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(1)

ラット腓腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発 走トレーニングの影響

著者 辻本 尚弥, 鈴木 英樹, 春日 規克

雑誌名 比較文化研究

巻 33

ページ 169‑181

発行年 2004‑03‑31

URL http://hdl.handle.net/11316/234

(2)

久留米大学比較文化研究 第33輯抜刷(本文169頁~ 181 頁)

平成 16年 3 月発行

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に 及ぼす自発走トレーニングの影響

弥樹克

尚英規

本木日 辻鈴春

(3)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に 及ぼす自発走トレーニングの影響

辻 本 尚 弥(久留米大学鯨・スポーツ科学セント)

鈴木英樹(愛知教育大学保健体育)

春 日 規克(愛知教育大学保健体育)

A b s t r a c t  

The effects of voluntary running training were  investigated  in  the  13‑weeks‑old  female Fischer344・rats (n=12).  Animals were divided into two groups;  sedentary  (S; N=7) or  voluntary  running  training  (VT; N=5) group  at  4‑weeks  of  age.  Animals in  group VT were given  free  access  to  a ru.nning  wheel  for  8 weeks.  Sample from the  superficial  portion  of  the  lateral  gastrocnemius  (GAS)  muscle  was analyzed using histochemical techniques. 

Body weight of all  groups  was significantly  increased  during  training  period.  There was significantly difference between S and VT in  the final body weight.  The  average running revolution  of  group VT was 6951 ア2369  (MeanアSD)  per  day.  Heart weight and relative heart weight of group VT were significantly higher than  group S.  There was no significantly  difference  between  S and  VT in  the  GAS  weight. However, the relative  GAS weight of  group  VT was significantly  higher  than that of group S.  Mean cross sectional area (CSA) of type  II  B fiber was sigュ nificantly wider than that of type  II  D fiber.  Variance of CSA was significantly  different between type  II  D and  II  B fiber.  The mean CSA of  the  VT group  was  significantly bigger than that of the S group in  each typed fiber.  Variance of CSA  was significantly different between VT and S group in  type  II  D fiber. 

These results indicate that type  II  D and type  II  B fiber of the superficial  porュ tion of the lateral gastrocnemius muscle is  affected by voluntary training.  Key words: voluntary runningtraining, morphological change, F344 female rat,  gastrocnemius muscle 

‑169‑

(4)

緒冨

実験動物に対する自発走を用いたトレーニングは,生存率上昇 1 )や最大酸素摂取量の増 大 2) 3 )などの効果があると報告されている。自発走トレーニングは持久的な強制走トレー

ニングに比べて走行距離が長いという特徴を持ち 2)3) 4)  筋のトレーニングに対する適応

機序解明のモデルとしてよく研究に用いられている。自発走運動は 比較的高強度で短時 間の運動が活動期間中に高頻度で繰り返される特徴を持つ 4 )。このことから自発走トレー ニングでは,下肢の各筋において各筋線維タイプの多くが活動増員されると考えられ,低 強度の持続的運動であり遅筋タイプの動員が主な強制走トレーニングの様相とは異なる可 能性があると考えられる。

そこで本研究では筋の形態特に筋線維横断面積を指標として ラット速筋線維で構成 される排腹筋の外側部表層に対する自発走トレーニングの効果を明らかにすることを目的 とした。

方法

1. 実験動物,飼育方法友ぴトレーニング方法

実験動物には,生後 13 週齢の Fischer 344 系の雌ラット 12 匹を用いた(日本 SLC )。

F i s c h e r   344系の雌ラットを用いた理由は,この系は肥満になりにくく体重の個体差が少 ないという特徴を持つことと,雌は雄に比べて運動量が多いためである。実験動物に対す る餌( CE-2 :日本クレア)及び飲水は自由摂取とし,昼夜逆転した 12 時間の明暗サイク ルで室温22± 1 ℃,湿度60± 5  %の環境下で飼育した。実験群として対照群( Sedentary;

