平成 28年 2月 4日
学 位 論 文 の 審 査 要 旨
学位論文申請者氏名:
Boodsakorn Kongsomart論 文 題 目:
Novel utilization of biomass for activated carbon preparation and catalytic gasification(バイオマスを活用した新しい活性炭製造法及びガス化法の開発)
論文の概要及び判定理由
本論文では、バイオマスの新しい有効利用技術開発として、バイオマス灰分の活性炭製造の賦活 効果、褐炭/バイオマス共ガス化における反応速度促進効果が検討された。バイオマス中にはアル カリ金属、アルカリ土類金属が含まれているため、それらの無機物が賦活剤およびガス化触媒とし て作用することが期待できる。チーク材のおがくずにパームヤシ空果房(EFB: Empty Fruit Bunches)
および鶏糞から得られた灰分を混合して活性炭を製造したところ、得られた活性炭の比表面積は、
バイオマス灰分種類、混合割合、加熱温度、加熱雰囲気に影響されることが分かった。鶏糞灰を 50%
混合し、1000℃で 2%CO2/N2雰囲気で調製した活性炭の比表面積は 1094m2/g まで増加し、バイオマス 灰分を活用した活性炭製造が可能であることを明らかにした。また、バイオマス灰分が炭素質に相 互作用することが分かったことから、バイオマスと褐炭との共ガス化を行い、バイオマス灰分の触 媒効果を検討した。褐炭チャーのガス化速度はバイオマス灰を添加することによって著しく増加し た。パームヤシ空果房灰を豪州褐炭のロイヤング炭に混合(10wt%)して 700℃で CO2ガス化したと ころ、無触媒の場合では 15%のチャーガス化率が灰分混合炭では 80%まで増加した。
以上の通り、本論文ではバイオマス灰分が顕著な活性炭賦活効果および褐炭ガス化速度促進効果 を示すことを見出した。本技術は将来のエネルギー利用技術および炭素材料製造技術として極めて 重要であり、本研究によってバイオマスの高度利用法の重要な知見が得られた。
このため、本論文は博士(理工学)の学位に値するものと判定した。