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産業資金供給と金融債発行 : 長信銀融資の構造と機能

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Academic year: 2021

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公 社 債 市 場 に お け る 金 融 債 の 地 位   一 般 に 金 融 債 と は 、 特 定 の 金 融 機 関 が 法 律 に 基 づ き 長 期 資 金 の 吸 収 を 目 的 と し て 発 行 す る 債 券 で あ り 、 わ が 国 に お い て は 、 長 期 に わ た り 公 社 債 市 場 に お け る 主 要 債 券 と し て 活 用 さ れ て き て い る 。 第 二 次 大 戦 前 に お け る 金 融 債 の 発 行 機 関 は 、 . 単 独 法 に よ り 設 立 さ れ た 各 種 の 特 殊 金 融 機 関 で あ り 、 政 策 金 融 と の 関 連 の も と に そ れ ぞ れ 重 要 な 機 能 を 果 し て い た 。 戦 後 に お い て は 後 述 の よ う な 経 緯 の 後 に . 昭 和 二 十 七 年 以 来 、 長 期 信 用 銀 行 法 の 適 用 を 受 け る 長 期 信 用 銀 行 ( 以 下 長 信 銀 と 略 称 ) 三 行 、 外 国 為 替 銀 行 法 に 基 づ く 東 京 銀 行 が 、 債 券 発 行 銀 行 と し て 認 可 さ れ 、 .こ れ に 組 合 金 融 中 枢 機 関 と し て の 商 工 中 金 、 農 林 中 金 お よ び そ 巷 の 発 行 す る 金 融 債 を 加 え 現 在 六 機 関 、 六 銘 柄 の 金 融 債 が 発 行 さ れ て い 郁 こ れ ら 金 融 債 の う ち 産 業 資 金 供 給 に と く に 密 接 な 関 連 を 有 す る の は 、 長 信 銀 三 行 に よ る 金 融 債 の 発 行 で あ る 。 長 信 銀 は 金 融 債 発 行 を 通 じ て 調 達 し た 資 金 を 基 礎 に 、 都 市 銀 行 の 産 業 資 金 供 給 を 補 完 ・ 補 強 し 、 と り わ け 昭 和 三 〇 年 代 の 高 度 成 長 期 に お い て 酒 設 備 資 金 ま た は 長 期 運 転 資 金 の 供 給 を 通 じ 、 あ る い は 社 債 の 長 期 保 有 に よ り 、 わ が 国 産 業 構 造 の 高 度 化 を 誘 導 す る 上 に 大 き な 役 割 を 果 し て き た の で あ る 。 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 ﹂ 五

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          産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                                         一 六   周 知 の よ う に 産 業 資 金 の 調 達 方 法 は 国 に よ り 大 き な 相 違 が み ら れ る 。 例 え ば ア メ リ カ に お い て は 、 減 価 償 却 を 中 心 と す る 内 部 留 保 が 資 金 調 達 の 主 要 部 分 を 占 め 、 証 券 市 場 を 通 ず る 株 式 ( 増 資 )、 社 債 の 発 行 に よ る 資 金 調 達 が こ れ を 補 完 す る 形 態 を と っ て い る 。 こ れ に 対 し 日 本 に お い て は 、 と く に 第 二 次 大 戦 後 に お い て 、 内 部 資 金 は 設 備 資 金 を 賄 う に 至 ら ず 、 さ ら に 公 社 債 市 場 の 未 発 達 、 と り わ け 公 社 債 流 通 市 場 の 未 発 達 を 背 景 に 、 産 業 資 金 の 調 達 は そ の 多 く を 銀 行 借 入 金 に 依 存 し て き た の で あ る 。 そ し て 長 信 銀 は か よ う な 事 情 を 背 景 に 、 金 融 機 関 と し て 間 接 金 融 機 構 の 支 柱 と し て の 役 割 を 果 し つ つ 、 同 時 に 金 融 債 の 発 行 を 通 じ 公 社 債 市 場 に 対 し て も 密 接 な 関 連 を 維 持 し て き た の で あ る 。 金 融 債 は 事 業 債 と 同 様 に 、 公 社 債 市 場 に お い て 起 債 さ れ る の で あ り 、 調 達 さ れ た 資 金 は 長 信 銀 な ど 発 行 機 関 を 通 じ て 貸 出 さ れ る 。 す な わ ち 長 信 銀 は 、 一 方 に お い て 債 券 発 行 に よ り 短 期 資 金 を 集 団 的 ・ 継 続 的 に 吸 収 し 、 他 方 に お い て 長 期 貸 出 し を 通 じ 、 こ れ を 長 期 か つ 固 定 的 な 資 金 に 転 化 せ し め て き た の で あ り 、 わ れ わ れ は こ こ に 公 社 債 市 場 に お け る 金 融 債 の 地 位 お よ び 機 能 を 見 出 す こ と が で き る の で あ る 。 わ が 国 に お け る 公 社 債 市 場 は 、 個 人 金 融 資 産 の 蓄 積 の 低 位 や 、 低 金 利 政 策 に よ る 金 利 体 系 の ひ ず み な ど に よ り 、 そ の 発 展 を 阻 害 さ れ 、 さ ら に 間 接 金 融 方 式 の 確 立 過 程 が 逆 に 公 社 債 市 場 の 比 重 を 低 め る 原 因 と な っ て き た の で あ る が 、 長 信 銀 の 発 行 す る 金 融 債 は 、 む し ろ か よ う な 事 情 を 背 景 に 、 公 社 債 市 場 に お い て 大 き な ウ ェ イ ト を 占 め る こ と と な っ た の で          あ る 。 周 知 の よ う に 戦 後 の 公 社 債 市 場 に お い て は 、 国 債 、 政 府 保 証 債 、 地 方 債 、 事 業 債 、 金 融 債 な ど が 発 行 さ れ て き て い る が 、 昭 和 三 〇 年 代 を 通 じ 金 融 債 お よ び 政 府 保 証 債 が 公 社 債 種 類 別 残 高 中 圧 倒 的 に 高 い 割 合 を 占 め 、 と く に 金 融 債 の 場 合 は 、 年 間 純 増 ベ ー ス で み て も 、 公 社 債 中 ほ ぼ 五 〇 % に お よ ぶ 高 率 を 維 持 し て き た の で あ る 。 な お こ の 期 間 の 公 社 債 市 場 に お い て は 、 政 府 保 証 債 が 金 融 債 に つ ぐ 地 位 を 占 め て お り 、 戦 前 の 公 社 債 市 場 に お い て 重 要 な 地 位 を 維 持 し て い た 国 債 が 著 し く 後 退 し て い る こ と が 注 目 さ れ る の で あ る が 、 国 債 の 低 位 は 戦 後 に お け る 財 政 政 策 の 特 質 、 す な わ ち 均 衡 財 政 主 義 の も と に 国 債 の 発 行 が 、 交 付 国 債 、 代 用 国 債 、 外 貨 債 な ど の 発 行 に と ど め ら れ て き た こ と に 起 因 す る も の で あ り 、 政 府 保 証 債

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の 優 位 は 、 財 政 投 融 資 の 原 資 と し て 民 間 資 金 を 積 極 的 に 活 用 す べ く 、 公 社 ・ 公 団 ・ 特 殊 会 社 な ど が 政 府 保 証 債 を 発 行 し て                               (3 ) き た こ と に 基 づ く も の で あ っ た 。 昭 和 四 一 年 以 降 長 期 国 債 の 増 加 が み ら れ る よ う に な っ た が 、 金 融 債 の 発 行 残 高 は 依 然 と し て 最 も 多 く 、 昭 和 四 五 年 三 月 末 現 在 、 そ の 発 行 残 高 は 五 兆 四 七 一 〇 億 円 に 達 し 、 全 公 社 債 残 高 に 占 め る 割 合 は 三 九 ・ 九               (4 ) % と な っ て い る 。   (1 )   一, 般 に 金 融 債 と 呼 ぽ 航 る 場 合 に は 、 こ れ ら 六 金 融 機 関 に よ る 六 銘 柄 を 指 称 し て い る が 、 し か し 金 融 機 関 の 発 行 す る 債 券 を 金 融 債 と 呼 ぶ 場 合 に は 、       公 営 企 業 債 券 、 中 小 企 業 債 券 、 北 海 道 東 北 開 発 債 券 な ど 公 庫 債 券 三 銘 柄 が 加 え ら れ る 必 要 が あ り 、 さ ら に 金 融 債 の 経 済 的 性 格 を 基 準 に お く 場 合 に は       貸 付 信 託 受 益 証 券 八 銘 柄 が 加 え ら れ て よ い の で あ り 、 従 っ て 金 融 債 を 広 義 に 解 す る 場 合 に は 一 七 銘 柄 に 達 す る こ と と な る 。  (奥 田 孝 一 ﹁ 金 融 債 の 経       済 的 性 格 ﹂ ﹃ 銀 行 研 究 。 ,一 九 七 〇 年 一 月 号 ﹄ 所 収 参 照 ) 。   (2 )   奥 田 孝 一 氏 に よ れ ば 、 わ が 国 公 社 債 制 度 の 発 展 は 、 国 債 を 前 衛 と し 、 金 融 債 を 中 核 と し て 今 日 の 段 階 に 到 達 し た も の で あ り 、 こ の こ と は 第 二 次 大       戦 後 の 公 社 債 発 行 額 中 、 金 融 債 の 占 め る 割 合 が ほ ぼ 五 〇 % に 達 し て い る 事 実 に よ っ て も 洞 察 す る こ と が 可 能 で あ り 、 従 っ て 日 本 に お け る 公 社 債 市 場       の 性 格 は 、 金 融 債 を 検 討 す る こ と に よ っ て ほ ぼ こ れ を 明 か に な し う る も の と さ れ て い る 。   (奥 田 孝 一 ﹃現 代 公 社 債 市 場 論 ﹄ 二 四 六 頁 参 照 。)   (3 )   館 昇 吉 ﹁ 戦 後 の 資 本 蓄 積 と 公 社 債 ﹂   (中 村 孝 俊 他 編 ﹃証 券 経 済 講 座 5 ﹄ 所 収 )  一 〇 〇 頁 お よ び 坂 入 長 太 郎 ﹃ 日 本 財 政 の 構 造 と 政 策 ﹄ 二 一 二 ∼ 二 三       六 頁 参 照 。   (4 )   日 本 興 業 銀 行 ﹃ 公 債 社 債 統 計 月 報 ﹄ 第 三 〇 二 号 参 照 。 r 二   長 期 信 用 銀 行 制 度 の 形 成 、 P   第 二 次 大 戦 前 に お い て 、 長 期 金 融 機 関 の 主 軸 を な す も の は 、 興 銀 ・ 勧 銀 に 代 表 さ れ る 特 殊 銀 行 で あ り 、 こ れ ら 金 融 機 関 の 発 行 す る 金 融 債 は 、 市 中 公 募 あ る い は 大 蔵 省 預 金 部 引 受 け な ど に よ り 消 化 さ れ 、 長 期 資 金 供 給 上 重 要 な 役 割 を 果 し て い た 。 し か し 第 二 次 大 戦 直 後 、 前 述 の よ う な 特 殊 銀 行 あ る い は 債 券 発 行 銀 行 は 、 重 大 な 転 機 に 直 面 す る に 至 っ た 。 す な わ ち 戦 後 の 層 イ ン フ レ ー シ ョ ン に よ り 債 券 発 行 の 金 融 的 条 件 が 極 度 に 悪 化 し て い た こ と 、  " 特 銀 制 度 ク に 対 す る 総 司 令 部 の 批 判 と 不 信 と に よ り 、 制 度 的 に き わ め て 不 安 定 な 状 態 に 当 面 せ し め ら 乳 た こ と な ど が そ れ で あ り 、 と く に 後 者 の 影 響 は 重 大 で あ っ た 。             産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                      ・                                 一 七 '

