「数学の好き・嫌い」について(2)
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(2) . 第 18 巻 第 1 号. 北海道教育大学紀要 (第一部C). 昭和42年8月. 「数学の好きo嫌 い」 に つ いて (2) 川. 中. 正. 北海道教育大学函館分校数学教育教室. TadaShi NAKAGAWA : Li ing and Di l i k keof ~【athematics. s. S. I.. は. じ. め. に. 算数・数学の興 味, 好き。嫌い, 或いは得意・不得意等の研究は, 青木誠四郎, 中邑幾太, 四方 ) 等により行なわれている 実一, 副島吉郎, 堀内敏夫2 . 私も昨年 (昭和41年) に函館市内の公立普通高校生と北海道教育大学函館分校の学生に対 して, ) が 調査 算数・数学の好き・嫌いにつ いて調査を行ない, 副島, 牛島, 堀内等の結果と比較した7 , した結果が同 じ傾 向にな った事柄もあるが, 部分的に同 じ傾向にな ったり, 逆の傾向を示す事柄も あ っ た.. 私の調査対象にな った生徒・学生は, 前述のように公立普通科高校生と教育大学生なので, 函館 市及びその近隣郡部の小・中学校 時代, 全般的な学習成績は 「中の上」 以上の児童・生徒であ った と思われる. そこで 本年 (42年) の 1月, 函館 市内の公立の 実業高校 (2クラス) とその定時制. (1クラス) , 男子の私立高校 (普通科2クラス) , 女子の 私立高校 (普通科2クラス) の 生徒を対 象に, 昨年と全く同 じ調査を行い, 副島, 牛島, 堀内等の結果, 及び昨年の調査結果と比較して見 た. 以下此れについて述べて見たいと思う, S 2 , 調査対象と調査方法 調査対象とな った高校生 はいずれも3年生で, 表1がその構成である, 表 1. 調. 学. 査 対. 男. 校. 実 業 高. 校. 実 業 高. 校 定 時. 象. 全 日 制. 女. 計. 32. 63. 95. 制. 20. 18. 38. 男. 子. 私. 立. 高. 校. 93. O. 83. 女. 子. 私. 立. 高. 校. O. 89. 89. 145. 170. 315. 計. - 28 -.
(3) . 2 ) r数学の好き・嫌い」 について(. 調査方法は次のようなア ンケー トを, 上記の数学の教師に依頼 した. あ な た の 小 ・ 中 ・ 高 時 代 の 算 数 ・ 数 学 につ い て, つ ぎ の ア ンケ ー トに 答 え て 下さ い.. 成績はどうで したか, 0印をつけて下さい,. ① 小. 学. 校. 5. 4. 3. 2. 1. 中. 学. 校. 5. 4. 3. 2. 1. (平 均 して 四 捨 五 入). 校. 5. 4. 3. 2. 1. (. 高. 〃. ). 好 き だ っ た か, 嫌 い だ っ た か, (或し・は 中 間 か). ②. 何年生頃か らそうなったか. 小. 学. 校. 中. 学. 校 校. 高. 好き或いは嫌いにな った理由をなるべく具体的に書いて下さい. 数学の先生へ の希望を書いて下さい,. ③ ④. 調査対象の高校生は, 函館市内の二, 三の中学校の教師の言によると, 中学校時代の全般的な学 習成績は, 勿論異例はあるが, 「中 の上」 から 「中の下」 位迄の 層からな って居 り, 女子の方が男 子より若干成績 がよいようであ る. 表2は, 昨年の普通科高校生と教育大学生, 本年の高校生の小・中時代の数学の成績をアンケー トの 成績 に よ っ て 比 較 した も の で あ る, 表 2. 績. 成. の. 4. 5. 3. 昨. 年. 108. 130. ( 37 ,7). ( 45 ) .4. 本. 年. ( 1 9 ) .0. 昨. 年. 108. 147. (3 7 ,7). ( 51 ) ,5. 本. 年. (1 6 ,8). 60. 53. 47. (16 ) ,4 85. 161. ( 1 5 ,0). (2 7 ) ,0. ( ) は%. 較 2. 計. I I. 286. ( 0 ,5) 6. ( 2 ,0). (1 0 0) 3. ( 1 ,0). 31. 99. ( 31 ,5). 315. ( 1 00 ) 286. (1 00 ). (1 0 ) ,8. 145. ( 4 6 ,0). 比. 14. (4 ) ,4. 4. . ( 1 ) ,3. 315. (1 00). 前記中学校の教師の言と表2か ら, 本年の調査対象にな った生徒の中学時代の全般的な成績は, 昨年の生徒と重な った層と, その下の層か らな っていると思われる, 今後便宣的に昨年の調査対象 の生徒, 学生を全般的 な成績の上位の層, 本年の生徒を中位の層と名付ける, S. 3 ,. 調. 査. 結. 3・1 成績と興味. 果. 表3は小・中・高各時代の好きo嫌い の人数と成績の関係を示 したもので. 興 の を 求 め た が, 小 学 校 時 代 は0,41 , あ る, A を 5 , B を 4, … …, E を 1 と して 成 績 と 味 相 関 係 数. 中学校時代は0 , 中学校時 .53 ,85で, 昨年調査したときの相関係数 (小学校時代0 ‐55 , 高校時代は0 -2 9.
