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著者 平等 拓範, 野沢 幸弘, 小林 喬郎

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(1)

LD励起Nd:YV04短共振器レーザの最適出力結合

著者 平等 拓範, 野沢 幸弘, 小林 喬郎

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 41

号 1

ページ 39‑48

発行年 1993‑03

URL http://hdl.handle.net/10098/4185

(2)

告号月

1 3 究第年

大部引

井学第

福工

39 

LD 励起 Nd:YV0 4 短共振器レーザの最適出力結合

平等拓範市 野 沢 幸 弘 ホ 小 林 喬 郎 *

Optimum Output Coupling of Laser‑Diode‑Pumped Nd:YV04  Short Cavity Lasers 

Takunori TAIRA

, 

Yukihiko NOZATA

and Takao KOBAYASHI  (Received Feb. 26

, 

1993) 

In recent years

, 

high power 1 er‑diodes(LD) have been developed and used as the  pump sources for extremely compact and ecientsolid‑state laser systems.  Nd:YV04  is  an attractive material for the laser‑diodepumpedcompact green lasers

, 

becauseher‑ mal problems are moderate with a high pumping efficiency.  In this paper

, 

we have  theoretically analyzed oscillation characteristics of the laser‑diode‑pumped Nd:YV04  short cavity laser. By rea

1 i

zing optimum operation

, 

a high fundamental output power of  394 m W  w observedwith slope e血ciencyof 56%. By intracavity frequency doubling  using a KTP crystal

, 

a high green output power of 125 m W has been observed. 

1  .  はじめに

最近に至り半導体レ}ザ (LD)の開発は目覚ましく,高出力のGaAIAs系L Dが実用化されて きた.しかしながら,その出力ピームの空間的形状や時間的,周波数的な特性には,なお解決が必 要な問題が多い.これに対して, L D励起固体レーザは, L Dの長所である小型,高効率,長寿命 特性を持ち,さらにエネルギーの蓄積性,周波数の安定性に優れており,単一縦および横モード発 振が容易である.また,ランプ励起と比較すると,共鳴励起のため励起効率が高く,励起に付随し た発熱も少ないため,発振モードの高安定化が可能であるなど,優れた特長を有している(1),(2) さ らに,非線形光学結品と組み合わせた波長変換により可視から紫外域での小型,高出力レーザが実 現できるため,分光計測や高密度光ディスク,半導体加工など物理化学や工学の分野での広い応用 が期待されている(3)(4) とくにN d  Y V 0(Nd3Yttriull1 Vanadate )結品は,国体レーザ材料と

‑電子工学科

(3)

40 

して代表的な

Nd :  Y  A G

に比べ励起光吸収係数や誘導放出断面積が高いなど,レーザ材料として 優れた特性を有している.しかし 結晶育成に高度な技術が必要とされ また熱的な問題もありラ ンプ励起ではN d : Y A Gを凌ぐことができず,実用化されるには至らなかった.ところが,近年 に至り良質な結晶の入手が容易となり,また,

L  D

励起では,熱的問題が緩和されるため

LD

励 起 因体レーザ材料として注目されてきた仰(6).(7) 

本研究では,

LD

励起Nd:YVO.レーザの共振器の基本波動作特性及ぴ共振器内部に非線形 光学結品を配置する共振器内部S H G法について出力結合条件の理論的解析を行った.また,実験 ではこの結合条件を最適化することにより,励起光電力 760mWのとき最大基本波出力 394mW, また最大125mWのS H G緑色光の高効率,高出力特性が得られたので報告するべ

基本波発振の最適化

Nd: Y V 0

4

結 品 の 特 性

2 •

YVO.結 晶 は , ジ ル コ ン (ZrSi04)正方品形 (D149h)に属するため光学的には一軸性を示し,

結晶のC軸に対して平行 (π)成分の吸収及ぴ蛍光が強く現われ,この母材にNd 3+イオンを添加 した場合, N d : Y A Gと良く似た吸収と蛍光特性を示す.表1にN d添加濃度 1.1at.‑%のY V 04とY A Gの代表的な分光特性(9)10)を,また図1に室温における800nm付近の吸収スベクトル特性 を示す.これらの結晶は共に808.9nmで最大の吸収を示すが, N d : Y V 04の吸収係数は31.1cm1  とN d : Y A Gに比べ5倍程度大きい.吸収のスペクトル半値幅も約2.8nmとN d : Y A Gの1.9倍 になっている.高出力 LD は一般に多モード発振でそのスペクトル幅が 2~3nm もあることから,

