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【同志社大学刑事判例研究会】共謀加担後の暴行が 傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の 共同正犯の成立範囲

著者 平盛 洋輔

雑誌名 同志社法學

巻 68

号 4

ページ 1423‑1449

発行年 2016‑09‑30

権利 同志社法學會

URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000016897

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二三五一四二三

◆ 同 志 社 大 学 刑 事 判 例 研 究 会 ◆

 

最 高 裁 平 成 二 四 年 一 一 月 六 日 第 二 小 法 廷 決 定   平 成 二 四 年 ( あ ) 第 二 三 号 傷 害 、 強 盗 、 建 造 物 侵 入 、 窃 盗 被 告 事 件   刑 集 六 六 巻 一 一 号 一 二 八 一 頁 、 判 時 二 一 八 七 号 一 四 二 頁 、 判 タ 一 三 八 九 号 一 〇 九 頁

           

【 事 実 の 概 要 】

  X及びY(以下﹁Xら﹂という。)は、午前三時頃、携帯電話販売店に隣接する駐車場又はその付近において、同店に誘い出したA及びB(以下﹁Aら﹂という。)に対し暴行を加えたが、その態様は、Bに対し、複数回手拳で顔面を

( )

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(    )同志社法学 六八巻四号二三六 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四二四

殴打し、顔面や腹部を膝蹴りし、足をのぼり旗の支柱で殴打し、背中をドライバーで突くなどし、Aに対し、右手の親指辺りを石で殴打したほか、複数回手拳で殴り、足で蹴り、背中をドライバーで突くなどするというものであった。

  その後、Xらは、Bを車のトランクに押し込み、Aも車に乗せ、別の駐車場(以下﹁本件現場﹂という。)に向かった。その際、Yは、被告人がかねてよりAを捜していたのを知っていたことから、午前三時五〇分頃、被告人に対し、これからAを連れて本件現場に行く旨を伝えた。

  Xらは、本件現場に到着後、Aらに対し、更に暴行を加え、その態様は、Bに対し、ドライバーの柄で頭を殴打し、金属製はしごや角材を上半身に向かって投げつけたほか、複数回手拳で殴ったり足で蹴ったりし、Aに対し、金属製はしごを投げつけたほか、複数回手拳で殴ったり足で蹴ったりするというものであった。これらの一連の暴行により、Aらは、被告人の本件現場到着前から流血し、負傷していた。

  午前四時過ぎ頃、被告人は、本件現場に到着し、AらがXらから暴行を受けて逃走や抵抗が困難であることを認識しつつ、Xらと共謀の上、Aらに対し、暴行を加えた。その態様は、Bに対し、被告人が、角材で背中、腹、足などを殴打し、頭や腹を足で蹴り、金属製はしごを何度も投げつけるなどしたほか、Xらが足で蹴ったり、Yが金属製はしごで叩いたりし、Aに対し、被告人が、金属製はしごや角材や手拳で頭、肩、背中などを多数回殴打し、Xに押さえさせたAの足を金属製はしごで殴打するなどしたほか、Xが角材で肩を叩くなどするというものであった。被告人らの暴行は午前五時頃まで続いたが、共謀加担後に加えられた被告人の暴行の方がそれ以前のXらの暴行よりも激しいものであった。

  被告人の共謀加担前後にわたる一連の前記暴行の結果、Bは、約三週間の安静加療を要する見込みの頭部外傷擦過打撲、顔面両耳鼻部打撲擦過、両上肢・背部右肋骨・右肩甲部打撲擦過、両膝両下腿右足打撲擦過、頚椎捻挫、腰椎捻挫

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二三七一四二五 の傷害を負い、Aは、約六週間の安静加療を要する見込みの右母指基節骨骨折、全身打撲、頭部切挫創、両膝挫創の傷害を負った。

【 訴 訟 の 経 過 】

  第一審判決(松山地判平成二三年三月二四日刑集六六巻一一号一二九九頁)は、Aらの﹁傷害の大半は、被告人が本件現場に到着する前のX及びYの加えた暴行によるものか、あるいは被告人が加わった後の暴行によるものかが、証拠上必ずしも明らかではなく﹂、被告人について承継的共同正犯の成否が問題となるとした上で、﹁承継的共同正犯は、後行者において、先行者の行為及びこれによって生じた結果を認識・認容するにとどまらず、これを自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思の下に、実体法上の一罪(狭義の単純一罪に限らない。)を構成する先行者の犯罪に途中から共謀加担し、上記行為等を現にそのような手段として利用した場合に限られると解する﹂のが相当であるとした。その上で、本件については、共謀加担前後の暴行の一体性、被告人の暴行に至る経緯、被告人の激しい暴行によりAらの傷害が相当程度重篤化した点などからすれば、﹁被告人は、X及びYが、自らが本件現場に到着するまでの間に、B及びAを捕まえて暴行を加え、その暴行の結果両名が負傷していることを認識、認容の上、B及びAがこれらの暴行等により抵抗できなくなった状態を、制裁目的での暴行という、自己の犯罪遂行に積極的に利用する意思の下に、X及びYの暴行に途中から共謀加担したものと認められる﹂から、﹁被告人が加担する以前の、XやYによる傷害も含めた全体について、承継的共同正犯としてその責任を負うべきである﹂とした。

  原判決(高松高判平成二三年一一月一五日刑集六六巻一一号一三二四頁)も、同様に、﹁被告人において、X、Yの行為及びこれによって生じた結果を認識、認容し、さらにこれを制裁目的による暴行という自己の犯罪遂行の手段とし

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(    )同志社法学 六八巻四号二三八 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四二六

て積極的に利用する意思のもとに、一罪関係にある傷害に途中から共謀加担し、上記行為等を現にそのような制裁の手段として利用したものであるから、被告人は、被告人が加担する以前のXやYによる傷害を含めた全体について、承継的共同正犯として責任を負うものと解される﹂とした。

  これに対し、被告人は、共謀加担前のXらの暴行によって生じた傷害を含めて傷害罪の共同正犯の成立を認めた原判決は責任主義に反するなどとして上告した。

【 決 定 要 旨 】

  上告棄却 い更いな機動たっ行を行にに契後担加謀共が人告被、はし暴機結にを任責事刑ていつに果問害共傷ぎず、す謀担前の加 にに暴行をだ及ん趣旨て更状し用利を態るいてっなにうい事も実のそ、もてしとたっあがれとうよのそ、がるれさ解な 定の⋮認おは、被告人判決相原。るあで当がのるす解とに、い負て困が抗抵や亡逃、し傷難て受を行暴のらXがらAけ 害らの傷与の発生に寄てきるっよに行暴り足にすこ起たしAこ同と負を任責のてしと犯正う共罪害傷、みのていつにの 、から同傷害罪の共いすなはとこる有を係関果因犯正くと共れ引を害傷の後担加謀、しなはとこう負を任責のてとこが に担てせさ生に既がらX前加た謀共、は人告被、合場のいじ傷共為行くづ基にれ害び及謀そのい人果につ結て、被告は 骨母指基節は骨折除かれ右面のAと過擦撲打部鼻耳両。るせ以た下こ。るれらめとのも認さ相化じ。)を同当度重篤程 つ記部位にはいてAらた上もえ加を行暴に後担加謀共、の害傷認(のBちうの害傷たし定顔がて決たがっし、第一審判 頭殴を足や中背、肩、打中のA、足や背のB、てい、し暴Bををとくな少、りおてえ加行のの度強に更どなる蹴を頭用   ﹁材A害傷てえ加を行暴にらて負し謀共がらX、は人告をわ角しやごしは製属金、上た担せ加謀共にらX、に後た被

