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(1)

33

学業 の非知 的規定要 因につ いて

‑ 情 緒 性 の 問 題 ‑

中 村 政 夫

Ⅰ 問 題

学力や学習活動 の人格的規 定要因 と しての情緒性はす こぶ る重要 な意義 を も ってい る 。 学 習習慣 や学習態度 ない しは学 習行動 もその心理的構造 と しての内 部領域 は情緒性にその板源 を宿 してい る 。 したが って行動論 や学習理論 を展開 させ る場合,その内部構造 と しての要求や動因 ・興味 な ど動機心理 を探究す る な らは,そ この主要 因子は情緒的特 質 の ものであ るこ とに気づ くであろ う

Hebb(1949)

は,一般行動へ の情緒反応 の機能 を

,(1)

原発的刺激条件 を 維 持 し, または増強す る傾 向を もつ情緒 (快的 ない し統合的情緒) と , ②刺激を 排除 しあ るいは減退 させ る傾 向を もつ情緒 (怒 り ・恐れ ・圧わ しさ) とを区別

(1)

してい る 。 一般行動を増強 しまたは減退 させ る機能 を もつ情緒は,当然学習行 動に も同 じよ うな効果を及ぼす ことに なる

学習者が情緒的に破壊 (情緒的障害) され てい なければ,学習活動が順調に 促進 され よ うし, さ ら1 , 1成功感 ,満足感 ,希 望 な どの建設 的 な情緒が 内面化 さ れ るな ら,学 習活動は能率的に推進 され, したが って学力 の向上 も期待す る こ とが で きる

。Bemerd(1954)

は,その教育 の情緒的観点に言及 して, 「構 成的情緒 の発生

(genesisofconstmctiveemotions)

に関 して, 「興味 ・愛 情 ユ ‑モ アは構成的情緒を もち来た し,家庭 と学校 におけ る情緒的雰 囲気は重要 で ある と」述べ ,分裂的情緒

(dismptiveemotions)

と しての恐怖 .怒 り , 悼

(2)

悪 を排撃 してい る

(2)

情緒 または情動

(emotion)

の性 質,領域 ,行動へ の機能的 関係 な どに つ い ては,心理学上 の論議 は可 な り複雑 であ り混乱 してい るが ,恐怖対怒 り,喜 び 対悲 しみ ,愛情対憎悪 ,満足対 失望 ,な どは基本的情緒 として一般に認 め られ てい る し,その知覚 ,記 憶,推理 ,性 格に及ぼす影響 は きわめ て顕著 で あ る 。

この小論 では,学 習問題 の情緒的規 定要 因 として最近特 に注 目を 呼 ん で い る,不安 の機能 を主に Lで 情緒不安定 ,満足感 な どの要 因を乗 りあげ てみ る 。

Ⅱ 不安の要 因について

1 不安 の概 念

不安

(anxiety)

と恐怖

(fear)

の概 念は密接 に結合 してい るが , ウ エ ブ ス メ ‑の辞典 には不安 の状態につい て 「精神 を破壊 し,痛 ま しい心配 の状態 を維 持 す る,将 来 の または不確実 な事が らに対 しての関係

(concern)

また は 心 づ かい

(Solicitude)

」 と述べ ,恐怖につい ては, 「危険,病気 ,痛 苦 な ど の 出

(3)

現 または接 近に原因す る不安 と動揺 の感情」 で あ る と解説 してい る 。

この よ うな不安 (恐怖) を心理学上 の重要概 念 と して導入 した の は

Freud

で,その

first血eor

y に よる と,不安は単 な る激情 また は欲望 で な くて,抑圧 に よる束縛 の充満す る事態 で,意識に噴出す る表 出 され ない そ して利用 され な い

libido

で あ る 。 しか しその

second 血eory

に よる と,不安を変形 され た

libido

とみ ない で,意識界へ の複偏 と要求 の表 現がおびやか され抑制 された衝 動 (性 または攻撃) に対す る社会的非難 また は罰 の予想 とみた。 そ して恐怖 と 不安 の関係 につい て,

求.May

は その 「不安 の意味 (

1950)

」 におい て,恐怖 . 神経症的 ,不安 及び正常不安 の段 階を考え ,恐怖を 自我 に よって調整 され ない

(4)

外的危険へ の反応 または知覚 で あ る とみ る 。

こ うして不安 の理論 は,

Freud

以来神経症 の徴候 的行動や心理療法 の理解に

おけ る基本的概 念 と して発達 して きたが ,

Mowrer(1950)

は . 臨床的 問 題 で

あ った不安 を実験 的に動 物 の逃避 行動に関係 させ て学習論 の問題へ導入 した。

(3)

35

現在 では この理論 は,学 習論 か ら哲学上 の実 存主義 (不安 の哲学)に まで展 開 してい るが,社会不安 ,健 安不安 の問題 と して も人生に不断につ きま と うて

(5)

い る。

2

不安 の学習へ の意味

こ うした不安は その不当 な緊張 と抑圧に よって,学 習活動 やその成績に マイ ナ スの効果を及ぼす こ とは容易に推定 され る 。

Taylor(1956)

は,その考案に な る不安尺度

(MÅs)

に よる個 人 の得点差 は あ る形式におい で情緒的反応に関係す る とい う仮説 を立 てた。 一つは , この テス ト成績は慢性的 な情緒性 の状 態 を示 し, この尺度 で高 い個人的成績を示す ものは, その低い水準 の もの よ りも情緒性 と不安 の高い水準を もつ傾 向のある こ と,二つには,

MAS

で高 い得点 の被験 者は低い得点 の被験 者 よ りも, よ り 情 緒的に反応 し新奇 な または緊迫 した場面 では,適応へ の容易 さが低い , とい

(6)

うことであ った。 その後

MAS

に よる不安水準 と学 習効果 との関係につい ての 論 説は,次 に そのい くつか につい て例示 してい るよ うに極 めて豊富 であ る。

Shaffer(1954)

に よる と,動物実験 におい てス トレスの もの とに 発 生 す る 行動は,第

1

に一般活動 に変化 を与え,第

2

に学習過程に変 化を与え る とい う.

