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中国語 語 気 詞 の意味 記 述(そ の1) 大 滝 幸 子

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Academic year: 2022

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(1)59. 中国語 語 気 詞 の意味 記 述(そ の1) 大. 滝. 幸 子. 1.. まえ が き. 3.2. 2.. 語 気詞 の意 味 記述 法. 3.2.1. a〓(高. 軽 声),a〓(低. 語 気詞 の 意 義 素 の 抽 出. 3.2.2. a〓,a〓. の 意義 素. 用例の集収法. 3.2.3. 2.1 2.2 3.. 音 調 の 昇 降 に よ る意 義素 の把 握. 3.1. 文音 調 〓,〓. a〓,a〓. 3.3. 形. 具 体 例 での 検 証 ma〓,ma〓. 3.3.1. ma〓(高 ma〓,ma〓. 3.1.1. 音調の形. 3.3.2. 3.1.2. 文音調の意義素. 3.3.3. 3.1.3. 分 句 中で の 音 調 の 意義 素. 4.. 1.. 軽 声)の. 軽 声),ma〓(低. 分 句 中 のma〓. 軽 声)の 形. の意 義 素 とma〓. ま とめ. の意 味 の 中に,文 の意 味 や 音調 の 意 味,さ ら. まえ が き. 中国 語 語 気 詞 の 意 味記 述 法 と して は,従 来. に は文 脈 ・場 面 に よ って 作 り出 され る随 時的. 主 に次 の 二 通 りの 方法 が とられ て きた。. な 意 味 まで もが 織 り込 まれ が ち で,各 々の 語. (i). 気 詞 が もつ 意 義 素 を明 確 に しが たい 。. 語 気 の 表 わ す 意味 を,疑 問,祈 使禁 止, どに予 め 分 類 して. そ こで,本 報告 では,語 気詞 の意 義 素 を. お き,次 に 各 々 の語 気詞 の意 味 を これ ら. よ り明確 に把 握 す るた め,上 記 の記 述 方 法 に. の分 類 に 当 て は め る1)。. 依 存 しつ つ も,な お多 くの 補 足事 項 を加 え,. 測 度,陳 述,停 頓,な. (ii). 語気 詞 一 つ 一 つ に つ い て,幾 つ か の用 法 を列 挙 して い く2)。 とこ ろが,こ れ らの 記述 法 で は,語 気 詞. 秩 序 だ った意 味 記 述法 を導 い た うえで,そ の 有 効性 を具 体 例 につ い て 検 証 した。.

(2) 60 2. 2.1. 語 気 詞 の 意 味 記述 法. 判 断 し,以 下 の よ うな 言 葉 を 用 い て な され た. 語 気 詞 の 意 義素 の抽 出. 内 省 報告 を まず 分 析 整 理 した。. まず,語 気 詞 の 意義 素 と文 の 意 味 とが混 り. 肯定,〓 定,推 測,〓 告,提 醒,命 令 指. 合 わ な い よ うに,国 語 学 に お け る陳 述論 に 基. 示,没 把 握 地 告 〓 人家. づ き3),文(文. 自大,意 外,感 〓,很 有 礼 貌,分 〓,反. の 意 味)を,句(叙. 述 内 容). と,陳 述(述 定 と伝連)と に 分 け る。 この 考 え方 に拠 り,著 者 は語 気 詞 を陳 述 を構 成 す る 品詞 と して 扱 うこ とに した 。 また,文. 音 調4). 疑 同,加 強 〓 气. 〓,指 〓,〓 〓,不 〓, 分 析 結 果 は 表2の は,文 音 調 〓,〓,及. よ うに 整理 され る。 表2 びa〓,a〓,ma〓,ma. を も陳 述 を 構 成 す る言 語 形 式 の一 つ と して 語. 〓,の 意 義 素 抽 出 に役 立て た。 ただ し,表2. 気 詞 と同 等 に 扱 うこ とに した。. 中の*,**,の 用 語 は,次 の よ うに 定 義 した。 *述 定 は,話 し手 が叙 述 内容 の 現 実 性 ま た. そ こで,本 報 告 では 語 気 詞 の意 義 素 に お け る意 味 的 事項5)を,. は 真 理 性 に 対 して どの よ うな 意 見 を 持 ってい. (i). 叙述内容. るか を表 明 す る言 語 行 動 の 名 称 で あ る。 こ こ. (ii). 述定. で 現 実 性8)と は,叙 述 内 容 が 現実 とな る可 能. (iii) 伝 達. 性 を 意 味 し,発 話 場 面 に お け る言 外 の事 情 に. の 三項 目 とす る。 そ して,イ ン フ ォー マ ン ト. よ り影 響 され る。 真 理 性9)と は,叙 述 内容 が. に よ って な され る内省 報 告 を,こ の三 項 目 に. 真 理 と一 致 す る可 能 性 を 意 味 し,話 の 筋 道 や. 関 す る どの よ うな意 義 特 徴 を含 ん で い るか と. 話 し手 の信 条 に 関 わ る もの で あ る。. い う観 点 か ら整理 検 討 す る。. **発. 話 時 点10)とは,発 話 が行 なわ れ て い る. 現 実 の時 点 を意 味 す る 。 そ れ に対 し,叙 述 内 2.2. 用 例 の 集収 法. 容 の 中で 定 め られ た 話 の時 点 を叙 述 時 点 とよ. 語 気 詞 の用 法 は,個 々 人 の 出身 地,性 別 年. ぶ こ とに す る。. 齢,性 格 等 に よ り,差 異 が大 きい とい わ れ る。 本 報 告 で は調 査 対象 を 程 鴻 路 氏6)の 個 人 言語. 3.. と し,資 料 の 均 質 性 を 保 と うと した 。 さ らに,. 3.1. 音 調の 昇 降 に よる 意 義 素 の 把握. 個 人的 な要 因 に 拠 る影 響 を で き得 る限 り排 除. 3.1.1. し,普 遍 性 を高 め た 資料 を得 るた め と,語 気. 本 稿 で は,文 音 調 と して 昇 り音 調 〓,と 降. 文 音 調 〓,〓 音調の形. 詞 の 意味 を的 確 に 把握 す る ため に,同 一 の語. り音調 〓,お よび 強 調 の 音調 とを採 りあ げ た。. 気 詞 につ い て 異 な る 用例 を多 方 面 に 渡 り集 め. 強 調 の 音調 を採 りあ げ た 目的 は,イ ン フ ォー マ ン ト自身 が 平 常 使 用 して い る昇 り音 調 と降. る こ とに した 。 そ こで,ま ず語 気 詞の 意 味 の 差 が形 と して. り音 調 との 違 い を まず明 確 に判 別 で き る よ う. 明 確 に顕 わ れ る よ うに,句 の 意味 や形 を陳 述. に す る こ と と,叙 述 内容 に引 きづ られ た 無 意. との 係 わ り方 に拠 って,表1の. 識 の強 調 を行 な わ な い よ うにす る こ とで あ る。. よ うに分 類 し. た。 次 い で,分 類 に 適 合 す る用 例 を多 くの 文. したが って,強 調 の音 調 と して 扱 か った形 は,. 献7)よ り集 め,振 り分 け た。 その うえで,表. 文 末 の 音 調変 化 の帯 域 を拡 大 した もの に限 っ. 1中 の 〜 の位 置 に 音 調 と語 気 詞 と を順 次 付 け. た。 会 話 速度 の変 化,及 び 声 色 ・声 量 の変 化. 替 え るこ とに よ りで きあ が る文 に 対 し,イ ン. な ど,生 理 現 象 や 対 人 感 情 に 密 着 した形 の も. フ ォー マ ン トの 内 省 報告 を集 め た 。. の は 採 りあげ なか った 。. 本報 告 で は,表1中. の(1)がす べ て の語 気 詞. の 意義 素 を最 も よ く弁別 し うる用 例 で あ る と. 3.1.2. 文 音 調 の 意 義素. 表1に 示 した 例 句 に文 音 調 のみ を加 えて 文.

