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EC競争法における共同支配の概念再論 : Airtours事件判決を契機として (東洋大学法学部創設50周年記念号 第50巻第1・2合併号) 利用統計を見る

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EC競争法における共同支配の概念再論 : Airtours

事件判決を契機として (東洋大学法学部創設50周年

記念号 第50巻第1・2合併号)

著者名(日)

多田 英明

雑誌名

東洋法学

50

1・2

ページ

105-125

発行年

2007-03-10

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00000610/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

EC競争法における共同支配の概念再論

     >葺o貫ω事件判決を契機として

 序 一 共同支配の概念を巡る議論の整理 二 ≧旨o貫ω事件第一審判所判決 三 検  討  結  語 序        ︵−︶  欧州共同体︵国霞o需碧Oo日目目一蔓、以下、ECとする︶の競争に関する規則︵以下、EC競争法とする︶ は、二〇〇四年五月一日の欧州連合︵国葺80彗d三9、以下、EUとする︶の中東欧諸国を中心とする第五次       ︵2︶ 拡大を一つの契機として実体規定、手続規定の両面で大幅に改正され、今日に至っている。今般、欧州委員会が EC競争法の﹁現代化︵ヨ&R巳銘賦9︶﹂と称している大幅な改正が実施された背景事情として、実体規定面

    東洋法学      一〇五

(3)

    EC競争法における共同支配の概念再論       一〇六 では歳月の経過による規定内容の旧態化が看過できなくなってきたこと、他方手続規定面ではEU加盟国が二五 か国へ拡大するのを前に実効性ある競争法の執行体制の構築が模索されていたこと等が挙げられる。  このほか、実体規定改正の背景には、欧州司法裁判所・第一審裁判所判決の影響も指摘できる。本稿で扱う       ︵3︶ ﹁共同支配︵8臣9ぞ①3ヨ冒碧8︶﹂の概念は、競争法による寡占市場の実効ある規制が先進各国の競争当局に 共通の課題となる中、EC条約八一条一項に規定される協調行為︵8目①ほ8肩8鉱8ω︶としては規制できな い事案を捕捉しうるものとして、特に一九九〇年代以降、EC条約八二条、及び合併規則に関する欧州委員会決 定、欧州司法裁判所・第一審裁判所判決を通じて理論的にも精緻化されてきた。その内容は今般新たに制定され        ︵4︶ た﹁水平合併ガイドライン﹂においても、同概念に基づく﹁共同の支配的地位︵四8一一Φ&<①a巨轟旨ε甲 戯9︶﹂に対する規制として取り込まれるに至っている︵同ガイドライン第四段︶。       ︵5︶  共同の支配的地位の規制については、○窪8同事件第一審裁判所判決︵一九九七年︶によりかかる地位の認定 要件が緩和されて以降、規制される事例は増加の一途を辿っていたが、具体的認定要件には依然として不明確な       ︵6︶ 点が残されていた。この点、≧ヰ2お事件第一審裁判所判決︵二〇〇二年︶は、共同の支配的地位の認定要件 を明確に提示するとともに、かかる地位の安易な認定に警鐘を鳴らしたものとして、今後の共同の支配的地位に 対する規制の在り方を考える上で転機となったものある。  以下、第一章では共同支配の概念を巡る従来の議論を整理した後、第二章では≧昌o貫ω事件第一審裁判所判 決を仔細に検討し、第三章では本判決がEC競争法における共同の支配的地位の規制に与えた影響ついて考察す

(4)

る。 ︵1︶ ︵2︶ ︵3︶ ︵4︶

65

))

 O蝉ωoりHON\OOO§qミト蕊§Ooミミ爵むミロ08]国○殉HH−誤G 。g8昌霞呂gωσΦ薯①窪巨α①旨畏一轟ω[N。。“]90ω一\伊  O岳8一ぎ①ωg跨①器ωΦωωヨΦ旨9げoユNo導巴目RひQΦお巨αR島①○・琶。二勾①讐一豊gg浮Φ8昌霞o一〇︷ 尽目Φ、.に対する邦語訳として﹁集合的支配﹂、﹁共有独占﹂等を用いている文献もある。 決、欧州委員会文書を見ると、..8=9江奉3Bぼき8.、の使用が確立されたようである。なお、.、8一一8識お3巨− 及び.、〇一蒔80房江oaヨ冒彗o①。.も用いられていたが、近時の欧州委員会決定、欧州司法裁判所・第一審裁判所判  ﹁共同支配﹂は、.、8竃&お3日ぎ磐8、、の訳語である。従来、同様の概念を示すものとして、、.す筥9ヨぎき8、、、 総合研究所紀要﹄第三七号四九頁参照。  EC競争法の改正の詳細については、拙稿﹁EC競争法の現代化ー第五次拡大を契機としてー﹂﹃聖学院大学 では﹁EC競争法﹂との表現を用いる。 討対象である競争規則は、EC領域に関する間題であり、また競争に関する規則もEC条約を根拠とするため、本稿 国88巨oOOB目巨一蔓博国国O︶は欧州共同体︵国ξo需壁Ooヨ目琶一q”国O︶と改称され、存続している。本稿の検  一九九三年二月の﹁欧州連合に関する条約﹂︵マーストリヒト条約︶発効後も、従前の欧州経済共同体︵国ξ8Φき

