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(1)

女性労働・高齢化社会に関する意識

一高松市女性問題総合調査における

3 0 ・ 4 0 代と中堅公務員との比較ー

松 本

I

はじめに

フェイスシート

II  女性労働に関する意識 III  高齢化社会に関する意識 おわりに

資 料 調 査 表 附 表

は じ め に

1 9 8 9

9

月に実施された高松市の女性問題総合調査項目(1)

1 9 9 0

6

月公務員

5 0

名余りを対象としてアンケート調査することができた。行政の 一端を担うかれらの意識は、いわゆる一般市民の意識とは異なるのであろ うか。社会状況、社会問題に深く関わり、指導的立場にある中堅管理職の 地位にある公務員と高松市民中

30・40

代の男女群とを比較することから、

女性間題、高齢化社会に関する意識傾向を探ることは可能であろう。また、

そのことから、前述の諸問題処理、あるいは、行政的対応等に関した示唆 を得ることができるのではなかろうか。

四八

1 ‑‑‑ 11 ‑ 2 ‑432 (香法'91)

(2)

今日の社会状況は経済関係、国際関係とも大きく揺れ動き、市民生活を とりまく日常的背景は激動の時期を向えているといっても過言ではない。

このような社会環境の中にあって地方都市に居住する人々の意識が性、年 齢、職業的なものに左右されるものであるかどうかを合わせて考察した

し)(2) 

なお、ここで比較検討する対象は、総合調査中全男性群、

゜ 30・40

代男女

の各群、と公務員群である。

回 答 者 全 男 性

4 3 9

( 3 4 .43%) 

<3) 

30• 4 0

代の男性

2 0 9

( 1 6 .39%) 

<3) 

30・40

代の女性

3 4 5

( 2 7 .06%) 

(3)  公務員

4 4

(4)

(1)  別 紙 資 料 参 照 。 参 考 資 料 : 女 性 問 題 総 合 調 査 報 告 書

I I

お よ び

I l l

(2)  総合調査の中で30• 40代 女 性 の 意 識 に 際 だ っ た 違 い を み る こ と が 多 か っ た 。 そ れ ゆ え、比較的特徴のあるもの、同じ属性をもつものを選択して比較することにした。

(3)  総合調脊全回答者に対する割合を示す。

(4)  公 務 員 厠 答 者 の95%は男性である。有効回収から女性を除く数字である。

(5)  データー処理については法学部助手池田道代さんの全面的なご協力をいただいた。

ここに記して謝意を表したい。

四 七

I  フェイスシート

【年齢】 回答者の年齢分布について(図

F 1

参照)、公務員アンケートが 中堅の係長クラスということから、比較する年代を限定した。「公務員」は 約

70%

3 0

代である。

【学歴】 回答者の学歴分布について(図

F2

参照)、「公務員」の過半数 は高学歴者である。「

30・40

代の男性」の約

40%

が大学教育を受けているの 11 ‑ 2 ‑‑451 (香法'91)

(3)

図 F 1  回 答 者 の 年 齢 別 構 成

公務員

全男

代代代代代 0 0  000  23456 

吃 壁 冒 冒

= ・ : t i  

"︵●日︶

に対し、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」はわずかに

1

割を越えるにすぎない。「公務員」

が「短大卒」.「大・院卒」とも同程度の割合であるのに対して、「

30・40

代 の男性」では著しく異なっている。このことは、「公務員」の意識が均質化 することを予測させるものであろうか。

図 F 2  回 答 者 の 学 歴 別 構 成

3 ・ 4 0

~

公務員

全男

【未・既婚】 回答者の未.既婚別分布については(図

F3

参照)、「

3 0

・ 四

I. 

4 0

代の女性」の未婚率が極めて低くなっている。比較的若い層の多い「公

務員」、「全男性」は未婚率が高くなっている。なお、どの群とも有配偶者 率はさほど変化がみられない。

3··~· 11 ‑ 2 ‑‑450 (香法'91)

(4)

図 F 3  回 答 者 の 未 ・ 既 婚 別 構 成

― 叫 !

● 

公務員

~tllllllllllllllllllllllilllllllllllllllllllll~jllllllllllllllllllllllllllllllllllllllli/lllllr

翡 開 開 開 翡 軋 冒 翡 冒 r n m i i 国国冒屑冒圃冒翡 i m i 』 m m m 『

全男

立 悶翌緬

雪 墾 器 ニ

母 階 閤

3

1111111111111111111111111111111111111111111

11111111111111111111111111111111111111111111

【家族員数】 回答者の家族員数別分布について(図

F4

参照)、

4

人家族 の型は、「

30・40

代の女性」ので

60%

を越える。「公務員」の場合、

50%

に 満たず、

3

人家族と同率である。 おおむね「公務員」の家庭は少人数型と

えようか。「全男性」では、

5

人を越える家族型が

40%

を越えている。有 効回答者の半数は平均的家族型よりも大きな家庭を営んでいると言えよう

か。

図 F 4  回 答 者 の 家 族 員 数 別 構 成

公務員

一 四 五

全男

人人人人人人人人人鰯123456789 

該 墜 冒 堅 墨 翌

D 冒

o ‑

T  

【家族形態】 回答者の家族形態分布については(図

F5

参照)、「公務員」

では、未婚率が高かったことを反映して、一人、あるいは親との生活する 者が約

20%

であり、

11  2 ‑‑449 (香法'91)

また、三世代家族もかなり多く見られる。「

3 0 ・ 4 0

代の

(5)

女性」では、夫婦とその間の子、いわゆる核家族形式が最も多く、次いで、

三世代家族形態であるが、この率は同年代の男性のものよりかなり低く なっている。

図 F 5  回 答 者 の 家 族 形 態 別 構 成

公務員

全男

【子の年齢】 回答者の子の年齢分布については(図

F6

参照)、「公務員」

の子の年齢は、小学校低学年以下が過半数を占める。この点同年代である

30・40

代の男性」と若干の相違をみる。「

30・40

代の男性」の場合、年代 構成で

4 0

代が多いことを反映して子の年齢も高いのであろうか。「

3 0 ・ 4 0

代 の女性」では、無子は他の群に比してかなり低く、子の年齢構成もかなり 幅広いものがみられる(結婚の開始時期における男女の違いであろうか)。

図 F 6  回 答 者 の 子 の 年 齢 別 構 成

公務員

3 ・ 4 0

全男

四四

‑‑ 5  11  2 ‑448  (香法'91)