S 群, N= 7 )と自発走トレーニング群( Voluntary r u n n i n g  t r a i n i n g  ;  VT 群, N=

5  )の 2 群を設けた。 4 週齢時より 1 週間予備飼育した後,群聞の体重がほぼ同一になる

ように,それぞれ 5 週齢時にラットを 2 群に分けた。対照群は 24X38X20cm の大きさの

ケージにて飼育された。 VT 群は図 1 に示したラット回転式運動量測定装置(直径32X 幅

lOcm )付きの38X28X38cm の大きさのケージにて飼育された。ケージより回転車輪へ

の通路は常に解放されており,ラットは24時間自由に運動が可能であった。トレーニング

は 5 週齢より 13週齢に達するまで 8 週間行った o なお飼育・トレーニング・屠殺での実験

(5)

ラット緋腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

動物の扱いについては,「実験動物の飼養及び保管等に関する基準」に沿って行った 日。

2 . 筋の摘出およ

び組織化学的分析

トレーニング終了後,ラットの体重を計測し

ペントパルピタールナトリウム溶液にて 麻酔を行い,十分な麻酔下において断頭し屠殺した。心臓及び排腹筋を摘出し重量を測定 した後ただちに液体窒素により冷却したイソペンタン中で瞬間凍結し,生化学的分析を行 うまで- 60℃の冷凍庫で保存した。組織化学的分析は

排腹筋外側部の表層部位を用いた。

-20℃のクリオスタット( CM-3B :サクラ精機)中にて厚さ 10µ m の連続切片を作成し,

Myosin ATPase (pre‑incubation ; pH 4. 

6及び10

.

3 )染色を行った 。 筋線維は Gorza の方法6

に従い

Myos

i

n

TPase 染色の結果から E B と E D/X 線維に分類した

す なわち

E

B および H D/X 線維は pH 4.6の pre-incubation 条件下では, I と H A 線維 の中間に染まり

pH

10. 

3の pre-incubation 条件下では

D/X 線維は E B 線維より濃 染される 。

れら 二つの pre-in

cu ba ti 

on 条件の組合せから筋線維タイプを分類した 6) 7 )。

染色後, CCD を接続した顕微鏡にて排腹筋外側部表層の染色画像をコンピューターに取 り込んだ。筋線維横断面積の分析は排腹筋外側部表層より無作為に選定した部 位より画像を得て,筋線維タイプ別に無作為に約20

~50本の筋線維を抽出 して, NIH

Fig.  1 Illustration of voluntary running training 

(6)

image を用いて筋線維横断面積を求めた 1) 0 抽出した筋線維はすべてをプールして平均

値及び分布を求めた 1) 8 )。

3. 統計処理

各測定値は群ごとに平均値標準偏差及び標準誤差を求め,統計学的な検定を行った。

最終体重,心重量,排腹筋重量および筋線維タイプごとの横断面積では,分散の検定に F 検定法を用い,分散が等質であった場合は平均値の検定に t 検定法を,分散が等質でなかっ た場合は Aspin-Welch の検定法を用いた。筋線維タイプごとの横断面積の分布では,分 散の検定に F 検定法を用いた。全ての検定において有意水準は 5 % (  p  <0.05 )とした 9 )。

結果

トレーニング期間中の VT 群各個体別の 1 日当りの回転数を図 2 に示した。トレーニン グ期間中の VT 群の 1 日当りの平均回転数は 1 週目と 5 週目で低値を示したが, 4 ~ 6 週 目まで徐々に増加しその後徐々に減少した。 1 匹のラットを除き他の全てのラットで 4 週

103 

35 

30 

25 

」 

:>  >~ . 

言電 20

~

~

cs 

. c   t ・ 15

~る

10  5 

ー--0-- Voluntary l 

--ー&ー- Voluntary2 

‑‑o‑‑Voluntary 3 

Voluntnry 4 

---ー- Voluntary 5 

0  1  2  3  4  5  6  7  8  9  10 

(wk..) 