。’  9ωΦりω島\8﹄ミ§講黛ら鉾9ミミ。り籔§[N。。N]国○国HH・田。 。伊 共同支配の概念を巡る議論の整理        ︵7︶ ︵1︶ 共同の支配的地位の規制の是非 EC条約八二条は、﹁単独または複数の事業者による支配的地位の濫用    東 洋 法 学 ︵四昌曽どωΦ冴o器o同巨○村①g巳雫          一〇七

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一〇八 鼠ざ轟ω9餌3目一轟旨宕ω置8︶﹂を禁止する。条文の文言上は、単独事業者による支配的地位の濫用に加え、 複数事業者による支配的地位の濫用︵共同の支配的地位の濫用︶も禁止されることになるが、本条により単独の        ︵8︶ 支配的地位に加えて共同の支配的地位も規制されることについては、イタリア板ガラス事件第一審裁判所判決︵一 九九二年︶を待たねばならなかった。同判決において第一審裁判所は、EC条約八二条における﹁支配的地位﹂ の文言上の解釈について﹁原則として、二またはそれ以上の独立した経済主体が特定の市場において他の事業者 に対して支配的地位を有している経済的な結合︵Φ88目一〇一営誇︶により結びつくことは妨げられない﹂︵三五八 段落︶と判示した。その後、本条により共同の支配的地位が規制されることについては、Oo目冨磐冨竃巽評巴日Φ       ︵9︶ ωΦ碍の事件判決︵二〇〇〇年︶において欧州司法裁判所によっても承認されている。       ︵−oV  他方、合併規則においても事業者による支配的地位の形成・強化は規制され、改正前の合併規則二条三項には、 ﹁共同市場、あるいはその実質的な部分における有効な競争を実質的に制限することとなるおそれのある企業結合 による支配的地位の形成・強化﹂を禁止する旨規定されていた。しかしながら、合併規則の規制対象については、 本項の文言に従って単独の支配的地位︵四3巨冨導8ω筐9︶に限定されるのか、あるいは﹁支配的地位を有する 単独または複数の事業者﹂による支配的地位の濫用を禁止するEC条約八二条と同様に解し、複数事業者による 共同の支配的地位も規制されるのかを巡り議論されてきた。        ︵11︶  本議論に対する回答は、ネスレ・ペリエ事件欧州委員会決定︵一九九二年︶により示され、合併規則の下でも 共同の支配的地位が規制されることが明らかにされた。その理由として欧州委員会は、一.EC共同市場におけ

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る競争法制を規定するEC条約三条︵9︶に照らした合併規則の目的論的解釈、二.立法者意思に鑑みて合併規 則の下では寡占的支配が明示的に排除されていないこと、三.寡占的支配を禁止する主要加盟国︵フランス・ド        ︵12︶ イツ・英国︶、及び米国の企業結合法制との比較検討の三点を挙げていた。その後、合併規制による共同の支配的        ︵13︶ 地位の規制は、囚巴一巨αω巴N事件判決︵一九九八年︶において欧州司法裁判所によっても肯定されるに至った。 その理由として同裁判所はネスレ・ペリエ事件において欧州委員会が挙げていたもののほか、規制対象が単独の 支配的地位の形成または強化をもたらす集中のみとされると、EC条約前文にある共同体の目的が達成されなく        ︵14︶ なるばかりか、共同体の企業集中規制の実効性が損なわれる点を挙げていた。  ︵2︶ 共同の支配的地位の認定要件  共同の支配的地位の認定要件について、EC条約八二条の下ではイタリア板ガラス事件第一審裁判所判決では 当事者間に﹁経済的結合﹂を要するとされ、経済的結合の例として﹁二またはそれ以上の独立した事業者が協定 やライセンスを通じて、競争者、顧客、究極的には自己の顧客から相当程度独立して行動する力を与える技術上       ︵15︶ の優位を共同して有している場合﹂が挙げられていた。他方、合併規則の下でもイタリア板ガラス事件判決に従 って共同の支配的地位の認定がなされていたが、○窪09事件第一審裁判所判決︵一九九九年︶において、﹁経済 的結合の概念を原告の指摘する構造的結合の概念に限定したとみることはできず、更に経済的結合の概念から高       ︵16︶ 度寡占における事業者間の相互依存関係を排除する法的ないし経済的な理由もない。﹂と判示されるに至った。す

