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博 士 ( 工 学 ) 岡 田 義 広

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Academic year: 2021

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博 士 ( 工 学 ) 岡 田 義 広

学 位 論 文 題 名

デ ィ ス ク ・ サ ブ シ ス テ ム の 高 ス ル ー プ ッ ト 化 に 関 する 研 究

学 位 論 文 内 容 の要 旨

  近 年,磁 気ディ スク 装置の 記憶容 量は大 容量 化の傾 向にあ り,記 憶デー タの 共有率 が高くなっ て いる。 ディス ク・サ ブシ ステム は複数 の人出 カチャネルから同時にアクセスされる必要があり,

高 スルー プット が望ま れる 。

  機 械動作 を含む 磁気 ディス ク装置 の処理 速度 は主記 憶装置 の電子 的処理 速度 に比べ て遅い。主 記 憶装置 の処理 速度と ディ スク装 置の処 理速度 の差を 緩和 し,処 理性能 を向上 させ るための緩衝 メ モりと してデ ィスク キャ ッシュ が用い られる 。ディ スク ・サブ システ ムの高 スル ープット化に は ,ディ スクキ ャッシ ュの デー夕 転送幅 を上げ る必要 があ る。す でに, マルチ ポー ト・ぺージメ モ ル (MPPM) と 呼は れ る メ モ りを デ ィ ス ク キ ャッ シ ュ と し て用 い る こ と が提 案 さ れてい る。

MPPMは , 複 数 の 入出 カ ポ ー ト をも ち , ど の ポ ート か ら も 並 行に ブ 口 ッ ク 単位 で デ ータの 入出 カ が 行 え るメ モ り で あ る。 だ が , そ の処 理 性 能 に っ いて は 報 告 さ れて い な い 。 また ,MPPMを バ ッ フ ァ メモ り と し て 用い た 知 識 ベ ―ス マ シ ン の 研 究も あ る 。MPPMを 用 いる こ と により 高ス ル ープッ トが得 られる こと が示さ れる。

  本 論文 で は , デ ィ スク ・ サ ブ シ ステ ム の 高 ス ルー プ ッ 卜 化 を目 標 と し ,MPPMをデ ィス ク・

キ ャッシ ュとし て階層 的に 用いた アーキ テクチ ャを提 案し ,いく っかの キャッ シュ 動作において 性 能 評 価 を行 い , そ れ らの 特 性 を 明 らか に す る 。MPPMを デ ィス ク キ ャ ッ シュ と し て階層 的に 用 い る と い っ た 提 案 は 今 ま で な い 。 そ の 評 価 性 能 に っ い て の 報 告 も な い 。   本 研究の 遂行に おい て性能 評価は 不可欠 であ る。種 々の構 成の対 象シス テム にっい てそれらの モ デリン グが容 易に行 え, シミュ レーシ ョン中 の対象 モデ ルの状 態が容 易に把 握で き,対話的に シ ミ ュ レ ーシ ョ ン が 行 える シ ミ ュ レ ータが 必要で ある 。この ような シミュ レータ を対 話型グ ラ フ ィカル シミュ レータ と呼 ぷこと にする 。この ような 機能 をもっ シミュ レーシ ョン システムの開 発 を本研 究の初 期目的 とし て,対 話的グ ラフィ カルシ ミュ レータ を開発 するツ ール 群を提供する シ ステム としてFESを 開発し た。

  VLSI設 計 用 のCADを は じ め と し て 対 話 型 グ ラ フ ィ カ ル シ ミ ュ レ 一 夕 は 多数 開 発 さ れ てい

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る。 だが, これら では その対 象分野 が固定 されて おり ,種々 の分野 をシミ ュレ ーション対象とし て は 扱え な い 。FESは ,MVモ ダ リ ン グ と呼 ぶ モ デ リ ン グ手 法 を 採 用 した こ と に よ り, 種 々 の 分 野 をシ ミ ュ レ ー ショ ン 対 象 と し て扱 え る 。MVモ デ リ ン グ とは , 画 面 上 に表示 される 形状を 定 義 し た 視 覚 表 示 部 (View)と 内 部 動作 機 構 を 定 義し た 動 作 記 述 部(Model)に 分 けて 基 本 モ デ ル の定 義 を 行 う モデ リ ン グ 手 法 であ る 。 す で に,MVCモデリ ングと 呼ば れるモ デリン グ手法 を提 供する オブジ ェク 卜指向 プ口グ ラミン グ言語 もあ るが, これで はシミ ュレ ーションのための 機能 がない 。