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、           産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行             r ㌧                                        一 八   周 知 の よ う に 総 司 令 部 は 、 昭 和 二 三 年 六 月 の 覚 書 に お い て 、 特 銀 制 度 の 廃 止 と 、 既 存 の 特 銀 の 普 通 銀 行 あ る い は 債 券 発                                行 銀 行 へ の 改 組 を 要 求 し て お り 、 民 間 金 融 機 関 に 対 す る 政 府 干 渉 の 排 除 を 強 調 し 、 と く に 長 期 資 金 に つ い て は 、 証 券 市 場 を 育 成 し 、 株 式 ・ 社 債 の 形 式 に よ り 調 達 さ る べ き こ と が 要 望 さ れ て い た の で あ る 。 し か し か よ う な 要 請 は 、 当 時 の 日 本 経 済 の 実 情 に お い て は 受 け 入 れ 難 く 、 ・ 政 府 に お い て は 金 融 制 度 調 査 会 を 中 心 に 構 想 を ね り 、 長 期 金 融 制 度 に 関 し て は 、 戦 前 か ら の 特 殊 銀 行 の 機 能 を 重 視 し 、 こ れ を 復 活 ・ 蘇 生 さ せ 、 新 た な 債 券 発 行 銀 行 と し て 長 期 金 融 の 中 心 に お き 、 こ れ に 新 し く 資 本 調 達 市 場 と し て 出 発 す る 証 券 市 場 を 加 え 、 い わ ば 二 本 立 に よ っ て 長 期 金 融 の 円 滑 化 を は か ろ う と し た の で あ 魏 馴 す な わ ち 戦 後 に 於 け る 長 期 金 融 制 度 改 革 の 方 向 は 、 か よ う な 相 対 立 す る 構 想 を 底 流 と し な が ら 、 結 果 的 に は 日 本 経 済 の 実 情 に 、 よ り 適 応 し た 制 度 と し て 確 立 さ れ て き た も の と い い う る の で あ る 。   長 期 金 融 制 度 改 革 が 紆 余 曲 折 を た ど り つ つ あ る 過 程 に お い て も 、 経 済 再 建 の た め の 長 期 資 金 需 要 は 大 き く 、 現 実 に お い て 長 期 金 融 は 推 進 さ れ 、 復 興 過 程 に 大 き な 役 割 を 果 し て い た の で あ る 。                                                                    ヨ     戦 後 の 七 カ 年 を 大 別 し て 三 期 に わ け 、 長 期 金 融 の 経 過 を 概 観 し て お き た い 。 第 一 期 は 昭 和 二 一 年 八 月 よ り 二 四 年 三 月 ま で の 期 間 で あ る 。 こ の 期 間 の 長 期 金 融 は 、 復 興 金 融 金 庫 の 融 資 活 動 を 中 心 と す る も の で あ り 、 復 金 債 の 発 行 に よ る 巨 額 の 資 金 が 、 設 備 資 金 あ る い は 運 転 資 金 と し て 活 用 さ れ 、 石 炭 ・ 肥 料 ・ 電 力 ・ 鉄 鋼 な ど 重 要 産 業 に 融 資 さ れ た の で あ る 。 民 間 金 融 機 関 、 長 期 金 融 機 関 が 殆 ど そ の 機 能 を 停 止 し て い た 当 時 に お い て 、 復 金 融 資 は 大 き な 意 義 を 有 し て い た の で あ る が 、 周 知 の よ う に 復 金 債 は 、 そ の 大 部 分 を 日 銀 引 受 け 11 日 銀 の 信 用 創 出 に 依 存 し た た め に 、 い わ ゆ る 復 金 イ ン フ レ を 激 化 し 、 昭 和 二 四 年 三 月 復 金 債 の 発 行 が 停 止 さ れ 、 復 金 は 実 質 的 に そ の 機 能 を 停 止 し た の で あ る 。   第 二 期 は 復 金 の 機 能 停 止 後 昭 和 二 五 年 二 月 ま で の 期 間 で あ る 。 復 金 の 閉 鎖 と そ れ に と も な う 長 期 資 金 の 不 足 は 、 当 時 唯 一 の 長 期 金 融 機 関 で あ っ た 興 銀 の 機 能 を 拡 充 せ し め る こ と と な り 、 政 府 は こ の 期 間 に 、 興 銀 債 を 担 保 と す る 日 銀 借 入 の 優

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遇 、 興 銀 債 買 入 れ に と も な う 復 金 債 の 田 銀 買 入 れ ㍗ 興 銀 債 発 行 限 度 の 引 上 げ な ど の 措 置 を 講 じ 、 興 銀 機 能 の 活 用 を ば か ウ て い る 。 興 業 債 券 の 発 行 高 は こ の た め に 急 増 し 、 そ れ に 応 じ て 貸 出 額 は 著 し く 拡 大 し て い る 。 昭 和 二 四 年 度 に お け る 同 行 の 設 備 資 金 貸 出 純 増 額 は 一 四 八 億 円 に 達 し 、 全 国 銀 行 設 備 資 金 貸 出 し の 半 ば を 占 め て い た の で あ る 。   第 三 期 は 昭 和 二 五 年 三 月 よ り 二 七 年 五 月 に 至 る 期 間 で あ る 。 ま ず 二 五 年 三 月 末 日 に 制 定 さ れ た ﹁ 銀 行 等 の 債 券 発 行 等 に 関 す る 法 律 ﹂ が 注 目 さ れ よ う 。 本 法 は 銀 行 等 に 対 し 一 律 に 債 券 の 発 行 を 認 め る と い う 、 形 式 上 の 平 等 を 維 持 し つ つ 、 実 質 的 に は 、 こ の 法 律 と 同 時 に 公 布 さ れ た ﹁ 日 本 勧 業 銀 行 法 等 を 廃 止 す る 法 律 ﹂ に よ り 、 廃 止 さ れ る に 至 っ た 旧 特 殊 銀 行 に 対                                                 (4 ) し 、 債 券 の 発 行 を 認 め る こ と を 目 的 と し て い た の で あ る 。   ( し か し 本 法 制 定 後 旧 特 銀 中 働 銀 ・ 拓 銀 は 普 通 銀 行 に 転 換 し 、 興 銀 の み が 長 期 金 融 機 関 と し て 存 続 す る こ と と な っ た 。 ) 昭 和 二 六 年 三 月 以 降 、 戦 後 に お け る 金 融 制 度 改 革 の 本 格 的 展 開 が み ら れ る に 至 っ た 。 日 本 開 発 銀 行 法 、 相 互 銀 行 法 、 信 用 銀 行 法 な ど が 相 つ い で 制 定 さ れ 、 と く に 同 年 五 月 の 開 銀 の 発 足 は 、 翌 年 以 降 に 引 続 く 政 府 金 融 機 関 設 立 の 最 初 の ケ ー ス で あ り 、 ﹁ 政 府 金 融 体 系 内 部 で 中 心 的 地 位 を し め る ぽ か り で な く 、                                                                                 (5 ) わ が 国 の 全 金 融 体 系 の な か で 、 き わ め て 大 き な 波 動 力 を も つ 政 府 の 長 期 産 業 資 金 の 供 給 機 関 ﹂ と し て 、 長 期 金 融 機 構 の 確 立 過 程 に お い て 重 要 な 意 義 を に な う も の で あ っ た 。   戦 後 七 カ 年 に お け る 長 期 金 融 に 関 す る 推 移 は 以 上 の と お り で あ る が 、 か よ う な 経 過 を 背 景 に 、 昭 和 二 七 年 六 月 ﹁ 長 期 信 硝 銀 行 法 ﹂ が 制 定 さ れ 、 紆 余 曲 折 を 重 ね た 長 期 金 融 は 、 は じ め て 合 理 的 な 制 度 の も と に 運 営 さ れ る こ と と な っ た 。 同 法 の 骨 子 は ﹁ 長 期 金 融 の 円 滑 化 を は か り 、 オ ! バ ー ・ ロ ー ン の 解 消 に 資 す る た め 、 そ の 中 核 機 関 と し て 一 般 商 業 銀 行 と 一 線 を 画 す る 民 間 の 長 期 金 融 機 関 を 確 立 し 、 こ れ と 併 行 し て 政 府 の 長 期 金 融 機 関 た る 日 本 輸 出 銀 行 お よ び 日 本 開 発 銀 行 を し て 、 通 常 民 間 機 関 の 金 融 ベ ー ス に 乗 ら な い 長 期 資 金 の 融 通 に 当 ら し め 、 い わ ば 民 間 の 長 期 金 融 を 補 完 せ し め ん と す る に あ っ ( 6 ) た ﹂ の で あ る 。 要 す る に ﹁ 長 期 信 用 銀 行 法 ﹂ は 、 長 短 金 融 分 離 の 構 想 に 基 づ く 民 間 長 期 金 融 機 関 を 設 立 す る た め の 特 別 法           産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                 ・       一 九

