遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相 続と第二次納税義務の成立可否
著者 倉見 智亮
雑誌名 同志社法學
巻 63
号 3
ページ 1693‑1712
発行年 2011‑09‑30
権利 同志社法學會
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000013827
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二三五( )
遺 産 分 割 協 議 に 基 づ く 法 定 相 続 分 を 超 え る 遺 産 の 相 続 と
第 二 次 納 税 義 務 の 成 立 可 否
最 高 裁 判 所 平 成 二 〇 年 ( 行 ヒ ) 第 一 七 七 号 第 二 次 納 税 義 務 告 知 処 分 取 消 請 求 事 件 第 一 小 判 平 成 二 一 年 一 二 月 一 〇 日 ( 民 集 六 三 巻 一 〇 号 二 五 一 六 頁 )
―上 告 棄 却
倉 見 智 亮
【 事 案 の 概 要 】
(1)X(原告、控訴人、上告人)の父であるAは、昭和六二年以降の所得税およびそれに係る加算税一一億六七七八万三四九七円を滞納していた。平成一七年五月二〇日にAの妻でXの母であるBが死亡したため、A、XおよびXの弟であるCが、Bの遺産二億一八九万三七九四円を相続することになった。 平成一七年六月九日になされた遺産分割協議の結果、Aは、その法定相続分が相続財産の二分の一であるにも拘らず一六九三
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二三六
(民法九〇〇条一号)、相続財産の一割にも満たない一九九四万一五二〇円相当の遺産を相続するに至った。他方で、Xは、法定相続分が相続財産の四分の一にとどまるにも拘らず(民法九〇〇条一号、同条四号)、相続財産の六割を超える一億二七九〇万一九一八円相当の遺産を取得した。また、Xと同一の法定相続分を有するCも、法定相続分よりも若干多くの遺産を取得した。なお、このような遺産分割協議の背景には、滞納税額の徴収を免れるとともに、Aの近くに居住してその面倒を看てくれるXに多くの遺産を取得させようとするAの意図があったとされる。 平成一八年六月一九日、関東信越国税局長は、本件遺産分割協議によりAの相続分を減少させてXがその法定相続分を超える遺産を取得しており、滞納税額の徴収不足が本件遺産分割協議に基因しているとして、原告が法定相続分を超えて取得した相続財産の価額七七四二万八四七〇円から債務、葬儀費用、相続税および登録免許税の合計額九九四万三九四七円を控除した残額六七四八万四五二三円を国税徴収法三九条にいう﹁受けた利益の限度額﹂と認定して、Xに対して国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の告知処分(税徴三二条一項)を行った。Xは、当該告知処分を不服として、審査請求を経て出訴した。 本件告知処分の妥当性が争われたのが、本事案である。本事案における主たる争点は、①本件遺産分割協議が国税徴収法三九条にいう﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当するか否か、②国税徴収法三九条の適用につき﹁詐害の意思﹂が要件とされるか否かである。
(2)東京地裁平成一九年一〇月一九日判決(民集六三巻一〇号二五三一頁)は、上記争点①について、相続の開始によって共有となった相続財産の帰属を確定させる法律行為であると解される遺産分割協議について詐害行為取消権の行使を認めた最高裁平成一一年六月一一日判決(民集五三巻五号八九八頁)を引用しつつ、詐害行為取消権と国税徴収法 一六九四
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二三七( ) 三九条の趣旨が共通することなどを理由として、本件遺産分割協議が国税徴収法三九条にいう﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当すると判断した。また、同判決は、上記争点②について、詐害行為取消権と国税徴収法三九条の対象および効果が異なることを理由として、国税徴収法三九条の文言上必要とされていない﹁詐害の意思﹂を同条の黙示の要件と解すべきでないと判断した。Xの請求が棄却されたため、Xが控訴。 東京高裁平成二〇年二月二七日判決(民集六三巻一〇号二五六〇頁)は、基本的に第一審の判断を正当としつつも、第一審判決に﹁すべての相続に際して法定相続分どおりの遺産の取得を強制するものではないし、もとより民法九〇六条の規定に従った遺産分割協議を否定するものでもない﹂との判断を付加した。Xの控訴が棄却されたため、Xが上告。
【 判 決 理 由 】
上告棄却 ﹁遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであるから、国税の滞納者を含む共同相続人の間で成立した遺産分割協議が、滞納者である相続人にその相続分に満たない財産を取得させ、他の相続人にその相続分を超える財産を取得させるものであるときは、国税徴収法三九条にいう第三者に利益を与える処分に当たり得るものと解するのが相当である。なお、所論は、同条所定の第二次納税義務が成立するためには滞納者にいわゆる詐害の意思のあることを要するともいうが、前記事実関係によれば、Aに詐害の意思があったことは明らかである上、そもそも同条の規定によれば、滞納者に詐害の意思のあることは同条所定の第二次納税義務の成立要件ではないというべきである。そして、前記事実関係の下で、本件遺産分割協議が第三者に利益に与える処分に当たるものとし、上告人について第二次納税義務の成立を認めた原審の判断は、正当として是認することができる。﹂(裁判官一六九五