  本 論 文 で は ,MVモ デ リ ング を は じ め と して ,FESが 提 供 す る 種々 の 機 能 と 特 徴を 述 べ , 対 話型 グラフ ィカル シミ ュレ一 夕の開 発にお いてそ れら がどの ように 用いら れて いるかを述べる。

ま ず ,2章 で は ,FESシ ミ ュ レ ー シ ョ ンシ ス テ ム の 仕 様お よ び 機 能 にっ い て 述 べ る。MVモ デ リ ン グに っ い て 説 明し ,FESの特 徴 で あ る ビジ ュ ア ル合 成機能 とビジ ュア ルイン スペク 夕機能 の 実 現に , そ れ が どの よ う に 用 い られ て い る か を示 す。 また,FESを 用い て開発 された シミュ レ 一 夕の 例 を 挙 げ ,FESの 有 用性 を 示 す 。 特に , ビ ジュ アル合 成によ る対 象モデ ルの構 成の視 覚的 定義機 能と, ビジ ュアル インス ペクタ による 対象 モデル の状態 ・動作 のグ ラフィカルな表示 機能 が,本 システ ムの 応用例 として 開発し た3っのシ ミュレ ―夕にどう活かされているかを示す。

  3章 以 下では ,本 研究の 主目的 である ディ スク・ サブシ ステム の高ス ル― プット 化にっ いて述 べ る 。ま ず ,3章 では ,MPPMを デ ィ ス クキ ャ ッ シ ュ と して 階 層 的 に 用い た デ ィ ス ク・ サ ブ シ ス テ ム (DIMPと 呼 ぶ こ と に す る ) の アー キ テ ク チ ャ にっ い て 述 べ る。DIMPの 構 成 と 基 本的 ナよ キャッ シュ動 作に っいて 解説す る。また,従来のキャッシュ付きディスク・サブシステムの構 成 と 動作 にっ いても 解説し ,その ボトル ネッ クを指 摘する 。FESを用い て開 発され たシミ ュレ一 夕 に より 性 能 評 価 を行 っ た 結 果から ,従来 のキャ ッシ ュ付き ディス ク・サ ブシ ステム の性能 と DIMPの 性 能 を比 較 す る 。 従 来の キ ャ ッ シ ュ付 き デ ィ ス ク・ サ ブ シ ス テム で は,デ ィスク 装置 と デ ィス ク キ ャ ッ シュ 間 の デ ー 夕 転送 幅 が ボ ト ルネ ッ ク と な るこ と を 示 す。DIMPは,チ ャネ ルの 転送幅 によっ て制 限され る,あ るいは ,ディ スク 装置の 処理性 能によ って 制限されるまでの 高 い スル ー プ ッ ト が得 ら れ る ことを 示す。 また,‑ MPPMを 階層的 に用い たこと によ り,構 成上 の自 由度が 高くシ ステ ム拡張 が容易 である ことを 述べ る。

  4章 で は , 上 下 層 に 同 数 のMPPMを 配 し た 二 層 全 接 続 型 構 成 と呼 ぷDIMPの 構 成 に っ いて , キ ャ ッシ ュデ ータの コヒレ ンシを 考慮し た4種のキ ャッ シュ動 作を述 べ,そ れら の処理 性能を 示 す 。 キャ ッ シ ュ デ ータ の 置 き 換 え 方式 と し て , 上下 層 のMPPMそ れ ぞ れに っ いてラ イトバ ック