この第

2

の観 点につい て, ス トレス下におけ る生活体は,以 前ほ ど問題場面に 対す る活動 のみ ご とな広い そ して変化 のあ る領域 を示 さな くな り, それに対す る試行‑錯誤行動 もせ ま くな る

そ して

Hamilton

Krechevsky(1933)

ら 先人 の研 究に よる と,以前 の経験 を有利に利用 す るこ とに失敗 し,かつせ まい

(7)

反応 の領域 に固執す る傾 向が あ る とい う.

Mil]er(1959)

に よる と,恐怖 (不安)につい て最近 の もっとも有力に 理 解

され てい る観 点の一つ は, 「恐怖 の強 さの急激 な減 少

(fearreduction)

は直接

に先立つ反応 を強化す る覚 と して作用 す る」 とい うことであ る。 この よ うに動

因 と しての恐怖を解釈す る と, 「恐怖 か ら逃避す るこ とは,学習す る行動 を強

化す ることであ る (

theescapefrom feariswhatreinforcesle9rmdbehavior)

(4)

(8)

とい うこ とに な る

こ うみ ると不安 ・恐怖は望 ま しい学 習行動 を量 的に も質的に も制限 し,反対 に望 ま しくない行動を誘発す る傾 向を もってい る

この よ うな不利 な条件 の も とでは,学 習効果 も著 る しく減戦 され るこ とは当然 で あ る そ して不安 に伴 っ て あ る行動が発生す る場合 ,不安を減 少す ることは賞 の機能 を もってその行動 を強 化す る役割 をほたす ことが で きる

3

単純学習におけ る不安 の効果

u)

弁別学 習 と不安

Stevenson

Iscoe(1956)

は.

Texas

大学 の 学 生 を被験 者 と して

Taylor

の不安尺度 に よ り,各

2

0名の高不安群

HA

(テス ト得 点

29

. 4) と低不安群

LA

(同 じ く

4.0)

を分け,単純 な弁別学 習を試みた結果 は ,あ る学 習基準に達 す るに用 した試行数が ,

HA

群 では

28.0(SD‑ 7.0)

で,

LA

群 では

5.8(SD‑7.0)

で これ らの差 は

1%

水準 で有意 であ った。

LA

群 の被験 者は 同一 の学習をす るに して も

HA

群 の被験 者 よ りもは るかに 少 ない (ここでは約1 / 6の回数)試行数 でその 目的 を達す ることが可 能 で あ っ

(9)

た 。

Minnich

London(1959)

は ,

3

年生か ら

5

年生 までの学童 を被験 者 と し て,不安水 準 と教 示 との関 係に おい て これ を

4

群 に分 け絵 画弁別学習への効果 を比較 した。学 習は 5 種 の社会的及び抽 象的事象 の弁別 であ るが ,高不安 の 2 群 の成績 は教 示 のいか んに関係 な く.低 不安 の

2

群 の成績 よ り低 くか った。 し か し弁別 の速 度か らい うと.高不安群 の被験 者は,低 不安群 の被験 者 よ りもよ

( 1 0 ) り速 い弁別 を示 した。

松 山 (昭

35)

が .ネズ ミに iる学 習で,恐怖 に Jって右に.苦 痛

(pain)

よって左に 曲が る動因弁別学習を試みた ものでは ,その錯誤数が第

1・2 ・3

期 の実験 とも恐怖動因 の方が大 き く,そ の差 は

(1

つ の場合 を除い て)

2

%水

準以下 で有意 であ った。 この こ とは心理的 な恐怖は 肉体的 な苦痛 よ りは学 習を

動機づ け ることにおい て,弱い こ とを示 してい る

(5)

条件反応 と不安

Mowrer(1950)

におい ては,不安減 少が強 化 の 機 能 と して作用す ること, しか も

CS

( 音) と

UnCS

(シ ョック) の時間的 間 隔 が規則的で ある場合が ,その不規則的であ る場合 よ りも条件づ け運動量が有意

( 吟

味に大 きか った。 しか し

Prokasy

Tmax(1959)

の研 究では ,それ程積極的 な結果に な ってい ない。

Wisconsi

n大学 の学生を被験 者 と して

,alpharesponse

( 光 のひ らめ きへ の反射) と呼ぶ条件反応 へ の効果をみた ものでは,不安尺度

(MAS)

に よる低不安群

(25% ile

以下) の反応 は高か ったが ,その差 は有 意 でない。 その結果 , アル ファ反応 の よ うな分子的行動 と不安水準 との間に一 定 の差 異がみ られ るとい う以前の研 究は一般的 の現象 でない。 それはただ臨床

