(齢9塾蕗,編雑9骨)
心臓中隔欠損症の心電図
第1報心房中隔欠損症
:東京女子医科大学心臓血圧研究所(主任 榊原 仔教授)
近
コ ン
藤
ドウ
瑞
ミズ
香
力
(受付昭和35年6月13、日)
緒 言
先天性心疾患の心電図は,その血行力学的変化と深い 関連性のあることがいわれている。この点に関する心臓 中隔欠損症の報告は多い。
以下我々の症例にっき,心房中隔欠損症並びに心室中 隔欠損症の血行動態,欠損所見を中心に心電図学的考察 を試み,比較的大なる関連牲を認めたのでここに報告す
る。
方法及び心室肥大の判定規準 1)誘導法
全例に標準肢誘導,単極町君遵 (Goldberger),単極 胸部誘導(Wilson)〔V5R−V・,〕の15誘堪を行った。心電 計は「フクダ」のUniversal Electrocardiograph 5 E−
lements Eh−5型を用い,3誘導同時記録を行った。肢 誘導は,増幅率を1皿V,10m皿とし,胸部誘遵は1mV,
5mmとした。
2) 心室肥大の判定規準
17才以上の者に関する心室肥大の規準は,Myers 1),
Soko玉ow and Lyon 2)5)のそれにほぼ準じた。すなわ ち右室肥大は,Rv110 mm以上をとり, R/S>1をと くに重視した。左室肥大ではVコ(V5?)で深いSの出 現,Rvr,(vG)は26 mm以上, Ventricular Activation Time≧O. 04秒を参老にした。 Ventricular Activa−
tion Timeはqの始めよりRの頂点迄をとった。
16才以下の者に関してはZiegler 4), Yu 5), Nadas 6)
津田ら7)8)の小児心電図の規準を参考にした。すなわ ち左室肥大はVi(V fi)で深いSの出現, R▽5(v6)の 高さは35mm以上をとった。右室肥大は原則としてRv1 の高さ15皿m以上をとり,Vr.(V6)にわける深いSの 出現を参考にした。
また心房中隔欠損症で問題となる不完全右脚ブ・ック 像については,R Vlを10mm以下と11mm以上に便宜 上分け,その型について分類した。
1 心房申隔欠損症
心房申隔欠損症(以下ASDと略す)の主なる血行力 学的変化は,左房より:右房に短絡し右室血液量の増加を きたし,一方右室圧はそれ程の上昇をきたさないとい う。このASDの心電図は,先天性心疾患の中でもかな り特微細で,不完全右脚ブPック像の多いことが強調き れている。 ,
不完全右脚ブPック像の出現については,Cabrera 9)
.o), Sodi−Pallares 11)24)等の右室のt!diastolic over−
loading 説,あるいは Zimmerman 12}13, Pefialoza エ4)らの心基底部乃至心室中隔上部の興奮の遅れに基く
とする説等がある。
またWalker 15)らは右血圧,肺勤脈圧上昇をきたし た時,ASDの不完全右脚ブnック像はその特微を失 い,右記肥大が出現するという。
我々の症例につき,その成績を報告する。
症 例
東京女子医科大学心臓血圧研究所において,1956年1 月より,1959年3月までに,手術によりASDと診断せ
る75例にっき調べた。なお剖検で確認せる一次孔開存1 例,共通房室弁口残遺(以下A−V Communisと記す)
1例が含まれる。
性別は男35例,女40例である。
年令は4才より39才に及ぶ。
心電図像に関する分類
VlまたはV3RのQRSが不完全右脚ブnック像を示
すもの(R 群)と,示さないものにわけ,後者をqR群 及びR(あるいはr)群に分類しt。R(r)群は前述 の心室肥大の規準に従い,正常,右室肥大,左室肥大,両点肥大の4者に分けた。不完全右脚ブnック像は,
R を10皿m以下と,11mm以上のものic分けた。
Mizuka KONBO (The Heart lnstitute, Tokyo Women s Medical College) : E]ectrocardiogram in cardiac septal defect; 1 Atrial septal defect.