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ρ 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 二 〇 で あ り 、 本 法 に 基 づ き 昭 和 二 七 年 旧 特 銀 た る 日 本 興 業 銀 行 お よ び 新 銀 行 た る 日 本 長 期 信 用 銀 行 が 営 業 を 開 始 し 、 そ の 後 昭 和 三 ℃ 年 日 本 不 動 産 銀 行 が 新 設 認 可 さ れ 、 現 在 ま で い わ ゆ る 長 信 銀 と し て 上 記 三 行 が 存 続 し て い る の で あ る 。 な お 長 期 金 融 機 関 と し て は 、 長 信 銀 の ほ か に 信 託 、 生 保 な ど が あ げ ら れ る が 、 同 時 に 都 銀 も ま た 長 期 貸 出 し に お い て 、 大 き な 比 重 を                                            占 め て い る こ と が 注 目 さ れ る の で あ る 。 (1 )   佐 竹 浩 ・ 橋 口 収 ﹃ 銀 行 行 政 と 銀 行 法 ﹄   (新 銀 行 実 務 講 座 ・ 第 一 三 巻 ) 一 〇 九 頁 参 照 。 (2 )   同 右 、 一 〇 五 ∼ 一 一 〇 頁 、 お よ び 原 司 郎 ﹃ 日 本 の 金 融 機 構 ﹄ 四 六 頁 参 照 。 (3 Y 時 期 区 分 に つ い て は 梶 浦 英 夫 ﹁ 旧 特 別 銀 行 ﹂   (山 口 茂 ・ 沖 中 恒 幸 編 ﹃ 金 融 機 構 ﹄ 所 収 ) 八 七 頁 を 参 照 し た 。 (4 )   佐 竹 浩 . 橋 口 収 、 前 掲 書 一 コ ニ 頁 参 照 。 な お ﹁ 銀 行 等 の 債 券 発 行 等 に 関 す る 法 律 ﹂ に つ い て 両 氏 は 次 の よ う に 指 摘 さ れ て い る 。  ﹁ こ の ﹁ 債 券 発 行     法 ﹂ に つ い て の 考 え か た を 割 り き っ て 断 定 す る に は 困 難 を 感 ず る 。 冊 特 銀 法 が 廃 止 さ れ た こ と に よ っ て 、 旧 特 銀 的 思 想 は 破 産 し た け れ ど も 、 旧 特 銀     法 の 予 定 し 、 実 行 し 、 結 果 し て き た こ と は 、  ﹁ 債 券 発 行 法 ﹂ の 予 定 し 、 実 行 し 、 ね ら い と す る と こ ろ に 密 接 に つ な が っ て く る 。 名 を 失 っ て 、 実 を 生     か し た と い う か 、 わ が 国 経 済 の 内 在 的 要 請 に よ る も の で あ る と は い え 、 金 融 制 度 と し て こ れ を 煮 つ め て み る と き 、 結 晶 し き れ ぬ 不 純 物 が の こ る の で     あ る 。 ま さ に 、  〃 と ま ど い " の 時 代 と い う べ き で あ ろ う ﹂ と コ 両 氏 に よ れ ぽ こ 0 不 純 物 が 純 化 し 、, 結 晶 し た も の が ﹁ 長 期 信 用 銀 行 法 ﹂ で あ る と さ れ     る の で あ る 。 、 (同 書 二 三 ∼ 一 一 四 頁 参 照 ) 。 (5 )   佐 竹 浩 ・ 橋 口 収 、 前 掲 書 、 一 一 六 頁 。 (6 )   日 本 興 業 銀 行 臨 時 史 料 室 ﹃ 日 本 興 業 銀 行 五 十 年 史 ﹄ 九 五 五 頁 。 (7 )   昭 和 四 三 年 三 月 末 現 在 、 長 期 貸 出 し 総 額 に 占 め る 都 銀 の 比 率 は 一 二 ・ 九 % で あ っ た が 、 形 式 的 に は 短 期 貸 出 し で あ り な が ら 、. い わ ゆ る コ ロ ガ シ に     よ り 実 質 的 な 長 期 貸 出 し が 行 な わ れ て お り 、 前 記 の 比 率 は こ れ を 含 め る 之 二 四 ・ 四 % に 達 す る の で あ る 。 (﹃ 東 洋 経 済 ﹄   (昭 和 四 四 年 四 月 一 日 号 ) 三     二 ∼ 三 三 頁 参 照 )。                        ・                            ,                .                           -σ 三   長 信 銀 に お け る 金 融 債 の 発 行   長 信 銀 に お い て は 、 ﹁ 長 期 信 用 銀 行 法 ﹂ に 基 づ き 、  資 金 吸 収 の 主 要 手 段 と し て 金 融 債 の 発 行 が 認 め ら れ 、 預 金 の 受 入 れ は 、 国 も 七 く は 地 方 公 共 個 体 、 貸 付 先 、 社 債 募 集 の 委 託 そ の 他 の 取 引 先 か ら の 受 入 れ に 限 ら れ て い 範 ・ 昭 和 四 四 年 三 月 末 ー

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現 在 に お け る 、 長 信 銀 の 資 金 調 達 に 占 め る 債 券 ・ 預 金 の 割 合 を み る と 、 前 者 が 八 八 ・ 二 % 、 後 者 が = ・ 八 % と な っ て お 堕 債 券 発 行 が 圧 倒 的 な 褒 性 を 有 し て い る ・ す な わ ち 長 信 銀 は 金 融 債 発 行 の 主 流 を な す 債 券 発 行 銀 行 で あ り ・ 一 般 大 衆 か ら の 預 金 受 入 れ に 依 存 す る 普 通 銀 行 ど は 異 な る 特 殊 な 資 金 的 基 盤 を 有 す る 金 融 機 関 に 外 な ら な い の で あ る 。 第 二 次 大 戦 後 の 公 社 債 市 場 に お い て 、 金 融 債 が そ の 発 行 残 高 あ る い は 市 場 性 に 関 し 、 き わ め て 重 要 な 地 位 を 占 め て き た 長 信 銀 に お け る金 融 債 発 行残 高 の 推移       (単位:憶 円,%) (第1表) 計 構成 比 債 構成比 弓 割 債 付 構成比 利 年 度 m ⋮ ⋮ m m 蜘 ⋮ ⋮ 鵬 ㎜ m ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ m ㎜ ⋮⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ m 1,099 1,787 2,389 2,938 3,432 4,226 5,650 7,276 g,337 10,985 12,988 15,853 19,162 23,699 28,170 32,593 37,106 妬 舗 銘 d 鐙 " 嘱 " 舖 " 皿 " " 姐 珊 " a 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2   159   276   376   414   450   799 1,380 1,884 2,696 2,829 3,135 3,815 4,619 5,743 6,722 8,153 9,401 旙 妬 招 " 齢 U 鵠 魏 n 翻 認 " " 認 侃 印 翻 8    Q Q    り 白  ◎ Q    8    8    7    7    7    7    7    7    7    7    7    7    7    940 1,511 2,013 2,524 2,982 3,427 4,270 5,392 6,641 8,156 9,853 12,038 14,543 17,956 21,448 24,440 27,705 昭 和27    28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 囎 β (出所)『 銀行研究別冊』1969年4月 号および 日本興業銀行 『公 債社債統計     月報』による。 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 こ と は 既 述 の と お り で あ る が 、 第 1 表 に よ り 長 信 銀 に お け る 金 融 債 の 発 行 状 況 を み て お き た い 。 表 示 の よ う に 金 融 債 の 発 行 残 高 は 三 〇 年 代 を 通 じ 顕 著 な 伸 び を 示 し て き た の で あ る が 、 と く に 三 〇 年 代 後 半 期 よ り 四 〇 年 代 に か け て 急 速 な 増 大 を み て い る 。 こ れ を 利 割 別 に み る と 全 般 的 に は 利 付 債 の 割 合 が は る か に 大 き い の で あ る が 、 最 近 に お い て は 割 引 債 の 伸 び 率 が 利 付 債 を 上 廻 っ て い る 。 設 備 投 資 の 期 間 に は も と よ り 相 違 は あ る が 、 平 均 す れ ば 五 2 七 年 の 期 間 が 必 要 で あ り 、 設 備 資 金 の 貸 出 し を 主 た る 業 務 と す る 長 信 銀 が 、 期 間 の 長 い 利 付 債 に 資 金 源 を 求 め よ う と す る こ と は 当 然 で あ り 、 割 引 債 は 利 付 債 を 補 完 す る よ う な 形 で 発 行 さ れ て き て い る 。   次 に 金 融 債 の 発 行 条 件 お よ び 利 回 り 等 に つ い て ふ れ て お き た い 。 第 2 表 は 昭 和 四 四 年 三 月 末 現 在 に お け る 公 社                           .二 一

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' 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 公 社 債 券 の 利 回 り 等 (第2表) 応募者利 回年利% 限 動   据 年 期 ㈲ 6.902 5.807 7.441 7.139 7.300 6.800 6.022 7ご628 7.740 7.796 7,944 8.058 8.205 7 60日 7(2) 7(2) 5(1) 3(1) 1 7(2) 7(2) 7(2) 7(2) 7(2) 5 発行価 格 (百円に付)   円 98.10 99.07 99.35 99.35 100.00 94.32 98.50 98`00 97.75 98.00 97.50 97.50 表面利率 年利 % 類 種

