湊谷杯 学生審判員 事前資料
国際柔道連盟試合審判規定・審判マニュアル
2013 年新ルールとの記載の相違がある場合は、新ルールが適用される。
1. 技の評価
投 技
技の判定 ※「一本」は、相手を制しながら相当な「強さ」と「速さ」をもって、「背中が大きく畳につくように」 投げたとき。 ※「技あり」は、相手を制して投げ、「一本」の条件の3つのうち、1つが部分的にかけたとき。 ※「有効」は、相手を制して投げ、「一本」の条件の3つのうち、2つが部分的にかけたとき。 1)立ち姿勢は片膝が畳から離れていること。両膝が着いたら寝姿勢。但し、立ち勝負から流れの中で瞬間的 に両膝が畳に着く程度は立ち姿勢とみなす。流れを理解すること。 2)捨身技で自ら倒れたときや返し技で同体のように倒れたときは最終的にどちらがコントロールしている かを見極めること。スコアを与える場合、テープを指差すことが重要。 3)ブリッジをして逃れても、技の評価に相当するスコアを与える。 4)巴投や背負投等において、中断して投げたときは、ワンランク下のスコアとなる。 5)引込返は投技としてスコアとなる。 6)関節技を施しながらの投技(腕返等)はスコアとならないが、絞技を施しての技はスコアとなる。 7)試合終了の合図と同時に施された技はスコアとなる。微妙な場合は時計係への確認と合議が必要。 8)背負投や釣込腰で反対側に投げたときは相手を制しているかどうかを見極めること。 9)投げ技の評価や反則の取り消しを行う場合は、ジェスチャーのみで発声しない。固 技
※ 抑え込み時間 一本:25秒 技あり:20~24秒 有効:15~19秒 1)抑込は「袈裟」または「四方」の体勢が条件であり、相手に覆いかぶさっていること。※浮固は例外 2)三角固からの「抑え込み」は尻が畳に着地していないこと、上体の大部分を覆っていること。 3)抑え込まれている選手に、上側からでも下側からでもしっかり確実に脚を挟まれた場合は「解けた」とな る。すぐ外れる程度では「解けた」とはならない。※上側からは簡単に脚は挟めない。2.反則の適用
参考 ※IJF 禁止事項一覧 「指導」(軽微な違反) ・故意に取り組まないこと。 ・組んだあと、極端な防御姿勢をとること(通常5秒を超えて)。 ・明らかに相手を投げる意志のない攻撃を行うこと(かけ逃げ)。 ・相手と指を組み合わす姿勢を続けること(通常5秒を超えて)。 ・故意に自分の柔道衣を乱すこと、および主審の許可なしに帯や下穿きの紐をほどいたり、締め直したりす ること。 ・第16条によらず、相手を寝技に引き込むこと。 ・相手の袖口または下穿きの裾口に指を差し入れること。・攻撃をしないで「標準的」な組み方以外の組み方をすること(通常5秒を超えて)。 ・組む前にでも組んだ後にでも、何の攻撃動作もとらないこと。 ・親指と四指の間で相手の袖口を握ること(ピストルグリップ)。 ・相手の袖口を折り返して握ること。 ・帯の端や上衣の裾を、相手の身体のどの部分にでも巻きつけること。 ・柔道衣を口にくわえること(自分のものでも、相手のものでも)。 ・相手の顔面に、直接手(腕)、または足(脚)をかけること。 ・相手の帯、もしくは襟に、足(脚)をかけること。 ・柔道衣の上衣の裾または帯を使って、あるいは直接指で絞技を施すこと。 ・故意に場外に出ること。 ・胴絞や頸、頭を脚で挟んで絞めること(両足を交差し、両脚を伸ばして)。 ・相手の握りを切るために、相手の手(腕)を膝や足で蹴ること。また技を掛けることなく、相手の足(脚)を 蹴ること。 ・相手の握りを解くために、相手の指を逆にとること。 ・組み合っていない状態から、相手に抱きつき、小外掛などを施すこと(1 回目は待て、2 回目で「指導」) 「反則負け」(重大な違反) ※ 「反則負け」は合議が義務付け ※ 直接「反則負け」になった場合、その後の一連の試合には出場できない。ただしダイビングと帯から下 の攻撃の場合は出場できる (◎はその後も出場できる反則) → 相手に危害を加える等、柔道精神に反する行為を行った場合は出場できないと解釈できる。 ・河津掛を試みること。 ・肘関節以外の関節をとること。 ・背を畳につけている相手を引き上げ、これを畳に突き落とすこと。