メキシコ国際私法の改正とその特質について
著者名(日)
笠原 俊宏
雑誌名
東洋法学
巻
42
号
1
ページ
55-78
発行年
1998-09-15
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00000463/
︻研究ノート︼ ヘ
メキシコ国際私法の改正とその特質について
笠
原
俊
宏
東洋法学
目 次 メキシコ国際私法の基本原則 準拠法の決定 外国法の適用 住所 私権上の外国法人 ラ ラ ︵ ラ 2 ︵ ラ ー く 三 連邦区改正民法典の内容および特質 ニ メキシコ国際私法の生成および展開 一 緒言 四 結語 ︵参考資料︶ 民法典の改正に関する一九八七年一二月一一日法規命令 55メキシコ国際私法の改正とその特質について 緒 言 ヨーロッパ諸国を中心とする国際私法の改正の大きな流れは、中南米諸国においても決して無縁のものではな い。ベネズエラ国際私法規定草案︵一九六五年︶、ブラジル国際私法典草案︵一九七〇年︶とともに、アルゼン チンにおいても、いわゆるゴールドシュミット︵Oo匡ω3巨鐸︶草案︵一九七四年︶が発表され︵それぞれの草 案については、︾●ζ接巽o∼O垢一一窪8ω一旨①ヨ呂9巴雪汐一奉霞Φo貰︾鼠一﹄︸おo 。。︵以下、ζ夢巽oざ︾亀蕊とし て引用ンω由ρω●誘Fψ餐参照︶、近時、その改訂作業が続行されていることが知られる︵9畠o型頴ヨ讐号N ︾員oくρピmお<一ω一〇昌αΦ一︿℃8賓のoけOOO匡ωoプヨこけ﹀αoOoα蒔oαΦUH℃﹃O巽鋤一餌即Φロ仁巨一8︾茜Φ導ぎ辞即Φ<一ωけ蝉 Φω冨ぎξ号号お畠oぎ冨ヨ8δ轟一︵以下、即bU。一として引用︶一8。る自卜参照︶。また、キューバ国際私法規定 は一九八七年に改正されており︵笠原俊宏﹁外国国際私法立法に関する研究ノート㈲﹂大阪国際大学紀要国際研究論 叢一〇巻三・四合併号一八三頁参照︶、そして、それに続くのがここにおいて言及されるメキシコ国際私法である。 これまで、わが国においてメキシコ合衆国の国際私法について詳細に論及された文献を見い出すことは困難で ある。僅かに、その法源の一部が邦訳されているに過ぎない︵笠原俊宏﹃国際私法立法総覧﹄︵一九八九年、冨山房︶ 三七九頁以下︶。そこで、一九八八年初めに同国の国際私法の改正が実施されたことを機として、その輪郭を明ら かにしようとするのが、この小稿がまず意図するところである。また、連邦制を形成しているメキシコにおいて は、連邦法のもとに、各州は独自の立法権を認められ、それらに固有の国際私法を有しているが、また、同時に、
連邦政府の本拠が置かれている連邦区︵メキシコシティ︶の法が、各州法の権限が及ばない事項に補助的に適用 されるなど、そこにおける法の適用関係には複雑な一面がみられる。従って、連邦区法と州法の相互の関係につ いても言及されなければならないであろう。それに加えて、ラテン・アメリカ圏における国際私法条約との関係 においてメキシコ国際私法がいかに位置付けられるべきかも、この小稿が射程に置かなければならない点である と思われる。上記のようないくつかの点を留意しながら、以下において、若干の比較法的考察を試みることとし たい。 ニ メキシコ国際私法の生成および展開
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まず、メキシコ国際私法の変遷の概略については、その基本的な立場が属人法主義と属地法主義とのいずれで あったかにより、それを次のように三つの時期に区分して論じることができる。まず、第一の時代は、メキシコ の独立運動とともに始まる属人法主義の時代である。当時の規定は外国法の適用について寛容であり、属人法の 決定基準としても、国籍にそれが求められた時代であった。一八七〇年の民法典にみられるような属人法におけ る国籍主義は、一八八四年の民法典にも継承され、その立場は一九三二年まで続いた。また、第二の時代は、革 命運動によってもたらされた国家主義が六十二年間にわたる従前の国際私法体系を修正し、それを絶対的属地主 義へと変容させた時期である︵ラテン・アメリカ国際私法における属地法主義一般については、匂箭閃雪留葺冨冨P UR↓R葺oユ巴津躰ω閃旨昌αω讐N一ヨ凶旨o簿讐一g巴8℃ユく黒おo鐸い簿ΦぎmヨΦユ惹ρ国呂Φ一ωNΦ一けωoぼ一津豊吋餌gω一響象ω9Φω 57メキシコ国際私法の改正とその特質について §α鐸Φヨ豊2巴Φω力①。9︵以下、寄幕一ωNとして引用︶一。斧ψ認宍参照︶。その立場は大多数の州の民法典におい て採用されている。そして、第三の時代は、本稿において主として取り扱われるところであるが、一九八七年一二 月一一日法規命令によって、連邦区民法典、連邦区民事訴訟法典および連邦民事訴訟法典が修正されたことによ り、それらが施行された一九八八年一月八日に始まり、今日に至る時代がそれである︵以上の概略については、 一Φ。