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全員一致の意見)
【 批 評 】
理由付けおよび結論に反対一 は じ め に
本最高裁判決は、法定相続分とは異なる割合による遺産分割協議が国税徴収法三九条にいう﹁第三者に利益を与える処分﹂に当たり得ること、および滞納者の﹁詐害の意思﹂が国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の成立要件ではないことを初めて明らかにした点において、重要な意義を有している )1
(。 本稿においては、まず議論の前提として、国税徴収法三九条の趣旨および適用対象を概観する。次に、議論の便宜のため、﹁詐害の意思﹂の要否(争点②)について先に検討した上で、本件遺産分割協議が﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当するか否か(争点①)を検討する。
二 国 税 徴 収 法 三 九 条 の 趣 旨 と 適 用 対 象
(1) 国税徴収法三九条の趣旨 民法四二四条一項は、﹁債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした法律行為の取消しを裁判所に請求することができる。﹂と規定し、資力のない債務者による財産の減少行為を裁判所に請求して取り消すことができる詐害行為取消権(債権者取消権)を定めている )2
(。私法の領域だけでなく租税法の領域においても、滞納者が自己の財産に対す 一六九六
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二三九( ) る差押えを免れるために当該財産を処分した場合、国が滞納者に対して有する租税債権の徴収が害されるおそれがある。そこで、国税通則法四二条は、詐害行為取消権に関する民法四二四条を国税の徴収にも準用し、滞納者が国税の徴収を害することを知ってした財産の処分など(詐害行為)を裁判所への請求を通して取り消すことを認めている。こうして滞納者による詐害行為が取り消されれば、滞納者によって処分された財産は再び滞納者の手元に戻り、当該財産に対して滞納処分が執行されることになる。 しかしながら、滞納者による詐害行為すべてについて裁判所の判決を待って取り消していては、租税の簡易迅速な確保を期待することはできない。そこで、国税徴収法三九条は、滞納者が無償または著しく低い額の対価による財産の譲渡(担保目的の譲渡を除く)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分によって納税が満足にできないような資産状態を作り出した場合において、詐害行為を取り消した場合と同様の効果を導き出すことを目的として、これらの処分により利益を受けた者に対して補充的な納税義務(第二次納税義務)を課している )3
(。 以上のような国税通則法四二条との制度関係によれば、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務は、簡易迅速な租税徴収を図ることを目的として、詐害行為取消権を合理化した制度であるといえよう。他方で、学説においては、後述するように第二次納税義務の成立につき詐害の意思が必要でないと解されること、滞納者による財産の処分行為等それ自体が取り消されるのではなく受益者に対して第二次納税義務が課されること、第三者は現存利益の限度で第二次納税義務を負うことなどを根拠として、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務は、詐害行為の取消しではなく、一種の不当利得の返還(租税との関係だけにおける不当利得の返還)に類似する制度であるとの指摘もなされている )4
(。
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(2) 国税徴収法三九条の適用対象 国税徴収法三九条は、滞納国税の法定納期限の一年前の日以後に滞納者によってなされた無償または著しく低い額の対価による財産の譲渡(担保の目的でする譲渡を除く)、債務の免除その他第三者に利益を与える処分(以下、これらを総称して﹁無償譲渡等﹂という)を適用対象とし、国税の徴収不足が無償譲渡等に基因すると認められるときに )5
(、無償譲渡等により受けた利益が現に存する限度(これらの者が滞納者の親族その他の特殊関係者であるときは、無償譲渡等により受けた利益の限度 )6
()において受益者に第二次納税義務を課す。同条にいう﹁譲渡﹂は、贈与、特定遺贈、売買、交換、債権譲渡、出資、代物弁済などによる財産権の移転をその内容とし、相続などの一般承継によるものを含まないとされる )7
(。相続などの一般承継が国税徴収法三九条にいう﹁譲渡﹂から除外されているのは、被相続人が未納付の国税を有する場合において相続による一般承継がなされたときには、被相続人が納付すべきであった国税の納付義務が相続人に承継されることになるため(税通五条)、相続人に第二次納税義務を負わせる必要がないからである )8
(。 しかしながら、本件においては、被相続人ではなく相続人であるAが国税を滞納しており、かつ、被相続人から相続人への相続財産の承継ではなく相続の開始により共有となった相続財産の相続人間における譲渡(遺産分割)が問題となっていることから、本件遺産分割協議が国税徴収法三九条にいう﹁譲渡﹂に該当する余地はありうる。また、国税徴収法三九条にいう﹁第三者に利益を与える処分﹂とは、譲渡、債務の免除以外の処分のうち、滞納者による積極財産の減少の結果(滞納者の身分上の一身専属権である権利の行使または不行使の結果によるものを除く)、第三者に利益を与えることとなる処分をいうとされる )9
