はじめに
2013 年、東京を訪れた観光客は外国人旅行者数が約 681 万人(対前年比 22.5%増)、日 本人旅行者数は約5億 600 万人(同 7.8%増)となり、ともに過去最高を記録しました。 また、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催が決定するとともに、 日本の伝統的な食文化「和食」がユネスコ世界無形文化遺産に登録されるなど、今後、ま すます外国人旅行者が増加すると見込まれています。 東京は、江戸開府以来 400 年にわたり連綿と受け継いだ伝統・文化と最先端のテクノロ ジーが融合しつつ共存する魅力に溢れた都市であり、こうした東京の魅力をより深く味わ うため、まち歩きを楽しむ個人旅行者が一層増加すると考えられます。 都は、外国人旅行者や障害者、高齢者がひとりでまち歩きが楽しめるよう、統一的な案 内サインの普及を目指し、平成 20 年2月に「国内外旅行者のためのわかりやすい歩行者 用案内サイン標準化指針」及び「鉄道用案内サイン標準化指針」を策定し、区市町村や事 業者の皆様の取組を支援してきました。 指針策定から7年が経過し、指針の趣旨を踏まえた案内サインの整備が進められてきた ところですが、今後ますます増加する外国人旅行者が、観光地や宿泊施設等あらゆる場面 で、よりわかりやすく統一されたサインにより東京の観光を楽しめるよう、標準化指針の 改定が必要になってきました。 そこで、観光庁が策定した「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガ イドライン」(平成 26 年3月)等を踏まえ、多言語対応の改善・強化を図るとともに、外 国人旅行者のニーズが高い美術館・博物館、自然公園、宿泊施設・飲食店・観光地等を新 たに対象に加え、標準化指針を改定することとしました。 それぞれの指針においては、区市町村や事業者の皆様が多言語対応を考える際の参考に なるよう、多言語対応の視点に対する記述を強化し、工夫して実施された多言語対応事例 を紹介するとともに、それぞれの分野で必要と思われる対訳表の整備などを行っています。 本指針に基づき各自治体や事業者の皆様が取組みを進めることにより、東京を訪れる外 国人旅行者の円滑な移動や快適な滞在を実現し、ホスピタリティあふれるまちづくりが一 層推進されることを期待します。 平成 27 年2月 東京都産業労働局観光部標準化指針の基本理念
(1)標準化指針が目指すもの
東京を訪れる外国人旅行者等が、安心して交通機関を利用し、迷うことなくまちを ひとり歩きして観光を楽しむことができるよう、わかりやすい案内サインの整備を推 進するとともに、各種ツールにより補完することにより、必要な情報を提供していく。 案内サイン(案内地図サイン、誘導サイン 等) ○ 現在地や方向を確認することができる ○ 分かりやすさが重要 ○ 盤面の表示スペースや設置箇所に限界 各種ツール(紙媒体、音声案内、ICTツール 等) ○ 各言語による詳細な案内が可能 ○ 情報入手の不確実性(設置場所へのアクセス 等)補 完
東 京 を 訪 れ る 外 国 人 旅 行 者 等 の 円 滑 な 移 動 や 快 適 な 滞 在 を実現(2)多言語対応の考え方
標準化指針「歩行者編」、「鉄道等編」、「観光施設・宿泊施設・飲食店編」の3編に 共通する多言語対応の基本的な考え方は以下のとおりである。 【多言語対応の基本的な考え方】 ■ 日本語・英語の2言語を基本とし、ピクトグラムを効果的に活用する。 ■ 地域や施設の特性及び視認性などを考慮し、必要に応じて中国語・韓国語、更に はその他の言語も含めて多言語化を実現する。 ■ 中国語については、簡体字の使用を基本とし、地域や施設の状況等により、繁体 字を使用する。 上記を踏まえ、表示面に制約のある「案内サイン」については、以下の考え方を基 本とする。 【案内サインにおける多言語対応の考え方】 ※ 固有名詞、普通名詞の翻訳の例については、 次頁参照 表示面の制約が比較的少ない「各種ツール」については、以下の考え方を基本とする。 【各種ツールにおける多言語対応の考え方】 固有名詞(地名、駅名、施設名 等) 日本語、英語の2言語を基本とする。 その他の言語を記載する場合は、視認性 に配慮する。 普通名詞(設備の名称 等) 文章による説明、注意事項 等 日本語、英語の2言語を基本とする。 地域や施設の特性をふまえ、必要性が高 いものや重要な情報については、視認性 を考慮の上、中国語・韓国語等もあわせ て記載することが望ましい。 ・紙媒体 (パンフレット、チラシ、メニュー 等) ・音声案内(音声ガイド、館内放送 等) ・ICTツール (デジタルサイネージ、アプリ、 タブレット端末、キオスク端末 等) ・ホームページ 等 日本語、英語の2言語を基本とする。 地域や施設の特性及び視認性などを考 慮し、必要に応じて中国語・韓国語、更 にはその他の言語も含めて多言語化を 検討する。 ・日本語の読み方を各言語で表現 (中国語は、日本の漢字を中国語の漢字へ変換) 基本ルール ・各言語に翻訳 基本ルール (多言語対応の例) (多言語対応の例)パンフレットを見ながら移動する外国人旅行者が案内サインと照らし合わせて分か りやすく移動ができるようにするなど、案内サインと各種ツールの整合性についても 留意するものとする。 具体的には、案内サインの多言語表記が英語のみの場合は、英語以外の言語で作成 するパンフレットに記載する固有名詞等について、案内サインの表記と同一の英語も しくは日本語を併記することが望ましい。 多言語対応に当たっては、これらの考え方を基本として、情報を活用する外国人の 目線に立ち、必要な情報を分かりやすく提供していくことが重要である。 [参考:固有名詞、普通名詞の翻訳の例] ■固有名詞の例 ➔ 日本語の読み方を各言語で表現(中国語は、日本の漢字を中国語の漢字へ変換) 日本語 英語 韓国語 中国語(簡体字) 中国語(繁体字) 東京 Tokyo 도쿄 (「トキョ」と発音) 东京 東京 新宿 Shinjuku 신주쿠 (「シンジュク」と発音) 新宿 新宿 御茶ノ水 Ochanomizu 오차노미즈 (「オチャノミズ」と発音) 御茶之水 御茶之水 ■普通名詞の例 ➔ 各言語に翻訳 日本語 英語 韓国語 中国語(簡体字) 中国語(繁体字) 空港 Airport 공항 (「ゴンハン」と発音) 机场 機場 バスのりば Bus Stop 버스 타는 곳 (「バスタヌンコッ」と発音) 公共汽车站 巴士搭車處 案内所 Information 안내소 (「アンネソ」と発音) 问讯处 資訊處
目 次
Ⅰ.基本的な考え方
Ⅰ-1 外国人旅行者の動向
1
Ⅰ-2 標準化指針の適用範囲
4
Ⅰ-3 案内サイン整備における基本的事項
6
(1) 多言語表記
6
(2) ピクトグラムの活用
24
(3) サインにおける文字等の書体・サイズ
25
(4) 色彩
26
(5) サイン配置の考え方
29
(6) 地図に掲載する情報
30
(7) 見つけやすさの工夫
32
(8) 周辺環境への配慮
32
Ⅰ-4 維持管理上の留意点
33
Ⅰ-5 非常時の対応
34
Ⅱ.施設別の整備方針
Ⅱ-1 観光施設
35
(1) 美術館・博物館・観光地等
35
(2) 自然公園
48
Ⅱ-2 宿泊施設
51
(1) 外国人旅行者のニーズ、課題
51
(2) 多言語化に向けた望ましい対応
52
Ⅱ-3 飲食店
56
(1) 外国人旅行者のニーズ、課題
56
(2) 多言語化に向けた望ましい対応
58
【資料編】
資料1:関連法規等一覧
67
資料2:ピクトグラム等一覧
68
I.