器一℃RΦN巳Φ89ω什吋ρ窓8§Φω厨凶ω毎一<Φω窪目蝕哩ΦαΦ箭。津巨Φヨ蝕8巴旨融雲匡①×一2ρ勾Φ≦① R庄2Φ号鳥o津ぎ冨ヨ讐一8巴R一註おo 。PP㎝Oo 。.参照︶。 次に、メキシコ国際私法の法源を構成する個々の規定について概観することとしたい。まず、メキシコ合衆国 憲法によれば、連邦の立法権限は民法には及ばないが、一九一七年一月三一日の連邦憲法は原則となるいくつか の抵触規定を含んでいる。すなわち、動産および不動産についての所在地法主義を定める第一二一条第二項、お よび、連邦のいずれかの州において作成された身分証書の他州における有効性について定める同第四項がそれで ある︵笠原・前掲書三七九頁参照︶。このほかにも、連邦法のレベルにおいては、一九四三年に公布された連邦民 事訴訟法典第一三一条が外国において作成された公文書の方式に関して規定している︵笠原・前掲書三七九頁参 照︶。また、商事法関係については、一八八九年九月一五日の連邦商法典第七九条が商事契約の方式に関して規 定し︵笠原・前掲書三七九頁以下参照︶、信用証券に関する一九三二年八月二六日法律第二五二条ないし第二五八 条が為替手形に関する法律抵触の一般法に相当する抵触規定を有し︵笠原・前掲書一二八○頁以下参照︶、そして、 一九三四年の商事会社に関する一般法第二五〇条および第二五一条が外国会社に関して規定している︵笠原・前
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掲書三八○頁参照︶。 さらに、メキシコの民法典についてである。メキシコが連邦制を採っているため、それに属する殆どすべての 州が、独自に、自然人の身分および能力、法人の能力、財産、債務、婚姻ならびに相続に関する抵触規定が散在 する民法典を有している。また、それに加え、連邦区および連邦領︵バハ・カリフォルニア・スール、バハ・カ リフォルニア・ノルテおよびキンタナ・ロi︶においてのみ施行されている連邦区民法典が存在している。しか し、それらの多くの民法典もその内容に従い、以下のようにいくつかの類型に分類することができる︵以下の分 類については、︾匡欝費oメO仁亀雪α8一昌Φ旨讐δ墨一窪ギぞ讐おo耳”ωPど一雷ρいo霞畏5器︵以下、ζ鴇震o<︸ 閃巳として引用︶︸ω’一参照︶。そのひとつは、一八八四年民法典を廃止した一九二八年八月三〇日民法典であり、 連邦区および連邦領において施行されているものである。連邦区民法典はいくつかの州においても採用されてい る。また、一八八四年民法典が施行されている諸州︵コリマ、グアナフアト、プエブラ、ケレタロ、サカテカス︶ とともに、一九二八年民法典が施行されている諸州︵ゲレロ、メヒコ、ナヤリト︶も存在している。最も多いの が、一九二八年連邦法典にその民法典を適合させている諸州︵アグアスカリエンテス、カンペチェ、コアウイラ、 チアパス、チワワ、ドゥランゴ、イダルゴ、ハリスコ、ミチョアカン、ヌエボ・レオン、オアハカ、サン・ルイ ス・ポトシ、シナロア、タバスコ、ベラクルス、ユカタン︶である。それらのほかは、独自の民法典を有してい る諸州︵モレロス、ソノラ、タマウリパス、トラスカラ︶である。 なお、中南米諸国間における国際私法条約についていえば、まず、一八七八年のリマ条約および一八八九年の 59メキシコ国際私法の改正とその特質について モンテヴィデオ条約には、メキシコは参加していない︵笠原俊宏﹁モンテヴィデオ国際私法条約﹂国際関係法辞典 ︵国際法学会編︶七六一頁参照︶。また、メキシコは、一九二八年のブスタマンテ法典を採択した汎米会議には参加 していたが、同法典の実施に関する条約には署名していない︵笠原俊宏﹁ブスタマンテ法典﹂国際関係法辞典︵国 際法学会編︶六七五頁以下、さらに、詳細には、注茜雲ω餌ヨニ①訂PH暮Φ旨讐δ轟一8牢貯讐おo辟一づい簿Φぎ蝉ヨR鱒欝 窪トおβψ8味FψN竃宗参照︶。しかし、いわゆるモンテヴィデオ条約として知られる一九七九年の﹁国際私 法の一般原則に関する汎米条約﹂については、メキシコはそれを一九八四年に批准している︵因ξ臥嘗自ヨ呂o器P 勾鋤σΦ一ωNHOo 。G 。”ω’謡ド参照。なお、同汎米条約に関する文献として、冒嶺8留ヨ号冨PU一①ぎ房声日R篤きδ39 ω唱ΦN凶巴ざ三Ro自雪岳﹃ぎ冨3象凶9巴8汐ぞ讐おo浮︸即ぎ巴ωNおo 。ρψ謡凝hとくにωbo 。一律参照︶。 三 連邦区改正民法典の内容および特質 ω メキシコ国際私法の基本原則 連邦区改正民法典第一二条は、メキシコ国際私法が属地法主義を基本原則としていることを明らかにしている。 すなわち、メキシコ法は、共和国に在るすべての者、ならびに、その領域または管轄区域において生じた行為お よび事実を支配することを原則とする。しかし、それとともに、外国法の適用の可能性もまた認められている。 すなわち、メキシコ法が外国法の適用を定めているか、または、メキシコが当事国である条約および協定がそれ を定めている場合がそれである。ちなみに、共和国内の居住民については、その者が国民であるか外国人である