且 頚

的道具 と して可能的価 値を もってい る ととどまる, と結論 された。

これについ ては多 くの資料に よる検討を要す るが ,動物 と人間被験 者の差 異 とも推定 され うる。 しか し一般的にはやは り低 不安水準は反応形成に有利 で,

Prokasy

の結果 では

5

群 中の最高不安群 の平均

CR

度数は もっとも低 く低不安 群 ,最低不安群 の

2

群 のそれ は共に高か った。

⑧ つづ り字及び迷路学習 と不安 無意味つづ り字に よる対連合学習に対 す る不安 の関係について,

Spence

は不安 の高い水準は これを 阻害す ることを 予想 したが ,その よ うな結果に対 して消極的 な研 究 も現 われ てい る

L'Abate

(1935)

,65

名の学生を被験 者 として,

4

種 の連合価値 に したが って.高不 安 と低不安 の 「学習 の基準に達す るまでの平均試行数」 を求 めた。 そ の 結 果 は.連合価値 の減 少す るに したが って学習は よ り困難に な るが ,一般に不安 と 学 習 の関係は認 め ることが で きなか った。 しか し性差 では,高不安 の男子は低

不安 の者 よ り緩除に学び,一方女子 の場合はその反対 であ った。

この よ うに対連合学習におけ る不安 の機能 は なお明確 でない。

McGuigan

(1959)

.56

人の女子学生を被験 者 として

Taylor

の不 安 尺

(TA S)

に よる不安水準 と,尖等迷 路学 習におけ る成績 との関係を 同瞳 の

他 の研究 との比較 分析 を試み てい る

9

そ の結果は次 の よ うに要 約 された9

(6)

( 1 ) 平均錯誤につい てみ る と,低 不安群におい て この研 究 と

Axelrod(1956)

のそれは,

Farber‑Spence(1953)

のそれ よ り有意味に高 い

(P<0・01)

0

伐) 同 じよ うな結果が学習基準に達す る試行数に もみ ら れ た

(bothPS<

0.0

1 ) 0

しか しここで問題 とす る高不安 群 と低 不安群 の差 をみ ると,

Farber

Axe lrod

では この研 究 よ りも,高不安群が低不安群 よ りも,錯誤得 点 と学習基準に 達す る試行数におい て明 らかに高 い。 この研 究では反対に低不安群におい て上

の二瞳 の学習成績が高 くな ってい る 。

これ らの差異は ,実験 手続 上 の差 と,被験 者 の不安程度 の差に よるもの とみ られ てい る 。

C 4) 不安 の反効果性 以上 の諸業績に よる と,不安 と単純 な学習 との関係 につ い て これを否定す る研 究 もあ るが ,多 くはやは り高 い不安 は学 習に不利 で あ るこ とを肯定 してい る。

この不安 の反効果性 を

Solomon

Wynne

(

1954)

は, 「不安存続 の原理 (

Principlesofanxietyconservation)

」 で説 明す る 。 この原理 の中心観 念は,短 かい潜時 の逃避反応が不安反応 の生走か ら

C S

の効 果を妨げ るであろ うとい う こ と,それに よって消去す るこ とか ら条件不安反応を存続 す るであろ う, とい

46)

うこ とであ る。

3

複 雑 な学習及び問題解決におけ る不安 の効 果

(1)

学業 と不安

Raygor(1959)

が ,

Michigan

大学 の 「読書改善奉 仕 部

」 でその課程 を完成 した

88

人 の学生に対 して,標準化 された読 書 テス 十の成績 と

.Cattel

lら

(1950)

16

項 目の人格因子質問紙 を用い て抽 出 された

4

種 の因 子 との相関につ い て,次 の よ うな結果がみ られた。

( 1 ) C 因子 ・情緒的安定性 と, F 因子 ・感情激動 では , テス ト後 の成績が よ く,あ るグ/ レープでは有意 な差 がみ られた。

@

0因子 ・不安 ・不安定 では,有意 では ないが テス 十後 の成績が劣 ってい

(7)

39

た 。

uT) (3)Q4因子 ・神経 質的緊張 では ,その差 が ほ とん どみ られ なか った。

Reese (1961)

に よる と, 「児童 表示不安尺度

(CMA S)

」 に よ り測 定 さ れた動因 と学力 との関係につ い ては

McCandless(1956)

に よ り, また単 純 及 び複雑 な学 習作 業 との関係につ い ては

Castaneda(1956)

に よ り証 明 され て い る 。 そ して

Reese

が第 4及び第

6

学年 の児童 を対象に ,

CMA S

と数学 テス I ‑及び知 能 との三 者 の相関 を求 めた ところに よる と,不安 は学力 の正 答数に対 してす べ て消極 的に相 関 した。 そ の相関は

4

学年男子 の場合 のほか ,

4

学年女

u8)

子 及び

6

学年男女 におい て統計的に有意 であ った。

最 近

Sarason (1961)

が , ワシ ン T lン大学 の学生

738

名に対 して,高校時 代 の学業成 績 な ど

13

瞳 の知的測定 と, 自叙伝 的調査

(AutobiographicalSurvey)

の形式 で

6

瞳 の人格特 質 との関係 をみた ものが あ る 。

1

6

種の自叙伝的調査 と

13

種の知的測定 との関係

TA GA ITA GA

高 校 目 平 G‑ Z数 学 的 知 識 G ‑ Z 三 左ロlコ

共 通 英 語 ス ペ リ ン グ

学 ,

.Ⅱ

ACE

Q

score (1948)

04080304070711031210111ILLZIEIIIIiI989754337888001011112211231llt 22439682561981111100221221[tIIZIILILIFI tI 02031002010009

00 00

03040504

男子,∫‑・13305水準 , ‑・14801水準 女子,∫‑・09805水準 , r‑・12801水準

(TG・Sarason,J・Educ・Psycho

l

,1961,52,203.)