Training p e r i o d  

F i g .   2 C h a n g e s  o f  v o l u n t a r y  r u n n i n g  a c t i v i t y  

(7)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

目に回転数の最大値を示した。 1 日当りの平均回転数の平均値±標準偏差は, 6951±2369 回であった(最低値; 4372 一最大値; 10499 )。回転数は走行距離( m )と一致する。

Table 1 Body weight, heart weight, and gastrocnemius uscle weight in  each  group 

Group (number)  Sedentary  (7)  Voluntary training (5)  Body weight (g) 

Heart weight (mg) 

156ア 2  418ア 5  Gastrocnemius muscle weiht (mg)  719ア12  Values are expressed as meanアSEM 

145ア 3 

451ア10 

700 土 14

*  : 

Significant difference from the value in  sedentary group 

次に最終体重及び心重量と排腹筋重量を平均値と標準誤差により表 1 に示した。最終体 重では VT 群が S 群に比べて有意に低値を示した。心重量は VT 群が S 群に比べて有意 に高値を示し心臓の肥大が観察された。排腹筋の筋重量では両群聞に有意な差は認められ なかった。次に相対的心重量と排腹筋の相対的筋重量を図 3 に示した。相対的心重量では,

心重量と同様に VT 群が S 群に比べて有意に高値を示し,持久的トレーニングの結果,循 環器系の発達を引き起こしたことが示された。排腹筋の相対的筋重量では, VT 群が S 群 に比べて有意に高値を示し,体重を負荷とする走運動の主動筋に対してもトレーニング効 果が認められた。

次に,各筋線維タイプの筋線維横断面積とその領域を平均値と標準誤差により表 2 に

Table  2 Mean fiber area and range of each fiber type for each group in rats  Group  Sedentary  Voluntary training  Fiber area ( 

オ 

m2) 

Type II  D  956ア13 (406)  1086ア 16  (390)  * Type II  B  2043ア21 (479)  2137ア19 (414 )明*

Range ( 

オ 

m2) 

Type II  D  396‑2294  430‑2153  Type II  B  939‑3477  757‑3581  Values are expressed as meanアSEM (Number of fibers) 

*  ; 

Significant difference from the value in  sedentary group 

明; Significant difference from the value in  type  II  d 

‑173‑

(8)

示した。筋線維横断面積は E B 線維が E D/X 線維に比べ両群とも有意に高値を示した。

両タイプの筋線維横断面積は S 群に比べ VT 群が有意に高値を示し 走トレーニングにと もなう筋線維の肥大が観察された。また, トレーニングにともなう筋線維横断面積の領域

(最低値と最高値の幅)は I I   B 線維では対照群に比べ広がっているが I I   D/X 線維で は逆に集束していた。そこで図 4 に各タイプの筋線維横断面積の度数分布を示し, F 検定 法を用い分散の検定を行った。その結果 両群において E D/X と E B 線維の分布は等 質ではなかった o また, S 群と VT 群の比較では, E B 線維では分布は等質で差がみら れなかった。 E D/X 線維では両群問で分布は等質ではなく VT 群が S 群に比べて筋線 維横断面積の大きい部位に多くの線維が分布していた。

(mg/IOOg body weight) 

350 

ω回訓2dラ畠

zgωZgaωkzaω

200 

*

(mg/IOOg body weight) 

500 

d

」=CJ)  ω

ω

~

450 

ω ̲... 

