計 書 配 給 と 清 費 組 織
岡 本 理
一五 四 一一̲̲.○ 一一 胴一一騒
計書配給と滑費統制
浩費組織と浩費組合
ソ聯計書配給と浩費組合
ソ聯計豊配給と浩費組合(績)
清費組織と隣保制度
計書配給と清費統制 ︑
この小論は計書配給制度のもとにおける浩費組織はいかなる形態を以て存在すべきであるかを考察せんとす
るものである︒尤も從來の自由配給制度のもとにおいて消費組織が存在しなかつたといふのではなく︑そこに
は無意識的︑無計書的なる消費の経濟組織が存在ル︑また意識的︑計叢的なる経螢組織としては消費組合のこ
︑計書配給と浩費組織(岡本)﹁天七
二八八
ときものが存在して沿⁝費経濟の主燧をなしてゐたのは周知の事實である︒しかし謂ふととろの計書配給は戦時髄
統制経濟乃至計書経濟のもとにおける生産物の需給を適切に調節する目的を以て探られる政策にして︑すでに
生産組織並に配給組織に封しては國家意志に基く計書化が行はれるのであるから︑これと不可分の關係におい
て蓮接する浩費組織にありてもその意識的なる計書化の行はるべきは當然のことに馬し︑こ玉に眞に我が國情
に適鷹したる浩費組織を考究︑設定する重要性が存在すると思はれるのである︒
本誌前雀﹁國家と経濟﹂所載拙稿ー計書配給論序読ーにおいて論述したるごとく計書配給とは國家が生
.産物の需要と供給⁝とを能ふかぎり適切に合致せしめるため配給制度に一定の計書性を與へる場合を指すのであ
るが︑いまそれを箇條的に略読するととを許されるなちば次の通りである︒
).
(二)(ノ 、)(ロ)(イ
艮 客 領 主
艦ー計書配給を行ふ主艦は常に國家である︒︑
域ー計書配給の及ぶ領域は原則として國内の配給全燈である︒
膿‑計書配給の客艦は生産物に限る︒
へ標;計書配給の目標は生産物の需要と供給との適切なる合致にある︒
〆
而して計書配給のかくのごとぎ目標に鑑み︑國家は常に生産物の供給量に照して國民の割當てらるべき需要
︑量を決定するのであるから︑各入は割當量を超へた浩費をなすことは原則として許されない︒尤も割當量を各
人の必要量に合致せしめるためガ國家はつとめて計叢生産の完途に力を鑑し供給の増加に努力するのである
︑
が︑しかし職時その他の異憂時においては原料資源の不足と勢働力を佛底をきたす之と多く.謂はゆる縮少再
生産により消費財については生産の減退をみること當然の結果なるが故に︑國民は一般に必要量以下の割當に
骨んすべきを通常とする︒したがつて計書配給の理想目標は生産物の必要最低量を︑必要の時に鷹じ︑必要の
,場所において充足せしめることであつても︑すべての需要と供給とをかく数量的に︑時闇的に︑場所的に合致
せしめることは事實上︑不可能であるからこ玉に浩費の統制乃至計叢化の必要をみるに至るのである︒浩費統
制が完全に行はれて需要量の超過をみざるところに完全なる計書消費が實現し︑ぴいて計叢配給の圓満なる途
行をみること玉なる︒計書配給のもとにおける浩費組織を考察するにあたり︑先づ消費統制の間題より論述す
る所以は實にご﹂に存するのである︒︑
タ
さて職時統制経濟乃至計書経濟のもとにおいて國家申央部の維濟計書にもとつく計垂生産︑計書配給及び計
書消費といふ一蓮の關係をもつ諸政策を必要とすること上述の通りであるが︑然らば從來これらのものが果し
て三位一盟として完全に實施されてきたかといふに事實は必すしもそうでない︒すなはち統制経濟乃至計書経
濟をとれる欧洲諸國の實情についてみるに︑先づ生産の増進に政策の重黙が置かれて︑配給及び消費の統制乃至
計豊化は國家が生産を完全に支配しその計書化を適切に行ぴ得るに至つたとき︑初めてこれらの爾者は統制経
濟乃至計書経濟の一部として實現してゐるのを通常とするのである︒事實︑ソ聯計書経濟の磯展においても先
づ生産増加の確立をはかむ然る後︑消費計書化の方向に政策の歩を進めてゐるのみがられる︒翻つて我が國現
計豊配給と浩費組織(岡本),︑︑二入九
二九〇
下の戦時経濟についてみるも隔謂はゆる生産力籏充の緊急性の故をもつて生産の分野における計書化は︑たと