(3) 61 を形 成 した 場 合,加 え る音 調 が 〓,〓 の どち. 連 結12)のパ ター ン或 い は 疑 問詞 に よ って 明示. らで あ るか に よ って生 じ る意 味 の差 を表2に. され て い る。 そ の うえ更 に,述 定 の レベ ルで. 照 ら しあ わ せ て概 括 す る と,表3の. 話 し手 に は 確信 が ない こ とを表 明 す る とな る. よ うに な. る。 た だ し,表1の(5)(6)(7)で は,分 句 中で 用. と,叙 述 内 容 の 中で 確 証 の な い部 分 は,あ た. い られ る 音調 を扱 うこ とに な る た め,項 を 改. か も聞 き手 に と って 確 証 の ない 部 分 で あ る か. め て詳 述 す る こ と に した 。表3に. の 如 くに述 べ る こ とに な る もの と考 え られ る。. よれ ば,ま. ず,文 末 音 調 の強 調 が 「話 し手 の述 定 の あ り. この よ うな 意味 の 共 起 反 応 は,叙 述 と述 定 と. 方 を よ り明 確 にす る」 こ とが窮 い知 れ る。 す. い う異 な った意 味 レベ ル に 渡 って 生 じ る もの. な わ ち,強 調 音 調 の もた らす表2中 のA項 →. で あ り,話 し手 や 聞 き手 を対 話 に お け る通常. B項,B'項. の 役 割 か ら逸 脱 させ る もの と考 え られ る。 そ. →C項. とい う二 つ の 意 味 変 化 は 上. 記 の 点 で共 通 点 を 有 す る もの と考 え られ る 。. して,こ れ はそ の 内 の 「 聞 き手 を主 体 者13)へ. そ こ で,演 繹 的 に検 討 して み る と,平 常 の. 誘 導 す る反 応 」 と して 捉 え る こ とが で きる。. 文 音調 も同 位 置 の 原 則11)を考 慮 す れ ば,伝 達. そ の 複 雑 な ニ ュ ア ンス は,次 の よ うな 日本 語. の あ り方 を定 め て い る の では な く,述 定 の あ. に 訳 しだ す こ と もで きよ う。. り方 を定 めて い る もの と考 え られ る。 す なわ ち,文 音 調 〓 は,疑 問 の一 タ イプ を表 わ す と い うよ りも,「 述 定 の あ り方 が 定 ま ら な い 不 安 定 さ」 を表 わ す もの と考 え られ る 。 ま た,文 音 調 〓 は,「 述 定 の あ り 方 が 確 定 して い る とい う安 定感 」 を表 わ す もの と考 え. 表1の(11)‑a・ 〓都 到 〓 〓 儿〓? あ な たは 一 体 どこへ 行 った とい うの 〓? 3.1.3. 分 句 中 で の音 調 の 意 義素. 文 音 調 が 文 を 成 立 さ せ るの に充 分 な陳 述 の 意 味 を表 わ す もの とされ て い る以 上,分 句 中. られ る。 以 上 の よ うな 演澤 的 な解 釈 に 従 う と,初 め て以 下 の よ うな 言 語事 実 を統 一 的 に 把握 で き. に 使用 され る音調 を文 音 調 と同一 視 して 扱 う こ とは で きな い。 本 稿 では,こ れ を 「句 音 調 」 と呼 ぶ こ とに す る。 そ して,句 音 調 の 表 わ す. る よ うに な る。 (1) 文 音 調 〓 が表 わ す表2中 のA項 の意 味 は,話. 表1の(10)‑a・ 〓明 儿 出去 不 出 去〓? あ な た,あ した 本 当 に でか け る気〓?. し手 の 心 も とない 様子 を み て聞 き手 の. 方 が 自然 に 何 か 自分 の意 見 を述 べ てみ た くな. 意 味 を以 下 の 考 え 方に 従 い,分 析 す る こ と と した。 ま ず,渡 辺1971.の. 概 念 に 基 づ き,話 し. る,と い う人 情 の機 微 に 由来 す る もの と考 え. 手14)が様 々な 意 図 を抱 きつ つ 叙述 内容 を 抽 き. られ る。 この こ とは,(i)A項. あげ てい く言 語 行動 を 「叙 述 の営 み 」 と呼 ぶ 。. に 含 まれ る三. 種 の問 い か け が,場 面 ・文 脈 次 第 で どの例 句. 叙述 の営 み は,伝 達 や 述 定 か ら数 段 階 に わ た. につ い て も表現 で きる と い う点 で 確 証 を得 た. る抽 象 過 程 を経 る もの と し,か つ 伝 達 や述 定. こ とと,(ii)イ ンフ ォー マ ン トに 話 し手 と し. と様 々 な意 味 の共 起 反 応 を結 ぶ もの で あ る。. ての 意 図 と,聞 き手 と して 受 け る印象 とを区. 次 に,本 稿 で は,伝 達 を 叙述 の 営 み の 際 中 に. 別 して 内 省 報 告 して もら うこ と とに よ り確 か. も顕 われ る もの とす るの に対 し,述 定 を叙 述. めて い る。. の営 み が 完 了 した時 点15)におい て 決 定 づけ ら. (2) 文 音 調 は,表1の. 圃 及 び(11)に つ けて 用. れ る もの とす る。 なぜ な らば,言 語 行動 を起. のC項 の 意 味(こ ん な こ. こす動 機 の うち最 も源 始的 な もの は,他 人 と. と も知 らな い の か!一 体 どうい うつ も りなの. の意 志 疎 通 を求 め る心 で あ り,伝 達 に関 す る. か!な. 意 味 こそ 言語 行 動 の 基盤 と して 常 に 顕 われ る. い られ る と,表2中. ど)を 表 わ す こ とに な る。 これ らの 句. で は 叙 述 内 容 の 中 で確 証 の な い部 分 が,単 語. 機 会 を有 し得 る もの と考 え るか らで あ る。.