(6)

【仕事】 回答者の仕事別分布については(図 F7 参照)、「公務員」につ いては 100% 勤め人が選択されても良いのであるが、 88% を示す。同年代の

「 30・40 代の男性」では、約 8 割が勤め人、約 1 割が自営業、 3 % の者が

1  1 

自由業である。これに対し、「 3 0 ・ 4 0 代の女性」は約ーが勤め人、約一が無

4  3 

職、約 2 割がパートタイム、 1 割以上の者が自営業か家業を手伝って働く。

女性の方が仕事形態に関しては多様性を示していると言える。

図 F 7  回 答 者 の 仕 事 別 構 成

公務員

全男

図 F 8  回 答 者 の 年 収 別 構 成

公務員

全男

【家族の年収】 回答者の年収別分布については(図 F8 参照)、パターン としては、「全男性」、「 30・40 代の女性」が類似している。「30・40 代の男 性」では、 4 ‑ 5 0 0 万円が最も多く、次いで、 3 ‑ 4 0 0 万円、 5 ‑ 6 0 0 万円となり、

11-~2 ‑‑447 (香法'91)

(7)

1 0 0 0

万円を越える者も数パーセント見られる。「公務員」では、

5 0 0

万円前 後が過半数を占め、それ以上の者も約

2

割程度みられる。なお、

3 0 0

万円以 下は見られないが、

1 0 0 0

万円を越える者もみられない。

「公務員」のプロフィールとしては、

3 0

代、高学歴、既婚、子は

1

人ない し

2

人(就学前の)、親との同居率はかなり高く、収入は

4 ‑ 6 0 0

万円程度と 言うことになろうか。

30・40

代の男性」のプロフィールとしては、

4 0

代、大卒約

4

割、既婚、

核家族で人数は

5

人、親との同居もかなり高く、サラリーマンで、収入は

4 ‑ 5 0 0

万円程度と言うことになろうか。

3 0 ・ 4 0

代の女性」のプロフィールとしては、

3 0

代、高卒、既婚、核家族、

人数

5

人、子の年齢はまちまちで、型はともかく仕事をする者は過半数を 越え、家庭の収入は

5 ‑ ‑ 6 0 0

万円程度と言うことになろうか。

I I   女性労働に関する意識

1 働くことについてどう思いますか。】

ここでは働くことの意味を、生計の維持あるいは社会的役割の遂行のい ずれかに置き、肯定的か、あるいは否定的かをみる。どの男性群も過半数 が、とりわけ「

30・40

代の男性」では一以上のものが社会的役割を肯定し

ている。これに対して、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」では

40%

に満たず、生計維持の

図 1 労 働 観 一 肯 定 ・ 否 定 一

公務員

全男

7  ‑‑

l

冒'働くのは当然 甫睡やむをえず 璽必要だから 臨することがない 廂

I I I I I D

無効

) ‑ 8  

11‑‑2~445 (香法'91) 四

(8)

ためとする者が逆に過半数に近い。「公務員」が比較的男性群の中で生活維 持派の傾向を示しめいる

( 3 6 .3%)

。図

1

がポすように、「公務員」、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」については、どちらかというと生計維持派と言えようか。労 働観では、性差は著しいが、年齢差よりも、職業的な属性で異なるようだ。

「公務員」は他の男性群とは異なる労働観をもつことが読み取れよう。

【 2

どれがあなた自身の気持に近いものですか。】

ここでは、労働観の背後にある生活価値観をみるものである。枠組を自 己中心←→社.会中心と快楽←→禁欲0)2 軸で分析すると、 I 趣味型—③④、

II 正義型ー⑤、 III 利益・名誉型ー—①②、 IV奉仕型—⑥に分けられよう。

図 2

働 く の は な ぜ ( 自 身 の 気 持 ち )

0~

公務員

全男

2

が示すように、どの群とも

I

趣味型ー③④を選釈した者が圧倒的で ある。とりわけ、「公務員」にその傾向は顕著である。̲'.̲の回答者が趣味に'~

あった生活を選択し、のんきに暮らすは

10%

余りにすぎない。他の男性群 の選択では、多数派は

I

趣味型である。が、その率は

70%

を僅かに越える 四 に過ぎない。また、報告書の中で比較的趣味型を選択する傾向がみられる 女性のうち、「

30・40

代の女性」も

76%

をはるかに越えている。同性・同年 代の男性群の選択を比較するとき、 III 利益・名脊型—①②においても相違 をみせる。さらに、 IV奉仕型—⑥、 II 正義型——⑤も同様である。 III利益・

名誉型ー①②の選択率が最も高いのは「

30・40

代の男性」であった。この ことは社会常識から諾けようか。

11‑‑‑2・・・44S (香法'91)

(9)

3

収入のある仕事をする理由は何でしょうか。】

図 3 収 人 の あ る 仕 事 を す る 理 由

3 ・ 4 0

代 公務員

3 ・ 4 0

全男

100 

扇三]出舌費のため

[ l . l

嘩将来の生活安定 叶疇樹莉や経験を生かす 15.9111尉臨生きるしまり

皿]あたりまえ 翡.曇図のんびりは嫌い

臨その他 叩こ]理由はない

' 疇 無

3

がぷすように、性梵、年齢差がみられる。収人のある労働をする最 大の理由は、生活費のためで、「

: 3 0 ・ 4 0

代の女性」・「全男性」では

60%

、「公 務員」・「

30・40

代の男性」では

70%

である。「

: 1 0 ・ 4 0

代の女性」では、将来 の生活費を選択するン年が他の群のものより似jくなっている。男性諸群では、

「健康であれば仕事をするのはあたりまえ」とする詞答者はかなり多く、

年齢が上がるにつれてその傾向を窺わせる。「生きるはりがもてる」を選択 する回答者は、「

30・40

代の女↑生」、 1公務員」で

1

割を越える。なお、少数 ではあるが、どの群も「自分の技術や経験を生かしたい」を選択する回答 者が見られるのに対して、「公務員」では皆無であった。とりわけ「公務員」

の場合は、収人のある仕事をするのは、現

H

ijO)生活維持、[古]りからの弛制、

将来の生活、となっている。

4

収入のある仕事をしない理由は何でしょうか。】

公務員は当然この項目から除外される。フェイスシートで無職と阿答し た者は、「

30・40

代の男性」の

1 %

、「全男性」の

5.7%

、「

30・40

代の女性」

の35.7%である。したがって、現実性のある[口)答と想定質間としての回答 されたものが含まれている。ここでは性;庁が顕著にみられる。「 30•40代の 女性.」では、その

t

な事由として、家

' H

・育児など

( 2 2 .9%)

