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平成27年 衆議院の動き 第23号

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(1)

衆 議 院 の 動 き

第23号

第 189 回国会(常 会)

(2)

平成27年

衆 議 院 の 動 き

第23号

第189回国会(常 会)

(平成27. 1.26~ 9.27 245日間)

衆議院事務局

(3)

衆議院議長

平成 27 年4月、私は各会派のご推挙により、第 76 代衆議院議長に就任いたしま

した。誠に光栄に存じますとともに、その職責の重大さを痛感いたしております。

憲政に貢献された歴代議長の思いを引き継ぎ、議会制民主政治の本旨にのっとり、

議院の公正円満な運営に全力を傾け、本院が国民の期待と信頼に応えるべく最善の

努力を致す所存であります。

平成27年の国会では、平和安全法制のほか、東日本大震災からの復旧・復興、デ

フレからの脱却や経済再生、雇用対策問題、農協等改革、電力システム改革、地方

創生、憲法問題、地球温暖化対策その他の多種多様にわたる重要問題について真摯

に議論を行い、解決に向けて取り組んでまいりました。今後も、国会は、国権の最

高機関であり唯一の立法機関として、我が国を取り巻く内外の諸課題に対処しなけ

ればなりません。

さて、戦後70年の節目の年であった平成27年に続く本年は、戦争の惨禍を経て現

在の我が国の平和と繁栄への礎となった日本国憲法が公布されて70年となります。

また、地球温暖化対策や、増大する難民・移民への対応等、現代は、国境を越えて

対応に当たらなければならない事案が増加しております。このような時代にあって、

国民の皆さまから選挙を通じて選ばれた私たち議員は、真摯な議論を通じ、責任を

持ってこの国を正しい方向に導くために、

「開かれた」

「わかりやすい」国会を目指

しています。

この「衆議院の動き」は、平成27年の国会の主な動き、本会議の概況、委員会等

の概況、衆議院選挙制度改革の動きなどについて取りまとめたものです。本誌を通

じて、衆議院を始め国会の活動に理解を深めていただければ幸いです。今後も、国

民に「開かれた」「わかりやすい」国会を目指して情報を提供してまいります。皆

さまの忌憚のないご意見をお寄せください。

(4)

目 次

「開かれた」「わかりやすい」国会を目指して

~ ··· 大島理森衆議院議長

第1 平成27年の国会の動き

1 国会の召集及び会期 ··· 1

2 国会の主な動き ··· 1

(1) 概況 ··· 1

(2) 税制改正関係 ··· 8

(3) 雇用対策関係 ··· 11

(4) 農協等改革関係 ··· 15

(5) エネルギーシステム改革関係 ··· 19

(6) 平和安全法制関係 ··· 22

(7) 選挙制度関係 ··· 28

3 国政選挙結果 ··· 32

(1) 平成27年4月統一補欠選挙 ··· 32

(2) 平成27年10月統一補欠選挙 ··· 32

第2 本会議の概況

【第189回国会】

1 議長の選挙 ··· 33

2 国務大臣の演説及び質疑 ··· 34

(1) 安倍内閣総理大臣の施政方針演説 ··· 34

(2) 岸田外務大臣の外交演説 ··· 42

(3) 麻生財務大臣の財政演説 ··· 46

(4) 甘利経済財政政策担当大臣の経済演説 ··· 48

(5) 国務大臣の演説に対する質疑要旨 ··· 50

3 主な議案等の経過 ··· 61

4 決議 ··· 68

第3 委員会等の概況

・委員名簿 ・議案審査等 ・国政調査 ・閉会中審査 ・決議 ・小委員会 ・分科会 ・公聴会 ・連合審査会 ・合同審査会 ・公述人 ・参考人 ・意見陳述者 ・委員派遣 ・視察 ・議員海外派遣

1 内閣委員会 ··· 69

2 総務委員会 ··· 77

3 法務委員会 ··· 90

4 外務委員会 ··· 99

5 財務金融委員会 ··· 108

6 文部科学委員会 ··· 114

7 厚生労働委員会 ··· 122

8 農林水産委員会 ··· 132

9 経済産業委員会 ··· 143

(5)

13 国家基本政策委員会 ··· 170

14 予算委員会 ··· 173

15 決算行政監視委員会 ··· 186

16 議院運営委員会 ··· 193

17 懲罰委員会 ··· 197

18 災害対策特別委員会 ··· 198

19 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 ··· 201

20 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 ··· 207

21 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 ··· 209

22 消費者問題に関する特別委員会 ··· 211

23 科学技術・イノベーション推進特別委員会 ··· 213

24 東日本大震災復興特別委員会 ··· 215

25 原子力問題調査特別委員会 ··· 218

26 地方創生に関する特別委員会 ··· 220

27 我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会 ··· 224

28 政治倫理審査会 ··· 232

第4 憲法審査会 ··· 233

第5 情報監視審査会 ··· 237

第6 請願等

1 請願審議の概況等 ··· 239

2 採択された請願の概要 ··· 240

第7 予備的調査

1 予備的調査制度の概要 ··· 241

2 平成27年における予備的調査の概要等 ··· 241

第8 衆議院改革等の動き

1 議会制度協議会 ··· 243

2 衆議院選挙制度に関する調査会 ··· 243

第9 国際交流

1 議員海外派遣 ··· 245

2 国際会議及び出席議員 ··· 247

3 国賓・公賓等の国会訪問及び行事 ··· 248

4 正式招待による訪日外国国会議員団 ··· 250

5 各委員会の委員長又は委員と訪日外国国会議員団等との懇談 ··· 251

(6)

国会関係資料

1 各会派所属議員数及び役員一覧 ··· 253

2 閣僚一覧 ··· 255

3 議案経過一覧 ··· 258

4 委員会に付託されるに至らなかった議案一覧 ··· 259

5 質問主意書一覧 ··· 261

6 本会議、委員会等の開会回数及び公述人数等 ··· 275

7 国会に対する報告等一覧 ··· 277

8 傍聴人数 ··· 282

9 参観者数 ··· 283

〔参考〕

1 国会議員定数の変遷 ··· 284

2 国会議員会派別議員数の推移 ··· 285

3 会期等 ··· 287

国会案内 ··· 289

国会周辺図/ 広報・広聴<参観者ホールでの情報提供><会議録等刊行物の閲覧><衆議院ホーム ページ><国会審議中継>/ 国会会議録検索システム/ 国会参観(衆議院)の手続/ 本会議・委 員会・憲法審査会の傍聴/ 請願の手続/ 陳情の手続/ 地方議会からの意見書の手続/ 復興特 別意見書の手続/ 福島復興再生特別意見書の手続/ 行政に関する苦情受付窓口/ 意見窓口 「憲法のひろば」/ 憲政記念館/ 国会議員政策担当秘書資格試験/ 衆議院議員の資産等報告 書等の閲覧/ 衆議院議員の秘書の兼職に係る文書の閲覧/ 衆議院事務局の情報公開

国会年表 ··· 313

(7)

自民

自由民主党

民維ク

民主・維新・無所属クラブ(12月18日~)

公明

公明党

共産

日本共産党

おおさか おおさか維新の会(12月9日~)

結集

改革結集の会(12月9日~)

生活

生活の党(~1月14日)

生活の党と山本太郎となかまたち(1月14日~)

社民

社会民主党・市民連合

民主

民主党・無所属クラブ(~12月18日)

維新

維新の党(~12月18日)

次世代

次世代の党(~10月2日)

無所属

(参議院)