; :  

('$ 

ω

*

400 

Fig.  3  Relative heart and gastrocnemius muscle weight 

*  : 

Significant difference from the value in  sedentary group 

Sedentary  Voluntary 

(9)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

口 Sedentary

• V o l u n t a r y  t r a i n i n g   Type IID 

120 

100 

80 

60 

40 

20 

的』 ωa ロ』円。』 ωagsz

Type IIB 

120 

100 

60 

20  40 

80 

mhω 去刷刷。』 ωSEE - z

3300 

いm今

2700  2100 

1500  300  900 

f i b e r  a r e a  

Frequency distribution of fiber area 

‑175‑

Fig.  4 

(10)

考察

本研究において自発走トレーニング期間の 1 日当たりの平均回転数は,ラットの系及び 週齢が同じであった我々の先行研究1川こ比べて低値を示した。これは飼育施設内の騒音な ど環境の違い, トレーニング期間の季節差などによるのではないかと思われるが,その 要因については不明である。組織重量について Yano ら 4>, Rodnick ら 11 ),田中ら lぺ Sexton13>及び竹倉ら川は自発走トレーニングによる心重量の増加を報告している。本結 果で得られた 1 日当りの平均走行距離は約7000m /日に達し,強制走で行う持久的走運動 速度35m/min から換算した場合総運動時間は約 3 時間 20分に及ぶものであった。ま た,記録された最大値は 10499m /日であり,相当量の活動が行われていたと考えられる。

このような持久的運動が 8 週間継続された本研究において VT 群の心臓及び相対的心重 量は S 群に比べ有意に高値を示した。本研究の自発走トレーニングが循環器機能の大き

な要因である心筋の肥大に対して十分な刺激量を持っていたことが示唆された。

骨格筋はミオシン重鎖のアイソフォームにより遅筋線維と速筋線維に,さらに速筋線維 はいくつかのサプタイプに分類される。これらの筋線維タイプは,代謝特性や機能特性な どが異なり,様々な運動に対応できるよう一つの筋内にも適当な比率でモザイク状に分布 している。各筋線維タイプは形態的にも異なることが知られており また筋線維の平均横 断面積については,存在する筋によっても異なることが報告されている。 Delp と Duan15>は SD 系の雄ラットの排腹筋白色部の平均筋線維横断面積を調べ, E B 線維が E D/X 線維に比べて大きいと報告している。 Larsson ら削川 H面n剖誕nen と Pette削も ラット前腔骨筋で, Sieck ら則はラット横間膜筋で同様に I I   B 線維の平均横断面積が

I

I   X 線維に比べて大きいと報告している。我々も先の研究でラット排腹筋外側部表層で は E B 線維の平均筋線維横断面積が E D/X 線維に比べ大きいことを観察報告してい る 7 )。本研究のラット排腹筋外側部表層ではこれらの先行研究と同様に,平均の筋線維横 断面積は E B 線維が E D/X 線維に比べ大きかった。

また,筋線維の横断面積の分布についても E D/X 線維と E B 線維との聞には,本研

究では有意な差が認められた。 Hamalainen と Pette18>は E B 線維の分布域が E D/X 線

維に比べ広く,その広がりはより面積の大きい分布域に多くの筋線維が観察されると報告

している。我々も先の研究でラット排腹筋外側部表層では両タイプ筋線維横断面積の分布

域は異なり, E B 線維では面積の大きい分布域に多くの筋線維が観察されると報告した 7)

(11)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

本研究のラット排腹筋外側部表層ではこれらの先行研究と同様に 両タイプ筋線維横断面 積の分布域は異なり, E B 線維では面積の大きい分布域に多くの筋線維が観察された。

しかし,本研究では筋線維横断面積の分布幅(レンジ)は我々の先行研究と比べ両筋線維 タイプとも狭かった。これは,実験に供したラットの週齢が先行研究に比べ若齢であり,

体重についても低かったためではないかと考えられる。

これまで自発走トレーニングによるラット下肢骨格筋の筋線維横断面積に対する影響に ついては,いくつかの報告が見られる。春日ら 4 )は Fischer344 系の雌ラットにおいて 9 週間の自発走トレーニングにより足底筋の H A 線維が肥大したと報告している。堀田