、以卜適当な

四 0

︐ 

11  2  444  (香法'91)

(10)

図 4 収 入 の あ る 仕 事 を し な い 理 由

全男

0% 

●体が不自由 睡が遺当な仕事がない

.匿働かなくてもよい 臨のんぴりしたい 皿〗家事や子・孫の世話

•四地域の世話 臨家族が反対

仁]その他

● とくに理由はない 匡 無 効

仕事がない、困らない、理由はないと続く(図 4 参照。)「 30•40代の男性」、

「全男性」では、困らない、適した仕事がない、体が不自由で、家事・育 児、地域の世話、家族の反対がごく少数ながらみられる。

【 5

あなたの月平均の収入はいくらですか。】

性差が著しく現われている

27.8%

もいる。

(図

5

参照)。「

30・40

代の女性」で無収入が このことは、仕事をもたない者が一いたことを考慮すれば

諾けよう。各群の平均値を出してみると、「

30・40

代の男性」約

3 2

万円、「全 男性」約

2 9

万円、「公務員」

2 7

万円、「

30・40

代の女性」

1 0

万円となる。「公 務員」 の場合

60%

を越えるものが

3 0

万円未満と答えている。 これに対し同

図 5 個 人 平 均 月 収 一 三

公務員

全男

11~2 ‑‑443 (香法'91) —- 10  ‑‑

(11)

年代の「

30・40

代の男性」では、

40%

余りで、

20%

を越えるものが3

0

万円 を越える収入を得ている。これは、「公務員」の構成が3

0

代を中心としてい ること、「30・40代の男性」は4

0

代を中心としていることなど年齢的要素を 考慮してみると諾けようか。

30・40

代の女性」については、現実の賃金格差(男女間の)が如実に反 映されたものと言えようか。

【 5‑S

そのおもな収入源】

月収の収入源として、就労による賃金がその主である。(図

5‑2

参照)。

とりわけ、「30・40代の男性」では約95%が、「公務員」でも

8

割が回答し ている。「全男性」では若干下がっているものの一の者が選択する。これに

対し「30・40代の女性」では約60%の選択である。無回答がきわめて多い のは、前述したように無職の者がテいることを合わせ考えれば諾けよう。

図 5‑s お も な 収 人 源

00 %  瓢 賃 盆

. 1 i   l f f f l l l

仕送り

公務員 11111111111111111111111111111111111111111111111111

璽 層

II

鳳 璽 』

81.l

鳳圏璽

1111111

1111

I

鳳 曇 凰 馳 . ー

5

裟祗錢 g

匿恩袷や年金臨貯金や株の配当 皿〗家賃・地代など 四国(生活保護など)

臨 無 効 全男

【 6

一般に女性が職業をもつことについて、あなたはどう思いますか。】

今日の社会で一般的にみられる性別役割分担構造枠組に基づく女性と職 業の関係を考える際、重要な要素として、結婚・こども(育児)があげら れる。女性のライフスタイルを職業、結婚・育児の

2

軸で枠組を構成する ことが可能であろう。ここでぱ性別役割分担の維持継続を肯定的・否定的

‑ 11  11 ‑ 2 442 (香法'91)

(12)

いずれに判断するかをみることができる。

1女性のライフスタイルと職業 結婚 育児期 就 ↓ 

 

職 業 継

性別役割分担の維持

゜ ゜

‑ ‑ -~

就業否定

ー•一う

  0

0  

女性が職業をもつことについては各群ともに

8

割以上が肯定している

( 図 6

参照)。つまり、まだ数パーセントの者が職業活動を肯定しないこと を示す。大多数は肯定的であるがその内訳は、

60%

L

が育児期の就労を 否定する。女性が継続的に職業活動をすることを肯定するのは、「公務員」

20.4%

「全男性」

19.5%

、「

30・40

代の男性

118.6%

1 3 0 • 4 0

代の女性」

17.6%

となってしヽる。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」 は

6

割が育児期の就労を否定する ものであるから、女性..自身、継続的に就労することについては否定的傾向 が強く、 また旧慣の性別役割に拘束されていることを窺わせる。「公務員」

は一部に旧慣の典型的思考をするものの、比較的にみて、現状からの認識 かどうかは不明であるが、女性に関する職業観が動き始めていることを窺 わせるものである。

図 6 女 性 と 戦 業

一 三 七

公務員

全男

11 

4'11  (香法'91) l'.2 

(13)

【 7

女性の就労に何を期待しますか。】

女性の就労は社会的にいかなるインパクトをもたらすか。それは、女性 自身のためか、社会的利益のためか。このような質間設定の背景には、ど こかに、基本的に女性労働が新たなる社会的役割を果たすと言う評価への 期待を反映するものであろうか。この点に関しては、フェミニズム的視点

に欠けたものではないかと反省する。

図 7 女 性 の 就 労 に 期 待 す る こ と

公務員

全男

女性の就労は圧倒的に女性自身の利益のためであると考えている。(図

7

参照)。社会的利益を評価するものは少なく、「公務員」の

6.8%

が一番高く、

3 0 ・ 4 0

代の女性」の

1 .7%

が最も低い。女性自身としては、社会的役割寄 与とは言い難いものであろうか。女性自身の利益の中で最も期待されるこ

とは、社会的な目を養うである。

4 5 ‑ ‑ ‑ 3 6 %

を推移する。次いで、能力を開 発するである。詞答者の一はそう考えている。とりわけ、注意を引くのは、

「公務員」の回答で、他の群に比して経済力については極めて低く、自己 実現についてはかなり高い率をポしている。このことは、女性労働の現実 に置かれている状況についての正確な認識が公務員にはあり、女性の就労 は経済的問題よりも他の所にあることを認知していることを示すものであ ろうか。

l:l  11  2  440  (香法'91)

/¥ 

(14)