(4) 62 さて,そ こで,句 音 調 の 意 味 を表1中 の(5). りす る 「参加 の 自由 」 を 残 してい る。 そ れ に. (6)(7)の 用 例 を用 い て整 理 検 討 して み る と,表. 対 し(7)bに お い て は 「就 是 〜也 〜」 とい う習. 4の よ うに な り,句 音調 の 意 味 は 表面 上 二 つ. 慣 と して 固定 され た 副 詞 の呼 応 が用 い られ て い る。 そ れ ゆ え,話 し手 は 仮定 を た てた 当初. の タ イ プに わ か れ る。 と ころ が,句 音 調 〓 は,「 叙 述 の 営 み を続. よ り結 諭 を独 断 で 用 意 して話 しを進 めて い く. けて い くこ と」 を表 わ し,句 音調 〓 は,「叙 述. 姿 勢 を うち だ す こ とに な り,聞 き手 に 参 加 す. の営 み を停 止 す る こ と」 を 表 わ す もの と考 え. る 余地 を残 して い な い 。 した が って 後 者 の 例. るな らば,上 記 の二 つ の タ イプ は前 句 の 形 の. にお い て の み,ダ メ押 しの表 現 が 成 立 す る と. 違 い に よ って生 じる もの に す ぎ ない もの とみ. 考 え られ る。 た だ し 「要 是 」 と 「就 是 」 とを,. な しう る。. 仮 定 と条 件 とい う異 な る意 味 範 疇 に 振 り分 け. 表4中 に 示 したAタ イプ で は,聞 き手 の 側 か らは 音 調〓,〓 が 句 音調 で あ るか 文 音 調 で. る こ とに よ り,新 しい考 察 も可 能 とな ろ う。 これ は 今 後 の 課題 とす る。. あ るか を 予測 す る こ とは で きない 。 た だ し文 脈 上 の 充 分 な裏 づ け が あ る 場合 や,語 尾 の 長. 3.2. さ,音 域,発 話 の 速 度 に 工夫 が加 え られ て い. 3.2.1. a〓,a〓. る場 合 は 別 であ る。 しか し,い つ れ に して も. 語 気 詞aは,特. a〓(高 軽 声),a〓(低. 軽 声)の 形15). 殊 な強 調 が 加 え られ な い限. 本 稿 で は言 語 の 意 味 を話 し手 の 側 か ら捉 え る べ き もの と して い るの で,句 音 調 と文 音調 と. 〓,の 表 わ す形 は,図1に. を 明 らか に異 な る もの と して扱 う こ とが 可能. らか の タ イプ に な る と考 え られ る。. で あ る。 表4中. り,軽 声 で用 い られ る。 した が って,a〓,a. 図1 a〓,a〓. 示 した(A)(B)のどち. の 表 わ す形. に示 したBタ イ プ では,句 音調 〓 を. 用 い る と,叙 述 の営 み の継 続 を 重 畳 して保 証 す る こ と にな り,そ の 結 果,聞. き手 に しつ こ. さや嫌 み を感 じ させ る もの と考 え られ る。 こ の よ うな 意 味 の共 起 反 応 は,同. じ叙 述 の営 み. の レベル で 生 じる もの であ り,話 し手 の意 図 を よ り明 確 に す る もの と考 え られ る。 そ して,. 本報 告 の イ ンフ ォー マ ン トは(A)タイ プの 発. これ はそ の 内 の 「 重 ね表 現 に よる ダ メ押 し」. 音 を した。 ま た,老 人 の 中 にはa〓 で 反 詰 を. と して捉 え る こ とがで き る。. 表 わ す人 もい る との こ とで あ り,イ ン フ ォー マ ン トは,(B)タ イプ の 発音 で 口まね を してみ. さて,表4中. の*で 示 した 例 外 を解 釈 す る. ため に は,中 国語 の 仮 定 法 の 中 での 「要 是 」 の 役 割 を 考察 す る必 要 が あ る。 すな わ ち, 表1の(7)‑c・. 要 是〓 做 〓 〓 〜,可 以 〓. 〓了。 表1の(7)‑b・ 補 足例 に お い て,(7)‑cと. 就 是〓 来 〓 〜,我 也 不 去 。 〓做 〓 〓 的 〓,可 以 〓〓 了。 補足 例 に お い て は,前 分. せ た。 3.2.2. a〓,ゑ 〓 の 意 義 素. a〓,a〓. につ い て の 内 省 報告 を表2に 照 ら. し合 せ 概 括 し,整 理 す る な ら ば,a〓. は 表2. 中 のC項 の意 味 を表 わ し,a〓 はB項. の意味. を表 わ す 。 た だ し,き 〓 の整 理 につ い て は 次 の 二点 に. 句 と後 分 句 とで 副 詞 の呼 応 がみ られ な い。 こ. 留 意 した。(i)当. れ らの例 で は 話 し手 が聞 き手 に も後分 句 の結. ば 「丁寧 な言 い 方 」 とい う表現 が用 い られ た。. 初 の 内 省 報告 で は,し ば し. 論 に つ い て憶 測 した り自主 的 に判 断 を下 した. しか しそれ は,話. し手 の感 嘆(慨 嘆,驚 嘆 等.