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二三九一四二七 得る理由とはいえないものであって、傷害罪の共同正犯の成立範囲に関する上記判断を左右するものではない。そうすると、被告人の共謀加担前にXらが既に生じさせていた傷害結果を含めて被告人に傷害罪の共同正犯の成立を認めた原判決には、傷害罪の共同正犯の成立範囲に関する刑法六〇条、二〇四条の解釈適用を誤った法令違反があるものといわざるを得ない。﹂もっとも、上記法令違反は、罪数や処断刑の範囲に影響を及ぼすものではなく、さらに、本件量刑はなお不当とはいえず、いまだ刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない。

  なお、本決定には、千葉勝美裁判官による以下のような補足意見が付されている。   法廷意見の述べるとおり、被告人は、共謀加担後の傷害についてのみ責任を負うべきである。その場合、共謀加担後の傷害の認定・特定をどのようにすべきかが問題となるが、実際には共謀加担後の傷害を具体的に特定できない場合も容易に想定される。その場合の処理としては、﹁安易に暴行罪の限度で犯罪の成立を認めるのではなく、また、逆に、この点の立証の困難性への便宜的な対処として、因果関係を超えて共謀加担前の傷害結果まで含めた傷害罪についての承継的共同正犯の成立を認めるようなことをすべきでもない。﹂

、。﹁、りな異はと件本、まる謀﹂なにとこるすを定認う共た加と担に⋮合場いなえいでまはのがもの傷害後重化した篤 う過等の右背ち、部・撲擦・打部甲肩右骨肋右部背る甲肩係部せにい﹄たせわ負を害傷るとさ篤重度程当相を害傷る化 の加担後り暴行によ認謀、共の人告被で上たし定害傷、﹃を静等す要を間週三約療加安重はていつに点たせさ化篤を名 れ暴用使器凶、ていつに病の有人告被の後担加謀共、ばの行無位・、度程・数回の行暴、傷部行た様、暴態の加えられ なのていつに実事きべるりと罪や因訴、足は定特合場特定にでくとに例を件本⋮。るあき欠べういといなはとこるけの   ﹁多定な宜適、で度限るきで認法上拠証、がるよもに案方で、べばれれさ示判に実事きる主なと罪、れさが証立張事

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(    )同志社法学 六八巻四号二四〇 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四二八

まず、共謀加担後の被告人の暴行により傷害の発生に寄与した点を証拠により認定した上で、﹃安静加療約三週間を要する共謀加担前後の傷害全体のうちの一部(可能な限りその程度を判示する。)の傷害を負わせた﹄という認定をするしかなく、これで足りるとすべきである。﹂

。﹂るあで然当 は、くなはで罪害傷、場に)合行いなきで定認は暴度罪にはのるなにとこるめ止立の成の犯正同共のでた限とし生が発   ﹁に傷たし与寄に生発の害り、よか行暴の後担加謀共に仮不よ害傷の個別はと害傷るに明行暴の前担加謀共(合場な

。﹂と定し難い想こであるろ こ機になるるがあに過や契の機動の行暴な者行後、に単ぎとい認。)に易容、は合場る得めはを共立承継的、正犯の同成 い関な因果認係はめ難ようつのこ、はていに罪害傷もとでの傷(先、が害法行暴るよに者行・、指に廷意が見摘するよう のる成立を認め得少であろうが、なく正犯同因成共について果関係を持ち犯罪が、立る的継承、すので得あが合場るり にせる合共は、謀負加わ場を責罪の等欺詐、喝恐、前担とのる果結の罪犯てっよに強こす先用利を果効の為行の者行盗   ﹁、ゆおに犯正同共的継承るわてい、とるえ考にうよのい後はをていつにかうどかう負任行責のてしと犯正同共が者こ

【 研 究 】

一   は じ め に

  本件は、先行者がすでに傷害を生じさせた後に後行者が共謀加担し、さらに暴行を加えて傷害を重篤化させたという事案であり、共謀加担前に先行者がすでに生じさせた傷害結果について、後行者である被告人も傷害罪の共同正犯とし

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二四一一四二九 て責任を負うのか、すなわち、傷害罪の承継的共同正犯の成否が問題となった。承継的共同正犯とは、先行者が実行行為の一部を行った後に後行者が犯罪に関与した場合、後行者は、自己が関与する以前に先行者によって実現された事実も含め、当該犯罪全体について共同正犯としての責任を問われるのかという問題である。これまで承継的共同正犯の成否に関して最高裁が判断を示したことはなく 1

、本決定は、承継的共同正犯の問題に関する初めての最高裁判例である点で注目され 2

3

  承継的共同正犯に関しては、学説上様々な見解が主張されており、従来の裁判例もその態度は一貫しておらず、本決定を従来の議論との関係でどのように位置づけるべきかが問題となる。また、本決定においては、構成要件的結果の特定・表現という実務上重要な問題も含まれている。

  以下では、本決定に関する理論的問題を検討し、本決定の意義・射程を明らかにしたい。

二   承 継 的 共 犯 を め ぐ る 学 説 ・ 裁 判 例

  (   一 )  学 説

  承継的共犯に関する学説は、大別すると、承継的共犯を全面的に肯定する全面肯定説、承継的共犯を全面的に否定する全面否定説、一定の場合に限って承継的共犯を肯定する限定肯定説、共同正犯と幇助犯とで取扱いを分離する区別説に分類できる。

  かつては、犯罪の一罪性を強調し、それが構成要件上不可分であることを根拠に全面肯定説も主張されていた 4

。しかし、一罪性を根拠に承継を肯定するのは形式的すぎる、あるいは、強盗殺人罪の承継的共犯を肯定するなど結論の妥当

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(    )同志社法学 六八巻四号二四二 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四三〇

性に疑問があるとの批判がなされ、現在では少数説にとどまっている。

  それに対して、近年、共犯の処罰根拠を構成要件該当事実の惹起に求める因果的共犯論の通説化に伴い、全面否定説が有力に主張されている

)5

。この見解は、共犯の成立には構成要件該当事実すべてに対して因果性を及ぼす必要があるとの理解を出発点とする。したがって、後行者は、自己の加担前の事実に対して因果性を及ぼすことができない以上、加担後の事実についてのみ共犯として責任を負うことになる。しかし、これに対しては、詐欺罪や恐喝罪において、財物の受領行為にのみ加担する者に共犯の成立が認められなくなるなど、適切な処罰範囲を確保できないとの批判がなされている。

  そして、現在の多数説は、一定の限度で承継を肯定する限定肯定説に立っているといえる。もっとも、承継を肯定する根拠については、限定肯定説内部において必ずしも一致が見られず、大別すると次の二つの見解に分類できる。

  第一に、先行者の行為・結果を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用した場合に承継を肯定する見解がある 6

(以下では﹁積極的利用説﹂と呼ぶ)。この見解は、先行事実の積極利用が存在すれば、当初から犯罪に関与している場合と価値的に同視しうる、あるいは、相互利用補充関係によって犯罪を実現したといえることを根拠に承継を肯定する。部分的肯定説の第二は、犯罪結果との因果性を根拠にしつつも、その評価にあたって先行行為を考慮に入れるという見解である 7

