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鋼直5形レール締結装置の開発

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Academic year: 2022

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鋼直5形レール締結装置の開発

東日本旅客鉄道株式会社 正会員 ○手代木 卓也 東日本旅客鉄道株式会社 正会員 岩佐 裕一 北海道旅客鉄道株式会社 正会員 渡部 弘信

(財)鉄道総合技術研究所 若月 修

1.はじめに

鋼直Ⅱ形レール締結装置(以下、「鋼直Ⅱ形」という。)は、構造が複雑で多数の絶縁部材を使用している ため管理が困難であり、さらにボルトの緩みやばね受台の脱落などが発生しやすく、軌道短絡事故につなが る可能性が高いことが懸念されている。そこで、軌道短絡事故が起きにくく、鋼直Ⅱ形の代替で使用可能な

「鋼直5形レール締結装置」を開発し、性能確認試験を実施した。その内容を以下に記す。

2.鋼直5形レール締結装置の開発 (1) 開発の方針

鋼直5形レール締結装置(以下、「鋼直5形」という。)の開発に先立ち、過去の鋼直Ⅱ形の軌道短絡事故 を精査したところ、原因は① 鋼板付軌道パッドの鋼板のずれ、② ばね受台の脱落、の 2 点に絞られること が判明した。そこで、以下の3点を基本方針として鋼直5形の構造の検討を行った。

① 鋼直Ⅱ形用に設計された鋼桁に取付け可能とする。

② 軌道パッドの鋼板のずれと、ばね受台の脱落に起因する軌道短絡事故を防止する。

③ 部品点数を減らし、鋼直Ⅱ形よりも管理を容易にする。

(2) 鋼直5形の概要

図 1 に鋼直5形の概略図を示す。この構造は、鋼橋直結軌道用のレール締結装置の中で高い信頼性を得て いる「鋼直改良形レール締結装置(以下、「鋼直改良形」という。)」を基本として改良を加えたものである。

鋼直5形の特徴は以下の3点である。

① 新開発の EB 材付軌道パッドを適用し、軌道パッドに鋼板を使用していないこと。

② 鋼直改良形と同じレール押さえ構造であり、軌道パッドと横圧受金具以外の部材が鋼直改良形と共通で あること。

③ 絶縁板、レール調整パッキンおよび軌道パッド以外の部材が 50kgN レール用と 60kg レール用で共用で きること。

キーワード レール締結装置、直結軌道、鋼直、EB 材付軌道パッド

連絡先 〒185-8540 東京都国分寺市光町 2-8-38 (財)鉄道総合技術研究所(軌道構造)TEL042-573-7275 図 1 鋼直5形の概略図

絶縁押え具

横圧受金具 鋼桁

締結ボルト

(a) 断面図 (b) 平面図 絶縁板

EB 材付軌道パッド

4-010 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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(2)

3.性能確認試験

鋼直5形の構成部材は、実軌道で使用実績のある鋼直改良形とほぼ 同一である。そこで、鋼直改良形で使用していない部材に関する性能 確認試験と、締結装置全体の耐久性について確認試験を行った。

(1) EB 材付軌道パッドの性能確認試験

EB 材付軌道パッドは、パッド上面の鋼板の代わりに、摩擦係数の小 さい超硬質ゴム(EB 種)を一体成型して、鋼板と同等の低摩擦係数を 実現したものである(図 2)。この EB 材付軌道パッドについて、ふく 進抵抗力とレールの繰返しの摺動に対する耐久性について確認試験を 行った結果、従来の鋼板付軌道パッドと同等の性能であることが確認 された。表 1 に、鋼直Ⅱ形(60kg レール用)1 締結を使用して行った ふく進抵抗力の測定結果を示す。

(2) ふく進抵抗力の調整

所定のふく進抵抗力を得るための鋼直5形の板ばねの締結トルクを 確認するため、ふく進抵抗試験を行った。この結果、締結間隔が 625mm の場合は 60 N・m、833mm の場合は 80 N・m とすることで、所定のふく進 抵抗力が得られることが確認された。

(3) 横方向載荷試験

横圧受金具の横方向荷重に対する強度を検証するため、図 3 に示す 横方向載荷試験を行った。この結果、横圧受金具は想定される横方向 荷重に対して十分な強度を有することが確認された。

(4) 2軸疲労試験

2軸疲労試験は、レール締結装置の設計荷重であるA・B荷重相当 分を軌間内外から交互に繰返し 100 万回載荷し、締結装置全体の耐久 性を確認する試験である。図 4 に試験の状況を示す。試験の結果、100 万回の載荷に対して、レール変位、小返り角、ボルト軸力等に大きな 変化はなく、試験後の構成部材にも異常が見られなかった。このことか ら、鋼直5形の耐久性に問題はないことが確認された。

4.現地敷設試験

列車の走行や気温の変化による鋼桁とレールの相対移動に対する実軌 道での性能を確認するため、北海道旅客鉄道株式会社 函館本線 下り 線 近文~旭川間 第二石狩川橋梁上において現地敷設試験を行った。

試験では、図 5 に示すように計 16 締結を敷設した。

敷設後 145 日が経過した時点で各種部材に異常は確認されておらず、

鋼直5形のレール締結装置としての性能に問題は認められなかった。

5.まとめ

鋼直Ⅱ形よりも保守管理が容易で、軌道短絡事故の起きにくい鋼直5 形レール締結装置を開発した。なお、ここで開発した EB 材付軌道パッド は、鋼直以外の直結系軌道においても適用できるため、鋼直5形ととも に広く普及を図りたい。

超硬質ゴム(EB種)を一体成型

スチレンブタジエンゴム(SBR)

図 2 EB 材付軌道パッド

レール底部へ 横方向荷重を載荷

図 3 載荷試験の状況 横圧受金具の 水平変位を測定

図 4 2軸疲労試験の状況

図 5 現地敷設試験の状況 表 1 ふく進抵抗力の測定結果 軌道

パッド 回数 ふく進抵抗力 (kN/締結)

平均値 (kN/締結)

1 4.7

2 4.4

3 4.7

1 4.6

2 4.6

3 4.8

鋼板付

EB材付

4.6

4.7

4-010 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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