邸 賄 " " " 齢 篇 鴨

7.3 7.3 7.5 7.5 7.5 長 期 国 債 政府 短 期 証 券 地 方 債(公 募) 政 府 保 証 債 利 付 金 融 債 割 引 金 融 債 事 業 債A   "    A' B C D レ (出所)公 社債 引受協 会r公 社債 月報 』昭和44年3月 号 。 ー ン の 解 消 、 長 期 資 金 の 円 滑 な 導 入 、 な ど の 動 機 に 基 づ い て 設 立 さ れ た の で あ る が 、 資 金 を 産 業 界 へ 導 入 す る た め の 仲 介 機 関 と し て の 機 能 が 期 待 さ れ て い た こ と を 逸 す る こ と が で き な い 。 設 立 当 初 に お い て 、 そ の 発 行 す る 金 融 債 が 資 金 運 用 部 に よ っ て 引 受 け ら れ て い た こ と に 示 さ れ て い る 。 資 金 運 用 部 に よ る 金 融 債 の 引 受 け は 、 長 信 銀 制 度 の 育 成 と い う ね ら い と と も に 、 資 金 運 用 部 の 巨 額 の 資 金 量 を も っ て 民 間 に お け る 強 塾 資 金                                         二 二 債 券 の 利 回 り 等 を 示 す も の で あ る が 、 利 付 金 融 債 に は 期 限 に 関 し 三 年 お よ び 五 年 の 二 種 類 が あ り 、 割 引 債 に お い て は 期 限 は 一 年 と さ れ て い る 。 五 年 も の の 利 付 金 融 債 は そ の 性 格 上 、 事 業 債 よ り 利 回 り は 低 く 、 国 債 あ る い は 政 保 債 に 比 し 利 回 り は 高 い 。 前 述 の よ う に 金 融 債 は 特 別 法 に よ り 設 立 さ れ る 金 融 機 関 の 発 行 す る 債 券 で あ り 、 し か も そ の 発 行 限 度 は 資 本 金 と 準 備 金 の 二 〇 倍 ま で と さ れ て お り 、 元 本 保 証 と い う 観 点 に お い て 事 業 債 に 比 し 安 全 度 が 高 い 。 し た が っ て 事 業 債 に 比 し 利 回 り の 低 い の は 当 然 で あ る の 一 方 国 債 、 政 保 債 に 比 す る と 信 用 度 は 相 対 的 に 低 く 、 そ の 利 回 り は 国 債 ・ 政 保 債 の 利 回 り を 上 回 る 。 し か し 一 般 に 金 融 債 は 他 の 公 社 債 に 比 し 市 場 性 が 高 く 流 動 性 と 利 回 り と の 総 合 的 価 値 に お い て 、 有 利 な 地 位 を 占 め て き た の で あ る 。   金 融 債 の 発 行 と 密 接 な 関 連 を 有 す る の は そ の 消 化 構 造 に 外 な ら な い 。 公 社 債 市 場 に お け る 金 融 債 の 重 要 性 は 、 そ の 消 化 を 可 能 と す る 現 実 的 基 盤 が 所 在 し た か ら に 外 な ら な い 。 前 述 の よ う に 長 信 銀 は 、 オ : バ ! ・ ロ                                 長 信 銀 の 設 立 当 時 に お い て は 、 財 政                                                 こ の こ と は 長 信 銀

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計 ムロ 百万 円) 簡易保険 局資金 (単位 金 融 債 消 化 状 況 (第3… 菱) 資金運用 部資金 計

1聾

相銀   金

b

保 険1組他喰協 信託

綴 畷

年   317,469   353,557   490,891   691,225   788,811   943,804 1,038,976 1,332,075 1,666,109 1,904,003 2,143,397 2,431,397 1,927 4,912 10,513 11,713 10,066 5,911 5,129 8,328 11,576 10,990 14,097 6,991 52,714 16,089 27,304 73,212 106,966 77,381 32,297 28,215 52,324 69,975 90,308 94,079 % 期 蜘 m m m 揃 塒 m m m m m   262,827   332,556   453,073   606,299   671,778   860,511 1,001,550・ 1,295,531 1,602,209 1,823,038 2,038,992 2,330,327   % 60.0 72.0 73。0 64.8 63.6 63.9 65.6 67.7 68.6 72.0 73.5 73.6 % B B 凶 器 隠 撮 鋤 鍋 % 鋤 " 胴 % 昭 U 幅 ㏄ ㎝ 届 B 0.7 0.9 0.9, 0.9 1.1 1.0 1。21 1.0, %i% 0,8 0。6 0.4 0.8 1。6 1。5 1.3 1.6 1.612.7 1.12。3 1.01.9 1.12.0 1.02.4 U 品 品 B % 侃 qユ qユ q■ 幽 侃 αユ qユ qユ qユ qユ qユ qユ % 四 侃 " 舘 脇 ㎜ 認 詔 M 輪 妬 ㏄ ,   % 25.9 17.4 17.0 21.5 23.0 21.9 20,9 18,5 18.9 16,1 13,9 13。7 昭 和   33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 (出所)日 本興業銀 行 『公債 社債統 計月報』第307号。 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                             (3 ) 需 要 に こ た え よ う と す る 目 的 を 有 し て い た の で あ る 。 昭 和 二 六 年 度 よ り 二 九 年 度 に か け て 、 資 金 運 用 部 資 金 に よ る 金 融 債 の 引 受 け 額 は 一 一 五 〇 億 円 に 達 し 、 二 九 年 度 末 に は 金 融 債 発 行 高 中 四 一 % を 占 め て い た 。 こ の 場 合 と く に 利 付 債 の 引 受 け が 多 く 、 昭 和 二 七 ∼ 二 九 年 の 利 付 金 融 債 純 増 の う ち 、 五 〇 % 以 上 が 資 金 運 用 部 資 金 に よ っ て 消 化 さ れ て い た の で あ り 、 長 信 銀 制                                                   (4 ) 度 発 足 当 時 に お け る 債 券 消 化 の 特 徴 を 見 出 し う る の で あ る 。 し か し 昭 和 三 〇 年 六 月 以 降 金 融 事 情 の 変 化 に と も な い 、 資 金 運 用 部 資 金 に よ る 引 受 け は 減 少 し 、 三 〇 年 代 の 高 度 成 長 期 に お い て は 、 中 小 企 業 金 融 対 策 と し て 、 商 工 債 券 、 不 動 産 債 券 に 対 す る 新 規 債 の 引 受 け を 行 っ た り 、 あ る い は 民 間 重 要 産 業 に 対 す る 資 金 不 足 補 充 の た め の 興 長 銀 債 の 引 受 け な ど 、 民 間 金 融 情                                      ら   勢 の 変 化 に 対 応 し つ つ 運 用 さ れ て き て い る 。   昭 和 三 〇 年 代 以 降 最 近 に か け て の 金 融 債 の 消 化 状 況 を 第 3 表 に よ り て み る と 、 そ の 圧 倒 的 部 分 が ﹁ 個 人 其 他 ﹂ と ﹁ 都 市 銀 行 ﹂ に よ っ て 消 化 さ れ て い る こ と が う か が わ れ る 。 し か し 金 融 債 の 消 化 は 利 付 債 と 割 引 債 と の 間 に 著 し い 相 違 が あ り 、 前 者 に お い て は そ の 主 要 部 分 が 都 市 銀 行 を 中 心 と す る 金 融 機 関 に よ っ て 消 化 さ れ 、 後 者 の 場 合 は 証 券 会 社 を 通 じ 一 般 投 資 家 層 に よ っ て 消 化 さ れ て き た の で あ る 。 興 銀 ・ 長 銀 な ど の 発 行 す る 金 融 債 、 と く に 利 付 債 が 都 市 銀 行 に よ っ て 消 化 さ れ て き た こ と は 重 要 な 意 義 を 有 す る 。                                           二 一二

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          産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                                           二 四 そ れ は 普 通 銀 行 に 預 け 入 れ ら れ た 短 期 預 金 が 金 融 債 へ の 投 資 を 通 じ て 長 期 資 金 に 転 化 せ し め ら れ る か ら に ほ か な ら な い 。 す な わ ち 普 通 銀 行 に よ る 金 融 債 へ の 投 資 は 、 長 信 銀 に そ の 資 金 を 吸 収 せ し め る こ と と な る が 、 し か し 長 信 銀 に 吸 収 さ れ た 資 金 は 、 そ の 主 要 部 分 が 都 市 銀 行 の 取 引 先 に 対 し 環 元 融 資 の 形 態 で 貸 出 さ れ て お り 、 .一 般 に ﹁ 短 期 資 金 の 長 期 化 ﹂ と 呼 ば れ る 機 能 を そ こ に 見 出 す こ と が で き る の で あ る 。 換 言 す る な ら ば 、 普 通 銀 行 は 金 融 債 を 購 入 す る こ と に よ り 流 動 性 を 保 持 し な が ら 、 長 信 銀 に よ る 、 自 行 取 引 先 に 対 す る 債 券 消 化 額 以 上 の 設 備 資 金 の 供 給 を 期 待 す る こ と が で き た の で あ る 。   公 社 債 市 場 に お い て 、 金 融 債 の 流 動 性 を 高 め る 上 に 重 要 な 意 義 を も た ら し た の は 、 金 融 債 が 昭 和 二 四 年 よ り 日 銀 貸 出 し の 適 格 担 保 と し て 認 定 さ れ 、 日 銀 信 用 導 入 の 手 段 と さ れ て き た こ と 、 さ ら に 昭 和 三 七 年 に 至 り 日 銀 に よ る オ ペ レ ー シ ョ ン の 対 象 と し て 認 定 さ れ た こ と で あ る 。 日 銀 に よ る 現 金 通 貨 の 供 給 ル ー ト と し て の 、 貸 出 し お よ び 買 い オ ペ レ ー シ ョ ン の 実 施 に 際 し 、 金 融 債 は 最 も 重 要 な 手 段 と し て 利 用 さ れ て き た の で あ る 。 長 期 国 債 や 政 府 短 期 証 券 の 流 通 高 が 相 対 的 に 少 な か っ た の に 対 し 、 金 融 債 の 発 行 単 位 が 大 き く 、 か つ 信 用 力 が 高 か ﹁つ た こ と が 、 適 格 担 保 あ る い は オ ペ 種 と し て 重 要 な 機 能 を                                        発 揮 せ し め る 理 由 を な し で い た の で あ る 。   前 述 の よ う に い わ ゆ る 高 度 成 長 期 を 通 じ 金 融 債 の 消 化 は 比 較 的 容 易 に 行 な わ れ え た の で あ る が 、 昭 和 四 一 年 の 国 債 発 行 を 機 に 金 融 機 関 に よ る 消 化 割 合 は 次 第 に 低 下 す る こ と と な っ た 。 昭 和 四 二 年 か ら 国 債 が 日 銀 オ ペ レ ー シ ョ ン の 対 象 に 加 え ら れ る や 、 逆 に 金 融 債 は 原 則 と し て 公 開 市 場 操 作 の 対 象 か ら は ず さ れ 、 金 融 債 に 付 与 さ れ て き た 人 為 的 な 流 動 化 の 途 が 閉 ざ さ れ る こ と と な り 、 金 融 債 の 消 化 は 個 人 消 化 に そ の 重 点 を お か ざ る を え な く な っ た の で あ る 。 な お 最 近 に お い て 注 目 さ れ る こ と は 、 税 制 の 変 更 や 株 式 市 況 の 低 迷 に よ る 証 券 会 社 の 債 券 販 売 努 力 な ど に よ り 、 割 引 金 融 債 の 個 人 消 化 が 急 激 な 増 ・ 加 を 示 し て い る こ と で あ ろ う 。   ( 1 )  長 期 信 用 銀 行 法 に よ れ ぽ 、  ﹁ 長 期 信 用 銀 行 ﹂ は 、 資 本 及 び 準 備 金 の 合 計 額 の 二 十 倍 に 相 当 す る 金 額 を 限 度 と し て 、 債 券 を 発 行 す る こ と が で き る