基本的な考え方
1. 外国人旅行者の動向
我が国を訪れる外国人旅行者数は、2013年に初めて1,000万人を突破し、2014年には前 年比29.4%増の1,341万人※1を数えるなど(図表1)、増加傾向にある。 観光立国推進閣僚会議は、2014年1月、「2020年オリンピック・パラリンピック東京 大会」の開催を追い風として、更なる観光立国の推進を図るべく、2020年に向けて、訪 日外国人旅行者数2,000万人の高みを目指すことを掲げており、今後取組みが進められる ことで、ますます訪日外国人旅行者が増加することが期待される。 東京都内に目を向けると、2013年の訪都外国人旅行者数は、前年比22.5%増の約681 万人※2に達し、訪日外国人旅行者数と同様に過去最多となっており、増加傾向を示して いる。訪都外国人旅行者の旅行形態をみると、平成25年度は、旅行代理店を通じた手配 を含む「個人旅行」の割合が約7割※3と高くなっており、外国人旅行者は自ら公共交通 機関や道路、観光地などのサインを頼りに移動することが想定される。 外国人旅行者の更なる増加が見込まれる中、外国人旅行者の利用に配慮した案内サイ ンの充実が求められている。 521.2 613.8 672.8 733.4 834.7 835.1 679.0 861.0 621.9 835.8 1,036.4 1,341.4 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 (万人) (年) 注)2014年は速報値 図表1 訪日外国人旅行者数の推移 参考資料:平成26年版 観光白書(国土交通省 観光庁) 日本政府観光局(JNTO)2014年の訪日外国人旅行者の状況を見ると、台湾からの旅行者が最も多く(約283万人)、 次いで韓国(約276万人)、中国(約241万人)、香港(約93万人)、アメリカ(約89万 人)となっており(図表2)、特に、中国や台湾からの旅行者数が大きな伸びを示してい る※1。 また、東南アジア向けの査証(ビザ)の発給要件の緩和等により、タイ、フィリピン、 マレーシア等からの旅行者が大きく増加している※1。 案内サインの多言語化にあたっては、外国人旅行者の状況を鑑み、多くの国や国際機 関等で使用されている英語と、中国語、韓国語等に配慮した整備が求められる。 台湾 283万人 (21.1%) 韓国 276万人 (20.6%) 中国 241万人 (18.0%) 香港 93万人 (6.9%) タイ 66万人 (4.9%) マレーシア 25万人 (1.9%) シンガポール 23万人 (1.7%) フィリピン 18万人 (1.4%) インドネシア 16万人 (1.2%) ベトナム 12万人 (0.9%) インド 9万人 (0.7%) 米国 89万人 (6.6%) カナダ 18万人 (1.4%) 英国 22万人 (1.6%) フランス 18万人 (1.3%) ドイツ 14万人 (1.0%) ロシア 6万人 (0.5%) オーストラリア 30万人 (2.2%) 82万人その他 (6.1%) 図表2 訪日外国人旅行者の内訳(2014年) 参考資料:日本政府観光局(JNTO)資料より作成 ※1 平成27年1月20日、日本政府観光局(JNTO)報道発表資料(速報値) ※2 平成25年訪都旅行者数等の実態調査結果(東京都産業労働局観光部) ※3 平成25年度国別外国人旅行者行動特性調査(東京都産業労働局観光部) アジア 1,062 万人(79.2%) [うち東アジア 893 万人(66.6%)] 北米 107 万人(8.0%) 欧州 60 万人(4.5%) 豪州 30 万人(2.2%) その他 82 万人(6.1%)
コラム 訪日外国人旅行者の国・地域別の行動特性、訪問先 【訪日外国人旅行者の国・地域別の特徴】 観光庁の「訪日外国人消費動向調査(H25 年次報告書)」によると、訪日外国人旅行者数上位 4 カ 国の台湾、韓国、中国、米国の方々の 1 人当たり旅行支出額、平均泊数、訪日観光の特徴は以下の 通りです。 ■1人当たり旅行支出額 ■平均泊数 国・地域 1人当たり旅行支出額 国・地域 平均泊数 台 湾 111,956 円/人 台 湾 06.4 泊 韓 国 080,529 円/人 韓 国 06.5 泊 中 国 209,898 円/人 中 国 19.8 泊 米 国 170,368 円/人 米 国 15.3 泊 ■訪日観光の特徴 国・地域 特 徴 台 湾 ✓ 女性が過半数を占め、特に20~30 代が多い。観光客の割合が 79%と多い。 ✓ 人気の商品は「菓子類」「衣類」「医薬品・健康グッズ」。 ✓ 役に立った情報源では旅行会社のHPやパンフレットの割合が他国籍・地域に比べ多い。 韓 国 ✓ リピーター比率71%。短期滞在が主流で、3日間以内の滞在が 38%。観光客の割合は56%。 ✓ ビジネス客の旅行支出が高い。人気の商品は「菓子類」「衣類」「ファッション雑貨」。 ✓ 役に立った情報源では、「個人のブログ」の割合が調査対象の国籍・地域の中で最も高い。 中 国 ✓ 初来訪者の割合が 49%と、調査対象の国籍・地域の中で最も多い。観光目的は 40%。 ✓ 観光客の団体ツアー割合が60%であり、調査対象の国籍・地域の中で最も高い。 ✓ 旅行支出総額に占める「買物代」の割合が5割超と高い。人気の商品は「ファッション雑貨」。 米 国 ✓ 男性客が 69%と多い。リピーター比率が 56%。観光客の滞在日数は「7~20 日間」が62%。 ✓ ビジネス客の旅行支出が高い。人気の商品は「民芸品・工芸品」「生活雑貨」「衣類」。 ✓ 役に立った情報源では、「日本在住の親族・知人」の割合が他国籍・地域に比べ多い。 【訪都外国人旅行者の国・地域別の動向】 東京都の「国別外国人旅行者行動特性調査※」によると、訪日外国人旅行者数上位 4 カ国(台湾、 韓国、中国、米国)の方々の、都内の「訪問した場所」、「宿泊した場所」、「一番満足した場所」上 位3地域は以下の通りです。 訪問した場所 宿泊した場所 一番満足した場所 1位 2位 3位 1位 2位 3位 1位 2位 3位 台 湾 浅草 新宿・ 大久保 お台場・ 東京湾 新宿 東京・ 丸の内 池袋 浅草 新宿・ 大久保 お台場・ 東京湾 韓 国 新宿・ 大久保 銀座 - 新宿 東京・ 丸の内 上野 お台場・ 東京湾 新宿・ 大久保 銀座 渋谷 中 国 銀座 秋葉原 浅草 新宿 東京・ 丸の内 銀座 銀座 秋葉原 浅草 米 国 東京駅 周辺・ 丸の内・ 日本橋 銀座 - 新宿 東京・ 丸の内 赤坂・ 六本木 浅草 渋谷 銀座 渋谷 ※「訪問した場所」、「一番満足した場所」は平成 25 年度調査結果、「宿泊した場所」は平成 24 年度調査結果より作成
2. 標準化指針の適用範囲
本指針では、東京都内の「観光施設(美術館・博物館・観光地等及び自然公園)・宿 泊施設・飲食店」における「案内サイン」及び「案内サインを補完するツール」を対象 とする。 本指針で対象とする「案内サイン」の分類を図表3に示す。 図表 3 本指針の対象となるサインの分類 分類 サインイメージ 機能・役割 ①案内地図 サイン ・地図等を活用して現在地や 施設内・施設周辺の位置情 報を提供するためのサイ ン。 ②誘導サイン ・矢印等により、特定の地点 までの方向や距離、ルート 等を示すサイン。 ③位置サイン ・施設等の位置や所在地の名 称等を告知するためのサ イン。 ④規制サイン ・禁止事項・注意事項等、安 全やルールを保つための 行動を促すサイン。 ⑤説明サイン ・展示内容や情報の送り手の 意図、歴史などを解説する サイン。「案内サイン」に加え、紙媒体、音声案内、ICTツール、ホームページ等の「案内 サインを補完するツール」を活用した多言語対応の取り組みが必要であり、サインとこ れらのツールを効果的に活用し、多言語対応を実現していくことが求められる。 【案内サインを補完するツールの例】 ○紙媒体(パンフレット、チラシ、メニュー 等) ○音声案内(音声ガイド、館内放送 等) ○ICTツール(デジタルサイネージ、アプリ、タブレット端末、キオスク端末 等) ○ホームページ 等