(。 本件においては、第一審から最高裁に至るまで、本件遺産分割協議が国税徴収法三九条にいう﹁譲渡﹂に該当するか否かではなく、同条にいう﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当するか否かが争われている。 一六九八
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二四一( )
三 詐 害 の 意 思 の 要 否 ( 争 点 ② に つ い て )
民法四二四条一項は、詐害行為取消権の行使について、債務者による詐害の意思を要件としている。ここで問題となるのが、詐害行為取消権(それと同一の機能を果たす国税通則法四二条)を合理化した国税徴収法三九条の適用においても滞納者による詐害の意思が要件とされるか否かである。 本最高裁判決は、Aに詐害の意思が存在していたことを確認しつつも、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の成立につき滞納者の詐害の意思が要件とならないことを明らかにしている。国税徴収法三九条の文言からも明らかなように、第二次納税義務の成立につき詐害の意思は明示的には要件とされていない。本最高裁判決も、﹁そもそも同条の規定によれば﹂と述べているように、詐害の意思の要否について国税徴収法三九条の文言を主たる手掛かりとして判断している。詐害の意思の要否について条文上の文言に忠実な判断は、従前の下級審判決においても同様に見受けられる )₁₀
(。 次に問題となるのが、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の成立につき詐害の意思が黙示的に求められているか否かである。この点について、学説においては、詐害の意思を必要とする明文上の文言は存在しないものの、詐害行為の取消しをすることができる場合とほとんど同様の事情があるとみなし得る場合およびこれに準ずる場合に国税徴収法三九条が適用されると考えて差し支えないとして、詐害の意思が黙示的に求められていると論じられることがある )₁₁
(。 ここで国税徴収法三九条の立法経緯に目を向けてみると、現行国税徴収法(昭和三四年法律第一四七号)三九条の立法に際して、旧国税徴収法(明治三〇年法律第二一号)四条の七の適用対象を法定納期限の前二か年以降になされた無償譲渡等から法定納期限の前一か年以降になされた無償譲渡等に制限することとの見合いで、同条において求められて
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遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二四二
いた﹁財産ノ差押ヲ免ルル為故意ニ﹂という主観的要件が意図的に削除されている )₁₂
(。さらに、立法過程においては、滞納者の詐害の意思についての受益者の悪意についてではあるが、課税庁がすべてのケースにおいて個別具体的に主観的事情の存在を立証することは現実問題としても困難であることが懸念されていたところである )₁₃
(。 このような立法経緯によれば、第二次納税義務の成立につき詐害の意思は明示的にも黙示的にも要件とされていないと解すべきである )₁₄
(。したがって、第二次納税義務の成立につき詐害の意思が要件とはならないことを示した本最高裁判決は妥当であると解される。もっとも、本最高裁判決が本当に滞納者の主観的事情を考慮することなく国税徴収法三九条の適用可能性を判断したかについては、後述するように疑義が残る。
四 本 件 遺 産 分 割 協 議 の ﹁ 第 三 者 に 利 益 を 与 え る 処 分 ﹂ 該 当 性 ( 争 点 ① に つ い て )
(1) 合理的事由に基づく国税徴収法三九条の適用除外 本最高裁判決は、法定相続分と異なる内容の遺産分割協議がすべて﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当するとまでは断言せず、本件遺産分割協議が﹁第三者に利益を与える処分﹂に当たり得る 44444と判示するにとどまる。このような曖昧な表現が用いられているのは、本件控訴審判決の影響によるものであると推測される。 すなわち、本件第一審判決は、遺産分割協議が相続人の一般財産に組み入れられた財産の﹁譲渡﹂という性質を有するとの一般論を展開した上で、このような性質を有する本件遺産分割協議は﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当すると判断している。しかしながら、このような論理構成によれば、法定相続分と異なる内容の遺産分割協議がすべて﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当するとの誤解をもたらしかねない。そこで、本件控訴審判決は、第一審判決に﹁すべ 一七〇〇
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二四三( ) ての相続に際して法定相続分どおりの遺産の取得を強制するものではないし、もとより民法九〇六条の規定に従った遺産分割協議を否定するものでもない﹂との判断を付加している。 本最高裁判決も、控訴審判決を全面的に支持し、遺産分割協議に国税徴収法三九条が適用されない場合があることを念頭に置いていると思われる。それにも拘らず、本最高裁判決は、どのような場合に国税徴収法三九条の適用が除外されるのか、なぜ本事案は国税徴収法三九条の適用を免れえない事案であったのかについては一切明言していない。この点について議論の糸口となるのが、本最高裁判決が依拠したと推測される本件控訴審判決の付加部分に挙げられている民法九〇六条である。 民法九〇六条は、﹁遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。﹂と規定する。ここにいう﹁一切の事情﹂には、将来の家業の承継や生存配偶者たる父母の扶養や世話も含まれうると解されている )₁₅
