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ブドウの葉脈黄変による早期落葉の研究-香川大学学術情報リポジトリ

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ブドウの葉脈黄変による早期落葉の研究

樽 谷

StudiesontheEarlySummerDefoliation

OfGrapeVinesCausedbytheVein−yellowing

Masaru KuRETANI (LaboratoryofUniversityFarm) 目 次 緒 1 2 2 7 13 13 15 17 21 23 第1章 ブドウ園における早期落葉の実態 第1節 変色葉の種煩と落葉時期 第2節 地形および土壌状態と落葉の関係 第2章 早期落葉が園内気象の変化と果実の品質に及ぼす影響 第1節 棚面下部における日射量の変化と赤うれ果の発生 第2節 気温,蒸発量,土壌湿度の変化 窮3節 果実温と果実の品質 第4節 コモ掛けによる早期落葉の被害軽減 第3章 梅雨期∼盛夏期の土壌湿度が落葉に及 第1節 土壌湿度の高低およびその変化が樹体生長, 落葉ならびに養分吸収に及ぼす影響 2 2 3 3 3 3 4 3 7 2 9 9 9 2 第2節 土壌の乾燥が落葉に及 第3節 土壌の過湿が落葉に及ぼす影響 第4章 梅雨期の早期落葉と案内要素成分の変化 第1節 葉脈黄変実の発生と案内成分の変化 第1項 葉位別菓内成分の時期的変化 第2項 葉脈黄変葉の案内要素成分

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第2節 基部菓におけるP含量の低下と移行 44 45 50 55 59 59 59 63 第1項 細根の機能障害と基部案内の要素含量の変化

第2項 基部葉における32Pの吸収と移行

第3節 葉面散布剤による落葉の抑制 第5章 Cuが葉脈の黄変と梅雨期落葉に及ぼす影響

第1節 葉脈黄変菓の発現に及ばすCu溶液の影響

第1項 硫酸銅溶液に挿した切枝での観察 第2項 硫酸銅溶液水耕によるさし木苗での観察 第2節 葉脈黄変葉の発生に及ぼす硫酸銅の土壌施用と過湿の影響…1 …・……

68

第■6章 石灰施用とリン酸追肥が葉脈黄変菓の発生に及ばす影響 総 結 論 引 用 文 献 英 文 要

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−1−

緒 ロ 果樹栽培において,樹体の発育や果実の収量・品質を良くするためには,菓を健全に保つことが重要である… ところが瀬戸内地帯におけるブドウ園では,梅雨期ごろから早期に落葉することが多く,それが果実の発育を不 良にするとともに,赤うれ果や萎縮果などの孝幸果の発生を促している. 早期落葉とは,晩秋の自然落葉期以前に早く落葉する場合を指すものであるが、その時期が異常に早い場合に は,直接その年の果実の発育や品質に悪影響を及ほすまた,それが果実の収穫後であれは,翌年の発芽や新しょ う伸長,突止まりなどに悪影響を与える… これらのフドウ園における早期落葉について,その発生時期を実態調 査の結果から大別すると,多雨・過湿の梅雨期に発生するものと,強い日照と乾燥の続く夏期から初秋にかけて 発生するものの二者となる.そのうち後者については,すでに葦澤(1964)(4)が詳細な報告を行なっているりそこ で筆名は,おもに前名,すなわち梅雨期における生理的落葉について,1962年以来,とくに結果枝基部菓の葉脈 が黄変して‥落葉する場合の,原因の究明とその防止対策について研究を行なった… 本研究の遂行にあたり,まず香川県の傾斜地および水田転換フドウ固の∴主としてCampbell’sEarly種につい て早期落葉の実態と,それが園地の気象,土壌条件ならびに果実の発育・品質に及ほす影響を明らかにLた… つ いで,梅雨期、盛夏期における当地方の気象的特性およびそれがもたらす園地の土壌湿度の変化,ならびに土壌 学上の質的変化と,ブドウ樹の発育ならびに養分吸収,案内要素成分の変化との関係などを究めることによって, 結果枝基部菓の黄変・落葉の原因を明らかにしようとした− この研究に関する調査および実験を通して,とくに梅雨期にみられる早期落葉について,葉脈が黄変して早期 に落葉する原因の究明に重点をおき,結果枝基部葉内のCu含靂とP含鼻との関係,ならびに土壌中に蓄積・存在 するCuが,土壌の過湿によって溶出され,それが菓内に入ってCu害としての葉脈黄変菓を発生させる経過と機 構を明らかにしたい さらに早期落葉による果実への被害軽減の対策,菓面散布剤の利用,石灰施用およびリソ酸 追肥の効果などについて調査し,葉脈黄変葉の発生防止対策の確立に関する資料を待た.本論文は上記の研究に ついて,すでに発表した報告を中心とし,一部未発表の成績を・加えてとりまとめたものであるい 本論文を草するにあたり,本研究の遂行に終始ご懇篤なご指導とご校閲を賜わった京都大学名誉教授小林章博 士,また,実験・調査に際して種々のご教示と激励を戴いた香川大学教授葦澤正義博士,同上原勝樹博士,岡玉 置鷹彦博士に深甚の謝意を表します.さらに実験の実施に対して香川大学農学部谷利一助教授,梅田裕助教授, 中便利明助教授,真部正敏助教授,真部桂教官ならびに真鍋広光技官の絶大なるご協力を得た,.なお,大川郡志 度町高橋忠氏,高橋教一・氏をはしめ,県下各地のブドウ栽培者各位から,現地調査ならびに試料採取の便宜をあ たえられた..また,大塚化学薬品株式会社徳島工場からほ,薬剤試料等の提供をいただいた.あわせてここに深 謝の意を表します1.

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ー 2 −

第1章 ブドウ園における早期落葉の実態

香川県地方の・ブドウ園における早期落葉の発生状態を明らかにするために,梅雨期から盛夏期(6∼8月)の酎 にかけて,主としてCampbell’sEarly園について,早期落葉の前兆として起こる結果枝基部菓の黄変またほ褐変 の模様と,その類型および落葉状態を観察した 第1節 変色葉の種類と落葉時期 本節でほ,結果枝基部に発生する変色菓の種類と,それにともなう落葉状態について−観察し,梅雨期中と梅雨 明け後の盛夏期とでは,それぞれ変色菓の種類と,その発生状態の異なることを明らかに・した Ⅰ 調査材料および方法 1962年および1963年の6∼8月の間,おおむね梅雨期間中と梅雨明け後の盛夏期とに分けて,香川大学農学部 付属農場の大官果樹園,傾斜地幾場果樹園のほか,香川県大川郡志度町の傾斜地ブトウ園,山麓の平坦地ブドウ 園ならびに水田転換フドウ園について調査した調査園は多くが花こう岩を母材とした土壌で,調査樹は5一、−13年 生のCampbe11’sEarlyの成木で,U字形また ほ一文字形仕立ての短しょう勇定である 調査ほすべて肉眼観察により,結果枝基部 菓の黄変またほ褐変の徴候について類型的に 区別し,あわせて落莫数,落葉率ならびに園 地の地形環境,土壌および樹体の状態などを 調査したなお,本調査を行なった1962年の 夏季における気象状況について,高松地方気 象台の観測によるものを引用すると,第1図 のとおりである 第1図 調査期間中の気象概要 (高松気象台:1962年)

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− 3 − ⅠⅠ調査結果

A 梅雨期における変色彙とその落葉状態

(1)香川大学農学部付属幾場における調査 1962年の6月中旬に大宮果樹園のブドウ園において,13年生樹の結果枝基部菓の変色について,その教候と発 生状態を観察したりその結果を大別すると第2囲および第1表に示すように,a)全案身の黄化菓,b)葉脈 の黄変菓,C)葉脈間の黄変菓の3類型がみられた. すなわち,全案身の黄化菓は枝葉発育が比較的旺盛で, 密生・繁茂の状態にあるものにおいて,光線不足または基 部薬の老化によると思われるもので,おもに結果枝基部 の1、一2葉にみられ,容易に落葉するようであるい本調査 の場合,1結果枝当たりの落葉数は平均0..4枚程度であ った 葉脈の黄変菓ほこの時期の変色薬のうちでは比較的多 くみられ,本調査の場合,1結果枝当たり26枚の発生が あり,すで忙この時期において平均2.0枚程度の落葉が みられた 葉脈間の萬変する実は,いわゆるMg欠乏症に類似の もので,園樹においてはこの時期の発生は少ないが,本 調査の場合では別の実験で,水分収支の観察するために 設けたラインメータ1−の,砂れき質土壌に植えた5年生 樹において,平均4.7枚の発生が観察された. 左より,全集身の黄化菓,葉脈の賀変葉,葉 脈間の黄変葉,健全菓 第2図 梅雨期における結果枝基部実の変色葉の種類 第1表 梅雨期における変色菓の種類とその発生状態 (香川大学農学部大宮果樹園:ユ粥2年) 健 全 樹 全案身の黄化葉 菓脈の黄変菓 葉脈間の黄変葉 主 枝 長(m) 5。.3 6小0 5.1 2.8 結果校本数(本) 43 76 44 24 乗 数(枚) 585(13小6) 1,155(15‥2) 586(13.8) 432(18.0) 5(0.1) 29(0い4) 106(2一ノ6) 113(4..7) 変色薬(菓%数 0.9 2い5 18‖1 262 落葉(薬%数 0 0 88(2.0) 29(1..2) 0 0 15‖0 6…7 注1)※はコンクリート桓植の5年生である… 2)()は1結果枝当たりをしめすい