一一P846一一
215
R 群 52例(7・%)f10m皿以下20例
/11 mm以上32例 qR瀞 7例(g%)11 mm以上
R(r)群 16例(21%):正1常
明室肥大 左室肥大 門内肥大
7例
8例(11%)
5例(7%)
1例(1%)
2例(2%)
右田歌縮期圧及び短絡率による重症度の分類(図1)
樒牧縮期 彦
o iO
w
一一…一一.一t沿鼈鼈鼈鼈黶ft皿雪
撒H3
脈搏数(標準肢誘導の4R−R間隔より算出)を表1に 示す。6 ・v12才の平均値は,津旧7)の本邦小児正常値 に比すると高い。
2 PQ時間
第H誘導で測定した。表2のごとく0.09〜0.25秒を示 す。0.20秒を越すものは2例である。年少者正常上界値 を0.17秒7 とすると,4才の0.18秒,11才の0.20秒を 示す2例も延長とみられる。小児平均値はZiegler 4),
vr敷_ ny _ _ 一 一 祠 } 冒 mh − 7 脚 回 一 }
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so% 短絡キ
図i、右室収縮期圧及び短絡率よりの重症度の分類 金弁!£)は,回議収縮期圧及び短絡率より図1のごと
く1〜IV群に分類し,これが肺の血管及び組織変化の程 度に合致することにより,電症度の表現として適してい
ると報告している。75例中数値の明らかなもの62例にっ き調べ,つぎのごとき結:果を得た。
1群 右室収縮期圧40皿mHg以一.Fで短絡率
Oxvsoo/S 28夢亘
H群右室収縮期圧40mmHg以上または以下で短絡
率 50%以一ヒ 12例IU群右室収縮期圧40 mmHg以上で短絡率 50%以下 16例
IV群 右室収縮期圧70 mmHg以上で短絡率 0乃至負 6例
成 績
1 調律脈搏数
75例洞性調律である。なお重症度IV群に属する2例に 心室性期外収縮(うち1例はこ段脈)を認める。∬群に 属する2例に上室性期外収縮がある。
ASDの心房細動については, Barbosa 17),Milnor!8)
らの10%前後の報告がみられる。我々は重症度皿群に属 する1例に,発作性心房細動を認める。本丁は欠損の大 きさA(後述)に属する大なるもので,QRSの電気軸
一一.U00,右室肥大像を示すものである。
表ユ.脈搏数
年 令 症例数 … 脈搏数/分 (平均)
4 才
6 ・・v 7才
8〜!2才 13・V16才 17〜39才
1 6 18 9 41
1)O (110)
90 pa・ 133 〈1.()6)
60 tv 110 C {2)
68 tv 110 ( 84)
56 rv 104 ( 76)
津:田7)の正常小児値より高くある。
ASDのPQ延長に間する報告は多く15)17)9)20),
とくに一次孔開存症15)18)21)22)25)26.)でしばしばい われている。我々の一次孔開存の1例も,0.23秒を示 す。この例を含め,PQ延長は75例中4例,5.3%であ る。これらはいずれも欠損の大なるものであり,Zim−
merman 15)の報告に一致する。
3 QT時間
0.28・vO. 39秒目ある。平均値は0.30秒である。正常範 囲内にある。
4 心房波
A)P波の幅
表3のごとく0.06・一〇. 12秒である。年少者群では,正 常値の上限をO・ 08秒8)24)とすると,4例が延長を示 す。年長者では0・12秒に延長する1例を誌める。
一1847一
年
表2 PQ時間
出癖\ ?W㌔囲
1 6 18 9 41
PQ時間
4 才
6〜7才
8 )12才
13〜16才 17〜39才
計 75
2 1
1 5 2 3
.vo. i6 1 tvo. is 1 xwo. 2e 1 o. 23 5 o. 20r
2
」.1
4 22 3 11 1, 3g
L
(平 均)
1
3 8
1.
