痘毒は帥維を経て脚こ達するや
東京女子轡學気門學校細菌減塩室(指導 小 山 コ ヤセ (受附 昭和16年ユ0、月6目) (本稿の大要は昭和13年4月第12回聯合微生物學會に於て報告せり。) ZISL野憲正博士)千
世代
ヨ 緒 書ユ923年Levaditi, et Nicolauが痘毒も亦1‘Ectodermoses Neurotr。p”なりと主張して以來,特 に下県痘苗が他の紳経親和性病毒に於けるが如く同調維組織に糊し特殊の親和性を有するや否かに
就て・多く珊究者に依磯多の實験的研多重が企てられたり・篤し虻田漁膜,諦繊は圃空
内.郎ち臓以外の局所に痘苗叉は脳痘苗を接種して,實際に麟炎又は臓榊経系統の組織學的攣化を 起し得たる者は甚だ少し。坐骨耐経又は上灘耐経叢等に脳痘苗を注射する時は,何れの研究者も即 知縫中に病毒の存在する事を認めたるも,謄磐越症状又継歯神経組織の病理學引攣化を惹起せしめ 得すと報告せ’り。以下諸家の試験成績の大要を述べん。 Pettは“Neurolapine Virqs”を家兎の末梢紳経に注射せるに,ヴィt一一ルスは此接種紳維に添っ て上行し,中幅紳経に:到達し,此塵にMyeliris或はEncephalitisを惹起せしめ得べしと結論せ )i。其後LevaditiはN.. icolaUと共に家兎の坐骨紳維に痘毒を注射し,接早事16日目に肇死せる 家兎の脊髄に此病毒の含有せらるる事を認め,次の如き詮を樹てたり。自隊兎の末梢紳経に:注射せ るt‘N eurovac6ine V{rus,,は末梢lill維一脊髄榊経節一脊髄祠[経三一脊蹟一延髄を経て簾樋に到達 するものならんと。Lukscheも信越詮を肯定せり。1928年Demmeは中櫃テlrl{経系統に樹する “Vaccine Virus”の關係た就き實験的研究を行ひ,1.t’vaditiと同じく坐骨示Fl経に注射する時は比 較的屡々帥ち實瞼動物の50%に於て臓腿にヴィーールスの存在を認めたるも,末楕耐経並に脊髄に 於ては,組織學的攣化を認めす,痘毒は‘‘ Neurovaccine Virus”の場合にも生艦内に於ては末梢 榊経に添って中橿紳経に傳達するものにあらすして,むしろ血行叉は淋巴を介し傳播せらるものな りと解繹するを適當なりと唱へ,Levaditiの詮を反駁せり。越えて/929年Douglag,,Smith,:Price も亦坐骨紳経に,1932年にはEcksteinは・上博紳経叢中に,夫々ヴィールスを注射し,痘毒は臓中 に:誰明し得らるるも朕炎又は脹婦巾維の攣化を惹起せしめ得すと構せり。 元來痘毒は感染部位の如何に拘らす,何れも並沖に:、出現する事は從來の諸研多ごに依って確定せら れたる事實なPl。由って謄紳経組織に攣化を惹起せしめすして,輩に微量の痘毒が脚中経組織に誰404
明せられ冷る場合にそれが朕紳経組織との特殊の親和性に基くものならば・少くとも脳榊経組織に’ 存在する痘毒の量は血中に於けるそれを凌駕せざるべからす。余はか瓦る見解の下に本研究を行ひ たり。 二 二 感染材料 家兎睾丸を累代通過せる睾丸痘毒,牛痘苗(市販めもの)及マウスの脳を2]代通過し更に家兎 の噛を5代通過せる所謂,ノ・fロワクチンヴィールスを本研究に用ひたり。 接種動物 膿重凡そ25009内外の白色の健常家兎の雄のみを選び使用せ蛇 機運1.家兎睾丸通過苗を以てせる實瞼 睾丸通過病毒を家兎睾丸に接種後5∼6日目に,之を無菌的に捌出し,孚L鉢にて滅菌せる砂を加 へてよく磨墨し,之に約5∼10倍:量の50%グリセリン食鞭水を加へて乳剤とし,3000廻韓にて 5分閥遠心沈澱し,後氷室内に約1ケ月以上保存せるものを原蕾とせり。