(5) 63 を含 む)に. よ って生 じる聞 き手 の 印象 で あ る. とみ な した。 す なわ ち,感 嘆 を 「 発話時点に お い て話 し手 の 意 見が 変 わ る こ とに拠 って 生. の考 え方 を以 下,具 体 例 に即 して 検 証 してみ る。 (i)表1の(10)(11)にa〓. をつ け た 言 い 方は,. じる感 情 」 と して捉 え,聞 き手 に対 して も臨. 非 常 に 尊大 な印 象(例 え ば,答 は わ か りき っ. 場感 あふ れ る人 間 関 係 の 機 微 を感 じ と らせ る. て い る の だ とい うニ ュア ンス)を 聞 き手 に 与. もの と判 断 した か らで あ る。(ii)表1の(1)に. え るか ら,目 上 の 人 に対 して は 使 わ ない 方 が. つい て は,表2中. のA項 の 一 部 「〓 〓 〓 〓告. よい とい う。 そ れ に対 し,a〓 を つ け た 場 合. 〓 我 〓 」 とい う疑 問 を表 わ す とい う内 省報 告. は 尋 ね 方が 穏 や か で丁 寧 な もの に な るた め,. があ った 。 しか しその 意 味 は 単 独 で報 告 され. 誰 に対 して も好感 を与 え る とい う。. る こ とが な く,常 に感 嘆 と組 に な って報 告 さ. は,a〓. のみ が 用 い られ. れ た 。 そ の た め,感 嘆 と関連 性 のあ る疑 問 で. る。 「前 天 没下 雨,是a〓?(不. (ii)表1の(12)で. 是a〓)」 とい. は な い か と考 え,イ ン フ ォー マ ン トに 確 か め. う表 現 の 場合,話. た と ころ,「 話 し手 が あ ま りに驚 ろ い て い る. る確 信(雨 はふ った)を 抱 いて い るに も拘わ. し手 は 実 は叙 述 内 容 に 反 す. 場 合 に は,聞 き手 の 方 が進 ん で 説 明 を 加 え て. らず,表 向 きだ け で 「ど う思 い ます か?」 と. や る」 とい う,対 人 関係 を 円滑 に す る一 つ の. 尋 ね て い る感 じが す る とい う。 心 の 内 を探 れ. 習 慣 がa〓 の表 現 に よ って 催 が され る こ とが. ば,疑 問 の形 を借 りな が ら押 しつ け を して い. わ か った。. る ともみ なす こ とが で き る。 な お,「 是a〓 」. ま た,分 句 中 に お け るa〓,a〓. の 意味 は 句. は,「 そ うで した か!」 とい う あ い つ ちの 表. 音 調 の 表 向 きの意 味 が二 つ に わ か れ る に もか. 現 と して 慣 用 化 され て い て,念 押 し疑 問 文 の. かわ らず,常 に句 末 に配 置 され た場 合 の 意 味. 中で は 用 い る こ とが で きな い。. と同 じで あ った。 この こ とか ら,a〓,a〓. の. (iii) 表1の(4)に. お い て,a〓. が 用 い られ. 意 義 素 は,叙 述 の 営 み 方 や述 定 の あ り方 に つ. るの は,「 老 〓a〓 」とい う元気 の い い 呼 びか. い て の特 徴 は もた ず,伝 達 の あ り方 に つ い て. け の み で あ る。 文 脈 の 省略 に よ って 形 づ くら. の み特 徴 を有 す る もの と考 え る こ とが で きる。. れ る疑 問((4)‑c,(4)‑d)に. そ して,伝 達 され るべ き話 し手 本 来 の 意 見 は. 法 の 如何 に関 わ らず,用 い られ る ことが な い 。. は,そ の省 略 の 方. 叙 述 内容 その もの の 中 に表 わ され て い る の で. 疑 問 を表 わ す 一 定 の形 式 が 句 に 含 まれ て い る. は な く,話 し手 の心 の 中 に秘 め られ て い る も. 場 合(表1の(10)(11))に はa〓 が用 い ら れ る こ. の とみ な しう る。 さて,こ. とを考 え合 わ せ る な らば,a〓. の意 義 素 が疑. こで 改 め てa〓 の表 わ す表2中 の. 問 とい う一 見 排反 しあ う叙述 の 営 み と共起 す. C項 の 意 味,及 びa〓 の 表 わ すB項 の 意 味 を. る た めに は,か え って 疑 問 の定 形 を必要 とす. 細 か く分 析 して み る と,表5の. よ うに な る。. る とい え る。 この 必 要 条 件 は,a〓. の伝 え る. とa〓 と は 伝 達 に 関 し. 話 し手 の 意 見 が実 は 句 の裏 に 秘 め られて い る. て,対 立 とみ な せ る程 の 明 確 な差 異 がみ られ. こ とか ら生 じる特 殊 な も の とみ な さねば な ら. 表5に. よれ ば,a〓. る。 そ こ で,本 報 告 で はa〓 の意 義 素 を 「自. な い 。 一 方,a〓. 分 の 意見 に 同意 せ よ と迫 る 自我 の 押 しつ け 」. 寧 な よび かけ,「 → 老 〓a〓!」((4)‑b)に. と考 え,a〓. い て大 きな驚 ろ き(ひ い て は 疑 問)を 表 わ す。. の 意 義素 を 「自分 本来 の 意 見 を. は 「老 〓a〓 」 に お い て 丁 お. 呑み こ ん で しま う自我 の 消減 」 と考 え る こ と. や は り文 脈 の 省 略 に よ る疑 問 に は用 い られ る. と した。. こ とが ない 。. 3.2.3. 具体例での検証. 前 項 で 述 べ たa〓,a〓. の 意義素 につ い て. 3,3 3.3.1. ma〓,ma〓 ma〓(高 軽 声),ma〓(低. 軽 声)の 形.