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− 4 − (2)大川郡志度町における調査 香川県におけるCampbeli’sEarly種ブドウの主産地である大川郡志度町幸田地区で,高橋教一氏の水田転換園 について・1962年6月19日に調査したところ,第3図および第4図のように葉脈の黄変した菓の発生と,それに. よる落葉がいちしるしかった‖ この調査園ほ,隣接のブドウ囲および水田との高低差が少なく,排水が悪く6月 10日∼16日までの連日降雨によって,畦間に渾水があった園である.. 第3図 水田転換園における葉脈黄変菓の発 生状態(志度町高橋氏園・キャンベ ルス・ア・−リ・−;1962年6月19日) 第4図 同前,葉脈黄変菓の発生 にともなう梅雨期の落葉 状態(1962年6月23日) すなわら,第3図にみられるような葉脈の黄変する菓ほ,この時期に連日の降雨,園地の滞水または排水不良園に みられ,はなほだしいものほ基部より4∼5枚に及んで葉脈黄変菓が発生し,それに続いて−落葉を起こしているい なお,この種の黄変菓は上記の調査園に煩似した水田転換園のはか,同地区内の山麓平坦地園ならびに傾斜地 園の下麓部においても,地下水位の高い部分または排水不良のところに多く観察された.さらに1963年の梅雨期 に同様の調査を行なったが,この場合にも前年の発生園では同じような状態が認められた. B 盛夏期における変色葉の発生と落葉状態 梅雨明け(7月中・ ̄下旬)後における結果枝基部黄 の変色状態は,梅雨期中の場合とほ異なり,第5図に 示すような種煩が認められた すなわち,梅雨明け直後から盛夏期に移行するにつ れて,1)葉脈間の黄変する菓(Mg欠乏症類似葉), 2)素焼け症類似の褐変菓,3)種々の薬害(ボルド ー液,エントリン,除草剤など)および病害(おもに 褐斑病)による黄変または褐変菓,などがみられた. (1)葉脈間の黄変菓(Mg欠乏症類似薬)の発生と 消長 志度町幸田地区の山麓水田転換園(池田清太郎氏園) 上段左より 健全菓,Mg欠乏症類似責変菓, 葉焼け症類似褐変葉(各2枚) 下段左より ボルドー液薬害褐変葉(2枚),褐 斑病被害褐変菓(4枚) 第5図 梅雨明け期∼盛夏期における変色稟の 種類

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− 5 −

で調査した結果ほ,第6図に示すように梅雨明け後の土

3

墳乾燥につれて,結果枝基部葉の黄変・褐変ならびに落

葉の増加する傾向がみられたlこの場合,とくに下層土龍2

がれき質で保水性の乏しい部位(崖端部)では,7月中旬数1

から8月上旬にかけて,葉脈間の黄変する菓が多く発生 Mg欠乏症顆似乗 ノ、\ノ撞端部 / \・一・・一一

\、、、▲.∠

′ ′ ′叫 /

穐10 20

1%2327ろ々 12 20 した 尋 また,梅雨期中には相当に高い土壌湿度を保持してい 3

た中央部でも,8月上・中旬に至、つて土壌湿度が40%(対 葉

容水量)以下になったときには,明らかに葉脈の黄変し

た葉の発生がみられた1・ 0 0 0 0 0 6 5 4 3 2 ⊥触湿度l容水嵩㌔︶ 蕊了さ:イニニ 第6図 山麓の水田転換園における部位別土

壌湿度と黄・褐変菓,Mg欠乏症頬

似菓の消長(志度町幸田:池田氏園) 1%2327ろ々12 2025 兢 10 20 ノj l! (2)葉焼け症規似の変色菓の発生と消長

菓の萎ちょうおよび葉焼け症類似の変色葉の発生ほ,おもに8月上・中旬の盛夏期になってみられ菓のふち

から褐変し枯死の徴候を示したnこれほとくに,土壌が乾燥しやすく,強烈な日射を受ける個所の樹に多くみら

れ,本調査の場合にほ,砂れき質土壌の傾斜地園に多かった1・この種の変色菓の発生ならびに落葉ほ,Campbeu’s

Ear1y以外の品種にも多く観察された (3)薬害および病害による変色菓の徴候 第7図 ビニール被覆栽培園におけるボルド ー液の薬害と,Mg欠乏症類似薬の 併発状態(志度町:高橋源太郎氏固) 黄変菓の 第8囲 褐斑病の被害による病斑と 状態

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ー 6 一 薬害による黄・褐変葉のおもなものとしてほ,ボルトー液または除草剤などによるものが多く,除草剤による もののうち接触型の薬剤がかかったときには,葉の変色・枯死が急速に進むことが多い‖ 第7図ほビニ・−ル被覆による早熟栽培園において,ボルドー液の薬害とMg欠乏症類似の黄変菓が併発したも のである・また,第8図ほ褐斑病の被害による叢変菓である。.これらの薬害またほ病害による変色菓ほ,前二項 で述べたMg欠乏症規似の黄変菓および菓焼け症類似の褐変葉とほ,その徴候が異なるものであるが,相互に併 発している場合も多く,その発生ほ8月中旬以降に多かった‖ ⅠⅠⅠ考 察 香川県地力をほじめ瀬戸内海沿岸地域ほ,わが国でも高温・寡両地帯に属し,年間降雨量は平年1100mm内外 で他にくらべて降雨量が少なく,とくに梅雨明け後の高温・乾燥ほ,当地方における果樹の発育・品質に対して, 種々の影響を及ぼしている. 葦澤・樽谷(1959,1962)(2’3’は,香川県における果樹園の早害およびその発生機構について,詳細な調査を行 ない,そのうちCampbell’sEarly7Lトウ園の苧害および結果枝基部菓の早期落葉の誘起が,梅雨明け後の土壌乾 燥によるところが大きいことを明らかにしている本多・岡崎(1962)(23)は,岡山県における水田地帯の Campbell’sEarly種ブドウの早期落葉の実態調査の結果,年次別,樹勢別の落葉率およびその波相について報貸 していも.これらの報告でほ,いずれもブドウの早期落葉が,梅雨明け後の土壌乾燥に起因するものであること ほ・明らかであるlまた,ブトウの早期落葉と土壌湿度および水分代謝との関係については,GARDNER, HOOKERら(1939)(12)をはじめ,葦渾・樽谷(1962)(き),小林・樽谷ら(1963)(49),樽谷(1968)(62)の報告が ある.さらにブドウの結果枝基部葉の早期落葉の原因として,少石灰ボルト・一液の薬害(10,37,39・52,101,10…09・110・ 12S,130,131)・および特定要素養分の欠乏(3…2・43,44,55,58,9…8,10…7,116,126,136)があげられている一. 本節の調査において,フドウの早期落葉を誘起する基部菓の変色にほ,季節によって種々の徽候と類型が認め られたが,これらの類型は上述の詔報嘗のうちのいずれかの原因に.よるものであることほ推定にかたくない.しか し,梅雨期においてすでに多くの落葉があり,それが全案身の黄化および葉脈の黄変によるものが多いことにつ いての記載は見当たらない.この二つの類型については本調査の結果が示すように,この時期における連日降雨, 日照不足のほか,園地の排水不良または地下水位の過高なとにもとづく,板の生理的障害によるものと思われるり このことは各種果樹の根群に対する湛水や通気不良の処理(31,40,41,48,50〉51)が,根における養水分の吸収機能の低 下,とくに特定要素の吸収を抑制することよりして,それらと直接あるいほ間接に関連があるものと考えられるり 梅雨期の落葉には葉脈の黄変によるものが多い点については,いまだ明らかな報告が見当たらず,わずかトニ柑橘 菓(114)についての記載例がみられたのに過ぎない.本調査に.みられた葉脈黄変菓の外観的徴候軋 小林・許ら (1969)(52)がボルトー液のCuによる薬害の徴侯として報告して−いるものと一致するり しかしい本調査の場合に は必ずしもボルトー液の散布とはかかわりなく,排水不良園,瞳間の滞水園,地下水位の過高園などにおいて 発生が多くみられた.また,落葉の前兆として葉脈黄変菓の発生が多くみられることほ,上記の条件をもつプト ウ園に共通的にみられる現象であり,梅雨期における早期落葉の特徴であると思われる. 梅雨明け後にMg欠乏症煩似の黄変菓の発現が多く認められることは,高鳥・内藤・五響(1960)(55)が砂丘地ブ ドウ園における苦士欠乏症の観察および筆者(1962,1964,1966,1968)(58,60・61,62)の調査結果と−・致している. 梅雨明け後の落葉はMg欠乏症のみであるとほ断定しがたく,そのほかに盛夏期の高温・乾燥にもとづく,種々 の生理障害による落葉がある..このことほ8月上・中旬の落葉数の増加が,おもに菓焼け症類似の変色によるも のであったことによっても明らかである.なお,各種の病害,農薬および除草剤などによる薬害が,早期落葉の