(以下では﹁因果性説﹂と呼ぶ)。この見解によれば、加担前にすでに結果が生じている場合、後行者は自己の行為と結果との因果性を有さない以上、共犯としての責任を負わない。もっとも、強盗罪、詐欺罪、恐喝罪において、財物の奪取・受領行為にのみ加担した後行者の行為は、先行者の立場から見れば強取・詐取・喝取への関与であり、犯罪結果に対する因果性を有するといえるため、強盗、詐欺、恐喝の共犯としての責任を負うことになる。

  他方で、近時の学説において、承継的共同正犯と承継的幇助を区別して取扱う見解も有力に主張されている 8

。この見

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二四三一四三一 解によれば、共同正犯の処罰根拠は、機能的行為支配あるいは共謀による相互的行為帰属にあり、正犯性が認められるためにはすべての構成要件該当事実の実現に寄与していることが必要であるため、承継的共同正犯は全面的に否定される。それに対して、幇助犯の処罰根拠は、従属的な法益侵害の点にあり、正犯行為を促進して犯罪全体について因果性を有する限りで承継的幇助が肯定される。

( 二 )  裁 判 例 ⑴   承 継 的 共 犯 に 関 す る 裁 判 例

   承継的共犯に関する従来の裁判例は、承継の肯否、範囲及びその根拠について様々な理解に立っており、その態度は一貫しない 9

  かつては、全面肯定説に立つと見られる裁判例が多数見られた。すなわち、強盗殺人罪や強盗致傷罪などを中心に、犯罪の一罪性、あるいは先行者の行為等の認識を理由に、犯行の途中から加担した後行者に承継を肯定する裁判例が存在した ₁₀

。その一方で、結果的加重犯において加重結果の承継を否定する裁判例も存在し ₁₁

、次第に、一罪性や先行行為の単なる認識・認容のみを根拠に無限定に承継を肯定する裁判例は減少していくことになる ₁₂

  そして、近時は、限定肯定説の中でも積極的利用説の立場から承継の有無を判断する裁判例が多数存在する。例えば、東京地判平成七年一〇月九日判タ九二二号二九二頁は、先行者が強盗目的で被害者に暴行を加え負傷させた後、後行者が財物奪取行為に加担した事案について、﹁後行行為者は、財物奪取行為に関与した時点で、先行行為者によるそれまでの行為とその意図を認識しているのみでなく、その結果である反抗抑圧状態を自己の犯罪遂行の手段としても積極的に利用して財物奪取行為に加担しているのであるから、個人責任の原則を考慮に入れても、先行行為者の行為も含めた強盗罪の共同正犯としての責任を負わせるべきものと考えられるが、反抗抑圧状態の利用を超えて、被害者の傷害の結

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(    )同志社法学 六八巻四号二四四 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四三二

果についてまで積極的に利用したとはいえないのにその責任を負わせることは、個人責任の原則に反するものと考えられる﹂として、強盗罪の承継的共同正犯を肯定しつつも、致傷結果の承継は否定した ₁₃

。このような積極的利用説に立つ裁判例が近時の主流といえる ₁₄

⑵   傷 害 罪 の 承 継 的 共 同 正 犯 が 問 題 と な っ た 裁 判 例

   先行者が暴行・傷害行為を行っている途中で共謀加担した後行者について、傷害罪の承継的共同正犯が問題となった従来の裁判例には、承継を肯定するもの(②③⑥⑦⑧)と、承継を否定するもの(①④⑤⑨⑩⑪⑫)がある(番号は後掲﹁傷害罪の承継的共同正犯に関する裁判例一覧表﹂に対応)。

  まず、承継を肯定する裁判例の中には、共謀加担前後の暴行の一罪性、先行行為の認識や加担意思を根拠に承継を肯定するもの(②③⑥)がある。また、共謀加担前後の傷害が識別・分離できないことを理由に、傷害全体についての責任を肯定するものもある。東京高判平成八年八月七日東高刑時報四七巻一~一二号一〇三頁(⑧)は、XがAに対して暴行を加えた後、被告人がXと共謀してさらにAに暴行を加え、各暴行によりAに傷害を負わせたという事案につき、Aに生じた﹁いずれの傷害においても、被告人自身がAに対して傷害を生じさせるに足りるだけの暴行に及んでいることは認められるものの、被告人自身の暴行によって形成された傷害を独自に取出して、その質、量を判示することは不可能であり、それらは共犯者Xが被告人と共謀する前のものを含む暴行と渾然一体となってAの傷害を形成しているとしか認定のしようがない﹂とした上で、﹁一口に加担後の行為といっても、その範囲の確定は必ずしも容易ではないときがあるのであって、その点明確な識別・分離が不可能なものについては、後行行為者は、先行行為者の行為ないしそれに基く傷害の結果等について全体として共同正犯としての刑責を負うとすることもやむを得ないというべきであり、またそうする以外に適当な処理方法がないと考えられる﹂とし、﹁被告人は、犯行現場において、XがAに対して制裁行為に出ていることやAがこれによって相当のダメージを負っていることを認識した上で共謀加担し、自らも敢えて暴

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二四五一四三三 行に及んだのであり、その際被告人が加えた暴行は、先行行為者が負わせた傷害とかなり広い範囲で競合していて、どの傷害を被告人が加えたか識別・分離が不可能なこと前述のとおりであり、また、分離評価に適さない状態にあるから、被告人としては自己が加えた傷害を中心としつつ、これと分離不能の原判示傷害についてその刑責を問われてやむを得ない場合であると考えられる﹂とした。

  以上のような傷害の承継を肯定する裁判例のうち、②③⑧は、共謀加担前後いずれの暴行から傷害が生じたか不明であるが、共謀加担後に傷害を生じさせるに足りるだけの暴行が加えられている事案であった。ここでは、各暴行と傷害との因果関係の立証の困難性を回避する手段として承継的共同正犯が用いられており、刑法二〇七条の同時傷害の特例との均衡が考慮されたものと解される ₁₅

  それに対して、承継を否定する裁判例を見ると、積極的利用説の立場から傷害の承継を否定するものが多数存在する(④⑤⑨⑪⑫)。その代表例として、大阪高判昭和六二年七月一〇日高刑集四〇巻三号七二〇頁(⑤)がある。事案は、先行者による暴行によって負傷した被害者に対し、事情を知って関与した被告人が、その顎を二、三回突き上げる暴行を加えたというものであり、大阪高裁は、﹁承継的共同正犯が成立するのは、後行者において、先行者の行為及びこれによって生じた結果を認識・認容するに止まらず、これを自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用する意思のもとに、実体法上の一罪(狭義の単純一罪に限らない。)を構成する先行者の犯罪に途中から共謀加担し、右行為等を現にそのような手段として利用した場合に限られると解するのが相当である﹂とした上で、﹁先行者が遂行中の一連の暴行に、後行者がやはり暴行の故意をもって途中から共謀加担したような場合には、一個の暴行行為がもともと一個の犯罪を構成するもので、後行者は一個の暴行そのものに加担するのではない上に、後行者には、被害者に暴行を加えること以外の目的はないのであるから、後行者が先行者の行為等を認識・認容していても、他に特段の事情のない限り、先行者の

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(    )同志社法学 六八巻四号二四六 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四三四

暴行を、自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用したものと認めることができ﹂ないとし、また、被告人の暴行の程度が軽微であった点も指摘して、傷害罪の承継的共同正犯の成立を否定した。

