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1. はじめに自分は普段からラジオをよく聴くのだが あまり自分の周りにラジオを日常的に聴いている人間はあまりいない ラジオ離れ 広告費の減少 などラジオに関する暗い話題もよく聴く 実際 自分が好きで聴いていた番組が スポンサーがつかないことによって打ち切りになるなど身近にその問題を感じることもある

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Academic year: 2022

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ラジオというメディアの今後

目次

1. はじめに 2. ラジオの現状

(1)広告費の減少

(2)聴取率・聴取人口の減少 3. ラジオが復活するためには

(1)若者のラジオ離れ

(2)インターネットとの融合 4. まとめ

(2)

2 1. はじめに

自分は普段からラジオをよく聴くのだが、あまり自分の周りにラジオを日常的に聴いて いる人間はあまりいない。「ラジオ離れ」、「広告費の減少」などラジオに関する暗い話題も よく聴く。実際、自分が好きで聴いていた番組が、スポンサーがつかないことによって打 ち切りになるなど身近にその問題を感じることもある。では具体的に今後どのようにして いけばラジオというメディアが息を吹き返すのか、調べていきたいと思う。

2. ラジオの現状

(1)広告費の減少

ラジオ番組を制作するためには、スポンサーからの広告費が必要である。スポンサーは 広告費を払う引き換えに、その番組内で自分たちの宣伝をしてもらうことができる。そし てその広告費でテレビ局は制作会社に番組制作を依頼し、広告代理店が CM を作成し番組 内で流す。ラジオやテレビなど、主な放送事業は広告によって成立していると言える。

図1

出所:テレビ業界の仕組み(http://debut.limestone.co.jp/gyokai/sikumi.htm)

電通による「2009 年(平成21 年)日本の広告費」⁽¹⁾によると、2009年度のラジオの 広告費は1370億円で、前年比11.6%減となった。1991年の2406億円がピークでそれ以 降は減少を続けている。図2によると、調査対象であるプロモーションメディア、テレビ、

新聞、インターネット、雑誌の中で、2004年にインターネットに抜かれて以来、最も広告 費が低くなっている。ではなぜ広告費が減っているのか?民放連加盟のラジオ単営、ラジ オ・テレビ兼営の労働組合員を対象にしたアンケートから考えてみたい。

Q1 ラジオの売上が毎年のように落ちています。何故ラジオは売れないと思いますか?

・代理店にラジオの認識が無い。ラジオを聴いている代理店営業がほとんどいない。

テレビを売った方が効率が良い。

・ラジオ自体が聴かれていない。企業の宣伝部がラジオを聴かない。聴く環境に無い。

・ラジオの聴取人口が減っている。スポンサーがラジオへの効果を疑問視している。

・電波事情。ケータイ・ネット環境の整備による媒体価値の低下。「効果が出るまで辛抱

できないスポンサー」の弱さ。パーソナリティとリスナーのレベルダウン、ラ・テ局に

(3)

3 おけるラジオ担当者の左遷意識。⁽²⁾

ラジオが聴かれていない、という意見が多く見られた。つまりラジオ聴取率・聴取人口 の低下により、ラジオの広告媒体としての価値が低下し、スポンサーがラジオに広告を出 すメリットを感じなくなっているのだと言える。では実際、ラジオは聴かれなくなってい るだろうか?

図2 日本の広告費の推移

出所:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5650.html (2010/7/23アクセス)

(4)

4

(2)聴取率・聴取人口の減少

「ラジオの週間接触者率の推移」⁽³⁾では、ラジオの週間接触者率は1997年の48.8%か

ら、2007年には42.7%に低下していることがわかる。接触者率とはラジオ放送を一週間に

5分以上聞いた人の割合を表している。

また各地区の聴取率(男女12~69才 週平均:6-24時)は、2002年の時点では首都圏 が8.3%、関西圏が8.6%、中京圏が8.6%⁽⁴⁾であったのに対し、2010年には首都圏が6.8%

(▲1.5%)⁽⁵⁾、関西圏が7.9%(▲0.7%)⁽⁶⁾、中京圏が8.0%(▲0.6%)⁽⁷⁾と、それぞ れ低下している。

これらのデータを見る限り、確かにラジオは以前よりも聴かれなくなっていることがわ かる。では今度は年齢別のデータを見ていきたい。

「男女年層別 1 日のラジオ聴取時間量(週平均)」⁽⁸⁾では、男女平均が 33 分で、男性 の7歳~12歳が2分、13歳~19歳が7分、女性の7歳~12歳が4分、13歳~19歳が4 分となっている。男女ともに、7歳~19歳の聴取時間が飛びぬけて低くなっている。

またビデオリサーチによる「全局個人聴取率 (6時~24時)」⁽⁹⁾によると、12歳~69 歳の一週間の平均視聴率が6.8%、12歳~19歳が1.1%、20歳~34歳が3.3%、35歳~49

