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北海道農業研究センター 生産環境研究領域 病虫害グループ

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Academic year: 2021

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62

植物防疫 第

72

巻第

4

号(2018年)

農研機構 北海道農業研究センター 生産環境研究領域 病虫害グループ

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター(通称北農研)は北海道札幌市 に本所,同河西郡芽室町に研究拠点を置き,寒冷地にお ける大規模水田作,畑輪作,酪農,新品種開発,ICT 業等,北海道農業全般にかかわる多様な研究を行ってい る。本所は札幌市随一の観光名所である羊ヶ丘展望台に 隣接し,800 ha余りの広大な敷地には,春にはミズバ ショウやフクジュソウが咲き,夏にはホタルが舞い,キ タキツネやエゾシカが出没する等,豊かな自然環境下に ある。本所には水田作,酪農,生産環境,作物開発の

4

研究領域が設置され,北海道地域の病害虫研究を担う研 究単位として,生産環境研究領域に病虫害グループと線 虫害グループが置かれている。病虫害グループは病害担

3

名,虫害担当

3

名の研究員が,寒地畑作の基幹農作 物であるジャガイモ,テンサイ,小麦に発生する重要病 害虫(線虫除く)の発生生態や診断技術等にかかわる研 究を担当している。以下に当グループで実施している主 な研究内容について紹介する。

ジャガイモ黒あし病の発生要因解明と高度診断技術の 開発:ジャガイモ黒あし病は種いも伝染性の細菌病で, 塊茎が腐敗し,そこから生じた茎基部が黒変腐敗するこ

とから黒あし 病と呼ばれる

(図―1)。平成

26

年 に 本 病 が種いも生産 現場で発生し 大きな問題と な っ て 以 来,

我々のグルー

プの重要な研究テーマの一つとなっている。本病の病原 菌(以下黒あし病菌)はこれまで

Pectobacterium atrosep- ticum,P. carotovorum(血清学的に特異的な 1

系統)お

よび

Dickeya sp.

3

菌種と記載されてきたが,後二者を

それぞれ

P. wasabiae

および

D. dianthicola

と再同定する とともに,新菌種

P. carotovorum subsp. brasiliense

によ る黒あし病の発生を国内で初めて報告し,現在国内で発 生している黒あし病菌は

4

菌種であることを明らかにし た。また,ポリペクチン酸を炭素源とする液体培地を用 いる増菌培養とマルチプレックス

PCR

を組合せた黒あ し病菌

4

菌種の高感度診断技術を開発した。今後は,本 技術や現在取り組んでいる病原菌の可視化技術を活用し て,黒あし病菌の生態解明に取り組んでいく予定である。

ウイルス媒介アブラムシの生態および媒介実態の解明 と耕種的防除素材の探索:近年,北海道ではテンサイ西 部萎黄病の周期的多発,ジャガイモ

Y

ウイルス塊茎え そ系統(NTN)発生の増加等,アブラムシが媒介する ウイルスによる病害が問題となっている(図―2,3)。し かし,これらのウイルス媒介アブラムシ(図―4)の生態 および媒介実態については不明な部分も多く,効果的で 安定的な防除対策を策定するための妨げとなっている。

そこで,両ウイルス媒介アブラムシの媒介実態の精査と 未知媒介種の探索(図―5)

,各媒介種の媒介効率の検討,

各媒介種の季節変動の調査,冬期の作物非栽培期間にお ける媒介種の越冬状況調査等から病原ウイルスの伝染環 を明らかにすることで発生要因を解明することを目指し ている。また,テンサイ西部萎黄病については,育種分 野と連携して本病抵抗性品種の育成に向けた育種素材の 探索・品種開発も行っている。

(グループ長 中山尊登)

国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

北海道農業研究センター 生産環境研究領域 病虫害グループ 研 究 室 紹 介

062―8555 北海道札幌市豊平区羊ヶ丘1 TEL 011―857―9278

図−1 ジャガイモ黒あし病

図−3 ジャガイモYウイル ス(PVY)によるジ ャガイモモザイク病

図−2 テンサイ西部萎黄病

図−4 モモアカアブラムシ

(有翅虫)

図−5 アブラムシのトラップ調査

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植物防疫

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