    東洋法学       一〇九

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    EC競争法における共同支配の概念再論       一一〇 なわち、本判決により共同の支配的地位の認定要件は緩和され、関係事業者間に構造的な性質を持つ結合︵一ぎ厨 99ω霞巨9轟一轟9お︶は必ずしも必要ではなく、高度寡占市場における寡占的相互依存︵o一蒔80房江o営8巳①− 需民窪8︶の関係が存在すれば足りるとされた。この見解はその後、EC条約八二条の下での共同の支配的地位       ︵17︶ の認定要件に関してもOoヨ冨題δ匡胃註B①ωΦ一鴨事件欧州司法裁判所判決においてO窪09事件第一審判決 と同様の見解が示され、共同の支配的地位の認定要件はEC条約八二条、合併規則ともに同一のものに収敏する に至った。 ︵7︶ ︵8︶ ︵9︶ ︵10︶

131211

)  )  )  冒ぎaO器oωり①。 配の概念  その展開とEC条約八二条における同概念との比較ー﹂﹃法学政治学論究﹄第五一号一六五頁参照。 開と寡占市場対策としての有効性1﹂﹃法学政治学論究﹄第四七号一九三頁、及び﹁EC合併規則における共同支  EC競争法における共同支配を巡る議論の詳細については、拙稿﹁EC競争法における共同支配の概念1その展

。\。 。即↓−ミ\。 。O俸り刈o 。\o 。Oの8帖§繕寅ミ蔚ミささ魯>§駄9ミ房鉾9ミミ帖琶§ロ08] 国O肉口肖おG Q,  一〇ぎaO器ΦωρG 。3\。①︸曽且ρo 。。O\。O勺9ミ醤讐ミミミきミ恥bo魁鷺目ミ虜憾ミ討恥﹄§駄O導ミ砺黛 9ミミ帖裟§冨。O。]国O勾H−一ω8簿冨声ω①.  O。§色勾Φαq巳呂2︵国国O︶Z。お竃\。 。。・︷圏U。8BげΦ﹃一。。 。。9爵Φ8昌霞・一。︷8口8暮声け一8ωびΦ箸Φ①昌 琶αR鼠鉦躍ωロ8。]○匂い謡刈\一ω・  O器oHく\冨μO。寒の譜監\、ミ試ミ監ロ㊤8]○︸いo 。9\一●  ﹄黛斜魯℃費霧一旨−一一㎝●  冒汐80霧oωΩ①。。\虐きαO−G 。。\3肉ミミ鳴§駄象詳房鐸9ミミ帖。う篭o§ロ80 。]国○勾H−一ω謡。

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パ  パ  パ  パ 17 16 15 14 )  )  )  ) 』縫鉢ヤ暮℃胃ω器一①㎝−蜀一, Go愚ミぎ什①。 。層讐冨声ω㎝。 。9 の§ミぎけ①9讐冨篤ミ9§ミ昌9ΦP 二 ≧323事件第一審裁判所判決  ︵1︶ 事実の概要及び争点  旅行会社である≧旨2お社︵英国︶は一九九九年四月二九日、同社の競争者である国おけOぎ凶8社︵英国︶の 全株式を公開買付の方法により買収する旨公表し、同日合併規則に定められた手続に従い欧州委員会に届出を行 った。欧州委員会による第一段階の審査の結果、本件買収が実施されると共同市場における競争への深刻な影響 が懸念されることから、同年六月三日企業結合審査の第二段階である詳細手続が開始された。欧州委員会は同月 九日、本件買収により英国の短距離外国旅行パッケージ旅行市場︵以下、本件市場︶において共同の支配的地位 が形成される虞があることを理由に≧耳o貫ω社に対して異議申立書を送付した。その後、欧州委員会と同社との 間で本件買収の承認を巡る条件交渉がなされたものの合意には至らず、欧州委員会は同年九月二二日の決定によ り本件買収を禁止する決定を下した。その理由として欧州委員会は、一.本件市場が更に寡占化すること︵新会 社を含む大手旅行会社三社の市場占拠率は約八○%︶、二.大手旅行会社が四社から三社になることで相互依存性       ︵18︶ と市場の透明性が高まること、三.周縁事業者の主要事業者との競争力が弱まることの三点を挙げていた。