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■ ●     (第 八 条 ) も の と さ れ 、 右 の 債 券 資 金 を 主 た る 資 金 源 と し て 、 長 期 資 金 を 供 給 す る と と も に 、 ﹁担 保 附 社 債 信 託 法 ﹂ に よ る 信 託 業 を も 営 み ヶ る が 、   預 金 の 受 入 れ は 、 国 若 し く は 地 方 公 共 団 体 又 は 貸 付 先 、 社 債 募 集 の 委 託 会 社 そ の 他 の 取 引 先 か ら の 受 入 れ に 限 ら れ (第 六 条 第 一 項 の ⇔ ) 、 短 期 資 金     の 融 通 に つ い て も 制 限 が 加 え ら れ て い る の で あ る 。   (近 藤 道 生 ﹃ 長 期 信 用 銀 行 ﹄ ) . 三 〇 一 ∼ 三 一 〇 頁 参 照 。 ( 2 )  北 原 道 貫 ﹃ 日 本 の 金 融 ﹄ 八 九 頁 参 照 。 (3 )  榎 本 善 昭 ﹁ 長 期 信 用 銀 行 の 当 面 す る 問 題 と 今 後 の 課 題 ﹂   (﹃ 農 林 金 融 ﹄ 一 九 七 〇 年 四 月 号 所 収 ) 参 照 。 (4 )   同 右 、 参 照 。 ( 5 )  澄 田 智 ・ 鈴 木 秀 雄 共 編 ﹃財 政 投 融 資 ﹄ 四 〇 九 ∼ 四 一 入 貢 参 照 。 ( 6 )  榎 本 善 昭 ・ 前 掲 論 文 参 照 。                   四   長 信 銀 融 資 の 構 造   長 信 銀 に お け る 資 金 運 用 面 の 特 色 は 、 長 期 貸 出 し と 有 価 証 券 投 資 に 求 め ら れ る 。 長 信 銀 に よ る 長 期 資 金 の 供 給 が 、 産 業 構 造 の 高 度 化 を 誘 導 す る 上 で 大 き な 役 割 を 果 し て き た こ と は 前 述 の と お り で あ る が 、 こ こ で は と く に 融 資 構 造 を 中 心 に 、 長 信 銀 融 資 の 特 質 に つ い て 検 討 し て お き た い 。   長 信 銀 の 主 要 な る 業 務 は 長 期 貸 出 し に 存 す る 。 貸 出 し に お い て は 、 設 備 資 金 ま た は 長 期 運 転 資 金 の 供 給 が 中 心 と な っ て お り 、 短 期 運 転 資 金 の 供 給 は 預 金 の 範 囲 内 に 限 ら れ て い る 。 長 信 銀 に お け る 設 備 ・ 運 転 資 金 貸 出 の 比 率 を み る と 、 設 備 資 金 貸 出 し の 比 率 は 昭 和 三 一 年 度 末 に 七 八 ・ ○ % 、 三 八 年 度 末 に 八 八 ・ 二 % の 高 率 を 示 し 、 そ の 後 次 第 に 低 下 し て い る が 、 四 二 年 度 末 に な お 八 ○ ・ 一 % の 高 率 を 維 持 し て い 範 。 す な わ ち } 長 信 銀 の 貸 出 し に お け る 特 殊 性 を 端 的 に 示 し て い る の で あ る 。 第 4 表 は 金 融 機 関 別 に み た 設 備 資 金 貸 .出 額 (年 度 間 増 加 額 ) の 比 率 の 推 移 を 示 す も の で あ る が 、 長 信 銀 は 信 託 銀 行 と ' 並 び 高 い シ ェ ア を 占 め て い る こ と が う か が わ れ る 。 長 信 銀 の 場 合 は 三 一 ∼ 三 六 年 度 平 均 で 三 四 ・ ○ % 、 信 託 は 二 五 ・ 五 % で あ っ た の が 、 三 七 ∼ 四 二 年 平 均 で は そ れ ぞ れ 二 七 ・ ○ % 、 二 九 ・ 九 % と な り 、 最 近 に お い て は 長 信 銀 よ り 信 託 銀 行 の 方           . 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行-                  、                                二 五

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' '         産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行             .                                          二 六 が や や 量 的 に 優 勢 と な っ て き て い る 。 し か し 、 長 信 銀 が い わ ゆ る 高 度 成 長 期 に お け る 設 備 資 金 需 要 の 急 速 な 拡 大 過 程 に 対 応 し 、 都 市 銀 行 の 長 期 資 金 供 給 を 肩 代 り し 、 そ の 資 金 負 担 を 軽 減 す る 役 割 を 果 し て き た こ と は 明 白 で あ り 、 こ の 意 味 に お い て 長 信 銀 は 長 期 金 融 機 関 と し て の 本 来 的 機 能 を 充 分 に 果 し て き た も の と い い え よ う 。   設 備 資 金 の 供 給 対 象 は 日 本 経 済 の 発 展 過 程 、 と く に 産 業 構 造 の 高 度 化 の 進 展 に よ り 、 時 期 的 に か な り の 相 違 が み ら れ る こ と は 当 然 で あ る が 、 第 5 表 に そ の 概 況 を う か が い う る 。 す な わ ち 昭 和 二 〇 年 代 末 よ り 三 〇 年 代 前 期 に か け て は 、 基 幹 産 (第4表)設 備 資 金 貸 出増 減 額 の シ ェア の 推移                (単位:%) 計 信金 相銀 信 託 長銀 地 銀 都銀 m m m m m m m ⋮ ⋮ ㎜ m m ⋮ ⋮ ⋮ ⋮ ㎜ 4,2 4.7 3。4 1 6.8 6.8 7,7 9.8 9.6 8,2 12.2 17.9 12.3 6.1 11.9 硲 " " 卯 η 鋪 菊 雛 ㍑ 町 M 肥 備 "       1    1    1    1                     1         1 22.6 18.7 26.6 27.5 27.1 26.5 35.0 31.8 36.5 30.5 18。7 29.7 25.5 29.9 30.7 32.4 44.9 39.4 32.9 28。0 25.8 27.4 32.9 30.9 23.6 23.9 34.0 27.0 舗 認 印 麗 御 肥 印 幡 % 解 舗 旙 皿 肪               1                1    1          1 脇 届 " 跡 皿 ao 届 η 沼 部 齢 % 解 昭 2    3    1          1    1    1    1    1                1    1    1 年 度 中 昭和31 32 33     34     35     36     37     38     39     40     41     42 31∼36平 均 37∼42平 均 (出所) 金融$9度調査会資料 ●鋸 目巻 ● 『長期金融制度:』94頁。 貸出       金は,当 座貸越を含 まない。 (第5表)長 信 銀 業 種 別 設 備 資 金 貸 出 状 況(単 位:%) 43.3 40.3 37.3 34.3 昭31.3

鴇 姐 跡 M 鍛 U 麗 侃 粥 U M B " 砺 幡 " 砺 幡 m ﹃ ﹂             ¶ ⊥      貯1                   1                        1 " " 鋤 " 聡 邨 躍 留 硲 鍛 届 鉛 妬 妬 粥 麗 " " m 5             1        1                  1                            1 描 記 鎚 留 U 財 η 侃 魏 ㎝ 凶 組 踊 鍛 B 麗 玲 麗 m FD             1        1                  1                       1   1 翻 晒 錨 m M ⋮ M 妬 錨 爲 " 釦 偲 U 耐 蹴 U 侃 珈 皿 岨 恥 薦 胴 恥 .卿 a 28 麗 鎚 μ 昭 幡 齢 ㏄ 幡 ㎝ m 4                     1 ∴                                       1   3 業 維 プ 業 製 鋼 属 器 器 他 業 業 業 業 業 道 業 他                     産 壁 売 信 ,依 ・     ル 工 精   金 機 機