1

蓑はそ の 中の 「テ ス T l不安

(TA)

」 と,

「一般不安

(GA)」 の

二つ の不安特 質 と,知 的 測 定 との関 係を掃 出 した

もので あ る 。

これ に よる と,

( 1 ) テス T l不 安 と知 的

測定 との関係 では ,男 女 とも

13

の知 的測 中 1 1 測 定におい て消転的 に 有意 に相関 してい る 。

(

2 ) 一 般不安 に おい て

は ,男子 はす べ て消極

(8)

的 に相関 してい るが有意 なのは

1

科 目だけ であ り,女子におい てほ積極的及 び消極的 の両相関 ともほ とん ど認 め られ ない。

ug)

とい うことにな ってい る

毛利 (昭

36)

は, 中学

2

年生

323

名 車 よ り成績順位 に よ り,上位群

(1

位‑

2

0位 まで) ,中位群

(151

〜170

位 まで) ,下位群

(304

〜323

位 まで) ,の

3

群 を選び, 「田研式不安傾 向診 断 テス

t (GAT)

」 を実施 してその関係を みた。

GAT

8

分野に おい て両者の関係 をみ る と,

(i)A.

学 習不安傾 向,

B.

対人不安傾 向,

E.

過敏傾 向,

F .

身 体 的 徴 候 ,

G.

恐怖憤 向,の

5

分野では ,型通 りに ,上位‑ 中位‑下位 の順に不安 傾 向が大 き くな ってい る

俊) C. 孤独傾 向では 中位群が もっとも低 く, D. 自罰傾 向では逆に 中位群 が もっとも高い。

( 3 ) これ を総合計 した ものをみ る と, 「不安 傾 向偏差値平均」が , 上 位 群

49.1

,中位群

53.2.

下位群

57.9

とな って,成績 の良い者は ど一般不安傾 向は 低 くか っ た 。

の よ うに な る しか し不安 の非常に高い者 と同 じ く,その非常に低 い者 も学 区i

業成績 も知能 も低い とい う。

しか しこの よ うな積極的関係 を否定す る研 究 もあ る

Grooms

Endler(1960)

が,

Pennsy]uvania

大学 の, D型 コ‑スの学生

91

名 を対象に ,不安質 問紙法

(TAQ)

を行 って,高不安群

(HA,N‑22)

,中 不安群

(MA

,

N‑47)

,低不安群

(LA

,

N‑22)

3

群に分け,その学力 測定 (半期 及び累積平均) との関係をみた ものでは,

u)HA

LA

の被験 者 との間に ,態度及び学力測定におい て有意 な差 が な

い。

(

2 ) 不安 テス tと学業成績 との間には ,直接 の有意味 な関係が ない。

( S )しか し修正変数

(modifiervariable)

と して不安 を振 り扱 うと,学力 と

(9)

41

の間に種 々の相関がみち れ る

と結論 した。

(2)

問題解決 と不安

Palermo

(956)

が ,

4

学年児童を被験 者に不安 と複雑 な作業 の成績 との関係 を研究 した のでほ,不安 テス トで もっとも高い得

点 の不安群 と, もっとも低 い低不安群 の錯誤 曲線は明 らかに高不安群が高い。

西沢 (昭32

)

は,

Taylo

rの不安 尺度に よ り中学

3

年生

100

名を対 象に,高不 安群

(HH,2

0名) と低不安群

(LA,18

名) を選 び, この両群に さ らに強 弱 二唾 の. む的圧 力を与 え る

∽強い圧力

(SS)

では,被験 者に 「‑‑‑成績 の序列 を公表す る」 と教 示 す る。

( A) 弱い圧力

(W S)

では, 「・ ・ ・ ・ ・成績を問題に しないか ら楽 な気特 でや る よ うに」 と教 示を与え る 。

間静 まあ る数字 の記入 してい るカ ー ドをパ ズル板 に排列 して,

2

2

列 の数 の和を あ る条件 に合致 させ るよ うな解決を求め るものである 結果は,

( 刀全体錯誤 の平均におい て,第

1

期 ,

2

期 の実験 とも

HH

の被験 者が

LA

の被験 者 よ りも高い。

( 2 )これを圧力 との関係につい てみ る と,不安水準の高低に拘わ らず, L、 的圧 ・ 力 の弱い場合は,等 しい解 決 の進行がみ られ るが,強 い圧力 の条件 下では, 不 安水準 の高い人に妨害が顕著に表面 化 してい る と考え られ る

の よ うに ま

とめ られた。

この二つ の研 究事例は定石通 りに不安 や圧 力の問題解 決 に不利 であ ることを 結論 してい る

しか しここで も消極的事例が あ る 。

杉山 (昭30

)

が ,

188

名の女子学生に

Taylor

の不安 テス トを実施 して,不

安度 の高い

H

群 (得点

70

以上

,14

名) ,不安度 の低い

L

群 (得点

35

以下

,14

) ,及び 中間 の不安度を示す

M

群 (得点

50.2

名) の計

30

名を被験 者 として, こ

れを組合 せに よ り第 2蓑 の よ うな 5構造群 に分 け て問題解決 を行わせた。 これ

に よると, 「問題解決の所要時間」 は,構造 と して不安得点 の高い程解決 に至

(10)

る所要時 間が短か くな ってい る○ これ ら構造間の差異の有意なのは,

2

表 問 題 解 決 の 所 要 時 間

構 造 l

I

lI

V

I V

1009.51 3135.

