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紫外光による活性種生成部と成膜部を分離した低温シリコン窒化膜形成技術に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

紫外光による活性種生成部と成膜部を分離した低温

シリコン窒化膜形成技術に関する研究

著者

志波 良信

学位授与機関

Tohoku University

学位授与番号

11301甲第19301号

URL

http://hdl.handle.net/10097/00130560

(2)

し ば よし のぶ

志 波 良 信

研究科,専攻の名称 東北大学大学院工学研究科(博士課程)技術社会システム専攻

学 位 論 文 題 目

紫外光による活性種生成部と成膜部を分離した低温シリコン窒化膜

形成技術に関する研究

論 文 審 査 委 員

主査 東北大学教授 須川 成利 東北大学教授 中村 健二

東北大学教授 石田 修一 東北大学准教授 黒田 理人

論文内容要約

情報通信技術を支える半導体デバイスの高性能化のために半導体製造技術のさらなる進歩が求められている。 シリコン窒化膜は半導体デバイスにおいて、キャパシタ素子の絶縁膜、トランジスタゲート電極の絶縁分離膜、 パッシベーション膜、高選択性加工のためのハードマスク等に多用されている材料である。半導体デバイスへの 低融点材料の導入や微細化の進展と共にシリコン窒化膜を500˚C以下のプロセス温度で基板表面に損傷を与えず に形成する半導体製造技術が求められている。従来のプラズマ成膜装置では、成膜温度の低温化によって不足す るエネルギーをプラズマで生成した活性種の反応力で補い、500˚C 以下におけるシリコン窒化膜成膜を実現して いるものの、基板表面の損傷を引き起こすイオン照射や光照射がプラズマに起因して生じるという課題が残存し ていた。本論文はこうした背景に鑑み、原理的に基板表面に損傷を与えない、紫外光を用いた活性種生成部と成 膜部を分離した低温シリコン窒化膜形成技術を提案し、実証した成果をまとめたものである。 ^^ ^^^^^^^^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^ ^^^ ^^^ ^^^^ ^^^^ 材料ガス(Si系) 材料ガス (N系) 光 光源 窓 基板 排気 堆積物 保護膜 成膜部 活性種生成部 ^^ 低温シリコン窒化膜形成に 向けた活性種の供給方法 (第2章) 成膜およびクリーニングの活性種に 対して安定な成膜チャンバー内壁保 護膜(第3章) 活性種による低温シリコン窒 化膜形成(第4章) 紫外光による活性種の生成 (第4章) 図 1 紫外光による活性種生成部と成膜部を分離したシリコン窒化膜形成 第1 章では、半導体デバイス製造におけるシリコン窒化膜の必要性、プロセス温度 500˚C 以下の低温シリコン 窒化膜形成の必要性、基板表面に損傷を与えずシリコン窒化膜を形成する必要性、低温成膜装置の成膜チャンバ

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ー内壁保護膜の必要性について述べ、活性種生成部と成膜部を分離した成膜装置を構築し良質なシリコン窒化膜 を低温で基板表面に損傷を与えずに形成する技術を実現するという本研究の目的を示した。また本研究において、 低温でシリコン窒化膜を形成するために材料ガスにエネルギーを付与して生成した活性種の反応力を利用するこ とおよび、基板表面に損傷を与えずシリコン窒化膜を形成するために活性種生成部と成膜部を分離した装置を構 築することおよび、活性種生成部と成膜部を分離した装置構成で活性種を高効率に基板に供給するための活性種 供給方法を確立することおよび、成膜装置の生産性向上のためにシリコン窒化膜の成膜とセルフクリーニングで 使用する活性種に対して化学的に安定な成膜チャンバー内壁保護膜を見出すことが課題であることを述べた。 第2 章では、提案した活性種生成部と成膜部を分離した装置構成において、活性種を高効率に基板に供給する 活性種供給方法について述べた。活性種供給経路中の混合ガスまたはパーティクルフィルターなどに用いる固体 表面との衝突が活性種に及ぼす影響について調べた。活性種は窒素分子から6.2-11 eV 程度のポテンシャルエネ ルギーの窒素の活性種を生成した。混合ガスは酸素、水素、アルゴンを用いた。酸素分子の第一励起状態は1.6 eV でありは窒素の活性種のポテンシャルエネルギーより低いエネルギーに励起状態を持つ。一方で水素分子の第一 励起状態は11.5 eV である。水素分子はポテンシャルエネルギー曲線が示すように基底状態から垂直遷移する場 合は8 eV 以上に励起状態があるが、核間距離を考慮すると窒素の活性種のエネルギー以下の励起状態はほとん どない。アルゴン原子の第一励起状態は11.6 eV である。窒素の活性種と酸素の反応では N2O および O3を生成 した。また供給経路中の酸素濃度が高くなるとN2O の生成量が少なくなり O3の生成量が多くなったことから、 窒素の活性種は基底酸素分子から酸素の活性種を生成し、その酸素の活性種は窒素よりも優先して酸素と反応す ることを実験的に明らかにした。一方窒素の活性種の供給経路に水素を混合しても生成物は確認されなかった。 また窒素の活性種の供給経路に酸素とアルゴンまたは酸素と窒素を混合した場合の生成物に変化は無かった。こ れより活性種は活性種のポテンシャルエネルギー以下に励起状態がない分子には影響を与えず、活性種のポテン シャルエネルギー以下に励起状態がある分子にはエネルギーを転化し失活することを実験的に明らかにした。ま た窒素の活性種が供給系路中のパーティクルフィルターへの衝突によって失活することを明らかにした。以上の 結果から活性種を高効率に成膜部に到達させるためには、生成部にてパーティクルを発生させないこと、供給部 に窒素の活性種のポテンシャルエネルギーより低いエネルギーに励起状態を持つガスを混流させないことが必要 であることを示した。 第3 章では、低温シリコン窒化膜成膜とセルフクリーニングプロセスで利用する活性種に対して化学的に安定 なチャンバー内壁保護膜材料について述べた。保護膜材料としてイットリウムの酸フッ化物であるYOF に着目 し、プラズマで生成した窒素、水素、フッ素、酸素の活性種に対する化学的安定性を調べた。実験は2.45 GHz のマイクロ波励起プラズマ装置でYOF膜とY2O3膜とYF3膜にプラズマ照射を行った後、表面状態をSEM、XRD とXPS で測定した。YOF 膜はプラズマ照射無しのサンプルとプラズマ照射後のサンプルで表面状態の変化が無 く、Y2O3膜はプラズマ照射後に膜がフッ化され、YF3膜はプラズマ照射後に膜中のフッ素量が減少することを明