  もっとも、近時の裁判例は、共謀加担後に傷害を生じさせるに足りる暴行が加えられ、かつ、共謀加担前後いずれの暴行によって傷害が生じたか不明な事案において、傷害罪の承継的共同正犯の成立を否定しつつも、二〇七条を適用し、後行者を最終的に傷害罪の共同正犯として処断する傾向が強い(⑨⑩⑪⑫)。大阪地判平成九年八月二〇日判タ九九五号二八六頁(⑨)は、被告人が先行者の行為を自己の犯罪遂行の手段として積極的に利用したとは認められず、傷害罪の承継的共同正犯は成立しないとした上で、﹁一般に、傷害の結果が、全く意思の連絡がない二名以上の者の同一機会における各暴行によって生じたことは明らかであるが、いずれの暴行によって生じたものであるのかは確定することができないという場合には、同時犯の特例として刑法二〇七条により傷害罪の共同正犯として処断されるが、このような事例との対比の上で考えると、本件のように共謀成立の前後にわたる一連の暴行により傷害の結果が発生したことは明らかであるが、共謀成立の前後いずれの暴行により生じたものであるか確定することができないという場合にも、右一連の暴行が同一機会において行われたものである限り、刑法二〇七条が適用され、全体が傷害罪の共同正犯として処断されると解するのが相当である。けだし、右のような場合においても、単独犯の暴行によって傷害が生じたのか、共同正犯の暴行によって傷害が生じたのか不明であるという点で、やはり﹃その傷害を生じさせた者を知ることができないとき﹄に当たることにかわりはないと解されるからである﹂とし、傷害全体について共同正犯として処断した。

  以上のように、傷害罪の承継的共同正犯が問題となった裁判例は結論を異にしているが、近時の裁判例に限っていえば、積極的利用説の立場から傷害罪の承継的共同正犯を否定するものが多数を占めていた。このような裁判例の背後には、強盗罪のように、一定の手段を利用して結果を実現することが構成要件上予定されている犯罪類型においては、途

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二四七一四三五 中から加担した後行者に先行事実に対する利用関係を認めやすいのに対し、単純な暴行・傷害においては、一個の暴行・傷害行為がもともと一個の犯罪を構成するもので、前の暴行・傷害を手段として次の暴行・傷害を行うことが構成要件上予定されているわけではないため、後行者に先行事実に対する利用関係を認め難いとの考慮が存在していたものと推測できる ₁₆

。もっとも、前掲大阪高判昭和六二年七月一〇日(⑤)では、﹁他に特段の事情のない限り﹂という一定の留保が付されており、積極的利用説に依拠する裁判例において、傷害罪の承継的共同正犯の可能性が完全に否定されているわけではなかった。そして、このような状況の中、傷害罪の承継的共同正犯の成否が問題となったのが本件である。

三   本 決 定 の 検 討

( 一 )  本 決 定 の 理 論 的 前 提 ⑴

  本件の第一審判決及び原判決は、近時の裁判例(④⑤⑦⑨⑪⑫)と同様に、承継的共同正犯の成否に関して積極的利用説の立場を採用した。その上で、共謀加担前後の暴行の一体性、被告人の暴行に至る経緯、加担後の暴行の強度などから先行事実の積極利用の存在を認め、傷害罪の承継的共同正犯の成立を肯定した。

  それに対して、本決定は、﹁被告人は、共謀加担前にXらが既に生じさせていた傷害結果については、被告人の共謀及びそれに基づく行為がこれと因果関係を有することはないから、傷害罪の共同正犯としての責任を負うことはな﹂いとして、第一審判決及び原判決の結論とは異なり、共謀加担前の傷害結果の承継を否定した。本決定は、被告人の行為との﹁因果関係の欠如﹂を根拠に共謀加担前の傷害結果の承継を否定しており、従来の裁判例には見られなかった解決が示された点で注目される ₁₇

。このような因果関係の有無から後行者の責任の範囲を判断する本決定の枠組みは、学説に

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(    )同志社法学 六八巻四号二四八 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四三六

おいて通説化している因果的共犯論を意識したものであるといえよう ₁₈

。本決定によれば、後行者は、共謀加担前の暴行のみから生じ、共謀加担後の暴行がその発生に寄与してない傷害(共謀加担前の傷害)については、自己の行為との因果関係が欠けるため責任を問われず、共謀加担後の暴行が寄与した傷害(共謀加担後の傷害)についてのみ責任を問われることになる。

  それでは、本決定は、承継的共同正犯に関していかなる見解を前提としているのか。本決定は、共謀加担前の傷害結果について被告人の責任を否定していることから、全面肯定説に立脚するものでないことは明らかである。しかし、それ以外のいずれの見解を前提としているのかについては評価が分かれている。

  この点に関して、本決定が共謀加担前の傷害結果について因果関係の欠如を根拠に承継を否定した点を捉えて、全面否定説の立場に親和的であるとの評価も見られる ₁₉

。確かに、因果性の要求を厳格に解すれば、全面否定説に至ることは十分に考えられる。もっとも、共犯の成立にとってすべての構成要件該当事実に対する因果性は必要でなく、犯罪結果との因果性があれば足りるとする因果性説を前提としても、被告人は、共謀加担前の傷害結果との因果性が欠ける以上、それについて責任を問われない。したがって、因果性を強調することが必ずしも全面否定説に結びつくわけではない。補足意見が、﹁強盗、恐喝、詐欺等の罪責を負わせる場合には、共謀加担前の先行者の行為の効果を利用することによって犯罪の結果について因果関係を持ち、犯罪が成立する場合があり得るので、承継的共同正犯の成立を認め得る﹂と指摘している点は、この点を意識したものと解される ₂₀

。さらに、法廷意見も傷害﹁結果﹂との因果関係を問題にしていることからすれば、本決定を因果性説と関連づけて理解することも可能であり ₂₁

、本決定が全面否定説を採用したとまではいえないであろう。

  それに対して、本決定が、被害者が先行者の暴行を受けて負傷し、逃亡・抵抗が困難となっている状態を利用して暴

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二四九一四三七 行に及んだことについて、それは被告人の暴行の﹁動機ないし契機﹂にすぎないと指摘している点から、事案によっては先行者の行為・結果の利用を根拠に承継を肯定する可能性を残しているとして、従来の裁判例が採用してきた積極的利用説に最も親和的であるとの評価が見られる ₂₂

。しかし、積極的利用説によれば、後行者の責任の範囲を判断するにあたっては、先行事実の積極利用の有無のみが重要であり、承継を否定する場合であっても積極利用の欠如のみを指摘すれば足りるはずであるところ、本決定は、あくまでも因果関係の有無を問題としているのであるから、少なくとも従来の積極的利用説の枠組みとは一線を画するものであると思われる ₂₃

( 二 )  共 謀 加 担 前 の 傷 害 / 共 謀 加 担 後 の 傷 害 ⑴

  本決定によれば、被告人は、共謀加担前の傷害については因果関係が欠けるため責任を問われず、共謀加担後の傷害についてのみ責任を問われることになる。それでは、本件において、被告人は具体的にどの範囲の傷害について責任を問われるのか。すなわち、﹁共謀加担前の傷害﹂、﹁共謀加担後の傷害﹂とは具体的にどの傷害を指すのかが問題となる。   この点に関連して、本決定は、被害者に生じた傷害を共謀加担後の暴行が向けられた部位に着目して、ⅰ共謀加担後の暴行により相当程度重篤化されたものと、ⅱそうでないもの(Bの顔面両耳鼻部打撲擦過とAの右母指基節骨骨折)に区別している ₂₄

