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博 士 ( 医 学) 鈴 木 三 和子 学 位論 文 題 名 A novel A-kinase anchoring protein which interacts with heterotrimeicGprotein G alpha 13 in human heart・

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学) 鈴 木 三 和子

     学 位論 文 題 名

A novel A‑kinase anchoring protein which     interacts with heterotrimeicGprotein     G alpha 13 in human heart ・

(三量体G 蛋白質 G a13 と相互作用するヒト心臓の    新ししゝ  A‑kinase anchoring protein の研究)

学 位 論 文 内 容の 要 旨

  1990年 代にク ローニン グされ た三量体G蛋白 質Qサブユニ ツ卜のGa 13は、 ヒトのほ ぼ 全組織中 にそのmRNAが発現 している 。Ga13の機 能としてトロンボキサンA2やトロン ビン受容体と連関することによる凝固系への関与、Na十‑H゛アンチポーター活性の制御、線 維 芽細胞に対する高率なtransformation活性、JNK/SAPKの活性化、ブラジキニンによる 電位依存性Ca2゛チャンネルの抑制への関与などが報告されてきたが、直接に制御する遺伝 子は1998年までーっも報告されていなかった。

  Yeast twoーhybrid法にて、GQ13と共役する蛋白質をヒト胎児腎臓ライブラリーからク ロ ーニング した。 共役相手 は1990年代に入ってから発見された新しい蛋白質A−kinase anchoring proteins (AKAPs)のひと っで、 ウサギか らクロ ーニング されたA一kinase anchoring protein 120 (AKAP120) cDNAと高 い相同性 のあるcDNAであった。このcDNA に は約600塩基で 、AKAPsフ ァミリーに保存されているPKA調節サブユニツ卜への結合領 域 を認めたが、塩基配列検討の結果、停止コドンを認めなかったため、あるcDNAの断片 と考えられた。成人ヒト各種臓器(心臓、全脳、肺、肝臓、腎臓、胎盤、骨格筋、膵臓)mRNA を用いたノーザンブロッテイングでは、心臓において約650塩基に強いシングルソくンドが 認められた。ヒト心臓ファージライブラリーからポリAを含むほぼ全長と思われる独立し た クローンを5個単離したが、いずれもDNAシークエンシングにて停止コドンを認めず、

ポ リA以 外はヒ ト腎臓胎 児cDNAからクローニングしたcDNAと同一の塩基配列を示した。

更にカルボキシル末側のDNA配列を検索する目的で、3 ‑Rapid Amplification of cDNA Ends

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(3 ‑RACE)法を導入したが、新たなカルボキシル末側DNA配列も認めなかった。Expressed Sequence Tag (EST)プ ロジ ェ ク 卜に て 、 ヒ卜 甲 状 腺 癌ラ イ ブ ラリ ー か ら酷似し た 停止コドンを持つcDNAが登録されたが、同cDNAを入手してシークエンスしたところ、停 止コドンは認めなかった。複数の臓器から、同一cDNAがクローニングされていること、

哺乳 細胞のAKAP120と 高い相同性があること、AKAPの保存された領域を持っことから、

このcDNAがジャンクDNAである可能性は低いと考えられた。

  このcDNAが蛋白質として発現しうるか否かを検討する第一歩として、様々な遺伝子発 現調節について検討した。停止コドンを認めなぃ機序のひとっとして、ある種の翻訳調節 がおきている可能性があった。このcDNA゛のカルボキシル末側には、アデニンに富む配列 が認められたため、翻訳過程にslippage現象が起きている可能性が推測され、それが翻 訳の再コード化機構のーっであるribosomal frameshiftingを惹起していうかもしれない という仮説を立てた。この仮説を検索するために、相同組み換えを利用して塩基配列の変 異を検出できる方法として、酵母を用いてstop codon assayを導入した。その結果、約 23%の確率で翻訳の再コード化が起こり、新たに停止コドンが出現し翻訳が停止した。こ れより、このcDNAの発現過程において、mRNAレベルよりはむしろribosomal frameshifting による翻訳停止コドンの出現する可能性が高いと考えられた。しかしその部位に再現性が 低いこと、また確率から、複数の独立したcDNAのすべてに停止コドンが認められない機 序がribosomal frameshiftingだけであるとは考えにくかった。そのため、今回クローニ ングされたcDNAが、再現性を持って複数個発現するためには、更なる未知の機序があろ うと 推測さ れた。更 に、こ の新しいAKAPとGa13の相互作用は酵母内で証明されたもの であり、哺乳細胞を用いた実験は施行していない。しかしこのAKAPは、直接的な共役相 手が 殆ど判 明してい ないGa 13のヒト心臓における効果器である可能性があり、Ga13の 機能を解明するものとして興味深い。また、この2者間の新たな相互作用は、心臓におけ る情報伝達系の中でG a13とA―kinaseという今までに報告されていない新たな細胞内情 報伝達系のクロストークである可能性がある。