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かにかかわらず、また、住所を有しているか単なる一時的滞在であるかにかかわらず、その者の身分および能力 をも含め、すべての者にメキシコ法が適用されるとするのが、改正前の第一二条であった︵匡畏曽o<扇巳あ,ご。 従って、メキシコ国際私法は、この度の改正により、一九三二年以来の絶対的な属地法主義を原則としてなお維 持しつつ、特定の範囲に限っては、例外的に、一八七〇年民法典にみられたように、外国法の適用に途を開く双 方主義をも認める併用主義の立場へと改革されたということになるであろう︵頴お目醇。9鋒ρ8●。F葛8 ①什霊劉参照︶。②準拠法の決定
改正前の民法典︵連邦区および連邦領域︶中の狭義の意味における準拠法選定規則は旧第二二条ないし第一五 条である。それらは、それぞれ、次のような内容の規定であった。まず、旧第一三条は、外国において行なわれ、 かつ、メキシコ共和国の領域において履行されなければならない行為および契約の法的効果は、同法典の規定に よって規律されると定めていた。また、旧第一四条は、連邦区または連邦領域に所在する不動産および動産につ いて、それらの所有者が外国人であったとしても、同法典の規定に服すべきものと定めていた。さらに、旧第一五 条は、法律行為の方式について、すべて、それらが成立した地の法律によって規律されることを原則としつつ、 連邦区外または連邦領域外に居住するメキシコ人および外国人は、行為が連邦区または連邦領域において行なわ れるときは、同法典によって定められた方式に服することができると定めていた。それに対して、改正民法典に おいては、それらの規則は、第二二条にまとめられ、かつ、その内容も以下に言及されるように多くの点におい 61メキシコ国際私法の改正とその特質について て修正されている。さらに、それに加えて、新規な内容の規定が設けられている。 まず、現行第一三条第一項は、いずれかの国の法のもとにおいて、一旦、有効に成立した法律関係については、 その有効性を尊重すべきことを宣言する新しい内容の規定である。その立場は、アメリカ国際私法理論、とりわ け、ジョセフ・ストーリー︵冒器9ω8曼︶が唱える既得権理論︵融o評碧ρ鼠ω︶に由来するものであることが 指摘されている︵頴お§醇09ω霞ρ8らF葛鐸参照︶。この規定の立場が法律関係の国境を越えた継続性を保 障し、蹟行的法律関係の発生の防止に貢献するものであることは、改めていうまでもないであろう。 次に、同条第二項は、自然人の身分および能力について、押し並べて、その者の住所が所在する地の法に依ら しめるべきとする。これは旧第一二条における一方的規定を双方化したものとして理解することができる。この 規則は二つの点において重要な意味を有するといえるであろう。すなわち、そのひとつは、あらゆる身分問題に 同一の準拠法が適用されるという立場がとられていることである。いまひとつは、その準拠法が伝統的な住所地 法に求められているということである。前者については、包括準拠法の解体ないし細分化が叫ばれている今日に おいて、その妥当性は極めて疑わしいといわざるをえない。また、後者についても、住所が属人法の決定基準と しては、それが有する法律概念の決定の困難な点から、近時の諸国立法においてむしろ敬遠されるようになった 結果、すでに常居所がそれに取って代わっていることが少なくない情況に鑑みるならば、やはり、間題がないと はいえないであろう。 さらに、同条第三項は、不動産および動産の準拠法について同則主義を採用し、それらの所在地法に依るべき
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ことを定めている。この立場は伝統的に旧第一四条においても採られていたものである。その限りにおいては、 基本的に、わが法例第一〇条第一項と同一の立場が採られているということができるであろう。また、動産の所 在をめぐり、その移動性のゆえに、その場所付けを所有者の住所地に認めるべきであるという見解が伝統的に根 強いことも同様である︵uR臼巳909鋒ρ8。。F葛拐参照︶。それに対して、不動産および動産の賃貸借契約 および一時的使用契約までもそれらの所在地法に依らしめている点は、やはりメキシコ法に特異であるといわざ るをえないものである。 さらに、また、同条第四項は、法律行為の方式につき、行為地法を原則としている。しかし、法律行為の効果 がメキシコにおいて発生する場合には、メキシコ法の適用をそれに優先させている。