(。遺産分割の内容が相続人間における種々の事情を踏まえた上で協議されるところ、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務により法定相続分を超える金額を受益者から機械的に取り戻すことを許容すれば、民法九〇六条における上記要請を没却することにもなりかねない。ここから、法定相続分通りの遺産分割協議をしないことについて合理的事由が存在する場合には、国税徴収法三九条の適用を制限すべきであるとの論理が導かれることになる。このような論理は、学説の多くにおいても、妥当性のある論理として受け入れられているところである )₁₆
(。 ここで問題となるのが、国税徴収法三九条の適用を制限すべき合理的事由とは一体何を指すのかという点である。この点については、従前の裁判例や課税実務において、合理的事由の存在を根拠として国税徴収法三九条の適用を制限している例が実際に存在する。例えば、東京地裁昭和四五年一一月三〇日判決 )₁₇
(においては、離婚を前提とする慰謝料の支
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払(民法七〇九条、同法七一〇条)および財産分与(民法七六八条)を目的としてなされた金銭の贈与につき、必要かつ合理的な理由に基づく財産の処分であるとして、国税徴収法三九条の適用可能性が否定されている。また同様に、課税実務においても、生計を一にする親族の生活費、学資等に充てるためにした社会通念上相当と認められる範囲の金銭または物品の交付について、親族間の扶養義務等(民法八七七条など)の趣旨から )₁₈
(、国税徴収法三九条の適用が制限されている )₁₉
(。 ここからみる限りでは、滞納者による無償譲渡等を国税徴収法三九条の適用対象から除外するか否かは、家族関係について形成された私法秩序を課税によって変動させるべきでないという考えや、将来の生活費などに対しては課税を抑制すべきであるという考えによって規律されているように窺われる )₂₀
(。このことを前提とすると、民法九〇六条に則って相続人間における種々の事情を考慮して決定された本件遺産分割協議の内容は、租税法の領域においても基本的には合理的なものとして受容すべきことになる。本件について具体的にみるに、Aの近くに居住してその面倒を看てくれるXに多くの遺産を取得させようとするAの意図が存在したこと(最高裁において適法に確定した事実とされている)や、Bが残した遺産がXの事業関連資産でありAが取得するよりもXが取得する方が合理的であったこと(認定事実ではなく、第一審におけるXの主張)は、民法九〇六条の観点からしても、国税徴収法三九条の適用除外を認めるに足る合理的事由といいうるものである )₂₁
(。 このような合理的事由の存在にも拘らず、本最高裁判決が国税徴収法三九条の適用を認めたのは、やはり本件遺産分割協議によって多額の滞納国税の納付を免れようとするAの主観的事情(詐害の意思)の存在を考慮したからではないだろうか )₂₂
(。このような推測が正しければ、本最高裁判決による主観的事情の潜在的考慮は、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の成立につき詐害の意思は要件とされないと明言したことと論理的に矛盾することになる )₂₃
(。 一七〇二
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二四五( ) 学説においては、合理性審査について、次のような慎重論がある。すなわち、すべてのケースにおいて無償譲渡等の合理性を詳細に検討しなければならないことは租税の簡易迅速な確保という第二次納税義務制度の趣旨と矛盾することになるから、解釈論において合理的事由が認められるとしても、それは比較的明確な事由につき、ごく限定的に認められるべきであると指摘される )₂₄
(。しかし、そもそも問題としなければならないのは、無償譲渡等の合理性を審査すること自体である。なぜなら、無償譲渡等の合理性を問うということは、裏を返せば、詐害の意思が存在していないことを求めることに繋がりやすいと思われるからである )₂₅
(。このような合理性審査は、詐害の意思が同税徴収法三九条の適用要件でないとの解釈と首尾一貫しないおそれがある。
(2) 異なる理論的可能性 本最高裁判決は、遺産分割協議の法的効果について﹁遺産分割協議は、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その全部又は一部を、各相続人の単独所有とし、又は新たな共有関係に移行させることによって、相続財産の帰属を確定させるものであり、その性質上、財産権を目的とする法律行為であるということができる﹂と判示した前掲最高裁平成一一年六月一一日判決を、国税徴収法三九条の解釈にそのまま持ち込んでいるように見受けられる )₂₆
(。つまり、本最高裁判決は、遺産分割協議に基づいて法定相続分を超える部分につきAからXに相続財産の移転(第三者に利益を与える処分)があったと解しているものと思われる。 本最高裁判決は、このような判断に加えて、本件遺産分割協議の背景にAの近くに居住してその面倒を看てくれるXに多くの遺産を取得させようとするAの意図が存在していたことを、原審において適法に確定した事実として挙げている。本最高裁判決によるこれら二つの判断から浮かび上がる理論的可能性は、Aが本件遺産分割協議により法定相続分