(4) . 中. 1 . 表 好 A. 成 績. き 嫌. B. い. 正 峨績. C. ( ) は%. D. E. 5. 37. 7. 14. o. 2. 4. 71. .3←. 55. 9. 13. 3. 15. 2. 23. 魁. 3 31. 2. 0. 0. 3. o. 0. 0. 0. o. .5 .. 3 瀞. 19. 1へ { U. 蕊. 1. 計 5. 22. 〇の. 島 & ゐ 3. 4. 42 ・ 59. 3. 15. 4. 17. 20. 4Q U. 2. 0. 0. 1. 6. ヮ 十. 0. 0. 1. 0. Q U. 4. 2. っ ”. 計. ゐ. 5. 20. Q U. 5. 6. 0. 4. 35. ^ b. 27. 17ー. 20. 3. 17. l ▲. 39. 7. 64. 2. 0. 5. 24. 1. 0. 0. 9. 1. &. ^ = v( 5 = v. 72. 計. 器. ○の. α2 の. 銘 ◎. 好. 68. 14 め. αL の. ゐ 盗 3. m ◎. A:好き, B:途中から好き, C:中間又は意識しない, D:途中から嫌い, B:嫌い. 表 4. 成績と得意, 不得意, 好き, 嫌い (D. 成. 績. 得 意 生 徒 不得意 生徒 成. 績. A. +. B. D. +. E. A. +. B. +n z ” +l i. 畷 0. % %. ( = U一. ←. 一n 乙. %%. 0 眺. 0 跳. ゐ&◎ 2 2 ゐ & ◎ D ゐゐ & 3◎ 2◎ r o. △丁. ヘ ベ リ? ” n v. I. α. 4. ( 小掘愉 一 D. +. ( v. GQ の. %ミ. 計. ^ U. ^ = v. 〇. 命 ゐ あ るデ も ーr 2. E. 1 ←. 不 明. @9 の. 0- -3.
(5) . . 2 ) 「数学の好き・嫌い」 について(. 代o ,82) に比較すると高校時代は略同 じであるが, 小・中時代は逆にな っている. ,37 , 高校時代0 ) のうち小学校時代 の得意 不得意の割合と成 堀内敏夫による東京学芸 大学生の昭和32年の調査2 , ) と成績の関係を ( A+B) ( D+E の の昨年と本年の調査小学校時代の 績の関係 算数の部分と私 , 一つにまとめたものが表4である. 堀内の得意生徒と私の (A+B) の傾向は, 昨年の調査では堀. 内の程強くないが, 同 じ傾向即ち成績 の良い 生徒ほど得意又は好きな生徒の割合が多くな っている が, 本年の調査では5の割合より4 の割合の方が多くな っている, 此れは本年の生徒は5の人数の 割合がS2 の表2にあるように, 昨年に比べて 半分程度にな っているためで, 見方を変えて各成績 の人数 (A+B十C十D十E) に対する (A+B) , (D十B) の人数の割合を調 べて 見ると表5の ようになり, (A+B)は昨 年に比べて本年は5の 割合 が若干減 り, 4 ,3 が増え, (D+E) は5が 若干減え4は略, 同 じであるが, 大体似た傾向を示 して居るようである, 堀内の不得意生徒 (この 表 5. 成 績 と 好 き, 嫌 い ( 2). 分母はその成績の人数, 分子は (A+B) , (D十E) の人数, ( ) は% 成. 