わが法例第八条における立 場が法律行為の効果の準拠法を原則とし、補則として、行為地法を認めるものであることとの比較においていえ ば、メキシコ法における一方主義がここにおいても姿をみせているということができるであろう。 そして、同条第五項についてである。﹁前四項において定められたところを除き、行為および契約の法的効果 は、当事者が有効に他の法の適用を指定しない限り、それらが履行されなければならない地の法に依って規律さ れる。﹂と規定する同項については、まず、そこにおいて準拠法の選定における当事者自治が認められているこ とが注目されるべきであろう。その立場そのものは、比較法上、決して珍しいものではない。しかしながら、当 事者による準拠法の指定がなかった場合における補則としての契約履行地法の適用が、当事者による指定が有効 でなかった場合においても行なわれるべきとしている点に、同項の特徴があるということができるであろう。そ 63メキシコ国際私法の改正とその特質について のような場合の例として、第一五条において定められているメキシコ法の回避︵第一項︶およびメキシコ公序 ︵第二項︶に因る外国法の指定の無効が挙げられている点が注目されるところである︵℃R臼こ①89鋒ρ8. o一fマ$9参照︶。 ⑥ 外国法の適用 民法典第一四条が外国法の適用に関する規定である。同条は五項にわたる総論規定であり、比較国際私法上、 メキシコ国際私法の特質となるとみられる規定が多い。以下、それらが規定されている順に言及しておきたい。 まず、第一項は、外国法の適用における基本的な理念として、それが外国裁判官が行なうと同様に行なわれる べきことが謳われている。それを保障するため、外国法の証明は職権探知事項であり、メキシコ裁判官は自ら必 要な情報を収集することができるとされている。それとして、具体的には、鑑定人への依頼、外務省等の関係機 関への照会を意味するであろう。 次に、第二項は、反致ないし転致に関する規定である。同項について指摘されるべきことは、二つの点である。 そのひとつは、メキシコ国際私法が基本的には、反致否認論の立場を採っているということである。すなわち、 メキシコ国際私法の抵触規定によって指定された外国法とは実質法であり、その抵触規定の考慮は例外的になさ れるものであるとされている。そして、﹁事件の特別な事情﹂が存在する場合においてのみ、それが許されると いうのがそこにおいて採られている立場である。何が﹁特別な事情﹂に該当するかは必ずしも明らかではない。 結局、﹁特別な事情﹂については、その運用をみない限りは、明確な説明は困難である。しかし、ともかくも、
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反致の可能性は残されていると理解することができる。いまひとつは、狭義の反致のほか、第三国への転致が例 外的ながら許容されていることである。そのことが意味するのは、反致を成立させることの目的が内国法の優先 的適用にあるのではなく、むしろ、外国法の尊重、または、﹁特別な事情﹂を考慮した解決の具体的妥当性の確 保にあるとみることができる余地もあると思われる。 さらに、第三項は、外国法の適用の排除に関連する規定である。同項は、外国法上の制度または手続とメキシ コ法上のそれとの調整の可否からみて、メキシコ法上の類似の制度または手続が外国法上のそれを代行すること ができる場合には、外国法の適用上、問題はないとして、柔軟に対処すべきことを定めている。その場合、問題 となるのは、実際に、メキシコ裁判官がいかにその規定に従った運用を行なうかということであろう。外国法の 適用の排除については、後に述べられるように、そのほか、連結点の詐欺的取得による法律回避および公序に対 する違反について、それぞれ、第一五条第一号および第二号が規定している。 また、第四項は、国際私法上における先決問題について定めている。比較法上、先決問題に関する抵触規定を 置いている立法は少なく、僅かに前記ゴールドシュミット草案第三条が知られるのみである︵三接貰2>魯や ω西.参照︶。同項は、まず、その意味において注目される規定である。次に、そこにおいて採られている立場が 注目されるべきものである。すなわち、従属連結の立場に拠って解決しなければならないことはないというのが それである。先決問題という構成そのものは認められているが、いわゆる準拠法説ないし本問題実質法説は基準 とはされず、いわゆる法廷地法説の立場から、メキシコ国際私法上の抵触規定によって準拠法が選定されること 65メキシコ国際私法の改正とその特質について ができる。逆に、従属連結に従うことも決して否定されていない。それはまさしく折衷説の立場というべきであ ろう。従って、準拠法の決定および準拠外国法の適用におけるメキシコ国際私法の姿勢を窺わせる規定であると いうことができる。 