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の隆起のみで,直腸粘膜の変化を伴わなかった.この
腫瘤に対し,TRUS下に針生検を行い平滑筋腫と診
断.手術は経肛門的局所切除術を施行した.摘出標本
は2×2.3×1.1cmの表面平滑な充実性腫瘤で,病理学
的所見はmitosisの少ない,固有筋層原発のhyper ceL
lular leiomyomaであった.
2.巨大腹壁膿瘍で発症した横行結腸癌の1例
(第二外科) 曽我直弘
腹壁膿瘍を形成する結腸癌は比較的稀なものであ
る.今回我々は腹壁膿瘍で発症した横行結腸癌の1例
を経験したので報告する.症例は31歳の男性.主訴は
発赤野洲を伴う左側腹部の腫瘤およびるい痩,イレウ
ス症状もあり,腹部X−P,Echoにて横行結腸腫瘍とそ
れに伴う腹壁膿瘍と診断した.まず膿瘍に対し切開排
膿を施行した.イレウス症状が増悪したため入院後3
日目に上行結腸に人工肛門を造設した.全身状態の改
善および精査後,二期的に手術を行った.開腹所見で
は,巨大な腫瘍が横行結腸左側に存在し,広汎に腹膜
に癒着し腹壁を穿通,皮下膿瘍を形成,また後腹膜左
腎前面にも強固に浸潤癒着を認めた.左半結腸切除術
を施行.摘出標本では3型の結腸癌であり,病理組織
診断は高分化腺癌であった.またリンパ節転移はなく,
周囲組織への浸潤とみられた部位は炎症性の変化のみ
であり癌細胞は認められなかった.
3.広汎なリンパ節転移に対し術前FEP療法が著
効を示した進行胃癌の1例
(第二外科) 平井栄一
我々は,広汎なリンパ節転移を伴う胃癌に対し化学
療法が著効を示した症例を経験したので報告する.
症例は67歳男性.胃潰瘍経過観察中,某医にて体中
下部後壁にIIC類似進行胃癌を指摘され当科紹介と
なった.当科にてリンパ節の広汎な腫脹を認め,鼠径
部リンパ節生検を施行した.その結果はpleomorphic
carcinomaで胃癌の転移と最終診断した.画像診断
上,胃,胃周囲リンパ節と腹部大動脈周囲リンパ節と
が一塊となっているため切除不能と判断し,FEP療法
(5−Fu 500mg×5, EPIR 45mg, CDDP 100mg)を3
クール施行したところ,リンパ節の腫脹は著明に縮小
し,手術可能となった.手術時所見でも大動脈周囲の
リンパ節の腫脹を認めなかった.
4.単純乳房切断術を必要とした巨大乳腺嚢胞内乳
頭腫の1例
(第二外科) 諸井隆一
最近我々は,良性腫瘍として極めて稀な巨大乳腺嚢
一949
胞内乳頭腫の1例を経験した.症例は44歳女性.約5
年前より右乳房腫瘤に気づくも放置.その後徐々に増
大し,菲薄した皮膚からの滲出液も認められるように
なり来院.ほぼ乳房全体に境界明瞭で皮膚の変色,乳
頭の変形を伴った10×8、5cmの腫瘤を認めた.マンモ
グラフィーでは,右乳房全体を占める辺縁平滑な腫瘤
陰影を認め,エコー所見では右乳房に嚢胞と乳頭状充
実性の部分が混在した腫瘤を認めた.嚢胞内の穿刺細
胞診はclass IIIであった.腫瘍マーカーはCA15−3が
47ng/mlと上昇していた.1992年11月2日全麻下に手
術を施行.術中迅速病理診断にて悪性像が見られず,
単純乳房切断術を行った.術後の組織学的検索では,
乳腺嚢胞内乳頭腫であった.以上,若干の文献的考察
を加え,報告する.
5.術後急激に遠隔転移をきたした膣平滑筋肉腫の
1例
(第二外科) 矢野美弥
膣原発悪性腫瘍は稀で,全婦人科悪性腫瘍の1%,
そのうち膣平滑筋肉腫は2%以下である.今回我々は
膣原発平滑筋肉腫の1例を経験したので報告する.症
例は39歳未婚女性.1992年6月1日当院婦人科より膣
後壁腫瘤と直腸との関連を調べるため当科紹介受診.
内診,直腸診,超音波,CT, MRI,で膣平滑筋腫と診
断され当科にて膣部分切除,腹式単純子宮切除術,左
側付属器切除術を施行.術中所見で膣後壁,直腸前面
漿膜に潰瘍形成を伴う小腫瘤を認めた.病理の結果,
膣平滑筋肉腫,断端陽性で2週間後に膣後壁切除,腹
会陰式直腸切断術を施行.術後約2カ月で全身倦怠感
出現.エコーで肝,腹部リンパ節転移を認め,外来通
院中黄疸が出現し,11月4日再入院.約1カ月の入院
期問中に肝,肺,膵,腹部リンパ節と広範囲に巨大な
転移巣を形成した.
6.当センターにおける1)OA患者の実態
(救命救急センター) 久保田英
1987年!月より1992年12月までの6年間に当セン
ターで収容したDOA患者は1,267例であった.患者内
容では,内因性876例,外因性308例となる.入浴中症
例または乳幼児例は内外因の区別がつきにくく独立の
群としたが,前者は61例,後者は22例となる.内因性
DOAについては心臓発作と脳疾患が2大疾患であ
り,外因性DOAでは交通事故と高位よりの飛び降り
が2大原因である.症例の年度別推移では内因性
DOAは65∼76%,外因性DOAは17∼29%,その他6
∼9%で,内因性DOAの増加と外因性DOAの減少