0 L

1655.0

1

2045.

0 L

6011.5

( 杉山善朗 ,心理学研究 .昭

30

,

4,271)

構造 Ⅰ‑ Ⅱは, .

05

水準

構造 Ⅰ‑Vは, .

01

水準 構造 Ⅲ‑Ⅴは, .

01

水準 構造Ⅳ ‑Ⅴは, .

05

水準

とな ってい るが,

3

人 の低不安者を組合せてい る構造 Ⅴ群 は,

3

人 の高不安者 の組合せである Ⅰ群に比 して

6

倍の解決時間を消費 してい る。 朗

同 じよ うに

Maltzman

(1956)

は,

twoISPheres

問題の成績 と不安 との間 に関係をみ出せ なか った し

,Staats

(

1957)

ち,

Tayor

の不安得点 と

two・strings

問題の解決時 間 との間にわずか

.1

1の相関 よ りみ られ なか った。

(3)

結論 以上の,0 0 学業 と不安

, (2)

問題解決 と不安 ,の二つ の研究結果を み ると.それぞれ両者の積極的関係を支持す るもの とこれを否定す るの とが あ る。 それは実験 問題の性質,被験者の階層や不安水準 の程度 ,結果の評価基準 の相違 な どに よるものであろ うが,一般に不安 は

, C

L

)

学習能率を減退 させ る。

Raygor,Sarason

,毛利 らの業績は これを代表 してい る。⑧不安は学習におけ る錯誤を大 き くす る。

Reese,Palem o

,西沢 らの成果は これを支持す る。⑧ し か し学習問題 の性格や不安水準の程度に よっては,学習にそれ程積極的 な影響 を及ぼ さない こともあ る。

情緒不安定の要因について

1. 情緒不安定 の概念

(11)

43

ここに不安 と情緒不安定を区別 した のは,不安や恐怖は現在 の また は将来 の 自己に不利 な事象に対 して比較的に短かい期 間に おいて発生す る状 態 で あ る が ,情緒不安 はその よ うな不安状態 の反復 された結果生 じた ,言はば不安 の習 慣的傾 向 ともみ ることが で きる そ して不安は恐れ,悲 しみ の よ うに個人に不 利 な消極的情緒の面に関係 してい るが ,情緒不安定性 は異常 な喜び,快活 ・希 望 な どの変化に も関係 し,不安 よ りはい ろいろの情緒側面 において よ り多面的 で複雑 であ る 情緒不安定性 の特質 と して,

C l ) 情緒的 コ ン T lロールの幼稚 な こと 。

情緒的成熟にお くれ てい るこ と

(3)

情緒的変化 の激 しい こ と

件) 情緒的に習慣化 して永続 的傾 向を もってい ること な どをあげ ることが で きる 。

2.

情緒 不安定 と学習

Monroe

Backus(1937)

は,読書不能 の原因について論議 の結果

5

瞳 の カデ ゴ リーを あげ.その 「第

3

,情緒的要素」 と して,次 の よ うな条件 をあげ てい る 銅 。

(D

情緒的不熱 ,内気 ,読 書に対す る偏見 ,の よ うな読書 に不利 な態度に よ る条件。

⑧ 後退 ,攻撃 的行動 ,過 度緊張 ,及び補 償的機割 ,の よ うな原因 。

㈲恐怖,罰及び向 じよ うな消塩的反応に結合 された , また は条件づ け られ た反応。

これ らはいずれ も情緒不安 定を代表 し うるよ うな特質 であ るが

,Scarf(1957)

は.均衡 の とれ ていない不安定 な人格性 とその大学成績に対す る関係を研究 し

。1800

名の新入大学生に対 して,ア メ リカで心理学協会 の発行にな る心理学

的調査を行 って,その量的得点

(Q‑Scare)

と言語的得点

(L‑Scare)

の上か

,(

1 ) 均等 グル ープ

(evengroup,N‑113)

と して両得点 の差が

6%

以下 の安

(12)

定 した人格性 と

, ②

不均等 グル ープ

(unevengroup,N‑180)

と してそれが

40

%以上 の不安定 な人格性 ,の

2

群を選 び学業成績 を比較 した。 それに よる と,

(1)

低劣 な学習に対 しての見習が,不均等 グル ‑プの

25.00

/ Oに対 して,均等 グル ープでは

10.6%

と少な く,不合格者は前者の

7.2%

に対 して後者は

0.9

%,その他 の成績におい て も均等 グ/ レープがす ぐれ ていた。

⑧ 卒業 までの教育期 で,不均等 の生徒 は卒業 までに通常 の

12

期 よ り多 くの 期 間を要 した者が

30.60

/ Oもあ った のに対 して,均等 グル ープの生徒 ではわず

かに

6.2%

にす ぎなか った。

しか し間宮

(1960)

