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試験装置の違いがベントナイトの膨潤圧に及ぼす影響の解釈

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Academic year: 2022

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(1)

試験装置の違いがベントナイトの膨潤圧に及ぼす影響の解釈

(財)電力中央研究所 フェロー会員 ○田中 幸久

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

0.5  0.7  0.9  1.1  1.3  1.5  1.7  1.9  2.1 

膨潤[MPa]

有効粘土密度[Mg/m3] 緩衝材基本特性データベースより 前田ほか⁵⁾

小峯・緒方¹⁰⁾

直井ほか¹⁴⁾

竹ケ原ほか¹⁵⁾

大橋ほか¹⁶⁾

田中・中村¹⁷⁾

小峯ほか¹⁸⁾

菅原ほか¹⁹⁾

工藤ほか¹²⁾

小峯ほか²⁰⁾

0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0

0.7 0.9 1.2 1.4

JNC関係式 2005 komine model

緩衝材基本特性データベースより 小峯・緒方10)

前田ほか5)

笹倉ほか24)

直井ほか25)

直井ほか14)

膨潤[MPa]

有効モンモリロナイト密度[Mg m-3]

(a) 有効粘土密度 (b) 有効モンモリロナイト密度 図 1 膨潤圧と有効粘土密度ならびに有効モンモリロナイト密度の関係1) 1.はじめに

放射性廃棄物処分施設の構成要 素の一つとして締固めたベントナ イト系材料を用いることが検討さ れている.ベントナイト系材料に求 められている特性のうち膨潤性は,

ほとんどの場合,室内試験により評 価されている.しかし,有効粘土密 度などの指標が同一でも,測定され た平衡膨潤圧にはばらつきがある ため,そのことが施設の性能評価に おける不確実性の一因となってい る(図1参照).そのため室内試験 結果のばらつきの原因を調べる研 究が行われ,いくつかの要因のうち,

試験装置の違いが試験結果に 特に大きな影響を及ぼすこと が既に報告されているが1),そ のメカニズムの解明はなされ ていない.そこで本報告ではベ ントナイトの吸水膨潤挙動を 表わし得る新しい応力ひずみ モデルを開発し,そのモデルを 用いて,膨潤圧試験の数値シミ ュレーションを行い,試験結果 に影響を及ぼす要因のうちの,

試験装置の変形性,供試体高さ が平衡膨潤圧に及ぼす影響の メカニズムを解明した.

図 2供試体リング・上板結合型試験装置1)

ロッド

ロードセル

流出

v

供試体リ ング(ステ ンレス製 円筒)

流入 ポーラス

メタル アクリル 製円筒

上板(キャッ プ) ロッド固定用ナット

供試体 (直 径 60mm,高 さ5mm)

図 3供試体リング・上板分離型試験装置 (CRIEPI)1)

3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 浸透圧によ膨潤圧' (MPa)m,iii 0.0

1.8 1.6 1.4 1.2 1.0

有効粘土密度 (Mg/m3)

図 4浸透圧による膨潤圧と有効粘土密度の関係2) 2.実験

本報告で着目した試験装置を図 2,図 3に示す.試験に用いた ベントナイトはクニゲル V1 である.図 2,図 3の試験装置は文 献 1)ではそれぞれ拘束型試験装置,圧密類似型試験装置と称さ れている.本報告では試験装置の特性をより的確に表現するた め,図 2 の試験装置を供試体リング・上板結合型試験装置(ま たは結合型試験装置と略称),図 3のように結合型試験装置の上 板に相当するキャップと供試体リングが分離している試験装置 を供試体リング・上板分離型試験装置(または分離型試験装置 と略称)と称することとした.特に図 3 の試験装置は電中研で使用 されていたことから供試体リング・上板分離型試験装置(CRIEPI)(ま たは分離型試験装置(CRIEPI)と略称)と称することとする.試験の 詳細は文献 1)に記されているので参照されたい.

1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0

β

1.8 1.6 1.4 1.2

有効粘土密度 (Mg/m3)

逆解析結果 

図 5 βと有効粘土密度の関係2) 3.ベントナイトの新しい応力ひずみモデル

新しい応力ひずみモデルの概要を以下に記す.詳細は文献 2)を参 照されたい.

mi,,ii m,iii

(1)

m Max ,

ここで,σ'm:平均有効応力であり,吸水膨潤後には平衡膨潤圧に等 キーワード ベントナイト,膨潤圧,試験法,数値シミュレーション

連絡先 270-1194 千葉県我孫子市我孫子1646 ()電力中央研究所バックエンド研究センター TEL 0471-82-1181 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑17‑

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(2)

しい,σ'm,iii:浸透圧による膨潤圧であり,有効粘土密度に依存する(図

4参照),σ'm,i,ii:サクション変化または外力変化による平均有効応力で

あり,増分は次式で表わされる. 4

3

2

1

0

平衡(MPa)

2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0

有効粘土密度 (Mg/m3)

    実測結果 結合型試験装置 分離型試験装置(CRIEPI) 分離型試験装置(CRIEPI)の試験結果    に対する数値シミュレーション結果

図 6 平衡膨潤圧と有効粘土密度の関係2)

     

c c e d

, c w

c d c d

ii , i , ii m , i ,

m u

D / h

u S K

u u K u

K 1 d

d

 

(2)