    東洋法学      

一二

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    EC競争法における共同支配の概念再論       一二一  これに対し≧旨o自ω社は同年一二月二日、本決定の取消を求めて第一審裁判所へ提訴した。同社が訴えの理由 としたのは次の四点である。        ︵1 9︶ 1 欧州委員会による関連市場の画定には明臼な誤りがあり、EC条約二五三条に違反する。 2 欧州委員会が本件を評価する際に新しく不正確な共同支配の定義を適用したことは、︵EC法の一般原則であ  る︶法的安定の原則に反し、合併規則二条、及びEC条約二五三条に違反する。 3 欧州委員会が本件取引により共同の支配的地位が創設されると認定したことは、合併規則二条、及びEC条  約二五三条に違反する。 4 欧州委員会が同社の買収承認に向けた提示条件を受け入れなかったことは、合併規則八条二項、及び︵EC  法の一般原則である︶比例性原則に違反する。  ︵2︶第一の争点−関連市場の画定  欧州委員会は、関連製品市場を欧州全域︵欧州大陸と離島︶と北アフリカが包含される飛行時間三時間以内の ﹁短距離外国旅行パッケージ旅行﹂と画定した。欧州委員会はその理由として、一.短距離飛行と遠距離飛行で使 用される飛行機材間では代替性が限られること、二.最終消費者の観点から短距離外国パッケージ旅行と遠距離 外国パッケージ旅行には多くの相違点があること︵旅行の持つイメージ、コンセプト、旅行期問、移動時間、費 用︶を挙げていた。この点に関して第一審裁判所は、平均飛行時間、旅行商品の価格、航空機材の代替性の各観

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点から検討し、関連市場には遠距離外国パッケージ旅行も含まれるべきだとする≧昌o畦ω社の主張を退けた。な お、欧州委員会決定では地理的市場についても議論され、従来同種の事例では加盟国毎に市場が認定されている ことに鑑み、両当事者の主たる事業地域である英国とアイルランドがそれぞれ独立した地理的関連市場とされた。 しかしながら、後者については、今後も急成長が見込まれ、参入障壁が低く新規参入が期待できるほか、前者と 比べ事業者の垂直統合の度合いも低いため、本件関連市場からは除外された。  ︵3︶ 第二の主張ー欧州委員会による共同支配概念の定義の是非  ≧#○霞ω社は、欧州委員会が共同支配の概念について新しく不正確な定義を適用した旨主張したのに対し、第       ︵20︶ 一審裁判所は本概念は他の事例でも適用されており、O窪8噌事件判決において同裁判所により承認されている とした上で、先に第三の主張を検討し、その中で本主張についても検討することとした。  ︵4︶ 第三の主張−欧州委員会による共同の支配的地位の認定の是非   ︵イ︶ 共同の支配的地位の認定要件       ︵21︶       ︵22︶  第一審裁判所は、本主張の検討に先立ち、同裁判所の先例︵O窪8目事件判決、内箔帥ω巴N事件判決︶を踏ま えつつ、共同の支配的地位の認定要件を提示した︵判決六二段落︶。   コ.寡占的市場支配︵3邑轟導○一蒔805の各構成員は、共通方針︵8日目9℃畠昌︶の採否を監視す

    東洋法学      一二二

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   EC競争法における共同支配の概念再論       二四    るため、他者の行動を察知できなければならない。欧州委員会も明確に認めているように、各構成員は、    相互依存的な市場行動が全構成員の利益となることを認識しているだけでは足らず、他者が同一の戦略    を採用し維持しているか否かを知る手段を有する必要がある。従って、当該市場は全構成員が他者の市    場行動の変化を十分正確かつ迅速に察知できるだけの透明性を有していなければならない。  二.黙示的調整の状況︵爵①ω一9昌自9貫鼻08巳冒蝕9︶は持続的でなければならず、市場における共   通方針からの離脱を思い止まらせる動機付けが必要である。欧州委員会が述べているように、寡占的市場   支配の全構成員が利することができるのは全構成員が並行行為を維持しているときに限られるため、本条   件には共通方針からの離脱行為に対しては報復︵お9富氏窪︶をもって応えるという考え方が内在してい   る。かかる場合、当事者は共同支配の状況を実効あるものとすべく、共通方針からの離脱を阻む長期的な   動機付けを確保する上で適切な抑止力が必要であることに合意している。すなわち、寡占的市場支配の各   構成員は、自己の市場占拠率上昇を目的とした高度に競争的な行動は他者による同様の行動を招来するの   みであり、自身で主導権を取ってみても何ら利益が生じないことを認識している必要がある。  三.欧州委員会は、要求される法的水準に従って共同の支配的地位の存在を証明するには、現在・将来の競   争者、ないし消費者の予見可能な反応によっても、共通方針により得られる結果が損なわれないことを証        ︵23︶   明しなければならない。﹂ その上で同裁判所は、≧誹○霊ω社の主張に沿って、欧州委員会による共同の支配的地位の認定の是非を詳細に