N d :  Y V 04は吸収効率が高いためレーザの小型化が容易であるだけでなく ,

L  D

の温度制御も 緩くなることが分る.また, N d : Y V 04も,N d : Y A Gと同様に1.06μm帯の4F3'2‑4IU/2 及ぴ1.3μm帯の4F3'2‑4113/2遷移でレーザ発振が可能である. N d : Y V 04の蛍光中心はN d

Y A Gの蛍光の中心に比べ約0.17nm短波長側にあることが分る.

2  . 

レーザ発振特性の解析 2  .  2 

LD

光に対する吸収効率が高いため,単に, 装 N d :  Y V 04をレーザ媒質として用いた場合,

分光特性の比較 (Nd濃度1.1at.‑%) 目 Nd:YAG  Nd:YVO

 

唖担保散 α{αu‑1)  8.5  31.1  吸取締幅 ム入.(珊) 1.5  2.8  語噂趣出断面讃σ.(r) 6.5 x 1019 .0x 10111

FS'2‑.111'2 

中心法畏 ん(珊) 10.41 1064.24  自然肱出寿命 τ(μs)  2 蛍光緬 ム入.(r1II)  0.67  0.96  屈折宰 n  1.位3 2.165  熱伝導度 K (W/an.K)  0.14  O.1

表1

815  810 

WAVELENGTHλ(nm)  800nm付近の吸収スベクトル特性の比較

805  Nd: 1.1

a t . %

Nd:YV0 4 (π)  Nd:YV0

4 (σ) 

8

∞ 

Nd:YAG 

5  0 7

図l

(

FE

O) nr

Z ω

‑ o z u

h

一 出

o o z o

EO︿

(4)

LENS  Nd:YV0 f=3.3mm  Nd:1.1a

t . %  

L D  

λp=8ωnm 

(R99%@1064,532nm

T> 

95 % @ 809 nm 

OUTPUT 

図2 LD励 起Nd:YV04短共振器レーザの構成

41 

置が小型化されるだけでなく,縦単一モード発振マイクロチップレーザσ)や短共振器レーザ事)の構成 が容易となる.短共振器レーザは,電気光学素子や非線形光学結晶を共振器内に挿入できるため高 機能化が容易に行える(11)特長がある.図2に,今回試作したNd:YV04短共振器レーザの構成 を 示 す ( 結 晶 長1mm, N d濃度1.1at.%のY V04の片端面をミラーコートし,曲率 100mmで, 基本波(1.064μm) に対する反射率が1.1%と4.4%の出力鏡を用い,ミラー間隔を約 50mmの半共焦 点型共振器を構成した.励起には出力 760mWの LD (幻NY.SLD304XT) 光を焦点距離 3.3mm のプラスチックレンズを用いて約180x100mm2 に集光し励起を行った.このときL Dの偏光方向は Nd: Y V 04のC軸方向に平行 (π偏光)とし,また発振波長を吸収のピークである808.9nmに なるように温度制御を加えた.

このレーザの出力特性の理論的解析を行う.四準位系のレーザ媒質を仮定した場合,そのレーザ 出力は次式で与えられるω.(12)

九 = s..(ξ-~ ) 

(1) 

このとき

Se

はスロープ効率であり

P

tは発振関値光電力である.スロープ効率は共振器の取 り出し鏡の透過率を

T

とした場合次式のように近似できる.

S<<=札η η T

g 匂 ' "

Lj+T 

(2) 

ここで, aは吸収効率でありレーザ媒質長を

e .

,励起光に対する吸収係数を σ pとした場合 弘=1

ー 叫 ( 一

αp

. e )

となる. qは原子量子効率であり,この場合 76.1%である.また '1mはモ ードマッチング効率であり,励起光とレーザ光の空間的な結合の割合を示す.励起光及びレ}ザ光 共にTEMooの基本横モードでのみ発振しており,励起光のスポット半径ωpとレーザ光のスポット 半径ω。がレーザ媒質長内ではほぼ一定であると仮定できる場合,モードマッチング効率は次式で 与えられる.

