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地下水流動シミュレーションによる長坂町上条地区の地下水汚染解析

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Academic year: 2022

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(1)VII‑295. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 地下水流動シミュレーションによる長坂町上条地区の地下水汚染解析 山梨大学大学院. 学生員. 原見. 和華奈. 山梨大学工学部. 正. 坂本. 康. 西田. 継. 員. 山梨大学工学部 1.はじめに. 現在、有機塩素化合物による地下水汚染が問題となっている。山梨県の N 町でもある工場敷地内の土壌より有 機塩素化合物が検出された。本研究では、問題となった工場の周辺において一般水質と有機塩素化合物濃度を測 定し、かつ地下水流動シミュレーションを行い、汚染物質の広がりを解析した。 2.採水地点 対象地域は山梨県長坂町長坂上条地区周辺である。対象地域 の標高は、はほぼ北から南に低下し、かつ対象地域の東西に流 れる河川の方向に低下している。採水地点は図-1 に示す 23 地点 とした。地点 7,8,10,13 は有機塩素化合物汚染が報告された. グループ1. 工場周辺にある地点であり、14,15,16,17,23 は商店街に位. グループ 2. 置する地点である。 3.水質のグループ分け 水質データを用いて、主成分分析・クラスター分析により採. N. 水地点のグループに分けをおこなった。分析対象データとして、. 1km. 水位観測地. 一般水質項目 11 項目を採用した。図-1 に示す2つのグループに. 点図-1 採水地点. 分けられた。 4.使用したプログラムついて. ④. 地 下 水 流 動 プ ロ グ ラ ム は 、 GMS(Groundwater Modeling System)を使用した。GMS 中の MODPATH,MT3D のプログ. ⑩. ラムを用いた。MODPATH は粒子追跡プログラム、MT3D は. ⑬. 移流・拡散プログラムである。. 22. 5.MODPATH を用いた汚染解析 5.1. ⑧ ⑦. ⑮. MODPATH による推定流線と水質類似性の指標. それぞれの地点を通る流れを知るため、前方追跡をした流線 を推定した。透水係数は 10−3cm/s、涵養率は 5.7*10−6cm/s 空. ⑭. ⑯ 23 ⑰. ⑪. 隙率は 0.4 とし、一様な分布とした。一方水質を用いた検討も 試みた。水質的に類似性がある地下水は、水みちなど水の流れ やすい部分の流れによってお互いに関係するのではないかと考 えられる。そこで上流の地点4を代表的な地点とし、他の地点. 図-2 流線と水質の類似性. 質の主成分分析で得られる主成分スコアから以下の式で求めた。 水質類似性の指標 = ( x1 − y1 ) 2 + ( x 2 − y 2 ) 2 + ( x3 − y3 ) 2 + ( x 4 − y 4 ) 2 xi : 地点xの第i主成分のスコア(i = 1 ~ 4) y : 地点yの 〃 i. 有機塩素化合物濃度 (ppm). と地点4との類似性を求めた。水質の類似性の指標は、一般水. 0.025 0.02 0.015 0.01 0.005 0. 1.1.1-トリクトトエタン トリクロロエチレン テトラクロロエチレン. 4. 流線と水質類似性の指標の等値線図を図-2 に示す。工場周辺 では地点 4 の方向に向かってたどられ、水質的にも地点 4 との. 10. 13. 22. 8. 7. 11. 地点. 図-3 工場周辺の有機塩素化合物濃度. 類似性が高くなった。さらに商店街周辺では地点 15 以上の上流はたどれず、地点 4 との類似性も低かった。 キーワード 連絡先. 有機塩素化合物 地下水流動 シミュレーション. 〒400-8511. 甲府市武田 4-3-11 TEL 055-220-8591 FAX 055-220-8770. ‑589‑.

(2) VII‑295. 5.2. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 推定流線に基づく有機塩素化合物濃度変化の検討. 流線方向に沿って、分析した有機塩素化合物濃度を並べて、図-3 に示す。地点 4からの流れをたどると、地点 8 で 1.1.1-トリクロロエタンが高く検出され、地. ため池. 点 22,8,7で溶解度が小さいためスポット的な広がり方をするテトラクロロエ. ① ② ③. チレンが検出されている。これらは地点 22,8,7のあたりに汚染源があると確 定される。 6.MT3D を用いた汚染の広がりの推定 6.1. 汚染源の選定. 4.2 によって地点 22,8,7のあたりに汚染源があると推定できた。よってこ. 図-4 汚染源の選定. れらの近傍の工場敷地内の 3 つのセル(図-4 の①〜③)を汚染源候補とした。次に、 空隙率 0.4,縦分散係数 10‐3cm2/s,横分散係数 10‐4cm2/s とし、 それぞれの地点の濃度をシミュレーションにより求めた。その結 果と 1.1.1-トリクロロエタンの実測値とで地点間の濃度割合を比 較し、その結果から汚染源を推定した。実測値では、地点 8 が最 も高い濃度を示し、次いで地点 13,11 となった。地点 4,10 での濃 度はほとんどゼロであった。地点 8 は地点 11,13 の約 7 倍近い濃 度であった。シミュレーション結果では、汚染源を①とした場合 は地点 8,11 の濃度が高くなり、ため池まで汚染が広がった。汚 染源を②,③とした場合は地点 11 の濃度が高くなり、ため池まで 汚染が広がらなくなった。このことから、汚染源を①と推定した。 6.2. 有機塩素化合物汚染域の推定. 初期設定のパラメーターでの経過時間と汚染の広がりの関係か ら判断して、シミュレーションでは実際より早く汚染が広がった. 図-5 地点 8 と 11 の経時変化. と考えられた。そこで、空隙率を 0.6 と大きくして再検討した。 このときの濃度の経時変化を図-5 に示す。図において矢印で示し た期間での地点 8 と 11 の濃度割合が実測値の濃度割合に近くなっ た。この期間は地点 8 の濃度が減少し、汚染物質が地点 8 の周辺 に停滞している期間であり、地点 11 の濃度は増加傾向にある 。 このときの濃度分布を図-6 に示す。汚染域は工場から南東方向の 流れの影響によって広がっており、その方向は東側の河川に向か っている。また、地点 13 は実測値では地点 11 よりも高い濃度割 合を示していたが、シミュレーションでは地点 13 まで汚染は広が らなかった。そこで、縦分散係数を大きくして検討したが、文献 の値と比べると非常に大きい値にしないと地点 13 まで汚染は広が らなかった。このことから、地点 13 は汚染されため池の影響を受 図-6 汚染濃度分布. けたのではないかと考えられる。 シミュレーション結果と実測値との長期変化を比較するため、 1.1.1-トリクロロエタンについての長期変化を図-7 に示す。地点 8,11 は共に変化はないか、増加傾向にある。しかし、図-5 よりシミュレ ーションでは実測値の濃度割合に近づいた後増加傾向にあった。よ って 1.1.1-トリクロロエタンの汚染源からの供給が減少傾向にある と考えられる。. 1.1.1-トリクロロエタン (ppm). 6.3 実測値の長期変化との比較 0.04. 8 11. 0.03 0.02 0.01 0 1998. 7.まとめ. 1999. 2000. 2001 (年). 図-7 1.1.1-トリクロロエタンの長期変化 汚染源は工場の北側と推定され、汚染域は南東方向の移流の影響によって東側の河川の方向に広がっていると. 推定された。地点 8,11 はそれらの影響を受けていると考えられる。このとき工場の西側はため池までしか汚染 は広がっておらず、地点 13 はそのため池の影響をうけていると推定された。. ‑590‑.

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