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検討している。   ︵ロ︶ 欧州委員会決定における認定に対する第一審裁判所の判断 ︵i︶ 主要旅行会社三社の競争意欲の喪失  ≧旨2お社は、欧州委員会決定では本件届出時の主要旅行会社間の競争の状況が考慮されていないほか、共同 の支配的地位が形成される証拠とされた本件市場の性格︵過去・将来の需要、需要変動︵号目きα<o苺警蔓︶、市 場の透明性︶が適切に評価されていない旨主張したのに対し、第一審裁判所は以下のように判示した。まず、本 件届出時の競争状況については、欧州委員会決定では本件届出前に既に共同支配の兆候が見られたとする主張を 裏付ける適切な証拠が示されていない。また、主要旅行会社の市場占拠率の大幅な変動はむしろ本件市場が競争 的であることの証左と見るべきである。次に、本件市場の性格のうち、過去・将来の需要については、本件市場 は直近の一〇年間には大きな変動があるものの全体として見れば著しく成長しており、ことに近年では需要増加 のぺースも高まってきている中で、成長傾向が将来反転するという特段の証拠が示されていない。また、需要変 動については、経済理論に従えば需要が安定的で市場変動が少ない場合にこそ、寡占的市場支配の構成者による 共通方針からの離脱を容易に探知できるため、共同支配の形成が容易となる。最後に市場の透明性に関しては、 旅行商品の企画時期と販売時期を区別した上で、企画時期に垂直統合された大手旅行会社が同一のホテルと客室 確保のために交渉し、また大手旅行会社相互間で航空便の座席融通、ないし空港の発着枠交換のために交渉した

    東洋法学      

二五

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一一六 としても、市場の透明性が高められることにはならない。 ︵H︶ 不十分な抑止力による寡占的市場支配の強化  ≧旨o貫ω社は、欧州委員会は報復制度や抑止力が寡占的市場支配における結びつきを強化するには不十分であ ることを考慮していない旨主張した。これに対し、第一審裁判所は厳格な報復制度が存在することまでの証明は 要しないが、寡占的市場支配の構成員が他者を犠牲にする形で共通方針から離脱することを思い留まらせるに足 る抑止力の存在は証明する必要があるとした。その上で、欧州委員会が本件において抑止力と認定したもの︵旅 行商品の供給過剰状態に対する懸念、旅行商品の供給量の増加余地が最大一〇%に限られていること、旅行商品 の供給量の増加は他者への報復を意味すること、流通段階での他者による報復的行為︶は、いずれも共通方針か らの離脱を思い止まらせるほどのものではないとした。 ︵揃︶ 中小旅行会社、潜在的競争者、消費者の過小評価  ≧昌2お社は、欧州委員会は中小旅行会社、潜在的競争者、消費者を共同の支配的地位の創設を阻止しうる対 抗力として過小評価している旨主張したところ、第一審裁判所は以下のように判示した。まず、中小旅行会社は、 大手旅行会社と遜色ない取引条件で各種航空会社から航空便の座席を確保できるほか、自前の航空機を有する大 手旅行会社から座席を融通してもらうことも可能である。他方、自己の旅行商品の販売については、本件合併に よっても旅行代理店業全般において支配的地位が創設ないし強化されることはなく︵新会社の旅行代理店業にお ける市場占拠率は約一五%︶、また旅行商品の四〇%近くは独立系旅行代理店を通じて販売されているほか、既に

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二〇%を占めている他の販売ルート︵電話・インターネットによる直接販売︶は今後も成長が見込まれ、従来の 旅行代理店を通じた旅行商品販売の比重は低下してきている。このような状況の下、中小旅行会社は大手旅行会 社系列の旅行代理店を経由する場合でも、取引条件︵手数料の差違、親会社商品の優先的販売、パンフレット・ 広告類の配置場所等︶で差別されることなく、自己の旅行商品の販売が可能である。従って、大手旅行会社が旅 行商品の供給を削減した場合には、中小旅行会社は商機を捉えて旅行商品の供給を増加させることが可能であり、 大手旅行会社三社間の共同の支配的地位の創設を阻止する対抗力たりうる。  次に潜在的競争者︵他の加盟国の旅行会社、英国の長距離外国パッケージ旅行会社︶については、英国の短距 離外国パッケージ旅行市場には参入障壁がないことから、大手旅行会社が短距離外国パッケージ旅行商品の供給 不足の状況をもたらした場合には、潜在的競争者は本件市場に参入可能である。  更に消費者の行動に関して、消費者の多くは旅行商品を購入する際には複数の旅行代理店に足を運び、大多数 ︵八五%︶は商品を選択する上で価格が最も重要な要素であるとしている。個々の消費者は単独で行動するため大 きな購員力を有していないという事実と、大手旅行会社による旅行商品の供給制限による旅行商品の価格上昇に 反応するか否かという間題を混同すべきではない。欧州委員会は、中小旅行会社からより安価な旅行商品を求め ようとする英国の消費者の役割を過小評価していた。 ︵聾︶ 競争への影響の評価  第一審裁判所は、欧州委員会による本件取引の競争への影響を評価するに先立ち、欧州委員会による評価を次