斯くして清澄となりたる 上清液津スピッツグラスに探り,再び3000暴政にて5分期遠心分離し・更1(:此上漕液を50倍よ り100倍迄に稀疎し其O.03 c.c.を坐骨紳経に近き部分の腓骨淋懸軍に接種せり。 接種方法 下肢の接種部位の皮膚を豫め硫化バリウム及亜鉛華を等量に加へ泥朕とせる脱毛剤を以て脱毛 し,後,局所癖醇を行ふ事なく實験動物を固定毒に緊縛して皮膚を切開しe局部の静脈を結紮し腓 骨岸壁を露出せしめ,図る後神経の爾端を細きピンセヅトを以て導く:支持し,周園を乾燥せる滅菌 晩脂絡にて被ひ,注射液が可及的神経外に漏出せざる檬充分注意しつつ・1/i,注射針を以て乳剤の 約0.0:3・o.c.を注射せり。 實瞼成績 接腫Elより2週間に亘り観察せるも,全経過中全く無症候に経過せり。依って注射後14日目に 之等家兎を全探lilNcよつて廃死せしめ,局部皮膚を切開し,注与廟経部位を親察せるに輕度の腫膿 及獲赤を認めたる1も,其周園の筋肉並に諸組織には何等肉眼的に異常を認めざりき。. 次に此の家兎の臓髄を無菌的に摘出し,生理的秘図水を以て虻田洗寒したる後・其1・09に封し 0.85%生理的食蠣水10 c・aを加へ,孚L鉢内にてよく磨推し謄乳剤を作り,このO.F) e.c.を別に選び たる正常家兎の睾丸内に注射し,其獲症の有無により脳内にヴ。一ルスの存在するや否やを鹸せり。 其結果は2週闇観察せるも何れの家兎も睾丸の攣化を示さす,師ち此の實験に於ては末梢淋経よ 1)注射せられたヴィールスは謄髄に移行せざる事明らかとなりたり。 此實瞼家兎の一部は腓骨神経に注射せる後・5∼6日を経て稜赤1腫脹せる局所の祠醗及局所よ妙 遠ざかり何等病塗を認めざる坐骨榊経の一部を摘出し・叉心臓より』部}isditを行ひ,後・全採■血tの 下に家兎を敏血致死せしめ,旅で其臓髄を摘出し次の如き實験を行ひたり。心臓より一部採」血を行ひたる血液はよ,く之を振題し脱繊維せしめたる後,之を稀擁する事なくそ のまxo.5 c.qを他の家兎の睾丸内に歯種し・坐骨示申経は之を約・10倍の食味水孚L剤とな9・その 0.5 c.c.を,臓髄はその1.09に如し10 e.c・のO.85画面鞭水を加へよく磨派し生唾1となし,その 0.5 c.e,を夫々他の家兎の睾丸に注射せり。 之等3種目乳剤を注射せる家兎は何れも睾丸に於て病症を認めす,印ち1血中にも又坐骨紳経及臓 髄にもヴィールスは謹明せられざりき。 實験2.睾丸痘毒の腓骨笹葺通過ヴィールスを以てせる實験 前實験に斯て摘出せる腓骨帥経を磨墨し,10倍の爆睡水を加へて孚L剤とし,其の0・03c島を新に 選びし家兎の腓骨紳経に注射せり。斯くして腓骨紳経より腓骨寒食へ累代通過を行ふ事5代に亘り 各代毎に3頭寛の家兎を軍研同マ章験を3同繰返し行ひたるも,血中には勿論局暫より図りたる坐 骨神経並に遙か遠ざかりたる謄髄中に於ても痘毒を誰明する事能はざbき。 實験3.牛痘苗を以ての實験 之には北研製牛痘苗を用ひたり。 接種方法は全く前と同様なるも只此場合はアンプーレ中の痘苗を生理的食歴水にて20倍に稀繹 し,その0.03 daを注射量とせり。接種後の観察並にヴ。一ルスの誰明法も全.く耳金1と同一なる を以て省略す。 県単成績 IfiL行中忙は勿論,坐骨紳経及隅髄中にもヴィールスの存在を認むること能はざりき。 實験4.