3. 案内サイン整備における基本的事項
(1) 多言語表記
①言語数の考え方
観光施設、宿泊施設及び飲食店における案内サイン等の多言語表記は、日本語・英語 の2言語を基本とする。なお、地域や施設の特性及び視認性などを考慮し、必要に応じ て中国語・韓国語、更にはその他の言語を記載する。中国語については、簡体字の使用 を基本とし、地域の状況等により繁体字を使用する。 多言語化を検討する際には、情報を活用する外国人の目線に立ち、必要な情報が掲載 されていること、また情報の更新を行うことが可能であること等を考慮して言語数を設 定する必要がある。 美術館・博物館における解説サインのように、一定の情報量があるサインの多言語化 に当たっては、スペースや美観等の観点から、パンフレット、音声案内、ICTツール 等の活用など、媒体についてもあわせて検討を行う。②日本語の表記方法
日本語の表記方法は、「観光活性化標識ガイドライン」に準ずるものとする。 図表4 日本語表記の基準 表記の基準 表記の例 原則として国文法、現代仮名遣いによる表記を行う。ただし、固 有名詞においてはこの限りではない。 正式名称の他に通称がある施設名は地域において統一した名称を 使用する。 表示面の繁雑化を防ぐために、明確に理解される範囲内で省略で きる部分を省略する。 東京都立日比谷公園 ⇒ 日比谷公園 アルファベットによる名称が慣用化されている場合は、それを用 いても良い。 東日本旅客鉄道㈱ ⇒ JR東日本 数字の表記は、原則として算用数字を用いる。ただし、固有名詞 として用いる場合はこの限りでない。また○丁目のように地名と して用いる場合は漢数字を使用する。 標識設置年月 2015 年2月 一番町二丁目 地名、歴史上の人名等読みにくい漢字には、ふりがなを付記する 等配慮する。 紀年は西暦により表記する。必要に応じて日本年号も付記する。 2015 年 2015 年(平成 27 年) 参考資料:観光活性化標識ガイドライン(平成17年6月、国土交通省 総合政策局)③外国語の表記方法
外国語の表記方法は、「観光立国実現に向けた多言語対応の改善・強化のためのガイ ドライン(平成26年3月、観光庁)」等をふまえ、以下のとおりとする。なお、施設管 理者等が既に外国語表記を規定している場合は、施設管理者等の考え方を優先する。 ※ 都内の主要観光スポット等については、別冊「東京都版対訳表」(4言語5種類) を参照のこと。ア. 英語
【A.一般的留意事項】 a)固有名詞 原則としてローマ字により発音どおりに表記する。 ※地名等について、「東、西、南、北、上、中、下、新」等の接頭語が固有名詞の 前につく場合、次に続く固有名詞の間に「-(ハイフン)」を入れることができ る。ただし、一体の固有名詞と考えられるものについては、「-(ハイフン)」で 結ばない。 〔例〕 ・西新宿: Nishi-Shinjuku ・上石神井: Kami-Shakujii ・新川: Shinkawa なお、外国由来の原語部分は、ローマ字ではなく、英語表記とする。 〔例〕 ・東京タワー: Tokyo Tower ・日経ホール: Nikkei Hall ・テレコムセンター: Telecom Center b)普通名詞 原則として英語訳を表記する。 ※日本文化を正しく理解するために日本語の読み方を伝えることが必要である場 合は、発音どおりにローマ字表記し、後ろに英訳や英語による説明的な語句を 括弧( )で括って表記する。ただし、日本語の読み方が既に広く認識され ている場合は、英訳等を必要としない。 ※表音をローマ字表記する際は、必要に応じてイタリックで表記することができる。 〔例〕 ・祭り: Matsuri (Festival)c)普通名詞部分を含む固有名詞 原則として固有名詞部分をローマ字により発音どおりに表記し、普通名詞部分を英 語で表記する(普通名詞部分の頭文字も大文字とする)。 ただし、普通名詞部分を切り離してしまうと、それ以外の部分だけでは意味をなさ ない場合や、普通名詞部分を含めた全体が、不可分の固有名詞として広く認識されて いる場合には、全体のローマ字表記の後に普通名詞部分を英語で表記する(具体的な 記載例は、【B.施設名等の表記方法】参照)。 d)ローマ字表記の方法 下記に示すヘボン式ローマ字を用いる。 図表 5 ヘボン式ローマ字のつづり方 日本語音 ヘボン式ローマ字つづり あ い う え お a i u e o か き く け こ ka ki ku ke ko さ し す せ そ sa shi su se so た ち つ て と ta chi tsu te to な に ぬ ね の na ni nu ne no は ひ ふ へ ほ ha hi fu he ho ま み む め も ma mi mu me mo や ― ゆ ― よ ya ― yu ― yo ら り る れ ろ ra ri ru re ro わ ― ― ― ― wa ― ― ― ― ん n が ぎ ぐ げ ご ga gi gu ge go ざ じ ず ぜ ぞ za ji zu ze zo だ ぢ づ で ど da ji zu de do ば び ぶ べ ぼ ba bi bu be bo ぱ ぴ ぷ ぺ ぽ pa pi pu pe po
きゃ きゅ きょ kya kyu kyo
しゃ しゅ しょ sha shu sho
ちゃ ちゅ ちょ cha chu cho
にゃ にゅ にょ nya nyu nyo
ひゃ ひゅ ひょ hya hyu hyo
みゃ みゅ みょ mya myu myo
りゃ りゅ りょ rya ryu ryo
ぎゃ ぎゅ ぎょ gya gyu gyo
じゃ じゅ じょ ja ju jo
ぢゃ ぢゅ ぢょ ja ju jo
びゃ びゅ びょ bya byu byo
ぴゃ ぴゅ ぴょ pya pyu pyo
備 考 (ⅰ)長音 長音は母音字の上に「-」(長音符号)をつけて表すことができる。なお、「^」「h」 は基本的には用いない。長音が大文字の場合は母音字を並べることができる。 (ⅱ)はねる音 はねる音「ン」はn で表す。なお、m、b、p の前では m を用いることができる。
(ⅲ)つまる音 つまる音は、次にくる最初の子音字を重ねて表すが、次にch がつづく場合には c を重ねず にt を用いる。 (ⅳ)大文字 文の書きはじめ並びに固有名詞は語頭を大文字で書く。 なお、固有名詞以外の名詞の語頭を大文字で書くこともできる。 (ⅴ)ハイフン はねる音を表すn と次にくる母音字又は y とを切り離す必要がある場合には、n の次 に「-」(ハイフン)を入れる。 意味のかたまりや発音のしやすさ等の観点から、複数の名詞等で構成される固有名詞 やo が重なる場合等は、その間に「-」(ハイフン)を入れることができる。 (ⅵ)その他 特殊音の書き表し方は自由とする。 e)括弧を使用する場合の記載方法 括弧( )で括った表記を加える場合は、括弧の前に半角スペースを入れる。文 章の中で使用する場合は、括弧の後にも半角スペースを入れるが、「.」、「,」の前 には半角スペースを入れない。 【B.施設名等の表記方法】 a)一般施設 原則として固有名詞部分をローマ字により発音どおりに表記し、普通名詞部分を英 語で表記する(普通名詞部分の頭文字も大文字とする)。 〔例〕
・中野警察署: Nakano Police Station (×Nakano Police Sta.) ・四谷消防署: Yotsuya Fire Station (×Yotsuya Fire Sta.)