造一

・通

(出所)金 融制度調 査会 ・前 掲資料 200頁 。 曜

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業 た る 電 力 . 海 運 ・ 鉄 鋼 ・ 石 炭 な ど に 対 す る 貸 出 し が 多 か っ た が 、 三 〇 年 代 半 ば よ り そ の 対 象 は 広 範 と な り 、 石 炭 ・ 海 運 向 け 貸 出 し は 後 退 し 、 か わ っ て 化 学 ・ 自 動 車 ・ 建 設 な ど へ の 融 資 が 増 大 し て い る 。 三 〇 年 代 初 頭 ま で の 四 重 点 産 業 へ の 集 中 的 な 融 資 は 一 当 時 の 産 業 政 策 に 対 応 す る も の で あ る と と も に 、 金 融 債 の 消 化 に 資 金 運 用 部 資 金 が 活 用 さ れ て い た た め 開 銀 の 貸 出 し と 同 様 に 、 政 策 金 融 と し て の 性 格 を お び ざ る を え な か っ た の で あ る 。   昭 和 三 〇 年 代 を 通 じ 長 信 銀 の 融 資 は 、 製 造 業 へ の ゆ エ イ ト を 次 第 に 高 め て い ぐ が 、 と ︽ に 化 学 工 業 、 自 動 車 工 業 な ど へ                            の 融 資 割 合 が 増 大 し て い る 。 こ の 時 期 に お け る 長 信 銀 の 融 資 態 度 に み ら れ る 特 徴 は 、 技 術 進 歩 の 著 し い 産 業 部 門 に 対 し 積 極 的 な 融 資 を 行 っ て い る こ と で あ り 、 こ の 意 味 に お い て 長 信 銀 は 、   ﹁ 革 新 技 術 の 導 入 お よ び 設 備 の 近 代 化 に 、 先 行 的 で 、                                  き   し か も リ ー デ ィ ン グ な 役 割 を 果 し て き た ﹂ も の と い い う る の で あ る 。   長 信 銀 の 設 備 資 金 貸 出 し の 対 象 を み る と 、 い わ ゆ る 大 企 業 へ の 融 資 が 圧 倒 的 に 多 く 、 と く に 興 銀 の 場 合 に は 大 企 業 向 け 貸 出 し 、 大 口 融 資 が 多 か っ た の で あ る 。 長 信 銀 三 行 中 興 銀 は 長 期 の 歴 史 を も つ 金 融 機 関 で あ り 、 第 二 次 大 戦 前 よ り 重 化 学                                                               (4 ) 工 業 と の 関 連 が 深 く 、 と く に " 新 興 財 閥 " と の 結 び つ き が 緊 密 で あ っ た 。 戦 後 に お い て も か よ う な 関 係 が 持 続 さ れ 、 金 融 債 の 順 調 な 消 化 を 背 景 に 、 大 企 業 へ の 重 点 的 融 資 を 行 っ て き て い る の で あ る 。 例 え ば 昭 和 二 八 年 上 期 に お い て 、 主 要 銀 行 の 大 企 業 向 け 貸 出 し ( 資 本 金 四 億 円 以 上 の 企 業 向 け 伐 出 し ) は 、 三 菱 ・ 富 士 ・ 三 井 ・ 第 一 ・ 住 友 ・ 三 和 の 六 行 平 均 で 三 六 ・ 八 % と な っ て い る が 、 興 銀 は こ れ に 対 し 六 二 ・ 五 % に 達 し て お り 、 さ ら に 、 大 口 貸 出 し ( 一 億 円 以 上 の 貸 出 し ) に つ .い て も 前                                                                            記 六 行 平 均 が 三 四 . ○ % で あ っ た の に 対 し 、 奥 銀 は 五 九 . 二 % の 高 率 を 占 め て い た 。 興 銀 は 長 期 信 用 銀 行 法 の 適 用 を 受 け る 新 銀 行 と し て ス タ ー ト し た 直 後 に お い て 、 戦 前 か ら 事 実 上 機 能 し つ づ け て き た 債 券 発 行 銀 行 と し て の 有 力 な 地 盤 を 背 景 に 、 大 企 業 融 資 に お い て 重 要 な 地 位 を 確 保 し て い た の で あ 惹 。   昭 和 三 〇 年 代 を 通 じ 、 長 信 銀 は 日 本 経 済 の 高 度 成 長 を 反 映 し て 、 そ の 資 金 量 に お い て も 貸 出 額 に お い て も 大 き な 発 展 を           産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                                         二 七

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          産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                     、                二 八 示 し て き た が 、 と く に 長 信 銀 の 場 合 に は 、 都 市 銀 行 へ の 日 銀 信 用 の 供 与 手 段 の 対 象 と し て 、 金 融 債 が 活 用 さ れ た た め に 、 都 市 銀 行 の オ ー バ ー ﹂ ロ ー ン を 日 銀 信 用 が 支 え る と い う 金 融 メ カ ニ ズ ム の 中 で 、 そ の 機 能 は 著 し く 拡 大 す る こ と が 可 能 と さ れ た の で あ る 。 と も あ れ 長 信 銀 に お い て は か よ う な 背 景 の も と に 、 大 企 業 中 心 の 融 資 を 継 続 し 、 と く に 興 銀 は 後 出 第 7 表 に も 示 さ れ る よ う に 、 巨 大 企 業 の メ イ ン ・ バ ン ク と し て の 役 割 を 果 し て き た の で あ る 。 た だ 中 小 企 業 向 貸 出 し (資 本 金 百 万 円 以 下 の 企 業 に 対 す る 貸 出 し ) は 、 昭 和 三 一 年 度 末 に 貸 出 し 総 額 の 四 ・ 五 % を 占 め る に 過 ぎ ず 、 都 市 銀 行 の = 二 ・ 七 % 、 地 方 銀 行 の 三 六 ・ 八 % の 中 小 企 業 向 け 貸 出 し 比 率 に 比 し 、 著 し く 低 い 構 成 比 を 示 し て い た が 、 そ の 後 次 第 忙 中 小 企 業 向 け 貸 出 し シ ェ ア は 増 大 し 、 昭 和 四 二 年 度 末 に は 一 四 ・ 九 % に 達 し て い る 。 三 〇 年 代 後 半 期 以 降 に お け る 中 小 企 業 向 け 貸 出 し シ ェ ア の 増 大 は 、 中 小 企 業 の 設 備 投 資 の 伸 び 率 が 大 企 業 の そ れ を 上 廻 る よ う に な り 、 中 小 企 業 の 資 金 需 要 の 増 大 を 背 景 に 、                                                                さ   中 小 金 融 機 関 に 対 す る 代 理 貸 付 が 増 加 し た こ と が そ の 主 因 を な し て い る 。 昭 和 四 三 年 末 現 在 、 長 信 銀 の 大 企 業 向 け 設 備 資 金 貸 付 残 高 は 、 二 兆 一 六 〇 八 億 円 、 同 じ く 運 転 資 金 貸 付 残 高 は 五 二 七 五 億 円 に 達 し て い る が 、 こ れ に 対 し 中 小 企 業 向 け 設 備 資 金 貸 付 残 高 は 三 七 八 三 億 冊 、 運 転 資 金 貸 付 残 高 は 一 〇 三 八 億 円 と な っ て お り 、 貸 付 残 高 総 額 に 占 め る 大 企 業 向 け 設 備                                  ア   資 金 貸 付 残 高 は 、 六 八 % と な っ て い る 。   前 述 の よ う に 長 信 銀 融 資 は 長 期 貸 出 し に そ の 重 点 を お き 、 大 企 業 を 中 心 と す る 設 備 資 金 の 供 給 に 重 要 な 役 割 を 果 し て き た の で あ る が 、 長 信 銀 ど い う 特 殊 性 の ゆ 宜 に 、 資 金 供 給 に お い て は 意 識 的 に 中 立 性 が 重 視 さ れ て き た と い え よ う 。 す な わ ち 長 信 銀 は 他 の 民 間 金 融 機 関 、 と く に 都 市 銀 行 に 比 し 、 よ り 強 い 公 共 性 が 期 待 さ れ 、・ ま た 事 実 に お い て 系 列 金 融 を こ え た い わ ゆ る 中 立 的 ・ 流 動 的 な 資 金 配 分 を お こ な う 金 融 機 関 と し て 存 続 し て き た こ と は 否 定 し え な 聡 ω 周 知 の よ う に わ が 国 の 都 市 銀 行 と く に 主 要 銀 行 に お い て は 、 融 資 集 中 機 構 が 確 立 さ れ 、 い わ ゆ る 金 融 系 列 が 明 確 に 存 在 す る の で あ る が 、 長 信 銀 に お い て は 長 期 資 金 供 給 に お け る 補 完 機 能 が 意 識 的 に 重 視 さ れ 、 各 金 融 系 列 に 属 す る 企 業 に 対 し て も ま ん べ ん な く 融 資 が

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(単 位:社,%) 金融機関の系列別融資状況 (第6表) 計 他 融 関 の ぞ 金 機 行 銀 市 都 11.8 65.2 14.2 10.7 12。7 9.5 7.8 10,3 5.7 17.3 100

DIEIF

  1 9.1i    5.71    f   I C AIB 会社数1長信銀 融 資 先 区 分  ユ ミ 72.3: 9.6 一_18 ・5 14 ・2[ 37.44 2.6 1::1; ・1.・1 5。7 77.0 12.1 6.4 6.6 4.5 36.5 10.9 2.7 14.6 8,0 74.8 3.6 5.6 7.0 5.3 6.0 47.3 4.2 13.0 12.3 63.2 13.1 10,7 13。3 9,1 8.2 8.9 5。4 19.0

loolloolloolloo

即 時 篇 嘱 認   7 8            4 7.4 3.8 5.3 3。2 0   3   0 ソ   8 9   7   に ︾   6   7         5

3.4 3.3 2.6 5.3 1.7 12・0114・2 100 100 4.5 6.3 1.3 4.5 3.7 8.2 loo

171

7081

166

mI

15.1 58.3 13.6 9.6 1051 140!   1

69'

1171

7.9

6

10:913

10・of 108 963「 9.6 17.0 1,796 100 超 系 列 企 業 都銀(6行)系 企業 A   行    系       it C D E F 〃 〃 ・ " " 長 信 銀 糸 企 業 そ の 他 ・企 業 計 合 (出所)金 融制度調査会 。前掲資料203頁 。 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 行 な わ れ て お り 、 こ の 意 味 に お い て 比 較 的 に 中 立 性 が 強 い こ と が 指 摘 さ れ う る の で あ る 。 長 信 銀 は そ の 設 立 の 動 機 の 一 つ と し て 、   ﹁ 長 期 資 金 の 円 滑 な 供 給 ﹂ が あ げ ら れ て い た こ と は 前 述 の と お り で あ る が 、 政 府 は か よ う な 機 能 を 助 長 す る た め に 、 政 府 が 長 信 銀 の 優 先 株 の 株 主 と な り う る .こ と を 規 定 し た り 、 あ る い は 債 券 引 受 け に 資 金 運 用 部 資 金 を 活 用 し た り し た の で あ る が 、 か よ う な 保 護 的 措 置 は 、 長 信 銀 の 公 共 性 あ る い は 中 立 性 を 前 提 と し て 配 慮 さ れ た も の と い わ ね ば な ら な い 。 こ の 意 味 に お い て 長 信 銀 融 資 は 、 と く に 昭 和 二 七 年 以 降 三 〇 年 代 初 頭 に か け て 政 策 金 融 に 近 い 性 格 を 具 有 し て い た の で あ っ た 。 そ の 後 の 高 度 成 長 期 に お い て も 、 か よ う な 性 格 は 融 資 対 象 の 選 択 の う え に い か さ れ て き た 。 す な わ ち 長 信 銀 は 自 行 の 金 融 系 列 を 育 成 す る と い う こ と よ り も 、   ﹁ 信 用 度 に お い て 変 ・ り な け れ ば 、 労 働 生 産 性 の 向 上 に 直 接 寄 与 す る よ う な 産 業 金 融 を 積 極 的           (9 ) に 取 り 上 げ ﹂ ま た 、 産 業 構 造 の 高 度 化 に 資 す る 構 造 改 善 金 融 な ど に 協 力 し て き た 側 面 を 認 め る こ と が で き る の で あ る 。 第 6 表 は 、 昭 和 四 三 年 に お け る 金 融 機 関 の 系 列 別 融 資 状 況 を 示 す も の で あ り 、 一 、 二 部 上 場 主 要 企 業 一 . 七 九 六 社 を 選 択 し 、 そ の 融 資 状 況 を 有 価 証 券 報 告 書 な ど に よ り 集 計 し た も の で あ る が 、 各 金 融 機 関 の 融 資 総 額 を 一 〇 〇 と し 、 こ の う ち 各 銀 行 お よ び そ の 他 金 融 機 関 ご と の 系 列 企 業 へ の 融 資 額 の 比 率 を み た も                                         二 九