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遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二四六
を超える遺産をXに取得させたという事実を、Aの面倒を看るというXの役務提供に対する対価の前払と構成することである。もし仮に、Xによる役務提供に対する対価の額が提供される役務の価値よりも著しく過大であると判断された場合 )₂₇
(、著しく過大な対価の支払は﹁第三者に利益を与える処分﹂に該当する余地があり、適正な対価との関係で著しく過大であると判断された部分が国税徴収法三九条にいう﹁受けた利益﹂に該当することになる )₂₈
(。 しかしながら、このような解釈は、功罪相半ばする。一方で、このような解釈によれば、Aの面倒を看るというXの役務提供に対する対価の額が著しく過大であったとしても、正常な対価であると判断された部分については第二次納税義務の成立を回避することができる )₂₉
(。結果として、合理的事由がある場合に国税徴収法三九条の適用を除外するという上記解釈において懸念される法的問題(主観的事情の潜在的考慮)を引き起こすことなく、Aの面倒を看てくれるXに多くの遺産を取得させようとする相続人間における種々の事情(民法九〇六条)を少なからず反映させることができる。 他方で、このような解釈に付随する現実的な問題は、Xによって将来的になされる役務提供の価値およびそれに対する対価の額の合理性をどのように評価するかである。一つのありうる解釈は、相続人間における種々の事情を尊重するのであれば、将来的にAの面倒を看てくれるXに多くの遺産を取得させると相続人間で決めた限り、役務提供に対する対価の額を合理的であると推定するものである。とはいえ、課税庁は、合理的な評価方法による限りにおいて、著しく過大と判断した部分を﹁受けた利益﹂の額として第二次納税義務を課すことを妨げられない。
(3) 国税徴収法三九条にいう﹁その財産﹂該当性からのアプローチ 本最高裁判決が示すように遺産分割時にAからXに法定相続分を超える部分の相続財産の移転があったといいうるには、遺産分割時に当該部分の相続財産が滞納者の財産であったことが求められることになると解される。﹁滞納者がそ 4 一七〇四
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二四七( ) の財産につき 444444行った﹂無償譲渡等が国税徴収法三九条の適用対象とされていることからも、本件につき国税徴収法三九条の適用が認められるべきか否かを判断する際には、相続の開始によって共有となった相続財産が遺産分割時にAの財産であったといいうるか否かが問われなければならない。 民法の学説においては、共同相続時における相続財産の共同所有(民法八九八条)の法的性質をめぐって、共有説と合有説との鋭い対立がみられる。共有説とは、各相続人は相続財産を構成する個々の物または権利について相続分に応じた具体的持分を有するという考えをいう。これに対して、合有説とは、共同相続人は特別財産としての相続財産全体について観念的な持分を有するに過ぎないという考えをいう。本件で問題となっている遺産分割の法的効力に限定して両者の対立をみてみると、共有説は、民法九〇九条但書が遺産分割前における共有財産の処分を前提としていることを根拠として、相続財産を構成する個々の物または権利について各相続人が具体的持分を有することを説く。これに対して、合有説は、民法九〇九条本文が遺産分割の遡及効を定めていることを根拠として、相続財産全体について各相続人が観念的な持分を有するに過ぎないことを説く。このような規定の一端を捉えた法的性質論に対しては、具体的問題の検討を抜きにした抽象的な議論は無意味であり、具体的事例において各共同相続人が遺産につきどのような権利を有すると解すべきかを個別具体的に検討すべきであるとの反省がなされている )₃₀
(。 同様のことが、遺産分割の効力をめぐる宣言主義と移転主義との学説上の対立においても当てはまる。ここに宣言主義とは、相続人は各自の取得分を相続開始と同時に承継取得していたのであり、遺産分割はこの効力を宣言するものに過ぎないという考えをいう。宣言主義は、民法九〇九条本文において遺産分割の遡及効が認められていることを根拠として展開され )₃₁
(、合有説と結びつきやすい。これに対して、移転主義とは、相続財産の共有関係が遺産分割によって各相続人の単独所有や新たな共有関係に移行するという考えをいう。移転主義は、一九四七年の民法改正において民法九〇
一七〇五
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二四八
九条に但書が付加されたという経緯や遺産分割の実態を根拠として展開され )₃₂
(、共有説に結びつきやすい。ここで注意すべきは、移転主義に依拠する論者も、相続人相互の関係においては遺産分割の効果が遡及されることを否定していないことである )₃₃
(。このことから、遺産分割の効力に関する議論についても、相続財産の共同所有に関する法的性質論と同じく、具体的事例に即した検討が求められているといってよい )₃₄