績. A + B. D + E. A + B. D + E. 5. 4. 3. 92月08. 65/130. 4 2/ 7. (85 ) ,1. ( 5 0 ,0). ( 0 .5). 2月08. 18/130. 15/ 47. ( 1 ,9). (13 ,9). (31 .7). I. 2 .. 44/ 60. 94/1 61. 17/ 85. (73 ) ,3. ( 58 ,4). (20 .0). 2/ 60. 22月61. 45/85. 3/6. 3/3. ( 3 .3). ( 13 .7). ( 52 ,9). (5 0 ,0). (1 00). 資料は表4でないと比較できないか ら) と (D+E) を比較すると, 本年の方が傾向がより似てい る.. 此等の表と前記の相関係数か ら, 小学校時代では全般的な成績上位の層は中位の層より数学の成 績と好き, 嫌いの相関関係が大である. 又中学校では, 上位の層が中位の層よ り小で, 高校時代は 略, 同 じで極めて大である, 3.2 小中高時代の好き嫌い 表6は副島羊吉郎が昭和27年に施行 した某大学生の小 ・中・高時 )における 数学だけを抜粋 したものと, 私の昨年と本年の好き嫌いの男女別 代の学課 の好嫌の調査3 の調査結果である, 表6の1 副島氏による大学生の小・中・高時代の好嫌 (% 数学だけ抜粋) き. 好. 小 男 女. 58 70. 中. 1. 嫌. 高. 言 ”三 番 - 31 -. 小 20 6. い. 中. 1. 高. ; 三 字1 竺.
(6) . 中. 正. 川. 表6の2 普通科高校, 教育大学生の小中高時代の好・嫌. 男. 女. 男. 女. B. C. D. E. 45. 62. 47. 11. 19. ( 24 .8). (33 .8). (25 .6). ( 6 .o). 、. ′ Y 107 (58 .6). n ‘( ハ 十・ ▲ ) .▲ノ. 」. I. ハ 0ヘ 0 ′ハ^ 十・ 十 .1ノ \v一 I ′ V 62 (60 ,8). 22. (2 1 ,6). 萱 もぎ』 “ 、. 一 118 (64 .3) ・. 24. (13 ,0). 12. (11 ,8). 3 字 もふろ “ 。. !. J. 30(1 6 ,8). さ もふも 。. 凋も さ も 。. E. 24 (23 ,4). 17. (9 ) ,2. 81(44 ,1). 女. (1 0 ,8). 42 (22 .7). もじ 三 も 一. - ▼. 18 (17 .6). 66 (64 .8). 男. 計. A. L. るじ 46 84( .7). 17. (1 6 ,5). 34(33 .3). 、. リ十 ワ ム ▲ノ 、 《 U ・せ. l. リ ム▲ せ rり 八・ Q \ムリ ,せノ l ′ Y. 51(49 .8). 表 6の3 実業高校, 私立高校生の小・中・高時代の好嫌 A. B. ( ) は%. C. D. E. 60. 9. 12. 31. (41 ,3). ( 6 ,2). (8 ,3). (21 .4). 69 (47 .5). 43 (29 ,7). 63. 13. 23. 52. (37 .1). ( 7 .7). ( 7 .3). (1 6 .5). 76 (44 ,8). 75 (23 ,8). - 32 -. ( ) は% 計.
