場合には,岩石顕微鏡下の研究結果  VL 2・Mg−(Fe +Fe ノ)一(Na+K)三角図  と併せて判断すると山崎のa−a 曲線のうち(Na  第15図にはMg−(Fe〃+Feノ〃)一(Na+K)三角  +K)頂点よりの部分ではa−a曲線はそれよりも

図を示し,この図の提案者の山崎正男の研究した,  やや(Fe +Fe )頂点よりに上ってくる可き筈 女峯,赤薙火山および男体火山(山崎,1954,1957)  で・矢筈岳・鬼岳の両火山岩類の殆んど大部分が

の例と比較した。本図は本質的には第14図にあ  図のa−a 曲線の下位・つまり紫蘇輝石質岩系の げたMgO−(FeO+Fe203)一(Na20十K20)図と  領域に入る可き筈である・

Fe 十Fe ノ

   ●  ㌔▲ 

焼曇濤否ご

女峯・赤薙火山

■ ピジォン輝石質岩系

× 紫蘇輝石質岩系 男体火山

▲ ピジオン輝石質岩系

+ 紫蘇輝石質岩系   (山崎正男による)

Na十K       Mg

         第玉5図 (Fe 十Fe )一(Na十K)−Mg図

(16)

54      一山  本    敬一

 VI・3・Wl9×100/(Al9十Fe)−Linkage    両岩類においてLinkage factorは大体において

   飴ctor図       基性岩から中性岩を経て酸性岩に向って減少する

   Ca×100/(Ca十Na十K)−Lhlkage    が,これに対してMg×100/(Mg十Fe)の値は僅

   factor図      かに減少する程度で殆んど変化しない。しかしそ

 第16図はPoldervaart, A.(1954)が提案したも喝 のうちの鬼岳火山岩類の酸性岩では縦軸に平行,

ので横軸に彼のいわゆるLinkage factorをとり・ つまりUnkage£actorには大差がなくてMg

縦軸にMg×100/(Mg十Fe)叉はCa×100/(Ca十  ×100/(Mg十Fe)値は可成りの差を示して分布す Na+K)をとったもので・岩漿の分化径路,とく  る。しかし矢筈岳・鬼岳両火山岩類の間における にアルカリ母岩漿とカルク・アルカリ母岩漿との  著しい差異は本図からは認められない。

分化径路を区別する上に適当とされている。本図   次に第16.B図では矢筈岳火山岩類はCa×100/

によって矢筈岳・鬼岳の両岩類の性質をみるに,  (Ca+Na+K)値が基性から中性岩に向って漸減       するが,鬼岳火山岩類におけるその値は矢筈岳よ          A      りも更に下位にあって而も殆んど_定である。し

80

60

20

0

      かし第16.A及びB両図においても,両火山岩類の

  櫟      間の鰭な相異は認められ難い・

       VL 4. M−F図

   ,β25       軸にF一指数・すなわち(N・・0+K・0)×100/

      6!       (CaO+Na20十K20)をとり,縦軸にはM一指

      i数,つまり(FeO十Fe203)×100/(Mgo+FeO+

      Fe203)をとった。 M一指数は基性マダマの分化

80

60

40

20 0

20  21  22  23 ,24  25   の早期から中期における時期を,又F一指数は晩

    Linkage factor         期をそれぞれ拡大強調して示すことになる訳であ       る。同図には比較のため日本火山岩平均値,世界       B      火山岩平均値のほか・伊豆・箱根地方火山岩類お       よびスケルガード貫入岩体の各分化曲線を併記し       た。図によって明らかなように,スケルガ…ドや

 C。d。。      伊豆・搬のピジオ輝石質岩系では分化碑期

藩曇露ぼ   ㌫讃二繕難嘉:㌫㍑㌶ヱ芸

∂°

〟@    F噛醐対するM措数の値捌・で・しかもそ

 g       れらの分化曲線は横軸に対して低角度を示して上

      昇する。

Ca.施噸   ,      にM一指数が急激に増加する・一つまり分化曲線      、、  ●隅。         が横軸に対して急角度を示し,中期から晩期にか