7
1
1
(0.18秒)
(e,,146 )
(O.148 )
(O.157 )
(O.182 )
12 1 8 1 1 1 1
(O.168 )年 令
才
P波の幅(秒)
O. 06 症例数..
表3 P波の幅
O. 07 O. 08 o. eg O・.・10
4 6・V7才 8〜12才
13(・16才
17N39才
1 6 18 9 41
2
1 8 2 9
1 3 6 3 1 13
1
2 4
1 2 2 11
0・12μ平均)
3 j
計
1
75 5 20 26 7 16 1
(0.08秒置
(O.02 )
(O.074 )
(O.084 ) l
I (o. os3 )
ko. osi )
B)Pの電気軸
図2に示す(極の長さにより症例を現わす)。全例oo.v
+SO。lc分布し正常範囲内にある24)33)と考えられる。
その平均値は十46.4。で,0。〜20D 14例18.70%,十30。〜
十60。43例57.3%,十70。(・十80。18例24%である。後 述のSchmidtの分類による心房負荷との関係はみられ
ない。
C)心房負荷
心〕秀波に関しては胸部誘導において,Zimmerman 12)
7J5)が短絡量と相関があることを述べている。著者は,
Schmidt 29)〜Sl) lc.従い,胸部誘導を中心として心房波 の分類を行ってみた。正常49例65%,P−dextro−cardiale 22例30%,P−sinistro−cardia1e O,.P−cardiale 4例50%
である。すなわち心房負荷は35%にみられる。
つぎに心房負荷と,前述の右室収縮期圧並びに短絡率 よりみた金井の方法による重症度との関係をみると表4 のごとくである。心房負荷は1群5例18e%,π群3例25
%,IH群8例50%, IV群3{列50%1こ士認め..られる。これに よると,1,1[群と,皿,IV群の間には差異を示すが,
1群と∬群の間には差は求められない。すなわち圧上昇 をきアこし,短絡率減少を示すものに,心房負荷は多くみ
られており,単に短絡量の増大のみでは心房負荷は多く ならない。こかし乙の関係は絶対的のものではない。
一次孔開存:,A−V communisの2例は, P−dextro
cardiale 24)26)55)を示す。
またSodi−Pallares 24)52)らは,右側胸部誘導上の 陰性Tを伴うqR型は右房肥大を現わすという。我々は qR型を7例に認める。これは重症度の1群1こはみられ ず,IV群に多い。これをSchmidtの分類に対比する
と,3例はP正常,4例はP−dextro−cardialeを示すも のである。
5 心室群
A)QRSの幅
第H:誘導の計測値と波形との関係を表5に示す。0.07
\\
̲..〜 重症度.ヒ負苞一..…..L≧}==
正 常 P−dextro−cardiale P−sinistro−cardiale P−cardiale
表4心房負荷と重症度
1七半…皿群…曙…諦瀟.醸
1 1 23
5
度11 症
明例!
9
].
2
8 7
1
3 2
1
2
6
Jr
計 49 22
計 28 12 16 6 2 11 75
一一v8t18一一一一
217
QRSの幅(秒)
....... ..:...H 一・一一 ・… 1 o.07 一心室像(Vl) .一t. ..........一.....一一、
表5 QRSの幅
… O. 075 i O. 08
1 O. 09 6
1t
O. 10
17 3 4
(平 均)
Rt qR
R(r)
群 群 群
5 2 7
計 14
1
1 2
23
1.
4
28 7 24
(0.087秒)
(O.087 )
(O.080 )
(O. 085 )
;lgo.