さらに、また、第五項についてである。同項第一文は、同一の法律関係の異なる側面についてそれぞれ適用さ れる異なる準拠法の調整に関する規定である。それぞれの法の目的を考慮したうえで、調和のとれた解決が考慮 されるべきことが定められている。それについては、フランスのバチフォール教授によって一九五六年に提唱さ れた国際私法哲学の影響が指摘されている︵頴お目醇09弩ρ8・。F葛零なお、その文献とは、頃の目一 閃呂諏9>呂8畠9出089β藷ω8昏9二旨Φヨ豊9巴冥一奉一39を指しているものと思われる︶。一方、同項第二 文は、矛盾が生じる場合には、解決の具体的妥当性を優先させるべきであるという指針を規定しているが、それ については、英米法上の考え方に拠るものであることが指摘されている︵℃R震三。89ω霞ρε﹄Fロ$。参照︶。 端的には、それはアメリカ国際私法の影響を受けているということになるであろう。 そして、最後に、外国法の適用の排除に関する第一五条についても、ここにおいて触れておきたい。前述のよ うに、その第一号は意図的な法律回避の結果による外国法の指定は無効とする立場に立つものである。しかし、 その回避は、メキシコ法上の基本原則に対して行なわれたものに限定されており、法廷地国際私法が指定する本 来の準拠法全般を対象とするものではない。そこに見られる立場は、メキシコ法上の基本原則の外国法上のそれ に対する優先的な位置付けである。なお、メキシコ法上の基本原則の回避の詐欺的意思があったか否かの決定は
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メキシコ裁判官に委ねられている。一方、その第二号は公序条項である。それ自体は諸国の国際私法において普 遍的に採用されている規定である。しかし、公序則の発動となる事由として掲げられているのは、﹁外国法の規 定またはその適用の結果が、メキシコの公の秩序の基本的な原則または法規に反するとき﹂である。すなわち、 外国法の規定の内容がメキシコの公序に反するときは、それのみをもって、外国法は排除されることができるも のと解される。そして、公序とは、メキシコの実質法の次元における基本的原則であり、また、法規であるとみ られる。従って、メキシコ国際私法の場合、同号の運用のいかんによっては、公序則の発動の範囲は相当に広い ということができるであろう。 ㈲ 住所 今世紀の国際私法が属人法の展開を軸として発展してきたといっても過言ではないであろう。そして、属人法 における一大問題が、その決定基準として、国籍主義に拠るべきか、はたまた、住所主義に拠るべきかというこ とであった。永きにわたって、二つの陣営は対峙し、そのことが国際私法の統一を妨げる最大の原因となってい たとしばしばいわれてきた。しかし、今日、住所主義は急速に衰退の方向に向かっている。その理由が、住所が 有する法律概念の決定における困難性にあることは改めて指摘するまでもないであろう。ハーグ国際私法条約が それを嫌い、住所に代わる連結点として常居所という事実概念を持った連結点を採用するようになってからすで に久しい。このような国際私法情況のもとにおいても、メキシコ国際私法が採用しているのが住所主義であると いうことは、すでに述べられたところである。その意味において、メキシコ国際私法は住所主義の残津に執着し 67メキシコ国際私法の改正とその特質について ているとみられることになるかもしれない。しかし、第二九条は、以下の通り、メキシコ国際私法における住所 主義が決して旧態依然ではないことを明らかにしている。 第二九条は、次のように自然人の住所を定義している。すなわち、人が平常居住する場所、つまり、常居所を もって住所とすることが定められている。国際私法上の住所を定義している立法例としてよく知られているハン ガリi現行国際私法第一二条やスイス現行国際私法第二〇条によれば、住所と常居所とは別個の概念を有するも のとして定義されており︵笠原・前掲書三一一頁、二二三頁参照︶、それに対して、後者が前者の内容となるとす るメキシコ国際私法は特異な規定を有しているということができるであろう。しかし、また、従来より採用され てきた住所主義について、それを形式的には維持しつつ、実質的には、それを常居所主義へと変容させている結 果がそこに現れているというようにみることもできるであろう。いずれにしても、これによって、今日、メキシ コ国際私法においては属人法として常居所地法主義が採られているということになるであろう。常居所を代用す る連結点としては、本人の事業の主要な拠点である場所、居住する場所、その者が存在する場所が、その順序を もって定められている︵第二九条第一項︶。 このように、メキシコ国際私法において常居所主義が採用されていること自体が注目されるべきものであるが、 第一五条第二項は、それとともに、比較立法上、重要な示唆を含んでいるということができるであろう。すなわ ち、同項が、六カ月以上の継続的滞在をもって常居所が取得されると定めている点がそれである。常居所が連結 点としてその地位を確立したことは、すでに多くの認めるところとなっているが、それがどのような概念を有す