歳、50歳~69歳が12.0%となっている。やはり年齢層が下がるにつれ、聴取率も減少して

いる。若い世代の聴取率の低さが目立ち、若い世代のラジオ離れの深刻さが伺える。

(1)でも述べたが、ラジオはスポンサーからの広告費で成り立っている。聴取率、聴取人 口の減少により広告費が減れば番組制作費は削減され、番組の質も低下することになる。

番組の質が低下すればさらに聴取率・聴取人口も減るという悪循環に陥ってしまうのだ。

3. ラジオが復活するためには

(1)若者のラジオ離れ

前述の通り、若い世代のラジオ離れが深刻になっていることがわかった。しかし若い世 代がラジオを聴くようになれば、ラジオが復活する大きなきっかけになるのでは無いかと 考えられる。

ではまず中高生がラジオに対しどのような気持ちを持っているか、今時の中高生へのア ンケートを参考にし、見ていきたい。

図3によると、中高生がよく利用するメディアは1番がテレビ、2番はインターネットで ラジオは大きく水を開けられている。

また図4の日常的にラジオを聴くか?という質問では、やはり聴かないと答えた人数が、

聴くと答えた人数よりも中学・高校それぞれ4倍近く多かった。

そして図5では聴かないと答えた生徒に対し、ラジオを聞かない理由を質問した。

「家にラジオがない」、「聴き方がわからない」、「きっかけがない」など、「面白い番組がな い」という直接ラジオに対する批判的意見を 2 倍近く上回った。ラジオを聴かない層の中

(5)

5

には、ラジオがつまらないから聴かないのではなく、ラジオ自体を実際にほとんど聴いた ことがなく、どういうものなのかもよくわからないという人が多くいるということがわか った。

図3 よく利用するメディア(図表の単位:人)

出所:「よく利用するメディア」『GALAC』(2010年3月号p.20)を元に筆者作成

図4 日常的にラジオを聴くか?(図表の単位:人)

出所:「日常的にラジオを聴くか?」『GALAC』(2010年3月号p.20)を元に筆者作成

0 200 400 600 800 1000 1200

テレビ ラジオ 新聞 雑誌 映画 インターネット

中学 高校

0 200 400 600 800 1000

聴かない 聴く

中学 高校

(6)

6

図5 ラジオを聞かない理由(図表の単位:人)

出所:「ラジオを聞かない理由」『GALAC』(2010年3月号p.20)を元に筆者作成

(2)インターネットとの融合

これらアンケートから、まず若者がラジオを聴くきっかけをつくっていくことが大切だ ということがわかった。そのためには、まず他の若者が興味のあるメディアと融合してい く必要があると思う。図 3 の通り、中高生がよく利用するメディアで圧倒的に数字が高い のは、テレビとインターネットである。テレビとラジオが融合すると言うのは、メディア としての性質上難しいところがある。やはりインターネットと関わったサービスを行って いくべきであろう。

すでに現在インターネットと連携したサービスというものはいくつか行われている。

インターネットから好きな時に番組を自分の携帯音楽プレイヤーにダウンロードして聴く ことが出来る「ポッドキャスティング」というサービスがある。「ポッドキャスティング」

の大きな利点は、RSS という技術を使い、自分が聴きたい番組の最新放送が自動的にダウ ンロードされてくるというところである。いつでもどこでも好きな番組が自動的に配信さ れ聴けるというとても便利なサービスなのである。

「ラジオノンリスナー(男女12~29歳)の音声メディア関与」⁽¹⁰⁾によると、ラジオノ ンリスナーである 54.3%のうち、19.6%が「インターネットラジオを聞いたことがある」、 9.7%が「ポッドキャスティングを利用したことがある」、7.7%が「デジタルラジオに関心 がある」と答えている。ラジオを聴かない若い世代の中でも、インターネット関連のラジ オのコンテンツに触れた経験がある人、また関心のある人が少なからずいることがわかる。

「インターネットラジオ」とは文字通りインターネットを通じて配信される音声コンテ ンツのことである。個人などが無償で配信しているものと、企業などが料金を徴収して配 信しているものがある。配信形態としては、ダウンロード型とライブストリーミング型が ある。ダウンロード型は通常のWebコンテンツと同じように音声ファイルをダウンロード してメディアプレーヤーなどで再生する。ライブストリーミング型は通常のラジオ放送の ように放送時間が決まっており、データを受信しながら再生する。このインターネットラ

0 100 200 300 400 500

その他(きっかけがない)

面白い番組がない 聴き方がわからない 家にラジオがない

中学 高校

(7)

7

ジオにRSSというシステムが加わり、より快適に利用できるようになったのが前述の「ポ ッドキャスティング」である。

そしてさらに2010年3月15日から、「radiko」という通常の地上波ラジオ放送をインタ ーネットで同時に聴くことが出来るという画期的なサービスが始まった。同年8月31日ま で試験的に配信され、9 月以降の実用化を目指している。在京および在阪の民放ラジオ 13 局と電通が共同で設立した「IPサイマルラジオ協議会」が実施しており、IPアドレスをも とに、ユーザーを関東地区(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)と関西地区(大阪府、