(十字固を仕掛けられた場合によく見 られる) ・相手が払腰等を掛けたとき、相手の支えている脚を内側から刈ること。(入れるだけでは反則とならない) ・主審の指示に従わないこと。 ・無意味な発声や、相手や審判員の人格を無視するような言動を行うこと。 ・相手を傷つけたり危害を及ぼしたり、あるいは柔道精神に反するような動作をすること。 ・腕挫腋固のような技で畳の上に直接倒れること。 ◎内股、払腰等で頭から畳に突っ込むこと。又は立ち姿勢や膝をついた姿勢から、肩車のような技でまっす ぐ後方に倒れること。 ・相手が後ろからからみついたとき、故意に同体となって後方に倒れること。 ・ 硬い物質または金属の物質を身につけていること。 ※ 歯の矯正は OK、マウスピース、つけ毛はNG ◎片手または両手で、もしくは片腕または両腕で帯より下へ直接の攻撃・防御すること。 (ジェスチャーは足を一歩前に出して、足と同じ方の腕で足を掬うような動作をする) ※触れた程度は「反則負け」とはならない。明確に攻撃・防御のために掴んだり抱えたり押し当てたりす ることが「反則負け」である。 ※手・腕のどこの部分で触っても反則となる。ただし、一瞬触れる程度は可。しかし、明らかに防御の 為に「押さえたり」、「持ったり」したと思われる場合は反則となる。 ※相手の上着の裾が帯からずれて外側へ出ていたとき、その裾を握って、相手の膝あたり(帯より下)を 防御のために押し当てた場合は反則となる。
※「小内巻込」を行う場合、足による攻撃と腕による攻撃に明確な時間差がない場合(同時)は「反則負 け」となる。「反則負け」を避けるためには、腕による攻撃を遅らせるか2段モーションのようにする 工夫が必要となる。 ※「掬投」を施す場合、一度腰で受けるなど、密着した状態からの返し技として変化することが必要で ある。(相手との接触がない状態での「後の先」は反則負けとみなされる場合が多い) ※必ず合議し、3-0となった場合は「反則負け」となる。角度の問題で 1 名が確認できなかったとき など不安がある場合は、ジュリーを含めて合議・確認する。 ※肩越しに逆側の背部をつかんでいる(標準的な組み方でない)場合、持たれている側が帯より下を攻撃 しても反則とならない。 1)反則を与えるタイミングを考えること。できるだけ片方にとる(見極める)。早い時間帯に1つ目の指導 をとる。 2)組み方 ①立ち姿勢において、攻撃しないで「標準的な組み方」でない場合、5秒で「指導」。 ②「標準的な組み方」以外を繰り返し行った場合、適用する時間を最初は5秒、次に3秒、その次は即とい うように短くしていく。 ③自分の襟などを手で抑えたり、広げたりして相手に握らせない場合、「故意に取り組ませない」として「指 導」。 ④ピストルグリップや袖口に触れて引っ掛ける握り方は即「指導」。 ⑤首抜きは、抜いたあと攻撃すれば反則とならない。但し、抜いたあと極端な防御姿勢のときは「指導」。 抜いたあと、姿勢は良いが攻撃をしないときは2回目で「指導」。 3)消極的柔道に対する罰則は安易に双方に与えるのではなく、原則的に片方に与える。 4)防御姿勢の反則は、実際に防御しているのか、相手の揺さぶり(反則を取ろうとして相手が後襟を抑え続 けている。※この場合、相手へ「指導」を与える)によって、攻撃できないでいるのかをよく見極めるこ と。 5)髪の結い直しは1回だけ許され、2回目は「指導」。但し、相手が服装を直す等時間を要したときにすば やく直す場合はカウントされない。 6)釣込腰や肩車のような技で、たとえ綺麗に投げたとしても、また頭が畳に着くか着かないに関わらず、正 面から飛び込む方法は「反則負け」となる。 7)河津掛のように相手の足に自分の足を巻きつけて真後ろ、または相手を持ち上げて捻りながら後方に投げ ることは「反則負け」。但し、大内刈や大外刈のように向かい合って相手の後方に投げる方法は反則とな らない。 8)柔道衣測定は試合前に各自で行う。規定に達していない場合は「反則負け」となる。
3.試合の進行
審判員は試合の流れを十分理解し、選手たちによるダイナミック柔道を熟知しておく必要がある。選手の 動作を理解していない審判員は、ただ機械的に、続行が許されるべきときに罰則を与えたり、「待て」を宣 告して服装を直させたりして、試合をつまらなくしている傾向がある。4.