※「Sta.」は、駅の英訳としての「Station」の略語のため、警察署や消防署など駅 以外の用途では使用しない。
・豊島区役所: Toshima City Office ・調布市役所: Chofu City Hall ・日比谷公園: Hibiya Park ・羽田空港: Haneda Airport ※普通名詞部分を含めた全体が、不可分の固有名詞として広く認識されている場合 は、全体のローマ字表記の後に普通名詞部分を英語で表記する。 〔例〕 ・六義園: Rikugien Gardens ※ローマ字表記した施設名について、意味を補足したほうが分かりやすい場合は、 ローマ字の後に英語による説明的な語句を括弧( )で括って表記する。 〔例〕
b)橋梁 (ⅰ)原則として固有名詞部分をローマ字により発音どおりに表記し、「Bridge」を つけて表記する。 〔例〕 ・永代橋: Eitai Bridge ・言問橋: Kototoi Bridge ・清洲橋: Kiyosu Bridge (ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてローマ字で表記し、「Bridge」をつけて表記する。 ⅰ)地名(住所、駅名等)と同じ名称のもの 〔例〕 ・飯田橋: Iidabashi Bridge ・吾妻橋: Azumabashi Bridge ⅱ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・高橋: Takabashi Bridge ・新大橋: Shin-ohashi Bridge ・一之橋: Ichinohashi Bridge c)道路 道路の名称の~通り、~街道、~道路等については、固有名詞の一部として扱い、 ローマ字により発音どおりに表記し、「国道、都道、区道等(幹線道路や多車線道路 等)」を「通称名+Ave.」、「区道等(生活道路や単車線道路等)」を「通称名+St.」 と表記する。 〔例〕 ・明治通り: Meiji-dori Ave. ・並木通り: Namiki-dori St. ・環八通り: Kanpachi-dori Ave. ・産業道路: Sangyo-doro Ave. ・水戸街道: Mito-kaido Ave. ※途中で道路管理者が変わる場合は、上位道路の英語表記を使用する。 ※同じ通称名の区道等であれば、2つ以上の区等にまたがった場合や道路幅が途中 で狭くなった場合でも同じ英語表記とする。
d)寺社 寺、神社等の名称の~寺、~神社、~神宮、~宮等については、固有名詞の一部と して扱い、ローマ字表記の後に「Temple」「Shrine」を表記する。 〔例〕 ・浅草寺: Sensoji Temple ・根津神社: Nezu-jinja Shrine ・水天宮: Suitengu Shrine e)河川 (ⅰ)原則として固有名詞部分をローマ字により発音どおりに表記し、「River」をつ けて表記する。 〔例〕 ・隅田川: Sumida River ・多摩川: Tama River (ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてローマ字で表記し、「River」をつける。 ⅰ)地名(住所、駅名等)と同じ名称のもの 〔例〕 ・荒川: Arakawa River ・江戸川: Edogawa River ・秋川: Akigawa River ⅱ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・内川: Uchikawa River ・野川: Nogawa River ⅲ)固有名詞部分の最後に助字を使っている場合、又は読みに助字がある場合 〔例〕 ・江の川: Gonokawa River ・湯川(ゆのかわ): Yunokawa River ⅳ)~川以外のもの(谷、沢等) 〔例〕 ・セト沢: Setosawa River
f)山 (ⅰ)~山、~岳については、原則として固有名詞部分をローマ字により発音どお りに表記し、冒頭に「Mt.」をつけて表記する。 〔例〕 ・高尾山: Mt. Takao ・御岳山: Mt. Mitake ・雲取山: Mt. Kumotori ・剣岳: Mt. Tsurugi (ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてローマ字で表記し、冒頭に「Mt.」をつける。 ⅰ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・城山: Mt. Shiroyama ⅱ)固有名詞部分の最後に助字を使っている場合、又は読みに助字がある場合 〔例〕 ・倉ノ山: Mt. Kuranoyama ⅲ)~山、~岳以外のもの(峰等) 〔例〕 ・連行峰: Mt. Rengyoho g)島 普通名詞部分を含めてローマ字で表記し、「Island」をつける。 〔例〕 ・大島: Oshima Island ・神津島: Kozushima Island ・新島: Niijima Island
【C.省略のルール】 スペース・視認性の観点等から略語を用いることが適当と考えられる場合は、略語 を用いることができる。 〔例〕 ・駅: Sta. ・通り: Ave./St.(道路規模によって使い分ける) ・小学校: Elem. Sch. ・中学校: J.H. Sch. ・大学: Univ. ・山: Mt. ・川: Riv. ・橋: Brdg. ・ビル: Bldg.