自民

自由民主党

民主

民主党・新緑風会

公明

公明党

共産

日本共産党

維新

維新の党(~12月24日)

維会

おおさか維新の会(12月24日~)

元気

日本を元気にする会(~1月26日)

日本を元気にする会・無所属会(1月26日~)

維参

維新の党(参議院)(10月27日~12月24日)

維党

維新の党(12月24日~)

次代

次世代の党(~12月24日)

日本

日本のこころを大切にする党(12月24日~)

無ク

無所属クラブ

社民

社会民主党・護憲連合

生活

生活の党(~1月14日)

生活の党と山本太郎となかまたち(1月14日~)

改革

新党改革・無所属の会

無所属

各派に属しない議員

(8)

第1

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平成27年には、第189回国会(常会)が召集 された。 第189回国会は、平成27年1月26日に召集さ れ、会期は6月24日までの150日間であったが、 95日間延長され、9月27日までの245日間とな った。

2 国会の主な動き

(1) 概況

【第189回国会(常会)】

召集日(平成27年1月26日)には、本会議 において、議席の指定が行われた後、懲罰委 員長の選挙が行われ、引き続き、特別委員会 が設置された。休憩後、麻生財務大臣の財政 演説が行われた。 特別委員会については、従来から設置され ている災害対策特別委員会等の9特別委員会 が召集日に設置され、5月19日には、「我が 国及び国際社会の平和安全法制に関する特別 委員会」が設置された。 2月12日、安倍内閣総理大臣の施政方針演 説等の政府4演説が行われた。 この国会においては、我が国及び国際社会 の平和及び安全のための切れ目のない体制を 整備する「平和安全法制整備法案」及び「国 際平和協力支援法案」、派遣期間規制の見直 し等を行う「労働者派遣法等改正案」、農業 協同組合、農業委員会及び農業生産法人につ いて見直しを行う「農協法等改正案」や、選 挙権年齢を18歳以上に引き下げる議員発議に 係る「公職選挙法等改正案」などが焦点とな った。 このほか、シリアにおける邦人殺害テロ事 件、戦後70年談話、環太平洋パートナーシッ プ(TPP)協定、東日本大震災からの復興、 地方創生、エネルギー改革、女性の活躍、活 火山対策などが議論された。 施政方針演説及び代表質問 2月12日、衆参両院の本会議において、安 倍内閣総理大臣の施政方針演説、岸田外務大 臣の外交演説、麻生財務大臣の財政演説、甘 利経済財政政策担当大臣の経済演説の政府4 演説が行われた。【政府4演説の全文及び質 疑の要旨については、第2-2参照】 安倍内閣総理大臣は冒頭で、シリアにおけ る邦人殺害テロ事件について、邦人犠牲者に 哀悼の意を表した上で、テロ行為を断固非難 するとともに、日本がテロに屈することは決 してなく、水際対策の強化など、国内外の日 本人の安全確保に万全を期し、テロと闘う国 際社会において、日本としての責任を毅然と して果たしていくと述べた。 また、今常会を「改革断行国会」と位置付 ける安倍総理は、経済再生、復興、社会保障 改革、教育再生、地方創生、女性活躍、そし て外交、安全保障の立て直しはいずれも困難 な道のりを伴う、戦後以来の大改革であるが、 日本の将来をしっかりと見定めながら、ひる むことなく、改革を進めなければならないと 訴えた。 農政改革について、農協法に基づく現行の 中央会制度を廃止し、全国中央会を一般社団 法人に移行するとともに、農協にも会計士に よる監査を義務付けるとした。また、農業委 員会制度を地域で頑張る担い手がリードする 制度へと改めるとともに、農業生産法人の要 件緩和を進め、多様な担い手による農業への

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平成 27 年の国会の動き

参入を促すとした。 TPP協定交渉について、最終局面は米国 とともに交渉をリードし、早期の交渉妥結を 目指すとし、欧州との経済連携協定(EPA) についても、本年中の大筋合意を目指し、交 渉を更に加速していくとした。 経済のグローバル化への対応について、全 ての上場企業が世界標準にのっとった新たな コーポレートガバナンス・コードに従うか、 従わない場合はその理由を説明する、その義 務を負うことになると述べた。また、国際的 に遜色のない水準へと法人税改革を進めてい くと述べた。 医療規制改革について、患者の申出に基づ いて、最先端医療と保険診療との併用を可能 とし、安全性、有効性が確立すれば保険適用 としていくと述べた。また、医療法人制度の 改革も実施するとし、外部監査を導入するな ど、経営の透明化を進めるとした。 電力システム改革について、送配電ネット ワークを発電、小売から分離し、誰もが公平 にアクセスできるようにするとした。また、 ガス事業でも小売を全面自由化し、参入障壁 を取り除き、競争的で、ダイナミックなエネ ルギー市場をつくり上げていくとした。 原発の再稼働について、原子力規制委員会 が新規制基準に適合すると認めた原発は、そ の科学的、技術的な判断を尊重し、再稼働を 進めるとした。また、国が支援して、避難計 画の整備を進め、関係者の理解を得るよう、 丁寧な説明を行っていくとした。さらに、長 期的に原発依存度を低減させていく方針は変 わらず、徹底した省エネルギーと再生可能エ ネルギーの最大限の導入を進めるとした。 温暖化対策について、世界の温暖化対策を リードし、COP21に向け、温室効果ガスの 排出について、新しい削減目標と具体的な行 動計画をできるだけ早期に策定すると述べた。 行政改革について、肥大化した内閣官房、 内閣府の事務の一部を各省に移管するとした。 また、独立行政法人について、17法人を7法 人に統合するとともに、金融庁検査の導入な ど、法人ごとの業務の特性に応じたガバナン ス体制を整備するとした。さらに、4月から 日本医療研究開発機構が始動し、革新的なが ん治療薬の開発やiPS細胞の臨床応用など に取り組むと述べた。 経済再生について、まず、この2年間の経 済政策が確実に成果を上げている機を生かし、 正規雇用を望む派遣労働者にそのチャンスを 広げるとした上で、派遣先企業への直接雇用 の依頼など正社員化への取組を派遣元に義務 付けるほか、派遣先の労働者との均衡待遇の 確保にも取り組むとした。 次いで、デフレ脱却を確かなものとするた め、消費税率10%への引上げを18か月延期し、 平成29年4月から実施するとした。そして、 賃上げの流れを続け、景気回復を全国津々 浦々にまで届けていくことで経済再生、財政 再建及び社会保障改革を同時に達成していく 考えを示した。 来年度予算について、新規の国債発行額が 6年ぶりに40兆円を下回り、基礎的財政収支 の赤字半減目標を達成する予算とし、2020年 度の財政健全化目標も堅持し、夏までにその 達成に向けた具体的な計画を策定するとした。 社会保障について、難病患者への医療費助 成の大幅な拡大をはじめ、認知症対策の推進、 国民健康保険に関する財政運営の都道府県へ の移行等による国民皆保険の基盤の強化、低 所得高齢者世帯の介護保険料の軽減、介護職 員の処遇改善、社会福祉法人の経営組織の見 直しや内部留保の明確化を行うとした。 子ども・子育て支援新制度については、予 定どおり4月から実施するとし、待機児童ゼ ロの実現に全力投球していくとした。また、 幼児教育や保育に携わる方々の処遇改善を行 い、多様な保育ニーズにも応えていくとした。 女性活躍推進について、女性活躍推進法案 を再び提出し、早期の成立を目指すとした。 また、国、地方、企業などが一体となって、 女性が活躍しやすい環境を整え、社会全体の 意識改革を進めていくとした。 柔軟かつ多様な働き方について、高齢者に 多様な就業機会を提供するシルバー人材セン ターには更にその機能を発揮してもらうほか、 障害や難病、重い病気を抱える方々にも、き め細かな支援を行い、就労のチャンスを拡大