(。 本件について具体的にみるに、認定事実のみから判断する限りでは、遺産分割前に相続財産が第三者に移転されたという事実もなく、相続人相互の関係においては遺産分割の効力は相続開始の時点にまで遡ることになる(民法九〇九条本文)。ここで次に問題となるのが、租税法の体系の中で、相続財産の共同所有の法的性質および遺産分割の効力がどのように捉えられているかである。この点については、未分割遺産に対する課税に関する相続税法五五条を検討することが有益である。 相続税法五五条においては、相続税の申告期限内に遺産分割が行われていない場合、一旦法定相続分に従って課税価格を算定して税額の納付を行い、その後遺産分割が実際になされたときに、再計算された相続税額を基にして、修正申告や更正の請求を通じて当初の相続税申告を遡及的に是正することができるとされている )₃₅
(。現行相続税法が遺産取得税体系により構成されていることから )₃₆
(、相続税法五五条の趣旨は、遺産分割前の遺産に対する相続人別の擬制的取得遺産課税を分割後の真実の取得遺産に対する課税に調整することにあると捉えられている )₃₇
(。このような規定からすれば、相続税法は、法定相続分による相続財産の共同所有状態は暫定的なものであり、各相続人は法定相続分の相続財産につき観念的持分を有するに過ぎない )₃₈
(、と捉えているものと思われる )₃₉
(。 以上のように、本件遺産分割の効力は、民法上も租税法上も、相続人相互の関係においては相続開始時まで遡るものとして扱われることになると解される。遺産分割の効力が相続開始時まで遡るとすると、本最高裁判決において遺産分 一七〇六
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二四九( ) 割協議においてXに移転したとされる財産(Xの法定相続分を超える部分)は、遺産分割がなされた時点において、Aに帰属する財産ではなかったということになる。つまり、Xが法定相続分を超えて取得した部分の相続財産は、遺産分割がなされた時点において、すでにXに帰属する財産であったということになる。したがって、本件遺産分割協議は国税徴収法三九条の適用要件(﹁その財産﹂要件)を満たしていないことになるから、Xに対する本件第二次納税義務の告知処分は違法であると解される )₄₀
(。 本最高裁判決は、原審において適法に確定した事実として、本件遺産分割協議の背後に滞納税額の徴収を免れようとするAの意図が存在したことを挙げている。このような事実関係を前提とすれば、課税庁は、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務によらずとも )₄₁
(、国税通則法四二条において認められた詐害行為取消権を行使することにより、本事案におけるような滞納者による租税債権回収の阻害に対処することができたように思われる。
五 お わ り に
本最高裁判決は、本件遺産分割協議が国税徴収法三九条の適用が除外される合理的なものであるか否かについて、詐害の意思が存在しているか否かを基準として判断していると思われる。このような詐害の意思の潜在的考慮は、国税徴収法三九条に基づく第二次納税義務の成立につき詐害の意思が必要でないことを明言したことと論理的に矛盾する危険を孕んでいる。主観的事情の潜在的考慮があってこその結論であるとするならば、本最高裁判決の射程はきわめて狭いと評価されうる )₄₂
(。 本最高裁判決の最大の問題点は、国税徴収法三九条の適用可否を判断する際に、遺産分割によって改めて相続財産の
一七〇七
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二五〇
帰属が決定される(相続人間で相続財産に係る持分が移転する)旨判示した前掲最高裁平成一一年六月一一日判決に拘泥し、国税徴収法三九条自体に示された適用要件を充足するか否かの判断を欠いている点にある。国税徴収法三九条はその適用対象を滞納者自身の財産の無償譲渡等に限定しているから、本件に国税徴収法三九条を適用しうるか否かを判断する際には、Xが法定相続分を超えて取得した部分の相続財産が遺産分割の時点においてAの財産であったかが問われなければならない。それにも拘らず、本最高裁判決は、この点について何ら判断していない。 相続人相互の関係において遺産分割の効力は相続開始時まで遡ることになると解されるから、Xが法定相続分を超えて取得した部分の相続財産は、遺産分割の時点においてAの財産ではなく、すでにXに帰属していたことになる。したがって、本件遺産分割協議は国税徴収法三九条の適用要件を充足していないため、Xに対してなされた本件第二次納税義務の告知処分は違法である。このような解釈によれば、法定相続分を若干超える遺産を取得したCに対しても、国税徴収法三九条を適用することは認められない。 さまざまな方法や態様によってなされる相続に国税徴収法三九条を適用しうるか否かを判断する際には、私法上の議論や裁判例に目を向けつつも、国税徴収法三九条の文言に忠実に即した判断が求められるべきである。さらに、国税徴収法三九条が国税通則法四二条を補完する位置づけにあることに鑑みれば、国税徴収法三九条の適用範囲をみだりに拡大しないよう、慎重な判断が求められることになろう。
(
東〇と議協割分産遺﹁大幸野高批年一二〇二(頁一二二号六三学法北﹂第)、次税納(頁四六号八一一究研例事務二﹂る題義務に係税相問税法上の続 一三六頁(〇二〇一年)、高一号批一巻三五理税﹂判﹁紀雅村中)、橋〇祐五﹁勤川前)、年〇一〇二(頁五七号介六巻二四一誌雑法商民﹂批判﹁年判 一九情法事民﹂批判﹁名署無)、年〇二〇二(頁一号三巻八一報情研税報八〇批二(頁四四号六九AQ務税﹂判号﹁健谷奥)、年〇一〇二(頁〇六二 1) 評祥口森、てしと文論びよお釈の﹁件本む含を審訴控びよお審級下司判C〇KT﹂批判﹁一義藤伊)、年九〇二批(頁五一号五巻一四例事務税﹂ 一七〇八