(7) . 「数学の好き・嫌い」 について( 2 ). 男. 女. B. C. D. E. 52. 7. 25. 20. 41. (3 5 ,9). (4 ,8). (17 ) ,2. (1 3 ,8). ( 28 ,3). 、. Y 57 (40 ,7). 琴 もぷ6 。. L. 36. (21 ,2). 、. ′ Y 1 0 61 (42 ) ,. R vG v 、 ドハ 0 ,》ノ. 80 (47 ,0). 男. 女. 計. A. L. つ 一q v ^ ^、 U ,Uノ. l. つ 一7 十 ′→戸 ^、 \10 ・》ノ l ′. 54(31 ,8). r. q U ′^ イ\ \乙 ,l l ′ ▼ 32 (22 1 ) ,. 1 J ▲に. 36. (24 .7). &ドも. 43. (35 ,2). 、. l. C Uり ム /▲ム G、 \り ,U ノ l ‐ 77 (53 .2). ハ A\ V ノ ・U. もドル 。 75(4 4 ,3). 52(40 ,5). 副島の調査によると好きの割合は小・中 ・高の順に少くなり, 嫌いの割合は小・中・高の順に多 くなる, 私の昨年の調査によると嫌いは副島と同 じ傾向を示 しているが, 好きは異な った傾 向即ち 好は中・小・高の順で少なくな っている. 今年の調査結果では男子の好き・嫌いと女子の嫌 いは副 島と同 じ傾向を示 しているが, 女子の 好きは昨年と 同 じく, 中・小・高の 順順 で少なくな ってい る. そこで今年の男女の成績を比較すると表7になり女子の数学の成績の方がよい 又S 2 で の 中 , 表7. 男 女 の 成 績 比 較 ( ) は%. 5. 男 女 男 女. 4. 3. 2. 1. 24. 67. 45. 6. 3. (16 ) ,5. ( 46 ,7). ( 31 ,0). (4 ,2). ( 2 .1). 36. 94. 40. O. O. (21 ,2). (5 5 ) .3. ( 23 ) ,5. 17. 65. 51. 8. 4. (11 ,7). (44 ,8). (3 5 ) ,1. (5 ,6). ( 2 .8) O. 36. 80. 48. 6. (21 ,2). (47 ,0). (2 8 ,3). (3 ,5). 学校の教師の言か ら全般的な成績 も女子の方がよいようである,, 副島によると 「中学になると数 学を好む者の率がず っと低くなる, また一般に学年が 進むに従 って好きな者が少なくなるが, 例外. も見られる」 とな っている. 私の2年間の調査では, 全般的な学習成績の中位の層では副島と同 じ 傾向であるが, 上位の層では好きな割合は小学校時代より中学校時代の方が多くなる傾向が見られ る,. - 33 一. ー.
(8) . 中. 正. 川. )と 私の昨年, 本 3・3 好き嫌いの 変化 表8は, 好き嫌いの変化について, 副島の調査結果3 , 年の調査結果である. 表 8の1 副島氏による大学生の興味の変化 (数学だけ抜章) (%) (5%未満は省略) 中途から好きにな 貫 っ た者 し て好き 普通から 嫌いから 好きへ 好きへ. 中 男. 30. 女. 24. 中. 高. 6. 計. 中. 高. 33. 6. 高. 54. 82. (2 9 .3). (45 ,0). 12 9. 中途で嫌いにな った者 普通から 好きから 嫌いへ 嫌いへ. 中. 高. 中. 高. 9. 6. 11. 5 ,2. 9. 15. 9. 6. T 1. H 12. (6 ) ,4. J. 6. ( ) は%. 普通科高校生教育大学生の興味の変化. G. F. 女. 普通へ. 11. 表 8の2. 男. 貫 し て 嫌 い. 好きから. K. L. 7. 13. 10. 6. (3 ,7). ( 7 ,1). (5 ) .3. (3 ) .2. 26. 47. 8. 7. 11. I. 2. (2 5 ) ,4. ( 46 .2). (7 .8). (6 ,8). (1 0 ,8). (1 ,0). (2 ,o). 80. 129. 20. (7 ) ,1. (45 ) ,1. (2 8 ,1). 14. 24. 11. 8. (4 ,9). ( 9 .9). (3 ,9). (2 .4). A:好き, C:中間, B:嫌いと し, Fは一貫して好き, Kは一貫して嫌い, Lは一貫して中間 E→A→C E→A A→E 一 A A→C J: \ G; \ ’ 日 ’ / ’ 1: \ ℃ 。 。 C→E. < >. C. C. 表 8の3 F. 男 女 計 (注). G. 実業高校生, 私立高校生の興味の変化 ( ) は% T 1. H. 12. 64. 12. 19. ( 8 ,3). (44 ,1). ( 8 .3). (1 3 ,1). J 12. ( 8 .3). K. L. 18. 8. (12 ) .4. (8 ,5). 30. 71. 10. 23. 16. 9. 11. (1 7 .6). (41 .8). ( 5 .9). (1 3 ,5). ( 9 .4). ( 5 ,3). (6 .5). 42. 135. 22. 42. (1 3 ) ,3. (42 .9). ( 7 ,0). ( 13 .3). 記号は前表と 同じ, - 34 -. 28. ( 8 ,9). 27. ( 8 .6). 19. ( 6 .o).