    東洋法学      

二七

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一一八 のように要約した。   一.大手旅行会社三社の市場占拠率は七〇%前後から八三ないし八五%となる一方、四位事業者の市場占拠    率は五%に過ぎず、市場集中の度合いが高まる。   二.中小旅行会社、及び垂直統合されていない旅行会社は、航空便の座席、及び旅行商品の流通経路の供給    者としての国おけOぎ一8社が消滅することで更に市場の周縁部に追いやられる。   三.大手旅行会社は四社から三社となり、当事者間の競争的相互関係が六から三へと半減することで、透明    性と相互依存の度合いが高まる。  その上で欧州委員会決定では、本件取引によりもたらされる市場構造のため、大手旅行会社が旅行商品の供給 を制限するのは理に適っているとされていた。  欧州委員会による前記の評価に対し、第一審裁判所は以下のように判示した。まず、欧州委員会が本件市場の 透明性は、各大手旅行会社が相互の行動を認識し、共通方針からの離脱を探知し、報復措置の内容を理解するの に十分であると結論づけたのは誤りであり、事業者数が四社から三社へと減少することによる市場の透明性の変 化が示されていない。また、本件取引により相互依存の程度が高まるという主張については、旅行会社は本件市 場において真に競争的であるためには垂直統合されている必要があるとする一方、垂直統合された旅行会社が市 場の川上ではチャーター便の座席を他の旅行会社に販売し、市場の川下では他社の旅行商品を販売することで相 互依存性が高まり、反競争的効果を有するようになるとするのは一貫性を欠いている。この点についての反証が

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ない以上、垂直統合の効果として大手旅行会社の独立性は高まり、相互依存性は減少すると想定される。  同様に、欧州委員会は事業上の結びつき︵他社からの航空便の座席の購入、他社系列の代理店による自己の旅 行商品の販売︶を主要旅行業者間の強固な経済的結びつきのみによって説明しようとしているが、競争的な状況 下ではこのような関係維持が利益となることによっては説明できない理由を示していない。その一方で、欧州委 員会は大手旅行会社間の強固な経済的結びつきの態様、また強固な経済的結びつきが垂直統合された旅行会社の 相互依存性を高める方法を特定しておらず、単に垂直統合、及び市場の機能の仕方から生じる事業上の結びつき により市場の透明性が高まることを述べているに過ぎない。欧州委員会が反証を示していない以上、本件取引以 前から本市場では垂直統合された各旅行会社が競争者の系列会社から航空座席を購入し、逆に競争者の系列会社 へ自己の旅行商品を販売していたことは、相互依存性の証拠にも、独立性の証拠にもならないと推定される。ま た、欧州委員会決定では、本件取引の評価に際してグループの経済理論の効果︵グループ全体の利益を最大化す ることによる収入の最大化︶が考慮されていないが、シナジi効果により垂直統合された旅行会社の方が高い収 益を挙げることができる。  第一審裁判所は、以上の検討から欧州委員会は本件取引により共同の支配的地位が形成されることを証明して いないとした。 ︵V︶ 結  論  第一審裁判所は、欧州委員会は本件取引により主要旅行会社三社間に共同の支配的地位が形成される結果、本

    東洋法学       一一九

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一二〇 件市場における有効な競争が阻害されることを要求される法的水準に従って証明せずに本件取引を禁止したとし て、≧旨o貫ω社の第三の主張を容認し、同社の他の主張と申立を検討することなく、欧州委員会決定を取り消し た。 パ  パ  パ  パ  パ  パ 23 22 21 20 19 18 )  )  )  )  )  ) 9ωΦHく\琴嶺睡﹄ミ§ミ罰這Gぎ誉[N。。。]9竈。。\ザ鋤け冒轟ω一①。 。≒N● EC条約二五三条は、欧州委員会により採択される決定には根拠となる理由が付されるべき旨規定する。 の愚ミ昌08㎝。 』黛輿 のミ 博ミ50什oお璽 の愚ミ昌o房ρ再℃賃蝉爵9 三 検 討  ︵1︶ 共同支配の概念、及び共同の支配的地位の認定要件  EC条約八二条、及び合併規則における共同支配の概念は、一九九〇年代以降、欧州委員会決定、欧州司法裁 判所・第一審裁判所判決を通じて精緻化され、同概念に基づいて禁止される共同の支配的地位の認定要件も、E C条約八二条、合併規則の双方において同一のものに収敏するに至った。しかしながら、共同の支配的地位の認 定要件については、O窪8目事件第一審裁判所判決において、関係事業者間に構造的な性質を持つ結合が必ずしも