【 8

女性の就労の機会は昭和3

0

年以降、著しく拡大しています。以下の 質問に、

8‑1

お答え下さい。】

女性に適した業種について】

ここでも性差が顕著に現われている (図

8‑1

参照)。「

30・40

代の女性」

46%

があらゆる分野を選択するが、男性群では、それより

10%

は少なく、

反対に、第

3

次産業を約

6

割の者が選択するる。「公務員」の選択では

1 • 2

次産業を選択する回答者がみられない。

図 8‑1  女 性 に 適 し た 業 種

公務員

全男

【 8‑ 2 

女性に適した職種について】

ここでば性差と、職業的属性による差異がみられる(図

8 2

参照)。「

3 0 ・

図 8‑2 女 性 に 適 し た 職 種 一 三

公務員

3t~

~

↓ 

  . o

5 1 . 5  

全男

3 6 . 4  

5研る

咋 匹 醤 饂 暉 記 品

認 雪 亘 疇 翌 雲 謡 痒 画

~且渭項

11‑‑2 ‑439 (香法'91) 14~-

(15)

4 0

代の女性」の過半数の者があらゆる職種の可能性を認めているのに対し、

男性群では、

40‑36%

を示すにとどまる。事務職については、「

3 0 ・ 4 0

代の 女性」 の

22%

に対し、男性群では、

36‑30%

を示す。かなり固定的に考え ていることが窺える。「公務員」を除く各群とも数値的相違があるものの、

どの職種についてもその可能性が認められているが、「公務員」では、企画

製造職についてはまったく選択されていない。 このことは、「公務員」は 女性の就労について柔軟ではあるが、 その中味については旧態依然とした 様相を示すものであろうか。 それとも、具体的に女性の能力を評価する機 会に恵まれていない結果であろうか。

【 8‑3

女性に適した就労のパターンについて】

ここでは前二者ほど性差はみられない。職業的属性による若干の差異が みられる(図

8‑3

参照)。「公務員」の在宅勤務選択は他の群に比してはる かに高く、反面、他の男性群に比してフルタイムの選択率が低く、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」 のそれよりも低くなっている。

「公務員」は比較的女性の就労に関しては前向きであるが、 しかしその就 労形態を問うとき、女性の性別役割分担における役割優先が前面に出た回 答をしているのであろうか。

図 8‑3

女 性 に 適 し た 就 労 の パ タ ー ン

3 ・ 4 0

代 公務員 女

3 ・ 4 0

全男

一三 四

5 0   7 5   1 0 0  

絹稔裟裟裟裟急裔裟裟裟裟囀冒雰占イム

i 恥 :-:•:•:•:•:•:•

凶:•:•:•:•'·'·'·'•:•:•:•:•:•:•:•···'·洞 匿 在 宅 勤 務

2  2 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・   ⑱  . ̲ 8 : ・ : ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ .  

. • : • : • : • : • : • : ' . : ' . : • : ' . : • : - : • : • : • . .  _ . : : • : • : • : - : : : ·

摩裟裔測翠内醸

― ― 「 ‑ I,

湖 . 2 . i. 

•,•,•···

:: : : : :  侶

パ・

:: ・ ・ ・ ・ ・ :: :  ・ ・ 兄 ・ 5 ' 5 ・ . ' 3 : . ・ . ・ ・ 悶 ・ : ・ 悶 ・ : ・ ・ 悶 ・ : ・ 閤 ・ : ・ ' ・ ・ : ・ ' : ・ ・ ' ・ ' ・ '

::::•2.8 四問わなし‘

I I I I I D

自営

ベ!t,:•:•:•:•:·:•:•:•:·:•:·:·:•:•,•,•,•:•:•:•:·:·:·:•:•:•:•: ・;•:

d 冒襦鯰裟裟裟!‑‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ ‑ -~- : 

臨 無 効

~15   11 ‑‑‑2 ‑‑438 (香法'91)

(16)

【 9

以下の質問についてどう思いますか。】

•.•••••••

1 2 3 4 5 6 7 8 9  

女性は管理職に向かない。

女性の就労期間は短ければ短いほどよい。

女性に派遣労働は適している。

女性に生理休暇は必要ない。

女性に重要な仕事は任せられない。

女性には男女別の研修を受けさせる。

女性は職場の華である。

女性は新しい戦力である。

女性の就労期間は長ければ長いほどよい。

1 0 .  

女性には高学歴は必要でない。

1 1 .  

女性に対する『性的嫌がらせ』が職場でみられる。

1 2 .  

女性には再雇用制度が有効である。

A. 

C. 

まったく同感する。

あまり同感しない。

B. 

D. 

ある程度同感する。

まったく同感しない。

以下各回答群の女性労働に関する認識を順次みてみよう。

30・40

代の男性」

「全男性」

両者は極めて類似した選択パターンがみられる(図

9‑1

、図

9‑4

参照)。

このことは年齢差はさほどみられないということであろうか。「全男性」の 方の無効率が増加している点に、一つの年齢差を読みとることになろうか。

これら二つの男性群では、⑦職場の華、⑧新しい戦力、⑫再雇用制の有効 性について、回答者の過半数以上がそれぞれ同感し、⑪性的嫌がらせは

7

割以上の者がみられないといい、⑨長期就労は

7

割の者が否定する。⑤重 要な仕事は任せられないについては、一の回答者が肯定している。①管理

職に向かないでは、約半数の回答者が肯定する。

「公務員」

11‑‑2 ‑437 (香法'91) ‑ 16 -~

(17)

図 9‑1 

図 8‑2

1 0 0   圃 賎 脳

国 雌

g

璽柑随

g

7 5  

30・40 代 の 男 性 の 女 性 労 働 観

2 5  

2 1

就労期間は短いほどよい管理聡に向かない

3

派遣労働に適している

4

生理休暇は必要ない

5

菫要な仕事は任せられない 6男女別の研錢を

7馳場の華である

8

新しい戟力である

9

就労期間は長いほどよい

1 0

恵学歴は必要でない

1 1   r

性的嫌がらせ」がみられる 12再扇用制度が有効である

公 務 員 の 女 性 労 働 観

5 0   2 5  

2 1

管理聴に向かない就労期間は短いほどよい

3

派遺労働に適している

4

生理休暇は必要ない

5

亘要な仕事は任せられない 6男女別の研餞を

7

聴場の蚕である

8

新しい耽力である 9就労期間は長いほどよい

1 0

高学歴は必要でない

1 1

『性拘嫌がらせ」がみられる 12再雇用制度が有効である

先の二つの男性群とは若干異なるパターンがみられる (図

9‑ ‑2

参照)。

⑦⑧⑫については

6

割以上の同感があるうえ、②就労は短期を

6

割の者が、

⑤軍要な仕事は任せられないについては、

5

割以上の者が肯定する。

8

割 以上の者が、⑨長期就労を否定し、⑩高学歴は必要でないことはないと回 答し、⑪性的嫌がらせは見られないと言う。 さらに、④生理休暇について 17  I  2 ‑436  (香法'91)