  まず、ⅱについて見ると、これは共謀加担後の暴行が向けられていない部位に生じた傷害であり、共謀加担前の傷害であるため、帰責の範囲から除かれる。本決定が、ⅰの傷害から﹁Bの顔面両耳鼻部打撲擦過とAの右母指基節骨骨折は除かれる﹂としているのはこのような趣旨であると考えられ、被告人は、ⅱについて共同正犯としての責任を負わない。第一審判決及び原判決が、共謀加担後の暴行との因果関係が欠けるⅱも含めて、傷害結果全体について被告人に共

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(    )同志社法学 六八巻四号二五〇 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四三八

同正犯の成立を認めたのに対し、本決定はそれを明確に否定した点で重要な意義を有する ₂₅

  それに対して、ⅰは、先行者の暴行によってすでに傷害が生じている部位に、共謀加担後さらに暴行が加えられて拡大したものを指す。そして、ⅰに関しては、被告人の責任が及ぶ範囲について次の二通りの理解が考えられる。すなわち、被告人は、ⓐ最終的に生じた傷害結果全体について責任を負うという理解と、ⓑ共謀加担後の暴行によって重篤化した範囲に限って責任を負うという理解である。

  この点につき、法廷意見は、共謀加担後の暴行によって﹁Aらの傷害の発生に寄与したこと﹂について責任を負うとしており、最終的に生じた傷害結果の中に共謀加担後の暴行の寄与が含まれていれば足りると解している余地がある ₂₆

。仮に法廷意見がそのような理解に立っているとすれば、それはⓐになじむものといえる ₂₇

。ⓐは、共謀加担前後の暴行が同一の部位に向けられ、それらが相俟って一つの傷害結果を形成しているような場合、構成要件的結果としてその傷害結果をさらに分離して特定することはできないとの理解を前提としている。

  それに対して、補足意見は、共謀加担後の暴行によって傷害を重篤化させた点について、﹁﹃安静加療約三週間を要する背部右肋骨・右肩甲部打撲擦過等のうち、背部・右肩甲部に係る傷害を相当程度重篤化させる傷害を負わせた﹄という認定をすることにな﹂るとしている。これは、全体の傷害結果から重篤化した範囲を取り出し、その範囲についてのみ責任を問うと解しているように読めることから、ⓑに親和的であると考えられる ₂₈

。ⓑにおいては、最終的な傷害結果の中には共謀加担前の傷害も含まれているのであるから、傷害結果を可能な限り分割し、共謀加担後の暴行が因果性を有する範囲に限って後行者に帰責すべきであるとの考慮が存在している。

  これら二つの理解は、共謀加担前後の暴行が相俟って最終的な傷害結果が形成されている場合に、共謀加担後の傷害を構成要件的結果としてどのように特定・表現すべきかという問題に関わるものであるが、傷害は量や程度を観念でき

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二五一一四三九 る概念であることからすれば、ⓑのように共謀加担後の暴行が寄与した範囲を取り出して認定し、共謀加担後の暴行と因果性の欠ける部分を帰責範囲から除外することも可能であろう ₂₉

。ⓐを支持する見解は、最終的な傷害結果は共謀加担後の暴行によって生じたものであり、被告人は共謀加担前の結果について責任を問われているわけではないとするが ₃₀

、最終的な傷害結果全体についての責任を肯定することは、結局、自己の行為と因果性の欠ける共謀加担前の傷害についても責任を負わせていることに他ならないと解される ₃₁

。したがって、法廷意見が仮にⓐの理解に立っているのであるとすれば、ⅱの傷害については明確に承継を否定しつつも、ⅰの傷害については承継を肯定しているに等しいと評価することができよう ₃₂

四   お わ り に

( 一 )  傷 害 罪 の 承 継 的 共 同 正 犯

  本決定においては、共謀加担後の暴行と因果関係が欠けることを理由に、共謀加担前の傷害結果の被告人への帰責が否定されており、承継的共同正犯に関して因果性に基づく解決が示された。そもそも、個人責任の原則を前提とする限り、第一審判決や原判決のように単に先行者の行為・結果を利用したという事実だけで、自己の行為と因果関係のない結果について責任を負わせることは許されないはずである。この意味で、本決定が示した方向性は妥当なものである。

  本決定により、共謀加担前の暴行によってすでに生じており、共謀加担後の暴行がその部位に向けられておらず(あるいは同一の部位に向けられていても傷害を生じさせるに足りる程度のものではなく)、それゆえ共謀加担後の暴行がその発生に寄与したとは認められない傷害結果について、後行者は因果関係を有さないことを理由に共同正犯として責

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(    )同志社法学 六八巻四号二五二 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四四〇

任を問われないことが明らかにされた ₃₃

。従来の裁判例においては、このような傷害結果についても承継が認められる可能性が残されていたが、本決定によってその可能性は否定されたといえよう ₃₄

  それに対して、共謀加担前後の暴行が同一の部位に向けられ、それらが相俟って形成された傷害結果に関して、後行者の責任の範囲については、法廷意見と補足意見とで若干のニュアンスの相違が見られた。仮に法廷意見が最終的な傷害結果全体について責任を負わせる見解に立っているならば、それは、実際には、自己の行為と因果性のない傷害についてまで後行者に責任を負わせるものであるといわざるを得ないであろう。このような理解が、因果関係の欠ける傷害の帰責を否定する本決定の枠組みと整合性を有するのか疑問が残る。今後、共謀加担前後の暴行が相俟って傷害結果が形成された事案において、共謀加担後の傷害がどのように特定・表現され、どの範囲について後行者に責任が問われていくことになるのか注目される。

( 二 )  同 時 傷 害 の 特 例

  本決定は、傷害罪の承継的共同正犯が否定された場合における二〇七条の適用の可否については何ら言及しておらず、この問題は未解決である。前述の通り、近時の裁判例においては、本条の適用を積極的に解するものが多数存在する(⑨⑩⑪⑫) ₃₅

。それに対して、本条の例外規定性を強調し、承継的共同正犯が問題となる場面では少なくとも先行者に傷害の刑責を負わせることができるのであって、本条の適用により解消すべき著しい不合理は存在しないとして、これを消極的に解する見解も有力に主張されている ₃₆

  本決定がこの問題に言及しなかったのは、第一審及び原審で争点とされていなかった ₃₇

からであると考えられ、本条の適用に関して何らかの判断が示されたわけではない ₃₈

。もっとも、補足意見が﹁立証の困難性への便宜的な対処として、

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二五三一四四一 因果関係を超えて共謀加担前の傷害結果まで含めた傷害罪についての承継的共同正犯を認めるようなことをすべきでもない﹂、﹁共謀加担後の暴行により傷害の発生に寄与したか不明な場合⋮には、傷害罪ではなく、暴行罪の限度での共同正犯の成立に止めることになる﹂と述べている点を捉えると、本条の適用については慎重な態度が示されていると解することもできよう ₃₉

( 三 )  他 の 犯 罪 類 型 に お け る 承 継 的 共 同 正 犯

  本決定は、傷害罪に関する事例判断であり、その射程はあくまでも傷害罪にとどまるため、他の犯罪類型においていかなる基準によって承継の有無が判断されるのかは不明である。したがって、従来の裁判例において用いられてきた先行事実の積極利用の観点が、今後も承継の判断基準としてなお重視される可能性も否定できない ₄₀