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− 7 一 原因となる場合もある,また,台風被害が早期落葉をともなうことについては,すでによく知られていることで あるい Ⅳ 摘 要 香川県におけるCampbell’sEarly種ブドウ園の早期落葉の実態を明らかにするため,1962,63年の梅雨期から 盛夏期にわたる間に,傾斜地園,山麓または水田転換の平坦地園について,結果枝基部における変色菓の発生お よび落葉状態について観察した. (1)早期落葉を誘起する結果枝基部実の変色には,a)全集身の黄化,b)葉脈の黄変,C)葉脈間の黄変 (Mg欠乏症頼似),d)集線の褐変・枯死(菓焼け症叛似),e)病害またほ薬害によるもの,などが認められ た. (2)梅雨期の落莫は,おもに全案身の賛化と葉脈の黄変によるものが多く,とくに排水不良囲,地下水位の遇 高園でほ,葉脈の黄変による落葉がいちしるしい. (3)梅雨明け(7月中・7旬)から盛夏期に移行するにつれて,葉脈間の哉変(Mg欠乏症類似)および葉焼け 症頬似の褐変菓の発生と,それにともなう落葉が多くなる..とくに土壌乾燥のいちしるしい傾斜地園においては, 8月上・中旬に至って,この感の原因による落葉が急速に増加した. 第2節 地形および土壌状態と落葉の関係 当地方のCampbell’sEarly園における早期落葉を起こす変色葉の症状による分類と,その落莫状態についてほ 前節で明らかにした… 本節でほさらに,これらの早期落葉が地形や土壌状態によって,どのような差異があるか を,香川県内のCampbell’sEarlyの主産地において実態を調査した. Ⅰ 調査材料および方法 A 方位を異にする傾斜地園の落葉状態 香川大学農学部の大宮果樹園,傾斜地農場果樹園ならびに大川郡志度町のブトウ園において,債斜方位の異な る傾斜地固のHybr・idFr・anC台・Campbe11’sEarlyについて,1962年8月1日と8月20日に落葉状態を調査し た.さらに1962年および1963年の8月上旬に,志度町幸田地区において東面および西面のほほ対称的な傾斜地 フドウ園で,それぞれ上部,中部,下部の樹について,その落葉状態を調査・比較Lたり B 平坦地および地下水位過高樹の落葉状態 (1)平坦地園の落葉状態 大川郡志度町の山麓平坦地園ならびに水田転換園について,1962年8月1日と8月20日に調査した. (2)地下水位過高槻の落葉状態 1962年6月19日から8月20日にわたる間,志度町幸田地区の山麓水田転換園(池田清太郎氏園)で,山容部, 中央部,崖端部の3部位の樹について,地下水位と落葉との関係を訝査した‖ 地下水位の測定ほ,それぞれの部 位で同一畦上に2カ所の測点を設け,直径約10cm・深さ1mの明孔を掘り,地表面から地下水面までの深さを測 定した。. C 地質および土質の異なる園の落葉状態 (1)傾斜地園の土質および土壌湿度と落葉の関係 1962年8月1日に,花こう岩土壌よりなる傾斜地園について,23カ所の調査地点で,土壌の理学的組成と落葉

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− 8 − との関係および土壌湿度と落葉との関係を調査した.土壌組成の分析は沈降法と飾別法によって,れき,粗砂, 細砂および徴砂・粘土に分けた…土壌湿度は各調査地点で地下約30cm部位の土壌を取り,直ちに秤量して乾士垂 に対する土壌水分含量を求め,後でそれぞれの土壌容水量を測定し,さきに凍めた土壌水分含義を容水量に対す る土壌湿度に換算した小 (2)地質および土性を異にした園の落葉状態 1963年8月14日に香川県三豊郡豊中町および観音寺市において,地質および土性を異にした傾斜地園と,海岸 砂丘地の■7トウ園の落葉状態を調査した爪 上記の各項における落葉状態の調査は,すべて肉眼観察法によって結果枚数,結果枝葉数,同落葉数などを数 え,必要によってほ落葉率を計算し,または程度別落葉に区分した,. ⅠⅠ調査結果 A 方位を異にする傾斜地園の落葉状態 傾斜の方位を異にする傾斜地園の一般的落葉状態は,第2表に示すとおりであるい 第2表 傾斜地園の落莫状態(1962年:HybridFranc台:l結果枝当たり) 調 査 園 方位・勾配 結果枝 8月1日 8月20日 土壌管理の 表土の深さ・ 8月1日 土壌湿度 乗 数 落葉数 落葉数 状 態 土 (容水量%) 質 志度町 高橋敏夫固 東・250 21.4枚 20枚 3..2枚 裸 地,深 耕 53cm砂壌土 58‖8% 同 高橋源太郎園 西・15・∼250 293 3.5 6.1 自然草生,深耕 50c皿礫質砂壌土 36.0 同 上 南・150 22.1 3,.0 5‖0 敷わら,深 耕 42cm砂壌土 39。.8 同 今田林之助園 北東・120 276 2−7 3.2 裸 地,深 耕 50cm砂壌土 50‖5 香川大学袋学部 大官果樹園 南・150 28.6 1巾7 3.4 早年敷革,深耕 30cm粘質の壌土 43..3 同 傾斜地農場 東南・130 23.3 2.6 37 同 上 30cmやゝ粘貿の 46‖7 壌土 当 業 者 平 均 25“3 2‖9 5‘ 注1)U字型整枝の短しょう勢定である. 2)土壌湿度は,地表下30cm部位について採土・測定. すなわち,8月1日における落葉数は,西面傾斜地園の樹において35枚を示してもっとも多く,ついで南面傾 斜地固が3。0枚でこれにつぎ,東面および北東面の園でほ2.0∼27枚で他にくらべてほるかに少ない‖ この場合 の地表下30cm部位の土壌湿度は,東面および北東面の傾斜地園において高く,西南および南面の傾斜地固では比 較的低い状態にあった.8月20日における落葉状態も,8月1日調査の場合と同様の憤向がみとめられ,西商お よび南面の傾斜地園において落葉数が多かった つぎに,東面および西面のほほ対称的な傾斜地園における上部,中部,下部の部位別の落葉状態を比較すると, 第3表のとおりである. すなわち,1962年および1963年の両年ともに,束面傾斜地園のほうが西面傾斜地園よりも落葉が少なかったい また,同一傾斜面においては上部の樹ほと落葉が多く,下部の樹ほど落葉が少ない傾向がみられた.. なお,この調査に関連して,両面の傾斜地園の上部と下部の地点における,ブドウ棚上面の蒸発量と気温を観 測・比較したところ,第4衰に示すように西面傾斜地固のほうが,東面傾斜地固よりも蒸発量が大きく,気温も 高かった.