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るものであるかについては、見解は必ずしも統一されてはいないのが現実である。例えば、前記ハンガリー法第 一二条第二項は、人が定住の意思なく、長期にわたって居住する地をいうと定め、また、前記スイス法第二〇条 b号は、期限付きであるか否かにかかわらず、人が比較的長期にわたって生活する地をいうと定めているが、こ れらはいずれも抽象的であるというほかはない。わが国の学説も、常居所の取得のためには、単なる一時的な居 所ではなく、相当長期間の居所という客観的事実が必要であるという点において一致している。しかし、いかな る期間をもってその要件を充たすかについては明らかに一致した立場はない。もっとも、形式的・画一的処理が 求められる戸籍実務のため、法例改正に伴う戸籍事務の取扱いに関する平成元年一〇月二日付第三九〇〇号民事 局長通達により、事件本人の常居所について基準が示されている。しかし、学説には、右の通達はあくまでも戸 籍実務の便宜のためのものに過ぎず、それに拘束されることなく常居所の認定を行なうべきとする見解があり ︵奥田安弘・基本法コンメンタール国際私法︵木棚照一H松岡博編著︶一五六頁他参照︶、また、判例も、右通達にと らわれることなく常居所を認定している︵例えば、横浜地方裁判所平成三年一〇月三一日判決・判例時報一四一八号 二三頁参照︶。かつて、立法論として、常居所地法に依るべきとする個々の規定にその期間をも併せて明記すべ きであり、そうすることにより、無用の混乱は避けられると提唱されたのもそのためである︵笠原俊宏﹁常居所 の認定基準﹂国際私法の争点︵新版︶︵沢木敬郎H妹場準一編著︶八一頁参照︶。メキシコ国際私法は正しくその考え 方を明文化したということになるであろう。 そのほか、自然人の法定住所に関する規定が第三〇条であり、親権解除されない年齢の未成年者、親権のもと 69メキシコ国際私法の改正とその特質について におかれない年齢の未成年者および行為無能力な成年者、遺棄された未成年者または行為無能力者、夫婦、現役 の軍人、公務員、外交官、一時的に内国に居住する者であって、その者の政府または国際機関の任務または労務 の履行中の者、六カ月以上にわたって自由を剥奪する刑罰を受けるべき判決を下された者の法定住所に関する規 定が第三一条である。また、人がいくつかの住所を有する場合において、居住ないし存在を基準とする﹁住所﹂ の決定に関する規定が第三二条である。 ㈲ 私権上の外国法人 法人の準拠法に関する規定が第二七三六条ないし第二七三八条である。それらの中、第二七三六条は、法人の 属人法として、その設立準拠法主義に拠ることを定めている︵第一項︶。また、法人の代表者が問われた責任に 関する応答の権限について定めた第三項は、著名な一九〇九年六月一五日のフランス破棄院O霞8窟ぎoσ巴Φω 判決において形成された原則に由来するものであるといわれている︵℃RΦ§醇09鋒P8﹄Fも$。 かし、すでに、メキシコ最高裁判所が、その三十六年も前である一八七三年二一月一三日判決において、同様の 趣旨の判断を下していたが、国外へ影響を与えることがなかったに過ぎないという指摘がある︵評お目鐸o O器霞ρoP9“P$o 。●参照︶Q 四 結 語 この新しいメキシコ国際私法に対する評価は、ラテン・アメリカにおいても必ずしも高いものではないように
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みられる︵例えば、中勺82辞く○評巳鑛5ω︸Zo富ω8ぼ①冨お暁9ヨ鋤α色ω韓ΦヨゆBo圏88号8お魯o 巨Φヨ9 。90轟一R貯銭9勾bU.一﹂8ρ鴇穽参照︶。その理由のひとつは、近時のヨーロッパ諸国の国際私法の改正 ないし法典化にみられるような体系的かつ革新的な内容が、メキシコ国際私法には欠けているからである。しか し、第一四条および第一五条の内容および文言は、メキシコが批准した前記一九七九年の汎米条約に倣ったもの であり︵内貫風艮震ヨ鑑○話P鉾卑ρω●誤ω参照︶、従って、その限りにおいては、理解が示されなければならな いであろう。 確かに、前記アルゼンチン国際私法典草案︵ゴールドシュミット草案︶、ブラジル国際私法典草案およびベネ ズエラ国際私法規定草案は、いずれも詳細な規定を有するものであり、メキシコ国際私法のように、人の身分お よび能力を一括してその住所地法に依らしめようとするものではない。