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ねばならないとし、働く方々の事情に応じた 柔軟かつ多様な働き方が可能となるよう、選 択肢の幅を広げると述べた。 若者雇用対策について、3割を超える若者 が早期離職する現実を踏まえ、新卒者を募集 する企業には、残業、研修、離職などの情報 提供を求めるとともに、若者の使い捨てが疑 われる企業からは、ハローワークで新卒求人 を受理しないようにすると述べた。また、非 正規雇用者の正規雇用化を応援するとした。 教育再生について、学習困難に悩む女子生 徒がフリースクールと出会い、学ぶ自信を取 り戻した例を挙げ、このような多様な学びを、 国として支援するとした。また、義務教育の 画一的な学制を改革し、小中一貫校の設立も 含め9年間の中で多様な教育を可能とすると した。さらに、低所得世帯の幼児教育に係る 負担軽減、無償化の実現を推進するとともに、 希望すれば、高校、専修学校、大学にも進学 できる環境を整えるとした。 地方創生について、本社などの拠点を地方 に移し投資や雇用を拡大する企業を税制によ り支援するとともに、地域の資源を生かした 新たなふるさと名物の商品化、販路開拓も応 援し地方の仕事づくりを進めていくとした。 また、この2年間で、外国人観光客が過去 最高1,300万人を超えたことを指摘し、ビザ緩 和などに戦略的に取り組み、更なる高みを目 指すとした上で、国内の税関や検疫、出入国 管理の体制を拡充するほか、羽田空港及び成 田空港の機能強化を進めるとした。 さらに、地方目線の行財政改革を進めると ともに、ふるさと納税を拡大し、手続も簡素 化するとした。 地方分権でも、地方からの積極的な提案を 採用し、農地転用などの権限を移譲するとと もに、国家戦略特区制度を進化させ、地方の 情熱に応えて規制改革を進める地方創生特区 を設けていくとした。 安全で安心な暮らしについて、ストーカー、 高齢者に対する詐欺など、弱い立場の人達を 開始すると述べた。 災害対策について、御嶽山の噴火を教訓に、 火山防災対策を強化するほか、近年増加する ゲリラ豪雨による水害や土砂災害などに対し て、インフラの整備に加え、事前防災・減災 対策に取り組み、国土強靱化を進めていくと した。 安全保障政策について、硫黄島における1 万2千柱もの御遺骨の早期帰還の取組を加速 する考えを示しながら、尊い犠牲の上に、私 たちの現在の平和があり、平和国家としての 歩みは変わることなく、国際情勢が激変する 中で、その歩みを更に力強いものとすると述 べた。その上で、国民の命と幸せな暮らしを 断固として守り抜くために、あらゆる事態に 切れ目のない対応を可能とする安全保障法制 の整備を進めていくとした。 外交政策について、まず、本年は戦後70年 の節目の年に当たることに触れ、我が国は、 先の大戦の深い反省とともに、自由で民主的 な国をつくり上げ、世界の平和と繁栄に貢献 してきたと述べた。 次いで、積極的平和主義の旗を一層高く掲 げ、日本が世界から信頼される国となる、戦 後70年にふさわしい1年としていきたいと述 べた上で、今後も、自由や民主主義、基本的 人権や法の支配といった基本的価値を共有す る国々と連携しながら、地球儀を俯瞰する視 点で、積極的な外交を展開していくとした。 日米同盟について、この2年間で同盟のき ずなは復活し、揺るぎないものとなったと指 摘した上で、日米ガイドラインの見直しを進 め、その抑止力を一層高めていくと述べた。 在日米軍再編について、現行の合意に従っ て再編を進めるとした。普天間飛行場の返還 を実現するために、沖縄の方々の理解を得る 努力を続けながら、名護市辺野古沖への移設 を進めるとともに、今後も、日米両国の強固 な信頼関係のもとに、実際の行動で沖縄の基 地負担の軽減に取り組むことを強調した。 拉致問題について、北朝鮮は一刻も早く全

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第1

平成 27 年の国会の動き

ての調査結果を正直に通報すべきとし、今後 とも、拉致問題の解決に全力を尽くすとした。 東日本大震災からの復興について、平成26 年末に飛び立った「はやぶさ2」のミッショ ンを可能とした核心技術が福島で生まれたこ とに触れ、福島を世界最先端の研究、新産業 が生まれる地へと再生するとした。また、中 間貯蔵施設の建設を進め、除染を更に加速す るとともに、東京電力福島第一原子力発電所 の廃炉・汚染水対策に、国も前面に立ち、全 力で取り組むとした。さらに、福島復興再生 特別措置法を改正し、避難指示の解除に向け、 復興拠点が円滑に整備できるようにし、財政 面での支援も拡充し、ふるさとに帰還する避 難住民の生活再建を力強く後押ししていくと 述べた。 被災地共通の課題について、住まいの再建 を続けると同時に、孤立しがちな被災者への 見守りなどの心の復興、農林水産業や中小企 業などなりわいの復興にも、全力を挙げてい くとした。 2020年東京オリンピック・パラリンピック について、これを必ずや成功させる決意で、 専任の担当大臣のもと、インフラ整備からテ ロ対策まで、多岐にわたる準備を本格化して いくとした。また、スポーツ庁を新たに設置 し、日本から世界へとスポーツの価値を広げ、 誰もがスポーツをもっと楽しむことができる 環境を整えていくと述べた。 最後に、全ては国民のため、党派の違いを 超えて、選挙制度改革、定数削減を実現させ、 憲法改正に向け国民的な議論を深め、そして、 日本の未来を切り開く、そのために「戦後以 来の大改革」をこの国会で必ず成し遂げよう と呼びかけた。 これに対する本会議の代表質問は、2月16 日及び17日の両日行われ、農政改革、格差拡 大、雇用政策、財政再建、震災復興、原発再 稼働問題、安全保障政策、選挙制度改革、戦 後70年談話、拉致問題、憲法改正問題などに ついて議論が展開された。 参議院においては、同月17日及び18日に代 表質問が行われた。 平成26年度補正予算、平成27年度総予算及 び平成27年度暫定予算審議 地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策 等を実行するための平成26年度補正予算は、 1月28日に予算委員会で提案理由の説明が行 われ、同委員会の審査を経て、同月30日の本 会議で可決され、2月3日の参議院本会議に おいて可決、成立した。 地方創生、子育て支援など、日本の諸課題 への対応を強力に推進するとともに、社会保 障の自然増を含め聖域なく見直しを行い、歳 出の徹底的な重点化、効率化を図り、経済再 生と財政健全化の両立を実現するための平成 27年度総予算は、2月18日に予算委員会で提 案理由の説明が行われ、集中審議、公聴会、 分科会等を含む同委員会の審査を経て、3月 13日の本会議において、記名投票の結果可決 され、4月9日の参議院本会議において可決、 成立した。 なお、平成27年度総予算の年度内成立が困 難となったため、4月1日から同月11日まで の期間について必要最小限の金額を計上した 平成27年度暫定予算が政府から提出され、3 月30日に予算委員会で提案理由の説明が行わ れ、同委員会の審査を経て、同日の本会議で 可決され、同日の参議院本会議において可決、 成立した。【詳細は、第3-14予算委員会参 照】 主な議案の審議 デフレ脱却と経済再生、地方創生への取組、 経済再生と財政健全化の両立、国境を越えた 取引等に係る課税の国際的調和、震災からの 復興支援などの観点から、国税に関し、所要 の措置を講じようとする「所得税法等改正案」 が2月17日、内閣から提出された。 同法律案は、財務金融委員会の審査を経て、 3月13日の本会議で可決され、3月31日の参 議院本会議で可決、成立した。【詳細は、(2) 税制改正関係参照】 派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を 図るため、特定労働者派遣事業の制度を廃止 するとともに、労働者派遣の役務の提供を受 ける者の事業所その他派遣就業の場所ごとに