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          産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                     .                                    三 〇 の で あ る 。 注 目 さ れ る こ と は 、 都 市 銀 行 六 行 の 自 行 系 列 企 業 に 対 す る 圧 倒 的 に 高 い 融 資 比 率 で あ る 。 表 示 の よ う に こ の 融 資 比 率 は 最 低 三 六 ・ 五 % よ り 最 高 六 〇 ・ 九 % に 達 し て お り 、 し か も 自 行 系 列 以 外 の 企 業 を も 含 む 都 銀 系 企 業 に 対 し て 、 七 二 ・ 三 % か ら 八 ○ ・ 五 % に お よ ぶ 融 資 を 行 っ て い る こ と で あ る 。 す な わ ち 都 市 銀 行 に お い て は 自 行 系 列 企 業 へ の 融 資 を 主 体 と す る 融 資 集 中 が 顕 著 で あ る と い わ ね ば な ら な い の で あ る 。 こ れ に 対 し 長 信 銀 の 場 合 に は 、 長 信 銀 系 企 業 に 対 す る 融 資 比 率 は 九 ・ 六 % に 過 ぎ ず 、 む し ろ 都 銀 系 企 業 に 対 し 五 八 ・ 三 % に お よ ぶ 融 資 が 行 な わ れ 、 さ ら に 超 系 列 企 業 に 対 し て は 都                                                                                    り   市 銀 行 の い ず れ よ り も 高 い 一 五 ・ 一 % に 達 す る 融 資 が 行 な わ れ て い る こ と が 注 目 さ れ る の で あ る 。 か よ う な 状 況 か ら う か が わ れ る よ う に 、 長 信 銀 の 場 合 は 都 市 銀 行 と 異 り い わ ゆ る 金 融 系 列 は 強 固 で あ る と は い い え な い 。 既 述 の よ う に 長 信 銀 の う ち 興 銀 は 、 そ の 歴 史 的 経 過 を 通 じ 、 日 産 系 ・ 日 曹 系 な ど 特 定 企 業 集 団 と の 結 び つ き は 他 の 長 信 銀 に 比 し 緊 密 で あ る が 、                                                                ほ   長 信 銀 全 体 の と し て 融 資 比 率 は 都 市 銀 行 系 企 業 に 傾 斜 し て い る の で あ る 。   長 信 銀 の 都 銀 系 企 業 へ の 融 資 比 率 の 高 い の は 、 対 象 企 業 が 大 企 業 で あ り 、 返 済 の 確 実 性 な ど 有 利 な 条 件 を 具 備 し て い る こ と に あ る の は 当 然 で あ る が 、 前 述 の よ う に 長 信 銀 の 発 行 す る 利 付 金 融 債 が 都 市 銀 行 に よ っ て そ の 主 要 部 分 が 引 受 け ら れ て お り 、 こ れ が た め に 都 市 銀 行 系 列 企 業 に 対 し 還 元 融 資 が 行 な わ れ て き た こ と も 大 き な 原 因 と な っ て い る 。 例 え ば 昭 和 四 三 年 三 月 末 現 在 、 都 市 銀 行 の 金 融 債 応 募 残 高 は 九 九 八 五 億 円 で あ っ た が 、 こ れ に 対 し 長 信 銀 は 、 都 市 銀 行 系 列 企 業 に 対 し                                                  ね   こ れ を 上 廻 る 一 兆 八 四 八 一 億 円 の 還 元 融 資 を 行 っ て い る 。 恒 常 的 に 資 金 不 足 の 状 態 に お か れ て き た 都 市 銀 行 に と っ て は 、 金 融 債 の 引 受 け は 、 資 産 の 流 動 性 を 維 持 し な が ら 、 同 時 に 長 信 銀 の 還 元 融 資 に よ り 、 自 行 系 列 企 業 に 対 し 、 補 完 的 融 資 を 行 な わ し め る 利 点 を 有 し て い た の で あ る 。   超 系 列 企 業 へ の 融 資 比 率 が 都 銀 各 行 に 比 し て 高 い こ と も ま た 、 中 立 的 な 専 門 金 融 機 関 と し て の 長 信 銀 の 特 性 を 示 し て い る 9 第 7 表 は 各 企 業 に 対 す る 金 融 機 関 別 融 資 順 位 に お け る 興 銀 融 資 第 一 位 企 業 を 、 融 資 額 順 位 に お け る 上 位 一 五 社 に つ い

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、 (単位=百 万 円) 興 銀 融 資 第1位 企 業 (弟7表) 融 資 順第 2位 行 比 率 興 銀 融 資 額 総借入金 年月栄 名 社 会 信 銀 士 一 銀 信 井 銀 海 海 銀 中 信 士 信 井           友                 友     井 三 長 富 第 長 住 三 長 束 東 長 農 住 富 三

97,570 47,999 35,081 32,357 19,210 15,591 14,160 12,778 12,722 11,834 10,585 10,058 9,348 9,028 8,563 670,743 344,037 278,942 236,207 100,921 176,293 109,002 103,062 48,055 42,517 107,591 72,849 49,584 41,322 20,968 3   〃     〃     〃     〃     〃     11     11 弧 45. 45. 45. 45. 45. 45. 44.  6 5  3  1  3  3 10 鉄 力 車 所 力 力 業 力 鋼 油 力 業 製 電 動 作 電 電 鉱 電 製 石 電 漁 本     自 製 日 京 産 立 北 西 本 州 同 協 部 洋 新 東 日 日 東 関 日 九 大 大 中 大 ク   ラ   レ 富 士 重 工 業 日.束 紡 績 (出所)東 洋経済 『統計月報』昭和45年9月 特別号14頁。 て 示 し た も の で あ る が 、 新 日 鉄 ・ 日 立 製 作 所 な ど わ が 国 を 代 表 す る 大 型 企 業 が 、 同 行 よ り 最 も 多 く 融 資 を 受 け て い る こ と が 注 目 さ れ よ う 。 す な わ ち 前 記 企 業 の よ う に 、. 特 定 の 金 融 系 列 に 属 さ な い 大 企 業 と の 関 係 が 深 い こ と が 、 興 銀 あ る い は 長 銀 に と っ て 大 き な 特 色 と な っ て い る の で あ る っ                                   ・ (( 21 )) (( 43 )) ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) ( 8 ) ( 9 ) ( 10 ) ( 11 ) 力 ・ 鉄 鋼 。 海 運 な ど の よ う な 、 何 ら か の 意 味 に お い て 国 策 的 色 彩 の 強 い 企 業 、 プ は 第 二 次 大 戦 前 か ら 関 連 を 申4一 し て き た 旧 日 産 、 . 日 聾 、 日 窒 、 中 島 系 企 業 、 プ と 呼 び う る の は 、 第 三 、 第 四 の タ イ プ の 企 業 群 と 考 え ら れ る 。 以 上 の 類 型 化 は. ﹃東 洋 経 済 ﹄ (昭 和 四 五 年 一       産 業 賛 金 供 給 と 金 融 債 発 行   金 融 制 度 調 査 会 資 料 第 二 巻 ﹃ 長 期 金 融 制 度 ﹄ 五 二 頁 参 照 。   長 信 銀 の 融 資 構 造 に つ い て は 、 竹 中 一 雄 編 ﹃ 長 期 金 融 機 構 の 分 析 ﹄ 八 三 ∼ 九 五 頁 を 参 照 さ れ た い 。 同 右 、 九 五 頁 。   第 二 次 大 戦 前 に お い て 興 銀 が 、 重 化 学 工 業 会 社 、 と く に 新 興 財 閥 系 企 業 と 緊 密 な 関 係 を 有 し て い た こ と に つ い て は 、  ﹃ 日 本 興 業 銀 行 五 十 年 史 ﹄ 第 三 篇 を 参 照 さ れ た い 。   竹 村 孝 雄 ﹁ 戦 後 わ が 国 公 社 債 市 場 の 形 成 過 程 ﹂  (中 村 孝 俊 他 編 ﹃ 証 券 経 済 講 座 ・ 5 ﹄ 所 収 ) 八 六 頁 参 照 つ   竹 中 一 雄 編 ・. 前 掲 醤 、 八 七 ∼ 八 八 頁 参 照 。   宮 川 雅 一 ・ 南 善 已 ﹃ 金 融 事 務 の 知 識 ﹄ 九 四 頁 参 照 。   竹 中 一 雄 ・ 前 掲 書 、 八 二 頁 参 照 。   同 右 、 八 二 頁 。   木 表 に 関 す る 分 析 に つ い て は 、奥 田 孝 一 ﹁ 企 業 金 融 と 資 本 市 場 ﹂ (﹃ 銀 行 研 究 ﹄ 昭 和 四 五 年 一 〇 月 号 所 収 ) を 参 照 さ れ た い 。   興 銀 の 主 要 な 融 資 先 は ほ ぼ 次 の 四 類 型 に 区 分 さ れ る 。 第 一 の タ イ ゾ は 、 電         第 二 の タ イ プ は 、 電 機 ・ 機 械 ・ 化 学 な ど の マ ン モ ス 企 業 、 第 三 の タ イ       さ ら に 第 四 の タ イ ヅ は そ の 他 の グ ル ー プ 、 で あ り 、 こ の う ち 興 銀 グ ル :                                   一 月 二 四 日 号 ) ー-日 本 の 企 業 グ ル ー プ 召                                     一三