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認定される必要はなく、高度寡占市場における寡占的相互依存の存在で足りるとされた以外には具体的に示され ておらず、欧州委員会は本判決を受け、多くの事例で共同の支配的地位を認定してきたものの、その認定要件に は曖昧さが残されていた。本件判決の第一の意義は、共同の支配的地位の認定要件を明確化したことにある。す なわち、本判決では○①琴9事件第一審裁判所判決から更に踏み込んで、共同の支配的地位の認定には、一.寡占 的市場支配の各構成員が他者の共通方針の採否を監視できるだけの市場の透明性、二.寡占的市場支配の各構成 員の共通方針から離脱を阻む動機付けの存在、三.競争者・消費者の反応によっても共通方針による利益が損な われないことの三点の証明が必要であるとされた。本件判決により、共同の支配的地位を規制する欧州委員会側、 また規制される事業者側双方にとって共同の支配的地位認定の要件が示されたこととなり、共同支配の概念を巡 る理論的な疑問点は解消されるに至ったと評価できる。  ︵2︶ 欧州委員会による共同の支配的地位の認定  本件判決のもう一つの意義は、○Φロ8賊事件第一審裁判所判決を受け、共同の支配的地位を積極的に規制してき た欧州委員会に対し、安易な共同の支配的地位の認定に警鐘を鳴らした点にある。実際、本件判決以前は合併規 則の下、二七件が第二段階の審査へ進み、そのうち四件が共同の支配的地位が形成される虞を理由として禁止さ れていたのに対し、本件判決後は二一件が第二段階の審査へ進んだものの、共同の支配的地位が形成される虞を       ︵24︶ 理由に禁止された事例はない。本件判決を受けて、欧州委員会は共同の支配的地位の規制を放棄したわけではな

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一二二 いが、共同の支配的地位の認定により慎重になっていることがうかがえる。  また、これまで合併規則において共同の支配的地位の形成を理由に禁止された事例は、合併前の三者が二者に なるいわゆる﹁複占﹂の事例であったが、本欧州委員会決定では合併前の四者が三者になる場合にも共同の支配 的地位の成立が認定されていた。本決定は要求される法的証明の水準を満たしていないことを理由に第一審裁判 所により取り消されてはいるが、理論的には三以上の事業者間に形成される共同の支配的地位の規制の可能性は 否定されていない。しかしながら、三以上の事業者による共同の支配的地位の規制には立証面での困難さが伴う。 すなわち、二当事者の複占の場合には関係事業者が互いの行動を予測することは容易であり、また互いに牽制し あうことも容易であるものの、競争的相互関係が三当事者︵A、B、Cとする︶の場合には三︵AIB、AlC、 BIC︶、四当事者︵A、B、C、Dとする︶の場合には六︵AIB、AIC、AID、BiC、BID、ClD︶ となることから、各構成員が共通方針に従って事業活動を展開し、かつある構成員が共通方針から離脱するのを 阻止するだけの抑止力の確保も格段に困難となろう。このため、三者間以上の共同の支配的地位の認定は理論的 には否定されないが、経済理論に裏打ちされた事実関係の分析が必要となるため、本判決で示された要件を満た す形で証明することは実際のところは困難なものとなろう。今後の事例が侯たれるところである。 ︵3︶ 本判決の欧州委員会実務への影響 本件判決は、合併規則の下、企業結合を禁止した欧州委員会の決定を覆した初の判決であった。 その後、二〇

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       ︵25︶ 〇二年には合併規則に関する欧州委員会決定が覆される第一審裁判所判決が相次いだが、いずれの事例でも欧州 委員会による競争制限の認定を巡る判断が間題とされた。これらの判決は欧州委員会競争総局に大きな衝撃を与       ︵26︶ え、数々の改正、改革が行われる契機となった。具体的には、二〇〇四年五月の合併規則の改正にあわせて欧州       ︵27︶ 委員会が制定した﹁水平合併ガイドライン﹂でも経済分析が重視されているほか、欧州委員会競争総局には総局 長直属の形でチーフ・コンペティション・エコノミストのポストが新設された。チーフ・コンペティション・エ コノミストは、競争総局における事案処理、及び政策立案の際の助言のほか、競争総局職員への経済学の研修を 任務とし、二〇〇三年九月には三年の任期で津畳鍔串国窪9鱒国○国いい国幻︵ドイツ・フンボルト大学教授Vが     ︵28︶ 任命された。なお、二〇〇六年九月からは後任として、9’∪蝉巨窪Z国く切Z︵スイス・国際研究大学院教授︶が 就任した。また、前述のとおりEC条約八一条の適用に関する各種一括適用免除規則、及び各一括適用免除規則 に対応するガイドラインも改正されたが、いずれも近時の経済学の成果を踏まえたものとなっている。これらの 動きに経済分析を重視するようになった欧州委員会の姿勢の変化を看取できる。本件判決は欧州委員会が経済分 析重視へ梶を切る一つの契機となったものと位置づけることができよう。 ︵24︶ω冒9ω震けRm邑牢琶8ωUΦ跨日Rρ9N§誉鳴b。ミき§R§駄ミ肉Oミ鳴磧ミqミNミート嶺ミ﹄ミ§薦  §叙S鳴﹄ミ§ミミ蹴§勲qミ虫蕊ミミ寒“尉詠S評ミ鳴腔ミ匙肉ミミ鳴誉\9N§織ミb。ミき“§魯冒。。①]ミ  国Oい閃にo o︸讐嵩O.