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ー 9 − 第3表 東面および西面傾斜地園の部位別落葉状態の比較 (志度町幸田地区) 1962年8月1日調 1963年8月6日調 勾 配 土 質 木棺乗数 落葉数 落莫率 程度区分 本桐菓数 落葉数 落葉率 程度区分 東傾 上 部 一r320 24‥7枚 3.7枚 15.0% 中 19.8枚 5.0枚 25..2% 強 花崗岩砂壌土

斜 地 中 部 25 21.4 2.0 9,.3 健 20.9 21 10。0 軽 同

上 面園 下 部 田 37.4 1り9 5.1 健 19.1 1.7 8.9 健 同 上 西傾 上 部 26 22.0 5.4 24…5 強 21.4 63 29.4 強 花崗岩含礫砂壌土

斜 地 中 部 田 28。.3 3‖7 13.1 中 23.1 5小1 22い0 強 同

上 面園 下 部 10 28..2 24 85 軽 225 4.8 20.4 中 同 上 注1)ハイプリγト・フラン台成木のU字型整枝の短しょう勇定である 2)程度区分ほ次のとおりである 落葉 2.0枚以下 健全11…健 〝 2.1∼30枚 軽度……軽 〝 3‖1∼49枚 中庭……中 〝 5り0枚以上 強度・1・1強 第4表 東面および西面傾斜地園の部位別蒸発量・気温の比較 (志度町幸田地区;1962年8月8,9日) 蒸 発 螢 最 高 気 温 最 低 気 温 温 度 較 差

上 東 面 4 78mm 41.5CO 23‖7CO 178CO

部 西 面 5い17 42.3 24け1 18.2 下 東 面 5.10 411 23‖2 17小9 部 西 面 5,20 43い8 23.9 19.9 注1)8月8日,9日両日晴天12時観測の平均値であるい 2)観測はブドウ棚上面の日射部で行なった′. B 平坦地囲および地下水位過高樹の落葉状態 (1)平坦地園の落葉状態 山麓平坦地園および水田転換園における落葉状態は,第5表および第6表のとおりである・・ すなわち,8月1日の調査結果では各園の平均で31枚であるが,傾斜地固よりも落葉の多い圃もあった“とく に水田転換園のうらでも梅雨期中に排水不良のため,4∼5日間園内に滞水を■みた(6月19日∼23日の間ほとんど 連日降雨)高橋教一席園では,1結果枝当たり平均6.7枚の落葉があった.8月20日の調査でほ各園平均の落葉 数は5.4∼56枚で,特別な園を除いては傾斜地園の場合と大差はみられなかった. 第5表 山麓平坦地園における落葉状態(1結果枝当たり) 調 査 園 台木品種 結果枝 8月1日 8月20EI 土壌管理 表土の探さ 8月1日の 土壌湿度 (容水量%) 本枯葉数 落莫数 落葉数 の状態 土 質

志度町 池田倍大郎園 ハイプリッ ド・フラン 25.0枚 40枚 6.9枚 裸地,中耕 23cm砂壌土

64.8% 同 高橋 英夫園 同 上 28.5 2.3 6‖6 裸地,深耕 45cm礫質砂壌土 31‖5 同 今田林之助園 グロア−ド・ モソペリエ・− 上 22cm壌土 37..9 平 均 243 3。1 5い6

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ー10− 第6表 水田転換園における落葉状態 (ハイブリッド・フラン台;1結果枝当たり) 8月1日の 調 査 園 園地の状況 結果枝 8月1日 8月20日 土壌管理 表土の深さ 土壌湿度 (容水量%) 本楯乗数 落葉数 落葉数 の 状 態 土 質 長尾町 伊藤 徹園 排 水 良 好 22.7枚 2.9枚 5‖2枚 敷わら,深耕 19cm 砂壌土 32い2% 志度町 池田倍大郎園 同 上 301 2“6 5.8 裸地,中耕 36c皿 砂壌土 58..0 同 山下 義広園 同 上 35.7 3.8 5..2 裸地,深耕 22cm 砂壌土 38..1 同 高橋 教一園 梅雨期に 4∼5日 滞水 22い6 6.7 80 裸地,中耕 17cm 壌土 21‖7 普通の水田 転換園平均 29,5 3.1 5‖4 (2)地下水位過高樹の落葉状態 志度町幸田地区の山麓の水田転換園で,地下水位の異なる山麓部,中央部,崖端部の3部位におけるフトウ樹 4 数︵枚︶ 菓 数︵枚︶ 0 ︿U O O 2468 地下水︵地表よりの深さ00︶ 100 20 19/Ⅵ23272/Ⅶ 712 20 251/Ⅷ 10 調 査 月 日 第9図 山静水田転換園の地下水位と黄・褐変菓の消長 ならびに落葉状態(志度町幸田:池田清太郎氏 園;1962)

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-- 11-- について,地下水位の変化ならびに黄・褐変葉の消長,累加落葉数などを調査した結果は,第9図のとおりであ る. すなわち,山麓部でほ地下水位がつねに地表下40cm前後のところにあり,土壌湿度も高い状態にあった.この 部位のフトウ樹ほ,6月下旬∼7月上旬の間に葉脈の黄変薬が現われ かつ,それにともなった落葉がみ.られた. これに対して崖端部ほ地下水位が低く,梅雨期の多雨時においても1m以下にあり,土壁湿度も他の部位より もほるかに低かったり この部位のブドウ樹でほすでに梅雨期からMg欠乏症類似の黄変菓が発生し,ついで7月 中旬以降において黄・褐変菓が多くなり,それにともなって落葉も多くなったい 中央部ほ,梅雨期の多雨時においてのみ,わずかに地下水位の上月がみられた程度で,土壌湿度も前両名の中 間にあり,ブドウ樹における枝しょうの伸長も良く,結果枝基部菓の黄変ならびに落葉数も他に比較して少なかっ た 以上の結果が示すように,山麓平坦地および水田転換固でほ,すでに梅雨期中に相当多くの落葉がみられたり しかし,8月以降における落葉数の増加状態ほ,傾斜地園の場合とほとんど同じ傾向を示した. C 地質および土質の異なる園の落葉状態 (1)傾斜地園の土質および土壌湿度と落葉の関係 花こう岩土壌よりなる傾斜地園について,土壌の理学的組成と落葉との関係ならびに土壌湿度と落葉との関係 をみた結果ほ,第7表および第8表のとおりである. 第7義 憤斜地プトウ園の土壌組成と落葉との関係 (23園調査;1962年8月1日) 傲砂・粘土含量(%)別の調査園分布 徽砂・粘土 の平均含量 健全(落葉2.0枚以下) 3 29.8% 285% 軽度(同2′′1、3.ノ0枚) 3 27小9 26..6 ロ 2 2 2 25.8 28‖8 強度(同5.0枚以上) 23‖9 26い9 第8表 傾斜地ブドウ園の土壌湿度と落葉との関係 (23固調査;1962年8月1日) 土壌湿度(容水量%)別の調査国分布 土壌湿度 の範甑 (容水晶%) 25%以下 25一−30 30′−35 35{−40 40∼45 45∼50 50∼55 55%以上 健全(落葉2‖0枚以下) 2 2 ロ 35い3∼588% 軽度(同2,1∼3.0枚) 2 3 30‖2∼50‖5 中度(同3.1∼4.9枚) 2 2 3 27.6′、53“7 強度(同5い0枚以上) 25‖8以下 土壌中に徴砂および粘土の含量が多い土壌の園でほ,比較的落葉が少なく,れきおよび砂の多い土黎の園でほ 落葉数が多い傾向がみられた.このことほさきに述べた傾斜地園における落葉状態の調査結果(第2表)と−・致 するものである.すなわち,れき質および砂質土壌の憤斜地図では落葉が多く,粘貿土壌の園では比較的落葉が 少ない傾向にあるい また,傾斜地園における土壌湿度と落莫との関係についてみると,概して土壌湿度の高い個所の■7ドゥ樹では, 比較的落葉が少なく,逆に落葉の多いところでほ土壌湿度が低い傾向がみられた.