に よる と,成績 のす ぐれ てい る子供 は情緒不安定感 に悩 まされ てい る 。

小学

5

年生

120

名につ い て, 「田研式小学校項 目別学力検査」 を実施 して, 成績上位群 (学力偏差値

60

以上) と成績下位群 (同 じく

44

以下)を区別 し,両 群に 「田研式精神健 康度診断検査」 を行 った結果 ,国語 ・数学 ・理科 ・社会 の

4

唾科綜合点 で,( 1 ) 不適応感におい ては,上位群 の

14.0

0に対 して 下 位 群 は

9.60

で, この差は

1%

水準 で有意 であ る。( 分器官劣等感 では,上位群 の

17.22

に対 して下位群 は

13.70

で, この差 も

5%

水準 で有意 であ った。

さ らに情緒不安 定は学 習に対 して量的差異 のみ でな く,教科や学習 内容 の質 的差異に どんな効果を もってい るであろ うか。

Tallent(1956)

が , 中学生を対 象に 「行動統制評定 目録

(BCRS)

に よって,( 1 ) 低劣 な行動統制 を もってい る 「感情的 グル ‑プ

(IG

,

N‑40)

と,償) 理性的 な 「統制的 グル ープ

(CG

,

N‑40)

を分 け, これ ら両群につ い て りエクス ラ‑尺度 のサ ブ ・テス tに よる成績 との相関をみた。 これに よる

と,

( か統制群 は,数学 テス ト,類似 テス t,系列 テス tにおいて有意味にす ぐ れ ていた。

( 分感情群 は,絵画完成,数字記号 ,及び空 間 テス tに おい て有意味にす ぐ

(13)

45

れ ていた。

の よ うな結果がみ られた。

この よ うに情緒不安定が学 習に不利に作用す るこ とは当然 であ るが , この よ うな条件 の もとにそれ を効果的に動機づけ るた めに は. どの よ うに した らよい か。

駒崎 (昭

32)

が ,中学生 を内向性 ,外 向性 ,及び正常 の

3

群に分け

6

日間単 純加算作業 の学 習を行わせた。 それを さ らに賞罰 の動機づ け との関係におい て なが めた。非社会性 ,劣等感 ,神経質 な どの内向型 の者は,賞 と無刺激 の動機 づ けが罰 のそれ よ りも 2‑ 5%の信頼水準 を もって決 ま って効果的 であ った。

しか し社 会性 ,優越感 ,反神経質 の外 向型 の者では,それ らの間 の差が余 り認

め られ なか った。

情緒不安定 は,

Monroe

の読書不能に関係 してのみ でな く,一般に 学 業 不 振 の有力 な内的要因 とな ってい る 。 生徒 の学校 ざらいや不熟 し,学業を さぼ る ことや学 習意欲に欠 けてい ることな どは,学 習動機 に関係 して正常 の情緒的反 応 をな し得 ない ことに よる 。 間宮 の不適応感 と器官劣等感 の研 究は,高い学力 の子供 は, よ り敏感 で多感 で神経 質 であ るた め ともみ るこ とが で きる 学 習指 導 を効果的にす るに は,先ず生徒 の情緒不安定 とか情緒的障害 を克服 し, さ ら に進 んで論理的情操 とか.次 に説 くよ うな学 習へ の成功感 ,満足感 の啓 培に努 めなければな らない。

Ⅳ 成功感 ,満 足感について

不安や情緒不安定が学 習に消極的効 果を及ぼす な ら,成功感や満足感 は学 習

へ の 自信や快感 を高 めて, これ を積短的に推進 させ 内的動機 と な る 成 功 感

は 自己の要求や 目標 の達成 された ことに対 しての快感 で,同時に満 足 感 で あ

る 。 しか し失敗 や不成功 に対 して も,それに正当 な理 由や根拠 の存す る場合や

自己の能 力を越 えてい る時 な どは,次期 の学 習方 向や学 習計画を再編成す るな

(14)

ど,失敗 の中に満足感 をおぼえ ることもあ る 1. 成功‑ 失敗感 と学 習効果

課題解決の過程 に生起す る成功 ・失敗 場面 において.児童 は どの よ うな行動 をす るか。

高野 (昭34) が,小学

2

年生 と

4

年生 の児童 を被験 者 と して 「マ シ‑ ン ・ト イ」 とい う教育玩具 の組立 てを させた実験 で,

成功群一 間題解決が合理的に与 え られ賞賛 され る,

失敗群一 困難 な問題解決の失敗 が非難 され る,の よ うに動機づ けた。

以上 の

2

群 の学 習活動が計 画実施 され .結果 は

13

種 の行動 力ラゴ リ‑で比較

された。 これに よる と次 の よ うな結果に ま とめ られた。

(i)

成功群 は 「作業動作 が速 くな る 」 「作業を 中止 して図をみ る 」 「考え る

」 な どの望 ま しい行動が有意 な増加を示 してい る。

⑧失敗群 では, 「のろのろ作業をす る 」 「部屋 の中をみ まわす 」 「部屋 の 中を歩 きまわ る 」 「ぼ んや りしてい る」 な どの非能率的な行動が多か った。

記憶実験 で,末完 了課題 の再生率 が優位 であ るこ と は

Zeigarnik(1927)

以 来認 め られ てい るが ,その後

Nowlis(1941)

は,第 Ⅱ課 題す なわ ち挿入 課 題 の成功体験 は第 Ⅰ課題 (中断課題) の再興 を有利にす ることをみいだ した。

東 (昭

29)

は,中学生

18

名を被験 者 と して,部 分的に図形か ら全体図形を再 生 させ る

9

瞳 の作業をや らせた。 その さい各学 習群 は中断作業 と挿入作業 の関 係で.