(WB)方 式 と ラ イ 卜 ス ル ― (WT) 方 式 を 採 用 で き ,4種 (WB/WB,WT/WT,WT/WB,

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WB/WT) の キ ャ ッ シュ 動 作 が 考 え られ る 。 解 析 的に 得 た 処 理 性能 に よ り , 限界 ス ル ー プ ッ ト と 平 均 応 答 時 間 を 比 較 す る 。 限 界 ス ル ー プ ッ ト に っ い て は , WB/WB,WT/WB,WB/WT, WT/WTの 順 番 で 性 能が 良 く な る こ とを 示 す 。 低 トラ ン ザ ク シ ョン 域 で の 平 均応 答 時 間 に っ い て は ,WB7WT,WT7WT, WT/WB,WB/WBの 順 番 で 性 能 が 良 く な る こ と を 示 す 。   5章で は, ディス ク・サ ブシス テム の信頼 性を向 上させる構成であるディスクアレイに関して,

DIMPの 処 理 性 能 を 示 す 。 デ ィ ス ク 装 置1台 あ た り の ス ル ープ ッ ト に っ いて ,DIMPの 性 能 と 従 来 の デ ィ スク ・ サ ブ シ ス テム に お け る ディ ス ク ア レ イの 性 能 と を比 較する 。DIMPは 従来 の デ ィ ス ク ・ サ ブ シ ス テ ム の5倍 程 度 の ス ル ー プ ッ ト が 得 ら れ る こ と を 示 す 。   最後 に,6章で ,これ までの 章を総 括し, 本研 究の成 果にっ いて要 約し ,今後 に残さ れた課 題 に っい て述べ る。

  本研究 は,デ ィスク ・サ ブシス テムの 高スル ープッ ト化 を目的 とし, ディスクキャッシュとし てMPPM階 層 的 に 用 い るこ とを提 案し ている 。種々 の構成 にっい てキ ャッシ ュ動作 を考察 し, そ れ ら の 評 価 性能 を 示 し 特徴 を明ら かにし た。本 研究 の遂行 上不可 欠であ る性能 評価 のため に,

FESシ ミ ュレ ー シ ョ ン シス テ ム の 開 発を 本 研 究 の 初期 目 的 と し た 。MVモ デ リン グ と 呼 ぶ モ デ リ ング 手法を 採用し ,種々 の機能 をもつ視覚表示部を提供したことが,対話型グラフィカルシミュ レ ータ の開発 におい て,ど のよう に有 益であ ったか を示し た。

学位論文審査の要旨

  近年 ,磁気 ディ スク装 置単体 の記憶 容量が 著し く増大 しつっ ある。 これに対してディスク装置 単体 の入出 カの動 作速度 と転 送速度 に関し ては著 しい 改善が 望めな い。このため,多数のディス ク装 置単体 を用い て構成 され るディ スク・ サブシ ステ ムの全 体シス テムとしての入出カアクセス の ス ル ー プ ッ ト を い か に 高 め る か が 重 要 な 研 究 開 発 課 題 と な っ て い る 。   ディ スク・ サブ システ ムの人 出カア クセス の高 スルー プット 化に関 しては,従来,大きく分け

譲 市

直 次

   

   

衛 由

中 本

木 内

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

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て,デ ィスク ・キ ャッシ ュの採 用,デ ィスク 装置 内蔵バ ッファ メモり の採 用,ディスク装置から ディ ス クキャ ッシュ ヘの 転送を 過去の アクセ ス履 歴によ って最 適化す る方法 の3種類の 方法 が提 案され ている 。デ ィスク ・キャ ッシュ の採用 は, ディス ク装置 へのア クセ ス頻度を下げ,キャツ シュの ヒット 率が 高い場 合には 顕著な 性能の 向上 を期待 するこ とがで きる 。しかし,そのような 場合に おいて もキ ャッシ ュメモ りの入 出カア クセ スのス ループ ットが ボト ルネックとなり,ディ スク装 置の限 界ア クセス ・スル ープッ トは達 成す ること ができ ない。 さら に,ヒット率の低い場 合には ディス ク・ キャッ シュの 効果は 望めな い。 ディス ク装置 内蔵の バッ ファメモりの採用は転 送パス がビジ 一状 態の場 合にも ,一旦 バッフ ァに データ を保持 するこ とに よルディスクの回転待 ちを 必 要 と し な いた め ,RPSミ ス を 低 減す る こ と がで きるが ,著し い性能 向上 を目指 す手法 で はない 。アク セス 履歴に よって 転送を最適化する方法はディスク・キャッシュと併用する方法で,