イ. 中国語
(※例は簡体字で表記) a)固有名詞 漢字を中国語漢字に変換する。 〔例〕 ・東京: 东京 ※ひらがな・カタカナの表記は、日本語の漢字に一旦変換し、それを中国語漢字に 変換して表記する場合や、中国語で表音表記あるいは表意表記する場合がある。 ※外国由来のカタカナ表記について、施設名等の中国語訳が一般化しているものに ついては中国語訳し、中国語訳が一般化しておらず、アルファベットによる表 記が可能なものについては、アルファベットで記載し、中国語による説明的な 語句を括弧( )で括って表記することが望ましい。 〔例〕 ・東京タワー: 东京塔 ・表参道ヒルズ: 表参道 Hills(复合型商业设施) b)普通名詞 中国語に訳して記載する。 ※日本の文化を正しく理解するために日本語の漢字表記を伝えることが必要である場合 は、中国語漢字に変換して表記した後、中国語訳を括弧( )で括って表記する。 〔例〕 ・花見: 花见(赏花) ※対訳がない場合は、説明的な語句を表記する。ただし、日本語の表記が既に広く 認識されている場合は、漢字を中国語漢字に変換して表記する。 〔例〕 ・侍: 日本武士 ・寿司: 寿司 c)普通名詞部分を含む固有名詞 普通名詞部分を含む固有名詞については、固有名詞部分は一般的な固有名詞の表記 方法により表記し、普通名詞部分は中国語に訳して記載する。 〔例〕 ・四谷消防署: 四谷消防署 ・永代橋: 永代桥 ・豊島区役所: 丰岛区政府 ・浅草寺: 浅草寺 ・三鷹市役所: 三鹰市政府 ・隅田川: 隅田川 ・代々木公園: 代代木公园 ・高尾山: 高尾山 ・羽田空港: 羽田机场※意味を補足したほうが分かりやすい場合は、説明的な語句を括弧( )で括っ て表記する。 〔例〕 ・としまえん: 丰岛园(娱乐场所) d)中国語表記の省略 日本語の漢字表記と全く同じ、又はほとんど同じ場合で、日本語を併記する場合は、 中国語表記を省略する。
ウ. 韓国語
【A.一般的留意事項】 a)固有名詞 原則として日本語の発音をハングルで表音表記する。 〔例〕 ・新宿: 신주쿠 b)普通名詞 (ⅰ)日本由来 原則として韓国語に訳して表記する。 ※日本文化を正しく理解するために日本語の読み方を伝えることが必要である場 合は、日本語の発音を表音表記した後、韓国語訳や韓国語による説明的な語句 を括弧( )で括って表記する。 ただし、日本語の読み方が既に広く認識されている場合は、表音表記のみとする。 〔例〕 ・祭り: 마쓰리(축제) ・居酒屋: 이자카야 ・寿司: 스시 (ⅱ)外国由来 原則として原語をハングルで表音表記する。 ただし、意味が伝わりにくい場合は適宜、韓国語訳を括弧( )で括って表 記する。 〔例〕 ・エスカレーター: 에스컬레이터 ・ロープウェイ: 로프웨이(케이블카) c)普通名詞部分を含む固有名詞 普通名詞部分を含む固有名詞については、固有名詞部分をハングルで表音表記し、 普通名詞部分を半角スペースを空けて韓国語に訳して表記する。 ただし、普通名詞部分を切り離してしまうと、それ以外の部分だけでは意味をなさ ない場合や、普通名詞部分を含めた全体が、不可分の固有名詞として広く認識されて いる場合には、全体の表音表記に加えて普通名詞部分の韓国語訳を半角スペースを空 けて表記する(具体的な記載例は、【B.施設名等の表記方法】参照)。 ※普通名詞部分の韓国語の発音が日本語の発音と合致する場合は、全体のハングル の表音を(半角スペースを空けずに)記載する。【B.施設名等の表記方法】 a)一般施設 原則として固有名詞部分をハングルで表音表記し、普通名詞部分の韓国語訳を、半 角スペースを空けて表記する。 〔例〕 ・豊島区役所: 도시마 구청 ・三鷹市役所: 미타카 시청 ・中野警察署: 나카노 경찰서 ・日比谷公園: 히비야 공원 ※普通名詞部分を含めた全体が、不可分の固有名詞として広く認識されている場合 は、ハングルで全体を表音表記した後、半角スペースを空けて普通名詞部分を 韓国語で表記する。 〔例〕 ・六義園: 리쿠기엔 정원 ※表音表記した施設名等について、意味を補足したほうが分かりやすい場合は、説 明的な語句を括弧( )で括って表記する。 〔例〕 ・としまえん: 도시마엔(유원지)
b)橋梁 (ⅰ)原則として固有名詞部分をハングルで表音表記し、普通名詞部分に半角スペ ースを空けて「다리」をつける。 〔例〕 ・永代橋: 에이타이 다리 ・言問橋: 고토토이 다리 ・清洲橋: 기요스 다리 (ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてハングルの表音で表記し、半角スペースを空けて「다리」 をつける。 ⅰ)地名(住所、駅名等)と同じ名称のもの 〔例〕 ・飯田橋: 이다바시 다리 ・吾妻橋: 아즈마바시 다리 ⅱ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・高橋: 다카바시 다리 ・新大橋: 신오하시 다리 c)寺社 寺、神社等の名称の~寺、~神社、~神宮、~宮等については、固有名詞の一部と して扱い、ハングルによる表音表記の後に半角スペースを空けて「절」「신사」「신궁」 「궁」を表記する。 〔例〕 ・浅草寺: 센소지 절 ・根津神社: 네즈진자 신사 ・明治神宮: 메이지진구 신궁 ・水天宮: 스이텐구 궁 d)河川 (ⅰ)原則として固有名詞部分をハングルで表音表記し、普通名詞部分に半角スペ ースを空けて「강」をつける。 〔例〕 ・隅田川: 스미다 강
(ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてハングルで表音表記し、半角スペースを空けて「강」を つける。 ⅰ)地名(住所、駅名等)と同じ名称のもの 〔例〕 ・荒川: 아라카와 강 ・江戸川: 에도가와 강 ・秋川: 아키가와 강 ⅱ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・内川: 우치카와 강 ・野川: 노가와 강 ⅲ)固有名詞部分の最後に助字を使っている場合、又は読みに助字がある場合 ⅳ)~川以外のもの(谷、沢等) e)山 (ⅰ)原則として固有名詞部分をハングルで表音表記し、普通名詞部分に「산」を つける。 〔例〕 ・高尾山(たかおさん): 다카오산 ・御岳山(みたけさん): 미타케산 ・雲取山(くもとりやま): 구모토리 산 ※「山」の読み方が「さん」以外の場合は、固有名詞部分と「산」の間に半角スペ ースを入れる。 (ⅱ)以下のように固有名詞部分と普通名詞部分を切り離すことができない場合は、 普通名詞部分を含めてハングルで表音表記し、半角スペースを空けて「산」を つける。 ⅰ)慣用上、固有名詞部分と普通名詞部分を切り離せないと判断できるもの 〔例〕 ・城山: 시로야마 산 ⅱ)固有名詞部分の最後に助字を使っている場合、又は読みに助字がある場合 ⅲ)~山以外のもの(峰等)
エ. 駅名(鉄道)の表記方法
案内サイン等における駅名の表記は、日本語・英語の2言語表記を原則とする。 なお、外国人旅行者が分かりやすいよう、路線マークや路線カラー、駅ナンバリング をあわせて表示することが望ましい。また、路線や駅の状況等に応じて、中国語、韓国 語も表示する場合は、視認性に配慮する。各言語の表記方法は以下のとおりとする。 【A.英語】 a)駅名全般 原則としてローマ字表記とする。 〔例〕 ・新宿: Shinjuku ※普通名詞部分も英訳せず、ローマ字表記とする。ただし、「駅」については「Station」 「Sta.」とする。 〔例〕・芝公園駅: Shibakoen Station (Shibakoen Sta.)
b)外国由来の言語部分
外国由来の原語部分は英語表記とする。なお、単語を用いる際は、頭文字は大文字 とする。
〔例〕
・テレコムセンター: Telecom Center (× Terekomu senta)
c)表記のルールの特例(空港)
空港は外国人旅行者にとって重要な施設であり、ローマ字表記すると混乱を招くこ とから、空港に関する駅名は普通名詞部分を英語で表記する。
〔例〕
※施設名が駅名となっており、施設名の意味を補足したほうが分かりやすい場合は、 ローマ字での駅名表記とは別に、括弧[ ]等で括って英語表記することが望 ましい。
〔例〕
・都庁前: Tochomae [Tokyo Metropolitan Government] ・国会議事堂前: Kokkai-gijidomae [National Diet Bldg.]
