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分子シャペロン誘導剤のアルツハイマー病治療への応用

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Academic year: 2021

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51:889

<シンポジウム 02―3>アルツハイマー病の分子治療戦略:新しい視点を求めて

分子シャペロン誘導剤のアルツハイマー病治療への応用

工藤

(臨床神経 2011;51:889) Key words:小胞体ストレス,シャペロン,脳虚血,アポトーシス,アルツハイマー病 アルツハイマー病(AD)をはじめとする神経変性疾患の共 通するメカニズムとして,折り畳みが不整な蛋白(unfolded protein)が神経細胞内に蓄積することが指摘される.小胞体 (ER)ストレスは,unfolded protein の蓄積によって生じるた め,神経変性に強く関与していると考えられ,創薬の 1 つの ターゲットである.ER ストレスに対する反応として,蛋白翻 訳抑制,分子シャペロン誘導,そしてプロテアソームによる unfolded protein の分解が生理的に活性化され,ストレスを回 避するが,これらの反応をサポートすることは治療法に繋が る可能性がある. われわれは ER ストレス反応機構のひとつである分子シャ ペロン誘導を人為的に行い,ストレスからの離脱を図ること で,AD の治療に応用しようとした.分子シャペロン BiP のプ ロモーターを用いた解析から,われわれは BiP 誘導剤(BIX: BiP inducer X)を得た.細胞実験から,BIX は BiP のみ誘導 し,他の ER ストレス反応分子を誘導させない事が示された. また,BIX で処理した細胞は ER ストレスに耐性を示し,ER のアポトーシス誘導分子の発現を抑える事が示された.さら に,マウスの脳室に BIX を前投与し,脳虚血を負荷すると梗 塞巣の面積の減少をもたらし,神経症状の軽減がみとめられ た.この BIX の効果は,梗塞周辺領域で ER のアポトーシス 誘導分子の発現を抑えることによることが示された.以上の ように,BIX は ER ストレスから生じるアポトーシスを抑制 し,AD の治療薬になることが示唆された. Abstract

Molecular chaperone inducer: a possible treatment for Alzheimer disease

Takashi Kudo, M.D.

Department of Psychiatry, Osaka University Graduate School of Medicine

(Clin Neurol 2011;51:889) Key words: ER stress, chaperone, cerebral ischemia, apoptosis, Alzheimer disease

大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室〔〒565―0871 吹田市山田丘 2―2 D3〕 (受付日:2011 年 5 月 19 日)

参照

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