「待て」
「始め」の宣告について
1)「待て」のあと、選手が試合開始線に戻らなくても、また主審が試合の開始の位置に戻らなくても、(逆の 位置にいても)、選手同士が向かい合った平等な状態であれば「始め」を宣告しても良い。また、柔道衣 が多少乱れていても、試合の流れを止めることなく、安易に「待て」をかけるべきではない。 2)主審は絞技、関節技などから逃れた試合者に休息が必要と見られても、また試合者から休息を要求されても「待て」を宣告してはならない。
5.
「寝技」の進展の理解について
主審は、もう少し進展すれば「抑え込み」になるか、「絞技」や「関節技」が決まるか、または明らかに 進展がないのかの状況を見極めることが大切である。「待て」が早すぎる傾向にあるので注意すること。 柔道において、重要な寝技の技術の発展を阻害させる原因になっている。(副審も安易に「待て」を要求 してはならない)6.場内・外の判定
1)立ち姿勢において、どちらか一方の試合者の身体の一部が場内にある場合、場内とみなす。 ※場内外で投技があったときは副審がまず内か外かの動作を示し、主審はそれに従って判断を下すことが原 則であり、混乱を少なくする方法である。(主審と副審の意見が違うときは合議が必要。) 2)寝技は、どちらか選手の身体の一部が場内の畳に触れている限り、継続される。 3)場外際で投げたあと寝技に移行する場合が多いので、安易に「待て」をしてはならない。7.ゴールデンスコア
1)スコアは本戦のものを引き継ぐ。 2)本戦で両者反則負けの場合、ゴールデンスコアに突入する。 3)旗判定の場合、本戦とゴールデンスコア両方の試合内容を合わせて、判断する。8.負傷
1)主審は頭部または背部(脊椎)に大きな衝撃のあった負傷の場合、あるいは大きな負傷の疑いを持った場 合、試合者に対処するために医師を呼ぶことができる。この場合、医師はできるだけ短時間に診察を行い、 主審に試合者が継続して良いか否かを報告する。もし、継続できないようであれば、医師と合議のうえ「棄 権勝ち」を宣告し終了する、※続行の場合、(医師を呼んだことによる)罰則はなし。 2)試合者は主審に医師を呼ぶよう要請することができるが、その試合は終了し相手に「棄権勝ち」が宣告さ れる。※一般的な負傷・怪我。 3)出血がある場合にはどのような場合にも常に粘着テープ、包帯、鼻用の止血栓などで覆わなければならな い。※出血が止まらない場合は、相手に「棄権勝ち」が宣告される。 4)出血を伴う負傷は、同じ箇所に限り2回まで医師による手当てを受けることができるが、3回目は副審と 合議のうえ「棄権勝ち」を宣告する。 5)指や肩の脱臼は、同じ箇所に限り2回まで試合者自身で治すことができるが、3回目は副審と合議のうえ 「棄権勝ち」を宣告する。 6)嘔吐があった場合、相手が「棄権勝ち」となる。 7)医師を呼んだとき、副審は主審に呼ばれない限り着席のままで状況の目視確認を行う。 8)試合者が打撲等によって軽微な負傷をした場合、3~4秒程度様子を見て試合の続行を促す。9.ジェスチャー・態度