一90
x
殴構
tqoe
図2 P電気軸
。
含/蕪
QRS電気1軸
〜0.10秒にわたり,平均0.085秒である。完全右脚ブロ ックはみられない。不完全右脚ブ・ック群と他の群の間 に,QRSの幅にとくに明確な差は認められない。
B)QRS電気軸(図2)
前額面におけるQRSの電気軸は一90。r)+150。にわ たる。しかしその大部分(84%)が十90。以上の右軸偏 位をとる。これはK:eith 20>ら諸家の報皆にみられると
ころである。その内訳は一90。rS・ ・一 60。4例5.3%一300 t・v十80。8例10.7%,一1一 90。 /v十120。60例800/S,十150。
3例4%である。一90。〜一60Dの左軸偏位:をとるものに は,不完全右脚ブUック像はない。両室肥大を示し,剖 検により確認されtl 一一・次孔血温, A−V Communisの各
1例と,右室肥大,左室肥大を示す各1例がこれに属す る。一300N十80。のものは,不完全右脚ブロック像の2 例,qR型1例,正常4例及び右室肥大を示す1例であ
る。
つぎに金井の分類による重症度とQRS電気軸につき 表6に示す。1群は一30。〜+120。に分布,平均+92.5。
である。一一 300より+700を占める4例は心電図正常であ る。1群の中R 群のみの平均値をみると+98.60であ る。■群は十40。〜+120。にわたり平均十89.2。.である。
R 群とqR群についての平均値は十93. 6。である。皿
×
T電気軸
群は一60。の2例の他は,+90。・V−!・150。に分布する。平 均+90。である。R 群, bR群の平均値は+101.8。で ある。IV群は全例がRノ群bR群で,一1.90。 ・v十1500に 分布,平均値は十118.3。である。
以上により,重症度とQRS電気軸の関係は, Rノ群 及びqR群に関しては,1,11群に比しm, IV群に右軸 偏位が強い。すなわち個室圧上昇し,短絡の減少をきた すものに右軸偏位の傾向が強くなる。しかし平行関係は 認められない。
一次孔山烏,A−V Communisは左軸偏位を示し諸
家18)2。)〜22)24) 26>54)の…撮告に一i致する。
C)QRSv・(v5R)の型
R 群,qR群をさらに図3のごとき8型に分け,之 と重症度との関係をみた。重症のIV群はrR 型とqR型 が6例申5例を占める。このrRノ型は皿群以下にはみら れず,qR型はm, H:群にもみられるが1群にはみられ ない。rsR (s )型は,皿,■,1群を通じて最も多くみ
られる型である。10mm以一ドのrR s型,5皿m以下の rs〆(s )型は1,H群にのみみられる。
R(r)群に関しては,右室肥大の1例と心電図正常の 6例が1群に属する。■群には右室肥大の1例,皿群に は心電図正常の2例,右室肥大2例,左室肥大1例が認
一一 ̲t....... :重症度
R 群及びqR群
表6 QRS電気軸と重症度
1翻H群:皿群Lw
−1−80。tv十120。 1 一ト500・..十120。 一FgOo.Nノ十1200
∫鮮ヨ (十98.60) C十93.60) (十101. so)
一R 壁__三・・o一・・2酬
平
十400 一600.v 1500
群i諮(恕閣三
十90D〜一レ150。
( 一1一 118. 30)
均 十92.50
一900.
一600
十89.2。 十90。 十118.3。 un V50
一16id・J, 一一
重押釦 γ』r9
n、(5mΦ
回向
﨟i蜘淘↓)
Yぬ
求i10π↓)
ノ
セ露R r尋曲M
rR S rlぞ 号RS
計1鴛
1 2 2 2 2
.鐸
6 6
21欲 彊
2 1 2
証群
俘 3
置 藝 量 ll灘 馨 塵
皿群
1潔 4.
4
書日
V群 濁
岬 暫
2 3 6
詣 1置 醒
2
lr↑
3 2 2 10
計 3 2 3 20 21
曹 ・27
5臼図3 QRSv、の型と:重症度
d6 震洲・
籍1。o
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ワ。
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(o三型)
e
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ll:孟●ご 二・1:::∵
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40図4 RV1の高さと右上収縮期匹
ogownve
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(x 一一 ikmiM t& バーVぐ01mで賄5)
嚇
一 一
. 一 一
.