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学位論文審査の要旨

     学位論文題名

A novel A‑kinase anchoring protein which     interacts with heterotrimeicGprotein     G alpha 13 in human heart .

(三量体 G 蛋白質 G a13 と相互作用するヒト心臓の    新ししゝ A‑kinase anchoring protein の研究)

  細胞内情報伝達系のなかで重要な分子スイッチとして機能している三量体G蛋白質aサ ブ ユニットの中でもっとも新しく発見されたGQ 13は、そのmRNAはほぼ全身に発現して い るがその効果器は最近まで不明であった。本研究は当初、ヒトにおけるその効果器を検 索し、心臓における新たな細胞内情報伝達系を解明する目的で行われた。Yeast two−hybrid 法 にて得られた共役相手はA―kinase anchoring proteins 120と高い相同性のあるcDNA で 、ヒトノーザンブロッテイングでは、心臓においてのみ約650塩基に強い発現が認めら れたが、停止コドンは認めなかった。ヒト心臓ライブラリー再スクリーニングでは、約650 塩 基相当のポリAを含む複数のクローンを得たが停止コドンはなく、3 ‑RACE法でも同様 で あった。本研究途中に遺伝子バンクに停止コドンのない同様のクローンが登録されたた め 、くこのcDNAが全長を含み、転写・翻訳過程でのフレームシフトが起こり翻訳停止コ ド ンが出現する冫、という仮説を立てて、酵母を用いたstop codon assayを導入した。

そ の結果、この遺伝子はmRNAレベルよりはむしろribosomal frameshiftingが起こるこ と により翻訳が停止する可能性が示されたが、それだけでは説明っかない部分もあり未知 な る 機序 の関 与も 推察 され た。 現在 まで のと ころ 、停 止コ ド ンを 認め ない遺伝子が ribosomal frameshiftingによって翻訳停止するという報告はなく、この新しい遺伝子の 蛋 白質レベルでの発現確認が出来れば、新しい発現調節を報告するきわめて興味ある研究 と な る。 また 、AKAPとGQ13の相互作用は酵母において 認められたものであるが、ヒト と 酵母の情報伝達には共通点も多いことから、ヒト心臓における情報伝達系の中でG a13 とA−kinaseという今までに報告されていない新たな細胞内情報伝達系のクロストークで ある可能性がある。

  審査にあたって、主査北畠教授より、心臓における他のAKAPの報告、ライブラリース ク リーニングにおける全長cDNAクローニング効率、AKAPファミリー遺伝子のノックアウ ト モ デ ル の 可 能 性 、 今 後 の 臨 床 医 学 を 踏 ま え た 実験 計画 につ いて 質問 があ った 。

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顕明 也       秀哲 畠口 内 北川 守 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

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  副 査川口教 授から はGa 13とAKAPの相互作用の証明は十分か、臨床病態における今回 のクローンの予測される働き、心臓において今回のクローンが特殊な発現形態を示した必 然 性 と 必要 性 、 結果 の更に 踏み込 んだ検証 法の具体 的方法 について 質問が あった。

  副査守内教授は後日の口頭試問にてヒトノーザンブロッテイングの結果への疑問、停止 コドンのない遺伝子が蛋白に翻訳される可能性の有無、stop codon assayで得られた停 止コドンが出現するクローンはmRNAの何%にあたるか、今回のクローンのような報告の 有無、について質問があった。申請者はこれらに対しておおむね適切な回答を行った。

  審査員一同は本研究を新しい発現形態を持っ可能性のある心臓の遺伝子として、その意 義の解明に迫った研究として高く評価し、博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を 有するものと判定した。

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参照

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