しかしながら、詳細な各個規定を有して いた場合であっても、それらがいずれも同一の法への連結を規定していたならば、実際上、その意義は乏しい。 従って、メキシコ国際私法についていうならば、問題とされるべきは、それが有する抵触規定の数の少ないこと ではなく、むしろ、その抵触規定において採られている連結形態のあり方であるというべきであろう。すなわち、 それらのすべてにおいて採られている単一的連結の立場を多元的連結の立場へと改革することが、今日の国際私 法立法において、共通して求められていることであり、そして、メキシコ国際私法についても求められることで あるということができるであろう。差し当たり、その要請は現行規定の運用によって行なわれなければならない であろうが、その重要な役割を演じることができるであろうと思われるのが、反致条項である。すなわち、メキ 71メキシコ国際私法の改正とその特質について シコ国際私法に対する実際的評価は、﹁事件の特別な事情により﹂、原則としての住所地法主義にかかわらず、メ キシコ法または第三国法の適用を認める第一四条第二項が、メキシコ裁判所によっていかに運用されるかに掛かっ ているみられる。それが、結果的に、転致をも可能としている点において、わが国際私法よりも広汎な連結がそ こにおいては認められているといっても過言ではないであろう。 なお、この度の改正の及ばなかった現行民法典中の国際私法規定としては、次に掲げる諸規定がある。すなわ ち、婚姻締結の要件に関する第一六一条、相続人の能力に関する第一三二七条および第二二二八条、外国におい て作成された遺言に関する第一五九三条、第一五九四条および第一五九八条、ならびに、外国団体および会社に 関する第二七三六条ないし第二七三八条がそれらの規定である︵家餌ざ8∼ω巳堕ψ。宍参照︶。 以下は、連邦区民法典の改正に関する一九八七年一二月一一日法規命令の試訳である。訳出にあたっては、 勾Φ<一ω鼠①呂骸o冨8号8畠o一58旨8δ冨一一8ρ9認①.に掲載されているスペイン語の原文に拠った。 なお、フランス語訳は、園①<器R置ρ器8鳥o律一耳R冨けδ⇒巴肩一訊おo 。Pや認ω簿ω三<’に掲載されてお り、また、外国法人に関する諸規定を除いて、ドイツ語訳は、ωΦ茜B彗=\司R算ゴ9旨簿一9巴8国箒−目α 囚営房畠鉢房話畠“切創く目”霞Φ図鱒ρψ器斥に掲載されている。
︵参考資料︶ 民法典の改正に関する一九八七年一二月一一日法規命令︵一九八八年一月七日付官報︶
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民法典の改正に関する一九八七年=一月隔一日法規命令第一条 連邦区のための共通事項および全共和国のための連邦事項における民法典中の第一二条、第一三条、第一四条、第一五 条、第二九条、第三〇条、第三一条および第三二条、ならびに、第四巻第二部第一一篇第六章の名称、ならびに、第二七三六 条、第二七三七条第一項および第二七三八条は、次に掲げる文言になるように修正される。 第一一一条 メキシコ法は、同法が外国法の適用を定めない限り、さらに、また、メキシコが当事国である条約および協定において 定められたところを除き、共和国に在るすべての者、ならびに、その領域または管轄区域において生じた行為および事実、 および、同法に服するそれらを規律する。 第=二条 準拠法の決定は、次に掲げる規則に従って行なわれる。 ① 共和国の実体または外国においてその法に従って有効に創出された法律状態は、承認されなければならない。 ⑧ 自然人の身分および能力は、その住所地法によって規律される。 ㈹ 不動産に関する物権の構成、制度および消滅、ならびに、かような財産の賃貸借契約および一時的使用契約、なら びに、動産は、その名義人が外国人である場合においても、その所在地法によって規律される。 73メキシコ国際私法の改正とその特質について ㈲ 法律行為の方式は、締結される地の法によって規律される。但し、行為が連邦区または連邦事項が問題となってい る共和国において効果を生じさせるときは、それは本法典において定められた方式に従うことができる。 ㈲ 前四項において定められたところを除き、行為および契約の法的効果は、当事者が有効に他の法の適用を指定しな い限り、それらが履行されなければならない地の法によって規律される。 第一四条 外国法の適用においては、次に掲げるところが遵守される。 ① 外国法は然るべき外国裁判官が行なうように適用され、そのために、裁判官は同法の条文、有効性、意味および法 定範囲に関する必要な情報を収集することができる。 ③ 事件の特別な事情により、メキシコまたは第三国の実体規定を適用させる外国法上の抵触規定が例外的に考慮され なければならないときを除き、同国の実体法が適用される。 ③ メキシコ法が、適用されるべき外国法規に不可欠な制度または手続を定めていないことは、類似の制度または手続 が存在する場合には、外国法の適用の障害とはならない。 ㈲ 主要な問題のために生じうる先決的、前置的または付随的な問題は、前者を規律する法に従って解決されなければ ならない必要はない。また、 ㈲ いずれかの同一の法律関係の異なる局面が異なる法によって規律されるときは、かような法は、それらのそれぞれ によって追求された目的を達成するように調和をもって適用されるものとする。かような法の同時適用によって惹起