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−12 − (2)地質および土性を異にした園の落葉状態 地質および士性の異なる傾斜地園と,海岸砂丘地の7■ドゥ園について落葉状態を調査した結果ほ,第9表のと おりであるい 第9表 地質および土性を異にしたブドウ園の落葉状態 (観音寺市・他;1963年8月14日) 調査園の地質および土質 結果枝 木棺菓数 落葉数 落葉率 Mg欠乏 症類似薬 日焼け症 類似薬 9.4枚 32.2% 花崗岩の靴富む砂壌土(南面傾斜)(告 292枚 52 37.2 0 4小4 18.6 0枚

0.2枚

安山岩質の翫富む壌土(東南面傾斜)(孟 23‖6 0 0.6 3り2 16.5 0 0.2 洪積層の埴質壌土 (南面緩傾斜) 30.9 20 6.5 0 0.1 海岸の砂丘地,砂士 (平 坦) 23“2 5.2 224 0.4 0.7 注1)2樹・4主枝の1結果枝当たりの平均である 2)Aほ傾斜の上部樹,Bほ傾斜の下部樹であるい すなわち,傾斜地7トウ園であっても,安山岩質土壌および洪積層土壌よりなる園地でほ比較的落葉が少なく, 花こう岩土壌よりなる砂・れき質土壌の園地でほ,落葉が比較的多い傾向がみられたり 海岸の砂丘姐フドウ園でほ,落莫数も比較的多く,その落葉のほとんどがMg欠乏症類似の葉脈問責変による ものであった. ⅠⅠⅠ考 察 当地方におけるブドウ園の早期落葉の状態は,同一地域内にあっても園地の地形や位阻あるいほ傾斜の方向, 場所による気象条件,さらにほそれらにともなう土壌条件の差異など,種々の立地条件の相違による影響が大き いい このことは,上原(1949,1955,1961)(137,138,139)が行なった傾斜地果樹園の気象観測の結果が示すように, 傾斜の方向・部位によって気温,温度較差,蒸発鼻なとが相当に異なることからもうなずかれることである.つ まり,このような気象的要因が園地の立地条件によって異なり,園地の土壌湿度,地温などに関係し,また,直 接的にはブドウ樹における菓面蒸散をほじめ,生理的諸作用に影響を及はし,それらが結果枝基部菓の黄・褐変 化を誘起して,落葉を・促進しているのではないかとも考えられる… 本調査の場合に傾斜地園と平坦地園とでは,いちじるしく立地条件および土壌的環境条件を異にしており,そ れが早期落葉の現われ方や程度に影響を及ぼしているものと思われる.また,本多・岡崎ら(1962,1965)(23,24,25) が観察しているように,樹勢,結果量ならびに土壌管理の差が,落葉の程度を支配する要因となっていることも あげられる… この点ほ筆名(1962,1968)(S8,62〉が調査した早期落葉と土壌乾燥との関係とも一激するところがあ る. 地下水位の過高園ならびに水田転換園における早期落葉が,比較的早い時期から認められたことについては, 前節でも述べたようケち 小林ら(1949,1954)(40,41)および林・脇坂(1956)(14)による果樹の耐水性ならびに湿害に 関する報告などとの関連からしても,本調査の結果を裏づける点がある.本調査の結果から排水不良園,地下水

位の過高園における早期落葉の原因が,梅雨期の排水不良や地下水位の過高による土壌条件の悪化,根の生理的

機能障害などによるものであることは推定にかたくないい この点,須佐ら(1952)(127)が行なった実験結果と同じ ような土壌条件の悪化が起こっているものと思われるい

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−13一 傾斜地の花こう岩土壌のブドウ園および海岸砂丘地のブドウ園における早期落葉についてほ.,葦渾・樽谷 (1959)(2)および葦澤(1964)(4)の調査,ならびに高馬・内藤・五億(1960)(55)の砂丘地ブトウについての観察結果 とよく−・致しているものと思われる. Ⅳ 摘 要 1962年および1963年の6月から8月の間に,香川県の傾斜地園ならびに平坦地園(山麓平坦地または水田転換 園)で,地形および種々の土壌状態と早期落葉の関係について調査した. (1)早期落葉の多い傾斜地の方位は,西面が第1位で,ついで南面,東面,北東面の順であった.同一傾斜地 園では上部の樹の落葉が,下部の樹よりも多かった. (2)平坦地園では梅雨期に落葉が多く,とくに排水不良あるいは地下水位の過高園でほ,落葉がほなほだしかっ た. (3)花こう岩土壌の傾斜地囲および海岸の砂丘地園でほ落葉が多く,安山岩質土壌および洪積層土咳のブドウ 国でほ,比較的落葉が少なかった. (4)花こう岩土壌のブドウ園のうちでほ,れき賀土壌,砂士および砂貿壌土の園に落葉が多く,埴賀土壌の園 では落葉が少ない傾向にあった, (5)梅雨明け後の盛夏期にほ,土壌乾燥のほなほだしい園において,落葉の多い傾向がみ・られた・・

第2草 早期落葉が園内気象の変化と果実の品質に及ばす影響

香川県地方のCampbell’sEarly園でほ,成熟期に赤うれ果や萎縮果が多く発生する(2・34)が,これにほ前章で述 べた早期濁菓が密接に関係していると思われる.本章てはこの点を究明するために,早期傷薬が園内気象の変化 と果実の品質に及はす影響を調査した 第1節 棚面下部における日射量の変化と赤うれ果の発生 本節では,Campbell’sEarlyの着色盛期である7月下旬における,結果枝基部の落葉とその程度が,棚下に ける日射量の変化および赤うれ果の発生に及ほす影響を調査した. Ⅰ 調査材料および方法 1966年の7月下旬から8月中旬に,香川大学農学部大官果樹園,志度町幸田地区の傾斜地および水田転換園に おいて,結果枝基部の落葉状態の異なる種々の部分を選び,東芝製光電池照度計(SPI−1)を用いて,落葉程 度別に棚下の日照度を測定した.また,結果枝基部の落葉数と赤うれ果の発生との関係についてほ,8月18日に 収控前の樹を任意に選び,赤うれの程度を−\巣房中における赤うれ果枚数の発現割合とその色澤・外観によって 区分し,赤うれの程度別果房数と落葉数との関係を調査したい ⅠⅠ調査結果 落葉程度と棚下における日照歴との関係を調査した結果ほ,第10表のとおりである.すなわち,棚上の日照度 を100とした比数でみると,健全樹2∼4%,軽度落葉樹4∼10%,中度落葉樹22∼48%,強度落葉樹57∼74%の

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ー14 一 億を示し,結果枝基部における落葉程度の大なるものほど棚下への日照鼠が大きかった 第10表 落葉程度と棚下の 日照度と の関係 (1966年7月30日 快晴,pm2∼3,単位:ルックス) 棚上の 落 葉 の 程 度 別 日照度 健 全 樹 軽 度 樹 中 庭 樹 強 度 樹 大 宮 果 樹 園 85,200 2,300 5,250 24 500 58000 (南 面,150勾 配) (100) (27) (62) (主88) (占8.2)

志 度 町 高 橋 園

93,000 1,800 3,700 20,820 64 800 (西面,15∼180勾配) (100) (1.9) (4.0) (22‖3) (る9.も) 志 度 町 池 田 園 37,000 1,350 3,750 8,570 20 800 (山麓水田転換園) (100) (36) (10,1) (23‖1) (畠6..2)

志 度 町 山 下 固

35,800 1,570 3,540 17,400 26 700 (普通水田転換園) (100) (44) (9.9) (48け7) (ケ4い6) 平 均 62,750 1,755 4,060 17 822 42 575 (100) (2,8) (6.5) (主8.4) (占7.8) 注1)健全樹……基部の落葉が2枚以下程度 軽度樹 〝 2∼3枚程度 中庭樹 〝 4∼5枚程度 強度樹 〝 5枚以上程度 2)()は棚上の日照度を100とした比数(%)を示す また,結果枝基部の落葉数と赤うれ果の発生との関係を調査した結果ほ,第11表のとおりである.すなわち, 落葉数と赤うれ果の発生数との間に高い相関(ー=0804)がみられ,落葉数の多いものほど赤うれ果房数が多く, 赤うれの程度も強かった 第11表 赤うれ果の発生と落莫と の関係 (1966年8月柑日 樹上調査:大川郡志度町幸田地区) \ ̄ ̄ 落葉数 ー、 7 6 5 4 3 赤うれなし(健 全)果 房 18 65 98 41 4 〝 軽 度 果 房 17 36 53 22 3 〝 中 庭 果 房 4 9 28 51 23 6 〝 強 度 果 房 8 16 30 33 10 〃 甚強度果房 3 13 4 注1)傾斜地固における任意法調査による果房数を示す 2) r=0い804 ⅠⅠⅠ考 察 香川県におけるブドウ園の草書発生とブドウ樹の結果枝基部の落莫との関係については,葦澤・樽谷(1959, 1962)(2●3)の調査,葦澤(1964)(4)の詳細な研究がある.これらの報告によると,土壌のいちじるしい乾燥のために