ディス ク・キ ャッ シュ自 体の性 能によ って制 限さ れる。

  本論文 は, ディス ク・キ ャッシ ュと して用 いるメ モリ装 置のア クセ ス・ス ループットを著しく 改善す ること によ り,デ ィスク 装置と ディス ク・ キャッ シュの 間と, ディ スク・キャッシュと処 理装置 群との 間の 各々の 転送パ スの容 量を著 しく 高める ととも に,デ ィス ク装置内蔵バッファメ モり を 使用し た場合 と同 様にRPSミス も低減 させる こと を目指 した研 究であ る。 具体的 には, 同 時に ブ 口 ッ ク 単 位の ア ク セス が可 能な複 数の入 出カポ ート を持つ マルチ ポート ・ペー ジメ モリ

(MPPM)を2段 に 階 層 化 し て デ ィ ス ク キ ャ ッ シ ュ と し て 用 い た デ ィ ス ク ・ サ ブ シス テ ム の アーキ テクチ ャを 初めて 提案し ,いく っかの キャ ッシュ ・プロ トコル の性 能比較を行い,最適な プ口ト コルを 明ら かにし た。そ の処理性能にっいて角罕析的手法と計算機シミュレーションによる 詳細な 評価を 与え ,ディ スク装 置単体 のスル ープ ットに その台 数を乗 じて 得られる限界性能との 比較を 行い, 従来 は達成 するこ とが難 しいと され ていた 限界性 能か提 案方 式によって初めてほば 達成で きるこ とを 示した 。

  その主 要な 成果は 次の3点に 要約さ れる。

  (1)ディ スク・ サブ システ ムの詳 細は性 能評 価のた めの視覚的シミュレ一夕を開発した。本シ ミュ レ ー タ は 数 十台 の デ ィ ス ク装 置 と16ポ一 卜 のMPPM 16台を含 むディ スク・ サブ システ ムの シミ ュ レ ー シ ョ ンを 個 々 の デ ィス ク とMPPMの 詳 細 な内 部 動 作 を 正 確に 追 いなが らシミ ュレ―

シ ョ ン す る こ と が で き る シ ス テ ム で , ビ ジ ュ ア ル に モ デ リ ン グ が で き る 。   (2)マル チポー ト・ ページ メモり をディ スク ・キャ ッシュとして階層的に用いたディスク・サ ブシス テムの アー キテク チャを 初めて 提案し た。

  (3) 提 案ア ー キ ク チ ャに お け る 種 々の キ ャ ッ シュ ・プ口 トコル の性能 評価 を行い ,W T/WB

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(ラ イト・ スル一 /ラ イト. バック )プロ 卜コル が最 適であ ること を示し,その際のディスク・

サブ システ ムの性 能が ,ディ スク装 置単体 のスル ープ ットに その台 数を乗じて得られる限界性能 をほ ぼ達成 するこ とを 明らか にした 。

  これ を要す るに ,著者 は,マ ルチポ ート .ぺー ジメモ りをデ ィスク キャッシュとして階層的に 用い ること を提案 し, その性 能評価を行うことにより,ディスク・サブシステムの著しい高スルー プッ ト化に 有益を 知見 を与え ている 。この 成果は 計算 機工学 の進歩 に寄与するところ大である。

よ っ て 著 者 は , 博 士 ( 工 学 ) の 学 位 を 授 与 さ れ る 資 格 あ る も の と 認 め る 。

参照

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