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同法律案は、厚生労働委員会の審査を経て、 6月19日の本会議で可決され参議院に送付さ れた。同送付案は、9月9日の参議院本会議 で修正議決され、本院に回付された。同回付 案については、同月11日の本会議において参 議院の修正に同意することに決し、成立した。 【詳細は、(3)雇用対策関係参照】 最近における農業をめぐる諸情勢の変化等 に対応して、農業の成長産業化を図るため、 農業協同組合、農業委員会及び農業生産法人 について見直しを行おうとする「農協法等改 正案」が4月3日、内閣から提出された。 同法律案は、農林水産委員会の審査を経て、 6月30日の本会議で修正議決され、8月28日 の参議院本会議で可決、成立した。【詳細は、 (4)農協等改革関係参照】 電力システム改革を実施するための第三段 階目の電気事業法の改正とともに、ガスシス テム改革、熱供給システム改革をこれと併せ て実施するための所要の措置を講じようとす る「電気事業法等改正案」が3月3日、内閣 から提出された。 同法律案は、経済産業委員会の審査を経て、 5月21日の本会議で可決され、6月17日の参 議院本会議において可決、成立した。【詳細 は、(5)エネルギーシステム改革関係参照】 我が国を取り巻く安全保障環境の変化を踏 まえ、我が国と密接な関係にある他国に対す る武力攻撃が発生し、これにより我が国の存 立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追 求の権利が根底から覆される明白な危険があ る事態に際して実施する防衛出動その他の対 処措置等について定める「平和安全法制整備 法案」及び国際平和共同対処事態に際し、当 該活動を行う諸外国の軍隊等に対する協力支 援活動等を行うことにより、国際社会の平和 及び安全の確保に資することを目的とする 「国際平和協力支援法案」の両法律案が5月 15日、内閣から提出された。 両法律案は、我が国及び国際社会の平和安 全法制に関する特別委員会の審査を経て、7 18歳以上20歳未満の者が国政選挙に参加す ることができること等とするとともに、当分 の間の特例措置として少年法等の適用の特例 を設けようとする「公職選挙法等改正案」(議 員立法)が、政治倫理の確立及び公職選挙法 改正に関する特別委員会の審査を経て、6月 4日の本会議で可決され、同月17日の参議院 本会議において可決、成立した。【詳細は、 (7)選挙制度関係参照】 このほか、女性の職業生活における活躍を 迅速かつ重点的に推進し、もって豊かで活力 ある社会を実現することを目的とする「女性 活躍推進法案」が、内閣委員会の審査を経て、 6月4日の本会議において修正議決され、8 月28日の参議院本会議において可決、成立し た。 継続審査となった主な議案としては、高度 な専門的知識等を要する業務に就き、かつ、 一定額以上の年収を有する労働者に適用され る労働時間制度の創設等の措置を講ずる「労 働基準法等改正案」などがあり、本院を通過 し参議院で継続審査となったものは、刑事手 続における証拠の収集方法の適正化及び多様 化並びに公判審理の充実化を図るため、取調 べの録音・録画制度等を創設する等の措置を 講ずる「刑事訴訟法等改正案」などがある。 主な決議案としては、「安倍内閣不信任決 議案」が9月18日提出され、同日の本会議に おいて否決された。 このほか、「シリアにおける邦人へのテロ 行為に対する非難決議案」が2月5日に提出 され、同日の本会議において可決された。 議長の辞任及び選挙 町村 孝議長は、病気療養のため、4月20 日、川端達夫副議長に辞任願を提出した。こ れを受け、翌21日の本会議において、町村 孝君の議長辞任を許可し、議長の選挙を行っ た結果、大島理森君466、無効1で大島理森君 が当選した。

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平成 27 年の国会の動き

その他 5月19日、維新の党は江田憲司代表の辞任 を了承し、後任に松野頼久議員を代表に選出 した。 7月5日、テロ対策合同訓練が、国会構内 で衆議院及び参議院の警務部並びに警視庁の 3者により、実施された。 9月17日、参議院において中川雅治議院運 営委員長解任決議案及び中谷国務大臣問責決 議案が、翌18日、山崎正昭議長不信任決議案、 安倍内閣総理大臣問責決議案及び鴻池祥肇平 和安全特別委員長問責決議案が提出された。 17日の参議院本会議において、中川雅治議院 運営委員長解任決議案が、翌18日の本会議に おいて、中谷国務大臣問責決議案、山崎正昭 議長不信任決議案、安倍内閣総理大臣問責決 議案及び鴻池祥肇平和安全特別委員長問責決 議案が、それぞれ否決された。 9月25日、次世代の党は、平沼赳夫党首の 離党届を受理した(10月1日、後任に中山恭 子参議院議員が党首に就任した)。 会期末 会期末が休日に当たるため、9月25日の本 会議において、請願採択及び閉会中審査の手 続等が行われ、2日後の27日、第189回国会は 閉会した。 成立した主な法律案等 今国会において成立した法律案は、内閣提 出法律案が66件、議員提出法律案が12件であ った。前記(主な議案の審議)以外の主なも のとして、内閣提出法律案では、最近におけ る無人航空機をめぐる状況に鑑み、無人航空 機の飛行による危害の発生を防止するため、 無人航空機の飛行の禁止空域及び飛行の方法 を定める等の措置を講ずる「航空法改正案」 などがある。 議員提出法律案では、衆議院議員提出のも のとして、琵琶湖の保全及び再生に関する基 本方針を定めるとともに、琵琶湖の保全及び 再生に関し実施すべき施策に関する計画を策 定し、その実施を推進する等の措置を講ずる 「琵琶湖保全再生法案」などが、また、参議 院議員提出のものとして、参議院選挙区選出 議員の選挙について、各選挙区において選挙 すべき議員の数につき是正を行い、あわせて 二の都道府県の区域を区域とする選挙区を設 けること等について定める「公職選挙法改正 案」などがある。 また、今国会において承認された条約は、 12件であった。 第189回国会閉会後 10月7日、安倍内閣総理大臣は内閣改造を 行い、第3次安倍改造内閣が発足した。 同月21日、民主、維新、共産、生活及び社 民の衆議院議員125名から安倍内閣総理大臣 宛の臨時国会召集要求書が提出された。 なお同日、参議院においても臨時国会召集 要求書が提出された。 11月2日、「おおさか維新の会」が結成され、 橋下徹大阪市長が代表に就任した。 同月10日、予算委員会が開会され、米国ア トランタで開催された環太平洋パートナーシ ップ(TPP)閣僚会合においてTPP協定 が10月5日に大筋合意されたこと等を受け、 TPP等について集中審議が行われた。また、 11月11日、参議院予算委員会において、TP Pを始め現下の政治課題に関する集中審議が 行われた。 12月3日には、内閣委員会農林水産委員会 連合審査会において、TPP等について集中 審議が行われた。 同日、災害対策特別委員会において、平成 27年9月関東・東北豪雨による被害状況等調 査のため10月22日に行われた委員派遣(派遣 地:茨城県)について、派遣委員から報告が 行われた後、質疑が行われた。 12月4日、社会民主党党首選が告示され、 吉田忠智党首が再選された。 同月6日、維新の党臨時党大会において、 松野頼久代表が再選された。 同月10日、農林水産員会において、農林水 産関係の基本施策に関する件について質疑が 行われた後、平成28年度畜産物価格等に関す る件について決議が行われた。 その他の閉会中審査として、12月1日に文