へその結果において物資動員計書通りの業績をあげてゐないにしても沸それが相當に強化促進されてゐること
は否定し得ざるところである︒,然るにそれと密接癒る關聯をもつ配給及び滑費の方面においては︑一部の軍需
ノ品その他の生産財を除けば他はほとんど計書化の實現をみす︑大部の民需品特に生活必需品に關しては長く個
人的自由のまΣに放任され︑最近に至り漸くこれが統制次いで計書化の緒についたかの如き観がする實情であ
る︒例へば配給の分野において最近︑全國的に米︑砂糖︑木炭︑⁝繊維類の必需品に定量割當制をとれるがごと
ノき︑また消費の方面においてこれらの定量割當より結果する浩費統制︑或は購買力の抑制策に基く浩費統制等
のごときこれにして︑何れも國家の灌力的統制乃至計書化の進展を示すものと言ぴ得る︒しかしながら術︑そ
れが選鐸的にして前記生産の計甕化にみるごとき一般的張制にまで進んでゐないのである︒もとよりかくの如
きは我が國のみに限られざるとと上述の通のにして︑猫逸或はソ聯等の消費統制乃至計書化についてみるもそ
れはきはめて消極的なるものにして︑限りある生産物をい.かにして最も有敷に分配するかといふにすぎ・ず︑こ
玉に論するがごときそれが計書経濟の申において計豊生産に封立するところの計書消費として判然と考慮せら
るれてゐるやうには思はれない︒しかし本來︑生産︑配給及び消費の計書化はたとへ政策實施の技術上において
時間的に前後邊速の差があるとしても︑これが重要性に至りては全く野等的のものなるが故に︑これを破行的
歌態にしておくととは理論上︑許されざる之ころである︒かくで計書生産及び計書配給に關聯して國家の手に
顔〜る.滑費σ計書化をはかると同時に︑そのために先づ浩費の統制を行はねばならぬのであるα
およそ消費の統制はその消費主艦が國家なりや個人なりやによつて國家的消費の統制と個人的浩費の統制と
の二つに分けることができる︒このうち前者はその数量がきはめて亘額にのぼり種類も亦多種多檬にわたるの
であるが︑そ.の客罷は多く軍需ロ叩その他の生産財にしてこれが浩⁝費につき豫め國家の基本計書により統制せら
れをるため︑殊更統制上羅問を生じないのでみる︒問題は鞠人撃藩統制について存著︒すなはちこれ
にありてはその客盟.は多く日用必需的な消費財にして馬その主罷は夢︑数︑の國民であり︑しかも從來一部の消費組
合を除けば他は全く未組織の歌態にあつて何等亀意識的統制罷を有せないのである︒加之︑すでにその生産に
おいて自然的並に人爲的に種々の制約をうはてゐる消費財の計書生産の途行がきはめて困難なるに絢はらす︑
'浩⁝費においては絶へす膨脹せんとする傾向を有するため︑需給の適合は容易になしがたいのである︒かくて消
費統制の重要性は主としてこの個人的浩費に關して存するものである︒,尋
次に然らばか玉る溝費の統制はいかなる方法をもつて行はれるか︒思ふに國民の日常生活における溝費を統
制する方法には笙繕甦動によるむのと︑第二に何等かの油令或は制度によるものと㊨二つがある・前者
は國民の自制心に倹つものにして︑これを浩費の倫理的または道徳的統制と稻してもよい︒職時その他の異攣
時においてはもとより︑たとへ平時にあつても無制限なる奢移︑贅澤をなすがま瓦に放任しておくことは肚會的
たも経濟的に蜷決して好ましからす︑時に少なからざる害悪をすら醸すにいたるが故にこれが統制の必要なる
計書配給と滑蓋織(岡本)二空
二九二
ごとは言ふまでもないところであるが︑特に職時下においてはたとへ日用必需品にしても必要量以上の消費は
阻止されねばならぬ︒而してこれが統制の方法として最初に考へ︑また實行の頗る容易なるものは宣傳︑講
演.廣告等によつて國民の正義心に訴へその倫理的協力を要望すゐところの精神運動である︒この方法による
浩費統制は政府が精神蓮動の中心となり各種團禮を通じてその趣旨を徹底せしめる黙忽お喚て相當の敷果を有
するが︑しかし一般溝費財の不足が甚だしぐなるに反比例して國民の欲求が愈々増大する傾向ある場合には.
