58 尚 子 d会h :z:;;: ( 東 女 医 大 誌 第55巻 第9号1 頁 888-899 昭和60年9月j
東京女子医科大学学会
第
263
回例会
日 時 昭 和
6
0
年
6
月
1
3
日(木〉午後
1
時より
会 場 東 京 女 子 医 科 大 学 中 央 校 舎 一 階 会 議 室
1.細小血管症の急速な進展を示したMODY症例 の一家系 (糖尿病センター〉0
三 谷 直 子 ・ 平 田 幸 正 若年者に発症する糖尿病には,いわゆる若年型糖尿 病ム若年に発症する成人型糖尿病があると理解され ている.後者に関しては, 1975年, Tatter sallと Fajansがmaturity onset type diabetes of young people(以下MODYと略す〉とL、う概念を提唱した. その特徴は25歳未満で発症し,少くとも2年間はイン スリンを使用する事なくコントロール可能で,同胞の 半数に糖尿病を認め 3代に渡る優性遺伝を有すると い う 点 で あ る . 今 日 ま で 欧 米 で 報 告 さ れ て き た MODYは比較的進行しにくく,細小血管症の合併の 少い例が多いが,今回我々は, MODYと考えられる症 例で, しかも進行の早い高度の紹小血管症を合併する 一家系を有するものを経験したのでここに報告する. 発端者は女性で, 11歳で糖尿病を発見され 9年聞は 食事療法のみでコントロールされていたが,その後尿 中ケトン体陽性であった事からインスリン療法を開始 され,現在30歳である.増殖性網膜症と腎症を有して いる.発端者より 2代さかのぼ、って糖尿病の優性遺伝 を有し,一家系9名中5名が糖尿病である.そのうち 4名に増殖性網膜症が合併しており,さらにうち 3名 は腎症を有し, うち1名は現在血液透析中である.ま た腎症に関しては,糖尿病発見後発端者は15年,発端 者の妹は11年後に腎症の合併が認められており,細小 血管症を高度に合併するだけでなく,その進行も早い 点が特徴であると考えられる. 2.至誠会第二病院における糖尿病専門内科開設2 年間の状況 (糖尿病センター〉0
本田 正志・高橋千恵子・木村敬子・ 江 口 洋 子 ・ 清 水 明 実 ・ 滝 川 倫・ 平 田 幸 正 目的-高齢化社会をむかえ,成人病における糖尿病 が重要視され,全国250万人の糖尿病と云われる時代と なった.近年,擢病期間の長い糖尿病患者の増加に伴 L 、,重症合併症をもっ糖尿病患者がふえ,一般内科外 来や開業医での治療困難な糖尿病症例や,内科以外の 他科の治療を必要とする症例が増加してきた.このた め総合病院において糖尿病専門内科を設けて管理する ことは,患者の側にも医療の側にも非常に有益なこと と思われる.私共は至誠会第二病院において昭和57年 10月より糖尿病専門内科を開設したので,その2年間 の状況を報告する. 対象および方法 対象は昭和57年10月より昭和59年 9月までの2年間に至誠会第二病院専門内科を受診し た患者703名であり,その臨床像を検討した. 成績:対象とした703名中男性278名,女性425名,平 均年齢は男性55.7歳,女性49.8歳であった.また対象 者703名は,糖尿病455名Impairedglucose tolerance 108名,肥満者24名,妊娠中に尿糖が発見され妊娠性腎 性糖尿と判明した者69名,尿糖陽性,眼底出血,巨大 児分娩等のため精査施行し非糖尿病と診断された者45 名,低血糖症状を主訴として受診した者2名であった. このうち2年間に糖尿病専門内科へ入院加療した者は のべ290名であった.455名の糖尿病の治療はインスリ ン140名,経口剤138名,食事療法のみ177名であった. Scott IIIa以上の重症糖尿病性網膜症を認めた者84名 であった.対象者の大部分は紹介されて初診しており, 至誠会第二病院の内科以外の他科よりの紹介者238名, 女子医大病院86名,一般開業の他医よりの紹介者74名 であった.対象者の居住地域は病院の所在地近隣の世 田谷区および調布市よりの受診者は453名,それ以外の 地域よりの受診者が250名であった. 結論:総合病院における糖尿病専門内科設立の重要 性が認められた.3
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ある老人性痴呆患者の診療経験 〔神経精神科)0
戸田 麻 里 ・ 吉 増 克 賓 -888痴呆に伴う盲想と暴力行為のため家庭看護の困難を 来たし,当科へ入院して来た老人性痴呆患者が痴呆の 進行とともに盲想が消失・家庭看護可能となって退院 した.症例jを呈示し,病態変化の精神病理学的構造と 医療土の意味について考察する. 患者は明治