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会がそれぞれ開会された。 同月12日、おおさか維新の会臨時党大会に おいて、松井一郎大阪府知事が新代表に選出 同日、「改革結集の会」が結成され、村岡敏 英議員が代表に就任した。 第189回国会開会式

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平成 27 年の国会の動き

(2) 税制改正関係

ア 国会で議論されるに至った経緯 (ア) 平成27年度税制改正の焦点 平成27年度税制改正に際しては、平成26年 1月の安倍内閣総理大臣による更なる法人税 改革に着手する旨の表明を受けた議論ととも に、経済動向を踏まえた消費税率10%への引 上げの是非などが大きな焦点となっていた。 (イ) 法人税改革に向けた議論の経過 平成26年度の議論においては、復興特別法 人税の前倒し廃止とともに、法人実効税率の 引下げが一つの焦点となった。その結果、復 興特別法人税は前倒し廃止され、法人実効税 率の引下げについては、与党の「平成26年度 税制改正大綱」において、引き続き検討を進 めるとされた。 その後、安倍内閣総理大臣は、平成26年1 月の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会 議)において、「法人にかかる税金の体系も、 国際相場に照らして競争的なものにしなけれ ばなりません」と発言し、更なる法人税改革 に着手する意向を表明した。 これを受け、経済財政諮問会議や政府及び 与党の税制調査会等において議論が行われる こととなった。 与党の税制調査会からは、平成26年6月5 日、「法人税改革に当たっての基本認識と論点」 が公表され、この中では、「課税ベースを拡大 しつつ、税率を引き下げる」という法人税の 構造改革を行う旨が示された。その後、同月 24日、「経済財政運営と改革の基本方針2014」 及び「『日本再興戦略』改訂2014」が閣議決定 された。これらの中では、「日本の立地競争力 を強化するとともに、我が国企業の競争力を 高めることとし、その一環として、法人実効 税率を国際的に遜色ない水準に引き下げるこ とを目指し、成長志向に重点を置いた法人税 改革に着手する」とされ、そのため、数年で 法人実効税率を20%台まで引き下げることを 目指し、平成27年度から引下げを開始する旨 が明示された。また、同月27日には、政府の 税制調査会において、法人税改革に関する取 りまとめが行われ、租税特別措置、欠損金繰 越控除制度、受取配当等益金不算入制度の見 直しのほか、外形標準課税等の地方法人課税 の見直しなどが示された。 こうした法人税改革の方向性等が示された 後は、法人税率引下げのスケジュールととも に、税率引下げの財源確保策が大きな焦点と なっていった。 (ウ) 消費税率引上げの延期の判断 平成26年4月の消費税率8%への引上げ後、 駆け込み需要等による反動が生じ、同年8月 13日に公表された平成26年4~6月期四半期 別国内総生産(GDP)1次速報値における 実質成長率は、前期比年率マイナス6.8%とな った。また、同年8月の月例経済報告では、 消費税率引上げ後も「緩やかな回復基調が続 いている」との基調判断が維持されていたが、 翌9月には、駆け込み需要の反動の影響に加 え、夏場の天候不順の影響もあり、個人消費 に足踏みが見られることなどを踏まえた下方 修正が行われた。同年10月には、個人消費の 足踏みに加え、生産についても駆け込み需要 の反動により減少したことなどから、2か月 連続の下方修正が行われることとなった。そ して、同年11月17日に公表された7~9月期 四半期別GDP1次速報値は、実質成長率が 前期比年率マイナス1.6%となり、2四半期連 続のマイナスとなった。 このような経済状況を背景に、平成27年10 月からの消費税率10%への引上げの是非が大 きな焦点となっていた中、平成26年11月18日、 安倍内閣総理大臣は、消費税率10%への引上 げ時期を平成29年4月まで延期するとともに、 平成26年11月21日に衆議院を解散する旨を表 明した。この中で、消費税率引上げの延期に ついては、成長軌道に回復していない経済状 況や有識者からの意見などを総合的に勘案し、 デフレから脱却し経済を成長させるアベノミ クスの成功を確かなものとするために延期す る旨の説明が行われた。また、いわゆる景気 判断条項については、これを付すことなく、

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散され、同年12月14日に総選挙が施行された。 (エ) 総選挙から法律案提出に至る経緯 総選挙の結果、自由民主党及び公明党が両 党合わせて衆議院議員定数の3分の2を超え る議席を獲得し、平成26年12月15日には、両 党間において、連立政権が合意された。その 合意文書では、消費税率10%への引上げを平 成29年4月に行うなどとされた。また、翌16 日には、政労使会議が開催され、経済の好循 環の継続に向けた政労使の取組について合意 された。この中では、賃金上昇等による継続 的な好循環の確立として、政府の環境整備の 取組の下、経済界は、賃金の引上げに向けた 最大限の努力を図るなどとされた。 平成26年12月24日、第188回国会(特別会) が召集され、同日、第3次安倍内閣が発足し た。 引き続き平成27年度税制改正に向けた議論 が行われ、同月30日、「平成27年度税制改正大 綱(自由民主党、公明党)」(以下「与党大綱」 という。)が決定された。 「与党大綱」では、経済再生と財政健全化 を両立するための消費税率引上げ時期の変更 とそれに伴う対応、デフレ脱却・経済再生を 確実なものとするための法人税改革、東京一 極集中の是正や若い世代の結婚・子育ての希 望の実現等を通じた地方創生に向けた税制措 置、経済のグローバル化の進展に対応するた めの課税の適正化措置などが示された。 「与党大綱」に示された内容のうち、平成 27年度税制改正において措置するものについ ては、平成27年1月14日、「平成27年度税制改 正の大綱」として閣議決定された。 このような経過を経て、同年2月17日、所 得税法等の一部を改正する法律案(以下「所 得税法等改正案」という。)は国会に提出され た。 一方、民主党は、与党において、平成27年 度税制改正に向けた議論が行われる中、平成 26年12月26日、政府に対し、民主党の指摘を 明日の安心を確保する必要があるとの問題意 識の下、現下の厳しい経済情勢を踏まえ、社 会保障と税の一体改革、逆進性対策、自動車 関連諸税、所得税改革、法人実効税率引下げ、 住宅対策、控除対象外消費税、贈与税等の項 目に関する同党の見解が示された。 その後、「与党大綱」の決定を受け、民主党 税制調査会長は談話を発表した。この中では、 消費税率引上げの延期について、「実質賃金の 低下、GDP成長率2期連続マイナスなど、 アベノミクスの行き詰まりを安倍政権自体が 事実上認めたに等しい」とした上で、法人実 効税率引下げの代替財源確保策と成長戦略と の整合性、「自動車取得税廃止・自動車重量税 の当分の間税率の廃止を含む車体課税の抜本 見直し」による自動車ユーザーの負担軽減の 必要性等が指摘された。 平成27年3月3日には、格差是正と経済成 長の観点から、政府提出の法律案に対し、民 主党としての税制改正についての考え方をま とめた議員立法の内容が了承された。 こうした経過を経て、同日、格差是正及び 経済成長のために講ずべき税制上の措置等に 関する法律案(以下「格差是正等税制措置法 案」という。)は衆議院に提出された。 イ 関連議案の概要 (ア) 所得税法等の一部を改正する法律案(内 閣提出) デフレ脱却と経済再生、地方創生への取組、 経済再生と財政健全化の両立、国境を越えた 取引等に係る課税の国際的調和、震災からの 復興支援などの観点から、国税に関し、所要 の施策を講ずるもので、その主な内容は次の とおりである。 a デフレ脱却と経済再生に向け、法人税に ついて税率の引下げ並びに欠損金繰越控除 制度及び受取配当等益金不算入制度の見直 し、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税 措置の延長・拡充、非課税口座内の少額上 場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の