(9) . 「数学の好き・嫌い」 について( 2 ). 一貫 して好きは, 副島のと昨年の調査のとは略, 同 じ割合即ち男子約3 0%, 女子約25%にな って いる, 本年の調査結果では極めて少なくなって居り, 又男子より女子の方が多い, 此れは成績上位 の層は中位の層より一貫して数学の好きな生徒の割合が多いこ とを示 している,. 途中か ら好きにな った生徒は, 副島によると男子は中・高時代とも5%未満, 女子は中・高とも 6~11% (嫌いか ら好きが5%未満で表にあ らわれていない) であるが, 私のは表6より 昨年 では. 中学時代男子16 ,8%, 高校時代男子7 ,1%, 女子3 .3%, 女子12 .9%, 本年で は中学時代男子4 ,8%, 女子9 .3%にな って居る, 三つの調査で共通な 傾向は, 高校時代 ,1%, 女子5 .4%, 高校時代男子2. は中学時 代より途中か ら好きになる傾向が少ない, 私の二つの調査では, 中学時代の男女, 高校時 代の男子はいずれも昨年の方 が 多い. 所が高校時代の女子のみは本年の方が多い, 此れは昨年の調. 査対象で理科 系と文科系 普通科高校生は3年での数学の選択より) の男女比 (普通科高校生理科, 男 : 女 =39:4, 文 科, 男 : 女 =43:53, 大 学 理 科, 男 : 女 =44:16, 文 科, 男 : 女 = 58:29) か. ら, 男子の方 が女子より若干数学の関心が高いと思われることと, 本年の実 業高校は女子の方の数 学の成績 がよい, (5の成績の全体に対する 割合は男子2 ,1%, 女子4 ,2%, 4は男子7 ,4%, 女子 28 4%) 又私立女子高校では, 男子に対する数学での劣等感を感ずる必要がない等が原因と思われ る, 以上の事か ら成績上位の層は一般に下位より途中か ら数学が好きになる割合が多くなる傾向が あ る よ う に 思 わ れ る,. 途中か ら嫌いにな った生徒は, 副島によると中学時代男子20%, 女子18%, 高校時代 男子1 1 ,2 校時代男子 % 女子1 1 2 5 %, 女子15~20%, 私の昨年は中学 ,5 , ,7%, 高校時代男 子271%, 女子. 8%, 女 子15 9%, 高校時代男子1 0 2 6 ,6%, 女子11 .8%, 副島のと 私 ,4%, 本年は中学時 代男子13 の本年 のとは同 じ傾向即ち男女共高校時代は中学時代よ り少なくなくな っている. 私の昨年のは逆. の傾向で中学時代より高校時代の方が多くな っている. 此れは副島のと私の本年とは, 嫌いの割合 1%, 女子約1 3%であるのに対 し, 私の昨年の男子は約24%, の高校と中学の差がいずれも男子約1 女子約26%で2倍以上にな っている, 此れ がその原 因であろう, 2%, 女子5%未満, 昨年の 私の調査では男 一貫 して嫌いな生徒の割合は, 副島によると男子1 女 子5 子5 ,3% と な っ て い る. 三つ を 比 較 して 共 通 な 傾 向 .3%, 女 子1,o%, 本 年 で は 男 子12,4%,. は 「一貫 して嫌いな生徒」 の割合は男子より女子が少ないことであり, 私の二つの調査か ら全般的 な成績上位 の層は中位の層より 「一貫して数学の嫌いな生徒」 の割合は少ないことである.. 好き→嫌い→好きと変化する生徒の割合は昨年より本年が多い. 此れは実業高校や私立高 校で能. 力にあ った授業をうけるためであろうと思われる, 嫌い 一好き一嫌いと変化する生徒の割合は昨年と本年は略, 同 じである, )に よる (a)適 性.教 材 3。4 好 き o嫌いの 原因 好き・嫌いについての 原因は 牛島義友3 , (b)成功感, 競争意識 (c)社会的環境 の三分類に従 って分類 し, 頻度の高 いものを昨年のと比較 した の が表 9 で あ る,. ) でも 副島が前述の 某 大学生に 行な た 調査結 牛島 が東京女高師の学生に 行な った調査結果3 っ , ) 3 たりする理由 が好きにな たり嫌いにな 小・中‘高を 「数学 は 通 じて 果 でも, 適性・教材に っ っ , 関 す る も の が も っ と も 多 い」 と な っ て い る が, 私 の 調 査 で は 表 9 か らわ か る よ う に, 必 らず しも 此. のことがいえない. 適 性・教材関係 (表中の (a) の計) のもっとも多いのは, 昨年では好きの小 ・高 嫌 い の高, 本 年 で は 好 き の 小, 嫌 い の高 と な っ て い る,. - 35 -.