(6) 64 本 報 告 で扱 うma〓 は,従 来 の 漢 字 表 記 で. い う,ma〓 と排 反 す る伝 達 の 意 味 を 表 わ す 陳. 「〓 」 に よ って表 わ され る音 に対 応 して い る。. 述 副 詞 で あ るた め で あ る と考 え られ る。 この. と ころ が,ma〓. につ いて は,漢. 字 と して 「嘛,麼,哩. 字表記の. 」 が該 当 す る。 また,. 音 形 に つ いて も,前 音節 の母 音 が 前 舌 音 で あ る場合 に はmeの. 形 を と る こ とが あ る。 また. よ うな意 味 の 共 起 反応 は,同. じ陳 述 の レベ ル. で 生 じ る もの とみ な せ,さ らに 「対 立 しあ う 意 味 の 排 他 反 応 」 と して捉 え る こ とが で きる。 (iv)表1の(3)にma〓. を つ け る と,ma〓. 句 末 に 用 い られ て,女 性 の甘 え な ど を表 わ す. をつ け た場 合 よ りも一 層 きつ い 表 現 に な る と. 場 合 な どには,軽 声 とはみ な し得 な い 程 に は. い う。 これ は,話. っ き り したma〓. 事 実 に 基 づ き筋道 だ てて 判 断 を下 す 意 図 に拠. の 発音 が顕 わ れ る。. し手 が 叙 述 の 営 み を 理屈 や. って 進 め て い る こ と を,文 脈 に よ って充 分 に. な お,イ ンフ ォー マ ン トの 発 音 に お け る ma〓 とma〓 の形 の 対 比 は,a〓 とa〓 の 対. 示 した うえ で,な おか つ 聞 き手 に 判 断 をゆ だ. 比 と同 じ く,図1中. ね て み せ る表 現 と な る。 そ の た め,聞. に示 した(A)タイプ で あ っ. た。 3.3.2. き手 は. 話 し手 の もつ 信 念 その もの を受 け い れ るか ど ma〓,ma〓. の意義素. うか を 迫 られ る よ うに な る と考 え られ る。 こ. ma〓 とma〓 に 関 す る 内省 報 告 を 表2に 照 ら し合 わせ て 概 括 し整 理 す る と,ma〓. は表2. の よ うな 意味 の 共 起 反 応 は,伝 達 と叙述 とに わ た って 生 じる共 起 反 応 の うち 「問 い かけ る. 中 のA項 の 一 部 「是 非 〓 」 を 表 わ し,ma〓. 内 容 を 叙述 内容 か ら話 し手 自身 の意 見 へ と変. はC項 の意 味 を表 わ す。 ただ し,分 句 中 での ma〓,ma〓 は,句 音 調 の 表 面上 の二 つ の 意. 換 す る反応 」 と して 捉 え る こ とが で きる。. 味 の違 い に 応 じて そ の意 味 に 差 異 を 生 じるの. に つ け て用 い る こ とが で きる。 こ れ らは 皆,. で本 項 での 整 理 か らは徐 外 し,項 を 改 めて 考. 主 部 を省 略 した形 の 疑 問 文 と解 釈 で き,か つ,. 察 す る こ とに した 。. そ の 主部 も文 脈 ・場 面 か ら容 易 に一 つ に定 め. さて こ こで,ma〓. の表 わ す 是 非 問 の 意 味. を まず 具 体 例 を通 して 詳 し く分 析 してみ る。 (i)表1の(10)に. はma〓. がつ け ら れ な い 。. 是 非 問 を 「一 つ に定 め られ た叙 述 内 容全 体 に つ い て,一 ケ所 以 上 の 反 事 実,反 真 理 が あ る か ない か を 尋 ね る」 もの と して捉 え るな らば, この 言 語 事 実 は 当然 の こ と とい え る。 (ii)表1の(11)にma〓. (v). 表1の(4)で. は,ma〓. は,a,b,c. る こ とが で き る。 す な わ ち, 表1の(4)‑a(在. 那 儿 的 是 〉 老〓ma〓?. 表1の(4)‑b(〓. 〓 的 是)老 〓ma〓?. 表1の(4)‑c(〓 ma〓?. 会的 〓 候 儿 是)明 天 晩 上. これ に 対 し,(4)‑c'に はma〓. がつ け られ な. い。 それ は,主 部 「〓 」 の あ との 述 部 が 省略. をつ け て 用 い よ う. され た ま まで,叙 述 内 容が 定 め られ て い ない. とす る と,「什 〓 」 「〓 」 な どは すべ て 不 定 詞. ため,す な わ ち,叙 述 の営 み が 未 完 了 の た め. と して の 意味 を表 わ す よ うにな る16)。不 定 詞. と考 え られ る。. は 個 を 示 さない とは い え,あ る種 全 体 を 指 し 示 す もの で あ るゆ え,是 非 問 の 叙 述 内 容 に 含 まれ る こ とが で き る と考 え られ る。 (iii)表1の(8)にma〓. をつ け る と,疑 問. の 表 わ す 表2中. のC項. (i)表1の(4)で. は,表1に. 規 定 され た意. う ち,「 別 」. 表1の(4)‑a※. 老 〓ma〓. 表1の(1)‑h〓. 就 是 山 田先 生ma〓. きな い。 そ れ は,こ の 二 単 語 が 文 単 位17)の意 味 を表 わ し,か つ,聞 き手 に 命 令 して い る と. の意味. 味 を 一 つ も表 わ す こ とが で きな い 。. をつ け る こ とが で. 文 とな る。 しか し,表1の(9)の 「〓 」 を 含む 句 に は,ma〓. 次 に,ma〓. を具 体 例 に 即 して検 討 して い く。. (1)‑hは,配. 。 。. 役 を忘 れ た俳 優 を 叱 りつ け る. 場 合 な どに 使 わ れ る 表 現 で あ る が,(4)‑aは.