( i ) 成功 ・成功群‑ 1

.2

回 とも容 易な作業 をや らせ る,

a) 不成功 ・成功群

‑ 1

回 目は困難な作業.

2

回 目は容易 な作業 をや らせ る, ( i ) 成功 ・不成功群‑ その逆 ,

の よ うに分 け られた。 結果 と しての学 習の 自由選 択 の傾 向をみ る と,

0

0

実験 場面 の

B

事態 では 「成功 した課題 と同種 の もの

(S)

」 を選 ぶ傾 向

の大 きい ことは,

3

群 に共通 してい る

(15)

47

⑧実験 でない A 事態では,成功 ・成功群は 「成功 した課題 と異 種 の も の

(S)

」を選択す るとい う積塩性がみ られ る。

(8)

一般に A 事態で選択を規定す る因子は,被験者が作業事態にナイ ーブな 興味を有す るものであ り, したが って再行は要求や興味に よ り規定 され てい

ることを示 してい る。

しか しこの よ うな成功 ・失敗感 も,他の動機づけの強弱に よって異な って く るか も知れない。

Sarason

及び

Sarason (1957)

は,学習場面において高 く低 く動機づけ られた教 示 と,失敗 または無失敗の報告を用いた効果を研究 した。

40

人 の被験 者は次 の よ うに

4

種 の等質群に分け られた。

u

) 高動機づけ一失放 伐) 低動機づけ‑失敗

(S)

高動機づけ‑無失敗

(

4 = ) 低動機づけ‑無 失敗

学習の実験過程は,最初全被験者は高い と低いの動機 づけ教 示を うけて

,14

試行 の学習を行え,ついで失敗 と無失敗 の報告を うけて

,14

試行 を行 う。 その 後実験 リス トに よ り

,15

試行 (直接 テス り

16

試行 ( 遅延 テス ト)を与え る 。

この結果に よると,

(

i ) 直接保持

(15

試行)においては,高い低いの動機づけの間に有意な差が み られ なか った。

戊)しか し失敗 と無失敗 の報告の間には有意 な差がみ られた (

P<0.025)

㊥遅延 テス トでは, 「高い動機づけの教 示は, 「低い動機づけの教 示」 よ

監∃

りも有意味に高い学習水準に達 した

(P<0.025)

0

⑧ 満足感 と学習効果 賞に対す る満足感 は,学習におけ る効果 の法則 と

して

1930

年頃 まで ソ ンダイ ク学説 の中核をな していた。刺激事態 と反応 との結

合は,満足な状態が伴 うことに よ り強 め られ,不満足な然態の伴 うことに よ り

弱め られ る。 そ して賞は この結合を強め罰は弱め る, とい うのであ る。 その後

Hu

l lに よって,刺激 と反応の結合は,生活体の要求 と賞に対す る関係に よって

強 め られ るとい う 「強化の原理

(principleofreinforcement)

」に発 展 した。

(16)

そ して賞 罰の量や質 ,反応 との時 間的接近 と反応 との関係 な どが実験 変数 と し て数学的 に処理 され るよ うに な って きた。

しか し満足は賞に対 してのみ生起す るものでな く,すべ て 自己の要求や 目的 の達 成 された場合. また は集 団活動に おけ る協調 ・統卒 の関係におい て も発生 す る。最近 の道具的条件づけ の学 習理論 では,罰か ら逃避す るこ とも満足感 を み ちひ き賞 と同 じ効 果を もつ ことが明 らかに され てい る。 そ して満足感は学習 問題のみ でな く,産業心理学において も満足 と生産高や能率 との関係が強調 さ れ てい る。

Triandis(1959)

は,生産 性 と仕事満足

(Job satisfaction)

との関係につ い て,今 までの諸研究を も とに論理的分析をほ どこ して,仮説的に 「生産高一 仕 事満足 曲線」を図式化 した。 これに よると, 「生産高 (Ⅹ)」は賃金 ・満足 ・ 能力使用 の愉快 さな どの 「仕事満足 (Y)」 の理想的状態におい て増加す るこ

とにな る 。

賞 と罰が それぞれ単独に動機づけ られ る場合は,当然箕 の効果 は大 きい。 こ れを相関的に与 え る場合は ど うな るか。

Pos

t

ma

n と

Adams(1955)

,Califomia

大学 の学生 を被験 者に

,21

語 の系 列 に対 して

1

ら10

までの数字を もって反応 させた。 この語一数字結合は,質 としての 「正 しい

(right)

と,罰 としての 「誤 り

(wrong)

」 の表現 に よっ て強化 され る。 こ うして賞反応 と罰反応 の孤立 の程度に よ り,( 1 ) 条件 Ⅰでは,

3

つ の反応 ,す なわ ち位 置

4.1

1 及び

18

が賞 を与え られ る

②条件 Ⅱでは,

1

0の

反応が賞を,

1

1の反応が罰を与え られ る

。 (3)

条件Ⅲ では

,18

の反応が賞 を,

3

つ の反応が罰を与え られ る 。 こ うした実験 の結果は,

(i)