. x
.
x
.
められる。IV群に属するものはない。他に電症度不明の 右室肥大の1例,および両目肥大を示す一次孔開手,
A−VCommunisの各1例がある。
D)R (R)V1の高さ, Ventricu]ar Activation Ti−
me(VAT)と右室収縮期圧,短絡率
右室収綿期圧とR (R)V、の高さとの間には,明らか な平行関係はみられない(図4)。ただし右室収縮期圧 70mmHgを越すものは, R V1 14=rhm以下の症例には みられない。
短絡率とRt(R)Vtの高さとの相関はみられない〔図 5)。逆短絡を示す例はR V .1の低い:ものにはない。
右室収縮期圧とR (R)v1のVATとの間には, R 群qR群に関しては,正の相関がみられる(図6)。す
なわち右室収縮期圧40mmHg以下はO.・03sn一.o.06秒}こ
io 20 io
RV1の高さと右室収縮期圧 SoMn
分布し平均0.049秒である。41〜60mmHgの例では 0.045〜・0.07秒にあり,平均0.057秒である。70mmHg を越す症例は0.05〜0,06秒目平均0.057秒を示す。以 一ヒより右窒収縮期圧40mmHgを越えるものlc V ATは 長くなっている。しかし絶対的のものではない。R(r)
群では,特殊な関係を見出し得ない。
短絡・率とR (R)V、のVATとの間には特殊な関 係は認められない(図7)。ただし逆短絡例はVATが 一般にのびている。
E)R (R)V1の高さ, Ventricu至ar Activation Tj−
me, Sv5の深さと重変症1度
各重症度群のR (R)V1の高さ, VAT, Sv,の深 さにっき平均値を求めると表7のごとくである。R (R)
V、の高さは,1群と1【群との間に差iが認められず平均 一1850一
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図5 R Vlの高さと短絡率
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R:群7R群
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R・曜e雨禰聴)
図6 VAT(V、)と右室収縮期圧 10mmで低い。皿群は15 mmで前2者より高く,さら
にIVi群に至ると20 mmを越える。
R (R)V、のVATに関しては1,■,皿群の聞に差 は認められず0.02秒より0.07秒に分布する。W群は0.05 秒以上で明らかに長くなる。
SV5の深さは1群とH群との間に, とくに差がなく小 さい。皿,W群になると,共に大きくなる。
以.Lより,1,H群の間には有意の差は認め難い。 III 群になるとR (R)V1の高さ, SV,の深さが増し, IV群 はきらにR (R)v1が一…」層高く,またVATも延びてい る。しかしこれは,平均値に現われた一一般的な傾向であ り,その個々の症例については,1,工【,班欝のそれぞ
れにおいて相当の広がりがみられる。
F) qVr,
ASDの左胸部誘導一ヒのqについてV51こおける出現 率をみた。q(十)40例53%, q←)35例47%でほぼ 柑半ばする。
G)Tの電気軸(図2)
一90。・)+120。に分布する。平均+37。である。すなわ
ち一..90。〜.一.200 7{列9.3%, O。t一・十60。 53修岨70.7%, 一1.・
70「IN一一1一 !20 15例20%である...
重症度と丁電気軸の平均値にっき表7に示す、,1群十
44.30, II群十34.20, IH群+31.3。, IV群+23.3Dと重盛症 度が進むにつれて方三1こ偏位する傾向をみる。しかし,こ 一/851一
黎,蒼
se
o
一30
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◎ 噛 q 9 傅き ◎ 39 .楠: 。 …・
・:: 曾9
●= . ●:顧τ的 鳴 。璽・;。評秀
R群7R群
図7
6
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so
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一
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:一 一
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x
メ
O.03 QO9 α07秒
Rlり群(儲勲)
VAT(Vl)と短絡率
表7 R (R)V、の高さ,VAT, SV5の深さ及びT電気軸と重症度 重
症 l
Rt (R) v, 1 2N21
高・(mm・属均(・…
Rノ(R)V、
VAT(秒)
十度…・期・群
例数 28 1 12.