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非課税措置の拡充等を行うこと。 b 地方創生に向け、地方創生に資する投資 促進税制の創設、外国人旅行者向け消費税 免税制度の拡充、結婚・子育て資金の一括 贈与に係る贈与税の非課税措置の創設等を 行うこと。 c 経済再生と財政健全化を両立するため、 消費税率引上げの施行日の変更等を行うこ と。 d 国境を越えた取引等に係る課税の国際的 調和を図るため、国境を越えた役務の提供 に対する消費税の課税の見直し、国外転出 をする場合の有価証券等に係る譲渡所得等 の特例の創設等を行うこと。 e 震災からの復興を支援するため、福島で 事業を再開するための投資費用を積み立て やすくするための準備金制度の創設等を行 うこと。 f この法律は、別段の定めがあるものを除 き、平成27年4月1日から施行すること。 (イ) 格差是正及び経済成長のために講ずべ き税制上の措置等に関する法律案(古川元 久君外3名提出) 社会経済情勢の急激な変化に伴い国民の間 に生じている経済的格差その他の格差を是正 し、及びその固定化を防止するとともに、雇 用及び国内投資を拡大させること等により経 済成長を促すことが、我が国の経済社会の持 続的な発展のために緊要な課題であることに 鑑み、消費課税、個人所得課税、資産課税及 び法人課税等に関し講ずべき措置を定めるも ので、その主な内容は次のとおりである。 a 消費税率の10%(地方消費税率を含む。) への引上げを平成29年4月1日に延期する こととし、同日までに、議員定数削減・行 政改革を図るための必要な措置を講ずるこ と。 b 消費税(地方消費税を含む。以下同じ。) の使途に対する国民の疑念を払拭するため、 社会保障財源であることをより明確化する とともに、予算の作成に当たっては、消費 税率の引上げによる歳入の増加分を財源と して、社会保障の安定財源の確保及び財政 の健全化のための施策に係る歳出以外の歳 出を増加させることのないようにすること。 c 国民の勤労及び資産の形成の意欲に配慮 しつつ、経済的格差の固定化の防止、税負 担の公平性等の観点から、個人所得課税及 び資産課税の改革について早急に検討を加 え、その結果に基づき、必要な法制上の措 置を講ずること。 d 欠損金繰越控除の見直し、外形標準課税 の拡大等を財源とするなど成長戦略に反す る形での法人実効税率引下げは行うべきで はないとの考えの下、復興特別法人税前倒 し廃止の効果も踏まえた上で、雇用及び国 内投資の拡大の観点から、法人の実効税率 の引下げ、社会保険料に係る事業主の負担 の在り方等について検討を行うこと。 e 消費税の逆進性を緩和する観点から、給 付付き税額控除の導入について検討を加え た上で、必要に応じ、複数税率等の施策の 導入について検討を加え、その結果に基づ き、平成29年4月1日までに、必要な法制 上の措置等を講ずること。 f 医療、介護等に係る消費税の課税の在り 方について、平成29年3月31日までに検討 を加え、その結果に基づき、速やかに必要 な法制上の措置等を講ずること。 g 我が国の基幹産業、地方の生活の足を守 る観点等から、平成28年3月31日までに、 自動車取得税の廃止、自動車重量税の特例 税率の廃止及び車体課税の更なるグリーン 化等を実施するため必要な法制上の措置を 講ずることとし、その際には、都道府県及 び市町村の財政状況に影響を及ぼすことの ないよう適切な措置を講ずること。 h この法律は、公布の日から施行すること。 ウ 審議経過 所得税法等改正案は、平成27年2月17日に 提出され、同月26日の本会議において趣旨説 明の聴取及び質疑が行われた後、同日、財務 金融委員会に付託された。 格差是正等税制措置法案は、平成27年3月 3日に提出され、同日、財務金融委員会に付 託された。

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総理大臣出席の下、質疑が行われ、同日、質 疑を終局した。 質疑終局後、格差是正等税制措置法案につ いて内閣の意見を聴取した後、両法律案を一 括して討論を行い、順次採決を行ったところ、 格差是正等税制措置法案は、賛成少数をもっ て否決すべきものと議決され、所得税法等改 正案は賛成多数をもって原案のとおり可決す べきものと議決された。なお、所得税法等改 正案に対し、附帯決議が付された。 同日、本会議において、格差是正等税制措 置法案は否決され、所得税法等改正案は可決 され、参議院に送付された。 参議院においては、同月31日の本会議で可 決され、成立した。 エ 主な質疑事項 所得税法等改正案に対する主な質疑事項は、 ①近年の税制改正による政策効果及び平成27 年度税制改正の狙い、②未成年者口座内の少 額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等 念、③ジュニアNISAにおいて18歳までの 払出制限を設けた趣旨、④住宅取得資金、教 育資金及び結婚・子育て資金に係る贈与税の 非課税措置における非課税限度額の算定根拠、 ⑤法人実効税率の引下げが賃上げにつながる 枠組みの重要性及び賃上げ効果の定期的な公 表の必要性、⑥欠損金繰越控除の見直しが企 業の経営に与える影響、⑦地方拠点強化税制 の創設が企業を地方に呼び込む効果、⑧景気 判断条項の削除についての内閣総理大臣の真 意、⑨平成29年4月予定の消費税率引上げに ついて再延期を行う場合の最終判断のタイミ ング、⑩国外事業者が国境を越えて行う役務 の提供に対する適正な消費税の課税に向けた 実効性の確保策等であった。 格差是正等税制措置法案に対する主な質疑 事項は、①消費税収の使途の更なる明確化に 係る実効性確保策、②消費税の逆進性緩和策 としての給付付き税額控除と軽減税率制度に 対する評価、③自動車重量税等の車体課税の 考え方等であった。

(3) 雇用対策関係

ア 国会で議論されるに至った経緯 (ア) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及 び派遣労働者の保護等に関する法律等の 一部を改正する法律案(内閣提出) 労働者派遣とは、労働者派遣事業の適正な 運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する 法律(以下「労働者派遣法」という。)に基づ き、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を 他社(派遣先)に派遣し、そこで指揮命令を 受けて労働に従事させることをいう。 労働者派遣法は、昭和61年、適用対象業務 を限定するポジティブリスト方式で施行され た。その後、産業構造や労働者の意識の変化、 規制緩和の流れの中で、平成11年の法改正に より、適用対象業務を原則自由化し、例外的 に適用除外業務を限定するネガティブリスト 方式に変更され、平成15年の法改正により、 製造業務派遣が解禁された。平成24年には、 ①日雇派遣(日々又は30日以内の有期雇用者 の派遣)を原則禁止すること、②違法派遣の 場合に派遣先が派遣労働者に直接雇用の申込 みをしたものとみなす労働契約申込みみなし 規定を創設すること等の法改正が行われた。 労働者派遣の適用対象業務は、労働者派遣 期間に制限がない専門的業務等(26業務)と 最長3年の期間制限がある臨時的・一時的業 務に区分される。 労働者派遣制度については、平成24年法改 正時の衆議院厚生労働委員会及び参議院厚生 労働委員会における附帯決議において、いわ

