別紙1
論文審査の結果の要旨
報告番号
甲 第 3252 号 氏 名 小林 一男論文審査担当者
主査 藤田 健一 教授 副査 小林 靖奈 教授 副査 栗原 竜也 准教授
論 文 題 名 :Association among plasma concentrations of regorafenib and its metabolites, adverse events, and ABCG2 polymorphisms in patients with metastatic colorectal cancers.(切除不能進行・再発大腸がん患者におけるレゴラフェニブとその 代謝物の血漿中濃度、ABCG2多型および有害事象との関連性)
掲載雑誌名(巻・号・頁・掲載年):Cancer Chemotherapy and Pharmacology に掲載予定 本研究は、経口マルチキナーゼ阻害薬レゴラフェニブとその活性代謝物 M2と M5の血漿 中濃度と有害事象、および動態関連因子の遺伝子多型の関連について、切除不能進行・再 発大腸がん患者を対象として前向きに検討したものである。血漿中濃度は投与開始 7日目 のレゴラフェニブ投与前に測定している。
レゴラフェニブを40-120 mg/日で投与された 43名の患者について解析した。その結果、
グレード2 以上の高ビリルビン血症の患者において、レゴラフェニブの血漿中濃度が有意 に高いこと、M5 の血漿中濃度はグレード 2 以上の高血圧と皮疹の発症と有意に相関する ことを明らかにした。また、肝の胆管膜や小腸上皮細胞に発現し、薬物を肝から胆管・小 腸管腔に排泄する役割をもつ ABCG2 421C>Aをホモに有する患者および女性において、レ ゴラフェニブの投与量で補正した M5 の血漿中濃度が有意に高いことも見出している。さ らに多変量解析を行い、その結果、M5の血漿中濃度が 580 ng/mL以上であることと、年齢 が 70 歳以上であることが、グレード 2 以上の皮疹の発現と関連することも明らかにして いる。これらは、レゴラフェニブによる治療を行う上で重要な知見である。
以上のことから、本論文は本学大学院学位論文(博士)審査基準を満たしており、学位論 文に値すると判断した。
(主査が記載)