マウス及家兎の彊を累代通過せるノイ.Pワクチンを以ての實験 この注射材料はマウスの謄を21代通遣し,更に家兎の謄を5代通過せるものなり。 接種方法 前と全く同一なPl。 實験成績 此鶴舞に於ては前,3昏倒と全く異る成績を得たり。ノイ・ワクチンを接種せる場合に於ても紳 経症状は勿論,一般歌態にも何等馴化を認めざりし事は前珍品≧叩く同様にして,又ノイロワクチ ンを腓骨紳経より腓骨赫経へ通過する事4代までは謄髄に病毒の移行を誰明せす。然るに5代目の 病毒を露骨紳経に接種後6日目に礪髄を捌出しダ10倍の食葉水乳剤を作り,健常家兎睾丸の一側に 注射せるに,接腫後7日目に至り睾丸は他側区界側に比し暴露を殆んど認めざる輕度め腫脹を示せ り。この睾丸を無菌的に捌出して10倍食盛水乳剤を作り・再び他の家兎睾:丸丙にO・5 c.o.宛注射せ るに,6日目に至り腫脹,硬結豊隆度の稜赤を件ふ痘毒に依る病的塗化を示せり。 斯の如く脳髄中に痘毒を誰明せるは實験家兎6頭中1頭のみなり。更に9代に至る迄榊経より紳 経へと糧績通過を行ひたるに,表に示すが如く6代目に於ては7頭中2頭,7代目に於ては8頭中 一1頭,8代目には6頭中1頭,9代目に至り7頭中1頭宛夫々謄語中にヴィーールスの含有せらるる 事を確め得たり。又何等肉眼砂面化を認めざる坐骨紳経に隔ても,之を充分磨臼し0.85%食噛水
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にて5倍の稀繹乳剤を作り,其の0・5ec.を他の家兎睾丸に注射せるに,輕度なるも明かに痘毒に依 る攣化を認めたり。勿論礪髄帆出前に全探通せる催し難中 va・ ヘ痘毒は謎明せられざりき。謄髄に痘毒を謹明せる家兎の實験成績
\\響撫
髄鞘
血 巴液 坐 骨 紳 経 謄 髄 5 代 1 6 十+ i
6 代 2 7 十 十 7 代 1 −8一 十 十 8 代 9 代 1 6 7L
十 十 十 十 謎.陰性家兎に於ては血液,坐骨赫輕及踏髄のそれに於ても病毒を謹明せず。 考 余の實験によれば牛痘毒及・睾丸痘毒を家兎の腓骨紳経に接種するも『,血中に病毒の誰明せられざ る限り病毒を謄髄に誰明すること能はす。同一病毒をして歯骨神経を数同通過したるもの或は又マ ウス及家兎の臓を激代通過せしめたるノイ・ワクチンを接種するも同様なpl。然るにノイpワクチ ンをして更に数代腓骨神経に接種通過せしめたる病毒を腓骨紳経に接種する時は血中に痘毒を謹明 せざるにも拘らす往々坐骨神経及臓髄に病毒の存在を誰明す。 前述の如く諸家の研究によれば軍に脳を通過せるノイPtワクチンを末梢神経に接種すればその病 毒は淋経を経て謄に到達すと云ふも,余の實瞼に撃てはノイロワクチンをして實に末梢淋経を通過 せしめて初めて病毒が脚⊂達することを誰明し得たり。この黒里余の實瞼成績は諸家の成績に一致せ す。 牛痘毒或は睾丸痘毒をして末梢神維を通過せしむるも容易に帥経親和性を獲得せざるものの如 く,然るに脹を通過して中尊神経系統親和性を獲得せる病毒は,實に末梢日経を通過することによ って末梢神経親和性となるもの.X如し。かXる病毒を末梢紳経に接種せ’る場合に往々病毒が脳髄に 誰明せらるNは血中に病毒が澄明せられざるを以ておそらく病毒が耐経系統を維て臓に達せるもの と考へらる。 實験5.痘毒を誰明せる家兎脳髄の組織墨的槍索 前述の陽性家卑の大臓實質中に於ける組織學出逢化を楡回せんと欲しEosin−H註matoxylin染色法 に依り槍査せるも何ら正常家兎と異りたる成績を得る事能はざりき。 實験6.