結果枝の基部葉が落莫し,その後に果実に対する着色異常または孝幸徴候を生ずるものとしている、すなわち,

辛苦果にほ赤うれ果房と萎縮果房があり,萎縮果房には乾巣状萎縮と陥没状萎縮がある‖ これらの草書果を生ず る樹では,結果枝の基部菓が7月下旬ごろより次第に落下して,果房が陽光に直接さらされることになる.葦渾 (1964)(4)によると,萎縮果粒は陽光の直射を受ける果房の肩部にもっとも発生が多く,また,赤うれ果ほ結果枝

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−15一 基部棄の黄変・落下によって炭素同化作用が低下し,果実中への糖分の集積が減少するために生ずるものである としている 本節の調査結果においても,結果枝基部の落葉程度の大なるものほと,棚下部への日射量が大で,赤うれ異な どの草書果の発生が多いことは,上記の諸報告における事実と矛盾することなく,早期落葉の影響によるもので あるといえる. Ⅳ 摘 要 7月下旬の着色期に,結果枝基部の落葉程度と棚下への日射量および赤うれ果の発生との関係を調査した. (1)梅雨明け後の結果枝基部における落葉程度の大なるものほど,棚下への日射還が大であった (2)結果枝基部の落葉数と,果実の成熟期における赤うれ果の発生数との間にほ,高い正の相関々係(T= 0804)があった 第2節 気温,蒸発量,土壌湿度の変化 本節でほ,とくに梅雨期の早期落葉が,園内気象のうち気温および蒸発量と,土壌湿度の変化に及ほす影響に ついて明らかにした. Ⅰ 調査材料および方法 1967年6∼7月の間に香川大学農学部大官果樹園で,17年生のCampbell’sEarlyを用いて,6月25日に結果枝 の本しょう菓13枚のうち基部の5枚を人為的に摘険し,その後の樹下付近における園内の気温,蒸発量および土 壌湿度の変化状態を観測した すなわち,摘菓区(6月25日摘菓)と無処理対照区(慣行法による結果枝の誘引・無摘菓)を設け,地表面, 地表上10cm,50cm,100cm(棚の直下部),180cm(棚の直上部)の5部位に,日光の直射をさえぎって棒状最 高・超低温度計を水平に懸垂したり また,地表面と棚の直下部および直上部の3カ所に,平田式蒸発討と直径15 Cmのンヤい・−・・レに一雇量の水を入れた簡易水面蒸発計を設置した(第10図参照). これらの観測は毎日午前9時に行ない,気温についてほ7月27日、28日に∴一昼夜にわたり日変化を観測した. また,土嚢湿度ほ.両区について,地表下3cm部位の土壌をとり,まず乾土法によって土壌水分含量を測定し,の らに対容水量%に換算した ⅠⅠ調査結果 (1)気温および蒸発量 7月22日から31日までの10日間における,各部位の気温観測の平均を示すと,第12表のとおりであるりまた, 7月27日∼28日に−L昼夜にわたって日変化の観測を行なった結果は,第13表のとおりである. すなわち,摘菓区ほ無処理対照区にくらべて,最高気温において地表面で約100C,棚下の各部位で2∼30C高 く,気温の日変化ほ地表面において摘菓区の方がつねに高く,日中で約150c,夜間で2∼30C高いことが認めら れた−. 蒸発量についてみるに,棚下の観測部位における100cm2当たりの水面蒸発量ほ,摘菓区のほうが無処理対照 区にくらべて,地表面で約17倍,棚の直下部で約1.5倍多かった.棚の虐上部における蒸発量については,両 区の差は認められなかった.

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−16一 第12表 摘菓による棚下の気温,蒸発蔓の変化 (1967年7月22∼31日の観測値平均) 地表上100c皿 地 表 面 地表上10cm 地表上50cm (棚の直下部) c 無処理区 378⊃C 34.1ロC 34..20C 33‖8nC 36い2=C 最 高 気 温 摘菓区 476 37小2 366 35,2 36.6 無処理区 239 22小9 22.6 22.7 22.3 最 低 気 温 摘葉区 219 22い7 22.6 22‖7 22い2 無処理区 30.8 28.5 28.7 28“2 29.3 平 均 摘薬区 34.7 30.0 29.6 29‖0 29.4

蒸 発 量 無処理区 13.9e£ 18い4仁e 33いOGC

(100cm誓当たり水面) 摘彙区 24.3 26“7 33い3 注1)無処理区は慣行法による誘引を行ない摘菓せず 2)摘葉区は慣行法により誘引を行ない,6月25日に結果枝の基部5枚を摘険した 第13表 摘実に.よ る棚下 の気温の 日 変化 (1967年7月27∼28日晴:OC) 28日 0時 2時 4時 6時 27日 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時 無 地表面 23“8 25.0 304 31.1 329 36‥2 30。6 26.8 25い7 25.0 24.7 23.9 24.1 地上10c皿 23.3 26り3 31.2 32‖7 336 32.8 30‖2 25.5 24.3 23.9 233 22‥8 23.5 処 理、 区 〝180 22.5 27.6 31.5 34.0 35.0 33‥4 30.5 24=4 24‥0 230 22‖5 22‖1 23‖4 摘 地表面 25.9 27“6 33.8 46.2 48.2 41い0 34.0 29.8 28‥1 27.1 26い4 25い6 25い9 地上10c皿 23−2 26,.6 32.6 36.1 38.5 35.9 30い6 25..5 24..5 23.9 23.1 22.6 23.6 菓 〝100 23“5 27。.4 32け0 34.5 35.7 33.5 30い5 25い6 24い6 24.0 23…2 22.5 23.7 区 付 記 日射始め 7時00分 18時20分 日没 日出 5時18分 (2)土壌湿度 両区周における梅雨明け後(7月20日以降)の,土壌湿度の変化状態は,第14表のとおりである・ すなわち,7月下旬から8月上旬における摘菓区の土壌湿度は,無処理対照区の約半分程度で,いちじるしく乾 燥状態にあり,容水量の30%以下になった 第14表 地表下浅層の土壌湿度の変化(1967年) 7月20日 25 日 31日 8月5日 27け63% 22小98% 19..02% 14い66% 無 処 理 区 (76い5) (63..6) (52‖6) (40.6) 17.26 12‖06 9..68 7‖93 摘 棄 区 (47い8) (33..4) (26..8) (21‖9) 注:土壌容水温36.13%,()は対容水量%を示す

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−17− ⅠⅠⅠ考 察 本節では,梅雨期の早期落葉によって起こる園内の気温,蒸発養および土壌湿度の変化が,果実の成熟および 品質に及ぼす−・連の関係を明らかにしようとしたものである−7ドゥ園における微細気象に関する観測について ほ,上原(1955,1961)(137・138)をはじめ,坪井・中川(1952)(133)の報告がある.これらの報告によれは,正常なる プトウ園における昼間の徴気象的特性として,棚の表面が主たる熱授受の作用面となり,樹冠の上表付近の湿度 がもっとも高く,棚下の蒸発量ほ園外よりもほるかに低い値を示して,園外の気象状態とは異なった特性をも、つ て−いるものであるとしている− 本調査において,摘菓区では地表面の気温が無処理対照区よりも約100Cも高くなり,蒸発量が17倍にもなっ たことから,自然 ̄下でも早期落葉によって棚下への日射義が増大し,当然に棚下の気温が高まり,蒸発量も多く なることが考えられる.このようなことほ周地の土壌湿度を低下させ,同時に17■ドゥ樹の発育や生理的な諸作用 にも,種々の悪影響を及ほすことになるい 前節でも述べたように,当地方のフドウ園における草書にほ,結果枝基部の落葉と密接な関係があり,梅雨明 け後の土壌乾燥が強くなるほと,草書程度が増大することになる.つまり,梅雨期における早期落葉は,梅雨明 け後から盛夏期にかけての土壌湿度の低下を助長し,それが成熟期にある果実に対して−,草書発生の条件を・もた らす、この時期における早期落葉の直接的影響ほ,棚下への日射魔の増大と果房への日光直射が,互いに相乗的 に影響を及ぼすことである. Ⅳ 摘 要 梅雨期中の6月25日に,結果枝の基部葉を人為的に摘険して,その付近における気温,蒸発量および土壌湿度 の変化を観測した (1)7月下旬の観測でほ,摘菓区ほ無処理対照区にくらべて棚下の気温が高く,蒸発量が大であったい (2)7月下旬から8月上旬における土壌湿度ほ,摘菓区でほ無処理対照区の約%であり,容水量の30%以下と なった. 第3節 果実温と果実の品質 前節においてほ,梅雨期における早期落葉が,園内の気象条件の変化と土壌乾燥に及はす影響を明らかにした 本節でほさらに,果実温と果実の品質に及ぼす早期落葉の影響について調査を行なった. Ⅰ 調査材料および方法 A 果実温に及ぼす影響 前節の調査を・行なった大宮果樹園において,6月25日に摘菓処理をした摘英樹と無処理対照樹を用いた.7月 15日(着色始め期),7月21日(着色期),7月27日(着色盛期)の3回および7月27日∼28日の一・昼夜間,い ずれも摘棄区の日射部の果房と無処理対照区の日陰部(築かげ)の果房について,東芝製サ1−ミスター温度計(T T,2D:感応部ほ径2mmの斜平面)を使って,果房の肩部における果粒表面と果肉(探さ約5mm)の温度を・ 測定した. B 果実の品質に及ぼす影響 前項の調査樹(6月25日摘菓区,無処理対照区)のほかに,7月5日摘菓区,7月15日摘葉区を設け,それぞ