ら 20)も Fischer 系の雌ラットにおいて 8 週間の自発走トレーニングによる足底筋の FOG 線維の肥大を報告している。さらに Ishihara ら 21 )は老齢期の Wistar 系雄ラットにおい て45 日間の自発走トレーニングにより足底筋の FOG 線維が肥大したと報告している。勝 目ら制も若齢期の Wistar 系雄ラットにおいて 10週間の自発走トレーニングによる足底筋 FOG 線維の肥大を観察している。一方 Ishihara ら加は SD 系雄ラットにおいて, 8 週 間の無負荷自発走トレーニングでは足底筋の FOG 線維に肥大は観察されなかったと報告 している。このように自発走トレーニングによるラット下肢速筋線維横断面積に対する影 響は明かではない。また, トレーニングによるラット排腹筋外側部表層の筋線維横断面積 に対する影響については, Garner ら 24 )による高強度のウエイトトレーニングによる肥大 の報告がある。しかし定トレーニングの影響をみた場合, Gute ら 25)は持久性走トレーニ ングよりラット排腹筋の白色部位の筋線維横断面積には差が見られないと報告している。

また, Hickson らお)もスプリント走トレーニングによりラット排腹筋の筋線維横断面積 には差が見られないと報告している。 Seburn ら刊は ラット排腹筋肉側部表層において,

自発走に分速27m の持久的走レーニングを加えた条件でも E B 線維平均横断面積に差が 見られなかった報告している。 Seburn ら刊の研究では 自発走トレーニングの平均走行 距離が2140m 程度と短く また持久的走トレーニングとの組み合わせが12週間のトレーニ ング中に 7 週間だけである。本研究では 同排腹筋外側部表層の筋線維横断面積を調べ,

Se  burn ら 27)とは異なる結果が得られたが,これは本実験でのトレーニング期間中のラッ トの走行量・走行能力が彼らの実験で用いたラットに比べ顕著に優れていた違いによる ではないかと思われる。また,春日ら 4 )の行った自発走トレーニングでは,回転車輪軸に 負荷を加えた装置を用いており,負荷強度を高めることにより,筋線維肥大が顕著であっ たとしている。このことは筋線維が肥大を起こすためには,走行距離だけではなく運動強

‑177‑

(12)

度にも要因のあることを示している。本研究では,平均筋線維横断面積では VT 群で両筋 線維タイプに肥大が観察された。これは 1 日約7000m を走るラットの自発走が,短時間 の高速(高強度)での運動を高頻度にて何度も繰り返すことで組み立てられている 4 )ため であり, トレーニングの強度及び量が両筋線維タイプの形態面に適応をヲ|き起すほどの十 分に大きかったためではないかと考えられる。

また, E D/X 線維横断面積の分布が VT 群と S 群では異なっており, トレーニング 性に変化したことが示されていた。 Seburn と Gardiner28>は,排腹筋外側部で自発走運 動により fatigue-resistant (FR )の運動単位が多く動員されると報告している。 FR の 運動単位を構成する FOG 線維は E A 及び E D/X 線維より構成される制。このため本研 究でみられた E D/X 線維横断面積の分布の変化が,自発走では E D/X 線維がより多 く動員されことを示す結果であると考えられる。しかし,筋線維形態面に関して,横断面 積では両筋線維タイプに肥大が観察され 面積分布域では E D/X 線維にのみトレーニ ング性に変化が見られた。これは E B 線維はトレーニング性の変化を起こしやすく,肥 大による枝分かれあるいは増殖も起こり, E B 線維と判定される細い線維も出現する制。

このため E B 線維は分布域の拡大がみられるものの統計上の差が現れない。一方, I I  

D/X 線維は極端な肥大は起こさないが十分な活動参加がある場合には枝分かれを起こ さない程度には肥大するため 筋線維横断面積の分布域に適応を引き起したと判断できる 明白な差が現れると考えられた。