(7) 65 如 何 な る場 合 を想 定 して みて も用 い られ な い. きな 文法 課 題 と考 え られ るゆ え,後. との こ とで あ る。 「 老 〓a〓 」 が 使 い や す い. て 考 察 す る こ と とす る。. 表 現 で あ る こ と も考 え あ わ せ る と,ma〓 表 わ す 表2のC項. の. さて,こ こで,ma〓. 日,改 め. の表 わ す二 つ の 意 味. の意 味 は,伝 達 のみ な ら ず. に つ い て共 通 の 意 義特 徴 が含 まれ て いな い か. 述 定 及 び 叙 述 内 容 につ い ての 特 徴 を意 義素 の. を調 べ,そ れ に よ り一 つの 意 義 素 を と り出せ. 中に 確 か に 含 ん で い る も の と考 え られ る。. な い か検 討 して み る。 表6は,そ. (ii). ma〓 は 多 くの場 合,軽 蔑 を 含 ん だ. よ うな 高 圧 的 な 話 しぶ りを表 わ す 。例 え ば,. の検 討 結 果. を 示 した もの で あ る。 表6に 拠 れば,ma〓. は 「話 し手 の 信 念 を. 表1の(11)に お い て は(「 什 〓 」 「 〓 儿」 な どは. 相 手 に押 しつ け る」 とい う唯 一 つ の 意義 素 を. 疑 問 詞 と して用 い られ る)高 圧的 に返 事 を促. 有 す る一 単 語 で あ る。 また,句 の 条 件 や具 体. す ニ ュ ア ン スを 添 え る。 また,表1の(8)‑dで. 的 用 例 の背 景 か らみ る と,そ の 信 念 は,文 脈. は,a〓. に よ って既 に聞 き手 に 充分 伝 え られ て い るも. が これ か ら生 じる で あ ろ う こ とへ の. 臨場 感 あ ふ れ る忠告 を表 わ す の に 対 し,ma. の とみ な す こ と が で き る19)。し た が って,. 〓 は すん で しま った ことへ の 警 告 を表 わ す。. ma〓 の 意 義 素 に は 「叙 述 内 容 に よ り,話 し. す なわ ち,. 手 の 信念 を つ まび らか に す る」 とい う意 義特. 表1の(8)‑d〓. 要小 心a〓!. 徴 が 含 まれ てい る と考 え られ る。 そ して 本報. あ な た,気 をつ け て!. 告 で は,そ の信 念 の 押 しつ け 方 と して は 「 文. (a〓 は 丁 寧 に な る). 単 位 の 単語 連 結 の パ ター ンを用 い て 訴 え る方. 表1の(8)‑d〓. 要 小 心ma〓! あ な た,気 を つ けな い とダ メ じ ゃな い の!. (iii)と ころ が,ma〓. 法 が 示 され て い る場 合,下 手 に 出 る態 度 を表 わ す 」 とい う条 件 をつ け て お くに と どめ る。 3.3.3. には子供 等 が しば. しば 使 うよ うな用 法,す な わ ち聞 き手 に 対 し. 分 句 中 のma〓 とma〓 ‑間 投 詞maの 設 定‑. 分 句 中 に お け るma〓. とma〓. の 意味 を検. て 自分 の期 待 通 りの 返 事 や 行 動 を求 め る よ う. 討 して み る と,大 き く二 つ の タ イ プに 分 け る. な→ 話 しぶ りを表 わ す 場 合 が あ る。 それ は,. こ とが で きる。 その 区 別 を 生 じさせ る前 分句. 表1で は(8)‑a,b,c,(9)‑a,b,(10)(11)にお い て で. の条 件 は,句 音 調 〓 の 意 味 をニ タ イ プに 分 け. あ る。 これ ら の例 に共 通 な 要 素 は,単 語 一 つ. る もの(表4中 に示 したA・Bの タ イ プ)と 同 一 で あ る。 そ こで20),分 句 中 のmaも 句 音調. に 拠 って では な く,単 語 連 結 の パ タ ー ン(動 詞 を主 部 な しの 原 型 で 用 い る こ とも 含め る). と同 じ く叙 述 の 営み を表 わ す もの と考 え られ. に よ って表 わ され る命 令,疑 問 の意 味 が 叙 述. る。. 内 容 に 含 まれ てい る こ とで あ る。疑 問詞 一 つ を 用 い た疑 問 文 や,禁 止 の 副 詞 一 つ を用 い た 禁 止文 に於 て は,期 待 の 意 味 が 生 じない こ と を 考 え あ わ せ る な らば,叙 述 の 営み の如 何 が,. ma〓. とma〓 の二 つ の 意 味 は次 の 通 りで あ. る。 (i)前 合,ma〓. 分 句 の形 が 表4中 のAタ イ プの場 は 「〜 だ と して ご らん な さ い 」 と. ma〓 の 意 味 を 表 向 き二 つ にわ け て い る と い. 誘 い か け る ニ ュア ンス を表 わ す。 その 誘 い は,. え る。 す な わ ち. 是 否 を問 い か け るので は な く,聞 き手 に も叙. 表1の(10)‑a・ 〓 明 儿 出去 不 出去ma〓? あ な た,あ. した本 当 に で か け る のお 〓. この 叙 述 の営 み の差 異 を中 国 語 の文 法 や 意 味 論 の 中 で どの よ うに位 置 づ け る か18)は,大. 述 の営 み に 参加 す る よ うに と呼 び か け る もの で あ る。 また,ma〓. は 「〜 だ とす る!… …」. とい う,そ れ ま で の確 信 に み ち た話 しぶ りを 一 旦 停 止 す る こ と を表 わ す21) 。ma〓 とma〓.