ここで,Kd:ベントナイトの体積弾性係数,Sw,e:有効水飽和度, :

有効粘土密度に依存する依存パラメータ(図 5参照),uc:サクション,

h:供試体の高さ,D:単位膨潤圧による容器の軸方向の変形量であり,

図 2,図 3の試験装置でそれぞれ0 mm/MPa,0.1051 mm/MPa

4.数値シミュレーションの結果

4.1 結合型試験装置と分離型試験装置(CRIEPI)による試験結果の差 の解釈

図 2ならびに図 3 の試験装置による試験結果と後者の数値シミュ レーション結果を図 6に示す.数値シミュレーションでは,図 3 の 試験装置に対する実測値D = 0.1051 mm/MPaを用い,供試体高さ はh = 5 mmとし,は結合型試験装置の試験結果からD = 0として 逆算したものを用いた.計算結果と試験結果との対応はよく,この ことから,図 2ならびに図 3 の試験装置による平衡膨潤圧の差は試 験装置のDならびにhの違いとして解釈できることがわかる.

10

8

6

4

2

0

平衡膨潤(MPa)

2.0 1.5 1.0 0.5 0.0

縦横比 h/d

有効粘土密度   実測値     計算結果 (棚井・菊池,2008)

1.2 Mg/m3     1.4 Mg/m3    1.6 Mg/m3     1.8 Mg/m3

h:供試体高さ d:供試体直径(=20mm, 一定) JAEA所有の分離型試験 装置による試験結果

図 7 平衡膨潤圧と供試体高さの関係2)3) 4.2 供試体高さの影響の解釈

JAEA 所有の分離型試験装置を用いて,有効粘土密度毎にベントナ イトの平衡膨潤圧におよぼす縦横比の影響(供試体直径が一定であ るため,実質的には供試体高さの影響)を調べた試験結果が,図 7 中にプロットされている3).図 7によると,有効粘土密度が1.2 Mg/m3 ならびに1.4 Mg/m3の供試体には,寸法効果は認められないが,1.6 Mg/m3ならびに1.8 Mg/m3の供試体では,縦横比が大きいほど平衡 膨潤圧が大きい.図 7中に示されている計算結果も試験装置 の変形性と供試体高さを考慮することにより,実測結果の特 徴を良く表している.

16 14 12 10 8 6 4 2 0

平衡膨潤圧 (MPa)

1.8 1.6

1.4 1.2

1.0

有効粘土密度 (Mg/m3)

    計算結果 結合型試験装置*1 分離型試験装置(JAEA)*2 分離型試験装置(CRIEPI)*3

計算条件 試験装置変形性D (1/MPa),ならびに 供試体高さh (m)

*1 D= 0

*2 D=0.00015, h=0.02

*3 D=0.0001051, h=0.005 初期含水比:10 (%) 実測結果(いずれも初期含水比5~15%のデータ)

結合型試験装置(供試体高さ20mm)

分離型試験装置(JAEA) (供試体高さ20mm) 分離型試験装置(CRIEPI) (供試体高さ5mm)

, , ,

図 8 平衡膨潤圧と有効粘土密度の関係(数値計算にお いては初期含水比 10%を仮定)2)

4.3 平衡膨潤圧と有効粘土密度関係のばらつきの説明 図 1(a)によれば膨潤圧と有効粘土密度の関係にはバラツキ が大きいが,図 1(a)をよく調べると有効粘土密度に対する膨 潤圧が小さいデータの多くは,図 3 に示す分離型試験装置

(CRIEPI)により得られていることがわかった.このデータを

グループ2と呼ぶこととする.一方,その他のデータのうち,

分離型試験装置で供試体高さが 20 mm の場合をグループ 1 と呼ぶことにする.

図 8中の赤四角は図 3に示す分離型試験装置(CRIEPI)に対 するシミュレーション計算結果であり,D= 0.1051 mm/MPa, h= 5 mm,初期含水比10%として計算した.図 8中には,図 1(a)にプロットされたグループ 2のデータのうち,初期含水 比が5~15%のデータをプロットしてある.計算結果はほぼグ ループ2のデータに対応していると言える.

一方,図 8中の赤三角は,初期含水比 10 %とし,図 7な

らびに図 8に示すシミュレーション計算と同様にD = 0.15 mm/MPaとした.また,供試体高さは,図 8のシミュ レーション計算と同様にh= 20 mmとした.計算結果はほぼグループ1のデータに対応していると言える.

図8中には結合型試験装置(D=0)の初期含水比10%の場合の計算結果も示されているが,この計算結果はグルー プ1の膨潤圧よりもさらに大きい.

以上のことから平衡膨潤圧のばらつきは,試験装置の変形性と供試体高さの違いによりほぼ説明できると言え る.

参考文献:1)共同研究報告(2010):ベントナイト系材料の標準的室内試験法構築に向けての試験法の現状調査と試験による検 討.2)田中幸久(2011):締固めたベントナイトの吸水膨潤過程のモデル化(その1), -膨潤圧に及ぼす実験条件の影響の数 値シミュレーション-,電力中央研究所研究報告 N10015.3)棚井憲治,菊池広人(2008):緩衝材の膨潤応力測定手法に関する 現状と課題,原子力学会 2008 年秋の大会予稿集,講演番号 M26,p.722.

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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参照

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