京都府、兵庫県、奈良県)に分け、それぞれのエリアに準じたラジオ放送をリアルタイム に配信する。関東地区ではTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、

TOKYO FM、J-WAVEの7局が聴取でき、関西地区では朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、

FM COCOLO、FM802、FM OSAKAの6局を聴取することができる。どちらも基本的に

CMを含めてインターネットに配信される。今はまだ関東地区と関西地区以外で聴くことは 出来ないが、今後が他地域での拡大も検討されている。⁽¹¹⁾

このサービスの大きな利点として、インターネットという若者が多く触れているメディ アでラジオをリアルタイムで聴けるという点と、高音質でラジオが聴けるという点である。

近年高層ビルの激増などにより、受信環境の悪化が問題視されていた。インターネットを 通じた配信によりこの難聴取の問題を解消した。

このサービスを開始してから一週間で総ストリーム数は523万で、webページのアクセ ス数は約 4710 万ページレビューに上った。IP サイマルラジオ協議会は「予想をはるかに 超える結果だった」と発表した。時間帯別に聴取率は非公表だが、夕方から深夜に聴取者 が増加し、通常のラジオ放送とは異なる聴取傾向が見られるという。協議会は、パソコン がラジオ受信機になったことにより、「新たな聴取シーンを生み出し、より広い聴取者を獲 得していると思われる」と推察した。⁽¹²⁾

この「radiko」の登場が、若者にとってラジオをより身近なものにするだろう。

そして、配信地域の拡大や権利関係の問題など課題はあるものの、ラジオ人気復活の大き な手掛かりになることが十分期待できる。

4. まとめ

ラジオは今、広告費の減少という深刻な問題を抱えている。その原因は聴取率・聴取人 口の減少にあり、その中でも特に若者のラジオ離れが顕著である。若者にラジオを聴いて もらうにはどうすべきかということを考えた場合、若者が特によく触れているメディアで あるインターネットと連動したサービスを行っていくことが重要であるということがわか った。すでに行われているサービスがいくつかあり、その中で今年の 3 月から試験的に配 信がスタートした、インターネットでリアルタイムに地上波ラジオの配信を行う「radiko」

の登場は非常には大きな期待が持てるだろう。

(8)

8 注

(1) http://www.dentsu.co.jp/news/release/2010/pdf/2010020-0222.pdf

(2010/7/23アクセス)

(2) 小寺健一「ラジオ営業の問題点」『放送レポート』NO.218(2009/5/5)pp.20-21

(3) NHK「テレビ・ラジオ視聴の現況『ラジオの週間接触者率の推移』」

http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/shichou/shichou_07090101.pdf

(2010/7/23アクセス)

(4) ビデオリサーチ「自主ラジオ調査(「首都圏・関西圏・中京圏」 3地区まとめ)(2002.9)」

http://www.videor.co.jp/data/member/marketing/radio/021211_2.htm (2010/7/23アクセス)

(5) ビデオリサーチ「首都圏ラジオ調査 ~2010年6月度~」

http://www.videor.co.jp/data/member/marketing/r_rating/index.htm (2010/7/23アクセス)

(6) ビデオリサーチ「関西圏ラジオ調査 ~2010年4月度~」

http://www.videor.co.jp/data/member/marketing/r_rating/index_k.htm (2010/7/23アクセス)

(7) ビデオリサーチ「中京圏ラジオ調査 ~2010年4月度~」

http://www.videor.co.jp/data/member/marketing/r_rating/index_n.htm (2010/7/24アクセス)

(8) NHK「テレビ・ラジオ視聴の現況『男女年層別 1 日のラジオ聴取時間量(週平均)』」 http://www.nhk.or.jp/bunken/research/yoron/shichou/shichou_07090101.pdf (2010/7/24アクセス)

(9) ビデオリサーチ「全局個人聴取率 (6時~24時)」

http://www.videor.co.jp/data/member/marketing/r_rating/index.htm (2010/7/24アクセス)

(10) ビデオリサーチ「データで見るラジオの現状」

http://www.soumu.go.jp/main_content/000061574.pdf (2010/7/24アクセス)

(11) INTERNET Watch「東京・大阪のラジオをネット同時配信、「radiko」実証実験開 始」

http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20100316_354972.html (2010/7/24アクセス)

(12) ITMediaNews「radiko「予想をはるかに超える結果」公式ガジェット、12 日に公 開」http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/07/news070.html

(2010/7/24アクセス)

(9)

9 参考文献

島崎哲彦・池田正之・米倉律「放送論」(2009/4/1)学文社 radiko.jp http://radiko.jp/ (2010/7/24アクセス)

video research ltd. http://www.videor.co.jp/top.htm(2010/7/23アクセス)

社会実情データ図録http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5650.html(2010/7/23アクセス)

参照

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