η 一 ω :( 2 ω ; + ω : )  

(ω;+ω~t

(3) 

すなわち,励起光のとレーザ光のピームスポット半径が等しくかっ中心が一致する場合約75%と なることが分る.さらに Ljは出力鏡による取り出し損失を除いた共振器の往復残留損失で,今 回のようなレーザ構成の場合,かなり低く抑えられることが予測される.次に このレーザの発振

(5)

42 

開催は次式で与えられる.

hv̲

π i ω : + ω 汁

f

、 p .   ‑

r

、 ! . . . ( L + T I

41Ja

σ

e'r'

(4) 

ここで hJI pは励起の光子エネルギー, τはレーザ上準位寿命, σeは実効誘導放出断面積であ る.これらの式を用いることにより レーザの基本的な入出力特性を求めることができる.さらに,

出力鏡透過率を変化させてレーザ出力Pωを最大にするには

θ p r o l θ T=O

とおけばよく同(14) 1 )  式より

ト ー

Lj

+  . J i

80Li  (5) 

が与えられた励起条件に対する最大出力を与える出力鏡の透過率ということになる.ここで g。 は単行利得であり 次式で与えられる.

8o=~ηασeτf_ , ̲ 

(6) 

hv

p

π(ω;+ωn

ここで

P

iは励起光電力である . ( 

)式を用いて,任意の端面励起レーザに対する最適な出力 鏡透過率を求めることができ ま た (1 )式に代入することにより最大出力を求めることができる.

2.  3  発 振 特 性 と 検 討

3

に,基本波におけるレーザ発振の入出力特性を示す.出力鏡透過率が1.1%のときレーザ発 振闇値は約26mWでスロープ効率が37.2%であったのに対して透過率を4.4%にしたとき発振闘値 が約68mWでスロープ効率が 56.1%となり,最大760mW励起のとき出力 394mWが得られた.

また,出力光はTEMo。モードに近い円形で,拡がり角は約 5mradであった.この2つの実験結果 より共振器の残留損失を求めたところ約0.9%の値が得られた.ここで,励起が500mW付 近 で 直 線からずれているのは

L D

がモードホップを起こし,励起スベクトル形状が変化し,励起効率が低 下するためである.

次に, 760mWで 励 起 し た 場 合 に (4 )式より最適透過率は 6.4%と与えられ,最適透過率のと きの基本波出力は 395mWと与えられた.次に,図4に (1 )式を用いて求めたレーザ出力と発振 関値の出力鏡遊邑率依存特性の計算結果を示す.ここでは,共振器の残留損失をパラメータとした.

400  250 

m  E 

~ ~O

P町 MIRROR== 4.4% 

3∞ ト ¥ 込

2

∞ 

i 1 ∞ 

2

∞ 

400  600 

PUMP POWER  P; (mW)  図3 基本波の入出力特性

8

∞ 

Q.. 

"". ....‑ ¥ ...~ .. ,t....‑‑

一 一... 

‑ ‑ " , ‑ ・ : : : a ' J

100

~....三:... Pj=760 m W  

50 

o  o 

8  10  12 

TRANSMITIANCE T (%) 

図4 レ』ザ出力と発振閥値の出力鏡透過率特性

(6)

43 

図よりも分るようにレ}ザ出力は,出力鏡透過率が4%近くから 8 %付近まではほぼフラットな特 性を示し,すでにT=4.4%の状態でもほぼ最適な動作が実現できていることが分る.