~

(18)

は、必要なくはないとする。ただ、ーが管理職に向かないと言い、就労も

1  3 

短期を選択することから、女性労働についてはかなりの消極的な認識が読 み取れるのではなかろうか。

30・40

代の女性」

⑧新しい戦力

7

割以上、⑫再雇用制

8

割以上が肯定する。⑪性的嫌がら せについては、男性群の

2

倍以上の回答率で肯定している(図

9 3

参照)。

図 9‑3  30・40 代 の 女 性 の 女 性 労 働 観

1 0 0  

圃閥 国用積

5 0   2 5  

2 l

管理蘊に向かない就労期間は短いほどよい 3派遺労働に適している

4

生理休暇は必要ない

5

亘要な仕事は任せられない

6

男女別の研錢を

?臓場の華である

8

新しい軌力である

9

就労期間は長いほどよい ]O高学歴は必要でない

11「性的嫌がらせ』がみられる

12再雇用制度か有効である

図 9‑4 全 男 性 の 女 性 労 働 観

1 0 0  

冒賜 ー ・ ・

開湘閲 匿柑随

g

11・2  43:J (香法'91)

5 0   2 5  

18 

01~ 這に向かない

2

就労期同は短いほどよい

3

派遺労働に適している

4

生理休暇は必要ない

5

重要な仕事は任せられない

6

男女別の研修を

7

聴場の葦である

8

新しい勧力である

9

就労期間は長いほどよい

1 0

憑学歴は必要でない

11『性的婿がらせ』かみられる

12再雇用制度が有効である

(19)

このことは、まさに性差を現わすものである。男社会での男の判断では否 定されるものも、公正にみれば、むしろ被害者サイドから見れば嫌がらせ そのものであることが認知されていないと言うことであろうか。①管理職 に向かないについては、女性自身判断が拮抗しているようだ。このことは、

旧価値観体系の評価観と新しい考え方とがあることを意味するのか、それ とも、能力を評価してなのか、興味深い。②⑨はまった<矛盾する質間で ある。②短期就労を否定するもの、過半数、⑨長期就労を否定するもの、

凸以上である。これらのことは、女性自身が、性的役割にかなり拘束され

るのものを示すものであろうか。

【 1 0

所定内就労時間の短縮が叫ばれています。あなたはどの理由を支持 しますか。】

日本人の働き過ぎが間題とされ、固定的性別役割分担の解体の動きの中 で、いかなる事由が選択されるであろうか。ここでは、性差、年齢差、職 業的属性による差異をみることができる(図

1 0

参照)。「

30・40

代の男性」

では、

1  •

に自己再生産

(40・1%)

2

3

が家庭責任・地域社会での活 動との調和 (14•8%) 、「公務員」では、 1

に自己再生産(実に過半数)、

2  . 

に地域社会での活動

(25%)

3. 

に家庭責任

(11%)

、「全男性」では、

1  . 

に自己再生産

(33%)

2 .

に家庭責任

( 1 8.5%)

3. 

に地域社会で

図 10  所 定 内 就 労 時 間 の 短 縮 事 由

公務員

全男

19  11  .  2  4. 34  (香法'91)

(20)

の活動

( 1 4 .8%)

、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」では、

I .  

に家庭責任

( 3 5 .1%)

2. 

に自己再生産

(23.8%)

3 .

に地域社会での活動

(19.4%)

、上位の事由 は同じであるが、選択率にそれぞれの属性の特徴を現わしている。外圧・

日本経済の余裕と言った事由よりもより各群の生活環境に密着した事由が 選択されている。

【 11‑1 

職薬継続を可能にするため、どれが最も必要と思いますか。育 児期の場合】

すでにみたように、女性の職業活動は肯定され、一方で性別役割分担の 育児・家事の仕事が固定的に委ねられている今日、さらなる改善はどこに 求められようか。ここでは、各群による差異を明白にみることはできない

(図

1 1

 

1

参照)。各群ともに、おおむね過半数が母親の育児休業を選択し ている。ついで、親の選択的休業制度か保育施設の充実を選択する。ただ、

興味深いことは、「公務員」の親の選択的休業制度選択が

25%

あることであ る。前述の選択の仕方からすれば、まさに性別役割分担構造にのる選択に ほかならないが、この

25%

は育児の共業が志向されるものであるから、一 つのウェーブをみることができる。

公務員

全 男

図 1 1  ‑1

職 業 継 続 に 最 も 必 要 な も の

ー 育 児 期 の 場 合 一

11 ‑2~433 (香法'91) 2 

(21)

【 11‑2 

高齢期の場合】

高齢化社会の進行する今日、育児問題のみならず、老親・高齢者看護は 大きな社会問題である。被看護者を抱えるとき、誰が看護を担当するか、

介護者その者の生活に大きな影響をもたらす。介護について、どの様な対 応が望まれるかである。

ここでも、各群による相違はさほど明白ではない(図

1 1 ‑2

参照)。むし ろ特性がみられないと言えようか。介護施設、休業制度、介護補助制度は 程度の差こそあれ各群同様にかなりの率で選択されている。ここで興味深 いことは、経済力に乏しいと言われる女性が看護手当の経済的補助を選択 していることである。「公務員」の場合、現に就労中であることから、休業 制度への関心が高いことが読み取れる。

公務員

全男

図 1 1  ‑2 職 業 継 続 に 最 も 必 要 な も の 一 高 齢 期 の 場 合 一

I I I   高齢化社会に関する意識

【 1 2

あなたは「老い」についてどのようなイメージをお持ちですか。】

1 2

が示すように、どの群においても回答者の多数イメージは、おとろ え

(44‑37%)

、ついでーが選択するあたりまえと続く。「

1  3 0 ・ 4 0

代の男性」

「全男性」、「

30・40

代の女性」では、経験ゆたかの好意的イメージが約

2

割近く占めているのに対して、「公務員」では

6%

程度で、

10%

以上も違う。

21  11  2  4:Q (香法'91)

} ¥  

(22)