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ゆる専門26業務に該当するかどうかによって 派遣期間の取扱いが大きく変わる現行制度に ついて、分かりやすい制度となるよう速やか に見直しの検討を開始することが明記されて いた。また、規制改革実施計画(平成25年6 月14日閣議決定)等において、派遣期間の在 り方等について、労働政策審議会で議論し、 必要な措置をとることとされた。労働政策審 議会は、平成24年改正法附則の検討規定を受 けて平成25年8月30日より、労働者派遣制度 の在り方について審議を行い、平成26年1月 29日、建議「労働者派遣制度の改正について」 を厚生労働大臣に提出した。同年3月11日(第 186回国会)、厚生労働省は、この建議を踏ま えて、①全ての労働者派遣事業を許可制とす ること、②業務単位の期間制限を廃止し、派 遣労働者個人単位と派遣先の事業所単位の期 間制限を設けること、③無期雇用の派遣労働 者等には期間制限を設けないこと等を内容と する「労働者派遣事業の適正な運営の確保及 び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部 を改正する法律案」を衆議院に提出した。し かし、同法律案は、同国会で廃案となり、同 年の第187回国会に再提出されたが、解散によ り廃案となった。 与党の申入れを受け、政府は、第186回国会 及び第187回国会で廃案となった法律案に派 遣就業は臨時的かつ一時的であることを原則 とする等の修正を行った「労働者派遣事業の 適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に 関する法律等の一部を改正する法律案」(以下 「労働者派遣法等改正案」という。)を平成27 年3月13日(第189回国会)、国会に提出した。 (イ) 労働者の職務に応じた待遇の確保等の ための施策の推進に関する法律案(井坂信 彦君外5名提出) 役員を除く雇用者に占める非正規労働者の 割合は3分の1を超え、その賃金は正規労働 者の賃金の約6割の水準にとどまっている状 況にある中で、非正規労働者と正規労働者の 待遇や雇用の安定性についての格差が社会に おける格差の固定化につながるのではないか と懸念されている。そこで、平成26年11月6 日(第187回国会)、民主、維新、みんなの党 及び生活は、労働者の職務に応じた待遇の確 保等のための施策に関し、基本理念を定め、 国の責務等を明らかにすること等により、労 働者の職務に応じた待遇の確保等のための施 策を重点的に推進しようとすること等を内容 とする「労働者の職務に応じた待遇の確保等 のための施策の推進に関する法律案」を衆議 院に提出した。同法律案は、第187回国会で解 散により廃案となった。 平成27年5月26日(第189回国会)、民主、維 新及び生活は、第187回国会で廃案となった法 律案と同じ内容の「労働者の職務に応じた待 遇の確保等のための施策の推進に関する法律 案」(以下「労働者待遇確保推進法案」という。) を衆議院に提出した。 イ 関連議案の概要 (ア) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及 び派遣労働者の保護等に関する法律等の 一部を改正する法律案(内閣提出) 派遣労働者の一層の雇用の安定、保護等を 図るため、特定労働者派遣事業の制度を廃止 するとともに、労働者派遣の役務の提供を受 ける者の事業所その他派遣就業の場所ごとに 派遣可能期間を設ける等の措置を講じようと するもので、その主な内容は次のとおりであ る。 a 一般労働者派遣事業と特定労働者派遣事 業の区別を廃止し、労働者派遣事業を全て 許可制とすること。 b 厚生労働大臣は、労働者派遣法の規定の 運用に当たり、派遣就業は臨時的かつ一時 的なものであることを原則とするとの考え 方を考慮しなければならないこと。 c 業務単位の期間制限を廃止し、同一の派 遣労働者に係る期間制限及び派遣先の事業 所その他派遣就業の場所ごとの期間制限の 二つの期間制限を設けること。 d 派遣元事業主は、同一の派遣労働者に係 る期間制限の上限に達する見込みがある派 遣労働者に対して、派遣先への直接雇用の 依頼等の雇用の安定を図るための措置を講 じなければならないこと。

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しなければならないこと。 f 派遣先は、賃金の情報提供、教育訓練の 実施、福利厚生施設の利用に関して配慮し なければならないこと。 g この法律は、一部の規定を除き、平成 27 年9月1日から施行すること。 (イ) 労働者の職務に応じた待遇の確保等の ための施策の推進に関する法律案(井坂信 彦君外5名提出) 労働者の職務に応じた待遇の確保等のため の施策に関し、基本理念を定め、国の責務等 を明らかにすること等により、労働者の職務 に応じた待遇の確保等のための施策を重点的 に推進しようとするもので、その主な内容は 次のとおりである。 a 労働者の職務に応じた待遇の確保等のた めの施策は、次に掲げる事項を旨として行 われなければならないことを基本理念とす ること。 (a) 労働者が、その雇用形態にかかわらずそ の従事する職務に応じた待遇を受けること ができるようにすること。 (b) 正規労働者(無期雇用労働者(派遣労働 者を除く。)であって短時間労働者でないも のをいう。以下同じ。)以外の労働者が正規 労働者となることを含め、労働者がその意 欲及び能力に応じて自らの希望する雇用形 態により就労する機会が与えられるように すること。 (c) 労働者が主体的に職業生活設計を行い、 自らの選択に応じ充実した職業生活を営む ことができるようにすること。 b 国は、aの基本理念にのっとり、労働者 の職務に応じた待遇の確保等のための施策 を策定し、及び実施する責務を有すること。 c 事業主は、国が実施する労働者の職務に 応じた待遇の確保等のための施策に協力す るよう努めるものとすること。 d 国は、労働者の雇用形態による職務及び 待遇の相違の実態等について調査研究を行 働者及び正規労働者以外の労働者の待遇に 係る制度の共通化の推進その他の必要な施 策を講ずるものとすること。 f 政府は、派遣労働者について、派遣元事 業主及び派遣先に対し派遣労働者の待遇に ついての規制等の措置を講ずることにより、 派遣先に雇用される労働者との間において その職務に応じた待遇の均等の実現を図る ものとし、このために必要となる法制上の 措置については、この法律の施行後1年以 内に講ずるものとすること。 g 国は、労働者がその意欲及び能力に応じ て自らの希望する雇用形態により就労する ことが不当に妨げられることのないよう、 労働者の採用及び管理的地位への登用等の 雇用管理の方法の多様化の推進その他雇用 環境の整備のために必要な施策を講ずるも のとすること。 h この法律は、公布の日から施行すること。 ウ 審議経過 労働者派遣法等改正案は、平成27年3月13 日に提出され、5月12日の本会議において趣 旨説明の聴取及び質疑が行われた後、同日、 厚生労働委員会に付託された。同委員会にお いては、翌13日、塩崎厚生労働大臣から提案 理由の説明を聴取し、同月15日から質疑に入 り、同月28日には参考人から意見を聴取した。 労働者待遇確保推進法案は、5月26日に提 出され、同日、厚生労働委員会に付託された。 同委員会においては、翌27日、提出者井坂信 彦君から提案理由の説明を聴取した。 同月29日からは両法律案をあわせて議題と し、6月2日には参考人から意見を聴取し、 同月12日には、安倍内閣総理大臣の出席を求 め、質疑を行った。 同日、維新より、労働者派遣法等改正案に 対し、労働者の職業生活の全期間にわたるそ の能力の有効発揮と雇用安定に資する雇用慣 行が損なわれるおそれがあると認められると きの検討規定を改め、この法律の施行後速や