(10) . 中. 表 9の1. 正. 川. 好 き・嫌 い の. 原. 因. (小学校). (本年の5未満はその他に入れた). 分類. 好 き. の 原. 因. 面 白 い. 計算が好き そ の 他. 昨年 本年 6. 29. 7. 22. 14. 6. 嫌 い. の 原. 因. 1. 応用問題が嫌い. 27. 勉強 しなくても理解できた. 面白くない. O. 苦手意識. 1 1 5. b. 成績がよかった. 57. 5. 37. 14. 計. そ の 他. 計. 65. 11. 34. 4. 5. 2. 5 6. 11. 45. 15. 3. 15. 3. 先生が嫌いっ だた そ の 他. 11. 21. 3. 4. 14. 25. O. 21. 表 9の2. 7. 4. 24. 先生がよかった 塾や家で予習を した. ” 10. 11. 5. そ の 他. その他 (成績が悪い). 本年. 13. 0. 解いたときの喜び. 5. l o. 難かしい. そ の 他. 計. 1昨年. 39. 好 き・嫌 い の 原. 因. (中学校). (本年5未満はその他に入れた). 分類. 好 き. の 原. 因. 面 白 い やさ しかった 答がはっきりしている そ の 他. 計 b. 昨年 本年 13. 19. 0. 11 5. 5 17. 9. 35. 解いたときの喜び 成績がよかっ た そ の 他. 計 先生がよか っ た. 塾で予習 した そ の 他. 計 小学校時代の延長. の 原. 難かしい 幾何がわからない. 基礎の不足 面白くない そ の 他. 44. 13 52. 27 16. 3. 成績がよくない そ の 他. 因. 昨年 本年 2. 30. 10 1 16 0. 7. 3. 6. 8. 3. 23. 62. 27. 10. O. 4. 27. 14. 17. 58. O. 13. 5 48. 68. 入試で必要だった. 嫌 い. 54 0 5 8. 6. 先生が嫌い 不勉 強. 5. そ の 他. 47. 4. 2. 67. 4. 25. 4. - 36 -. ・学校時代の延長. 21. 76. 6. 6.
(11) . 「数学の好き・嫌い」 について( 2 ). 表 9の3 好 き・嫌 い の 原 因 (高等学校) (本年の5未満はその他に入れた). 分類. 好 き の 原 面 白 い. 代数教材が好き そ の 他. 計 b. 因. 昨年 本年 14 7 27. 48. 解けたときの喜び そ の 他. 計. 6. の 原 因. 難かしい. 基礎不足 面白くない n Bが難かしい mが難か しい そ の 他. 32. 20 14 34. 先生がよかった そ の 他. 嫌 い. 5 21. 成績がよくない. 18. そ の 他. 7 25. 20 4. 先生が嫌い. 32 5. 不勉強 希望大学の入試に数学 なし そ の 他. 計 小・中時代の延長. 24. 37. 16. 7. 小・中時代の延長. 昨年 本年 r4 h リ 58 0. 馬. 2. 13. ー5 十 ▲7 0. 6. n8 ア し9 99. 104. 56. 12. O. O. 56. 12. 32. 59. 7. 25. 10. 9. 10. 8. 69. 101. 11. 16. 個々の原因の頻度の多いのは, ・学校時代> 昨. 年. 本. 年. 好き 「成績がよい」 「先生がよい」 嫌い 「成績が悪い」 「先生が嫌い」 好き 「勉強 しなくても理解できた」 「先生がよい」 嫌い 「難か しい (応用問題を含めて)」 「先生が嫌い」. 昨. 年. 本. 年. 好き 「先生がよい」 「成績がよい」 嫌い 「先生が嫌い」 「成績が悪い」 好き 「先生がよい」 「解 いたときの喜び」 嫌い 「先生が嫌い」 「難か しい」. 昨. 年. 好き 「先生がよい」 「解いた ときの喜び」 嫌い 「成績がよくない」 「難か しい」. 本. 年. 好き 「先生がよい」 「面白い」 嫌い 「先生が嫌い」 「難か しい」. なり, 昨年の高校を除 いて, 好きと嫌いはその原因が丁度反対にな っている 又昨年即ち全般的 , 戎績上位の層の ・・中時代は数学の成績が好き・嫌いに大き い影響を及ぼ して居り 昨年の高校 , tと本年の小・中 ・高時代は, 数学が理解できるか難か しいか が大 きな影響を及ぼ して居る 此 , - 37 -.