SV5 深 さ (mm)
T 電気軸
O. 02 vO. 06 (O. 044)
1 IN26
( 6. 8)
(!一 44. 30)
L
L
1
4rv18
( 9. 9)
O. 02tvO. 07 (O. 049)
梅翻w飼誰艦存
} ・6 i ・ 1 ・
2.Nv50
(15. 3)
O. 02tvO. 07 (O. 049)
15N50
〈24)
2xv12
( 5. 3)
3tv21
( 9. 4)
O. 05NO. 075 j go=ogi.1..r1
3. 5tv22
(10. 9)
㌃講讐.
.
(十 34. 20) (一一 31. 30)
表8T移行帯と重症度
1群H翻曙函 1
1 ! i
(一F 23. 30)
群僚恕濫御盛断醐
V.tR, V.gR
Vコ
V2
Vr)
37, 22
(29. 5>
O. 04, O. 05 (o. e4s)
20, 19 C19. 5)
(+600)
21 3 2
V4
Vr, i (1)
V6
6 2 1
計 1
9 4
1 1
1
1 1
1 1 1
全 誘 導
T陽性・)平底
1
1 i 1
11
1 1
計. 128 i2
,
()は同部位においてqも認める。
16 6
1 6 4
2 43 14 3
れも絶対的なものではない。
H)T移行帯
2 11
4 3 1 5
75
胸部誘導においてTの移行帯をみる。表8は,最終の 陰性Tを示す誘導部位と重症度との関係を示す。すべて
一一k852一一
221
ジギタ.潟X投与前の観察である。
V.L, V5あるいはV6に至るまで陰性Tを示すものは 8例である。(なお,最終の陰性Tを認める部位のQRS は,V5でqをもつ1例を除き,他はすべてRS(s)型 を示す)。重症度との関係は,1群28一中1例,H群12例 巾2例,Ili群16例中1例, IV群6例中3例およびA−V Communisの1例に認、められる。 IV群の3例は,すべて 30オ以上である。
右側胸部誘遵(V3R−V2)でもT陽性のものが6例あ る。中1例は6才の一次口開存である。1,H群例は,
右室収縮期圧40,43mmHgの成入であるが,皿, IV群 例は,9才,11才,14才で,右室収縮期圧も65,67,74 皿mHgの高値を示す症例である。
童
轟
半
群
1
縢,
群
N
裁
孟
宗
案
圭 轟
6 欠損の大きさと心電図
手術時に計測せる(長径×短径cm2)より欠損面積を 計算し,これを金弁16)に従い表9のごとくA〜Gの7 群に分け,さらに大中小に大別した。
表9
A=10 cin 2以上
1・3 : 7.lt一一 10 cinL
C :5. 1/v7.Ocm2
D : 3. lrv5.0 cm L E :1. 6rbv3. O cm L F : O. 6r−il. 5 cr. ri2
G:0.5c田2以下
大;ABC 中:DEF
小:G
67例にっきQR. Sv,(v3R)の型と,欠損の大きさ,重
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5 ・微。5一 /
図8 欠損の大きさ,QRSv、の型と重症度
π君 多R群
Rω君
午令
璽獲
1伽耐 目瓢↑
錦 纏肥欠
野望肥火 両鯛ε大計
4受
丑得
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鷹鱒 3
8〜12★
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17〜3魅 丑得 笏 勿
35
驚署「「 「 「
一 噛
図9心電図像と年令,重症度
fi^Lsor,ot一
症度の関係を図8に示す。すなわちR 群qR群には,
欠損孔小に属するものはない。大部分(約77%)が大で ある。重症度1,∬群の軽症群にのみみられた,rsr■
(s )型(rr■〈5mm), rR s型(Rノ<10 mm)でも,
7例中4例は欠損孔,大い.に属するものである。心電図 正常例では,欠損孔は大,中,小のすべてがみられる。