(8) 66 の 意 味 の 違 い は,次 の よ うな 使 わ れ方 に顕 著 に表 わ され て い る。 表1の(7)‑c・ 〓 要 是 做 〓 〓ma〓,可. 以〓. を,一 つ の 語 気 詞. の 間 投詞baに. 句音 調 〓,〓 が 重 ね られ た も. の とに分 け て 考 察 す る。1e〓,1e〓 も 同 じ観. 〓了。 表1の(7)‑c'※ 〓 要 是 做 〓 〓ma〓,一. 定失. 〓。. 点 か ら考 察 し,接 続 形 式 の1eと の 区別 を明 ら か に す る。 また,na〓,na〓. 内 省 報 告 に よれ ば,聞. き手 に とって 不 愉 快. で あ ろ う内 容 を語 る際 に は,ma〓 こ とは あ って も,ma〓. を用 い る. を用 い る こ と は 避 け. る とい う。 (ii). 次 報 で は,ba〓,ba〓. baに 文 音 調 〓,〓 が重 ね られ た もの と,一 つ. 詞naに. は,一 つ の 間 投. が重 ね られ た もの と. 捉 え て考 察 す る。de〓,de〓. は一つの間投. 詞deに 文音 調 〓,〓 が 重 ね ら れ た も の と し て考 察 す る。. 前 分 句 の形 が 表4中 のBタ イ プの 場. 合,ma〓. 語 気 詞a〓,a〓. の 意味 は,(i)と. 異 な り,ma〓. よ. た だ し,こ れ らの 分 析 は イ ンフ ォー マ ン ト の個 人 言 語 を対 象 と して 行 な われ た も ので あ. りも更 に 押 しつ け が ま し くきつ い言 い方 を表. る の で本 報 告 と異 な った用 例 につ いて は,発. わ す 。ma〓 の 方 は,(i)と. 話 者 の言 語 経 歴 また は 方 言 を 明 示 して お 知 ら. 同 じ く話 し手 の. せ 戴 けれ ば 幸 い で す 。 また,文 法 諭 に つい て. 自信 の 程 を表 わ す。 さて,こ. こ で,分 句 中 のma〓. は 双 方 と も,3・3・2節 たma〓. とma〓. とma〓. と. も個 々 の言 語 事 実 の 側 か ら理 論 が左 右 され る. で意 義 素 を解 明 し. こ との ない よ う注意 は しま した が,大 方 の 御. とは 全 く異 な った 意 味 を 表. 批 評 を 仰 ぐもの で す 。. わ す こ とが明 らか に な る。 さ らに,句 音 調 〓 が 表 わ す表 向 きの二 つ の 意 味 をma〓. の二つ. (注). の意 味 と対 照 して 考 え る な ら ば,分 句 中 の ma〓 は 唯 一 つ のmaの. 意 味 と句 音調 〓 の 意. 味 とを 同 時 に表 わ して い る もの とみ なせ る。 そ して,そ のmaの. な らば,分 句 中 のma〓 〓,〓. 2). 意 味 を(ii)に 拠 って 探 る とma〓. とは,句 音 調. が重 ね られ るこ とに よ り二 つ の 形 に わ. か れ て い る もの の,実 際的 に は,一. 趙 元任1968,〓. 徳 宣1957,博. 良勲1947,. 等 。 これ らの 記 述 方 法 か ら一 歩 脱 却 した考 察 が上 神1968,で 3). つ のma. 芳 賀1954,渡. 行 な われ て い る。 辺1971,を. 大筋 に お いて. 踏 ま えた 。 た だ し,形 の 名 称 と して 「句」. で あ る とみ な しう る。. を用 い,そ れ に対 応 す る意 味 の 名 称 と して. す なわ ち,本 報 告 で は分 句 中のmaを. 叙述. 「叙 述 内 容 」 を 当 て た こ と,「陳 述 」 を形 の. の営 み を表 わ す 附 属 語22)(「間 投 詞 」 と呼ぶ). 名称 とし 「 述 定 」「 伝 達 」を意 味 の 名 称 と し. と し,そ の 意 義 素 を 「話 し手 が 筋 道 だ て な が. て 用 い た こ とは,本 報 告 独 自の 用 法 で あ る。. ら理 詰 で話 しを 進 め て い く」 と考 え る こ とに. 4). 服 部1951(第. す る。. 5). 大 滝1975.「 中国 語 形 容 詞 の 意 味 分 析 」. 九章 文 音 調). 中 国 語学222.に 4.. ま とめ. 本 報 告 で は,文 音 調 〓,〓 の 意 義 素 を述 定 に,a〓,a〓,の. 意 義 素 を伝 達 に関 す る もの. とみ な した 。 そ して,語 気 詞ma〓,ma〓. を. 大 滝1975で の イ ン フ ォー マ ン トと同 じ。. 7). 注1)2)の 文 献 の 他,岩 波 中 国 語辞 典,中. 国語 学 辞 典1958.(江 南 書店) 8) 岩 崎1976「 存 在 判 断 の 真理 の基 準」参照. 各 々別 個 に,述 定 と伝達 に 関 す る意 義 素 を も. 9). つ もの と し,さ らに,間 投 詞maを. 10). 区 別 した 。. お い て 用 い た 概念 で あ る。. 6). 岩 崎1976「 価 値 判 断 の真 理 の 基準 」参 照. C.J. Fillmore. 1970. time of the loca-.