ノイvワクチンを以ての皮内接種二丁 腓骨紳経を8代通過せ・るノイ・ワクチンを0・85%生理的食二水を以てエムルヂオンとし100倍 に離しその. O・i 1至O・05・cc.齢頭の家兎の足嚥下に注射せり・接種後5∼6日目鴫部に 獲赤,腫脹,硬結を認めたるを以て之を前の實験と同様に塵藻し,其臓髄を無菌的に拠出し・生理的食鰹水を以て10倍の稀繹乳齊1を作り,このO.5 c.aを正常家兎の睾丸6爾側tzi注射せるも観察期 聞中何れも痘毒に依る攣化を認むること能はざりき。故に腓骨帥経を数代通過せるノEロワクチン も,直接帥経に注射せざれば,その病毒が紳経を経て謄髄に到達することは不可能と考へらる。 結 論 (1)家兎睾丸通過痘苗及牛痘苗を家兎の末梢紳経に接種せる場合に,血液申にヴィールスの存 在せざる時は臓髄中にもヴィールスの存在を認むる事能はす。 (.2) マウス及家兎脳を累代通過せるノイ・ワクチンをして更に家兎の腓骨神経を数代通過せし め,ζれを腓骨榊経に注射する時は,病毒は血中には誰明塗られざりしにも拘らす,往々坐骨紳維 及謄髄に誰明することを得たり。然れども営門に組織學的純化を誰明すること能はざりき。 (3)上記と同様のノ■ロワクチンを皮下に接種せる場合には脳髄中にヴィールスの存在を認め づ㌔ 欄筆に臨み御懇篤なる御指導御校閲を辱うせる準野憲正博士に謹んで深謝す。 孟 要 丈 鰍 1)井口昌雄=細菌學・,第5QO號,675頁,昭和12年. 2) 井口昌雄:浮田菌學., 第 505 號,206 頁, 曜日i目 13 年.
も3) :[.evaditi, e, el聾ieolau, S.:Ann. de I,mst..Pasteur♪37、1,1923. 4) Ber琶er, E。:Centr. Bakt,,1, Abt。, Origり 110,評128,1929。
5) 翼i1隻ervi盃,$. W. Schmerli駐g, A.:Centr. Bakt.,1。 AbtりOrig,,99,558,1926. 6).W dG hard, B.:Scweiz. med. Woch., S.854,. P926.
7).欝lnkltr,暫.]ぼ.:Arch。 f. Hyg.,98,241∫.1927. 8)Pe雛,亘.=MU。ch. med。 Woch., S.207,1928,
9) 工双ksch, F.:Zb1. f. Bakt., Abt.1,0rig.9㍉309,1925. 10) Mn激soh, F.:ZbL f.・Bakt,, Abt.1. Orig.103,227,1927.
11):Demme,麗.:Z, lmmモmit三ttsf・rschり55,191,1928.
12):Douglas, S. R., Smith, W. a..pr三ce, L. R W.1. p4th. and Bakt., ’32,99,1929. 13)EC「ミSもe慮, A. l Z. Hyg. u. Infektiun,skrankh.,113.,371,1932.
14) L3v.磁猛,〔}. e㌻賢icolau, S.=Compt. rend. Soc. bio】,94, l14,1926.
15),,m・V・・liti・e・・X・pin・・P・・t S・h・r・n, R・IC・「・Soc・ Bi・L,107・802・1931・・ 16) Le▽ad」i乞i, C..et Haber,]P.:Compt. reDd. Soc−bioL,119,21,1935・