3  共 振 器 内 部 SHG 法 の 高 出 力 化

3 .   1  共振器内部 SHG 特性の解析

近年開発されたされたKTP(KTiOP,)結晶は斜方晶系 mm‑2に属する2軸性の非線形光学結晶 で,タイプ IIの位相整合の場合,ウオークオフ角が小さいだけでなく,実効非線形係数がKDPの 約 10倍と大きく,またレーザ光の破壊闘値も 3GWIcm2程度と高く,可視から赤外域までの広い領 域で損失が低いなどの優れた特長を有している(15),(16)

SHG

の変換効率は基本波の強度に比例するため,限られた基本波電力から高い変換効率を得る ために共振器を用いる方法が主流になってきた.この方法としては,レーザ共振器の内部に非線形 光学結晶を配置する共振器内部

SHG

法事17>' (18)と,レーザ共振器の外部に低損失の共振器を配置し その内部に非線形光学結晶を配置する外部

SHG

法がある制問.後者の場合,単一モード発振で高 安定のレーザを用意し,外部共振器とレーザ共振器の共振周波数を厳密に一致させる必要がある.

これに対し,共振器内部

SHG

法の場合,これらの調整が不要であり,小型で比較的安定なシステ ムが構成できる可能性がある.ここでは,共振器内部

SHG

法について動作特性を解析する.

基本波電力

P

出の減衰が無視できる領域では,第

2

高調

( SH )

波への変換効率ヲsは基本波電力 に比例すると考えられるため,次式で近似できる(1制 18)

ηIS =1( P(fJ 

( 7 )  

このとき"は結合係数であり基本波がレンズや鏡などによりスポット半径ωsに集束される場合,

位相整合の状態の結合係数は次式で与えられる(16)

d2~ f. 

1( 

e~" h(B,

c )  

π

nsc 

ε 。

(8) 

ここで, ωは基本波の角周波数, ε。は真空中の誘電率 cは光速 flsは非線形光学結晶の屈折 率 kは基本波の波数 .fsは非線形光学結晶の長さ dlflは実効非線形係数であり mks単位系を用 いている.また ,h(B,

c )

は集光因子であり,集束が弱い場合次式で近似できる.

h(B,

c )  : :   : c  ( 1 ‑

t2

/ 1

2+ t4

/ 1

2o‑l/1344 

+

… (9) 

このとき ,Bはウオークオフパラメ}タでウオークオフ角をρとすると B=p

J i ヌ / 2

であり,

また

E

は集光パラメータでご=ん

/ ( k m ; )

と与えられる.ここで, ω Sは非線形光学結晶面上での 基本波スポット半径である.また ,t =2B

占 E

である.

(7 

)式よりも,

H

波への変換効率は

共振器内の基本波電力により変化するため,共振器内部

SHG

法によるレーザでは結合係数Kを最 適化する.共振器内部

SHG

型レーザの場合,共振器の全損失は

L=Li+T+

η s  

(10) 

となる.高効率の共振器内部

SHG

法では基本波を共振器内部に閉じ込め,

S  H

波のみを外部に取 り出す構成なので

T

の項を省略できる.すると全損失は L=Li+

η s

となり,このときの共振器内

(7)

44 

の基本波電力は,文献[13}よ り 九=Js

A(2g

o

/L‑1)

と近似できる.このとき ,

A

はレーザ媒質部 におけるレーザ光断面積

Is

Nd:YV0

4の飽和光強度である .

SH

波 へ の 変 換 効 率 は (

7  ) 

式より,その時の基本波電力により変化するため(7 )式で近似できることを利用して共振器内の 基本波強度を書き直すと

t 一一 α+J

α 2+  2s ( 2 g

L) 

(11) 

一 一

2K

と与えられる.また,共振器外部に取り出される

SH

波電力は次式で与えられる.

R ω

α2 +s(2g

‑L

i)

一 αJα2 +2s(2g

‑L

i)

‑ 2K 

ここで,

α =Li+ ι AK =

2I

S A I C

とした.また,最適結合条件は

δ 弓 ω / θ I C = O

より

K

ι ( 1 3 )

。 ι A

となる.また,このときの

SH

波変換効率,共振器内部の基本波電力及び

SH

波出力は次式で与 えられる.

(

η ' S ) o   = 一 L ; + J2g

L i  

(

乙 t = ι A ( ぷ刀 L i ‑ 1 )  

( ι ) 0   = い ( J 2 i ; ‑ J L : )  

(14) 

(15)  (16) 

すなわち,共振器のパラメータが変化しなければ,最適な

SH

波変換効率は基本波発振における 最適透過率と等しく また共振器より取り出きれる

SH

波出力も基本波の最適出力と等しくなるこ とが分る.しかも, (1 3) 式より最適結合状態でのκは励起の強さの項であるg。を含まない.