重症度IV群に属する例は,欠損孔はA, Bを示す大なる もののみである。
7 年令と⊃[〉電図
図9に示す。はっきりしk関係は認められない。重症 度IV群1こ属するものは,16才以上の症例である。とく1こ 20mn1以上のrR v、を呈する2例,およびqRviの2 例は28〜35才である。一方年長者症例で:重症度1群にと
どまり,心電図の変化の軽徴であるものも多い。
Tに関しては〔H〕項で既述した。
考 按
ASDの心電図は,前述のごとく不完全右脚ブuック 像の多いことが特徴とされている。Wood 49)は95%,
Sodi一一pallares 11), Zimmerman IJ7) らはほぼ 80%,
Walker 15), Milnor 18)らはほぼ60%と報告している。
著者は,75例中52例70%に認めアニ。
この不完全:右脚ブロック像の出現については,古くは Routier 49)のHis束右脚の興奮伝導障害があげられて いる。Cabrera 9)10),Sodi−pallares∬)24>らはASD の右回血流量の増大と関連せしめ,右室の diastolic overloading 説を提唱している。一方Sodレpallares 58),Pefialoza i4)らは室一lr.ff中隔上部,あるいはまた左 室基底部の興奮の遅れに基くとし,Kje11berg 59), Zjm−
merman 12)15)らもま7:,右1室基底部の肥大拡張に基く 興奮の遅れによると説明し,後者はそれをベクトルによ
り示している。
つぎにrsR 型の不完全右脚ブ・ック像とは別に,
qRv、像がASDに出現する。これに対しては,古く はGoldberger 40)の心酔輯こよる左室電位の影響とす る説がある。またKOS. S皿ann・41)42)らは室.1二稜の興奮 によると述べ,Sodi−pallares 24)52)も同じく,きらに これは右心房拡張の存在を示すものであると述べてい る。著者の症例においては7例9%にqR像を認める。
以上の不完全右脚ブ・ック像及びqR像を示すもの は,著者の例では,欠損の大きさは全例,中以上で,大 多数(約77%)が5.1cm2〜10 cm2以上の大なるもの であった。
つぎに右記肥大と不完全右脚ブロック像に関して述べ る。Sokolow and Lyon 2)5)の規準はとくに年少者に とっては不適当であると,Brounwald 45)が指摘してい る。また正常心でも,不完全右脚ブ・ック像はみられ る44)53)。Barker 45)46)は不完全右脚ブロックに右室 肥大が合併すると,10mm以上のR を示すと述べ,こ
れに対しKossmann 47)は適当なる規準であると賛同し ている。一方Brounwa至d 45),新谷48)らはこれを心電 図学的に区別することの困難なる旨をあげている。
Zimmerman 12), Silberblatt 50}, Milnor 18), Cosby 57>
らは,実際に三二肥大像と,これと密接に関係すると考 えられる右室収縮期圧との間に明確な相関が認められな いと報告している。一方Walker 15)は,内室圧上昇に より脚ブロック像より右室肥大像に変るものとし,かっ 右軸偏位の強くなる傾向を述べている。我々の症例は,
右記収縮期圧とR V、の高さ,右軸偏位に関し,絶対 的なものではないが,しかし圧上昇群すなわち金井の分 類による重症度m,IV群に右軸偏位の傾向が強くなり,
とくに二二収縮期EE 70 mmHg以上に達し逆短絡をきた すIV群ではR (R)Vlの高さが一層高くなっている。ま アこ Ventricular Activation Time も延長を認めるQ Zimmerman /2) 5)は短絡量と電気軸との相関を報告し ているが,我々の例では相関は見ILIせない。
以.ヒより我々の例では,高度右室圧..ヒ昇を来し短絡が 右より左に向うごとき電工(IV)群は,強度右軸偏位,