(12) . 中. 正. 川. れは成績中位の層は, 早い生徒は小学校時代か ら, 多く の生徒は中学校時代に数学の学習に困難を 感 じ, 成績の良 し悪 しより, 数学が理解できるかどうか が大きい問題にな って居り, 上位の層は小 。中時代は数学の学習に殆 どが困難を感ずることなく, 高校時代になっては じめて困難を感ずる為 で あ ろ う,. )によると, 小学校時代の, 不得意教科の原因を対人関係か ら 教師の影響について, 堀内の調査2 2%, 得意教科の教 師の指導, 分類 したもののうち, 算数は教師の指導, 性格の欠陥によるものが4 ) によると 「上級学校ほ ど教師が良いため好きになり, 悪いた 性格の感化は26%ある. 牛島, 副島3 め嫌いになる者 が多く」 なっている. 私の調査結果で も, 前述 のように昨年, 本年共に, 小・中・ 高を通 して好き嫌いの主 な原因になっているが, 教師の影響が上級になるに従 って強くなるという. 傾向は, 昨年, 本年とも 嫌いでは言えるが, 好きでは言えず, 昨年では中・高 o 小, 本年では中 6 小。高 の順 で, 中学校時代 が最も影響が強い. 昨年と本年で好き嫌いの原因 が教師の影響であ る人数の割合は, 調査人数の割合 (昨年と本年の て 本年の方が多い. 此のことか ら, 一般に成 比は1:1 .1)に比べると, 中学校時代の好きを除い , 績中位の層は上位の層に比べて数学の好き嫌いの教 師による影響 が強 い傾向 があるようである. 3.5 教師に対 する希望 昨年と本年の小・中・高 の数学の教師に対する希望で頻度の多いもの を列挙すると, 次のようになる, ( ) は人数. <小学校の先 生への希望> 昨. 年. 親 切 に何 度 も教 え る. (38). 興 味を 持 た せ る. (28). 具 体 的 に説 明す る. (27). 人 間 味 のあ る 授 業. (27). 基 礎 を しっ か り や る. (18). 1 1. 本. 年. 親 切に何 度 も教 える. (24). 1 1. 興 味を 持 た せ る. (19). 差 別 しな い. (16). 1. 生 徒 の個 人 差 を 知 っ て 教 え る. (11). 1. <中学校の数学の先生に対する希望> 昨. 本. 年. 年 (29). く わ しく 丁 寧 に. (42). く わ しく 丁 寧 に. 興 味を もたせ る. (31). 差別するな. (15) (15). 基 礎を しっ か り や る. (22). 興 味を も た せ る. 人 間 味 の あ る授 業 人間味のある授業. (18). 4) 先生一人だ けの授業にな らなし・ように(1. 受験本 位を やめる. (11). 1 1. <高校の数学の先 生に対する希望> 昨. 本. 年. 先生一人の授業に な らないように. (3 9). 受験本位を やめ る. (30). 人 間 味 の あ る授 業. (22). き び しく. (17). 興 味を も た せ る. (17). 年. (44). 1. くわ しく丁 寧に. 1. 興 味を もたせ る. (16). で き な い 生 徒 を 留 意 して. (13). ‘. 8 -3. 先 生 一 人 だ け の 授 業 に な らな い よ う に(24).