すなわち /cを最適状態に設定すれば励起状態に応じて

SH

波効率が変動し 常に最適状態が保 たれることが分る(l~しかし,一般に共振器内部に非線形光学結晶を配置する場合,通常の構成で は (13) 式を満足することが困難であり また 共振器の残留損失の増加及びレーザスポット径 等が変化するため実際に取り出される

SH

波出力は最適状態における基本波出力に比較し低くなる.

3 .   2  SHG 特性と検討

2

に示した

LD

励起

Nd:YV0

4レーザの共振器内部に

KTP

結品 (CASTECH)を配置する ことにより共振器内部

SHG

法による実験を行った.

KTP

結晶はタイプ 11の位相整合用にカット

(

=23.40 ,θ=90 )されており,長さ 5.0mm及ぴ 9.6mmの

2

種類を用いた,また出力鏡は 曲率50mmで基本波に対して 99%反射,

SH

波に対して 95%透過で曲率 50mmの物を用いて共 振間隔が21mmになるよう配置した.

このときの

SH

波出力の励起電力依存特性の測定結果を図

5

に示す.

S  H

波出力は励起電力に対 して

2

次曲線的に増大することが分る.9.6mmの

KTP

結品を用いた場合,最大励起 760mW時に

SH

波出力 125mW,効率 16.3%と小型の装置ながらも高出力,高効率の緑色光が得られた.

S  H 

波のピーム形状はほぼ円形であり,拡がり角は約6mradであった.

共振器内部

SHG

法を用いた場合,理想的には最適出力結合時の基本波出力と同程度の

SH

波出

(8)

140 

ε 

120

cl 100 

¥ 

200  400  6

800 

PUMP POWER P; (mW) 

5

共振器内部

SHG

レーザの入出力特性

45 

∞印∞

n d n t n t   タ ﹀ε } 3 N a

( S }

c

OZ

‑ O hL

ZO

ωE

Z0 0

5 0 0

叩 川 存 鰍 ( 係

f k

1 T

到 の 引 率

ε

刊 効 沿 シ ﹂ 変 G J   3 N

λ

σu

1 M H

1 Q u   nh u 

i 1

1

80U  ~

10"" 

力が得られる.それに対し,今回の実験では約 32%程度に留まっている.図

6

SH

波出力と変換 効率の結合係数依存特性を示す.計算では dlff 3.18xl0 2  pm/Vの値を用いた(lEUIB). K T Pの挿 入による共振器残留損失の増加は 0.2%程度と考えた.共振器長及ぴスポット径の変化を考慮した 場合. (1  3) 式で与えられる最適結合条件 κo=3.0x10W‑1でも

SH

波出力は 290mW と低下す ることが分る.また 9.6mmのKTP結晶においても,, =4.8x10‑4W‑1程度であり最適結合係数の 約 1/63とかなり低いことが分る.これを改善するためには.K T Pの結晶長を長くするだけでは共 振器長自体が 21mmであるため無理があり,共振器内に集光用の素子を挿入するなど,集光のスポッ ト径を小さくする工夫が必要となる.今回の共振器構成ではレーザ結晶及びKTP端面での集光径 を小さく絞ることが同時に行われており,最適状態にはならないが非常に簡単な構成でかなり高出 力の緑色光を得ることができることが分った.

3 .   3  SHG 出力の不安定要因の検討

共振器内部

SHG

法は縦多モード発振の場合,縦モード間の競合及び和周波,差周波発生に基づ く雑音が発生するグリ}ンプロブレムが指摘されている問.本実験では. 100mW程度以上の

SH

光を取り出す場合にはグリーンプロプレムで指摘されている以上の大きな出力変動が確認された.

この原因について検討してみる.

KTP結晶は 2軸性の結晶であり,入射角を制御することにより

SHG

位相整合幅内で種々の波 長板として働くことは既に報告しだ18)

7

に共振器内部

SHG

法によるレーザのモデルを示す.