。ただ、本決定が強調した因果性の観点は、傷害罪に限らず、犯罪一般の成立要件として要求されるものであることからすれば、本決定の考え方が、他の犯罪類型における承継的共同正犯の成否の判断においても影響を及ぼすことは予想される ₄₁

。その場合、当該犯罪の構成要素のいかなる部分に対する因果性を要求するかによって、承継的共同正犯の肯否が左右されることになる。

  この点に関して、補足意見の内容も併せて考慮すると、本決定は、﹁犯罪結果﹂との因果性を問題にしていると解することも可能である。これを前提とすれば、傷害致死罪において、共謀加担後の暴行と死亡結果との因果性が認められない場合、後行者は傷害致死罪の承継的共同正犯としての責任を問われないことになる。また、強盗致死傷罪のような結果的加重犯においても、死傷結果と強取結果を別個の結果として分離評価できるとすれば、死傷結果に対して因果性を及ぼさない限り、後行者は死傷結果について責任を問われないであろう。これに対して、例えば、強盗罪において財

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(    )同志社法学 六八巻四号二五四 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四四二

物奪取のみに加担する後行者の罪責については、補足意見のように、最終的な強取結果に対して因果性を及ぼしていることを根拠に強盗罪の承継的共同正犯を肯定する理解もありうるが、暴行・脅迫によって反抗抑圧状態を作り出すことも強盗罪の不法をなす独自の結果であると解するならば、その部分に因果性を及ぼしていない後行者を強盗罪の共犯とすることには、なお理論的な問題が残されているといえよう ₄₂

  いずれにしても、他の犯罪類型における承継的共同正犯に関しては今後の判例の集積が待たれるところである。

傷害罪の承継的共同正犯に関する裁判例一覧表

判例年月日加担後の暴行の態様傷害の原因理由傷害の承継 二〇七条の適用

① 東京高判昭四五・三・二〇(判時六〇一号一〇〇頁) 窓からコンクリート・ブロック・石などを投下 不明 共謀のないところに共同正犯は成立しない 否定

② 名古屋高判昭五〇・七・一(判時八〇六号一〇八頁) 手拳で顔面を殴打、身体各所を足蹴りなど 不明先行行為の認識・加担意思肯定

③ 札幌地判昭五五・一二・二四(刑月一二巻一二号一二七九頁) 手拳・棒状の物で多数回殴打、足蹴りなど(後行者による暴行なし) 不明 一罪性・先行行為の認識・加担意思 肯定

④ 横浜地判昭五六・七・一七(判時一〇一一号一四二頁) 一回足蹴り(後行者による暴行なし) 共謀加担前の暴行から発生?積極利用の欠如否定

⑤ 大阪高判昭六二・七・一〇(高刑集四〇巻三号七二〇頁) 後行者が顎を手で二・三回突き上げる、共犯者が顔面を一回殴打 傷害の大部分は共謀加担前の暴行から発生(加担後の暴行による傷害はなし) 積極利用の欠如否定(否定)

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(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二五五一四四三 ⑥ 大阪地判昭六三・七・二八(判タ七〇二号二六九頁) 頸部・背部等を手拳で殴打、腰部を押すなど 少なくとも一部の傷害は共謀加担前の暴行から発生 先行行為の認識・加担意思肯定

⑦ 東京地判平八・四・一六(判時一六〇一号一五七頁) 頭部・背部・腕などを多数回殴打、脇腹付近への足蹴りなど 不明 積極利用の存在(恐喝遂行の手段としての積極的利用意思) 肯定

⑧ 東京高判平八・八・七(東高刑時報四七巻一~一二号一〇三頁) 傷害を生じさせるに足りる暴行 不明(共謀加担前後の暴行が渾然一体となって傷害を形成) 共謀加担前後の暴行・傷害の識別・分離が不可能で分離評価に適さない 肯定

⑨ 大阪地判平九・八・二〇(判タ九九五号二八六頁) 頭部への多数回の足蹴りなど 不明積極利用の欠如否定肯定

⑩ 東京地判平一四・一二・三(D1-Law28155715) 灰皿を投げつける、顔・腹・足・背中等への殴打・足蹴り 一部の傷害は共謀加担前の暴行から発生、他の傷害は不明 結果への影響力の欠如否定肯定

⑪ 神戸地判平一五・七・一七(LEX/DB28095309) 顔面を殴打、腹部を足蹴り、顔面・腹部を踏みつけるなど 不明積極利用の欠如否定肯定

⑫ 横浜地判平二二・四・二六(LLI/DB06550310) 頭部を蹴る、踏みつける不明積極利用の欠如否定肯定

での強⋮とうろあでのもるよに行暴後傷のそ、とうろあでのもるよに暴盗行人が断判るす対に告上Xはれこ、のたにのし傷害たる罪妨はない﹂とげ も現金の奪取に包括的観察もしと取奪の計時腕、﹁きつに案事うい一て本個打っの前取奪計時腕がれそは傷撲件の、りあで当相がのるめ認と盗強た 負強盗らさ後のそ、し立成が謀共のを被に間の名両、らかとこたし取強に害計上害傷が者害被てっよに行暴の以者、し取強を金現てえ加を行暴にを 1が一・X、は頁五七六二号〇一巻一最集刑日八一月〇一年二三和昭決Y) 共、腕の者害被てし意決を盗強がXに同ちうるえ加を行暴に者害被てし時

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(    )同志社法学 六八巻四号二五六 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四四四

あり、強盗の決意前の暴行による傷害も強盗致傷罪の傷害たりうるかという点が争点であったことなどから、承継的共同正犯に関する先例としての価値は乏しいとの評価が一般的である。西田典之﹃共犯理論の展開﹄(成文堂、二〇一〇年)二一六︱二一七頁、西田典之ほか編﹃注釈刑法第一巻総論﹄(有斐閣、二〇一〇年)八五四頁︹島田聡一郎︺参照。(

( 一﹃厚口山、頁二四一)年四二判、社々悠(︺﹄版二第︹論総新〇例閣か。頁七〇一)年一〇二、五法ら有(︺﹄版三第︹刑た見斐 ﹂批三判学﹁法巻新報一二一伸介閣落四四斐、二〇一年水)一六六頁、=十号判(法刑義講例判﹃編實谷大﹂批Ⅰ﹁三朗〇一四年)二二頁、河七太 一四号(二〇)四年一六頁九、巻判七学法本日﹂批﹁保寿千脇淵=林小五憲論判例百選Ⅰ総︹刑第七版︺﹄有太法(﹃山編郎判批﹂﹁口=佐伯仁厚志 〇例解説(二年一四)一六四頁判平重度年五二成﹂批判﹁介亮沼高照、要橋(則裕楽設、頁五八)年四一〇二文号事九夫﹁判批﹂刑法ジャーナル三 [二〇一三年Ⅰ](二〇一四クト﹁レ尾二八九頁、松誠セ紀判批﹂判例)学八巻、頁一〇一)年四一〇二(号頁二九八、今井康介﹁判批﹂早稲田法 一)年三〇二久五七究研査捜﹂批判﹁輔大木、号頁一二)年三一〇二(号七集二冨(判二(号九一一集論学修専﹂批法﹁三〇三年)二一頁森住信人、 察﹁判批﹂警八公論六巻五号正史七田一二七号(二〇三坂年)二五頁、(承〇共一究研務法山青﹂開展新の論犯論的、継年)八三頁三宮万壽夫﹁崎 九年)一三判山頁、丸嘉代﹁一三六〇学﹂正犯﹂警察論二集六巻一号(批修警一察研﹂批判﹁毅宏渕早、頁一五七)巻年論集六六学二(二〇一号三 ﹁三頁、同法判批﹂学セミ三ナ(一九セ増ミナー六七)号二〇一三年ー年刊六法同共的継承﹁英雅田前、頁七一速)五一〇二(号六一説解例判報学 2﹂田例判所判裁高最﹂﹃解判﹁一寿石説、てしと等釈評・説解の定決本解刑批五判﹁彦兼田豊、頁三三四)年一事〇二、会曹法﹄(度年四二成平篇) 