以上,本研究では筋線維形態面に適応が見られたことから ラット排腹筋外側部表層の 速筋線維は自発走トレーニングにより影響を受けることが明らかとなった。

本稿を終えるにあたり,動物の飼育及び実験・分析に協力して頂いた愛知教育大学卒業 生の山下晋,小笠原仁美,稲垣洋,藤田慎一の各氏に深謝いたします。

引用文献

1  )  H o l l o s z y   JO.  M o r t a l i t y   r a t e   and l o n g e v i t y   o f   f o o d ‑ r e s t r i c t e d   e x e r c i s i n g   male r a t s :   a r e e v a l u a t i o n .   J  Appl P h y s i o l .   1 9 9 7  Feb ; 

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(13)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

maximal oxygen u p t a k e  i n   young f e m a l e  F i s c h e r  3 4 4  r a t s .   Jpn J  P h y s i o l .   1 9 9 7  Feb ;  4 7 ( 1 )  :  1 3 9 ‑ 4 1 .  

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‑179‑

(14)

B f i b e r s  and c i t r a t e  s y n t h a s e  a c t i v i t y  o f  r a t  m u s c l e .   J  Appl P h y s i o l .  1 9 9 6  ;  8 0 (  1 )   :  2 6 1 ‑ 7 0 .  

1 6 )   Larsson L ,   Ansved T ,   Edstrom L ,   Gorza L ,   S c h i a f f i n o  S .   E f f e c t s  o f  age on  p h y s i o l o g i c a l   i m m u n o h i s t o c h e m i c a l   and  b i o c h e m i c a l   p r o p e r t i e s   o f   f a s t ュ t w i t c h  s i n g l e  motor u n i t  i n   t h e  r a t .   J .   P h y s i o l .   1 9 9 1  ;  4 4 3  :  2 5 7 ‑ 7 5 .  

1 7 )   Larsson L ,   Edstrom L ,   L i n d e g r e n  B ,   Gorza L ,   S c h i a f f i n o  S .   MHC c o m p o s i ュ t i o n  and e n z y m e ‑ h i s t o c h e m i c a l  and p h y s i o l o g i c a l  p r o p e r t i e s  o f  a  n o v e l  f a s t ュ t w i t c h  motor u n i t  t y p e .   Am  J  P h y s i o l .   1 9 9 1  ;  2 6 1  ( C e l l  P h y s i o l .  3 0 )  :  C93・ 101.

1 8 )   H盈n剖ainen M, P e t t e   D .   The h i s t o c h e m i c a l   p r o f i l e s   o f   f a s t   f i b e r   t y p e s   I

I

  B,  I I   D ,   and  I I   A i n   s k e l e t a l   m u s c l e s   o f   m o u s e . r a t ,   and  r a b b i t .  

Histchem C y t o c h e m .  1 9 9 3 ;  4 1 ( 5 )  :  733・43.

1 9 )   S i e c k  G C ,   Zhan W Z ,   Prakash Y  S ,   Daood M 

J, 

Watchko 

F .   SDH and  actomyosin  ATPase a c t i v i t i e s   o f   d i f f e r e n t   f i b e r   t y p e s   i n   r a t   diaphragm  m u s c l e .  J  Apply P h y s i o l .   1 9 9 5  ;  7 9 ( 5 )  :  1629・39.

20 )堀田 昇,内藤久土,沢田 亨,富田寿人,石河利寛.種々の持久的トレーニングが ラットの骨格筋に及ぼす組織化学的および生化学的影響.東京体育学研究 1984; 1 1 :  

85・91.

2 1 )   I s h i h a r a  A ,  I n o u e  

N, 

K a t s u t a  S .   The r e l a t i o n s h i p   o f  v o l u n t a r y   r u n n i n g  t o   f i b e r  t y p e  c o m p o s i t i o n ,   f i b e r   a r e a  and c a p i l l a r y   s u p p l y  i n   r a t   s o l u e s   and  p l a n t a r i s  m u s c l e s .  Eur J  Appl P h y s i o l .   1 9 9 1  ;  6 2  :  2 1 1 ‑ 5 .  