図 12 

「 老 い 」 の イ メ ー ジ

1 0 0  

1

ふl~-1 麟経験ゆたか

r J   I B D

長老

咲 匿

1

あたりまえ 'l~O 臨たそがれ

m →  l

おとろえ

3 . 1 . J . 8

区やっかい 尖 臨 そ の 他 全男

)涌睡面匪匪讐瓢.濯鵬記1111111111111111耐lllllllllllllllfa~

亡]無効

また、やっかいの選択についても他の群に比して高くなっている。このこ とは、公務員は「老い」についてあまりいいイメージをもたないことを示 すものであろうか。なお、性差、年齢差はほとんど見られない。

【 1 3

楢山節考(姥捨てやま)についてどう思いますか。】

ここでは、老人間題を考えるとき、倫理観、現実認識の状況を過去の事 例に重ねて呼ねる。図

1 3

が示すように、属性の違いが選択の相違をやや示 している。「公務員」では、まった<否定されることであるとする者も

l

越えるが、今日の社会でも考えられると答えたものが

4

割もいる。また、

今 日 の 社 会 で は 考 え ら れ な い と す る 者 は

16%

と他男性群の半数以下であ る。このことは、現実の社会環境の中で老人問題が深刻な状況を引き起こ すであろうことを予測しているものであろうか。「

30・40

代の男性」、「全男

図 13  楢 山 節 考 ( 姥 捨 て や ま ) に つ い て

公務員

全男

11 ‑ 2 ‑431  (香法'91) 22  ‑

(23)

性」ではほとんど差異がみられない。つまり年齢差はないと言うことであ ろう。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」では、一以

1  LO)

者が今日の社会でも考えられると

3  1 

し、まった<否定されること、今日では考えられないが各ーを示す。これ

らのことは、老人間題が女性間題といわれ、老人扶養・介護問題を現実に 抱える機会の多いことや、関心の高さが顕わされたものと言えようか。

【 14‑1 

あなたは何歳からを老人と呼びますか。】

平均寿命が伸びるにつれ、人生の区分の仕方について変化が生じてくる かと思われる。いわゆる老年期を向えたと思われる人々は何歳から「老人」

といわれ、区分けされるのであろうか。図

1 4 ‑1

が示すように、ここでは属 性による差異はほとんどみられない。わずかに、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」の選択 率が他の群に比して偏りを見せるものの、パターン的には違いはないとい える。どの群も

7 0

歳以上を選択するものが多い

(53‑35%)

。したがって、

6 5

歳以上とする者は

8‑ ‑9

割である。男性群では、

70・65

の区切りについ て

10%

程度の相違であるが、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」の選択では大幅に異なって おり、過半数の者が

7 0

歳を越えると「老人である」という意識を持つよう である。少なくとも、

6 0

歳末満の者に対しては老人と思わないようである。

その意味で、

6 0

代は老年期の始まりと意識されているのであろうか。

図 14  ‑1 

何 歳 か ら 老 人

I. 

/¥ 

J

ッ ] 11・2 .  430 . (香法'91)

(24)

14‑2 

あなたの向老期対策は?】

ここでば性差、年齢差をみることができる(図

1 4 ‑ ‑2)

。すなわち、

3 0 ・ 4 0

代の男女(公務員を含めて)は、

1

割程度の者が向老期対策をしている

だけで、するつもり、まだと回答する者が

7‑ ‑ ‑8

割を占めている。しかも、

30・40

代の女性」では、積極派と消極派が半々であるのに対して、男性 群では消極派が多数を示している。「全男性」では、当事者らしき

6 0

代が

16%

含まれているが、このことは、しているの選択率を押し上げることになる。

おもしろいのは、どの群も

6 0

歳になったら始めるが

2 %

台を示しているこ とである。このことは、前述の老人に成り始める頃に少数ながらその対策 を講じるつもりの者がいることを示している。

図 14  ‑2  向 老 期 対 策

公務員冒 . 9

3 ・ 4 0

代 全男

【 1 5

あなたは老後における生きがいを何に求めますか。】

ここでは図

1 5

が示すように、「公務員」がやや異なった選択をしている。

すなわち、どの群も趣味・娯楽を圧倒的多数で選択するが、特に「公務員」

は9—に近い者が選択している。これは労働観の設間での選択と基本的に一

致するものである。次いで、「

30・40

代の男性」、「全男性」、「

30・40

代の女 性」では、家族との団らんがあがる (1割以上)。「公務員」では、第 2位 にとくにないがあがっている。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」では、友達、信仰があが

り、「全男性」では仕事をあげている。

11  ‑2 ‑‑429 (香法'91) 24 

(25)

図 15  老 後 の 生 き が い

I

‑ 9

‑ n

̲

A

OE u

ー は L " L ︑ ' 9 ‑ r .

9 " r

4 0

4 0

取 頌 如 鐸

2 5 ‑ 5 0 ‑ 如

5 7 . 3  

5

'  

楽 団 付 い

猛 芦

翡 翌

賛 虹

%‑畢疇臨ニ四臨

D 疇

ヽ 一 胃

. 

︒︒

【 16‑1

老後を一緒に生活したい人】

1 6 ‑1

が示すように、

t

生差、属性差をみる。「公務員」の

9

割は配偶者 とあるいは一人で蒋らしたいとしている。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」は夫と暮らし たい(一)が圧倒的で、ついで子の家族3 

(13.3%)

と、あるいは一人

( 5 .8%) 

を選択する。「

3 0 ・ 4 0

代の男性」、「全男性」は同様な選択をするが、ただ一 人暮らしの選択率が異なる。

1

割程度のものは子の家族との生活を期待していることが窺える。とり わけ、女性にその傾向がみられる。また、少数であるが、一人暮らしを志 向するものがいる。このことは、われわれの社会における高齢者生活サポー

トシステムの充実を促すことになろう。

図 16  ‑1  誰 と 老 後 を 一 緒 に 生 活 し た い か

公務員

全男

11 ‑ 2 ‑‑428 (香法'91)

(26)

~

【 16‑2 

老後暮らしたいところ】

1 6 ‑2

がポすように、性差、属性差を現わす。「公務員」 では、第

1

位 にふるさとが過半数を越え、

さほどの違いはみられない。

3

位は保養所、 なじみのー上地でその間に これに対して、他の男性群は、

1 、 2

位はな じみの土地、ふるさととなり、 その間に約

10%

の開きがあり、

3

位以下の 選択とはかなり隔たりがみられる。「 30•40代の女性」 では、第

1

位は

6

割 を越える者がなじみの土地であり、

2

位ふるさと (1:3%)  とは格段の違い を示す。 このことは、女性が旧慣のもとでふるさとと無緑であり、新しい 土地になじみ生活してゆくことがならいとなっていたことを反映している ものと思われ、男性はともかく