( 年﹁哉直橋髙、頁九一一)六継〇二、堂文成﹄(⑨求探の学承一的学共。どな頁九五一⑨求探の﹄法前犯論の帰趨﹂掲﹃理論刑 八法曹時報六〇巻二号(二一開﹂頁展﹁年四、山口厚承新継的共犯論の六共)と一刑論理﹃編かほ博端川﹂題課法状﹁現、十河太朗頁承的犯論の継 一法学教室四(五号二〇一て五﹂承い爪)八九頁、橋隆つ﹁継的共犯に年二八法五)五一〇(号四四ルナーャジ年事﹁刑、豊田兼彦頁共の因果性犯﹂ 四、二〇一四年)三六頁院松、刑書新田芳宗久編﹃実林例法総論﹄(青原祝博﹁一)年五一〇二、堂文成﹄(集文論賀承継的共犯﹂﹃野村稔先生古稀 田杉=修池頁七犯正同共継承﹁﹃博正本橋、五に五︺﹄上︹稀古端川﹃掲前﹂﹄的つ七犯共的継承﹁治政い蘆、頁九澤て︺﹄上︹稀古端川﹃掲前﹂五 博先川端古生上稀記念論文集て﹂﹃︹い承︺﹄阿部力也﹁継つ的共同正犯に巻頁(同夫﹁承継的共正橋犯につい成﹂則て高一文、堂、二〇四年)五三一 年二〇一(四、小)三五五頁二林号立五三学法館命﹂ていつに犯共﹄太憲)郎修継、頁三年四一〇二(号一九七研﹁的いわゆる承継共﹂犯をめぐって的 3承論的後事﹁紀誠尾、松てしと等説る関す関に犯共的継承の降以定決本な与﹁﹃一明孝宮、松頁一)年三一〇二(号巻と四六治政と法﹂責帰の果結害傷) 

4植房。下以頁四五三)年四七九一、書松) 勁﹄(論総Ⅰ論概法刑訂再﹃正草 5、﹃刑法総論︹第四版︺﹄(弘文堂二威〇〇八年)二五八頁、林幹人﹃彦根) (浅田和茂﹃刑法総論︹補訂版︺﹄成曽文堂、二〇〇七年)四二二頁、刑

(24)

(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二五七一四四五 法総論︹第二版︺﹄(東京大学出版会、二〇〇八年)三八〇頁以下、松原芳博﹃刑法総論﹄(日本評論社、二〇一三年)三八六頁以下、山口厚﹃刑法総論︹第三版︺﹄(有斐閣、二〇一六年)三七〇頁以下。(

(注掲 一〇一二)四頁八、以下、川端二文堂﹃成(︺﹄版四第版新︹論総義講博年刑頁三年)五七〇以〇下、阿法・前一部二三、総講義︹第論版堂(成文︺﹄ 一〇二、閣(斐有︺﹄版五年第一、)二六八頁以下大谷實﹃刑法論︹総﹃)刑法総論﹄(成文堂、二〇〇九年三修福刑訂全﹃平田、六頁〇七三︱九法 6藤、一九二︱〇九二)年五七九一、木堂文弘﹄(論総義講法刑﹃雄英頁) 大九間久佐、下以頁〇三三)年二八、塚閣斐有﹄(題問本基の論罪犯﹃仁一

3五年学出版会、二〇一五)京三六〇︱三六一頁。大東五﹃三頁以下、前田雅英刑)法総論講義︹第六版︺﹄(

(西注掲前・編かほ田 7Ⅱ六(弘文堂、二〇一〇年)三六︱版三六七頁、論総法刑﹃一龍野平︺﹄二﹄(︱有斐閣、一九七五年)三八二三第八三頁、西田典之﹃刑) 総論︹法

1八一方﹄(有斐閣、二〇三し年)三八六頁以下。み楽六仁〇頁︹島田︺、佐伯志)﹃刑法総論の考え方・

( 論文成(︺﹄版三第総、法刑﹃一敬中山堂︹二九〇。頁三六九二六︱一六一九)年五、 橋頁、高刑則夫﹃七三斐四)年八〇〇二、閣総法七論〇、頁﹄(四四)年三一二︹、堂文成(︺﹄版二第有論四田総頁以下、井良二﹃講義刑法学・四 8年五八九一(号て八政法波筑﹂継っ三斉藤誠二﹁承的ぐ共同正犯をめ)) 一事)年五〇〇二、堂文弘﹄(論法不刑頁と論犯共的系体介亮沼照、下以﹃

(照注掲前・沼 9関四青林書院、一九九九年)二二頁︺﹄以下︹村上光鵄︺、に犯共的継承(版すほる裁判例については、大塚仁か二編﹃大コンメンタール刑) ︹第法

( な七頁以下二ど詳しい。が 下五五頁以井、坪祐子)三号年二一〇二(か三巻四六学ほの﹁一)年三一〇二(号七八三ズ共ムイタ例判﹂一社)三(犯法志﹂察考一の犯共的継同 8る犯に関す法一考察﹂的共橋継承﹁哉直新髙、下以頁三一二学)報一承﹁朗太河十、下以頁〇二)一年七〇〇二(号四=巻三一三

( 一刑日七二月〇年二四和昭判高阪大月五巻殺一。どな︺人罪︹頁五二〇一号〇 判神戸地三昭和九罪︺、号傷致姦強頁︹五三四二三年盗月二︺、罪傷致巻強頁︹四〇号一四=三巻六集刑下日〇一〇昭月和三四年一二二判日東高刑時報一 10︺、罪人殺盗強一︹頁九三八巻七年集刑日八一月一一幌三一和昭判大札) 高号高京東︺、罪傷致盗強︹頁九五八七判巻六集刑高日〇月六年八二和昭三

( 岡〇四和昭判地福二、てし関に罪年月致二。頁七二二号巻二七集刑下日四傷 11五和一集刑審一日八二月三年三三昭三判地和浦、てし関に罪傷致姦強巻号頁日、広島高判昭和三四年二月二) 高四刑集一二巻一号三六頁。強盗五七

( 一四報時刑高東日九一月一巻年八成平判高京東︺、罪七一予反︺。反違法締取等薬麻、違~法事薬︹頁五二一号二一備 12二一す定肯を継承てし調強を性体や近性罪一の行犯の後前担加、おなる時日三判タ九二) 号九八頁︹殺人二月年の八成平判地京東、てしと例判裁三 13、号七五頁︹強盗の承継肯定致一傷結果の承継否定︺も参照二~) 年さらに、東京高判平成一七一一一月一日東高刑時報五六巻。

(25)