(13) . 2 ) 「数学の好き・嫌い」 について(. 此等の希望をみると, 「くわ しく丁寧に」「先生一人の授業にな らないように」 とし・ぅのが, 小 o 中・高を通 じ成績の上位の層, 中位の層を通 して最も多く, 嫌いの原因で多い 「難か しい」 を併せ. 考えると, 数学嫌いの生徒を少なくする最良の方法は, 出来るだけ理解できるような教え方を 工夫 することである, 次に多いのは 「興 味をもたせる」 授業を希望 している, 免もすれば教科書を教え るだけ, 受験問題の解法だけの授業になり勝ちに対する批判であ って, 数学史, 数学者のエ ピソ ← ト, 技術革新と数学, 他教科との関連等教師は勉強すべきであろう, 本年の小り中・高を通 じて 「差別を しない」「個人差を考慮 して」「できない生徒を留意 した」 授. 業の希望は中位以下の層の切実な希望のようであり, 充分教師と して反省すべきことであろう. S 4. お. わ. り. に. 私の調査方法は, 副島のいわゆる縦断的方法であるか ら, この方法で研究された諸氏の結 果と, 昨年と本年の調査の結果と比較 した, それを要約すると, 同 じ傾向になった事柄 は,. ① 成績と好き・嫌い は相関 がある,. ②. 嫌いになる割合は上級学校になるに従って増大する,. ③ 一貫 して嫌いな女子は男子より少なく, その割合は極めて少ない, ④ 高校時代 は中学校時代より途中から好きになる生徒は少なし・ ,. ⑤. 好き・嫌い の教師による影響は極めて大きい,. 部分的に同 じ傾 向になった事柄.. 小学校時代 の好き, 高校時代の嫌い の原因は適 性o教材関係が一番多い,. ①. ②. 嫌いになる原因と して, 教師の影響は上級学校になるに従 って増大する. 反対になった事柄 ①. 好きになる原 因と して, 教師の影響は中学校時代が一番大きい, 中学時代 の好き・嫌いの原因は, 適性・教材関係が一番多くなるとは限らない,. ②. 私の2年間の調査結果を比較すると,. ①. 成績と興味の相関関係は, 小学校時代については成績上位の層が中位の層より大きく, 中学校時代については, 成績中位 の層 が上位の層より大きい, 高校時代については殆 ど同 じで極めて大きい,. ②. 数学の好きな生徒の割合は, 成績上位の層 は中・小。高の順で少なくなり, 成績中位の層は小・中 ・高の順で少なくなる,. ③. 好き嫌いの変化では, 成績上位の層 は, 成績中位の層より, 一貫 して好き, 途中で好きな 生徒が多い. 成績中位の層 は成績上位の層より, 一貫 して嫌い, 好き→嫌い→好きと変化する生徒が多い.. 嫌い→好き→嫌いと変化する生徒は, 両者 において殆ど同 じである. 途中で嫌いになる生徒は, 上位の層では, 高校時代は中学時代より 多く, 中位の層では, 中学 ④. 時代は高校時代よ り多い,. 好き・嫌いの原因で頻度の高いものを比較する と, 一般に嫌い の原因は好きの原因の反対に. な っ て い る. -3 9-. ー.
(14) . 中. ⑤ ⑥. 正. 川. 上位の層の小・中 時代は数学 の好き嫌いに数学の成績が大きく影響を している,. 中位の層の小・中・高, 上位の層の高校時代は, 数学を難か しく 感ずるかどうか後好き嫌い. に 大 きく 影 響 して い る,. ⑦ ⑧. 中位の層は上位の層より教師 の影響が強い,. 両方の層とも教師への希望は, 「理解 できるように教える」 , 「興味をもたせる」 が多い,. 参 1 ) 中 川. 正. 考. 文. 献. ) 「数学の好き・嫌い」 について 日 本 数 学 教育会誌 第48巻 (1の66 P.207 ′~P.214 .. 2) 堀. 内. 敏 夫. 3 ) 鴎 鳥 羊吉郎. 24 97~. P.2 「教師の問題」 現代教育学心理大系7 (中山書店)(昭和32年) P,1 ,. 61~P.222 8年) P.1 「数学と興味」 数学学習の心理 (金子書房)(昭和2 .. - 40 -.
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