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有機酸代謝異常症スクリーニングにおける有機酸の光学異性体分析とその意義

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Academic year: 2021

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Title

有機酸代謝異常症スクリーニングにおける有機酸の光学異

性体分析とその意義( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

渡邊, 宏雄

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第951号

Issue Date

1995-02-15

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15318

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目 審 査 委 員 渡 連

雄(愛知県) 博 士(医学) 乙第 951号 平成 7 年 2 月15 日

学位規則第4条第2項該当

有機酸代謝異常症スクリーニングにおける有機酸の光学異性体分析とその

意義 (主査)教授 (副査)教授 夫一 忠聖 居良

折恵

教授 野 澤 義 則 論 文

容 の

有機酸代謝異常症は主にアミノ酸の中間代謝過程の障害に基づいておこる疾患群で,尿中に疾患特有の有機酸 が増加する○また有機酸の中には光学異性体の存在するものがあり,それがD型,L型かで病態が異なる場合が ある。例えばD型およびL型2-ヒドロキシグルタル酸尿症,D型およびL型グリセリン酸尿症はそれぞれ独立し た疾患として知られている。今回有機酸代謝異常症スクリーニングで異常の認められた症例について,増加する 有機酸の光学異性体分析を行った。さらに短腸症候群における有機酸の由来について検討する目的で腸内細菌の ひとっであるProteusmirabilisを用いてL-フユニルアラニン(L-Phe),L-チロジン(L-Tyr)からの培養生成 物についても光学異性体分析を行った。 研究方法 有機酸代謝異常症スクリーニングで異常のみられた症例のうち,2-ヒドロキシグルタル酸尿症(2HG尿症) 1例・グリセリン酸尿症(GL尿症)1例,ピログルタミン酸尿症(PG尿症)1例,フェニルケトン尿症 (PKU)3例,新生児一過性高チロジン血症3例,短腸症候群1例の計10例を対象とした。尿中有機酸の定量分 析は0・2mgクレアチニン当量の尿を有機溶媒にて抽出し,トリメチルシリル誘導休化した後,ガスクロマトグラ フィー(GC)もしくはGC質量分析計(GC/MS)で分析を行った。光学異性休の分析は抽出乾固した有機酸を (S)-(+)-2-butanolでジアステレオマー誘導体化し,GCもしくはGC/MSを用いて分析を行った。さらに短腸 症候群で排泄された有機酸の由来を検討する目的で,腸内細菌の代謝産物の検討を行った。半流動培地にL-Phe・L-Tyrを添加してP・Tnirabilisを24時間培養後,得られたメディウムから有機酸を抽出し,光学異性体の分 析を行った。 119

(3)

研究結果

1)光学異性休の分析では,2HG尿症,GL尿症,PG尿症,PKU,新生児一過性高チロジン血症で検出された

有機酸はすべてL型が100%排泄されていた0短腸症候群では,D-phenyllactic acid(D-PLA)が45%,し

phenyllactic acid(L-PLA)が55%またDrp-hydroxphenyllactic

acid(D-PHPLA)が44%,Lrp-hydroxy-phenyllacticacid(L-PHPLA)が56%とD型およびL型両方の有機酸が排泄されていた。 2)L-Phe,L-Tyrを添加したP.mirabilisの培養液中の代謝産物にはD-PLAが80%,L-PLAが20%またD-PHPLAが68%,L-PHPLAが32%とD型およびL型両方の有機酸が産生されていた。 以上より1)有機酸代謝異常症スクリーニングで診断された疾患についてそれぞれ光学異性体の分析を行いそ れぞれL型2-ヒドロキシグルタル酸尿症,L型グリセリン酸尿症,L型ピログルタミン酸尿症と診断した。フェ ニルケトン尿症3例で増加しているPLA,PHPLAはL型であり,新生児一過性高チロジン血症3例でみられるP HPLAはL型であることを示した。2)短腸症候群で増加しているPLA,PHPLAはD型L型両方の有機酸が排泄 されていることを証明し,それらの有機酸の由来が腸内細菌からの代謝産物であることを示唆した。3)通常の 有機酸代謝異常症スクリーニングで分析できない有機酸の光学異性体分析を行うことにより,有機酸代謝異常症 をきたす疾患の代謝経路,代謝産軌患者の病態をより正確に評価できると考えられた。

論文宇査の結果の要旨

申請者渡連宏雄は,有機酸代謝異常症で光学異性体の存在する2一ヒドロキシグルタル酸尿症,グリセリン酸 尿症およびピログルタミン酸尿症について光学異性休分析を行い,いずれもL型と診断し得た。一方,短腸症候 群ではD型およびL型のフユニル乳酸およびパラヒドロキシフユニル乳酸の排泄増加を証明することができた0 さらにこれらD型の有機酸の由来は腸内細菌からの代謝産物であるとの結果を得た。 この研究は小児科学ならびに先天代謝異常症の研究の進歩,発展に少なからず寄与するところが大きいものと 認める。 [主論文公表誌] 有機酸代謝異常症スクリーニングにおける有機酸の光学異性休分析とその意義 平成6年9月発行 日本小児科学会雑誌 98(9):1705∼1710 120

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