『家

l を嗣ぐ意識が濃財に作用しているも のと思われる。 とりわけ、「公務員」のふるさと選択は、韮本的に地元志向 の結果、公務員という職業を選択したものが多くみられる地域社会では当 然の結果であろうか。 なお、興味深いのは、 どの群も保殺所の選択が

10%

程度であるが、「公務員」ではそれらの

2

倍の率をぷしていることである。

この点は、「公務員」の仕:.活屯視派の価値観の反映と読むことができようか。

図 16  ‑2  ど こ で 老 後 を 葬 ら し た い か

公務員

全男

【 1 7

あなたが考える高齢者の必要生活贄

( 1 人 ・ 1

カ月)はいくらでしょ うか。】

ここでは属性による差異はみられない。図

1 7

が示すように、

9

割以上の 回答者が

30h

円以内とする。 とりわけ、 20万円とする者は「公務員」では 11  2 ‑‑427 (香法'91) 26 

(27)

図 17  老 後 の 必 要 生 活 費 (1 カ月)

5

︱ 

7

︱ 

公務員

全男

70%

、他の群でも約

6

0)者が同様に号えている。年収の状況から判断す るとき、高い金額が示されていると窺えるが、その理由については不明で ある。

【 1 8

あなたは、自分の老後の生活費を、おもにどのようにまかないます か。】

図 1 8

が示すように、性差、属性差を顕著に現わしている。「30・40代の男 性」「全男性」では率に若干の相違がみられるものの、パターンとしては極

めて類似している。その意味で年齢差はないといえようか。「公務員」は

3  i

以上の者が年金と回答し、約 1割の者が賃金、預貯金と答え、 1割以上の 者がわからないという。公務員の場合定年制がはっきりしており、民間企 業に比してさほど高い賃金が支払われているわけではないから、老後に備

図 18 老 後 の 生 活 費 保 障

3 ・ 4 0

代 公務員 14. 

全男

i/ 

ヴ ︼ 11・2  426 (香法'91)

(28)

えての預貯金は現実に難しく、どうしても年金に頼らざるを得ないとする 傾向はよく判る。現実を反映した回答であると思われる。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」

は、

1 .  

に年金、

2. 

に配偶者、

3 .

に賃金選択しており、他の群に比し てわからないとするものも多い。この点は、経済力の乏しい女性が多いこ との結果を反映するものであろう。先の質問

1 7

に対しかなり高額を答えた ものの、その財源としては、かなり厳しいものが窺える。とりわけ、「公務 員」の場合、年金に頼るわけであるから、今後の年金政策には相当の関心 が向けられるのであろうか。

【 1 9

高齢者対策として何を望みますか。】

ここでは一般論として、望まれる高齢者対策について尋ねる。準備され た回答は、①直接生活に拘る経済的施策、②生活維持を扶助する社会福祉 的施策、③福利厚生施策の三タイプに分けられよう。図

1 9

が示すように、

「公務員」、「

30・40

代の女性」の選択パターンに違いをみる。どの群もま ず①経済施策を

6

割以上の者が選択している。しかし、②社会福祉施策③ 福利厚生施策の選択については、「公務員」・「

30・40

代の女性」と「

30・40

代の男性」・「全男性」とに分けられる。前者は生活に大きく拘る福祉関連

の施策を

2

割以上の者が望むのに対して、後者ではそれより福利厚生関連 の方を望む。このことは男性の方が高齢になったときに起こるであろう問 題を認知していないことを窺わせるものといえようか。その点「公務員」

図 18 高 齢 者 対 策 と し て は 何 を

公務員

全男

11‑ 2 -~42.5 (香法'91) ―‑28  ‑

(29)

は仕事を通じてわが国の現状・将来の問題認識があり、そのことが具体的 選択の上に反映されたものと推察できようか。「

3 0 ・ 4 0

代の男性」「全男性」

は類似の選択をしているので、年齢差を読むことはできない。「公務員」は 前問でその主源を年金と回答している。が、望まれる対策としては

4

割に 過ぎず、これはどの群よりも低い。反対に、他の男性群は過半数以上が選 択する。また、就労の場確保についても「公務員」では

2 2 .7%

の者が選択 し、他に比して高い。これらのことは、「公務員」の意識の中で将来年金に 期待できず、むしろ、就労の場の必要性が認識されていることを意味する

ものであろうか。

【 2 0

寝たきり老人を介護するのは誰でしょうか。】

具体的に介護を要する高齢者を抱えたときどの様にするのであろうか。

性差、属性差が顕著にみられる(図

2 0

参照)。男性群では、配偶者選択が

4

~3 割を越える。「 30·40代の男性」、「全男性」では、こどもたち全員、他 人・施設と半減してゆく。「公務員」では、他人・施設がこどもたち全員よ

りも多く選択されている。また、娘はまったく当てにされていないが、嫁 は

1

割以上の者が当てにしている。これに対して、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」では、

まず、こども全員が 3割以上で、ついで配偶者 2割、その後に嫁、他人・

施設、娘と続く。男は当然妻を期待するが、女は夫にはそれほど期待でき

図 20  誰 が 寝 た き り 老 人 を 介 護 す る か

公務員

全男

i

も他 達の 子 ど の 配 息 妓 娘 こ そ 家 わ

立 璽 冒 冒 属

D ‑

1

は雙 直 }H

帽 項

A

29  ‑‑ 11 ‑2 ‑‑424 (香法'91)

(30)

ないということであろうか。また、「 30•40代の女性l の子に対する期待度 は女性問題の根深さを見せられたようである。

【 21‑1 

あなたには

2 0

歳を越えた大学生の子がいます。別居中の老親(配 偶者の)が生活の面倒を要求してきた場合、どうしますか。】

【 21‑2 

あなたには

2 0

歳を越えた大学生の子がいます。別居中の老親(自 分自身の)が生活の面倒を要求してきた場合、どうしますか。】

私的扶助としての親族間における扶養は公的扶助の社会保障と密接に関 係する。とりわけ、そのコストを問題とする社会においては親族扶養に期 待するむきもみられようが、今日のわが

t l :

会にあっては、法的な扶養義務 には民法の扶養法の枠が定められている。そこでは、法律における扶養義 務と日常われわれの扶養義務感覚との間に違いがみられるのであろうか。

