84 主に血液について, FPA, APBβを測定した. (3)くも膜下出血群:26例について,経時的に,髄 液及び血液中のFPA,FPBβを測定した.CTから得 られた血腫量や,脳血管李縮と, FPA, FPBβとの相 闘を調べた. 結 果 虚血性疾患では,発症後1週以内は,凝固線溶系と も克進し,その後は,正常の値に近づくことが認めら れた.これは,他の部位の血栓性疾患とおおよそ似た 傾向を示していた.くも膜下出血では,同様に,凝回・ 線溶系ともに允進していたが,発症後2週間は,その ような状態が持続した.とくに,従来指摘されなかっ た,くも膜下腔での凝固能の著しい充進が認められた. CTから得られた血種量とFPA,FPBβの値は,相関 する傾向が認められた.脳血管李縮の認められたもの では,有意では無かったが,髄液中のFPAが上昇する 傾向が認められた. 結 論 脳血管障害において,髄液中及び血中の,凝固・線 溶能を調べた. くも膜下出血では,髄液中の凝固能の 尤進を,初めて証明した. 9.脳梁欠損を伴ったMedianCleft Face症 候 群 のl症 例 (神経内科〉
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望 月 慶 子 ・ 太 田 宏 平 ・ 小 森 隆 司 ・ 小 林 逸 郎 ・ 竹 宮 敏 子 ・ 丸 山 勝 一 Median Cleft Face症候群〔以下M-C-Fsyndrome) は①hypertelorism,②V-shepedfrontal hairline,③ occult bifid skull,④telecanthus,⑤cleft nose,⑥ Cleft of the upperlip,⑦cl巴ftpaleteのうちの2つ以 上を満たすものをいう.原因は,胎生期における発生 異常としての癒合不全であるとされている.従来比較 的まれと考えられていたが,最近当科でl症例を経験 したので報告する.症例は, 24歳男性,満期安産,既 往歴,家族歴に特記すべきものはない.生来健康で, 知能,言語等に問題はなく,普通高校を卒業し庖員と して働いていたが,今回頭痛を主訴として当科受診入 院となった.CSFでは,細胞増多を認め,髄膜炎と診 断した.頭部CTでは,脳梁欠損像が認められた.神 経学的には, disconnection syndromeなどの脳梁欠損 によると思われる所見は認められなかった.両側性に 軽度の外斜視がある以外,運動系,知覚系の異常や小 脳症状は,認めなかった.MRIで、は,全脳梁欠損の像 を呈し, skullX-Pでは, hypertelorismとbasilar impressionが認められた.脳動脈撮影では,脳梁欠損 に一致する前大脳動脈の走行異常, carotid syphonの 聞大がみられた.一般検査では,異常はなく,免疫検 査,染色体検査では,正常で,内分泌系では, LH-RH 負荷, insulin tolerance testに異常はなかったが, TRH負荷にて, PRLの過剰反応傾向があった.神経 生理学的検査では,脳波, ABR,SEP,は正常で, pat -tern VEPでPIOOの遅延があった. 結 論 本症は, hypertelorism, telecanthusがあり,脳梁欠 損,視床下部下垂体系の異常を伴ったMCF-syndrome と診断した.髄膜炎は,偶然の合併であった. 質問 (内科3) 大 森 安 恵 大変面白い症例である.hyperploractinemiaがあっ たようであるが,その反映をうけた身体的変化,機能 異常は何かなかったか. 追加 (脳外科〉 最 近 はCTの 普 及 に よ り 偶 然congenitalな異常が 発 見 さ れ た と の 報 告 が 多 い . こ の 症 例 も た ま た ま meningitisの検査のために発見されたわけで、ある. 10.重症大動脈弁狭窄症における新しい左室圧測定 法 (心研外科)0
中 田 誠 介 (理論外科〉菅原基晃 重症大動脈弁狭窄症では,カテーテル(以下,カテ〉 を左心室に挿入するのが困難な例は,めずらくはない. しかし術前の血行動態を正しく把握し,心機能の評価 と外科治療の適応決定には,左室圧及び大動脈弁圧較 差を知ることが,最少必要条件となる.そこで我々は, 流体力学の原理に基づき,左室にカテを挿入すること なく,大動脈弁狭窄下流(大動脈側〉より左室圧及び 大動脈弁圧較差を測定する方法を考察し,動物実験に より臨床応用の可能性を検討したので報告する. 方法 15kgから20kg雑種成犬5頭のうち3頭は左第 4肋 間より左開胸し,左心耳より僧帽弁を介してMillarカ テ先圧トランスジューサを左室に挿入し左室圧を,右 総頚動脈より15Gage金属カニューレを上行大動脈に 進め大動脈圧を測定した.また大腿動脈にも15Gage 金属カニューレを挿入し,総圧をモニターした.左右 冠動脈の直上で上行大動脈外周に針金を通し,左室圧 をモニターしながら,左室圧と上行大動脈圧が一致す る の を 確 認 し た 後 , コ ン ト ロ ー ル 左 室 圧 よ り 約50 mmHg前後左室圧が上昇する程度の狭窄を,針金を絞 84-犯することにより作成した. レントゲン透視下で,上 行 大 動 脈 圧 測 定 用 カ ニ ュ ー レ の 先 端 を 狭 窄 下 流 の ジェット縮流部付近に位置させ,そこにおける総圧を 測定し,左室圧及び大腿動脈圧との圧較差を検討した. 残り 2頭は,右大腿動脈に15Gage金属カニューレ を挿入し,左大腿動脈よりコーディス8Fカテーテルを 用い,実際に逆行性に狭窄下流ジェット縮流部付近の 総圧を測定し,同じ圧特性のカテで測定した左室圧と の圧較差を検討した.また,造影剤で狭窄部の形状及 びジェット流とカテ先端位置を確認した. 結 果 上行大動脈狭窄上流,狭窄部,狭窄下流縮流部付近 とも,収縮期最高圧には左室圧と比較して圧較差を認 めなかった.圧波形をみると,狭窄下流ジヱット縮流 部付近の総圧は,左室圧の駆出期圧波形とほぼ類似し て い る . 狭 窄 下 流 で は10mmから15mm程 度 距 離 が あってもジェット流内にカテ先端が位置すれば,左室 収縮期圧を正確に反映した.左大腿動脈より挿入した コーディス8Fカテで測定した圧波形,測定部位をスラ イドに示す.ジェット流のため,カテのぶれに起因す る庄波形の乱れを認めるが,収縮期最高圧は,左室圧 とほぼ等圧を得た. 考察 心血管系の中で計測される圧力には,静圧と総圧が あるが,弁狭窄症例での弁圧較差を論じる時は,総圧 の差を問題とするのが常である.総圧較差(以下,圧 較差とする〉が生ずるのは,狭窄部そのもので起こる のではなく,狭窄下流のジェット縮流部からジェット 流が血管壁に再付着する点までの聞に生ずる剥離に起 因する.そこで狭窄下流からでも,流れの剥離による 圧較差が生じる以前,つまりジェット縮流部付近の総 圧を正しく測定できれば,狭窄上流の圧をほぼ正確に 推定できることになる.我々は,大動脈弁を通過せず 左室の情報を得られる可能性があることを示した.本 法では,左室拡張期の情報は得られないが,左室にカ テを挿入することなく,また患者を過度に危険な状態 に陥らせることなく,左室収縮期の情報を大部分把握 できるので,臨床的に有用と思われる. 質問 (胸部外科〕長柄英男 大変興味深い研究だと思う.臨床的にOebの中心にカ テーテルの先端をもっていくテクニックを教えていた だき