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二五一( ) 〇一〇年)、占部裕典﹁判批﹂TKCローライブラリー速報判例解説(租税法No.50)一頁(二〇一一年)、神山弘行﹁判批﹂ジュリスト一四二二号一四九頁(二〇一一年)、山田二郎﹁判批﹂税務事例四三巻五号三二頁(二〇一一年)、古田孝夫﹁判批﹂ジュリスト一四二三号九八頁(二〇一一年)、占部裕典﹁判批﹂判例評論六二八号二頁(二〇一一年)などがある。(
( 2中二。下以頁八一二)年八〇〇、田) 書波岩﹄(論総権債﹃康裕店 3会訂)﹄(大蔵財務協、年二〇〇九年)三六改一) 国吉国二郎ほか編﹃税二徴収法精解(平成七
( 八八日)第三の一の(二低額譲渡等と租税)。月 -三六度八頁、租税徴収制調年査会答申(昭和三三一 4、政事情研究会一融九七〇年)五〇財金) 税浅田久次郎﹃租徴﹄(収の理論と実務一
( 収際実と論理の徴財税国版 新滿正﹄(﹃経年詳。四四二)頁二報九一、社九 いてれさないが用運近にと求る深いわれている。谷和夫=牧野還請返例よ三論評例判びお。頁二説解得判頁な速い利当不、もておおに務実税課、報 -五)る二頁。この見解を是認すも1のとして、占部・前掲注(〇
〇徴達通本基法収税三国(るれさとう第九を掲七三)3(注前条・国吉)。九係関い 5が﹁﹂きとるれらめ認とるす因基には分処のられこが足不収徴の税国と、なはかったならば、現在の徴収) 足生そじなかったであろう場合分処の不
( -三七一頁も参照。
( し者論右、てっがた)。い照参)算計額度限の表うてよ。るえといないいじうは税課重二な生 注(3)三七本一頁)、件に前お掲て・国吉(ろことるいれさとのもてい(も一の益利たけ受(2表別実決判審の第が際に続税額相控されている除 て算においべ控除すき額計度るて、らがなしかし。るいじ益論と限た当に税課重二な受財質よの益利たけ受は税租びお産用費たし要接直に得取の的 6前定財続相の分部る回上を分続相法川、は頁六二二)1(に注掲前・産) 係得実が税課の)得所納滞のA(税所るる係に務義税納次二第と税続相税 7係六三)3(注掲前・国吉。三関) 条九三第達通本基法収徴税国九
( -三七〇頁も参照。
( 8冬旨)三三〇頁は、このような趣を八説明しているものと解される。年〇木解千成﹃国税徴収法基本通達逐条説) (全訂版)﹄(大蔵財務協会、二〇
( 。たれらめ含が議協割 国受けて、本税徴収法基決を本判審訴控件達、おな。照参も頁通係第に分産遺に分処るえ与を益利者三三第、れさ正改は五七関条九〇三3(注掲) 9を三者に利益る与え。処分に第関五本国税徴収法基通係達第三九条、は) 例定前・国吉。るれさとるあが分処設えの等権借賃、権当抵、権上地、ば
( 月三号二一巻五二月訟日三一九六年四五和昭判高阪大、PH所〇〇裁日。頁六七三号三巻六二集行四頁二月三年〇五和昭判地京東、判 10八判沢金、頁九六一号九六二一タ日判三一月二一年九一成平判地阪大地平月古) 〇日年八一成平判支沢金高屋名成、PH所判裁日五二月七年七一三 11) 吉国・前掲注(3)三七二
-三七三頁。
一七〇九
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二五二
(
( 12―青、正編︺(一)﹄(信山社二和〇〇二年)四六九頁。改︹昭法善充=碓井光明﹃租税制山定資料全集国税徴収) 法
( 言一頁︹渡辺発部一分︺を参照。六 13のそ下)﹄(有斐閣、一九六〇年)思究意の害詐。下以頁〇七四・上同(研もいのについての立証の困難性につて法は、租税法研) 会編﹃租税徴収究 14﹁一六九頁)に関する佐藤英明判九批﹂ジュリスト一三八五号一三号六) 成この点については、大阪地裁平一二九年一二月一三日判決(判タ一六
-
一三八頁(二〇〇九年)も参照。(
( 15池二七版)﹄(有斐閣、〇(〇八年)一四三頁。第選田紀恒男﹁判批﹂水野子) ほか編﹃家族法判例百
( 頁頁、山田・前掲注(1)三七、五古田・前掲注(1)九九頁。一 16・川占、頁二二二)1(注掲前・前一、頁一六)1(注掲前・名署無部)前よ掲注(1)速報判例解説四頁お) 1判例評論七頁、神山・前掲注(び
( 17東一。頁二九三一号二一・号一一巻二京年地判昭和四五一) 一月三〇日行集
( 18冬木・前掲注) 8)三三一頁。(
( 19国条。三)注(三係関九税) 第達通本基法収徴三
( 20―高。照参も頁八八五七橋) 五)1(注掲前・八
( を論とるす当該に﹂分処るえ与益て利に者三第﹁は議協割分産遺じい本前。るあが頁四二二)1(注掲・る川前、てしとのもの旨趣同。件 21離四民、は頁七論評例判びよお頁説九解例判報速)1(注掲前・部占法〇) なた乖くし著らか分続相定法、おも六てし慮考を情事の切一ういに条し
( 22こ・。るあが頁九八五)1(注掲前橋のい点を指摘してる) ものとして、高
( やるす解理とるなくすし地立成が務義同に合場る余はもなあ。るすを問疑に解理呈うろよう。﹂として、この 二第もてくなは思、意の害詐ちわな納す次、税のうあが思意の害詐の義もる得し立成は務。よと判いないき解すれば、決れ内在的な矛盾は回避でて 23くし著は又償無﹃、﹁は一頁二五対)、これにいして神1山・前掲注(低) 額をさ斥排はでまとこるれ入に慮考思の意の害詐ていおに定判の﹄価対、
( 24高橋・前掲注) 1)五八八頁。(
古(われる田・前掲注1)九九頁も参照。 がたすることとおよそ困難なあっるで割分産遺な評的理合です値に護案事あて思とるっに手の者論一同。るいよじこ論たという価ととできる。﹂が ・・・・・・る的目あれ免をがいったとうのでるから、保収あの徴徴用適を条九三法税る国にれこ、はにすこ税え国納滞にA。るいとといなはで当相は収 25) 一てし慮考を情事の切一、﹁は頁六わ)1(注掲前・名署無、ばえ例行れ合理場るれらめ認とるあでのもな的合たるす値に護保、が議協割分産遺 一七一〇
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 同志社法学 六三巻三号二五三( ) (