東洋法学

一二三

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    EC競争法における共同支配の概念再論      一二四  ︵25︶一。営Φα9ω①ω↓由。\。H節↓ミ8Gりらぎ鳴§ミト爵s§駄黛9ミミ裟§[N。8]国○肉H置ミHし。一昌89ω。ω    りq\8卿りo 。O\ON§妹ミトミ鳴N鐸Ooミミ帖9。Gう賊§富OON]国O勾HHムo 。o 。一.  ︵26︶ 各事件の概要、評価については、亀岡悦子﹁EC企業結合規制の新展開∼二〇〇二年の三判決および審査手続の見    直し∼︹上︺︹中︺︹下︺﹂﹃国際商事法務﹄第三一巻四∼六号︵二〇〇三年︶参照。  ︵27︶ の愚ミ8叶①卜  ︵28︶ チーフ・コンペティション・エコノミストの詳細については、欧州委員会競争総局ホームページ    辟8”\\9、Φ貫o冨bミ8ヨヨ\凝ω\8B唱9置2\8①窪辟日参照。    結   語  共同支配の概念は、EC条約八一条一項における協調行為としては捕捉できない事案を規制しうるものとして EC条約八二条、及び合併規則の下での適用事例が積み重ねられてきたが、本判決は共同支配の概念に基づく安 易な共同の支配的地位の認定に警鐘を鳴らし、支配的地位の規制の在り方に再考を促したものである。実際、欧 州委員会では本件判決に前後して支配的地位の規制の在り方について検討を始めており、前述のように合併規則 関連については既に改正が行われている。他方、EC条約八二条の関連でも見直し作業が進行中であるが、二〇        ︵29︶ 〇五年一二月には﹁スタッフ・ディスカッション・ぺーパー﹂が公表され、EC条約八二条における共同の支配 的地位の規制についても議論の姐上に乗せられている。  今後の共同の支配的地位に対する規制の展開を考える上では、具体的事例において本判決で提示された認定要 件を適用し、かかる地位の存否を判断する欧州委員会決定、欧州司法裁判所判決・第一審裁判所判決の蓄積が侯

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たれるところである。EC競争法における共同支配の概念を巡る動向については引き続き注視することとした い。 [平成一八年八月脱稿] ︵29︶国自8①き○。導巨ωω凶。PbO9蕊豊職§§ミqう鴇§辱愚ミ§誉愚黛帆ミ織§鳳﹄ミ魯o。吋黛導鳴§翁骨融   恥§ミ篭§ミ恵§。り﹄<毘豊。讐げ§”\\8●Φ貫。冒窪\8ヨ箏\。。ヨも①薮g\餌民5ωけ\・浮①同ω昏ω88Φ蓉。㎝9唱良 [追記]脱稿後、HB冨冨事件第一審裁判所判決︵O器Φ↓ム9\9§&“黛9ミ§駐軌§︶に接した。本判決は、ω○昌 とωR8ユω琶四目>O︵ドイツ︶の両社が折半して設立するジョイント・ベンチャi︵ωo昌ω蜜O︶の下に両社のレコー ド音楽事業を統合する計画に対し、共同の支配的地位が形成される虞がないとして承認した欧州委員会決定︵○器oZo OO困ミ家“G 。器留ミ\切ミO[88]○一い爵鳶。︶を取消したものである。この中で第一審裁判所は、傍論ながら共同の 支配的地位の存否を判断する上では同裁判所が≧辞2お事件判決で示した三要件は必要であるものの、これらの要件は 共同の支配的地位に特有の徴愚︵長期に亘る価格の斉一性等︶に基づいて間接的に立証しうる旨判示した︵二五一、二五 二段落︶。本件判決は、≧ほ○ξω事件判決で示された認定要件を緩和したものとして、今後の共同支配概念の理論的展開 を考察する上で注目される。本判決については、稿を改めて検討することとしたい。 東洋 法 学 一二五

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