ただし、施設名由来の駅名ではあるが、すでに当該施設は存在せず、街のブランド 名として定着している場合は、ローマ字表記に留め、補足表記はしない。
〔例〕
【B.中国語】(※例は簡体字で表記) a)中国語表記の省略 日本語の漢字表記と全く同じ、又はほとんど同じ場合は、中国語表記を省略する。 b)駅名全般 漢字を中国語漢字に変換する。 〔例〕 ・東京: 东京 c)ひらがな・カタカナ表記を含む駅名 ひらがな・カタカナの表記は、日本語の漢字に一旦変換し、それを中国語漢字に変 換する。なお、「の」「ノ」は「之」と記載し、「が」「ヶ」は省略する。 〔例〕 ・勝どき: 胜哄 ・虎ノ門: 虎之门 ・霞ヶ関: 霞关 d)外国由来のカタカナ表記を含む駅名 外国由来のカタカナ表記部分については、アルファベットで記載することが望まし いが、中国語訳を行う場合、表記揺れが生じやすいため、他の事業者等との整合性に 留意する。 e)表記のルールの特例(空港) 空港は外国人旅行者にとって重要な施設であるため、空港に関する駅名は普通名詞 部分を中国語で表記する。 〔例〕 ・羽田空港国際線ターミナル: 羽田机场国际线候机楼 ※施設名が駅名となっており、施設名の意味を補足したほうが分かりやすい場合は、 駅名表記とは別に、括弧[ ]等で括って中国語表記することが望ましい。
【C.韓国語】 a)駅名全般 日本語の発音をハングルで表音表記する。 〔例〕 ・新宿: 신주쿠 ※普通名詞部分も韓国語訳せず、表音表記する。ただし、「駅」については「역」 とする。 〔例〕 ・芝公園駅: 시바코엔 역 b)外国語由来の言語部分 外国由来の普通名詞部分は原語を表音表記する。 c)表記のルールの特例(空港) 空港は外国人旅行者にとって重要な施設であり、日本語の発音をハングル表記する と混乱を招くことから、空港に関する駅名は普通名詞部分を韓国語で表記する。 〔例〕 ・羽田空港国際線ターミナル: 하네다공항 국제선 터미널 ※施設名が駅名となっており、施設名の意味を補足したほうが分かりやすい場合は、 ハングルでの駅名の表音表記とは別に、括弧[ ]等で括って韓国語表記する ことが望ましい。
オ. 翻訳にあたっての留意事項
案内サインは、多くの人の目に触れ、長期間使用されるものであることから、翻訳に あたっては特に注意が求められる。そのため、前述の基本ルールを踏まえ、都が作成す る対訳表を活用したり、ネイティブを含む複数の翻訳家等に依頼することが望ましい。 また、既往の案内サイン等について、前述の基本ルールを踏まえ、留学生等のネイテ ィブの外国人や、外国人旅行者の趣向に精通している通訳案内士等の意見を聞き、外国 語表記に誤りがないかを確認し、必要に応じて、より自然で適切な表記に改善していく ことが望ましい。(2) ピクトグラムの活用
ピクトグラムは、抽象化、単純化された絵文字等で表現された視覚記号の一つであり、 国際的に通用する情報伝達手段である。そのため、日本語に不慣れな外国人旅行者や障 害者、高齢者を含めたすべての人にとって、案内サインを理解してもらうために有用な 手段の一つである。 案内地図サインや誘導サイン、パンフレット等における施設案内、注意事項等の伝達 については、ピクトグラムを効果的に活用することが望ましい。ピクトグラムは、同一 施設内はもちろんのこと、他施設とも共通していることが望ましいため、「標準案内用 図記号(一部がJIS規格化)」の使用を原則とするとともに、必要に応じて、本指針 に示すピクトグラムもあわせて活用する(巻末資料編 資料2参照)。 上記に掲載されていない内容についても、各施設において情報伝達の場面に応じて、 独自に作成したピクトグラムを使用しているケースもみられる。独自のピクトグラムに よる案内を検討する際は、情報のわかりやすさに十分留意した上で作成する必要がある。 なお、重要な施設(チケット売場、インフォメーション等)やピクトグラムだけでは 正確に伝わらない可能性がある事項、強く伝達したい事項等については、ピクトグラム に日本語と英語、必要に応じて中国語、韓国語、その他言語を併記することが望ましい。(3) サインにおける文字等の書体・サイズ
サインにおける文字等の書体・サイズについては、分かりやすさ・見やすさに配慮し ながら検討する。特に、外国語表記が小さくなりすぎないよう十分に留意する(図表6 ~図表9)。 図表6 分かりやすさ・見やすさに配慮した文字書体の例(角ゴシック体) 出典:公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン (平成25年10月、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団) 図表7 視距離と文字の大きさの目安 視距離 和文文字高 英文文字高 30mの場合 120㎜ 以上 90㎜ 以上 20mの場合 80mm 以上 60mm 以上 10mの場合 40mm 以上 30mm 以上 4~5mの場合 20mm 以上 15mm 以上 1~2mの場合 9mm 以上 7mm 以上 ※文字高とは、日本字では指定書体の「木」の高さを、アルファベットでは指定書体の「E」 の高さをいう。 出典:公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン (平成25年10月、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団) ➔公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドラインでは、「案内サインの 文字の書体は、見えやすい角ゴシック体等を使用することが望ましい」としている。図表8 ピクトグラムの大きさ設定の目安 視距離 基準枠の寸法 視距離 基準枠の寸法 40m の場合 480mm 角以上 10m の場合 120mm 角以上 30m の場合 360mm 角以上 5m の場合 60mm 角以上 20m の場合 240mm 角以上 1m の場合 35mm 角以上 出典:ひと目でわかるシンボルサイン 標準案内用図記号ガイドブック (平成13年3月、交通エコロジー・モビリティ財団) 図表9 地図内に表記する文字やピクトグラムの大きさの目安 ピクトグラム 和文 英文 表示施設 凡例部表示 24.0mm 10.5mm 8.0mm 凡例部 特大サイズ --- 18.0mm 14.0mm 区市町村名(図中に境界がある場合) 大サイズ 21.0mm 9.0mm 7.0mm 案内所、情報コーナー、役所、博物館、 美術館、ホール等 中サイズ 16.5mm 7.0mm 5.5mm 郵便局、交番、病院、デパート、 ホテル、埠頭、踏切等 町名、丁目 中小サイズ --- --- 5.0mm 番地 小サイズ 12.0mm 5.0mm 4.0mm 橋梁名、交差点名、歩道橋名、 バス停名、広域図の情報 参考資料:観光活性化標識ガイドライン(平成17年6月、国土交通省 総合政策局)
(4) 色彩