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らかにした。これよりYOF 膜が低温シリコン窒化膜成膜とセルフクリーニングプロセスの窒素、水素、フッ素、 酸素の活性種に対して化学的に安定であり、成膜チャンバーの内壁保護膜として最も有効であることを明らかに した。 第4 章では、紫外光による活性種生成部と成膜部を分離した成膜装置の構築および、紫外光による活性種生成 方法および、低温シリコン窒化膜形成について述べた。活性種は活性種生成部で材料ガスに紫外光を照射して生 成し、活性種生成部の紫外光が基板に届かないように基板の無い方向に光を照射する装置構成とした。シリコン 窒化膜形成の材料ガスは窒素の材料ガスとして光吸収可能なアンモニア、シリコンの材料ガスとしてジシランを 選択した。ただしジシランは励起可能なエネルギーの光を照射されると分解が起こるので光照射を避ける必要が あることからアンモニアのみを活性化した。活性種の生成は第2 章で得られた知見から高いエネルギーの活性種 はエネルギーを転化し失活する可能性が高くなるため、アンモニアを第一励起状態程度の低いエネルギー準位に 励起した。アンモニアは分解した場合に水素を生成する可能性があるため、アンモニアに与えたエネルギーの上 限は水素の最も低い励起状態(8 eV)より低いエネルギーとした。実験では Xe エキシマランプで中心光子エネルギ ー7.2 eV(中心波長 172 nm)の紫外光をアンモニアに照射し、5.9-7.8 eV の第一励起状態程度の光子エネルギー を吸収したアンモニアから活性種を生成した。はじめにアンモニアの代わりに紫外光を吸収しない窒素とジシラ ンでシリコン膜の成膜を行い、基板に到達したジシランが紫外光によって分解が促進されないことから活性種生 成部の紫外光が基板に届いていないことを確認し、提案技術では原理的に光照射による基板表面損傷を与えない ことを明らかにした。次にシリコン窒化膜を形成した。成膜部において紫外光照射したアンモニアから生成した 活性種とジシランを反応させることで350-450˚C の成膜温度で膜中に酸素を含まず、シリコンと窒素の組成比 が3:4、屈折率が 1.9-2.0 の良質なシリコン窒化膜を形成可能であることを実証した(図 2)。 第5 章では本研究で得られた活性種のエネルギーと各ガス原子・分子の励起状態、保護膜の安定性の関係をま とめ(図 3)、結論を述べた。 以上本論文では、紫外光による活性種生成部と成膜部を分離した原理的に基板表面に損傷を与えない成膜装置 を考案、構築し、良質なシリコン窒化膜を温度500˚C 以下で形成した成果をまとめた。 本研究によって得られた活性種生成のためのエネルギーの付与方法および活性種のエネルギーを保持したまま 供給する方法の概念および、活性種の反応力に対して安定な保護膜材料は、半導体デバイス製造技術の発展に寄 与することが大いに期待される。

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450 350 250 150 30 100 200 300 400 屈折率 1.9-2.0 N/Si ≒1.33 酸素無し (Siリッチ) 成膜温度(℃) (大気放置で酸化) (大気放置で酸化) 活性種生成部と成膜部を分離した成膜装置 で形成したシリコン窒化膜 図 2 活性種生成部と成膜部を分離した成膜装置で形成したシリコン窒化膜の膜中の酸素の有無、N/Si、屈折率 (第3章) Y2O3、YF3と反応する 活性種のエネルギー

ルエ

ルギ

(e

V

)

基底状態 (第3章) YOFと反応する 活性種のエネルギー プラズマで生成した 活性種のエネルギー (第4章) 活性種生成時に材料ガスに与える エネルギー(≥ 活性種のエネルギー) (第2章) 活性種のエネルギー以下 の励起状態 10 5 O2 各原子・分子の励起状態 1.1 Ar 11.6 H2 8 NH3 5.4 材料ガス 混合ガス N2 6.2 (第4章) 材料ガスに与える エネルギーの下限 (第2章) 材料ガスに与える エネルギーの上限 5.9 7.8 (第4章)NH3に与えた 紫外光のエネルギー 図 3 活性種のエネルギーと各ガス原子・分子の励起状態と保護膜の安定性の関係

参照

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