( 26高橋・前掲注) 1)五七九頁。(
( つ大過くし著もていに対払支の価対るす対にな価提と。るれわ思とるなにこのるれさと題問が払支供 27渡産はたま償無﹁ていつに渡譲の財し、はていおに条九三法収徴税国著く﹂らが問題とされて) るのであるか、低役務譲の産財るよに価対の額いい
( 一の際実、﹁も)年八九九一(頁二給号七七四論評例判﹂批判﹁生忠支額岡離。るいてじ論と﹂るれさ求要が乖との上以定一に間のと価対な正適村 28) る能可用適の条九三法収徴税国すが対に払支の与給職退員役な大過性争す決関に)頁三四号九二六一時判(判わ日八月八年九成平裁地京東たれる
( 29国、理的なものであるだけでなく金が額の合理性も問題としている。合途税(徴収法基本通達第三九条関係三注) )三は、滞納者の有する財産の使 30彦民釈注版 新﹃忠) 貴久=平知口谷法
((27)続頁︺。筆執彦義藤佐=夫忠井宮︹二⑵相三)年九八九一、閣斐有﹄(九
( の遺産を承継するのが相続筋直﹂であると論じている。接 31〇四人から〇〇二、閣斐有()﹄版第相(法続相﹃雄久泉=助之善川中続被年に)は、﹁遺産は相続人に合有的帰て属) 、相続人は遺産分割によっし 32)﹄、内田貴﹃民法Ⅳ(補訂版(三有斐閣、二〇〇四年)四三頁四) 訂鈴木禄弥﹃相続法講義(改版二)﹄(創文社、一九九六年)〇
( -四三一頁。
( 33) 鈴木・同上。
(る的宣言主義による理解がなされこ修とがある。谷口=久貴・前掲注正 34分係し当妥が義主言宣はていおに関遺の互相人続相、もていおに説学、産割) 前に遺産が第三者に移転してい場う合には移転主義が妥当するといる
( 30)三九二頁︹川井健執筆︺。
( を税課たし出算てしと礎基産格財たし取りよに割分産遺価得おでよ。るいて述と︺﹂る︹あべの額びも相続税の申告その 手な続るかか、り申異はと告正修利はを、用のまは質実のそのもしるすはれさなてた求あをに過誤が請ってその是正求申めるための一般の更正の告 35は)頁三二四号三巻一二(集行京決判日四月三年五四和昭裁地遺東、) 産請の初当、﹁ていつに格性的法の求の分正更よお告申正修るけおに後割び
( 。頁四 課系を修した式税方税を採用し体取得い産遺、くなはでけわるいてして正る二)﹄(弘文堂、〇六一一年と五〇版)一子第いれる。金わ宏(租税法﹃ 税続相の国、がわていおはに法得、純粋な遺産取税方式を採用意味の議合によって決定された遺産取得割に協()。条七一税相る応なにのもたじこ 36相は一ずら拘に容内の割分産遺、で続額総税続相るす対に体全産財定) あ納割分産遺、は額税続相きべす付人る続相各、しだた)。条六一税相(の
﹂こっ行に期早を割分産遺、りにとる者きでがとこるせら遅を税課の税たなと生いて不公平がずにることにそるつな担の負うない者とで間相続税ので いとるすとのでなきが税課遺、的産の分割を恣意に遅延して相続続税相法頁﹄(第一法規、加除式)三四五三は税、﹁遺産の分割が行われない限り、 37北税)年四七九一、房書草勁﹄(法六野続相ルータンメンコ﹃編久弘四) 三監続相ルータンメンコCHD﹃修昌頁田武、で方他︺。筆執胤俊谷宮︹輔
一七一一
遺産分割協議に基づく法定相続分を超える遺産の相続と第二次納税義務の成立可否 ( )同志社法学 六三巻三号二五四
ところに、相続税法五五条の存在意義があると論じている。さらに、東京地裁昭和四五年七月二二日判決(訟月一七巻六号一〇二七頁)は、相続税法五五条による取扱いを、国家の財源を迅速かつ確実に確保するという国家的要請に基づく措置であるとしている。(
( 上くづ基に割分産遺、でた実えとのもな的定暫を態状真捉のし取。るれわ思ともるいての向す得志遺産に対る課税を 、もやではり体遺産取得税そ系れ成、う基判はり立ちるら。しかしながを相礎定有所同共の産財続るよに分と相続法税する現行相、続法においては か批ういと、いなっづ基に分続相定法、合場たか相なし択選を求請の正更はたく続告とはでのるあが合場るういいる財あで的定確は態状有共の産ま 38も告当たじ通を求請の正更はたま申っ正修は条五五法税続相、ものと初) 相意申正修者税納、らかるいてしと任続の者税納を正是的及遡の告申税が 39・八五)1(注掲前橋) 高、てしと旨趣同一
( 続相定法の己自が人相分同共、がるあはでに続各にてつ。るいて解とるいししを分持的体具て有い す状態を想定各れば、共う同なすよのこ、がるなにとこる行執を続相る人相的象抽、てしと﹂処いてし続には的象抽りよに分続相定法ずま、分納滞 てらいでままいなし割分を産遺が人と続相同、共いおに合場るいてしるき滞が、てしなみとのもたし続相てったはしに分続相定法の、そは長署務、税納 -五が対掲前・藤伊、てしに(れこ。るあが頁二注1人又一の人続相同共は人)続相被、﹁は頁三一八
( との平衡、てしと提前をこ点るあが用の条九三法収徴観適か適ら。く説とあできべす用るをに相条続放棄ついても同 山に・神、てし対なれこ。いえし掲用前割注産は税国に議協分遺(、は頁一五一)1適条共な続財産の九同所有者にらもないから、国税徴収法三相 40とのもたっかならなと人ら続相にか放同様な、相続棄初をした者が当み) さてそもそは者たしを棄放続相、もいれおに)九三九法民(棄放続相る条
( あはとこう使を務義税納次二第で同段手保確な速迅易簡に後置放納、る制疑度るいてし摘指と。﹂るじ生が問。うで予定外利用のはいのかといな っるす納滞て間たわに期長、とこたをか滞の間期長、の放ついおてし置きにさ税早期の租税債権回収が可能な務額官庁が、なぜこれほど多額の税れ 41高つ分処知告の務義税納次二第件本橋、は頁九八五)1(注掲前・に) い率与付が権行執力自、えいはと的効て方たし収徴を額税納滞の額高、﹁が
42前。頁七四)1(注掲・) 谷奥、頁二九五・上同 一七一二