(    )同志社法学 六八巻四号二五八 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 一四四六

( 遂三五頁︹恐喝未の二承継否定︺など。号 14五高高刑時報六〇巻一~一報時刑東日日二二月六年六一成平判高京東東〇五承巻一~一二号五〇頁︹監禁の継一否定︺、東京) 判平成二一年三月高 15八年)九七︱九頁八、西田・前掲注九九) 犯大越義久﹃共論一再考﹄(成文堂、(

1)二一八頁参照。 16) 十河・前掲注(

9、注掲前・爪橋頁)〇六三︱九五三(

( 括と恐喝罪の混合的包と一の成立を認めた。罪 て暴行によっ恐生じた状態喝者のと行先、きつに案事うい行たせわ負遂をのた犯行に加担しと下して、傷害手に罪の極思として積段的利用する意に 加もって共謀て担しさらに思暴を後意たを暴行を加え後の、行者が恐喝行取加連え害傷に者害被てっよに行暴のを一てれこ、際のそ、しら喝を金現 とたしそ。東れに対して、い京﹂質しるを判帰属させべ乏き実的根拠に地六平七に者害被が者行先、は)成(頁⑦五六八年四一一月日判時一〇一号 等責刑のていつに果評となもで情の別特きべす価た限し用利てしと段手の行遂結い事り前たじ生てっよにれ、や為行のこ者担加、てし対に途担加中 に、るぎい過てない罪においって為ま集り寄が行害傷の別個ばわい中途はか果行為ないし結等者を自己の罪らの犯為行担加した行後為者が、先行行 にきる場合のは、傷害事犯よで果別よいにしこれにる区結等を明確にう響、る為、くし乏的較比が係関ういとす先影に為行行後が等果結の為行行な 3行。掲前、にらさ照京参頁七八︱六八東高の(前担加、﹁も)⑧日判七月八年八成平)

( 。たいてし示 継について承しを否定傷た。本害加の前担決謀共、てしと﹂るあでき判のは定ものの、本決にな近い考え、をい方いうて果関係とい因言こそ用葉い ゆわったいわ継る承的共同に正加共犯共きづ基に謀ののそ、いな行は犯後、対先べ解といなわ負を任責はてしすに者行る相共犯果の実行行為の結す 部、のに分共ついては、に犯は与合影結成果に全く響場をえていないのそ立、はて行先を為行行実が者犯共相しときる否されるべ定でする。そうあ 罰するに足をる影響与えてい処してしと犯共、対にて全果結罪かるのら行、罪犯、えいはと部一、が為者と犯共、ばえ言に逆。るれさ解犯れはいあ 部しの一分担をりた行、の他の為、行実段りたし謀共、はのう負を任手そにの響を与よ、そ結も果、濃淡の違影えてのりし相共犯者、実行為に対行 あたか不明でいったとう事案生じ加てっよに行暴のれずい後前担謀つに行き共、﹁もてし対に果結の為行の者犯責相か為責任の則原らは、共犯者が 部のうち、頭担挫創は共謀加害撲た傷のられこ、がっ負を害傷の等の前が先か腿共は害傷の他のそ、がるあでら行明とこたじ生てっよに行暴の者打 1715571528aw-L1D大三は)⑩(日月共二一年四一成平判地京東、おな、謀左部、撲打膝左、折骨骨肋左、創挫頭加が者害被てっよに行暴の後前担)  重二び及定決本、は頁〇二)年五〇(犯号八一四室教学法﹂論犯共﹁之共一関共係性果因ていおに案事の犯正同をもるれ解消に関すの判が、いず例 )性向方の三四頁五七号五巻もとあ一な集貴矢嶋、お。致るでのもるす六刑成五年六月二六日刑集四三巻六号六日七頁、最決平成二一年六月三〇元 18因関質実のそ、てし関に消解の係な果犯共、は定決本るす視重を係関的) 判い平決最(例判るいてれさ解とるて断求に﹂断遮の係関果因﹁を準基め

(26)

(    ) 共謀加担後の暴行が傷害を相当程度重篤化させた場合における傷害罪の共同正犯の成立範囲 同志社法学 六八巻四号二五九一四四七 視した点で注目されるとする。(

19) 松原・前掲注(

3二旨至るのが同決定の趣に説最も適う﹂とする。に定〇拠五頁は、本決定の根づ)けに照らせば、﹁承継否

(小注掲前・林 20のたが生じることを懸念してなされも影のと推測される。この見意足補響のよ説うな指摘は、本決定が全面否定に度立つものと理解され、実) 上過務

3)一一頁、山口・前掲注(

2)一一三頁、橋爪・前掲注(

3)九二頁参照。 21) 橋爪・前掲注(

3)九三頁、十河・前掲注(

3)一三五頁参照。 22) 高橋(則)・前掲注(

3)五七三︱五七四頁。 23) 照沼・前掲注(

2)一六五頁、髙橋(直)・前掲注(

3のしたと解するは排、橋本・前掲注斥を)本一六八頁参照。決説定が積極的利用(

(、注掲前・田豊頁〇九五︱九八 3)五 2刊注掲前・爪橋)、増)セ法(頁九六一(

3)九一頁、十河・前掲注(

3)一三四︱一三五頁。

( て程明確化され度いといえる。る 者ては、被害傷に生た害がそおいすに定決本、とる部較比と決判原やのじ位害の暴行と各傷と前の関係が一に後定担・加って分離よ分割され、共謀 の共謀加担後に暴行被よってつ、明つ容者の﹁詳細内はし不である﹂と害一のす決判審﹁、で味意のこ。いなぎ第に化る傷害重篤がしい﹂としてた 加謀共、判も決原後、担生の暴行によってじた傷害また、共の者害被りに行暴後﹁担加謀、つつしりのよ傷しおてし定害と﹂た認化重度は程当相篤 の共加担前X先行者・Y﹂のは謀半被行審判決は、害大者の﹁傷害の暴のにるといなでから明もしず必か第もよよに行暴の後担加謀共、かのもる一 24、原のもたっかなれら見はに決判びあ及決判審一、第は別区なうよのこでるて害いつに係関のと害傷たじ生に者被。と行暴の後前担加謀、共ちわなす) 

(ル四一四ルダメの内箱ドの﹁はるす立成が罪盗枚の一に部注掲前・松、きつ尾点るのであとした。こ﹂ ダ告メルと被の人が通常遊し戯た者得不法で、共犯が正取な方法により方取に在よ窃、きつに案ういとたいてし事混ダりに得しメたルとがドル箱内 法ス方の常通で機ロ告チパの隣が人被でよに覚り犯目点時たし発が行、遊ろことたいてし戯的るダるすによりメルを窃取す際にいぺ隠を行犯のそ、 けられ最る。判決平成二一年見受近もていおに例裁高最の時月、は度六六二犯法方な正不らか機ロスチパが者共九、は頁一う四号五巻三六集刑日態 25いしめ認を任責のていつに体全て化の体一を果結に易安、にうよのこるでといるす定否に確明を責帰のそはてつはに分部いなし立成が罪犯、くな) 

2)二八頁、松原・前掲注(

( 一九一頁参照。 3)一九〇︱ 26) 橋爪・前掲注(

3)九二頁、山口・前掲注(

5、注掲前・河十頁)〇七三︱九六三(

3に注掲前・田石、ら)さ。照参頁〇四一(

( と。るれさ解とのもるす提前をⓐ、も下 2)以頁四五四 27し注掲前・尾松、てと) のもるす持支をⓐ(

3)一四頁以下、水落・前掲注(

2、注掲前・河十頁)五三三︱四三三(

3)一五四頁以下。

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