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1 昭和学士会誌 第74巻 第1号〔1頁,2014

特  集 成人心臓血管外科手術における低侵襲治療

巻 頭 言

昭和大学医学部外科学講座(心臓血管外科学部門)

  青 木  淳

 最近,医療界では患者背景の高齢化や高リスク化 に伴い,様々な分野で低侵襲化が図られています.

成人心臓血管外科の分野では,手術自体の侵襲を軽 減するため,血管内治療が急速に発達しています.

大動脈疾患については,ステントグラフトという特 殊な人工血管を用いた治療が普及し,当大学でも積 極的に行っています.また,血管内治療の延長とし て,大動脈疾患のみならず,大動脈弁手術において も,カテーテルを用いた大動脈弁移植術が認可され ました.この治療を行うためには,固定型の血管造 影装置を備えた手術室であるハイブリッド手術室が 必須ですが,当大学でも導入される予定であり,今 まで大動脈弁置換術が不可能であった方々に対して も,治療を提供出来るようになると思われます.

 手術自体の侵襲を軽減することを目的とし虚血性 心疾患に対する人工心肺による体外循環を用いない 心拍動下冠動脈バイパス術も当大学では,ルーチン 手術となっています.手術内容は同一ですが,皮膚

切開を最小限にとどめる手術も,弁膜症手術におい て導入されつつあります.当大学では,大動脈弁置 換術を中心に,皮膚小切開による開心術を試みた時 期がありますが,小さく制限された術野で,従来の 手術と同様に安全かつ効果的な手術を担保できるか 否かについては,未だ不明です.手術自体の侵襲で はなく,良好な長期予後および良好な術後生活の質 を追求した僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術 は,重要な治療手段となっています.

 このような状況について,心臓血管外科医局員の 総力をあげて,胸部大動脈疾患および腹部大動脈疾 患に対するステントグラフトを用いた低侵襲治療,

僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁形成術,皮膚小切 開による大動脈弁置換術の意義,カテーテルによる 大動脈弁移植術,冠動脈バイパス術の現況について まとめました.現在の心臓血管外科領域における低 侵襲化の現況がまとめられた特集となったと思われ ます.是非,ご一読頂けると幸いです.

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