(9) 67 tionary参 照 11). 趙 元 任1968.「A. 服 部1968.p324. Grammer. nese•vUniversity. 12). 服部1960.p454. 13). 服 部1960.p208不. 14). 服 部1960.第. 15). 趙 元 任1968.p812〜814. 16). 呂叔 湘1944(中)p249. 17). 叙 述 の営 み の 中に お い て も,述 部 の 頭. 定人 称者,参 照. 一人称者. of. of Spoken. California. Chi‑. Press.. 博 良勲1947.「 助 〓的 研 究 」 〓 〓,殷. 〓 先1959.「 字 〓和 〓 〓 」 新 知 〓. 出版 社 上 神忠 彦1968.「 文 末 語 気 助詞 類 内連 用 の き ま りに つ いて 」 中国 語学179. 初 で 述 定 の あ り方 を指 定 す る表 現 の あ る こ. 芳 賀 〓1954,「 陣 述 とは 何 もの?」 国 語 国文4. とを み とめ たい 。 当 然,名 詞 句や 副 詞 句 の. 佐 治 圭 三1957.「 終 助 詞 の機 能 」 国 語 国 文26 ‑7. 中 に は収 ま らない 。 18). 日本語 に つ い て は,南1974(第. 四章文. の 構造)に 具 体 的 記 述 あ り。 19). W.L.Chafe. 1970.old. 参照 20) 服 部1968,p324語. information. 渡 辺 実1971.「 国 語 構 文 論」 塙 書 房 南 不 二 夫1974.「 現 代 日本 話 の 構 造 」大 修 館 Pierre. Guiraud. 佐 藤信 夫 訳 義 的呼 応 の 作 業 原. 則 を 踏 まえ た。. 1951. •uLA. SEMIOLOGIE•v. 白 水社. 岩 崎 武雄1976「 真理 論 」 東 京大 学 出版 会 服 部 四 郎1951.「 音 声学 」 岩 波 全書. 21). 趙 元 任1968,p806.. 服 部 四郎1960.「 言語 学 の 方 法 」岩 波 書店. 22). 服部1960,p461. 服 部 四郎1968.「 意味 」 岩 波 哲 学講 座 「言 話 」 Charles. 文献 目録. cal. J.. Fillmore:. information•v. 1970 •uTypes Studies. in. of Syntax. lexiand. Semantics Wallace guage•v. (表1)例. 句. L. The. 〜は音調語気詞 の位置 を示す ○は言い切 りを示 す ()内 は句 の中のポイ ント〈 〉内は場面. Chafe. 1970 •uStructure. University. of. of Chicago. LanPress..

(10) 68. (表2) 表1の(1)に 顕 わ れ る意 味.

(11) 69. (表3) 文 音 調 〓,〓 の 大 ざ っぱ な意 味. (表4) 句 音 調 〓,〓 の意 味. (表5) a〓 とa〓 の意 義 特 徴.

(12) 70. (表6) ma〓 の表わす二つの意味の意義特徴.

(13)

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