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平成 27 年の国会の動き

かに、労働者の解雇に関する法制度等の在り 方について抜本的な見直しを行うものとする ことを内容とする修正案が提出され、趣旨説 明を聴取し、両法律案及び修正案について質 疑を行い、労働者派遣法等改正案について質 疑を終局した。 同月19日、同法律案の原案及び修正案につ いて討論を行い、採決の結果、維新提出の修 正案は、賛成少数をもって否決され、同法律 案は、賛成多数をもって原案のとおり可決す べきものと議決された。同日の本会議におい て、同法律案は可決され、参議院に送付され た。 参議院においては、9月9日の本会議で修 正議決がなされ、衆議院に回付された(参考 (ア)参照)。これを受けて、同月11日、本会議 で参議院の修正に同意するとの議決が行われ、 同法律案は成立した。 労働者待遇確保推進法案については、6月 19日に質疑を終局したところ、自民、維新及 び公明の3会派共同提案により、修正案が提 出され(参考(イ)参照)、趣旨説明を聴取した。 次いで、原案及び修正案について採決の結 果、修正案及び修正部分を除く原案は、いず れも賛成多数をもって可決され、同法律案は 修正議決すべきものと議決された。同日の本 会議において、同法律案は修正議決され、参 議院に送付された。参議院においては9月9 日の本会議で可決され、成立した。 (参考)両法律案の修正内容 (ア) 労働者派遣事業の適正な運営の確保及 び派遣労働者の保護等に関する法律等の 一部を改正する法律案の参議院回付案の 内容 a 派遣元管理台帳の記載事項に、特定有期 雇用派遣労働者等の雇用の安定等に関して 講じた措置を追加すること。 b 派遣先は、派遣可能期間を延長しようと する場合の過半数労働組合等からの意見の 聴取及び過半数労働組合等が異議を述べた 場合の当該過半数労働組合等に対する派遣 可能期間の延長の理由等の説明を行うに当 たっては、この法律の趣旨にのっとり、誠 実にこれらを行うように努めなければなら ないこと。 c 派遣元事業主は、派遣労働者に対し就業 条件等の明示をするに当たっては、派遣先 が派遣期間の制限に違反して労働者派遣の 役務の提供を受けた場合には労働契約の申 込みをしたものとみなされることとなる旨 を併せて明示しなければならないこと。 d この法律の施行期日を「平成27年9月1 日」から「平成27年9月30日」に改めるこ と。 (イ) 労働者の職務に応じた待遇の確保等の ための施策の推進に関する法律案に対す る修正案の内容 a 「正規労働者」を「通常の労働者」とす ること。 b 調査研究の対象として、雇用形態による 教育訓練の相違の実態が含まれることを明 記すること。 c 派遣労働者について、賃金の決定、教育 訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の 待遇についての規制等の措置を講ずること により、派遣先に雇用される労働者との間 においてその業務の内容及び責任の程度そ の他の事情に応じた均等な待遇及び均衡の とれた待遇の実現を図るものとし、3年以 内に法制上の措置を含む必要な措置等を講 ずるものとすること。 d 雇用環境の整備のための必要な施策とし て、労働者の就業形態の設定の多様化を規 定すること。 e 雇用環境の整備のための施策を講ずるに 当たっての配慮事項として、通常の労働者 以外の労働者の雇用管理の改善の促進を規 定すること。 エ 主な質疑事項 労働者派遣法等改正案に対する主な質疑事 項は、①個人単位の期間制限が適用されるこ とで26業務に従事する有期雇用の派遣労働者 に雇止めが生じる懸念、②多様な派遣労働者 の実態に即したキャリアアップ措置の効果的 な実施方法、③本法律案が多様な働き方とし

(23)

労働者待遇確保推進法案に対する主な質疑 事項は、①本法律案における「職務に応じた 労働者の労働条件の改善及び我が国の労働市 場の変化等であった。

(4) 農協等改革関係

ア 国会で議論されるに至った経緯 (ア) 政府における検討 平成25年11月27日、内閣府に設置された規 制改革会議は、同会議の下に設置されていた 農業ワーキング・グループにおける検討を踏 まえ、「今後の農業改革の方向について」を決 定した。 同意見では、我が国の農業をめぐる環境は、 農業者の高齢化や後継者問題、耕作放棄地の 増加など、厳しい状況にあり、これらの課題 を克服し、競争力ある農業、魅力ある農業を 創り、農業の成長産業化を実現するためには、 意欲のある農業者等が、精力的な事業展開を 図るなど、新しい道を積極果敢に切り開いて いく必要があるとされ、このため、農業委員 会の業務における重点、委員の構成や選挙・ 選任方法、事務局体制の整備等についての見 直し、農業生産法人の要件の見直し、農政に おける農業協同組合(以下「農協」という。) の位置付け、事業・組織の在り方、今後の役 割などについての見直し等について、早急に 農業改革に取り組むべきであるとされた。 また、内閣に設置された農林水産業・地域 の活力創造本部(以下「活力創造本部」とい う。)は、12月10日、「農林水産業・地域の活 力創造プラン」(以下「プラン」という。)を 決定した。 プランでは、農業の成長産業化に向けた農 協の役割について、農業者の所得増加に向け た経済界との連携の促進、担い手支援機能の 強化、6次産業化、農産物の輸出の促進等に 主体的に取り組むための自己改革について言 及し、今後の農協の在り方、役割等について、 その見直しに向けて検討するとされた。また、 農業委員会、農業生産法人及び農協の在り方 等については、「今後の農業改革の方向につい て」に基づき議論を深化させ、平成26年6月 に向けて、具体的な農業改革の推進について 結論を得るとされた。 さらに、平成26年5月22日、規制改革会議 は、「農業改革に関する意見」を決定した。 同意見では、農業委員会の委員の選挙制度 の廃止、農業生産法人の事業要件の廃止及び 役員要件・構成員要件の緩和、農協の中央会 制度の廃止等が提言された。 (イ) 与党における検討 このような規制改革会議等の動きに対し、 与党においては、平成26年3月より、農協、 農業委員会、農業生産法人の改革について検 討を行い、6月10日、「農協・農業委員会等に 関する改革の推進について」(以下「与党取り まとめ」という。)が取りまとめられた。その 中で、単位農協の在り方、農協の連合会・中 央会の在り方、行政における農協の取扱い、 農業委員の選出方法、農業生産法人の要件等 について改革の方向性が示された。 農協改革については、農協を取り巻く環境 変化に応じ、農協が農業者の所得向上に向け て経済活動を積極的に行える組織となるよう、 的確な改革を進めるための検討を行い、次期 通常国会に関連法案を提出することとされた。 農業委員会については、農業委員の選出方 法を、適切な人物が透明なプロセスを経て確 実に就任するようにするため、市町村議会の 同意を要件とする市町村長の選任制に変更し、 その際、事前に地域からの推薦・公募等を行 えるようにすることとされた。 また、農業生産法人要件については、農業 生産法人要件を満たしている法人が6次産業

参照

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