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された困難は、具体的な事件における妥当性の要請を考慮して解決される。 連邦の他の実体の法が適用されることとなるときは、本条において定められたところが遵守される。 第一五条 外国法は、次に掲げるときは、適用されない。 ω 裁判官がメキシコ法の基本原則の回避の詐欺的意思を決定しなければならない意図的な回避が行なわれたとき、お よび、 ⑧ 外国法の規定またはその適用の結果が、メキシコの公の秩序の基本的な原則または法規に反するとき 第二九条 自然人の住所とは、その者が平常居住する場所をいい、それがないときは、その者の事業の主要な拠点の場所をいい、 それがないときは、その者が単に居住する場所をいい、また、それがないときは、その者が存在する場所をいう。 人がいずれかの場所において六カ月以上にわたって滞在するときは、その者はその場所において平常居住するものと見 倣される。 第三〇条 自然人の法定住所は、その者が、法律がその者にその権利の行使およびその義務の履行のためにその居所を定めた場所 に実際には居なくとも、その場所とする。 第=二条 75メキシコ国際私法の改正とその特質について 次に掲げるものが法定住所と見倣される。 ① 親権解除されない年齢の未成年者については、その者がその親権に従う者の住所 ③ 親権のもとにおかれない年齢の未成年者および行為無能力な成年者については、その後見人の住所 ㈹ 遺棄された未成年者または行為無能力者の場合においては、第二九条において定められた状況に従って得られる住 所 ㈲ 夫婦については、夫婦のそれぞれの第二九条において定められた方法によってその住所を決定する権利を侵害する ことなく、それらの者がそこにおいて一緒に生活する住所 ⑤ 現役の軍人については、その者が配属されている場所 ⑥ 公務員については、その者が六カ月以上にわたってその職務を遂行する場所 ω 外交官については、局地的に締結された義務に関する場合を除き、その者が接受国の領域において有した最後の住 所 ⑧ 一時的に内国に居住する者であって、その者の政府または国際機関の任務または労務の履行中の者については、局 地的に締結された義務に関する場合を除き、その者を任命した国の住所、または、その者がそれぞれ前記の任命の前 に有した住所 ⑨ 六カ月以上にわたって自由を剥奪する刑罰を受けるべき判決を下された者については、有罪判決後の法律関係に関 し、刑罰を消滅させる市町村。但し、判決前の関係については、判決を下された者はその者が有した最後の住所を保
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持する。 第三二条 人が二個またはそれ以上の住所を有するときは、その者は、その者が単に居住する場所に住所を有するものと見倣され、 また、その者がいくつかの場所において生活するときは、その者が存在するそれが住所と見倣される。 第六章 私権上の外国法人 第二七三六条 私権上の外国法人の存在、権利および義務の主体となるための能力、機能、変更、消滅、清算ならびに合併は、その設 立の法、すなわち、上記の者の創設のために要求された方式上および実質上の要件が満たされる国のそれによって規律さ れる。 いかなる場合においても、外国法人の能力の承認は、それが準拠して設立された法がそれに授ける能力を超えない。 いずれかの私権上の外国法人がいずれかの代表者を介して行為を行なうときは、かような代表者またはその者に代わる 者は、問題の行為のために上記の者に対して企てられる請求および訴訟に応えるための権限を授けられているものと見倣 される。 第二七三七条 ︵省略︶ 77メキシコ国際私法の改正とその特質について 第二七三八条 外務省による許可が与えられたときは、 私権上の外国法人の定款は、登録簿に記載される。 民法典の改正に関する一九八七年一二月一一目法規命令第二条 次に掲げる文言の通り、連邦区民法典の共通事項および全共和国民法典の連邦事項第二五条への第七項および第二八条 の二が加えられる。 第二五条 ︵省略︶ 第二八条の二 私権上の外国法人であって、他の法律によって規律されないものは、それが準拠法規および外務省の事前の許可を満た しているときにのみ、共和国の領域において設立されることができる。