3       矢筈岳・鬼岳両火山岩類をみるに,これらの岩

20  21  22  2  24  25   石類は全体として,F一指数に対するM一指数の

     Linkage factor         値が小であつて前述した日本火山岩干均値よりも

      第 16図      更に下位にくる。それらのうちで鬼岳火山岩類は

      矢筈岳火山岩類に比し,その大部分をしめる中性

(17)

一種々のダイヤグラムによる火山岩類の化学的性質の比較検討一      55

M

      o、       30         40         50         60         マ0         80        go          oσ

      F

      第 17図

       一一一伊豆・箱根(紫蘇輝石質岩系,久野久)

       一一一  〃  (ピジオン輝石質岩系,久野久)

       一一…一スケールガード貫入岩体(Wager&Deer)

       一一…一一一…日本火山岩平均値(岩崎岩次)

       一一一世界火山岩平均値(Daly)

岩では上遠した諸例の何れよりも更に下位にプロ  「肥薩火山区」としての化学的性質の特異性は,

ツトされる。矢筈岳火山岩類の早期における曲線  まえに簡単に述べた,当地域の地質学的並に岩石 の傾斜はやや伊豆・箱根のピジオン輝質岩系に似  学的諸事実とにらみ合せて,当地域における岩漿

る傾向を示し,鬼岳は日本および世界各火山岩平  が,堆積岩を混成・同化しつつ分化したためと考

均値等と似る傾向にあることは注目すべきこと  えられる。そして更に矢筈岳火山岩類と鬼岳火山

である。       岩類との間における相違は,その混成・同化作用

 VIL結 び       の影響の度合が・前者において比較的に弱く・後       者において著しいためと思われる。なお本問題に

以上駆のダイヤグラムを用い・醐琉球火山 っいては後喘をあらためて論じたい.

帯に属する「肥薩火山区」の熊本南部・鬼岳および

矢筈岳両火山岩類の化学的性質を比較検討した。         文   献

 先ず両火山岩類全体として,日本および世界火   BARTH, T. F. W.(lg5g):presentation of the rock 山岩各平均値その他主なる他地方火山岩類と比較    analysis・J・uE Ge・1・6334&3砿

し欄合に,本醐畑岩類嘩しい離}蹴 D霊ぽ;鵠1!gne°us「°cksand thei「°「igi隅

9図のノルムAn−Ab−Or三角図,第12図のノルム   岩崎岩次(1948):火山の化学,河出書房,東京

◎−Fo−Fa図,第13図のノルムWo−Fo−q三角図,  KENNEDY・W・Q♪(1933):Trende of di任erentiation in

第14図のMg・一(FeO+Fe202)一(N…+K・・)K:芸認勝蕊㌶霊鷲霊㌶霊

三角図および第17図のM−F図よって非常に顕著   adjacent areas, Japan, Bull. GeoL soc. Am.,61,

に窺われる。       957・102α

次に両岩類相互の間における化学雌質の著しマ=ご蕊蒜盟1瓢㌫霊

い相違は第5図のK20/Na20−SiO2図,第8,9   Tokyo Univ., Ser・II,19,241−264・

図の・ルムA⊇・・図・および第17図のM−F 蕊蒜k弘131㌶麗隠ll蒜

図によってきわめて明瞭である。         poLDERvAAT, A, Elston.W. E(1g54):The calc−alka.

 扱てこのような鬼岳・矢筈岳両火山岩類を含む    line series and the trends・f fractional cystalli・a・

(18)

56       山  本     敬

 tion of basaltic magma:anew apProach at gra−      of lavas of Nyoho−Akanagi volc蹴o, N三kko Jour.

 phic representatoin, Jour・Geol・,62,150−162・       Fac. Sci. Tokyo Univ.,9,345−354.

冨田 達(1951):岩漿進化の諸型式,九大理研(地質)        (1957):男体火山末期の活動,火山,第2集.

 3,2,77−104.       Vo1.2,63−76.

SIMPsoN,E. S.(1954):On the graphic representation    山本 敬(1958):熊本県南部,鬼岳熔岩の捕獲岩につ  of di艶rentiation trends in igne『us r㏄ks・GeoL     いて一混成作用の1研究,九二1二大研(:1:学)No.8,

 Mag.,91,238−244.      55−63,

YAMAsAKI,M.(1954):On the chemical compositions

参照

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