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The novel association between red complex of oral microbe and body mass index in healthy Japanese: a population based cross-sectional study.

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 の 要 旨

論文提出者氏名 松下 香苗 論 文 題 目 :

The novel association between red complex of oral microbe and body mass index in healthy Japanese: a population based cross-sectional study.

論文内容の要旨 【諸言】歯周病と2 型糖尿病が相互に影響している可能性を示唆する既報が、近年多数見られる。また同様に、 2 型糖尿病との関連を示唆されている肥満症も歯周病と関連している可能性があるとの報告が少数だが見られる。 しかしながら歯周病と糖尿病もしくは肥満症との因果関係は明らかにされていない。その背景に、糖代謝あるい は肥満に影響しうる口腔細菌叢の全分析がなされていない事や、口腔内細菌の完全除菌後に糖尿病患者の血糖コ ントロールの改善や肥満症患者の体重減少を認めるか否かが不明である事が因果関係の解明を困難にしている と考えられる。現在、口腔内微生物は 700 種以上同定されており、その中でも特にPorphyromonas gingivalis(以 下 Pg 菌)・Treponema denticola(以下 Td 菌)・Tannerella forsythia (以下 Tf 菌)は『レッドコンプレックス』と まとめて称され、歯周病と強固に関連しているとされる。糖代謝や肥満とレッドコンプレックスとの関連を明ら かにする事は、歯周病と糖尿病もしくは肥満症との因果関係の解明の一助となると考え、今回我々は日本人健常 者対象に横断研究を行った。 【方法】2013 年 4 月~2013 年 11 月に京都の人間ドッグセンターでランダムに被験者を選出した。ただし、除 外基準は①糖尿病治療薬内服中②歯牙10 本以下③妊娠中④悪性疾患罹患中⑤現在喫煙している⑥抗生剤内服中 ⑦歯科治療中⑧インスリン治療中⑨ステロイド治療中とした。喫煙歴・歯磨習慣・最終歯磨時間・口腔内症状聴 取し、空腹時血液検査にてCBC・生化学を測定した。また、BMI と腹囲の測定も行った。さらに口腔内微生物 採取の為、滅菌スワブを用いて両頬粘膜を擦過した。採取後のスワブは密閉して凍結保存し、NucleoSpin® Tissue XS のキットを用いて口腔内微生物のDNA を抽出した。各検体に Pg 菌、Td 菌、Tf 菌の DNA が存在するか否 かをTaqman® Genotyping Master Mix と StepOne plus real-time PCR System を使用して確認した。歯周病 の評価は歯肉溝滲出液中のα1 antitrypsin(α1AT)と lactoferrin(Lf)を ELISA で測定するキットであるぺ リオキャッチャー®を用いた。 統計解析はSPSS version21 を用い、p 値は 0.05 未満を統計学的有意とした。レッドコンプレックスの保有数 で分けた4群間の連続変数は一元配置分散分析で評価し、2群間の連続変数はt検定で評価した。その後のpot hoc 検定としてTukey HSD 検定を実施した。2 群間のカテゴリー変数は全てカイ二乗検定で評価した。多変量共分 散分析はレッドコンプレックスの保有数に対するBMI あるいは腹囲の効果量の解析に用いた。その際、空腹時 血糖、免疫反応性インスリン、性別、年齢、喫煙歴、歯周病罹患の有無、1 日の歯磨回数を共変量とした。デー タは連続変数については平均±標準偏差で、カテゴリー値については%(数値)で表記した。 【結果】合計222 名の被験者背景は、年齢、空腹時血糖、BMI はそれぞれ 52.0±11.2 歳、4.6±9.3mg/dl、22.1 ±3.0kg/m²であった。Pg 菌・Td 菌・Tf 菌の陽性率はそれぞれ 46.8%、58.6%、73.9%で、レッドコンプレッ クスの保有数は1.79±1.09 であった。 レッドコンプレックス保有数が2、3 の被験者では歯周病罹患比率が高値であった。しかしながらレッドコン プレックス保有数で分けた群間で空腹時血糖・HOMA-R・HbA1c の値に有意差は認められなかった。BMI と腹 囲はレッドコンプレックス保有数2、3 の群で他より高い傾向にあったが統計学的有意差は認められなかった。 また、免疫反応性インスリンも保有数2、3 の群で低い傾向にあったがこれも有意差は見られなかった。 Td 菌またはTf 菌を保有している被験者では歯周病罹患率が有意に高く、1 日の歯磨回数は Td 菌または Tf 菌 保有被験者で有意に少なかった。一方、Pg 菌保有被験者は年齢が有意に高い傾向にあった。BMI と腹囲はそれ ぞれPg 菌を保有する被験者に有意に高く(p=0.038、p=0.009)また同様に BMI と腹囲は Td 菌または Tf 菌 を保有する被験者で高い傾向にあったが有意ではなかった。 BMI または腹囲は、空腹時血糖・免疫反応性インスリン・性別・年齢・喫煙歴・歯周病・一日の歯磨回数で調 整した結果、レッドコンプレックスの保有数を規定する独立因子となった。BMIと腹囲の効果量はそれぞれ0.023、 0.024 であった。しかし、空腹時血糖の効果量は 0.00 と著しく低値であった。 【考察】今研究では、日本の健常者においてBMI と腹囲がレッドコンプレックスの保有数と独立して関連して いる事が明らかになった。既報では体重が歯周病を伴う被験者で上昇したとある。この報告に加え、我々は歯周 病の有無とは無関係にレッドコンプレックスの保有数とBMI あるいは腹囲が高い事を示した。さらに、歯周病 は肥満を伴う被験者で高率に認めたとする報告があり、今研究結果がその報告を裏付ける可能性が示唆された。 糖尿病と歯周病との関連のメカニズムには以下2 つの仮説がある。①糖尿病が歯周病のリスクファクターとな る②歯周病が糖尿病のリスクファクターとなる。前者の根拠は、細菌に対する免疫反応が糖尿病では低下してお り、その結果歯周組織の破壊が生じる傾向があるというものである。今回我々は、その仮説に加えて、肥満を伴 う糖尿病患者に見られるレッドコンプレックスは新たな歯周病の発症のリスクファクターとなる新たな可能性 を示した。一方、後者の根拠は口腔内微生物の感染は炎症性サイトカインを生みだすというものである。実際、 炎症性サイトカインはレッドコンプレックスによって歯周組織に放出される。インスリン抵抗性はこれら炎症性 サイトカインによって増加すると考えられている。今研究にてBMI が高いまたは腹囲が高い非糖尿病被験者に おいて、レッドコンプレックスの保有数が多い傾向にあると示し、インスリン抵抗性が肥満とレッドコンプレッ クスによって活性化された炎症性サイトカインにより増大する可能性を示唆した。 我々の研究にはいくつかの制約がある。一つ目は歯周病の診断を歯科で行っていない事である。しかし感度特 異度それぞれ0.7 の歯周病検査ぺリオキャッチャーにより評価している。さらに今研究における歯周病の割合は 既報と同等であった。今研究では平均年齢52 歳の非喫煙者 222 名において50.9%の割合で歯周病を罹患してい た。既報では2055 名の非喫煙日本人 40~59 歳において 46.6%の割合で歯周病罹患を認めた。2 つ目は、我々 の今研究はパイロットスタディで被験者は全て日本人としている為、一般論としては説明不十分である。 健常日本人において、BMI と腹囲はレッドコンプレックス保有数と関連している事を示した。これは歯周病と 2 型糖尿病との関連の新たな裏付けとなる可能性を示唆している。

参照

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