Title
Modification of Stationary Phase in Capillary Ion
Chromatography for Separation of Inorganic Anions( 内容と審
査の要旨(Summary) )
Author(s)
OKSIL VENRIZA
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(工学) 工博甲第515号
Issue Date
2017-03-25
Type
博士論文
Version
ETD
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/56175
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。1 別紙様式第15号(論文内容の要旨及び論文審査の結果の要旨) 氏 名 ( 本 籍 ) 学 位 の 種 類 学 位 授 与 番 号 学 位 授 与 日 付 専 攻 学 位 論 文 題 目 学位論文審査委員 OKSIL VENRIZA(インドネシア共和国) 博 士(工学) 甲第515号 平成29年3月25日 物質工学専攻
Modification of Stationary Phase in Capillary Ion Chromatography for Separation of Inorganic Anions
(無機陰イオンの分離のためのキャピラリーイオンクロマトグラフ ィーにおける固定相の修飾) (主 査)教授 纐纈 守 (副 査)教授 竹内 豊英 准教授 リム リーワ 論 文 内 容 の 要 旨 クロムは酸化数によって人体に与える効果が異なる。たとえば Cr(III)は必須の物質であるのに対 し,Cr(VI)はきわめて人体に対して毒性が高くなっている。従って,クロムのスペシエーションが重 要である。本研究は,Cr(III)をエチレンジアミン四酢酸で錯形成して陰イオンとし,元々陰イオンで ある Cr(VI)を陰イオン交換モードで分離定量する方法を提供している。分離カラムとして疎水性の C30 を用い,移動相に 18-クラウン-6-エーテル(18C6E)を添加すると疎水性相互作用によって 18C6E が C30 固定相に吸着し,移動相中の陽イオン(たとえば K+)が固定相上の 18C6E に取り込まれ,取り 込まれた K+に対して陰イオン交換モードで試料である陰イオンが保持分離される。本研究では,移動 相を最適化し,10 分以内に Cr(III)と Cr(VI)を分離定量できることを示している。 モノリス型カラムは,その透過性の高さから,従来の充填型カラムに代わるものとして注目されて いる。本研究では,メタクリレート系のポリマーにアミノ酸であるアルギニンを修飾したカラムを開 発し,無機陰イオンの分離を行っている。研究では,モノリスポリマーの重合条件および移動相条件 を検討し,無機陰イオンの分離定量を行っている。ポリマーはグリシジルメタクリレート,エチレン ジメタクリレートおよびアルギニンから調製し,その組成および細孔形成剤の組成について検討して いる。 論文審査結果の要旨 本研究は,陰イオン定量のための固定相の開発に関して行ったもので 4 章からなる。 第1章では,クロマトグラフィー,イオンクロマトグラフィー,および疎水性相互作用クロマトグ ラフィーの特徴について述べている。また,液体クロマトグラフィーにおけるモノリス型固定相およ び充填カラムについて言及している。最後に本研究の目的について述べている。 第 2 章では,Cr(III)および Cr(VI)の同時定量法について述べている。移動相に 18-クラウン-6-エ ーテル(18C6E)を添加することにより,疎水性相互作用により吸着した 18C6E に移動相中の陽イオン (K+)が配位し,陰イオン交換モードで陰イオンの保持を可能にしている。Cr(III)は陽イオンであるの で,あらかじめエチレンジアミン四酢酸と錯形成させ陰イオンとして存在させ,陰イオンである Cr(VI)との同時分離を達成している。研究では移動相の最適化を図り,10 mM KCl および 10 mM 18C6E を含む水溶液が最適であるとしている。最適条件下で,河川水中のクロムの定量に応用している。 第 3 章では,アルギニンで修飾したメタクリル酸系ポリマーモノリス固定相の開発を行い,陰イオ ンの分離に適用している。フューズドシリカキャピラリーをあらかじめ 3-(トリメトキシシリル)プロ ピルメタクリレートで前処理をし,グリシジルメタクリレート(GMA)をモノマー,エチレンジメタクリ レート(EDMA)を架橋剤,イソプロパノールおよびデカノールを細孔形成剤として加え,アルギニン溶 液と混ぜたものをアゾビスイソブチロニトリルをラジカル開始剤としてフューズドシリカ内で重合し た。研究では,GMA,EDMA および細孔形成剤の組成について検討し,細孔形成剤の組成が大きいほど カラムの透過性が高いことを見いだしている。また,アルギニンの溶媒について検討したところ,ジ メチルフォルムアミドおよびメタノールが良いことを確認している。さらに,溶液に塩酸を加えるこ とによってアルギニンとエポキシ基との反応を促進できることを見いだしている。重合温度について
2 60~100℃において検討したところ,低い反応温度ほど陰イオンの保持が増大することを見いだしてい る。また,塩化物水溶液を移動相とした際,陽イオンが保持の大きさに影響を与えることを観察して いる。最適条件下で本法を河川水中の硝酸イオンの定量に応用している。 第 4 章では,本研究の結論および将来の展望について述べている。 最終試験結果の要旨 3名で構成する審査委員会は,本論文および論文別刷り等を慎重に検討した結果,提出された発表 論文2編は国外の英文論文誌に掲載または掲載予定であり,2編とも申請者が各論文の主要な部分に 携わっている。また,本論文は学位論文として充分に完成された内容を有していることを確認した上 で,最終試験(公聴会)を 2 月 9 日に開催し審査した結果,合格と判定した。 なお,審査委員会は,各既発表論文を申請者の学位論文の主論文とすることについて,各論文共著 者の承諾があることも併せて確認している。 発表論文(論文名,著者,掲載誌名,巻号,ページ)
1.O. Venriza, L.W. Lim and T. Takeuchi: Simultaneous Determination of Cr(III) and Cr(VI) with Crown Ether as Eluent Additive in Capillary Ion Chromatography, Int. J. Chem. Vol 5 (1)(2016) pp 11-18.
2. O. Venriza, L.W. Lim and T. Takeuchi: Separation of Anions with Ion Exchange Chromatography Method Using Polymethacrylate Base Monolithic Capillary Columns Modified with Arginine, Global Res. J. Chem., in press.