1)主審の技の評価は約3秒維持し、試合者から目を離さず、両副審にわかるように動きながら継続すること。 副審の片方を視野に入れて異見がないか確認する。 2)副審が主審に「待て」や「合議」を要求したい場合は、手を上げたりしないでその場に立ち上がる。もう 一方の副審もそれに気付いたら立ち上がる。 3)もし、主審が両副審の異なったジェスチャーに気付かなかったときは、主審に近い副審が歩み寄って知ら せる。4)何れかの試合者がスコアを取ったか不明瞭な場合は、主審・副審ともテープを指差さなければならない。 5)主審は、試合者と副審の位置を考慮しつつ、動きを予測して位置を確保する。 6)「待て」の発声は試合者等に聞こえるように、手は時計係へ向け、試合者から目を離さない。 7)自然体を保ち、腕だけでジェスチャーを行う。体がアップダウンしないよう注意する。 8)「有効」「技あり」の場合、右手は左肩スタートさせると大きく見える。 9)苦笑いをしたり、うなずいたり、「しまった!」というような表情は慎む。 10)副審は技の評価に対し、主審の合図より早く評価を出してはならない。 11)自信溢れる表情を保ち、副審や周りをキョロキョロとみないこと。
10.宣告
1)大きく明瞭に、覇気のある声で発声をおこなう。 2)発声と必要なジェスチャーは同時に行う。ジェスチャーが遅れる傾向にあるので注意。 3)「総合勝ち」の処置を的確に行う。 ※すでに「技あり」を取っていて、相手に3回目の「指導」を与える場合 → 「指導」「それまで」と宣告し試合を終了させ、「総合勝ち」を宣告して勝者を指示する。 ※すでに相手に「指導」が3回与えられた状態で、「技あり」を取った場合 → 「技あり」「それまで」と宣告し試合を終了させ、「総合勝ち」を宣告して、勝者を指示する。 4)「反則負け」の処置を的確に行う。 ※直接的「反則負け」の場合は合議が必要。「指導」が重なり4回目のときは、まず合議をした後、「反則負 け」「それまで」と宣告して試合を終了させる。11.礼法
1)審判団は決められた礼法を正しく行う。 2)主審と副審は試合者が場内に上がる前に常に所定の位置についていなければならない。 3)試合者には場内外の境界線での礼を強制しない。試合者自身が自発的に行う。 参考 ※審判員の礼法 (1)第1試合の開始前 ①主審を中央にして、正面に相対する場外端の中央に位置し、正面に向かって礼をする。 ②赤畳上に進み、正面に向かって礼をする。 ③主審は一歩下がり、副審は互いに向かい合い、礼をする。 ④個人試合では、礼をした後、それぞれの位置につく。このとき、両副審は同時に着席する。 団体試合では、審判員は再び整列し、両チームの入場を待つ。試合者の正面への礼、互いの礼が終わっ たら、審判員はそれぞれの位置につく。 ※個人試合では、2試合目以降、②③は行わない。 (2)主審・副審が交替する場合 赤畳上で互いに歩み寄って、互いの礼をしてそれぞれの位置につく。 (3)個人試合の終了後 主審を中央にして、正面に相対する場外端の中央に位置し、正面に向かって礼をする。 (4)団体試合の終了後 ①大将戦が終了したら、審判員は場外から約1m内側(赤畳の一歩内側)の位置に整列する。 ②試合者の互いの礼、正面への礼が終わり、試合者が試合場を出た後、赤畳上で主審を中央にして、正面 に向かって礼をする。③主審は一歩下がり、副審は互いに向かい合い、礼をする。 ④主審を中央にして、正面に相対する場外端の中央に位置し、正面に向かって礼をする。 (5)最後の試合の終了後(個人試合、団体試合とも) ①赤畳上で主審を中央にして、正面に向かって礼をする。 ②主審は一歩下がり、副審は互いに向かい合い、礼をする。 ③主審を中央にして、正面に相対する場外端の中央に位置し、正面に向かって礼をする。 ※試合者の正面への礼、互いの礼の際は、審判員は礼をせず、試合者を監督する。 参考・引用 ・公認 C 級ライセンス 審判員研修会 資料 ・国際柔道連盟ルール解説 全日本柔道連盟審判委員会 ・全日本柔道連盟審判員マニュアル
◎本大会とは関係ないが、理解しておくべき事柄