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        産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行   特 集 号 の 所 見 に よ る も の で あ る が 、 興 銀 グ ル : プ の 形 成 過 程 に つ い て は 他 日 再 考 し た い と 考 え る 。 (21 )  榎 本 善 昭 ・ 前 掲 論 文 参 照 。 三 二 五   む     す     び   第 二 次 大 戦 後 に お け る 産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行 と の 関 連 に つ い て 、 債 券 発 行 銀 行 た る 長 信 銀 の 機 能 を 中 心 に 検 討 を 加 え て き た 。 す な わ ち 長 信 銀 融 資 の 構 造 と 機 能 を 通 じ 、 戦 後 の 資 本 蓄 積 過 程 に お け る 、 金 融 債 発 行 の 意 義 を 明 か な ら し め る こ と が 小 論 の 課 題 で あ っ た 。 金 融 債 の 発 行 ば 貞 戦 後 に お け る 特 異 な 金 融 情 勢 を 背 景 に 、 長 信 銀 の 融 資 活 動 を 通 じ 、 重 要 な 役 割 を 果 し て き た 。 長 信 銀 中 と く に 興 長 銀 の 場 合 に は 、 大 企 業 を 対 象 と す る 設 備 資 金 の 供 給 に 従 事 し 、 相 対 的 な 資 金 不 足 の も と に 、 都 市 銀 行 と 協 調 ・ 補 完 の 関 係 を 維 持 し な が ら 、 金 融 的 側 面 を 通 じ て 産 業 構 造 の 高 度 化 に 寄 与 し て き た も の と い う こ と が で き よ う 。 も と よ り 長 信 銀 に お け る か よ う な 機 能 が 、 国 民 経 済 的 観 点 か ら 、 妥 当 な 資 金 配 分 機 能 で あ っ た か ど う ・ か に つ い て は 速 断 し え な い の で あ る が 、 長 信 銀 が そ の 専 門 金 融 機 関 と し て の 特 殊 性 の ゆ え に 、 都 市 銀 行 な ど と は 異 っ た 役 割 を 果 し て き た こ と は 否 定 し え な い と こ ろ で あ る 。 す な わ ち 長 信 銀 は そ の 貸 出 し に お い て 、 都 市 銀 行 に 比 し い わ ゆ る 中 立 . 性 を 維 持 し 金 融 系 列 を こ え た 融 資 を 行 ワ て き て お り 、 . ま た 長 期 資 金 を 取 扱 う 専 門 的 金 融 機 関 と し て の 立 場 か ら 、 日 本 経 済 -や 業 界 の 動 向 に 関 し 、 独 自 の 調 査 、 審 議 機 構 を も ち 、 先 端 的 企 業 に 対 し て も 積 極 的 な 融 資 を 行 っ て き た の で あ り 、 こ れ ら の 機 能 は 、 都 銀 や 信 託 銀 行 な ど に 比 し 顕 著 な 特 色 を な す も の で あ っ た 。 さ ら に 長 信 銀 が 株 式 ・・ 社 債 へ の 投 資 を 通 じ て 、 長 期 安 定 資 金 の 供 給 に 応 じ て き た こ と も 、 企 業 に お け る オ ー バ ー ・ ボ ロ ー イ ン グ の 状 態 を 軽 減 せ し め て い く う え で 積 極 鮒 な 役 割 を 果 し 幻 た の で あ る 。   最 近 に お け る 日 本 経 済 お よ び 金 融 情 勢 の 変 化 は 、 い わ ゆ る 金 融 再 編 成 論 議 を 生 み 出 し 、 金 融 制 度 に 対 し て も 全 般 的 な 再 、

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検 討 が 要 請 さ れ 、 そ の 改 革 は す で に 具 体 的 に 進 め ら れ て き て い る 。 か よ う な 論 議 の 一 つ の 焦 点 は 、 金 融 の 効 率 化 す な わ ち 企 業 の 要 求 す る 低 利 か つ 安 定 的 な 資 金 を 適 正 に 供 給 す る こ と に お か れ て お り 、 そ の 手 段 と し て 、 適 正 な 競 争 原 理 の 導 入 と 金 利 機 能 の 活 用 が 考 慮 さ れ て き て い る 。 か よ う な 動 向 は 、 長 短 金 融 分 離 や 専 門 機 関 制 の 存 在 と い っ た 、 従 来 の 金 融 機 関 相 互 の 垣 根 を は ず し 、 競 争 の 助 長 や 業 務 の 多 様 化 を は か ろ う と す る 方 向 を め ざ す も の で あ り 、 長 信 銀 の よ う な 専 門 金 融 機 関 に と っ て 重 大 な 問 題 た ら ざ る を え な い の で あ る 。 業 務 の 多 様 化 、 あ る い は 同 質 化 が 進 め ら れ る 場 合 、 長 信 銀 に と り ま ず 問 題 と な る の は 、 都 市 銀 行 と の 競 合 問 題 で あ ろ う 。 周 知 の よ う に 最 近 に お け る 預 金 ・ 貸 出 し 両 面 に お け る 都 銀 の 相 対 的 地 位 の 後 退 は 顕 著 で あ り 、 例 え ば 昭 和 四 五 年 の 預 金 の 伸 び 率 を み て も 、 全 国 銀 行 (都 銀 . 地 銀 . 信 託 ・ 長 信 銀 ) の 一 〇 ・ 五 % の 伸 び 率 に 比 し 、 都 銀 の 伸 び 率 は 七 ・ 二 % に と ど ま り 、 ま た 都 銀 に お け る 四 四 年 の 伸 び 率 二 二 ・ ○ % に 比 す る と 著 し く 低 下 し て お り 、 一 方 に お け る 貸 出 し の 増 加 と 相 ま っ て 資 金 ポ ジ シ ョ ン は 大 幅 に 悪 化 し て い る 。 都 銀 に お い て は 地 盤 低 下 に つ い て 種 々 の 対 策 が 考 慮 さ れ て い る の で あ る が 、 一 年 半 の 定 期 預 金 の 新 設 お よ び 別 箇 に 構 想 さ れ る 中 期 預 金 制 度 の 創 設 な ど が そ の 一 つ と 考 え ら れ て い る 。 長 信 銀 に と っ て は 、 業 務 の 多 様 化 に よ る か よ う な 都 銀 の 長 期 金 融 へ の 進 出 は も と よ り 重 大 な 問 題 で あ る が 、 同 時 に 資 金 吸 収 の 面 に つ い て も 困 難 な 課 題 に 当 面 せ し め ら れ て い る 。 そ れ は 、 い う ま で も な く 利 付 金 融 債 の 消 化 に 関 連 す る 。 既 述 の よ う に 利 付 金 融 債 は 、 . 短 期 預 金 を 長 期 資 金 に 転 化 せ し め る 重 要 な 手 段 で あ り 、 そ の 引 受 け は 都 銀 に 多 く を 依 存 し て き た 。 都 市 銀 行 も ま た 日 銀 信 用 の 導 入 手 段 と し て 利 付 金 融 債 に 対 す る 投 資 を 積 極 的 に 行 っ て き た の で あ る 。 し か し 長 信 銀 に お け る 資 金 量 が 順 調 に 拡 大 し 、 と く に 興 銀 の 場 合 の よ う に 、 富 士 銀 行 を 頂 点 と す る 都 銀 上 位 行 に く い こ む よ う な 状 況 下 に お い て は 都 銀 側 は そ の 消 化 を 手 控 え ざ る を え な い 。 す で に 昭 和 四 三 年 頃 よ り 利 付 債 の 都 銀 に よ る 消 化 は 鈍 化 し て き て い る 。 す な わ ち 資 金 吸 収 面 に お い て も 長 信 銀 は 都 銀 と 協 調 関 係 が 期 待 で き ず 、 今 後 利 付 債 に お い て も 個 人 消 化 に 力 を 入 れ て い く こ と が 必 要 と な っ て き た の で あ る 。           産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                               ・                      三 三

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          産 業 資 金 供 給 と 金 融 債 発 行                                                         三 四   さ ら に 長 信 銀 に と り 政 府 系 金 融 機 関 と く に 開 銀 と の 競 合 が 問 題 と な ろ う 。 周 知 の よ う に 開 銀 は 、 復 興 金 融 金 庫 の 後 身 と も い う べ き 政 府 金 融 機 関 で あ り 、   ﹁ 経 済 の 再 建 と 産 業 の 開 発 を 促 進 す る た め に 長 期 資 金 を 供 給 す る ﹂ こ と を 目 的 と し て 設 立 さ れ 、 そ の 後 長 期 資 金 の 供 給 に お い て 、 と く に 価 格 機 構 の 解 決 し え な い 分 野 に 対 す る 融 資 を 中 心 に 機 能 せ し め ち れ て き た の で あ る が 、 こ の 間 長 信 銀 と の 競 合 が 現 実 に 存 在 し 、 と く に 金 融 緩 和 期 な ど に は 民 間 金 融 へ の 同 行 の 進 出 が 問 題 と さ れ て き て い る 。 す な わ ち 長 信 銀 に お い て は 政 策 金 融 と の 間 に お い て も 、 そ の 関 連 を ど の よ う に 調 整 し て い く か が 重 要 な 課 題 と な っ て い る の で あ る 。 ・ し か し わ が 国 経 済 の 今 後 に お い て 、 国 際 的 視 点 に 立 つ た 産 業 の 高 度 化 、 産 業 の 革 新 は き わ め て 重 大 で あ り 、 今 後 に お い て も 長 期 資 金 の 需 要 増 大 は 予 想 さ れ る と こ ろ で あ る 。 こ の 意 味 に お い て 公 社 債 市 場 の 育 成 と と も に 、 安 定 し た 長 期 資 金 供 給 機 関 と し て の 長 信 銀 の 存 在 は な お 十 分 の 意 義 を 有 す る も の と 考 え ら れ る の で あ る 。

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