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ー18一 れ時期の異なる摘菓処理が,果実の品質に及ほす影響を8月16日に,収穫前の樹上調査と収穫果について調査し たい果粒の大きさについては採収果房中より任意に30粒ずつをとり,粒の横径,重さを測定した,果汁中の糖度 ほ屈折計を用いて測定(94・132)し,全糖含量ほベルトラン法(34・132)によ、つて分析したい酸含量ほN/10NaOHによる 滴定法(絢によって行ない,酒石酸含塁として算出したなお,赤うれ果の発生状態についての調査は,第1節で 行なったと同様に樹上において,赤うれの程度別に相対比較によって区分した ⅠⅠ調査結果 A 果実温に及ぼす影響 (1)着色の時期別・程度別の果実温 着色始め期,着色期および着色盛期に,未着色果(緑色果)および着色果(淡紅色果)の果実温を測定した結 果は,第15表のとおりである 第15表 着色の時期別・程度別の果実温(1967年) 着色始め期 7月15日暗,脚2‖00 観測:OC 線 色 果 淡 紅 色 果 気 温 果 面 果 肉 果 面 果 肉 摘菓による日射部果房 39‖1 39..6 38‖3 39.8 36い8 菓による日陰部果房 37.0 35.9 36,.2 348 32.4 着色期 7月21日晴,匹2‖00 観測:Oc 緑 色 果 淡 紅 色 果 気 温 果 面 果 肉 果 面 果 肉 摘葉による日射部果房 41,.7 38..9 41..4 40い2 34、0 菓による日陰部果房 35..5 33 .. 5 35.2 33い7 着色盛期 7月27日暗,匹2..00 観測:Oc 未 着 色 果 淡紫紅色果 気 温 果 面 果 肉 果 面 果 肉 摘菓による日射部果房 41.9 42い2 41=2 42日2 34=8 葉による日陰部果房 34..5 35‖5 35.5 36.2 注:果房上面(肩部)の果粒につき,5点ずつ測定の平均値で示す. すなわち,摘菓処理による日射部果房の果実温は,緑色果,着色果ともに葉による日陰部のものにくらべて, 果面・果肉のいずれも3∼60C高かった.とくに7月21日および7月27日の測定結果でほ,両区間の差が一層は なほだしく,日射部の果実温は420Cを超え.るものがあった。. (2)着色盛期における果実温の日変化 着色盛期にあたる7月27日∼28日の一昼夜観測における果実温の日変化ほ,第16蓑のとおりである. すなわち,果実温の最高は14時にみられ,日射部の果房で412∼4220C,日陰部の果房では35り5∼36.20Cで あり,両者間の温度差は57∼5山10Cで,一日のうちではもっとも大きかったい また,果実温の最低は早朝の4時 ごろで,夜半以降には日射部の果実温は,日陰部の果実よりもやや低温となった..

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−19一 策16表 着色盛期における着色果の果実温度の日変化(1967年7月27日∼28日観測:りC) 27日 6時 8時 10時 12時 14時 16時 18時 20時 22時 28日 0時 2時 4時 6時

果 摘菓による 日射部果房 25.3 30,6 36..3 38.5 41い2 38..9 33.4 28‖3 25け5 24‖5 24..5 24.4 25い3

面 菓による 日陰部果房 25.1 28.2 29.9 33い4 35、5 34.1 29..8 28,.4 26.7 25け7 24‖9 24.8 26.4

果 摘菓による 日射部果房 25..0 30い2 38.7 40..2 42.2 36い3 31..9 29.2 25…3 25.0 24.0 23,.8 24..9

肉 菓による 日陰部果房 24.9 28.0 30.3 34.8 36.2 32.4 29..6 27い2 26.7 25い4 24‖7 24.3 25..3

気 温 24…5 28け5 330 35.5 35‖7 32‖2 29.5 26.2 25い6 25..5 24“2 23.5 24‖8 注:果房上面(肩部)の果粒につき,5点ずつ測定の平均値で示す なお,一月中における果実温の較差は,日射部の果実で果面1680c,果肉1940Cであるのに対して,日陰部 の果実では果面10‖70C,果肉1190Cであり,日射部の果房における果実温の日変化が大きかった・ちなみに, 気温の較差ほ12.20cであった B 果実の品質に及ぼす影響 (1)柏葉時期と果糖の発育,果汁中の糖・酸含羞 8月16日の収穫果について,摘菓時期の相違が果粒の大きさおよび果汁中の糖・酸含量に及ぼす影響を調査し た結果は,第17表のとおりである.すなわち,摘実時期の早いものほど果糖の大きさが劣り,果汁中の糖度が低 かった 第17表 摘葉時期と粟粒の発育および果汁中の糖・酸含量(196ア年8月16日調査) 果粒の大 き さ 果 汁 中 の 糖・酸 含 量 粒 径 果 粒 重 糖度(屈折討) 全 糖 酸(酒石酸) 糖/酸 比 無処理対照区 19.20mm 4.38g 15小62% 15.紬% 0.655% 24‖12% 6月25日摘葉区 18い59 3..98 13−66 14.55 0い640 22.73 7月5日摘菓区 18い76 4..09 14,.24 14。.57 0.680 21…43 7月15日摘菓区 18,.87 4一.14 14.72 14..82 0い637 2亭い27 注:果糖の大きさは任意抽出の30果粒の測定平均値である (2)摘菓時期と赤うれ果の発生 摘菓時期と赤うれ果の発生程度との関係を調査した結果ほ,第18表のとおりである,.すなわち,6月25日摘葉 区において赤うれ果の発生がもっと多く,その程度も強かった.つまり,摘葉時期の早いものほど,赤うれ果や 萎縮果の発生が多いことが認められた. 第18表 摘菓時期 と 赤 う れ果の発生程度(1967年8月16日樹上調査) 無処理対照区 6月25日摘菓区 7月5日摘菓区 7月15日摘菓区 赤うれなし果房 27(69) 4(9) 7(19) 9(28) 〝 軽度果房 7(18) $(18) 11(31) 7(24) 〝 中庭果房 4(10) 9(20) 8(22) 6(21) 〝 強度果房 1(3) 7(16) 5(14) 5(17) 〝 甚強度果房 0 16(36) 5(14) 5(17) 萎縮果発生果房 0 4(9) 3(8) 3(10) 注1)各摘菓区ほ本しょう菓13枚のうち,基部5枚を摘除. 2)()は,各区.における調査全着果房数に対する比数(%)を示す、.