各種サイン等に使用する地図や文字の色彩は、ベース色と文字色のコントラストが重 要であり、明度差を確保した配色とすることが望ましい(図表10)。 また、高齢者や色覚異常の人に配慮して、見分けにくい色の組み合わせや、彩度の低 い色同士、鮮やかな蛍光色同士の組み合わせを避けるなど、カラーユニバーサルデザイ ンに配慮した見分けやすい色の組み合わせを用いることが求められる(図表11、図表12)。 案内地図サイン等の地図上で示す「現在地」の表示は、施設等の利用者にとって重要 な情報となるため、視認性が高い「赤色」での表示を原則とする(図表13)。図表10 図色と地色の明度対比例 出典:公共交通機関の旅客施設に関する移動等円滑化整備ガイドライン (平成25年10月、公益財団法人 交通エコロジー・モビリティ財団) 図表11 色彩表現を使った情報提供をするときの留意点 【色の選び方】 ○赤は、濃い赤を使わず、朱色やオレンジを使う。 ○黄色と黄緑は、赤緑色覚異常の人にとっては同じ色に見えるので、なるべく黄色を使い、 黄緑は使わない。 ○暗い緑は、赤や茶色と間違えるので、青みの強い緑を使う。 ○青に近い紫は、青と区別できないので、赤紫を使う。 ○細い線や小さい字には、黄色や水色を使わない。 ○明るい黄色は、白内障の人にとっては白と混同するので使わない。 ○白黒でコピーしても、内容を識別できるか確認する。 【色の組み合わせ方】 ○暖色系と寒色系、明るい色と暗い色を、対比させる。 ○パステル調の色どうしを、組み合わせない。はっきりした色どうしか、はっきりした色 とパステル調を、対比させる。 【文字に色をつけるとき】 ○背景と文字の間に、はっきりした明度差をつける(色相の差ではなく)。 ○線の細い明朝体ではなく、線の太いゴシック体を使う。 ○色だけでなく、書体(フォント)、太文字、イタリック、傍点、下線、囲み枠など、形 の変化を併用する。但し、全体的にすっきりしたデザインとする。
図表12 組合せが適当でない色彩の例 ・黒色と青色 ・黄色と白色 ・黒色と赤色 ・オレンジ色と黄色 ・赤色と緑色 ・ピンク色と水色 ・茶色と赤色 ・黄色と明るい黄緑色 ・茶色と緑色 ・青色と紫色 図表13 現在地の表示例
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
東京
(5) サイン配置の考え方
施設内等において、旅行者が円滑に移動、観光を行うためには、地図情報や現在位置、 目的地の位置、方向等に関する情報を適切に提供する必要がある。そのため、案内地図 サイン、誘導サイン、位置サイン等の組み合わせにより的確に案内を行うことが求めら れる。 図表14 サイン配置の考え方(例示) サインによる案内に加えて、パンフレット等により案内を補完する情報提供を実施す ることでより効果的な案内が可能となる。 各種サインやパンフレット等の表記の連続性、統一性にも留意しつつ、分かりやすい 案内を実現することが求められる。 ○案内地図サインは入口や主要な分岐点、各フロアの起点となる場所等に設置 ○誘導サインは動線上の分岐点等に設置 ○位置サインは目的地の入口となる場所等に設置(6) 地図に掲載する情報
案内地図サイン等の地図に表示する情報は、各施設の設備、特性に応じて、利用者が 必要とする情報を考慮し、図表15を参考に、適宜表示内容を選択する。 施設内地図等には、高齢者・障害者・乳幼児連れ等の利用に配慮した情報提供として、 施設内にあるエレベーター等のバリアフリー設備の位置情報や(図表16、図表17)、円 滑に移動するためのバリアフリー経路等の情報を表示することが望ましい(図表18)。 バリアフリー経路の表示は、視認性が高い「朱赤系の点線」を用いて表示することが望 ましい。 図表 15 案内地図サイン等の地図に表示することが望ましい情報 移動経路に関する設備 現在地、出入口、階段、エレベーター、エスカレーター、傾斜路、 施設内各種設備 レストラン、喫茶店、売店、休憩所、自動販売機、喫煙所、水飲み 場、コインロッカー、公衆電話、チケット売り場、フロント、案内 所、お手洗い/トイレ(多機能トイレ等の情報含む)、授乳室、お むつ交換台、銀行(ATM)、貸出所(オーディオガイド、ベビー カー、車いす等) 救護援助・避難関係 救護所、忘れ物取扱所、AED設置場所、避難経路図 アクセス交通施設 駅、バスのりば、タクシーのりば、駐車場・駐輪場 図表 16 バリアフリー設備・経路に関する情報 案内地図サインに表示するバリア フリー設備・経路に関わる情報 ベース マップ ピクト グラム 備考 バリアフリー設備 (エレベーター、 エスカレーター、 傾斜路) 道路上 〇 バリアフリー設備を表示 する。 使用時間に制限 がある場合「使 用時間制限有」 と表記する。 公共機関 出入口 〇 エレベーターのみを表示 し、エスカレーターは表 示しない。 車いす等に対応した公衆トイレ 〇 トイレ+障害者用設備又 は子育て支援設備のピク トを表示する。 バリアフリー経路 〇 朱赤系の点線で表示する 参考資料:道路の移動等円滑化整備ガイドライン(増補改訂版) (平成23年8月、財団法人 国土技術研究センター)図表 17 バリアフリー関連設備ピクトグラム(表示例) バリアフリー関連設備 ピクトグラム(表示例) ①エレベーター ②上りエスカレーター ③傾斜路 ④車いす等に対応した公衆トイレ ⑤車いす使用者などの障害者用の 駐車スペース ⑥ベビーベッド ⑦授乳及びおむつ交換 参考資料:東京都福祉のまちづくり条例施設整備マニュアル (平成26年9月、東京都福祉保健局) 図表18 バリアフリー経路の表示例
(7) 見つけやすさの工夫
案内地図サイン等の見つけやすさ、分かりやすさの向上のため、「 マーク」を表示 することが望ましい(図表19)。 マークの表示にあたっては、歩行動線に対して対面になるようにするとともに、他 の掲示物や施設等に埋もれないように注意し、視認性を高めるよう配慮する。 図表19 「 マーク」の表示例(8) 周辺環境への配慮
適切かつ快適な案内を行ううえでは、周辺環境への配慮も重要な視点の一つである。 必要以上の案内サイン整備や過度な掲示設置をしないこと等に加え、屋外であれば周 囲の街並みと調和した色彩やデザインに配慮することが望ましい。 利用者にとって適切な分かりやすい案内をすることで、快適に気持ちよく観光を楽し んでもらうことが重要である。4. 維持管理上の留意点
案内サインは、年月の経過により、汚損し老朽化する。張り紙や落書き等への配慮も 必要であり、清掃や点検・修繕を定期的に行うことが望ましい。 また、情報更新の観点から各種サイン等の情報内容を定期的に点検し、最新の情報を 掲出するなど、利用者にとって分かりやすく正確な情報を提供できるように努めること が重要である。そのため、台帳を作成し管理等を行うことも有効な手法の一つである。 各種サイン、パンフレット等の情報の統一性・連続性に留意しながら、定期的に情報を 更新していくことが求められる。5. 非常時の対応
東京を訪れた外国人旅行者に安心して観光してもらうためには、観光施設、宿泊施設、 飲食店において、災害や事故、火災等の非常時の多言語対応を進めることも重要な視点 となる。 非常時の多言語対応については、平時からの備えとして、以下の対応を行っておくこ とが望ましい。 【非常時の対応についての平時からの備えの例】 ○避難経路図の掲出(日本語・英語の2言語以上)(図表20) ○東京都「外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアル」等を活用 した災害時の準備(図表21) 図表20 避難経路図の表示例 東京都では、地震等の大規模な災害が発生した場合 に、都内を訪れている外国人旅行者に対し、宿泊施設 を始めとした観光関連事業者が円滑に案内・誘導、情 報提供等ができるよう、宿泊施設での対応を中心とし たマニュアルを作成しました。 【マニュアルの掲載内容】 (1)宿泊施設を始めとする観光関連事業者が 「やるべきこと」のチェックリスト (2)地震を始めとした災害発生時の初動対応のための基礎知識 (3)初動対応 (4)初動対応のための関連データベース (5)ピクトグラム(図記号)と災害発生時対応文例集 東京の観光公式サイト「GO TOKYO」に掲載しておりますので ご活用ください。 災害対応文例とピクトグラムII.