高齢化社会ということで、さらに老親に対する扶養などが頻繁に間題化す ることが考えられよう。

ところで、老親扶養をしなくてはならないような場合、自分自身の親と 配偶者の親とでその受け止め方が異なるだろうか、また義務観に多少でも 差異があるのであろうか。夫婦の場合、その経済関係は一体化して処理さ れていることが多い(共有財産関係として)。婚姻継続中の夫婦に老親扶養 問題が生じた際、各配偶者が個別に対応するとは考えられない。夫婦で対 応することになるであろうから、その決定に影響を与える夫婦各自の扶養 についての意識を探ることは重要な事項といえよう。また、対象の如何で 結論が異なるかどうか典味深い問題でもある。

2 1 ‑1

がポすように、性差が顕著に表れている。「公務員」、「

30・40

代 の男性」、「全男性」の男性群は、自分の親と妻の親とではその扶養につい ての義務観が明らかに異なるようだ。自身の親の場合、過半数以七の者が ともかく引き取り扶養をすると日答しているのに対し

( 5 3 ' " ' ‑ ' 6 1

%)、妻の親 となると引き取り扶捉は

4

割程度になり、余裕があれば扶投するとするも 11  2  42] (香法'91) ]() 

(31)

図 2 1  ‑1 

配 偶 者 の 親 と 自 身 の 親 に 対 す る 扶 養 観

公務員 公自身

3 ・ 4 0

3

・自身

全男

3 ・ 4 0

2 5   5 0  

のが

4

割近くなり、両者は拮抗する。とりわけ、「公務員」の自身の親に対 する扶養義務観はかなり強い。すなわち、余裕があればを選択したのは

2

割で、他はともかく何等かな形で、引き取り、移転、借金などして扶養の 実現を図る意向がみられる。妻の親については、

6

割くらいの者にともか く何等かな形で扶費の実現を図る意回がみられるが、公的扶助を選択した 者もみられた。ちなみに、自身の親では公的扶助は選択されていない。「30

・ 4 0

代の女性」では、陥本的に両者に対する扶養義務観はことならないと言

えようか。むしろ、自身の親に対しては扶蓑を締めている向きが窺われる。

すなわち、夫の親の場合、引き取り扶養派は余裕派より多いが、自身の親 の場合、引き取り扶養派は余裕派より少なくなっている。これらのことは 婚姻家族関係が依然として夫を中心とした関係にあることを窺わせるもの であろう。

【 21‑3 

あなたには

2 0

歳を越えた大学生の子がいます。成人した子が生 活の面倒を要求してきた場合、どうしますか。】

ここでは親の扶餐義務を間題にするものではなく、今日の親と子の非常 に接近した関係の中にあって、親は韮本的にどの様に考えているか、意識

: n  

11  ...  "122  (香法'91)

} ¥  

(32)

図 2 1  ‑2  成 人 し た 子 と 親 族 に 対 す る 扶 投 観

2 5   5 0  

7 5 }  

皿%

疇引き酎り扶養

L J

・璽借金をしても

J  

睡目移転扶養

田区でぎるときは援助

・m I I I l I I l

公的な扶助

内臨→

他の親族J)しない

D

わからない .  無効

を探ることがその意図である。

2 1 ‑2

から判るように、性差、年齢差はみられない。ただ「公務員」が 他の群に比してしないと回答するものが多いことである。常識的意識とし ては、「公務員」群の選択であると思われるが、ここ高松の傾向としては、

子との関係が非常に密であるよう見れる。その意味で「

30・40

代の男性」

「全男性」の

1

割以上のものが引き取り扶養をすると言ってもさほど奇異 に感じられない。

【 21‑4 

あなたには兄弟姉妹あるいは、叔父叔母

(3

親等の親族)がい ます。彼らが生活の面倒を要求してきた場合、どうしますか。】

私的扶養と公的扶助制度が交錯するなかで、具体的に被扶養者を抱えた 場合どの様な選択をするのであろうか。私法的義務としての認識の程度は 七 どうであろうか。

2 1 ‑2

から判るように、属性差および性差は微かにみられると言えよ う。ここでは、半数のものが余裕があれば扶養するとし、他の親族、公的 扶助に期待する。また、しないと回答するものが「

3 0 ・ 4 0

代の男性」、「

3 0 ・

4 0

代の女性」で

1

割を越えている。しかし、とくに「公務員」では

4 %

、 11‑2 ‑‑‑‑421  (香法'91) ‑ 32 

(33)

「全男性」では

7 %

となっている。「

3 0 ・ 4 0

代の女性」の数値については女 性のこれまでの状況を考慮に入れるとき諾けるが、「

3 0 ・ 4 0

代の男性」につ いては検討を要する事項であろうか。「

3 0 ・ 4 0

代の男性」、「全男性」では引 き取り扶養を考えているものが、「公務員」、「

3 0 ・ 4 0

代の女性」に比して高 い。このことは男系家族主義の名残であろうか。

親族間扶養問題をめぐるとき、背景に公的扶助が意識されるのはやはり 親族関係が希薄な場合と言うことになろうか。親族関係の濃淡は扶養をめ

ぐる義務意識の上にかなり影響していると言えようか。

【 2 2

あなたが持っている不安は何でしょうか。】

2 2

が示すように、年齢差、性差などがわずかだがみられる。どの群も、

まず不安に思うことは、健康についてである。とりわけ、「公務員」では約

1  1 

半数の者が、他の群では一から一の回答者が不安に思っている。ついで、

3  4 

「公務員」を除く他の群は老後を不安に思う。「公務員」は老後よりもこど ものことがあがる。これはこの群が比較的若いということに起因するかも しれない。「

3 0 ・ 4 0

代の男性」、「全男性」では

3

番目に自分自身のことをあ げる。前者では仕事などの社会的面での活動に関して不安に感じることが 多いであろうし、後者では老齢期が近づいている年代を含むわけであるか ら、将来のことを不安に感じることは容易に推察できよう。「

3 0 ・ 4 0

代の女 性」では、自分のことよりこどものことがあがる。また、他の群に比して、

図 2 2  あ な た の 不 安

公務員

全男

-~33~

1 0 0  

9(; 

~-子ども、孫のこと

睡 i

自分自身の将来

・ ・ ・ ・ 1

璽老扱の生舌 麿 経 済

ぷ皿〗事故、災害

四配偶者のこと 竪 鑓 康

U I

亡]無効

11‑‑2 ‑420 (香法'91)

参照

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