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一20 − ⅠⅠⅠ考 察 果樹の枝幹や果実が日光の直射を受けて,その部分の温度が異常に上昇することによって生ずる種々の生理的 障害は,果樹栽培上きわめて重要な問題であるい 岡本(1952)(102)ほ桃樹の日焼けにつき,中川(1953,1960)(95969798)ほ■アドウ果実の生理的障害につき,また, 草津(1964)(4)はブドウの辛苦果につき,それぞれ詳細な報告をしている.とくに中川ら(1953,1959)(95・97)ほ, ・7ドゥ果実の日焼病,縮果病の発生原因の追究において,障害の発生しやすい状態にある果実にとってほ,光線 の喧接的影響がかなり大きな要素として作用することを述べている.また,葦澤(1954)(4)は,ブドウ草書果の陥 没状萎縮果の発生原因の追究において,果実温と障害の発生までの所要時間との関係を実験的に観察し,緑色果 でほ約400Cの果実温が約4時間続いた場合に発生し,濃赤色果ないし黒紫色果においてほ4750Cが65時間に て,同様の障害を発生することを認めている−この場合,辛苦果の発生は着色果よりも,緑色果において障害を 受けやすいとしている. このようにフドウ果実に対する日光の磨射ほ,果実温の異常な上昇をきたし,そ・れが生理的障害果や辛苦果の 発生を起こす原因となっていることは明らかである.本調査の場合にほ,上記の報賃とは必ずしも同一・の障害果 の発現を観察することはなかったにしても,着色始め期∼着色盛期にわたる間における果実温の測定結果が示す ように,日射部の果実温が異常に高く,その日較差が大きかったことほ,これらのブトウ果実においてなんらか の生理障害をともなっているものと思われる−. フドウ果実の着色および糖・酸含畠と光線,温度との関係についての報告によると,内藤(1956,1964)(92,93)は Delawareにおいて−ほ,昼間の温度が果実におけるAnthocyanin色素の形成・合成過程に直接的な影響を及ぼ し,高温がそれを阻害していることを認め,Campell’sEa工1yを含む黒色品種でほ,いずれも完全遮光の状態でも 自然日照下におけるものと,ほとんと同じ程度に着色することを報告している.土屋(1956)(136)はブドウ品種の 着色と棚の明るさとの関係について述べ,Campbe11’sEarlyは散光着色種に属するとして−いる。本調査の場合, 摘葉処理によって−果房が強烈な日射を受け,果実温が異常に上月して赤うれ果の発生を多くしたことは,上記の ブドウ果実の着色に関する光線や温度についての報告と一致するものがある. 赤うれ果の発生と品質の低下について葦澤(1964)(4)ほ,その発生原因を結果枝基部の落葉による実数不足と,土壌乾 燥にともなう炭酸同化作用の低下を指摘し,赤うれ果は糖度が低く酸度が高いことを認めている.このことほ本 調査からみても,比較的早期に落葉したものほど赤うれ果の発生が多く,品質がより劣ったことと−・致している, さらに,早期落葉によってフドウ樹の主枝,側枝などが露出して直射日光を受ける状態の下におかれると,土 屋(1951)(135)が報賃しているように,7■トウの枝幹に対する日焼け障害の発生原因となることが考えらわる. 以上のように梅雨期ごろの早期落葉は,園内とくに棚下部の気象および土嚢環境に変化をあたえ,それが果実 の発育や品質に.種々の影響を及ぼすが,それに関与する要因ほ個々単一・でほなく,種々のものが相乗的,累加的 に作用しているものと思われるい Ⅳ 摘 要 梅雨期の早期落葉が,果実の温度および品質に及はす影響を冬るために,梅雨期中に結果枝の基部葉を人為的 に摘険して,その影響を調査したい (1)結果枝基部の落葉によって,日射部の果実温は異常に上月し,菓かげ部のものにくらべて日中において3 ∼60C高く,最高時には420Cを超えた. (2)梅雨期における落葉時期が早いほど,果粒の発育ほ劣り,果汁中の糖分含島が低く,赤うれ果の発生が多

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−21− かった一. 第4節 コモ掛けによる早期落葉の被害軽減 第1∼3節において,梅雨期から盛夏期にわたる間における早期落葉は,棚下の気温および水分の蒸発量を高め て土嚢乾燥を促進するとともに,果実温を高め赤うれ果や萎縮果の発生を多くすることを認めた・このことより 本節でほ,早期落葉樹に.おける果房への直射日光を遮ぎることが,赤うれ果や萎縮果の発生ならびに果実の品質 に及ぼす影響をみるために.,果房付近の落葉部へコーモ掛 けを行な、つて,調査・観察を行なったい Ⅰ 調査材料および方法 本章の第2節および第3節の調査に供した摘菓樹の主 枝上に,第10図のように7月20日に巾75cmのワラゴ モを掛けて,露出果房に対する直射日光を遮ぎった・ この処理下に庖いて着色期の果実温を測定するととも に,収穫時における赤うれ果の発生状態および果実の品 質などについて,無処理対照区および摘菓時期別の日射 区(コモ掛けを行なわないもの)との比較において調査 した−√ 調査および観察は前節の方法と同様に行なった. ⅠⅠ調査結果 A 果実温に及ぼす影響 7月21日(着色期)および7月27日(着色盛期)に果 実温を測定した結果は,第19表のとおりで,コモ掛け をして直射日光を遮ぎ、つた果房は,無処理の辛かげの果 房とほとんど同じ程度の果実温を示した… 第10図 摘葉による実験・調査の方法(気象 観測およびコーモ掛け法:1967年;大 宮果樹園) 第19表 摘棄樹に対するコ・モ拭けが果実温に及ぼす影響 着色期 7月21日快晴,p皿200観測:dC (1967年) 緑 色 果 淡 紅 色 果 気 温 果 面 果 肉 巣 面 果 肉 摘 菓・日 射 果 房 417 39.0 41.4 40.2 摘 菓・コモ掛け果房 34.8 34い1 37け0 34.9 34..0 無処理・葉 陰 果房 355 33.5 35い2 33.7 着色盛期 7月27日快晴,匹2‖00観測:OC 未 着 色 果 決 紫 色 果 気 温 果 面 果 肉 果 面 果 肉 摘 菓・日 射 果房 41.9 42.2 41,2 42。.2 摘 菓・コモ掛け果房 37.0 35‖0 36..2 346 34..8 無処理・葉 陰 果房 34い5 35.0 35.5 36.3 注:果房上面(肩部)の果粒につき,5点ずつ測定の平均値で示す

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−22 − B 果実の品質に及ぼす影響 (1)果汁中の糖・酸含易 コ・モ掛けが,果汁中の糖・酸含量に及ぼす影響について調査した結果ほ,第20表のとおりである・すなわち, 落葉部の果房付近にコモ働けをしたものでは,同一滴菓時期のものであっても,日射部の果房にくらべて糖度お よび全糖の含量が高まり,糖/酸比が高い 第20表 摘菓樹に対するコモ掛けが果汁中の糖・酸含量に及ぼす影響(1967年8月16日調査) 糖 度 酸 (屈折計) 全 糖 (酒石酸) 糖/酸 比

無 処 理 対 照 区

15.62% 15,.80% 0..655% 24.12 日 射 果 房 13.66 14.55 0..640 2273 6月25日 摘菓 コモ掛け果房 14.72 14.77 0.6鱒 22‖78 日 射 果 房 14.24 14.04 0‖680 20.69 7月5日 摘菓 コモ掛け果房 1542 15.36 0647 23.75 日 射 果 房 14.72 1482 0。637 23、,27 7月15日 摘菓 コモ掛け果房 151て7 15‖33 0い632 25−25 (2)赤うれ果の発生状態 摘菓の早晩およびコモ掛けの葡無と,赤うれ果の発生状態との関係をみると,第21蓑のとおりである. すなわち,健全果房数の割合についてみると,6月25日摘菓の日射区が9.1%であるのに対して,コモ掛け区 は44.9%であり,また,7月5日および7月15日摘菓の場合でも,コモ掛け区は464%および500%に上月し ている.このようにコモ掛けをしたものは,いずれも赤うれ果の発生を・軽減し,赤うれの程度を緩和しているこ とが明らかに認められた 第21表 摘葉時期の早晩およびコモ掛けの有無と赤うれ果の発生(1967年8月16日樹上調査) 調査全 赤 う れ 果 房 数 萎縮果発 着果房数 無 処 理対 照 区 39 27 7 4 (100) (69..2) (17い9) (10‖3) (2..6) 4 8 9 7 16 4 6月25日摘菓

日 射 区 44 (100) (9‖1) (18..2) (20.4) (15い9) (36い3) (9.1)

22 17 9

コモ掛け区 42 (100) (44..9) (34..7) (18.3) ロ (2..1)

7 8 3 7月5日拘禁

日 射 区 36 田 ロ ロ (100) (19‖4) (30..6) (22,.2) (13.9) (13小9) (8.3)

13 9 6

コモ掛け区 28 (100) (46.4) (32.1) (21,.4)

9 7 6 5 5 3 7月15日摘菓

日 射 区 29 (100) (27.6) (24−1) (20い7) (17い2) (17‖2) (10い3)

8 4 2

コモ掛け区 28 田

(3、.6) 注:()は調査果房数を100とした比数(%)を示す. ⅠⅠⅠ考 察 前節において,梅雨期の早期落莫が園内・棚下の気象や土壌環境に変化をあたえ,さらに果実温を異常に高め, それらが原田となって赤うれ果の発生を多くし,果実の品質を低下させていることを明らかにした

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