施設別の整備方針
1. 観光施設
(1) 美術館・博物館・観光地等
①外国人旅行者のニーズ、課題
東京都内の美術館・博物館・観光地等を訪れたことのある外国人旅行者を対象に実施 したアンケート調査結果によると、半数以上の外国人旅行者が都内の美術館・博物館、 観光地等における多言語対応やサービスに関して「困ったことがあった」と回答してい る(図表22、図表23)。 52.4% 47.6% 困った 困らなかった n=508 55.3% 44.7% 困った 困らなかった n=826 図表22 東京の美術館・博物館での 多言語対応やサービスについて困ったことがあったか 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査 (東京都産業労働局観光部) 図表23 東京の観光地等(美術館・博物館以外)での 多言語対応やサービスについて困ったことがあったか 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査 (東京都産業労働局観光部) 具体的に困った内容(複数回答)をみると、「案内サインが少なかった」「多言語に よる表記がなかった」「多言語表記が小さく分かりづらかった」等の意見が多く挙げら れている(図表24、図表25)。 16.2% 18.0% 18.4% 20.7% 21.8% 24.1% 27.1% 多言語対応のオーディオガイドがなかった 展示等に多言語表記がなかった 英語や母国語を話せるスタッフがいなかった 展示等の多言語表記が小さくわかりづらかった 案内サインに多言語表記がなかった 案内サインの多言語表記が小さく分かりづらかった 案内サインの数が少なかった 図表24 東京の美術館・博物館での多言語対応やサービスについて具体的に困ったこと (回答の多かった上位7項目について表示) 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査(東京都産業労働局観光部) n=26616.2% 16.4% 16.8% 18.6% 23.2% 26.3% 26.9% 多言語対応のオーディオガイドがなかった 案内サインが見つからなかった パンフレットが見つからなかった 案内サインの多言語表記が小さく分かりづらかった 案内サインの数が少なかった 案内サインに多言語表記がなかった 英語や母国語を話せるスタッフがいなかった 図表25 東京の観光地等(美術館・博物館以外)での多言語対応やサービスについて具体的に困ったこと (回答の多かった上位7項目について表示) 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査(東京都産業労働局観光部) また、困ったことがあった場面(複数回答)についての意見は、以下のとおりであっ た(図表26、図表27)。 ア. 入場・施設案内 ○券売機の使い方が分からなかった[約2割] ○入場料金の仕組みが分からなかった[約3割] ○施設内・敷地内の施設配置、経路等が分からなかった[約3~4割] イ. 展示内容の解説 ○展示物等の内容や価値、魅力が分からなかった[約4割] ○日本特有の分野や言葉に対する補足がなく、理解できなかった[約4割] ウ. 禁止事項・注意事項 ○館内等のルールや禁止事項が分からなかった[約1~2割] 1.9% 12.4% 18.8% 31.2% 36.8% 39.8% 42.1% その他 館内のルールや禁止事項が分からなかった 券売機の使い方が分からなかった 入場料金の仕組みが分からなかった 日本特有の分野や言葉に対する補足がなく、理解できなかった 館内の施設、経路等が分からなかった 展示物等の内容や価値、魅力が分からなかった 図表26 東京の美術館・博物館について困ったことがあった場面 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査(東京都産業労働局観光部) n=266 n=457
1.1% 17.5% 21.2% 27.1% 34.4% 36.5% 39.4% その他 館内のルールや禁止事項が分からなかった 券売機の使い方が分からなかった 入場料金の仕組みが分からなかった 館内(園内)の施設、経路等が分からなかった 展示物等の内容や価値、魅力が分からなかった 日本特有の分野や言葉に対する補足がなく、理解できなかった 図表27 東京の観光地等(美術館・博物館以外)について困ったことがあった場面 出典:訪都外国人への多言語対応に関するWeb調査(東京都産業労働局観光部) n=457
②多言語化に向けた望ましい対応
前述の課題・ニーズから、美術館・博物館・観光地等においては、以下のような対応 が期待される。 なお、多言語表記については、日本語・英語の2言語を基本とし、主要表示内容や凡 例等については、地域や施設の特性及び視認性などを考慮し、必要に応じて中国語・韓 国語、更にはその他の言語の記載を検討する。ア.
入場案内
外国人旅行者が円滑に入場できるよう、入場券の買い方や、料金区分の説明、券売機 表示画面等について、多言語表記を実施することが望ましい。 なお、日本と海外では学校制度が異なることがあるため、料金区分について年齢表記 をすることが望ましい。 図表28 料金区分の説明等の多言語表記の例 ➔料金区分について、年齢により表記図表29 券売機表示画面の多言語表記の例 ➔画面切替機能を活用し、多言語対応を実施
イ.
施設案内
利用者が円滑に施設内を移動できるよう、p.29に記載した「サイン配置の考え方」に 基づき、案内地図サイン、誘導サイン、位置サイン等を適切に設置することが望ましい。 各種サインによる案内は、分かりやすさ向上の観点から、ピクトグラムの効果的な活 用や、ナンバリング・カラーリング等による工夫を行うことが望ましい(図表30~図表 32)。 また、各種サインとパンフレット等との記載内容の連続性・統一性にも留意すること が必要である(図表33)。 図表30 各種サインの多言語表記例(1/3) ➔案内地図サイン、位置サイン、誘導サインを一体的に設置 ➔主要項目は日本語・英語・中国語・韓国語の4言語で表記 ➔主要項目以外はピクトグラムを活用しつつ日本語・英語の2言語で表記 ➔位置サイン、フロアマップのカラーを統一し分かりやすい表示図表31 各種サインの多言語表記例(2/3) ➔凡例は日本語・英語・中国語(繁体字・ 簡体字)・韓国語の4言語5種類で表記 ➔地図上は4言語5種類での表記と2言 語表記(日本語・英語)の組み合わせ ➔ピクトグラムを効果的に活用
図表32 各種サインの多言語表記例(3/3) 図表33 各種サインとパンフレット等との記載内容の連続性・統一性の確保例 ➔地図上のナンバリングを活用した、日本語・英語・中国語・韓国語による分かりや すい案内 ➔パンフレットを見ながら移動する外国人旅行者が案内サインと照らし合わせて分か りやすく移動ができるよう、案内サインとパンフレットの多言語表記を整合 位置サイン パンフレット(館内ガイド) 表記を整合
ウ.
展示内容の解説
展示内容の解説については、各施設の方針により、説明サイン、パンフレット、音声 ガイド、ICTツール等の多様な媒体を活用し、これらを効果的に組み合わせ、多言語 対応を実施することが望ましい(図表34、図表35)。 日本特有のモノや文化、歴史等、外国人旅行者に意味が伝わりにくい展示物等につい ては、日本語解説の単なる直訳でなく、日本について知識のない外国人の視点を意識し た記載を盛り込むことが望ましい(図表36)。 図表34 多様な媒体を組み合わせた展示内容の多言語対応例(1/2) ➔フロアコンセプト については日本 語 ・ 英 語 ・ 中 国 語 ・ 韓 国 語 の 4 言語表記 ➔展示内容は、日 本 語 ・ 英 語 の 2 言語で表記 ➔中国語・韓国語 は 、 キ オ ス ク 端 末、ポータブル 型の ICT ツール 等により対応図表35 多様な媒体を組み合わせた展示内容の多言語対応例(2/2) 図表36 日本独特の文化に対する詳細説明例 ➔フロアコンセプト については日本 語 ・ 英 語 ・ 中 国 語 ・ 韓 国 語 の 4 言語表記 ➔展示内容は、日 本 語 ・ 英 語 の 2 言語で表記 ➔中国語・韓国語 は 、 音 声 ガ イ ド により対応 ➔日本について知識のない外国人の視点を考慮し、展示内容について、日本語をそのま ま直訳するのではなく、外国人用の説明を英語で記載
エ.
禁止事項・注意事項
施設内の注意事項・禁止事項については、ピクトグラム等を活用し、誰にでも分かり やすく表示することが望ましい(図表37)。施設内の場所ごとに注意事項・禁止事項が 異なるなど複雑なルールについては、その都度こまめに表示することが求められる(図 表38)。 図表37 ピクトグラムを活用した注意事項・禁止事項等の分かりやすい伝達例 ➔展示場所ごとにフラッシュ撮影の可否をピクトグラムにて表示図表39 新たに追加された観光関連図記号 外国人観光客向けの案内用図記号として「靴を脱いでください」、特定の外国語で話せる人 がいることを示す「コミュニケーション」などが日本工業規格(JIS)に追加されました(平 成 26 年7月 22 日)。標準案内用図記号については、巻末資料編 資料2にまとめておりますの でご活用ください。 コミュニケーション
Communication in the specified language
靴を脱いでください
Take off your shoes ※言語(“ENGLISH” の部分)は、他の言語及び