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道徳の時間における板書方法に関する一考察:―道徳的価値の自覚を支援するために―

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Academic year: 2021

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(1)道徳の時間における板書方法に関する一考察  一道徳的価値の自覚を支援するために一                      教育実践高度化専攻                       小学校教員養成特別コース.                      P08083C吉田 紀之 I 研究報告書の構成. く。そのために,文献研究と先行実践研究を通して,. 序 章 本研究の問題の所在と意義. 板書の理論研究及び道徳の時間における板書のあり. 第1章 本研究の目的と方法. 方を導き出す。それに基づいて,道徳の授業を2回. 第2章板書方法に関する先行研究分析と本研究の. 実践する。.     分析枠組み.  第1回肩及び第2回目の実践とも,平成22年度. 第3章 K市立丁小学校第5学年の道徳の時間にお. のH県K市立丁小学校の第5学年A組を対象とす.     ける板書の実践考察. る。第1回目の実践では,児童の道徳性が授業前と. 終 章 成果と今後の課題. 授業後でどのような変容があったのかを把握するた. めにrコールバーグの道徳性発達段階の定義に照ら した判断・理由づけ」を実施した。第2回目の実践. 皿 研究の概要 (1)問題の所在と研究の目的. では,授業中と授業後でr“心のつなひき”での主人.  昨今の教育のテーマとして「生きるカ」がある。. 公の行動に対する道徳的価値判断」を実施した。. 平成23年度から完全実施される学習指導要領にお.  また,第1回目・第2回目どちらも授業後に,文. いても,前回の学習指導要領から,子どもたちに「生. 献研究と先行実践研究を参考に作成した自由記述欄. きるカ」を育んでいくことが引き継がれている。「生. のあるr板書に関するアンケート」を実施した。. きる力」とは,「確かな学力」r豊かなこころ」「健や. かな体」を伴った子どもたちを育てていくことであ. (表1 指導過程と板書における6つのポイントの関連性から作成した質問項目) 指導過程. 板書における6つのポイント. 板書に関するアンケート質間項目 (選択肢〕. る。その中でもr豊かなこころ」を育てていくこと 導入. は,次代を担う子どもたちが,これからの国際化社. 補助…資料の読み取りを助け. r今日の黒板は資料の読み取りに」 (とても役に立った・役に立った・ふっ. る. 会で生きていくために重要であり,その視点から道. う・役に立たなかった・わからない〕. 活発化…話し合いの焦点化を. 徳教育の充実は重要な課題として挙げられる。 展開.  本研究の目的は,①道徳の時間における板書を中. 図り,子どもの話し合いを活発. 『今日の黒坂は話し合いに」. 礫しく参加できた・参加できた・ふっ う・あまり参加できなかった・楽しくな. にさせる. かった). 心とした指導方法のあり方,②その指導方法によっ 整理…子どもの多様な考えを. て,どの程度子どもたちが道徳的価値を自覚するこ. 整理する. 「今日の黒板は,自分以外のいろいろな 意見や考えを整理するのに』. とができたのか,③どのような板書が道徳的価値の. (とても役に立った・役に立った・ふっ ■ 一 一 . ‘ ‘ . ■ 一 一 . 一 . 一 . 一 一 ■ 一 1. 自覚の支援につながるのかということ,の3点に着. 終末. 気づき…自分を見つめて考え,. う・役に立たなかった・わからなかった). 自分と局し考え方や違う考え. 目して実践を通して考察を行う。. 方に気付かせる. (2)研究の対象と方法.  本研究にあたり,道徳性の形成要因の把握と道徳. 皿 研究の成果. 性の形成結果の把握とを相互関連的に統合的に評価.  r板書に関するアンケート」を集計し,それぞれ. していくことで,どのような計画でどのような実践. に効果があったと考えられる点と改善していくべき. (板書)をすればどのような教育的効果を確実効率. 反省点が抽出された。. 的にあげうるのかという因果関係を明らかにしてい. I!64一.

(2) かついろいろな意見や考え方がある場になった,と. 補助. 回答した児童は比較的多かった。黒板に,子どもた ちの考え方を羅列するだけでなく,本研究では「子 どもたちの意見の内容や立場ごとにグループ分けを する板書方法」を用いたことが影響したことが,子 どもたちのアンケート内の自由記述から読み取れた。.  「板書と道徳的価値の自覚の関連性」の成果とし. て,第1回目の実践では,半分以上の児童が一次判  資料の内容を児童に把握させるためには「場面絵」. 断より二次判断の方が道徳性の段階評定が上がって. などが効果的であるが,登場人物がどのような人間. いた。第2回目の実践では,授業者が道徳の時間で. であるか,ということなどを板書する際にも,丁寧. 扱うねらいに対して,児童の発言によって悩む姿を. な宰で書いていくことを心掛けていく必要がある。. 見せてしまったため,その影響が道徳的判断にも表. どの板書が,子どもたちに影響を与えているかとい. れる結果となってしまった。. うことは,授業中に把握することは困難なため,で きる限り乱雑な字にならないために「適度な量」の. w 今後の課題. 板書計画を立てておきたい。.  本研究を通すことで,今後の課題として見えてき たことは大きく二点ある。.  一点目は道徳の時間では板書と並行して様々な指 導技術を授業計画の段階で考えておく必要があると. いうことである。その中で主な指導方法としてr資 料提示の仕方」丁発間」『話し合い活動」「表現活動」. が挙げられる。これらの指導方法を板書と関係づけ ることによって,道徳の時間の指導が充実し,児童 の道徳性に影響を与えていくことが期待される。授  道徳の時間の話し合い活動が子どもにとって有意. 業内容や考えさせたいrねらい」によって,これだ. 義なものになっていたかという項目で抽出されたこ. と思う工夫を絞って生かすように努め,授業にメリ. とは,「道徳の時間で話し合いを活発にさせるために. ハリを生み出すことが大切になってくる。. は意見交流・発表の場にしない」手立てをしていく.  二点目は道徳的価値の自覚を支援していくような. ことを心掛けなければならないということである。. 板書方法のあり方として,子どもたち一人ひとりの. また,板書だけでなく,教師の言葉掛けを含む発間. 価値観・生活背景,授業を行う学級の雰囲気を考慮. 計画及び補助発問の準備も必要になってくる。. して,ねらいに迫るための資料選択を慎重にしてい. くことである。それと同時に,道徳の時間1時間で. 整選1気づき 吟帥顯榊ろ鮒脇のいろい. 子どもの道徳性をのばすことを考えるのではなく,.     ろな葱熱や親を搬ずる倣こ…」. 「いろいろな考え方がある」といったことに気づか. せていけるような支援方法を考えていくこともを念 頭において,「ねらい』を設定し児童の道徳性を高め. ていけるような,教材研究をしていきたい。. 修学指導教員 別惣 淳二 黒板が友だちの意見と自分の考えを比較する場,. 一165一. 指導教員別惣淳二.

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参照

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