その敷果は飴のにも小なりと言はねばならぬ6また購入品に封する課税︑或は公債撃を結合的に購入せしめる
方法をとり︑以て心理的に一種の統制を行ふことも考へられるが︑これとて一部の高額所得者に樹しては特別
の痛痒を感ぜしめざるため決して萬全なるものとは言ぴ得ないのである︒こ瓦において後者の方法\すなはち
國家が自ら法令を公布し︑或は政策を實施し︑これらの制度によつて浩費統制の徹底をはかることが肝要とな魔
るのである︒前者の精聯的統制と相鮭んで行は惹べきことは言ぶ迄濁癒いところである︒
消叢令的乃至制韓制として從來とられ勇蕎掻聾る多い・先づ生産物並に榮務の婆
わぱりぜに樹して次のごときものがある︒ぷ辱.
↓冤許八ピ幽8霧o︒・)ゴ許可(即窪ヨ剛$)ヨ生産の國家的統制(︒︒け彗⑦︑器四三註︒昌︒h箕︒α琴江Oコ)囲販費制限(菊守((((ララ σq三簿凶︒5鑑・︒巴︒ω)五検閲(O⑦霧9︒︒ぼo)六制限令(知8窪︒昏︒︒﹃島塁ロn⁝)七政府專費(O︒く︒ヨ言⑦暮ヨ§︒℃︒一冨)((︿ララ八租税(9畏奮)・九輸入税臼菖℃o二α葺♂︒・)((
また從來︑贅金側よりの統制方策としては貯蓄,公債保有の漿働乃至強制による購買力の吸牧に侯つものが
あるが︑ごれは悪性の通貨膨脹を防止するために有敷なるものである︒更に叉︑最近我が國において施行せら
れたる﹁奢修品等製造販費制限規則﹂(昭和十五年七月)はこれらの諸方策と同じく消費統制に封し間接的な
♂'夢
る敷果をもつものではあゐが︑しかし相當進展せる劃期的なるものゆゑ︑その内容を瞥見すれば次の通りであ
る︒先づ奢修品の製造を禁止し(第一條)︑販萱を禁止し(第二條)︑販費激量叉は販費先を制限し(第三條)︑
規格外品販費禁止の規定を設け(第四條)︑以て職時経濟の運螢に必要なる物資及び榮力が不急︑不要品或は
奢修贅澤品の製造︑販萱等に充當せられることを抑制し︑必要物資の生産或は配給の方面に活用せられること︑
を圖つてゐる︒そしてこれらの統制より生す乱國民の飴射購買力を貯蓄の増進或は公債の浩化等の方面に廊り
向けることNしてゐ惹︒またこれによつて職時下における國民の日常生活を刷薪して緊張せしめ︑併せて規格
わ外品の販費を禁止することによつて公定慣格の維持踊行を圖つてゐるのである︒
がくの如く國家は消費統制につき種々の法令︑制度を設け︑或は購買力の吸牧に︑或は生産︑配給乃至便格
の統制に努めてきたのであるが︑これらが前述の精棘蓮動に比しはるかに大なる敷果をもつことは言ふまでも
ない︒しかし爾それがすべて個人的消費に樹し間接的に行はれるといふ黙において統制上↓一の限界があるも
σ乏言はねばならぬ︒すなはち比較的高額所得の階級に属する者にありては貯蓄︑公債保有の強制或は増税の
ごとき左程大なる影響を受けざる者少なからす︑また生産を制限し或は禁止し︑以て沿⁝費統制に及ぶがごとき
計書理給と浩費組織(岡本ど︑二九三