高いR をもつrR 型, V1のVAT延長を認め,これ は右記肥大をも示すと考える。しかし,かかる症例を除 いては,右室収縮期圧との相関よりみて,不完全右脚ブ PSック像に右室肥大の有無を心電図上よりいうことは困 難であると考える。よって著者は,便宜」二R Vtを,10 mm以下と11 mm以上1こ分け,その型について分類を 試みた。それ}こより前記IV群はrR 型とqR型が特徴と みられる。また5mm以下のrsr (s )型,10 mm以下 のrR!s型は1,豆群のみに観察されている。
T波についてZimmerman 12)は,右室収.縮期圧と電 気軸との間に朗確な相関がみられず,左あるいは右への 強い偏位はジギタリス効果が問題であるという。Bar一一 boza 17)はTの軸偏位及び形態に対し,正常であるか,
右回負荷の二次的現象,ジギタリス効果,さらに心筋虚 血の結果等と考えられる例もあることを述べている。我 々の症例は,ジギタリス投与前の観察であり,重症度と の比較において,左軸偏位の強くなる傾向が絶対的なも のではないが圧上昇群に認められる故に,一因として右 室負荷の影響があるものと考える。また胸部李下上のT
に関し,V4あるいはV6に至る迄陰性丁を示す第W群 に属する症例は,先に述べたR (R)V、の高さと相侯っ て,Cabrera 9)10), Sodi−paUares 11)らの右室の sys−
tolic overloading!tの概念に通ずるものと老える。この 30オ以上の2剖検例について,肺血管硬化と右室壁の著 しい肥厚から,右室への圧負荷が長期にわたり相当に加 わっていたことが推定され,これがV4あるいはV6に及 ぶ陰性Tの形成に関与していると考えられる。つぎ}こ,
右側胸部誘遵上で陽性Tを示す成人の症例が,右室収縮 期圧40mmHgであるに対し,年少者の3例がいずれも 一1854一
223
右室収縮期圧65mmHg以」二で高い。このことは,小児 の右側誌上誘導上の陽性丁が漏壷肥大の規準の・一しっとし てあげられているごとく8),我々の例についても,成入 のそれと異り意味のあることと考えろ。
総 据
.S.)手術で確認きれたASD75例の心電図について調 べた、,とくに右室収縮期圧並びに短絡率よりすろ重症疲
(1−IV群(軽→重))との関係をみた。
2)不完全右脚ブnック像は75例中52例70%である。
qR像は7例9%である。この2種類の像を示す症例は,
欠損孔が大部分(84%)大であり,小に属するものはな
い。
3) PQ延長は,・一次二二存の1例を含めて4例5.3
%に認めた。
4)心房負荷をSchmidtに従しi分類した。 P−dextro−
cardiale, P−cardialeが26例35%にみられ,重症度lil,
正V群に多い。短絡最の増大とは平行しない。
5> QRS電気軸は,84%が右軸偏位をとる。翻二度 に関しては,R 群とqR群では概ねHl, W群に右軸侮 位が強くなる傾向をみる。左軸偏位を示すものは,…次 孔開存,A−V Communisの各1例を除くと宥室肥大と 左室肥大の各1例に過ぎない。
6)R (R)V,の高さ,VATと三二収縮期圧及び短 絡率は明らかな平行関係がない。しかし個室収縮期圧 70mmHg以一しで,短絡が右より左に向うごとき,すな わち重症度IV群}こ属するものは, R (R)v、も.高く,
VATも延.長を認める。
7)T電気軸に関しては,重:症度1群よりIV群}こ順 次,左軸偏位が強くなる。
8) 胸部誘導上で,V4あるいはVGに至る迄陰性T を示す症例,及び年少者のV3R−V2で陽性Tを示す症 例は,皿,IV群にみられる。すなわち右回の圧負荷が関 係すると考える。
稿を終るに臨み,御指導御校閲を賜りました榊原任教 授,終始御指導,御鞭犠を賜りましk広沢弘七郎助教授,
また御協力下さいました金井美津博士をはじめ,本学心 臓血圧研究所所員並びに外科学教室員各位に,感謝致し
ます。
交 献
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