実験 のすべ ての条件に おい て,賞反応が罰反応 よ りも比較的に多 く反復 された。 この差はすべ ての条件 の結合におい て,高 く有意味であ った

(t

3.12,p<0.01)

0

② 「賞 と罰反応 の再生」は , 再 生 テス ト

(recaltes

t )に よ り,実験群 と統制

(17)

49

群 の間にほ とん ど差 が ないが ,賞反応 は罰反 応 よ りもよ り多 く再生 された。

これはすべ ての実験群 と統制群 を結合 してその差 は有意 であ った

(t‑3.57

,

郎)

p<0.01)

また

Maier

Ellen(1955)

は, ネズ ミに よる実験 で弁別 問題場面 に発展 し た場所反 応において,賞 と罰 の比率 を,

A

80:20

,

B

50:50

,

C

20:80

3

形式 で試行 されせた。 それに よる と

,A

C

の被験動物は場所‑ ステ レオ タイプ (場所反 応) を固執す るこ とを示 したが ,方法

B

の ネズ ミは

77.8%

だ け が場所反応 を固執 し,残 りの

16.7% (3

匹 の ネズ ミ) は場所‑ ス テ レオタイプ をす てて弁別反応 を学 習 した。方法 B は また新 しい場所‑ 習慣 において もひ と しく効果的であ った。 これ は賞 と罰の比率が

80:20

, また は

20:80

では不調 和

に与 え られ るこ とに よ りフラス トレーシ ョンを起す と考え られた。

( 3 ) 結論 成功感 は.高野 の実験 に示 された よ うに価値 あ る学 習行動 を生 起 させ る し,それに したが って記 憶におけ る再生率 を高 くし,進 んでは新課題 を学 ぼ うとす る積極的 な態度を発展 させ るよ うにな る 。 そ して満足感 は産業及 び学 習能率 に共 に効 果的に作用 すが ,その動機 づけ と しての賞 と罰は均衝 を保 つ よ うに与 え られ るこ とが有利 であ るこ とを動物実験 は暗示 してい る

結 論

情緒性 の領域 は広い。 これ を一般的行動や学 習活動 の条件 として 考 え る 場 令 , これ を抑制 し禁 止す る方向に働 くマイナスの情緒 と,その誘発 ・促進 の方 向に作用 す るプ ラスの情緒 を区別す るこ とが で きる。 前者 の情緒 と し て , 悲 哀 ・恐怖感 ・劣等感 ・失敗感 ・不満 ・憎悪 ・不適応 感 な どが あ り,後 者 の例 と

して成功感 ・満足感 ・喜び ・希望 ・愛情 な どが あ る 。

これ ら二側面 の情緒 の禾質的性格につ い て他 の意 見を聞い てみ よ う 。 不安や

情緒不安定につ いて西里 (昭35) は,北大生

292

名を被験 者 として,

MÅ

s,

MM PI,Y‑G

性格検査 な どに よるテス ト資料 の結果に因子分析的研究 を用

(18)

いた結果 ,次 の よ うな因子が抽 出 された。

因子

A

‑ これは,神経質

(Ner)

,棉経質

(N)

,思 考的 内向

(T)

, 社 会的 内向

(S)

を主要関係因子 とす る もので,主に 内向性不安 ともい うべ き

もの

因子

B

‑ い らだ ち易 さ

(Ir)

,回慣性傾 向

(C)

,愛想が悪 い

(Ag)

,客 観性が ない (0) な どに関す るもので,主に外 向性不安 ともいえ るもの

因子

C ・D

に共通 して,強迫観 念的 ,怖れ の態度

(Ob)

,抑 うつ性

(Dep)

抑 うつ 性 (D) ,客観性が ない (0) であ る

因子 Cのみ の ものは,棉経質

(Ner)

,棉経質

(N)

,思 考的 内向 ( T) で,因子 D のみ の ものは, 社 交 的劣安感

(Inf

) ,身 体的不安徴候

(Son)

,回帰性傾 向

(C)

,劣等感

(Ⅰ)

で あ る。

これ に よると不安や情緒不安定には,内向性不安 ,外交性不安 ,及び神経症 的不安 の三側面が あ る。 そ して仮説的に ,外 向性 及び神経症 的 の不安 は学習活 動や学業に不利 で あ るが ,内向性不安 はそれ程 に関係 ない もの と考え られ る。

プラスの情緒につ いて,数学者 ポア ンカ レ‑は 「数学には知的以外 の数学的 優美 の感数 と形式 との調和 の感 ,幾何学的典雅 の感 がわ き, これはすべ ての兵 の数学者 の知 る其 の審美的感情 であ る」 と述べ てい る 。 文芸的創作には,創造 的 な苦悩 と喜びの感情 ・考 瓜独感 ・せ き りょう ・憂 うつ的要素が一種 の快的な情 緒 として味わわれ てい るとい う。 この よ うに創造的思惟には生産的情緒 または 創造的情緒 の発動がみ られ るもので, これ らは満足感 ・成功感 と共 に知的活動 の動的 な エネル ギ ‑の資源 とな る

この よ うt / 1み る学習論 におけ る動機 心理 の性格 と構造 に関 しての,情緒性 の 問題は今後 の開拓に期 待 してい るところがす こぶ る大 きい。

(1)0.0.

‑ ツブ,白井常訳.行動の機構 ,昭

32,299.

(2)H・W.Bernard,Psychologyofleaning,1954,29

&

‑303.

参照

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