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糖尿病における網膜色素上皮症

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Academic year: 2021

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糖尿病における網膜色素上皮症

著者 瀬川 要司

著者別名 Segawa, Youji

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科

巻 平成7年7月

発行年 1995‑07‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/15231

(2)

医博甲第1143号 平成6年8月31日 瀬川要司

糖尿病における網膜色素上皮症 学位授与番号

学位授与年月日 氏名 学位論文題目

主査 副査

教授 教授 教授

河崎一夫 小林健一 馬渕宏 論文審査委員

内容の要旨及び審査の結果の要旨

眼球電位図の薬物誘発応答の一つである7%NaHCO3応答によって糖尿病における網膜色素上皮機能 障害を検出し,明極大/暗極小比(lightpeak/darktrough,L/D),他の薬物誘発応答(高浸透圧 応答,ダイアモックス応答)および律動様小波の所見と比較し,加えてこれらの電気生理学的検査結果と 各種臨床検査値との関連性について検討した。7%NaHCO3応答とL/Dとは有意な正の相関を示し,網 膜症病期の進行につれてともに低下したが,7%NaHCO3応答ははるかに高率に異常を検出した。7%

NaHCO3応答と高浸透圧応答とは有意な正の相関を示し,両応答の大きさの網膜症病期別平均値は網膜

症病期の進行につれてともに低下した。ダイアモックス応答の大きさの網膜症病期別平均値および異常検 出率と網膜症病期との間に一定の傾向はみられなかった。薬物誘発応答の中で7%NaHCO3応答は最も 高い異常検出率を示した。すなわち糖尿病における網膜色素上皮症は眼底検査で網膜症を呈しない時期に 早くも高頻度に発症し,網膜症病期が進行するにつれて増悪することが判明し,その早期発見には7%

NaHCO3応答が最も有用であり,その異常検出率は律動様小波01の頂点潜時の異常検出率さえも凌駕し た。網膜症病期の進行につれて0,頂点潜時は延長し律動様小波の振幅和ZOは低下する傾向にあり,7%

NaHCO3応答および高浸透圧応答の大きさと相関した。各種臨床検査値と電気生理学的検査結果との関 連性について,非エステル化脂肪酸,高比重リポ蛋白およびアポ蛋白A-Iは7%NaHCO3応答と正の相

関を,血中尿素窒素,トリグリセライド,超低比重リポ蛋白,アポ蛋白Bおよびフィプリン分解産物は

7%NaHCO3応答と負の相関を,血中尿素窒素および超低比重リポ蛋白は01頂点潜時と正の相関を,ア ポ蛋白Eは0,頂点潜時と負の相関を,アンチトロンピンmは20と負の相関を,グリコヘモグロビンAI およびA1cは高浸透圧応答と負の相関を,非エステル化脂肪酸はダイアモックス応答と負の相関を示した。

すなわち律動様小波および7%NaHOO3応答は血管硬化および易血栓性に,高浸透圧応答は血糖コント

ロールに,ダイアモックス応答は易血栓性に影響されやすく,糖尿病による網膜内外層障害の発生および

進行に脂質代謝異常や血液凝固冗進が関与している可能性が高いと考えられる。

本研究は新しい手法によって糖尿病における網膜色素上皮症の発症を証明し,その早期診断法を提示し,

さらにその発症と眼底所見および血液所見との対応を明らかにしたものであり,眼病学の進歩に寄与する と評価された。

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