22 )勝田茂,田中 守,高松葉.ラットの自発的定運動が骨格筋線維におよぼす影響 の組織化学的研究.筑波大学体育科学系紀紀要 1982 ;  5  :  125・34.

2 3 )   I s h i h a r a  A ,  Roy RR, O h i r a  Y ,  I b a t a  Y Edgerton VR. Hypertrophy o f   r a t   p l a n t a r i s   m u s c l e   f i b e r s   a f t e r   v o l u n t a r y   r u n n i n g   w i t h   i n c r e a s i n g   l o a d s .   J  Appl P h y s i o l .   1 9 9 8  ;  8 4  :  2 1 8 3 ‑ 8 9  

2 4 )   Garner RP,  T e r r a c i o   L ,   Borg TK, Buggy J .   I n t r a c r a n i a l   s e l f ‑ s t i m u l a t i o n   m o t i v a t e s  w e i g h t ‑ l i f t i n g  e x e r c i s e  i n   r a t s .   J  Appl P h y s i o l .   1 9 9 1   Oct ;  7 1  (  4 )   : 

1627・31.

2 5 )   Gute D ,  L a u g h l i n  MH, Amann J F .  R e g i o n a l  c h a n g e s  i n   c a p i l l a r y  s u p p l y  i n  

s k e l e t a l  m u s c l e  o f  i n t e r v a l ‑ s p r i n t  and l o w ‑ i n t e n s i t y ,  e n d u r a n c e ‑ t r a i n e d  r a t s .  

(15)

ラット排腹筋外側部表層の筋線維形態に及ぼす自発走トレーニングの影響

M i c r o c i r c u l a t i o n .   1 9 9 4  Oct ;  1 ( 3 )  :  183・93.

2 6 )   H i c k s o n  RC, Heusner WW, Van Huss WD, T a y l o r  J F ,  Carrow RE. E f f e c t s   o f   an a n a b o l i c  s t e r o i d   and s p r i n t   t r a i n i n g   on s e l e c t e d   h i s t o c h e m i c a l   and  m o r p h o l o g i c a l  o b s e r v a t i o n s  i n  r a t  s k e l e t a l  m u s c l e  t y p e s .  Eur J  Appl P h y s i o l   Occup P h y s i o l .   1 9 7 6  S e p  2 3  ;  3 5 ( 4 )  :  251 ・9.

2 7 )   S e  burn K ,   C o i c o u  C ,   G a r d i n e r  P .   E f f e c t s   o f   a l t e r e d   m u s c l e  a c t i v a t i o n   on  o x i d a t i v e   enzyme a c t i v i t y   i n   r a t   a l p h a ‑ m o t o n e u r o n s .  J Appl P h y s i o l .   1 9 9 4   Nov ;  7 7 ( 5 )  :  2 2 6 9 ‑ 7 4 .  

2 8 )   Seburn KL, G a r d i n e r  P .   A d a p t a t i o n s  o f   r a t   l a t e r a l   g a s t r o c n e m i u s   motor  u n i t s  i n   r e s p o n s e  t o  v o l u n t a r y  r u n n i n g .  J  Appl P h y s i o l .   1 9 9 5  May ;  7 8 ( 5 )  : 

1673・8.

2 9 )   R i c h a r d  L .   L i e b e r .   S k e l e t a l   Muscle S t r u c t u r e ,   F u n c t i o n ,  

P l a s t i c i t y :   The  P h y s i o l o g i c a l   B a s i s   o f   R e h a b i l i t a t i o n .   2 n d   e d .   B a l t i m o r e :   L i p p i n c o t t   W i l l i a m s  

W i l k i n s ,  2 0 0 2 .  

30 )平野朋枝,辻本尚弥,春日規克.伸張性収縮による筋損傷と運動効果.体力科学 2000

;  4 8 ( 6 )  :  7 8 2 .  

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