P O L A R I Z E R   OUTPUT 

ω

LOSS 

共振器内部

SHG

レーザの出力不安定モデル

(9)

0.8  0.6  0.4  0.2 

ao

︿E Z O

戸 商 正 当 o a

46 

20  16 

TEMPERATURE S H I F T  

(向

KTP

透過基本波偏光度の温度依存特性 12 

4  8 

図8

KTP

結晶の基本波に対する偏光特性が変化した場合,

KTP

結晶を往復した基本波は共振器内の 偏光板により損失となり

SH

波出力も低下する.

KTP

結晶は結晶軸によって温度係数が異なり,

結晶温度の変化によっても基本波の偏ヨ悌性が変化する創刊.図

8

KTP

結晶に直線偏光の

Nd:

YV  0

4基本波を入射させて,その透過光の偏光度の結品温度依存特性を求めた結果を示す.ここ で,偏光度とは部分偏光における完全偏光成分強度の全強度に対する割合で,円偏光の場合にOを 直線偏光の場合に 1となる.図より 約17 'C周期で偏光度が変化することが分る ~Q つまり,

S  H 

G

位相整合及ぴ基本波の偏光整合がとれた場合,共振器内の基本波電力が増大し

AR

コート部など での発熱により結晶温度が上昇し,偏光特性が乱れる.

Nd:YV0

4のC軸に対してπ方向に直 線偏光した基本波は

KTP

結晶を往復することにより楕円偏光となり

Nd:YV0

4結晶に再ぴ入 射される.この結晶は σ方向の利得が小さいため基本波電力は減衰する.次の段階では,基本波電 力が小さくなヮたため

KTP

結晶での発熱は減少し,偏光特性も元に戻り再ぴ共振器内の基本波が 増大する.この一連のサイクルにより

SH

波出力が不安定になるものと考えられる.

そこで,

KT  P

結晶にサーミスタ及ぴヒータを取付け約40'Cに加熱した状態で温度市Ij御を施した.

図9に共振器内部

SHG

レ}ザ出力特性を示す.同図(

)は温度制御をかけない状態で17.4%の 出力変動が見られた.これに対し同図(b )では約0.1'Cの温度制御をかけた状態であり出力変動が l.5財宝度と制御前に比べ約1/11に抑えられていることが分る.

1.5% 

コω 

1.0

1

O ~ a 

~ 0.5 

c n  

0

5  

4 ' n u  

・ コ

S 凶 三 E

O且トコ止トコ

OZ

ω ~ー」

20 (sec) 

T I M E  

(b)温度制御 (0.1t:)時のSH波出力 O 

L圃ー.J

20 (sec) 

T I M E  

(a)温度制御しない時のSH波出力 O 

共振器内部SHGレーザ出力の安定度特性 図9

(10)

47 

4. 

まとめ

以上, L D励 起N d : Y V 04レ ー ザ の 高 効 率 化 を 目 的 と し て , ま ず 基 本 波 発 振 に お い て 最 適 結 合 条 件 を 満 た す 出 力 鏡 の 透 過 率 に つ い て 理 論 的 に 解 析 し , 実 験 に よ り 最 大 出 力394mW, ス ロ ー プ 効率56.1%の高出力,高効率特性を実現した.次に,高出力の緑色光を取り出すことを目的として,

N d :  Y V 04共 振 器 内 に 非 線 形 光 学 結 晶 で あ る KTP結 晶 を 配 置 し た 共 振 器 内 部S H G法 に よ る 結 合 条 件 を 解 析 し , 実 験 的 に も 最 大 出 力125mW,効率16.3%と , 現 在 こ の 種 の レ ー ザ と し て は 最 高値を得た.今後,この結果は他の小型国体レーザの設計にも適用可能である.

謝 辞

本稿をまとめるにあたり,協力頂いた卒業研究生の高木成一君に謝意を表す.

〈 参 考 文 献 〉

(1)  T. Y. Fan and R. 1. Byer: "Diodc laser'pumped solid‑state lasers," IEEE J. QuantllIn Electron.,♀

L

え牛No.6, pp.895912 (1988). 

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SHG

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図 4 レ』ザ出力と発振閥値の出力鏡透過率特性

参照

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